JP2012207132A - コアシェル型樹脂粒子及びその製造方法 - Google Patents

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昌明 岡
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徹 宮島
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Abstract

【課題】 圧力定着性に優れ、耐熱保存性に優れた樹脂粒子を提供する。
【解決手段】 樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)を非極性媒体中に分散したスラリー(E)と、樹脂(B)の溶剤溶液または樹脂(B)の前駆体(B0)もしくはその溶剤溶液を非極性媒体に微分散させた分散体(D)とを混合し、必要により樹脂(B)または前駆体(B0)の溶剤を除去し、前駆体(B0)を使用する場合はさらに前駆体(B0)を反応させて非極性媒体中で樹脂(B)を形成させることにより、樹脂粒子(A)の表面に樹脂(B)が付着したコアシェル型の樹脂粒子(C)の分散体(X)を形成し、分散体(X)から非極性媒体を除去することを特徴とする樹脂粒子の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明はコアシェル型樹脂粒子及びその製造方法に関する。更に詳しくは、電子写真トナー、静電記録トナー及び静電印刷トナー等の中間体として有用なコアシェル型樹脂粒子に関する。
従来、低エネルギーでトナーを定着する技術が望まれている。そのため、より低温で定着し得るトナーが要望されている。トナーの定着温度を低くする手段として、樹脂の溶融粘度を低くすることが一般的に行われている。しかしながら、電子写真用のトナーとして用いる場合、輸送時の容器内及びトナーカートリッジ内での保存を想定した耐熱保存性が必要とされるため樹脂の低粘度化には限界があった。この問題を解決するため、芯物質にバインダー樹脂溶液を含有させ、その周囲を外殻で覆った、圧力のみでの定着が可能なマイクロカプセルトナーが提案された。(例えば、特開平8−30018号公報参照)
しかしながら、保存性を確保するため強固な外殻を必要とし、圧力のみで定着させるには20MPaの加圧装置が必要であり実用的ではなかった。
特開平8−30018号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、圧力定着性及び耐熱保存性に優れるコアシェル型樹脂粒子を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)を非極性媒体中に分散したスラリー(E)と、樹脂(B)の溶剤溶液または樹脂(B)の前駆体(B0)もしくはその溶剤溶液を非極性媒体に微分散させた分散体(D)とを混合し、必要により樹脂(B)または前駆体(B0)の溶剤を除去し、前駆体(B0)を使用する場合はさらに前駆体(B0)を反応させて非極性媒体中で樹脂(B)を形成させることにより、樹脂粒子(A)の表面に樹脂(B)が付着したコアシェル型の樹脂粒子(C)の分散体(X)を形成し、分散体(X)から非極性媒体を除去することを特徴とする樹脂粒子の製造方法;並びに上記の製造方法で得られる樹脂粒子である。
本発明の製造方法により得られる本発明のコアシェル型樹脂粒子は、圧力定着性及び耐熱保存性に優れる。
以下に本発明を詳述する。
本発明の樹脂粒子(C)は、樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)を非極性媒体中に分散したスラリー(E)と、樹脂(B)の溶剤溶液または樹脂(B)の前駆体(B0)もしくはその溶剤溶液を非極性媒体に微分散させた分散体(D)を混合し、溶剤溶液を用いた場合は樹脂(B)または前駆体(B0)の溶剤を除去し、前駆体(B0)を使用する場合はさらに前駆体(B0)を反応させて非極性媒体中で樹脂(B)を形成させることにより、樹脂粒子(A)の表面に樹脂(B)が付着したコアシェル型の樹脂粒子(C)の分散体(X)を形成し、分散体(X)から非極性媒体を除去する方法により得ることができる。
本発明において、樹脂粒子(A)の分散媒体、および樹脂(B)の溶剤溶液または樹脂(B)の前駆体(B0)もしくはその溶剤溶液の分散媒体として使用する非極性媒体としては、20℃における比誘電率が1〜4である媒体を用いる。(A)に用いる非極性媒体と(B)または(B0)もしくはその溶剤溶液に用いる非極性媒体とは、同一であっても異なっていてもよい。
上記非極性媒体としては、炭化水素、フッ素化炭化水素、シリコーン、液体状態または超臨界状態の二酸化炭素、およびこれらの併用等が挙げられる。
上記炭化水素としては、例えば、ヘキサン、オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL(アイソパー:エクソン社の商品名)、シェルゾール70、シェルゾール71(シェルゾール:シェルオイル社の商品名)、アムスコOMS、アムスコ460(アムスコ:スピリッツ社の商品名)、および流動パラフィン等が挙げられる。これらの中で好ましいものは、炭素数6〜24のノルマルパラフィン系炭化水素、および液体状態または超臨界状態の二酸化炭素である。
本発明における、樹脂粒子(A)中に含有される樹脂(a)としては、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、およびエポキシ樹脂等が挙げられる。
ビニル樹脂は、ビニルモノマーを公知の重合触媒等を用いて単独重合又は共重合したポリマーである。ビニルモノマーとしては、下記(1)〜(10)等が挙げられる。
(1)ビニル炭化水素:
(1−1)脂肪族ビニル炭化水素:炭素数2〜12のアルケン(例えばエチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン及び炭素数3〜24のα−オレフィン等);炭素数4〜12のアルカジエン(例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン及び1,7−オクタジエン等)。
(1−2)脂環式ビニル炭化水素:炭素数6〜15のモノ−又はジ−シクロアルケン(例えばシクロヘキセン、ビニルシクロヘキセン及びエチリデンビシクロヘプテン等)、炭素数5〜12のモノ−又はジ−シクロアルカジエン[例えば(ジ)シクロペンタジエン等];及びテルペン(例えばピネン及びリモネン等)等。
(1−3)芳香族ビニル炭化水素:スチレン;スチレンのハイドロカルビル(炭素数1〜24のアルキル、シクロアルキル、アラルキル及び/又はアルケニル)置換体(例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン及びトリビニルベンゼン等);及びビニルナフタレン等。
(2)カルボキシル基含有ビニルモノマー及びそれらの塩:
炭素数3〜30の不飽和モノカルボン酸[例えば(メタ)アクリル酸(アクリル酸及び/又はメタクリル酸を表す。以下同様の表現を用いる。)、クロトン酸イソクロトン酸及び桂皮酸等];炭素数3〜30の不飽和ジカルボン酸(無水物)[例えば(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(無水)シトラコン酸及びメサコン酸等];及び炭素数3〜30の不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜24)エステル(例えばマレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノオクタデシルエステル、フマル酸モノエチルエステル、イタコン酸モノブチルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル及びシトラコン酸モノエイコシルエステル等)等。
カルボキシル基含有ビニルモノマーの塩としては、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩及びカリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩及びマグネシウム塩等)、アンモニウム塩、アミン塩及び4級アンモニウム塩が挙げられる。アミン塩としては、アミン化合物であれば特に限定されないが、例えば1級アミン塩(エチルアミン塩、ブチルアミン塩及びオクチルアミン塩等)、2級アミン(ジエチルアミン塩及びジブチルアミン塩等)、3級アミン(トリエチルアミン塩及びトリブチルアミン塩等)が挙げられる。4級アンモニウム塩としては、テトラエチルアンモニウム塩、トリエチルラウリルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩及びトリブチルラウリルアンモニウム塩等)が挙げられる。
カルボキシル基含有ビニルモノマーの塩の具体例としては、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、マレイン酸モノナトリウム、マレイン酸ジナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム、マレイン酸モノカリウム、アクリル酸リチウム、アクリル酸セシウム、アクリル酸アンモニウム、アクリル酸カルシウム及びアクリル酸アルミニウム等が挙げられる。
(3)スルホ基含有ビニルモノマー及びそれらの塩:
炭素数2〜14のアルケンスルホン酸[例えばビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸及びメチルビニルスルホン酸等];スチレンスルホン酸及びこのアルキル(炭素数2〜24)誘導体{例えばα−メチルスチレンスルホン酸等;炭素数5〜18のスルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレート[例えばスルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸及び3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等]};炭素数5〜18のスルホ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリルアミド[例えば2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等];アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸(例えばプロピルアリルスルホコハク酸、ブチルアリルスルホコハク酸、2−エチルヘキシル−アリルスルホコハク酸);ポリ[n(重合度、以下同様)=2〜30]オキシアルキレン(オキシエチレン、オキシプロピレン及びオキシブチレン等:単独、ランダム、ブロックでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル[例えばポリ(n=5〜15)オキシエチレンモノメタクリレート硫酸エステル、ポリ(n=5〜15)オキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル等];下記一般式(3−1)〜(3−3)で表される化合物;及びこれらの塩等が挙げられる。
なお、塩としては、(2)カルボキシル基含有ビニルモノマー及びそれらの塩で例示した対イオン等が挙げられる。
Figure 2012207132
(式中、Rは炭素数1〜15のアルキル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、nが複数の場合同一でも異なっていてもよく、異なる場合はランダムでもブロックでもよい。Arはベンゼン環を示し、nは1〜50の整数を示し、R’はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜15のアルキル基を示す。)
(4)ホスホノ基含有ビニルモノマー及びその塩:
