JP2012198128A - 気泡侵入防止装置および当該気泡侵入防止装置を備えた液体金属冷却原子炉 - Google Patents

気泡侵入防止装置および当該気泡侵入防止装置を備えた液体金属冷却原子炉 Download PDF

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Abstract

【課題】液体金属冷却原子炉運転中に炉心で発生した中性子と遮蔽体材料との反応によって発生した気泡が炉心内の燃料集合体が配置された領域に侵入するのを防止する。
【解決手段】気泡侵入防止装置50Aは、原子炉容器内12に形成される隔壁内側の冷却材11が上昇する上昇流路27に炉心13が、隔壁外側の冷却材11が下降する下降流路28に炭化ホウ素が充填された筒状体で構成された遮蔽体21が、遮蔽体21及び炉心13の下方空間に下部プレナム26が配置される液体金属冷却原子炉の下部プレナム26に設けられ、下部プレナム26に流入した気泡Pを含む冷却材11を導入口55から導入し気泡Pを捕集する気泡捕集部53と、捕集した気泡Pを炉心13の外部へ導出する気泡排出部56と、気泡Pが含まれない冷却材11を上昇流路27へ排出する冷却材排出部57を備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、液体金属冷却原子炉で生じる気泡が炉心部へ侵入するのを防止する気泡侵入防止装置および当該気泡侵入防止装置を備えた液体金属冷却原子炉に関する。
液体金属原子炉では、原子炉容器内に冷却系入口配管から、例えば、ナトリウム等の液体金属冷却材が流入し、燃料ピンが集合した燃料集合体へ供給される。供給された液体金属冷却材は、燃料ピンの熱を奪って昇温して冷却系出口配管から冷却系へ送出される。その後、冷却系で冷却された液体金属冷却材は再び冷却系入口配管から原子炉容器内に流入する。
液体金属冷却材は、アルゴンガス等の不活性ガス(カバーガス)で加圧され、冷却材自由液面を持っている。液面に流れがあると液体金属冷却材は時としてカバーガスを巻き込むことがある。このカバーガスは、冷却系出口配管を通して一旦原子炉格納容器から出ていくものの再び冷却系入口配管から原子炉容器内に戻ってくる。
原子炉容器内に戻ってきたカバーガスは、下部プレナム側から上昇し、エントランスノズルから燃料集合体のある炉心へ流入する。炉心に流入したカバーガスが燃料集合体を構成する燃料ピンの周囲を通過すると燃料集合体から出る中性子速度が速くなり反応度が変化する。この反応度の変化は外乱として突発的に生じるものであり、予測が困難である。
そこで、従来の液体金属冷却原子炉では、例えば、特開平6−273562号公報(特許文献1)に示されるように、自由液面で気泡となって巻き込まれたカバーガスが下部プレナム内に溜まって生じた気泡を排出するための流路を設けることが提案されている。
特開平6−273562号公報
一方、液体金属原子炉は、炉心で発生した中性子の原子炉容器の外側への漏れを防ぐために、炉心部の外側に中性子を吸収するための遮蔽体が設置されている。遮蔽体は、炭化ホウ素(ボロンカーバイド:BC)等の中性子を吸収する材料から構成されており、その中性子吸収材はSUS等のパイプ中に入れられている。遮蔽体の構成材料としてBCが用いられている場合、原子炉運転中に炉心で発生した中性子とBCの間で生じる反応により、遮蔽体内のBCからヘリウムガスが発生する。
Cが充填されているパイプが何らかの原因で破損すると、発生したヘリウムガスが炉容器内の液体金属冷却材中へ流入することになるが、一般的な液体金属冷却原子炉では、遮蔽体周辺の液体金属冷却材の流れ方向が炉心を通る冷却材の流れ方向と同じ上向きであるため、このヘリウムガスが液体金属冷却材の流れに逆らって炉心へ流入することは想定し得ない。
しかしながら、液体金属冷却原子炉によっては、液体金属冷却材が上向きに流れるシュラウドの内側ではなく、下向きに流れるシュラウドの外側に遮蔽体が設置されているものもある。このようなシュラウドの外側に遮蔽体が設置される液体金属冷却原子炉の場合、BCが充填されているパイプが何らかの原因で破損すると、遮蔽体で発生したヘリウムガスは、下向き流れの液体金属冷却材とともに、下部プレナムを通過して炉心へ流入する場合もある。炉心内の燃料集合体が配置された領域(以下、「燃料部」と称する。)