(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸モノエステル(アルキル基の炭素数1〜24)[例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート及びフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等]、(メタ)アクリロイルオキシアルキルホスホン酸(アルキル基の炭素数1〜24)(例えば2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸等)。
なお、塩としては、(2)カルボキシル基含有ビニルモノマー及びそれらの塩で例示した対イオン等が挙げられる。
(5)ヒドロキシル基含有ビニルモノマー:
ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル及びショ糖アリルエーテル等。
(6)含窒素ビニルモノマー:
(6−1)アミノ基含有ビニルモノマー:
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチル−α−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール、アミノメルカプトチアゾール及びこれらの塩等。
(6−2)アミド基含有ビニルモノマー:
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド、メタクリルホルムアミド、N−メチルN−ビニルアセトアミド及びN−ビニルピロリドン等。
(6−3)炭素数3〜10のニトリル基含有ビニルモノマー:
(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン及びシアノアクリレート等。
(6−4)4級アンモニウムカチオンからなる基を含有するビニルモノマー:
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド及びジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の3級アミノ基含有ビニルモノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド及びジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの。例えばジメチルジアリルアンモニウムクロライド及びトリメチルアリルアンモニウムクロライド等)。
(6−5)炭素数8〜12のニトロ基含有ビニルモノマー:
ニトロスチレン等。
(7)炭素数6〜18のエポキシ基含有ビニルモノマー:
グリシジル(メタ)アクリレート等。
(8)炭素数2〜16のハロゲン元素含有ビニルモノマー:
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロロスチレン、ブロムスチレン、ジクロロスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン及びクロロプレン等。
(9)ビニルエステル、ビニル(チオ)エーテル、ビニルケトン、ビニルスルホン:
(9−1)炭素数4〜16のビニルエステル:
例えば酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル−4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチル−α−エトキシアクリレート、炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート及びエイコシル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の直鎖、分枝又は脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の直鎖、分枝又は脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類(ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等)等、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニルモノマー[ポリエチレングリコール〔数平均分子量(以下、Mnと略記する)=300〕モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(Mn=500)モノアクリレート、メチルアルコールのエチレンオキサイド(以下、EOと記載)10モル付加物(メタ)アクリレート及びラウリルアルコールのEO30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等;
(9−2)炭素数3〜16のビニル(チオ)エーテル:
例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル−2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、ビニル−2−ブトキシエチルエーテル、3,4−ジヒドロ−1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシジエチルエーテル、ビニル−2−エチルメルカプトエチルエーテル、アセトキシスチレン及びフェノキシスチレン等。
(9−3)炭素数4〜12のビニルケトン(例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルフェニルケトン):
炭素数2〜16のビニルスルホン(例えばジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニルエチルスルホン、ジビニルスルホン及びジビニルスルホキサイド等)等。
(10)その他のビニルモノマー:
イソシアナトエチル(メタ)アクリレート及びm−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等。
ビニル樹脂のうち、ビニルモノマーを共重合したポリマー(ビニルモノマーの共重合体)としては、上記(1)〜(10)の任意のモノマー同士を、2元又はそれ以上の個数で、任意の割合で共重合したポリマーが用いられ、例えばスチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−(無水)マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−ジビニルベンゼン共重合体及びスチレン−スチレンスルホン酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、ポリオールと、ポリカルボン酸、その酸無水物又は低級アルキル(アルキル基の炭素数1〜4)エステルとの重縮合物等が使用できる。重縮合反応には、公知の重縮合触媒等が使用できる。
ポリオールとしては、ジオール(11)、及び3〜8価又はそれ以上のポリオール(12)が用いられる。
ポリカルボン酸、その酸無水物又は低級アルキルエステルとしては、ジカルボン酸(13)、3〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸(14)、これらの酸無水物及び低級アルキルエステルが用いられる。
ポリオールとポリカルボン酸の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/5であり、更に好ましくは1.5/1〜1/4、特に好ましくは1/1.3〜1/3である。
ジオール(11)としては、炭素数2〜30のアルキレングリコール(例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコール及び2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等);Mnが106〜10,000のアルキレンエーテルグリコール(例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコール等);炭素数6〜24の脂環式ジオール(例えば1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン及び水素添加ビスフェノールA等);Mnが100〜10,000の上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下、AOと記載)付加物(付加モル数2〜100)(例えば1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサンのEO10モル付加物等);炭素数15〜30のビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等)又は炭素数12〜24のポリフェノール(例えばカテコール、ハイドロキノン及びレゾルシン等)のAO〔EO、プロピレンオキサイド(以下、POと記載)及びブチレンオキサイド等〕付加物(付加モル数2〜100)(例えばビスフェノールAのEO2〜4モル付加物及びビスフェノールAのPO2〜4モル付加物等);重量平均分子量(以下、Mwと略記する)が100〜5,000のポリラクトンジオール(例えばポリ−ε−カプロラクトンジオール等);Mwが1,000〜20,000のポリブタジエンジオール等が挙げられる。
ジオール(11)のうち、好ましいのはアルキレングリコール及びビスフェノール類のAO付加物であり、更に好ましいのは、ビスフェノール類のAO付加物及びこれとアルキレングリコールとの混合物である。
3〜8価又はそれ以上のポリオール(12)としては、3〜8価又はそれ以上、炭素数3〜8の脂肪族多価アルコール(例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビタン及びソルビトール等);炭素数25〜50のトリスフェノール(例えばトリスフェノールPA等)のAO(炭素数2〜4)付加物(付加モル数2〜100)(例えばトリスフェノールPAのEO2〜4モル付加物、トリスフェノールPAのPO2〜4モル付加物等);重合度3〜50のノボラック樹脂(例えばフェノールノボラック及びクレゾールノボラック等)のAO(炭素数2〜4)付加物(付加モル数2〜100)(フェノールノボラックのPO2モル付加物、フェノールノボラックのEO4モル付加物);炭素数6〜30のポリフェノール(例えばピロガロール、フロログルシノール及び1,2,4−ベンゼントリオール等)のAO(炭素数2〜4)付加物(付加モル数2〜100)(ピロガロールのEO4モル付加物);及び重合度20〜2,000のアクリルポリオール[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニルモノマー(例えばスチレン、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステル等)との共重合物等]等が挙げられる。
3〜8価又はそれ以上のポリオール(12)のうち、好ましいのは脂肪族多価アルコール及びノボラック樹脂のAO付加物であり、更に好ましいのはノボラック樹脂のAO付加物である。
ジカルボン酸(13)としては、炭素数4〜32のアルカンジカルボン酸(例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸及びオクタデカンジカルボン酸等);炭素数4〜32のアルケンジカルボン酸(例えばマレイン酸、フマール酸、シトラコン酸及びメサコン酸等);炭素数8〜40の分岐アルケンジカルボン酸[例えばダイマー酸及びアルケニルコハク酸(ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸及びオクタデセニルコハク酸等)等];炭素数12〜40の分岐アルカンジカルボン酸[例えばアルキルコハク酸(デシルコハク酸、ドデシルコハク酸及びオクタデシルコハク酸等)等];炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸(例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸等)等が挙げられる。
ジカルボン酸(13)のうち、好ましいのはアルケンジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸であり、更に好ましいのは芳香族ジカルボン酸である。
3〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸(14)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(例えばトリメリット酸及びピロメリット酸等)等が挙げられる。
なお、ジカルボン酸(13)又は3〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸(14)の酸無水物としては、トリメリット酸無水物及びピロメリット酸無水物等が挙げられる。また、これらの低級アルキルエステルとしては、メチルエステル、エチルエステル及びイソプロピルエステル等が挙げられる。
ポリウレタン樹脂としては、ポリイソシアネート(15)と活性水素含有化合物{水、ポリオール[前記ジオール(11)(ヒドロキシル基以外の官能基を有するジオールを含む)、及び3〜8価又はそれ以上のポリオール(12)]、ポリカルボン酸[ジカルボン酸(13)、及び3〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸(14)]、ポリオールとポリカルボン酸の重縮合により得られるポリエステルポリオール、炭素数6〜12のラクトンの開環重合体、ポリアミン(16)、ポリチオール(17)及びこれらの併用等}の重付加物、並びに(15)と活性水素含有化合物を反応させてなる末端イソシアネート基プレポリマーと、前記プレポリマーのイソシアネート基に対して等量の1級及び/又は2級モノアミン(18)とを反応させて得られる、アミノ基含有ポリウレタン樹脂が挙げられる。
ポリウレタン樹脂中のカルボキシル基の含有率は、好ましくは0.1〜10重量%である。
ポリイソシアネート(15)としては、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート及びこれらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基及びオキサゾリドン基含有変性物等)及びこれらの2種以上の混合物等が用いられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI[粗製ジアミノフェニルメタン[ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)又はその混合物との縮合生成物;ジアミノジフェニルメタンと少量(例えば5〜20重量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物]のホスゲン化物:ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)]、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−又はp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート及びこれらの混合物等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート及びこれらの混合物等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、例えばイソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート及びこれらの混合物等が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えばm−又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)及びこれらの混合物等が挙げられる。
ポリイソシアネートの変性物には、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基及び/又はオキサゾリドン基を含有する変性物等が用いられ、例えば変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI及びトリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等)、ウレタン変性TDI及びこれらの混合物[例えば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との混合物]等が挙げられる。
ポリイソシアネート(15)のうち、好ましいのは、炭素数6〜15の芳香族ポリイソシアネート、炭素数4〜12の脂肪族ポリイソシアネート及び炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネートであり、更に好ましいのは、TDI、MDI、HDI、水添MDI及びIPDIである。
ポリアミン(16)としては、炭素数2〜18の脂肪族ポリアミン及び芳香族ポリアミン(炭素数6〜20)等が挙げられる。
炭素数2〜18の脂肪族ポリアミンとしては、脂肪族ポリアミン、これらのアルキル(炭素数1〜4)又はヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)置換体、脂環式又は複素環含有脂肪族ポリアミン及び芳香環含有脂肪族アミン(炭素数8〜15)等が挙げられる。
脂肪族ポリアミンとしては、炭素数2〜12のアルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン等)及びポリアルキレン(炭素数2〜6)ポリアミン[ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン及びペンタエチレンヘキサミン等]等が挙げられる。
これらのアルキル(炭素数1〜4)又はヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)置換体としては、ジアルキル(炭素数1〜3)アミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン及びメチルイミノビスプロピルアミン等が挙げられる。
脂環式又は複素環含有脂肪族ポリアミンとしては、炭素数4〜15の脂環式ポリアミン{1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4’−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)及び3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等}及び炭素数4〜15の複素環式ポリアミン{ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン及び1,4ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン等}等が挙げられる。
芳香環含有脂肪族アミン(炭素数8〜15)としては、キシリレンジアミン及びテトラクロロ−p−キシリレンジアミン等が挙げられる。
芳香族ポリアミン(炭素数6〜20)としては、非置換芳香族ポリアミン、核置換アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基)を有する芳香族ポリアミン、核置換電子吸引基(フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基及びエトキシ基等のアルコキシ基;ニトロ基等)を有する芳香族ポリアミン及び2級アミノ基を有する芳香族ポリアミン等が使用できる。
非置換芳香族ポリアミンとしては、1,2−、1,3−又は1,4−フェニレンジアミン、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリアミン、ナフチレンジアミン及びこれらの混合物等が挙げられる。
核置換アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基)を有する芳香族ポリアミンとしては、例えば2,4−又は2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4−ジエチル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジブチル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1,3,5−トリエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリイソプロピル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジイソプロピル−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジブチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、3,3’,5,5’−テトライソプロピルベンジジン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3’−メチル−2’,4−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジイソプロピル−3’−メチル−2’,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−2,2’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン及びこれらの混合物等が挙げられる。
核置換電子吸引基(フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基及びエトキシ基等のアルコキシ基;ニトロ基等)を有する芳香族ポリアミンとしては、例えばメチレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロロ−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロロ−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フェニレンジアミン、3−ジメトキシ−4−アミノアニリン;4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−5,5’−ジブロモ−ジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)オキシド、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)デカン、ビス(4−アミノフェニル)スルフイド、ビス(4−アミノフェニル)テルリド、ビス(4−アミノフェニル)セレニド、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)ジスルフイド、4,4’−メチレンビス(2−ヨードアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−ブロモアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−フルオロアニリン)及び4−アミノフェニル−2−クロロアニリン等が挙げられる。
2級アミノ基を有する芳香族ポリアミンとしては、上記非置換芳香族ポリアミン、核置換アルキル基を有する芳香族ポリアミン及び核置換電子吸引基を有する芳香族ポリアミンの−NH2の一部又は全部が−NH−R’(R’はアルキル基、例えばメチル基及びエチル基等の炭素数1〜4のアルキル基)で置換されたもの[例えば4,4’−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン及び1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼン等]、ポリアミドポリアミン:ジカルボン酸(ダイマー酸等)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリアミン類(上記アルキレンジアミン及びポリアルキレンポリアミン等)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミン等、ポリエーテルポリアミン:ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコール等)のシアノエチル化物の水素化物等が挙げられる。