へのヘリウムガス流入は、正のボイド反応度挿入となり、炉心の急激な温度上昇をもたらすため、炉心内の燃料部へのヘリウムガスの流入を防ぐ何らかの方策が必要である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、液体金属冷却原子炉運転中に炉心で発生した中性子と、例えばBC等の遮蔽体材料との反応によって発生した気泡が燃料部に侵入するのを防止する気泡侵入防止装置および当該気泡侵入防止装置を備えた液体金属冷却原子炉を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る気泡侵入防止装置は、上述した課題を解決するため、原子炉容器内に設置された隔壁の内側の冷却材が上昇する上昇流路に炉心が、前記隔壁の外側の前記冷却材が下降する下降流路に炭化ホウ素が充填された筒状体によって構成された遮蔽体が、前記原子炉容器内の前記遮蔽体および前記炉心の下方空間に下部プレナムが配置される液体金属冷却原子炉の下部プレナムに設けられ、前記下降流路を流れ、下部プレナムに流入した気泡を含む冷却材を導入口から導入して、前記冷却材に含まれる気泡を捕集する気泡捕集部と、前記気泡捕集部で捕集された気泡を導入して前記炉心の内部の燃料ピンが装荷される燃料集合体領域の外部へ導出する気泡排出部と、前記気泡捕集部が気泡を捕集した後の気泡が含まれない冷却材を導入して前記上昇流路へ排出する冷却材排出部と、を備えることを特徴とする。
本発明の実施形態に係る液体金属冷却原子炉は、上述した課題を解決するため、上記の気泡侵入防止装置を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、液体金属冷却原子炉運転中に炉心で発生した中性子と遮蔽体の構成材料との反応によって発生した気泡が燃料集合体の配置された領域に侵入するのを防止することができる気泡侵入防止装置および当該気泡侵入防止装置を備えた液体金属冷却原子炉を提供することができる。
本発明の実施形態に係る気泡侵入防止装置を備えた液体金属冷却原子炉の構成を示す縦断面図。 本発明の第1の実施形態に係る気泡侵入防止装置を備えた液体金属冷却原子炉の下部側の構成を拡大して示した縦断面図。 本発明の第1の実施形態に係る気泡侵入防止装置を備えた液体金属冷却原子炉の下部側の構成を拡大して示した縦断面図に示されるI−I線での断面図。 本発明の第1の実施形態に係る気泡侵入防止装置を備えた液体金属冷却原子炉の下部側の構成を拡大して示した縦断面図に示されるII−II線での断面図。 本発明の第1の実施形態に係る気泡侵入防止装置を備えた液体金属冷却原子炉の下部側の構成を拡大して示した縦断面図に示されるIII−III線での断面図。 本発明の第2の実施形態に係る気泡侵入防止装置を備えた液体金属冷却原子炉の下部側の構成を拡大して示した縦断面図。 本発明の第2の実施形態に係る気泡侵入防止装置を備えた液体金属冷却原子炉の下部側の構成を拡大して示した縦断面図に示されるIV−IV線での断面図。 本発明の第3の実施形態に係る気泡侵入防止装置を備えた液体金属冷却原子炉の下部側の構成を拡大して示した縦断面図。 本発明の第3の実施形態に係る気泡侵入防止装置を備えた液体金属冷却原子炉の下部側の構成を拡大して示した縦断面図に示されるV−V線での断面図。 本発明の第4の実施形態に係る気泡侵入防止装置を備えた液体金属冷却原子炉の下部側の構成を拡大して示した縦断面図。 本発明の第4の実施形態に係る気泡侵入防止装置を備えた液体金属冷却原子炉の下部側の構成を拡大して示した縦断面図に示されるVI−VI線での断面図。 本発明の第5の実施形態に係る気泡侵入防止装置を備えた液体金属冷却原子炉の下部側の構成を拡大して示した縦断面図。 本発明の第5の実施形態に係る気泡侵入防止装置を備えた液体金属冷却原子炉の下部側の構成を拡大して示した縦断面図に示されるVII−VII線での断面図。 本発明の第6の実施形態に係る気泡侵入防止装置を備えた液体金属冷却原子炉の下部側の構成を拡大して示した縦断面図。 本発明の第6の実施形態に係る気泡侵入防止装置を備えた液体金属冷却原子炉の下部側の構成を拡大して示した縦断面図に示されるVIII−VIII線での断面図。 本発明の第7の実施形態に係る気泡侵入防止装置の下部タンクの構成例(第1変形例)を示した概略図。 本発明の第7の実施形態に係る気泡侵入防止装置の下部タンクの構成例(第2変形例)を示した概略図。 本発明の第7の実施形態に係る気泡侵入防止装置の下部タンクの構成例(第3変形例)を示した概略図。