ポリチオール(17)としては、炭素数2〜36のアルカンジチオール(エチレンジチオール、1,4−ブタンジチオール及び1,6−ヘキサンジチオール等)等が挙げられる。
1級及び/又は2級モノアミン(18)としては、炭素数2〜24のアルキルアミン(エチルアミン、n−ブチルアミン及びイソブチルアミン等)等が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、ポリエポキシド(19)の開環重合物、ポリエポキシド(19)と活性水素含有化合物{水、ポリオール[前記ジオール(11)及び3〜8価又はそれ以上のポリオール(12)]、ジカルボン酸(13)、3〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸(14)、ポリアミン(16)及びポリチオール(17)等}との重付加物、及びポリエポキシド(19)とジカルボン酸(13)又は3〜6価若しくはそれ以上のポリカルボン酸(14)の酸無水物との硬化物等が挙げられる。
本発明に用いるポリエポキシド(19)は、分子中に2個以上のエポキシ基を有していれば特に限定されない。ポリエポキシド(19)のうち好ましいのは、硬化物の機械的性質の観点から分子中にエポキシ基を2〜6個有するものである。ポリエポキシド(19)のエポキシ当量(エポキシ基1個当たりの分子量)は、好ましくは65〜1,000であり、更に好ましくは90〜500である。エポキシ当量が1,000以下であると、架橋構造が密になり硬化物の耐水性、耐薬品性及び機械的強度等の物性が向上し、一方、エポキシ当量が65未満のものを合成するのは困難である。
ポリエポキシド(19)としては、芳香族系ポリエポキシ化合物、複素環系ポリエポキシ化合物、脂環族系ポリエポキシ化合物及び脂肪族系ポリエポキシ化合物等が挙げられる。
芳香族系ポリエポキシ化合物としては、多価フェノール類のグリシジルエーテル体及びグリシジルエステル体、グリシジル芳香族ポリアミン並びにアミノフェノールのグリシジル化物等が挙げられる。
多価フェノールのグリシジルエーテル体としては、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールBジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ハロゲン化ビスフェノールAジグリシジル、テトラクロロビスフェノールAジグリシジルエーテル、カテキンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ピロガロールトリグリシジルエーテル、1,5−ジヒドロキシナフタリンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、オクタクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、テトラメチルビフェニルジグリシジルエーテル、ジヒドロキシナフチルクレゾールトリグリシジルエーテル、トリス(ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテル、ジナフチルトリオールトリグリシジルエーテル、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンテトラグリシジルエーテル、p−グリシジルフェニルジメチルトリールビスフェノールAグリシジルエーテル、トリスメチル−t−ブチル−ブチルヒドロキシメタントリグリシジルエーテル、9,9’−ビス(4−ヒドキシフェニル)フロオレンジグリシジルエーテル、4,4’−オキシビス(1,4−フェニルエチル)テトラクレゾールグリシジルエーテル、4,4’−オキシビス(1,4−フェニルエチル)フェニルグリシジルエーテル、ビス(ジヒドロキシナフタレン)テトラグリシジルエーテル、フェノール又はクレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル体、リモネンフェノールノボラック樹脂のグリシジルエーテル体、ビスフェノールA2モルとエピクロロヒドリン3モルの反応から得られるジグリシジルエーテル体、フェノールとグリオキザール、グルタールアルデヒド又はホルムアルデヒドの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル体、及びレゾルシンとアセトンの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル体等が挙げられる。
多価フェノールのグリシジルエステル体としては、フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル及びテレフタル酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。
グリシジル芳香族ポリアミンとしては、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン及びN,N,N’,N’−テトラグリシジルジフェニルメタンジアミン等が挙げられる。更に、前記芳香族系として、P−アミノフェノールのトリグリシジルエーテル、トリレンジイソシアネート又はジフェニルメタンジイソシアネートとグリシドールの付加反応によって得られるジグリシジルウレタン化合物、前記2反応物にポリオールも反応させて得られるグリシジル基含有ポリウレタン(プレ)ポリマー及びビスフェノールAのAO付加物のジグリシジルエーテル体も含む。
複素環系ポリエポキシ化合物としては、トリスグリシジルメラミンが挙げられる。;脂環族系ポリエポキシ化合物としては、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、リモネンジオキサイド、ジシクロペンタジエンジオキサイド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエール、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)ブチルアミン及びダイマー酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。脂環族系としては、前記芳香族系ポリエポキシド化合物の核水添化物も含む。脂肪族系ポリエポキシ化合物としては、多価脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル体、多価脂肪酸のポリグリシジルエステル体及びグリシジル脂肪族アミンが挙げられる。多価脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル体としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル及びポリグリセロールンポリグリシジルエーテル等が挙げられる。多価脂肪酸のポリグリシジルエステル体としては、ジグリシジルオキサレート、ジグリシジルマレート、ジグリシジルスクシネート、ジグリシジルグルタレート、ジグリシジルアジペート及びジグリシジルピメレート等が挙げられる。グリシジル脂肪族アミンとしては、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。脂肪族系としては、ジグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体も含む。
ポリエポキシド(19)のうち好ましいのは、脂肪族系ポリエポキシ化合物及び芳香族系ポリエポキシ化合物である。ポリエポキシドは、2種以上を併用してもよい。
本発明における樹脂(a)として、圧力定着性の観点から、さらに好ましいのは、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂及びエポキシ樹脂である。
本発明の樹脂粒子を電子写真トナーに用いる場合、樹脂粒子(A)の体積平均粒径は1〜20μmであることが好ましい。更に好ましくは1〜15μmであり、特に好ましくは2〜10μmである。
樹脂粒子(A)は圧力定着性の観点から、Tg(ガラス転移温度)が−100〜40℃であることが好ましい。更に好ましくは−90〜35℃、特に好ましくは−80〜30℃である。Tgは示差走査熱量測定(以下、DSCと記載する。)より求めることができる。
樹脂粒子(A)の軟化開始温度は、好ましくは−120℃〜30℃、より好ましくは−110℃〜25℃である。なお、本発明における軟化開始温度は、フローテスター測定から求められる値である。
樹脂粒子(A)は、樹脂(a)に必要により可塑剤(V)を添加することで、Tgを調整することができる。可塑剤(V)としては特に限定されず、以下のものが挙げられる。
(v1)フタル酸エステル(フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル及びフタル酸ジイソデシル等);
(v2)脂肪族2塩基酸エステル(アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル及びセバシン酸−2−エチルヘキシル等);
(v3)トリメリット酸エステル(トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル及びトリメリット酸トリオクチル等);
(v4)リン酸エステル(リン酸トリエチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル及びリン酸トリクレジール等);
(v5)脂肪酸エステル(オレイン酸ブチル等);
(v6)ポリアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、及びこれらのアルキルエーテル等)
(v7)これらの2種以上の混合物。
可塑剤(V)の樹脂(a)に対する添加量は、多すぎると定着後の画像のべたつきなどの問題が発生することから、樹脂(a)の重量基準で50%以下が好ましく、更に好ましくは40%以下、特に好ましくは35%以下である。
本発明で用いる樹脂粒子(A)は、公知の方法で作成することができ、溶解懸濁法、懸濁重合法、乳化重合法などの方法が挙げられる。上記方法における分散媒体として前述の非極性媒体を使用した場合は、非極性媒体中で樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)を形成した後、その分散体中の樹脂粒子(A)の濃度を調整することで、本発明に使用するスラリー(E)として使用することができる。また、上記方法で得られた樹脂粒子(A)を粉体の状態で取り出し、所望の非極性媒体中に分散させてスラリー(E)を得ても良い。
本発明に使用する、樹脂粒子(A)を非極性媒体中に分散したスラリー(E)は、スラリー(E)中の樹脂粒子(A)の濃度が、粒子同士の合着防止の観点から0.01〜30重量%であることが好ましく、更に好ましくは0.05〜15重量%であり、特に好ましくは0.1〜10重量%である。
樹脂(B)としては、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂及びポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
これらの中で好ましくは、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂及びエポキシ樹脂である。ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂及びエポキシ樹脂としては、樹脂(a)と同様のものが挙げられる。樹脂(B)としては、上記樹脂の2種以上を併用してもよい。
樹脂(B)は、保存安定性の観点から、Tgが50〜230℃であることが好ましい。更に好ましくは60〜220℃であり、特に好ましくは70〜200℃である。TgはDSCより求めることができる。
前駆体(B0)としては、ビニルモノマー及び、反応性基を有するプレポリマー(α)と硬化剤(β)の組み合わせなどが挙げられる。ここで「反応性基」とは硬化剤(β)と反応可能な基のことをいう。この場合、前駆体(B0)を反応させて樹脂(B)を形成する方法としては、樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)を非極性媒体中に分散したスラリー(E)と、前駆体(B0)もしくはその溶剤溶液を非極性媒体に微分散させた分散体(D)を混合し、溶剤溶液を用いた場合は前駆体(B0)の溶剤を除去し、さらに前駆体(B0)を反応させて非極性媒体中で樹脂(B)を形成させることにより、樹脂粒子(A)の表面に樹脂(B)が付着したコアシェル型の樹脂粒子(C)の分散体(X)を形成する方法等が挙げられる。
ビニルモノマーとしては、樹脂(a)で例示したビニルモノマーが挙げられる。
反応性基含有プレポリマー(α)が有する反応性基と、硬化剤(β)の組み合わせとしては、下記[1]、[2]等が挙げられる。
[1]反応性基含有プレポリマー(α)が有する反応性基が、活性水素化合物と反応可能な官能基(α1)であり、硬化剤(β)が活性水素基含有化合物(β1)であるという組み合わせ。
[2]反応性基含有プレポリマー(α)が有する反応性基が活性水素含有基(α2)であり、硬化剤(β)が活性水素含有基と反応可能な化合物(β2)であるという組み合わせ。
上記組合せ[1]において、活性水素化合物と反応可能な官能基(α1)としては、イソシアネート基(α1a)、ブロック化イソシアネート基(α1b)、エポキシ基(α1c)、酸無水物基(α1d)及び酸ハライド基(α1e)等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、(α1a)、(α1b)及び(α1c)であり、更に好ましいのは、(α1a)及び(α1b)である。
ブロック化イソシアネート基(α1b)は、ブロック化剤によりブロックされたイソシアネート基のことをいう。
上記ブロック化剤としては、オキシム類[アセトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、ジエチルケトオキシム、シクロペンタノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム及びメチルエチルケトオキシム等];ラクタム類[γ−ブチロラクタム、ε−カプロラクタム及びγ−バレロラクタム等];炭素数1〜20の脂肪族アルコール類[エタノール、メタノール及びオクタノール等];フェノール類[フェノール、m−クレゾール、キシレノール及びノニルフェノール等];活性メチレン化合物[アセチルアセトン、マロン酸エチル及びアセト酢酸エチル等];塩基性窒素含有化合物[N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、2−ヒドロキシピリジン、ピリジンN−オキサイド及び2−メルカプトピリジン等];及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらのうち好ましいのはオキシム類であり、更に好ましいのはメチルエチルケトオキシムである。
反応性基含有プレポリマー(α)の構成単位としては、ポリエーテル(αw)、ポリエステル(αx)、エポキシ樹脂(αy)及びポリウレタン(αz)等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、(αx)、(αy)及び(αz)であり、更に好ましいのは(αx)及び(αz)である。
ポリエーテル(αw)としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド及びポリテトラメチレンオキサイド等が挙げられる。
ポリエステル(αx)としては、ジオール(11)とジカルボン酸(13)の重縮合物、ポリラクトン(ε−カプロラクトンの開環重合物等)等が挙げられる。
エポキシ樹脂(αy)としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等)とエピクロロヒドリンとの付加縮合物等が挙げられる。
ポリウレタン(αz)としては、ジオール(11)とポリイソシアネート(15)の重付加物、ポリエステル(αx)とポリイソシアネート(15)の重付加物等が挙げられる。
ポリエステル(αx)、エポキシ樹脂(αy)、ポリウレタン(αz)等に反応性基を含有させる方法としては、
[1]二以上の構成成分のうちの一つを過剰に用いることで構成成分の官能基を末端に残存させる方法、
[2]二以上の構成成分のうちの一つを過剰に用いることで構成成分の官能基を末端に残存させ、更に残存した官能基と反応可能な官能基及び反応性基を含有する化合物を反応させる方法、等が挙げられる。
上記方法[1]では、水酸基含有ポリエステルプレポリマー、カルボキシル基含有ポリエステルプレポリマー、酸ハライド基含有ポリエステルプレポリマー、水酸基含有エポキシ樹脂プレポリマー、エポキシ基含有エポキシ樹脂プレポリマー、水酸基含有ポリウレタンプレポリマー及びイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマー等が得られる。
構成成分の比率は、例えば水酸基含有ポリエステルプレポリマーの場合、ポリオール成分とポリカルボン酸成分の比率が、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/1であり、更に好ましくは1.5/1〜1/1、特に好ましくは1.3/1〜1.02/1である。他の骨格、末端基のプレポリマーの場合も、構成成分が変わるだけで比率は同様である。
上記方法[2]では、上記方法[1]で得られたプレプリマーに、ポリイソシアネートを反応させることでイソシアネート基含有プレポリマーが得られ、ブロック化ポリイソシアネートを反応させることでブロック化イソシアネート基含有プレポリマーが得られ、ポリエポキサイドを反応させることでエポキシ基含有プレポリマーが得られ、ポリ酸無水物を反応させることで酸無水物基含有プレポリマーが得られる。
官能基及び反応性基を含有する化合物の使用量は、例えば、水酸基含有ポリエステルにポリイソシアネートを反応させてイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーを得る場合、ポリイソシアネートの比率が、イソシアネート基[NCO]と、水酸基含有ポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、好ましくは5/1〜1/1であり、更に好ましくは4/1〜1.2/1、特に好ましくは2.5/1〜1.5/1である。他の骨格、末端基を有するプレポリマーの場合も、構成成分が変わるだけで比率は同様である。
反応性基含有プレポリマー(α)中の1分子当たりに含有する反応性基は、通常1個以上であり、好ましくは平均1.5〜3個、更に好ましくは平均1.8〜2.5個である。上記範囲にすることで、硬化剤(β)と反応させて得られる硬化物のMwが高くなる。
反応性基含有プレポリマー(α)のMnは、好ましくは500〜30,000であり、更に好ましくは1,000〜20,000、特に好ましくは2,000〜10,000である。
反応性基含有プレポリマー(α)のMwは、1,000〜50,000であり、好ましくは2,000〜40,000、更に好ましくは4,000〜20,000である。
反応性基含有プレポリマー(α)の粘度は、100℃において、好ましくは200Pa・s以下であり、更に好ましくは100Pa・s以下である。200Pa・s以下にすることで、粒度分布のシャープなトナーが得られる点で好ましい。
活性水素基含有化合物(β1)としては、脱離可能な化合物でブロック化されていてもよいポリアミン(β1a)、ポリオール(β1b)、ポリメルカプタン(β1c)及び水等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、(β1a)、(β1b)及び水であり、更に好ましいのは、(β1a)及び水であり、特に好ましいのは、ブロック化されたポリアミン類及び水である。
(β1a)としては、ポリアミン(16)と同様のものが挙げられる。(β1a)として好ましいのは、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン及びこれらの混合物である。
(β1a)が脱離可能な化合物でブロック化されたポリアミンである場合の例としては、前記ポリアミン類と炭素数3〜8のケトン類(アセトン、MEK及びメチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、炭素数2〜8のアルデヒド化合物(ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒド等)から得られるアルジミン化合物、エナミン化合物及びオキサゾリジン化合物等が挙げられる。
ポリオール(β1b)としては、前記のジオール(11)及び3〜8価又はそれ以上のポリオール(12)と同様のものが挙げられる。ポリオール(β1b)のうち好ましいのは、ジオール(11)単独、及びジオール(11)と少量のポリオール(12)の混合物である。
ポリメルカプタン(β1c)としては、エチレンジチオール、1,4−ブタンジチオール及び1,6−ヘキサンジチオール等が挙げられる。
必要により活性水素基含有化合物(β1)と共に反応停止剤(βs)を用いることができる。反応停止剤を(β1)と一定の比率で併用することにより、(B)を所定のMwに調整することが可能である。
反応停止剤(βs)としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン、モノエタノールアミン及びジエタノールアミン等);
モノアミンをブロックしたもの(ケチミン化合物等);
モノオール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール及びフェノール等;
モノメルカプタン(ブチルメルカプタン及びラウリルメルカプタン等);
モノイソシアネート(ラウリルイソシアネート及びフェニルイソシアネート等);
モノエポキサイド(ブチルグリシジルエーテル等)等が挙げられる。
上記組合せ[2]における反応性基含有プレポリマー(α)が有する活性水素含有基(α2)としては、アミノ基(α2a)、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)(α2b)、メルカプト基(α2c)、カルボキシル基(α2d)及びそれらが脱離可能な化合物でブロック化された有機基(α2e)等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、(α2a)、(α2b)及びアミノ基が脱離可能な化合物でブロック化された有機基(α2e)であり、更に好ましいのは(α2b)である。
アミノ基が脱離可能な化合物でブロック化された有機基としては、前記(β1a)の場合と同様のものが挙げられる。
活性水素含有基と反応可能な化合物(β2)としては、ポリイソシアネート(β2a)、ポリエポキシド(β2b)、ポリカルボン酸(β2c)、ポリ酸無水物(β2d)及びポリ酸ハライド(β2e)等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、(β2a)及び(β2b)であり、更に好ましいのは(β2a)である。
ポリイソシアネート(β2a)としては、ポリイソシアネート(15)と同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
ポリエポキシド(β2b)としては、ポリエポキシド(18)と同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
ポリカルボン酸(β2c)としては、ジカルボン酸(β2c−1)及び3価以上のポリカルボン酸(β2c−2)等が挙げられる。ポリカルボン酸(β2c)のうち好ましいのは、(β2c−1)単独及び(β2c−1)と少量の(β2c−2)の混合物である。
ジカルボン酸(β2c−1)としては、前記ジカルボン酸(13)と同様のものが挙げられる。ポリカルボン酸としては、前記3〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸(14)と同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
ポリカルボン酸無水物(β2d)としては、ピロメリット酸無水物等が挙げられる。
ポリ酸ハライド類(β2e)としては、前記(β2c)の酸ハライド(酸クロライド、酸ブロマイド及び酸アイオダイド等)等が挙げられる。
更に必要により、(β2)と共に反応停止剤(βs)を用いることができる。
硬化剤(β)の比率は、反応性基含有プレポリマー(α)中の反応性基の当量[α]と、硬化剤(β)中の活性水素含有基[β]の当量の比[α]/[β]として、好ましくは1/2〜2/1であり、更に好ましくは1.5/1〜1/1.5、特に好ましくは1.2/1〜1/1.2である。なお、硬化剤(β)が水である場合は、水は2価の活性水素化合物として取り扱う。
反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)で構成される前駆体(B0)を媒体中で反応させた樹脂(B)が樹脂粒子(C)のシェル部分となる。反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)を反応させた樹脂(B)のMwは、好ましくは3,000以上であり、更に好ましくは3,000〜1000万、特に好ましくは5,000〜100万である。
反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)との反応時に、反応性基含有プレポリマー(α)及び硬化剤(β)と反応しないポリマー(いわゆるデッドポリマー)を系内に含有させることもできる。この場合、形成される樹脂(B)は、反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)を媒体中で反応させて得られた樹脂と、反応させていない樹脂(デッドポリマー)の混合物となる。
分散体(D)を作成する際、(D)中に分散させるシェルを形成する樹脂は液体であることが好ましい。このため、樹脂(B)の溶剤溶液を用いたり、(B)の前駆体(B0)又はその溶剤溶液を用いる。樹脂(B)の溶剤溶液又は前駆体(B0)若しくはその溶剤溶液の分散体(D)作成温度での粘度は、好ましくは10〜5万mPa・s(B型粘度計で測定)であり、更に好ましくは100〜1万mPa・sである。分散時の温度としては、好ましくは0〜150℃(加圧下)、更に好ましくは5〜98℃である。分散体(D)の粘度が高い場合は、高温にして粘度を上記の好ましい範囲まで低下させて、乳化分散を行うのが好ましい。樹脂(B)100重量部に対する非極性媒体の使用量は、分散安定性の観点から、好ましくは50〜10,000重量部であり、更に好ましくは100〜5,000重量部である。分散には、以下の分散装置を用いることができる。
前記分散装置としては、一般に乳化機、分散機として市販されているものであれば特に限定されず、例えばホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー[特殊機化工業(株)製]等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー[(株)荏原製作所製]、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー[特殊機化工業(株)製]、コロイドミル[神鋼パンテック(株)製]、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機[三井三池化工機(株)製]、キャピトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル[太平洋機工(株)製]等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー[みずほ工業(株)製]、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機[冷化工業(株)製]等の膜乳化機、バイブロミキサー[冷化工業(株)製]等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。これらのうち粒径の均一化の観点から好ましいのは、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス及びTKパイプラインホモミキサーである。
上記分散方法において、乳化剤又は分散剤を併用することができ、公知の界面活性剤(s)等を用いることができる。
界面活性剤(s)としては、特に限定されず、アニオン界面活性剤(s−1)、カチオン界面活性剤(s−2)、両性界面活性剤(s−3)及び非イオン界面活性剤(s−4)等が挙げられる。界面活性剤(s)は2種以上の界面活性剤を併用してもよい。
アニオン界面活性剤(s−1)としては、カルボン酸又はその塩、硫酸エステル塩、カルボキシメチル化物の塩、スルホン酸塩及びリン酸エステル塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤(s−2)としては、第4級アンモニウム塩型界面活性剤及びアミン塩型界面活性剤等が挙げられる。
両性界面活性剤(s−3)としては、カルボン酸塩型両性界面活性剤、硫酸エステル塩型両性界面活性剤、スルホン酸塩型両性界面活性剤及びリン酸エステル塩型両性界面活性剤等が挙げられる。
非イオン界面活性剤(s−4)としては、AO付加型非イオン界面活性剤、多価アルコ−ル型非イオン界面活性剤、フッ素系活性剤、シリコン系活性剤等が挙げられる。
これらの界面活性剤(s)の具体例としては、特開2002−284881号公報に記載のもの等が挙げられる。
上記界面活性剤(s)のうち好ましいのは、非極性媒体中への分散性の観点から、HLBが1〜20の非イオン界面活性剤であり、更に好ましくは1〜18、特に好ましくは1〜16の非イオン界面活性剤である。
樹脂(B)の溶剤溶液及び前駆体(B0)の溶剤溶液に用いる溶剤は、樹脂(B)を常温又は加熱下で溶解し得る溶剤であり、かつその溶剤溶液が非極性媒体に中に分散化能であれば特に限定されず、具体例としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン及びテトラリン等の芳香族炭化水素系溶剤;n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット及びシクロヘキサン等の脂肪族又は脂環式炭化水素系溶剤;塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、メチレンジクロライド、四塩化炭素、トリクロロエチレン及びパークロロエチレン等のハロゲン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等のエステル系又はエステルエーテル系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤、N−メチルピロリドン等の複素環式化合物系溶剤、水、並びにこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。好ましいものは樹脂(B)の種類によって異なるが、(B)とのSP値の差が3以下であることが好ましい。また、脱溶剤により溶剤を除くことの容易さの観点から、沸点が200℃以下の溶剤が好ましく、更に好ましくは150℃以下、特に好ましくは120℃以下の溶剤である。また、非極性媒体中への分散性の観点から、溶解度パラメーターが9.8以上の溶剤が好ましく、更に好ましくは10.3以上、特に好ましくは10.8以上の溶剤である。
樹脂粒子(A)の樹脂(B)による被覆の均一性の観点から、分散体(D)中の樹脂(B)の溶剤溶液または樹脂(B)の前駆体(B0)もしくはその溶剤溶液の体積平均粒径(RB)と、樹脂粒子(A)の体積平均粒径(RA)との関係が下記式(1)を満たすことが好ましい。
(RB)<(RA) (1)
更に好ましくは、関係式(1)を満たし、かつ(RB)が0.001〜15μm、特に好ましくは、式(1)を満たし、かつ(RB)が0.01〜5μmである。
上記体積平均粒径(RA)及び(RB)の測定は、一般に粒径測定に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、「DT−1200」[日本ルフト(株)製]、「ゼータサイザー」[シスメックス(株)製]、「ELS−8000」[大塚電子(株)製]、「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)、「SALD−2100」[(株)島津製作所製]及び「LA−920」[(株)堀場製作所製]等が挙げられる。
なお、非極性媒体が液体状態または超臨界状態の二酸化炭素の場合は、下記の方法で測定したものを、樹脂(B)の溶剤溶液または樹脂(B)の前駆体(B0)もしくはその溶剤溶液の体積平均粒径(RB)とみなす。
分散体(D)に使用した樹脂(B)の溶剤溶液または樹脂(B)の前駆体(B0)もしくはその溶剤溶液を分散可能な非極性媒体(例えば、樹脂(B)のメタノール溶液を使用した場合はn−デカンなどの炭化水素)を用意しておく。サンプリング可能な耐圧容器内で作成した液体状態または超臨界状態の二酸化炭素を含む分散体(D)の一部を、用意しておいた大気圧下におかれた非極性媒体中に排出して、二酸化炭素を気化させて除去するとともに樹脂(B)の溶剤溶液または樹脂(B)の前駆体(B0)もしくはその溶剤溶液を非極性媒体中に分散する。この非極性媒体中に分散したものの体積平均粒径を前記の測定方法で測定することで(RB)とする。
スラリー(E)と分散体(D)とを混合する際の比率は、スラリー(E)100重量部に対して、分散体(D)が、好ましくは1〜10,000重量部、更に好ましくは5〜5,000重量部、特に好ましくは10〜1,000重量部である。
スラリー(E)と分散体(D)の混合は、凝集物の発生防止の観点から、スラリー(E)中の樹脂粒子(A)、及び樹脂粒子(A)の表面に樹脂(B)の溶剤溶液または前駆体(B0)もしくはその溶剤溶液が付着した樹脂粒子(C)の前駆体(C1)が沈降しない程度に撹拌しながら行われることが好ましい。
樹脂粒子(C)の前駆体(C1)を形成させた後、必要に応じて、さらなる工程として、溶剤を除去又は減少させる工程を行うことが好ましい。すなわち、(B)の溶剤溶液または(B0)の溶剤溶液を用い前駆体(C1)が非極性媒体中に分散した分散体(X1)中に溶剤を含む場合、加熱または加熱及び減圧にすることで溶剤を除去する工程を含むことができる。
溶剤除去の際、非極性媒体が液体状態または超臨界状態の二酸化炭素である場合、そのまま容器を減圧にすると、二酸化炭素中に溶解した溶剤が凝縮し、樹脂粒子前駆体(C1)を再溶解してしまったり、樹脂粒子(C)を捕集する際に樹脂粒子(C)同士が合一してしまう等の問題が生じる場合がある。溶剤を除去又は減少させる方法としては、例えば、得られた分散体(X1)に、さらに液体状態または超臨界状態の二酸化炭素を混合して樹脂粒子前駆体(C1)から溶剤を二酸化炭素の相に抽出し、つぎに、溶剤を含む二酸化炭素を溶剤を含まない二酸化炭素で置換し、その後に減圧することが好ましい。
樹脂粒子前駆体(C1)が二酸化炭素中に分散した分散体(X1)と液体状態または超臨界状態の二酸化炭素の混合方法は、(X1)より高い圧力の二酸化炭素を加えてもよく、また(X1)を(X1)より低い圧力の二酸化炭素中に加えてもよいが、連続操作の容易性の観点からより好ましくは後者である。(X1)と混合する二酸化炭素の量は、樹脂粒子(C)の合一防止の観点から、(X1)の体積の1〜50倍が好ましく、さらに好ましくは1〜40倍、最も好ましくは2〜30倍である。上記のように樹脂粒子前駆体(C1)中に含有される溶剤を除去ないし減少させ、その後、二酸化炭素を除去することにより、樹脂粒子(C)同士が合一することを防ぐことができる。
溶剤を含む二酸化炭素を溶剤を含まない二酸化炭素で置換する方法としては、樹脂粒子(C)を一旦フィルターやサイクロンで補足した後、圧力を保ちながら、溶剤が完全に除去されるまで二酸化炭素を流通させる方法が挙げられる。流通させる二酸化炭素の量は、分散体(X1)からの溶剤除去の観点から、(X1)の体積に対して1〜100倍が好ましく、さらに好ましくは1〜50倍、最も好ましくは2〜30倍である。
樹脂粒子(C)は、樹脂粒子(C)の分散体(X)から非極性媒体を除去することにより得られる。非極性媒体を除去する方法としては、
〔1〕分散体(X)を減圧下または常圧下で乾燥する方法
〔2〕遠心分離器、スパクラフィルター、フィルタープレスなどにより固液分離し、必要に応じ非極性媒体と均一に混合し、かつ樹脂粒子(C)を溶解させない溶剤で洗浄し、得られた粉末を乾燥する方法。
〔3〕分散体(X)を凍結させて乾燥させる方法(いわゆる凍結乾燥)
等が例示される。
上記〔1〕、〔2〕において、得られた粉末を乾燥する際、流動層式乾燥機、減圧乾燥機、循風乾燥機など公知の設備を用いて行うことができる。
また、必要に応じ、風力分級器などを用いて分級し、所定の粒度分布とすることもできる。
なお、非極性媒体が液体状態または超臨界状態の二酸化炭素のみの場合、常温常圧まで減圧することにより、容易に除去することができる。
本発明の樹脂粒子(C)は、保存安定性の観点から、50〜99.9重量%の樹脂粒子(A)と0.1〜50重量%の樹脂(B)で構成されることが好ましく、更に好ましくは55〜99.5重量%の樹脂粒子(A)と0.5〜45重量%の樹脂(B)、特に好ましくは60〜99重量%の樹脂粒子(A)と1〜40重量%の樹脂(B)で構成されることが好ましい。また、樹脂粒子(C)は、保存安定性の観点から、樹脂粒子(A)の表面の95%以上が樹脂(B)で覆われている構造であることが好ましく、更に好ましくは97%以上、特に好ましくは99%以上が樹脂(B)で覆われている構造が好ましい。なお、表面被覆率は、走査電子顕微鏡(SEM)で得られる像の画像解析から下式に基づいて求めることができる。
表面被覆率(%)=[樹脂(B)に覆われている部分の面積/(樹脂(B)に覆われている部分の面積+樹脂粒子(A)が露出している部分の面積)]×100
樹脂(B)は、保存安定性の観点から、樹脂粒子(C)の表面上に皮膜の状態で固着していることが好ましい。樹脂(B)の皮膜の厚みは、好ましくは1〜5000nm、更に好ましくは5〜2000nm、特に好ましくは10〜1000nmである。皮膜の厚みは、樹脂粒子(C)を樹脂包埋してミクロトームで切断した断面を、必要ならば酸化ルテニウム等で染色し、TEM(透過型電子顕微鏡)で観察して得られる像の画像解析から測定することが出来る。
粒径均一性の観点から、樹脂粒子(C)の体積分布の変動係数は、30%以下であるのが好ましく、0.1〜15%であるのが更に好ましい。また、樹脂粒子(C)の体積平均粒径/個数平均粒径の値は、1.4以下であるのが好ましく、1.0〜1.2であるのが更に好ましい。なお、体積平均粒径および個数平均粒径は、例えばマルチサイザーIII(コールター社製)で同時に測定することができる。
本発明の樹脂粒子(C)には、必要により、添加剤(着色剤、荷電制御剤、流動化剤、充填剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、耐熱安定剤及び難燃剤等)を含有させることもできる。
着色剤としては、トナー用着色剤として使用されている染料、顔料等のすべてを使用することができる。具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ソルベントイエロー(21、77及び114等)、ピグメントイエロー(12、14、17及び83等)、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトアニリンレッド、トルイジンレッド、ソルベントレッド(17、49、128、5、13、22及び48・2等)、ディスパースレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ソルベントブルー(25、94、60及び15・3等)、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB及びオイルピンクOP等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。また、必要により磁性粉(鉄、コバルト及びニッケル等の強磁性金属の粉末、マグネタイト、ヘマタイト並びにフェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。 着色剤の含有量は、樹脂(a)100重量部に対して、好ましくは0.1〜40重量部であり、更に好ましくは0.5〜10重量部である。なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150重量部であり、更に好ましくは40〜120重量部である。
着色剤の体積平均粒径は、特に限定されないが、好ましくは1.0μm以下、更に好ましくは0.01〜0.8μm、特に好ましくは0.05〜0.6μmである。着色剤の体積平均粒径が1.0μm以下であると、樹脂粒子中の顔料分散性が向上する。
また、所望の粒径の着色剤を得る方法としては、公知の技術でよく、特に限定されない。例えば、湿式粉砕法、乾式粉砕法、気相法(PVD、CVD及び蒸発法等)、ゾル−ゲル法、アルコキシド法、非水分散法、転相乳化法、乳化重合法、相分離法及びスプレードライ法等が挙げられる。これのうち、粒径調整の容易さの観点から好ましくは湿式粉砕法及び乾式粉砕法であり、更に好ましくは湿式粉砕法である。
着色剤の体積平均粒径の測定は、一般に粒径測定に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、「DT−1200」[日本ルフト(株)製]、「ゼータサイザー」[シスメックス(株)製]、「ELS−8000」[大塚電子(株)製]、「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)、「SALD−2100」[(株)島津製作所製]及び「LA−920」[(株)堀場製作所製]等が挙げられる。これらのうち、測定される体積平均粒径の範囲の観点から、光散乱法の原理に基づく測定機が好ましく、「ゼータサイザー」、「ELS−8000」、「SALD−2100」及び「LA−920」が好ましいものとして挙げられ、更に好ましいのは「LA−920」である。仮に、各測定機間で、数値に差異が生じた場合は、「LA−920」の測定値を採用する。
荷電制御剤としては、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸金属塩、ベンジル酸のホウ素錯体、スルホン酸基含有ポリマー、含フッ素系ポリマー、ハロゲン置換芳香環含有ポリマー、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体及びセチルトリメチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
流動化剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、炭酸カルシウム粉末、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム及び炭酸バリウム等が挙げられる。
以下実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の記載において、「%」は重量%を示す。
Tg、Mn、Mwは特に記載がない限り以下の方法で測定した。
<ガラス転移温度(Tg)の測定方法>
試料をそれぞれ5mg秤り取り、DSC(示差走査熱量測定)(測定装置:RDC220、エスアイアイナノテクノロジー(株)製)により、昇温速度毎分10℃でガラス転移温度を測定した。
<数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)の測定方法>
試料をそれぞれ濃度2.5g/Lでテトラヒドロフランに溶解させ、ポリスチレンを標準物質として、GPCにより測定した。
GPC機種:HLC−8120GPC、東ソー(株)製
カラム :TSKgel GMHXL)2本+TSKgel Multipore
HXL−M(東ソー(株)製)
<製造例1>[樹脂(a1)溶液の作製]
冷却管、温度計、撹拌機、脱水装置及び窒素導入管を備えた反応容器に、ビスフェノールAのPO3モル付加物191重量部、ビスフェノールAのEO2モル付加物155重量部、アジピン酸115重量部、及びテトラブトキシチタネート1重量部を投入し、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸15重量部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、樹脂(a1)を得た。樹脂(a1)のTgは12℃、Mnは3,200、Mwは7,100であった。
冷却管、温度計及び撹拌機を備えた反応容器に、樹脂(a1)100重量部及びアセトン100重量部を投入し、70℃まで加温し撹拌して均一溶解させ、更に室温まで冷却して[樹脂(a1)溶液]を得た。
<製造例2>[樹脂(a2)溶液の作製]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物456重量部、ビスフェノールA・EO2モル付加物321重量部、テレフタル酸247重量部、およびテトラブトキシチタネート3重量部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸74重量部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、樹脂(a2)を得た。樹脂(a2)のTgは55℃、Mnは3500、Mwは7500であった。
冷却管、温度計及び撹拌機を備えた反応容器に、樹脂(a2)100重量部及びアセトン100重量部を投入し、70℃まで加温し撹拌して均一溶解させ、更に室温まで冷却して[樹脂(a2)溶液]を得た。
<製造例3>[着色剤分散液(1)の作製]
ビーカーに、銅フタロシアニン20重量部と着色剤分散剤「ソルスパーズ28000」[アビシア(株)製]4重量部及びアセトン76重量部を投入し、撹拌して均一分散させた後、ビーズミルによって銅フタロシアニンを微分散して、着色剤分散液(1)を得た。着色剤分散液(1)の体積平均粒径を粒子径測定装置「LA−920」[(株)堀場製作所製]で測定したところ、0.3μmであった。
<製造例4>[樹脂粒子(A1)のスラリー(E1)の作製]
ビーカーに、製造例1で得られた樹脂(a1)溶液80重量部、着色剤分散液(1)10重量部及び、水4重量部を投入し、50℃でTK式ホモミキサーを用いて8,000rpmで撹拌し、均一に分散させて樹脂溶液(o1)を得た。
別のビーカーに、n−デカン200重量部、分散剤(イオネットS−85(三洋化成工業製、ソルビタントリオレート))25重量部を投入し、25℃でTK式ホモミキサーを用いて12,000rpmで撹拌しながら、樹脂溶液(o1)80重量部投入し3分間攪拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、45℃に昇温してアセトンを留去し、樹脂粒子(A1)のスラリー(E1)を得た。樹脂粒子(A1)の体積平均粒径を粒子径測定装置「LA−920」[(株)堀場製作所製]で測定したところ、5.2μmであった。樹脂粒子(A1)のスラリー(E1)を5℃に冷却しながら固形分を吸引ろ過によりろ別し、さらに5℃に冷却したヘキサンで洗浄後、減圧乾燥させて樹脂粒子(A1)を得た。この樹脂粒子(A1)のTgは15℃であった。
<製造例5>[樹脂粒子(A2)のスラリー(E2)の作製]
ビーカーに、製造例2で得られた樹脂(a2)溶液65重量部、可塑剤としてPEG200(三洋化成工業製、ポリエチレングリコール)15重量部、着色剤分散液(1)10重量部及び、水4重量部を投入し、50℃でTK式ホモミキサーを用いて8,000rpmで撹拌し、均一に分散させて樹脂溶液(o2)を得た。
別のビーカーに、n−デカン200重量部、分散剤(イオネットS−85(三洋化成工業製、ソルビタントリオレート))25重量部を投入し、25℃でTK式ホモミキサーを用いて12,000rpmで撹拌しながら、樹脂溶液(o2)80重量部投入し3分間攪拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、45℃に昇温してアセトンを留去し、樹脂粒子(A2)のスラリー(E2)を得た。樹脂粒子(A2)の体積平均粒径を粒子径測定装置「LA−920」[(株)堀場製作所製]で測定したところ、5.3μmであった。樹脂粒子(A2)のスラリー(E2)を5℃に冷却しながら固形分を吸引ろ過によりろ別し、さらに5℃に冷却したヘキサンで洗浄後、減圧乾燥させて樹脂粒子(A2)を得た。この樹脂粒子(A2)のTgは7℃であった。
<製造例6>[樹脂(B1)溶液の作製]
温度計及び撹拌機を備えた反応容器に、水683重量部、メタクリル酸のEO付加物硫酸エステルのナトリウム塩「エレミノールRS−30」[三洋化成工業(株)製]11重量部、スチレン139重量部、メタクリル酸138重量部、アクリル酸ブチル184重量部及び過硫酸アンモニウム1重量部を投入し、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。次いで75℃まで昇温し、同温度で5時間反応させた。更に、1%過硫酸アンモニウム水溶液30重量部を加え、75℃で5時間熟成してビニル樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸ブチル−メタクリル酸のEO付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。この水性分散液を130℃の減圧乾燥機で2時間乾燥させ樹脂(B1)を得た。樹脂(B1)のTgは、98℃であった。
冷却管、温度計及び撹拌機を備えた反応容器に、樹脂(B1)50重量部及びメタノール450重量部を投入し、50℃まで加温し撹拌して均一溶解させ、更に室温まで冷却して[樹脂(B1)溶液]を得た。
<製造例7>[樹脂溶液分散体(D1)の作製]
ビーカーに、n−デカン1000重量部、分散剤(イオネットS−85(三洋化成工業製、ソルビタントリオレート))100重量部、製造例6で得られた樹脂(B1)溶液200重量部を投入し、25℃でTK式ホモミキサーを用いて12,000rpmで撹拌し、均一に分散させて樹脂溶液分散体(D1)を得た。樹脂溶液分散体(D1)の体積平均粒径を粒子径測定装置「LA−920」[(株)堀場製作所製]で測定したところ、0.3μmであった。
<製造例8>[前駆体分散体(D2)の作製]
ビーカーに、n−デカン1000重量部、分散剤(イオネットS−85(三洋化成工業製、ソルビタントリオレート))100重量部、アクリロニトリル170重量部、メタクリル酸20重量部、メタクリル酸メチル10重量部を投入し、25℃でTK式ホモミキサーを用いて12,000rpmで撹拌し、均一に分散させて前駆体分散体(D2)を得た。前駆体分散体(D2)中の前駆体モノマー混合物の体積平均粒径を粒子径測定装置「LA−920」[(株)堀場製作所製]で測定したところ、0.1μmであった。
<実施例1>[樹脂粒子(C1)の作製]
温度計及び撹拌機を備えた反応容器に、樹脂粒子(A1)のスラリー(E1)305重量部を投入し、25℃で攪拌しながら、樹脂溶液分散体(D1)865重量部を投入し3時間攪拌した。ついで、45℃に昇温してメタノールを留去し、樹脂粒子分散体(X1)を得た。樹脂粒子分散体(X1)から固形分を吸引ろ過によりろ別し、さらにヘキサンで洗浄後乾燥させて樹脂粒子(C1)を得た。
<実施例2>[樹脂粒子(C2)の作製]
温度計、撹拌機、圧力計及び二酸化炭素導入ラインを備えた耐圧容器に、樹脂粒子(A1)5重量部を投入し、15℃で攪拌しながら二酸化炭素を導入し、容器内の圧力が6MPaになったところで二酸化炭素の導入を止め、そのまま30分撹拌を続け樹脂粒子(A1)の液体二酸化炭素スラリー(E3)を作成した。このときの二酸化炭素導入量は30重量部であった。これとは別に、温度計、撹拌機、圧力計及び二酸化炭素導入ラインを備えた耐圧容器に、樹脂(B1)溶液20重量部、水2重量部、ポリエーテル変性シリコン(KF945、信越シリコーン社製)1重量部を投入し、15℃で攪拌しながら二酸化炭素を導入し、容器内の圧力が8MPaになったところで二酸化炭素の導入を止め、そのまま30分撹拌を続け、樹脂溶液(B1)の二酸化炭素分散体を作成した。前記の方法で測定した樹脂(B1)溶液の体積平均は0.5μmであった。
ついで、樹脂粒子(A1)の液体二酸化炭素スラリー(E3)中に、樹脂(B1)溶液の二酸化炭素分散体を圧力ポンプを用いて移送し、容器内を8Mpa、15℃に保持したまま30分攪拌した。その後、容器内を8MPa、15℃に保持し、二酸化炭素を導入しながらメタノールを含む二酸化炭素を排出させてメタノールを留去し、樹脂粒子分散体(X2)を得た。樹脂粒子分散体(X2)の入った容器から二酸化炭素を放出して大気圧とし、固形分を容器内から取り出してヘキサンで洗浄後乾燥させて樹脂粒子(C2)を得た。
<実施例3>[樹脂粒子(C3)の作製]
実施例1の樹脂粒子(A1)のスラリー(E1)を樹脂粒子(A2)のスラリー(E2)に変更した以外は実施例1と同様にして樹脂粒子(C3)を得た。
<実施例4>[樹脂粒子(C4)の作製]
温度計及び撹拌機を備えた反応容器に、樹脂粒子(A1)のスラリー(E1)305重量部を投入し、25℃で攪拌しながら、前駆体分散体(D2)865重量部を投入し3時間攪拌した。ついで、ラジカル開始剤としてアゾV〔2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、和光純薬工業社製〕5重量部を投入し45℃に昇温して15時間撹拌を続けて重合反応を進行させて樹脂(B2)を形成し、樹脂粒子分散体(X4)を得た。樹脂粒子分散体(X4)から固形分を吸引ろ過によりろ別し、さらにヘキサンで洗浄後乾燥させて樹脂粒子(C4)を得た。
<比較製造例1>[比較用樹脂分散体(D’1)の調製]
n−デカン900重量部、樹脂(B1)100重量部を混合した後、ビーズミル(ダイノーミルマルチラボ:シンマルエンタープライゼス製)で粒径0.3mmのジルコニアビーズを用いて粉砕を行い、比較用樹脂分散体(D’1)を得た。(D’1)中の樹脂(B)の体積平均粒径を粒子径測定装置「LA−920」[(株)堀場製作所製]で測定したところ、0.2μmであった。
<比較例1>[比較用樹脂粒子(C’1)の作製]
ビーカーに、製造例1で得られた樹脂(a1)溶液80重量部、着色剤分散液(1)10重量部及び、水4重量部を投入し、50℃でTK式ホモミキサーを用いて8,000rpmで撹拌し、均一に分散させて樹脂溶液(o1)を得た。
別のビーカーに、n−デカン200重量部、分散剤(イオネットS−85(三洋化成工業製、ソルビタントリオレート))25重量部、比較用樹脂分散体(D’1)70重量部を投入し、25℃でTK式ホモミキサーを用いて12,000rpmで撹拌しながら、樹脂溶液(o1)80重量部投入し3分間攪拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、45℃に昇温してアセトンを留去し、樹脂(B1)が微粒子の状態で表面に付着した比較用樹脂粒子(C’1)の分散体を得た。比較用樹脂粒子(C’1)の分散体を5℃に冷却しながら固形分を吸引ろ過によりろ別し、さらに5℃に冷却したヘキサンで洗浄後、減圧乾燥させて比較用樹脂粒子(C’1)を得た。
また、実施例1〜4、比較例1で使用した樹脂(a1)、(a2)、樹脂粒子(A1)、(A2)、樹脂(B1)、樹脂粒子(C1)〜(C4)、及び比較用樹脂粒子(C’1)の分析結果、圧力定着性、耐熱保存性の評価結果を表1に示す。
[圧力定着性]
本発明の樹脂粒子(C)または比較用樹脂粒子(C’)にアエロジルR972(日本アエロジル社製)を1.0%添加し、ミキサーを用いてよく混ぜて、アエロジルR972が樹脂粒子表面に均一に付着した評価用トナーを作成した。上記で得た評価用トナーを紙面上に0.6mg/cm2となるよう均一に載せた[このとき粉体を紙面に載せる方法は、熱定着機を外したプリンターを用いる(上記の重量密度で粉体を均一に載せることができるのであれば他の方法を用いてもよい)]。樹脂粒子を載せた面を離型紙で覆い、卓上型テストプレス(SA−302、テスター産業社製)で、25℃、1.5Mpaでプレスし、定着画像を指でこすって画像の剥がれの度合いを以下の基準で判定した。
◎:画像の剥がれが全くない
○:画像面積のうち5%が剥がれる
△:画像面積のうち5%〜30%が剥がれる
×:画像面積のうち30%以上が剥がれる
××:画像が全て剥がれる
[耐熱保存性]
樹脂粒子の耐熱保存性を下記の方法で評価した。
直径が約3cmの30mlのガラス製スクリュー管に樹脂粒子を10g採取した。この樹脂粒子が入ったガラス製スクリュー管を50℃に温調された恒温器に15時間静置し、ブロッキングの程度により下記の基準で評価した。
○: ブロッキングが発生しない。
△: ブロッキングが発生するが、簡単に指などで力を加えると容易に分散する。
×: ブロッキングが発生し、簡単に指などで力を加えても分散しない。
Figure 2012207132
表1に示したように、本発明の樹脂粒子は、比較例の樹脂粒子と比較して、いずれも著しく良好な結果が得られた。
本発明の製造方法により得られる本発明の樹脂粒子は、圧力定着性に優れ、耐熱保存性にも優れる。そのため用途としては、電子写真トナー、静電記録トナー、静電印刷トナー等の中間体として有用である。

Claims (13)

  1. 樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)を非極性媒体中に分散したスラリー(E)と、樹脂(B)の溶剤溶液または樹脂(B)の前駆体(B0)もしくはその溶剤溶液を非極性媒体に微分散させた分散体(D)とを混合し、必要により樹脂(B)または前駆体(B0)の溶剤を除去し、前駆体(B0)を使用する場合はさらに前駆体(B0)を反応させて非極性媒体中で樹脂(B)を形成させることにより、樹脂粒子(A)の表面に樹脂(B)が付着したコアシェル型の樹脂粒子(C)の分散体(X)を形成し、分散体(X)から非極性媒体を除去することを特徴とする樹脂粒子の製造方法。
  2. 樹脂粒子(C)が、50〜99.9重量%の樹脂粒子(A)と0.1〜50重量%の樹脂(B)で構成される請求項1記載の製造方法。
  3. 樹脂粒子(C)が、樹脂粒子(A)の表面の95%以上が樹脂(B)で覆われている構造を有するものである請求項1または2記載の製造方法。
  4. 前記非極性媒体が、炭化水素、フッ素化炭化水素、シリコーン、および液体状態または超臨界状態の二酸化炭素からなる群から選ばれる少なくとも1つを主成分とする媒体である請求項1〜3のいずれか記載の製造方法。
  5. 前記分散体(X)が、分散剤を含有する請求項1〜4のいずれか記載の製造方法。
  6. 樹脂粒子(A)の体積平均粒径が1〜20μmであり、かつ分散体(D)中の樹脂(B)の溶剤溶液または樹脂(B)の前駆体(B0)もしくはその溶剤溶液の体積平均粒径(RB)と樹脂粒子(A)の体積平均粒径(RA)の関係が下記式(1)を満たす請求項1〜5のいずれか記載の製造方法。
    (RB)<(RA) (1)
  7. 前記樹脂(a)が、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、およびエポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1つの樹脂である請求項1〜6のいずれか記載の製造方法。
  8. 前記樹脂(B)が、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、およびエポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1つの樹脂である請求項1〜7のいずれか記載の製造方法。
  9. 樹脂粒子(A)のガラス転移温度が−100〜40℃である請求項1〜8のいずれか記載の製造方法。
  10. 樹脂(B)のガラス転移温度が50〜230℃である請求項1〜9のいずれか記載の製造方法。。
  11. 請求項1〜10のいずれか記載の製造方法で得られる樹脂粒子。
  12. 体積平均粒径が1〜20μmである請求項11記載の樹脂粒子。
  13. 電子写真、静電記録、もしくは静電印刷トナー用である請求項11または12記載の樹脂粒子。
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