以下、本発明の実施形態に係る気泡侵入防止装置および当該気泡侵入防止装置を備えた液体金属冷却原子炉について、添付の図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る気泡侵入防止装置を備えた液体金属冷却原子炉の一例である液体金属冷却原子炉10(10A〜10F)の構成を示す縦断面図である。なお、本図中の実線矢印は液体金属冷却材11の流れを、破線矢印は気泡Pの流れを示したものである。
液体金属冷却原子炉10は、例えば、ナトリウム、ナトリウムカリウム合金(NaK)および鉛ビスマス合金等の液体金属冷却材11を満たした原子炉容器12内に原子燃料集合体から構成される炉心13を炉心支持板14で保持し、この原子炉容器12を、間に不活性ガスを満たした間隙15を設けて格納容器(ガードベッセル)16に格納し、格納容器15を、例えば、地表下に掘り下げて形成したコンクリート製のサイロ17内に間隔を置いて収容するようにして構成される。
液体金属冷却原子炉10では、原子炉運転中の緊急事態に対処するために、または保守サービスを行うために、燃料の核***反応を停止し、低温停止の状態にする必要がある。このような場合、一般的には炉心13に設けられた中性子吸収制御棒18の挿入孔(図1において省略)に中性子吸収制御棒18を挿入して、核***を生じるために必要な中性子を奪うことにより原子炉運転の停止が行なわれる。
また、液体金属原子炉10では、炉心13で発生した中性子の原子炉容器12の外側への漏れを防ぐため、炉心13の外側、かつ、隔壁(シュラウド)20の外側に中性子を吸収するための遮蔽体21が設置される。なお、符号22は中性子反射体、23は電磁ポンプ、24は中間熱交換器(IHX)であり、25は上部を覆う格納ドーム、26は下部プレナムである。
遮蔽体21は、炭化ホウ素(ボロンカーバイド:BC)等の中性子を吸収する材料(中性子吸収材)から構成されており、その中性子吸収材は、例えば、ステンレス鋼(SUS)のパイプ等の筒状体の中に封入される。遮蔽体21の構成材料としてBCが用いられている場合、原子炉運転中に炉心13で発生した中性子とBCの間で生じる反応により、遮蔽体21を構成するパイプ内に封入されたBCからヘリウムガスが発生する。
原子炉容器12の容器内には、隔壁20の内側に位置し、液体金属冷却材11が下から上(液面側)へ向かう方向に流動する領域となる上昇流路27と、隔壁20の外側に位置し、液体金属冷却材11が上(液面側)から下へ向かう方向に流動する領域となる下降流路28とが形成される。そのため、BCが充填されている遮蔽体21の筒状体が何らかの原因で破損すると、遮蔽体21で発生したヘリウムガス(気泡)Pは、液体金属冷却材11へ漏洩し、図1に破線矢印で示されるように、下向き流れ(実線矢印)の液体金属冷却材11とともに、下部プレナム26へ運ばれる。
液体金属冷却原子炉10では、遮蔽体21で発生したヘリウムガスを捕集して炉心13の外側または炉心13に設けられる中性子吸収制御棒18の挿入孔へ排出し、炉心13内の燃料ピンが装荷される燃料集合体領域(以下、「燃料部」と称する。)に気泡(ヘリウムガス)Pが侵入するのを防止する気泡侵入防止装置50(50A〜50F)が下部プレナム26に設置される。
気泡侵入防止装置50は、下部プレナム26に流入する液体金属冷却材11の全量が必ず気泡侵入防止装置50を通過するように、炉心支持板14および原子炉容器12と密着させる。すなわち、気泡Pを含む液体金属冷却材11が炉心支持板14または原子炉容器12との隙間を流動することのないように設置される。以下、各実施形態に係る気泡侵入防止装置50A〜50Fおよび当該気泡侵入防止装置50A〜50Fを備えた液体金属冷却原子炉10A〜10Fついて説明する。
[第1の実施形態]
図2は、本発明の第1の実施形態に係る気泡侵入防止装置の一例である第1の気泡侵入防止装置50Aを備えた液体金属冷却原子炉の一例である第1の液体金属冷却原子炉10Aの下部側の構成を拡大して示した縦断面図である。なお、本図中の実線矢印は液体金属冷却材11の流れを、破線矢印は気泡Pの流れを示したものである。
第1の液体金属冷却原子炉10Aは、下部プレナム26に第1の気泡侵入防止装置50Aを備え、第1の気泡侵入防止装置50Aが下部プレナム26に運ばれた全ての液体金属冷却材11を内部に取り込み、液体金属冷却材11に混入したヘリウムガス(気泡)Pを捕集し、捕集した気泡Pを炉心13の外側へ排出するように構成される。
第1の気泡侵入防止装置50Aは、下部プレナム26に運ばれた気泡Pを捕集する気泡捕集部としての下部タンク53と、下部タンク53の上方に設けられ、下部タンク53で捕集した気泡Pを導いて炉心13の外側へ排出する気泡排出部および液体金属冷却材11を装置外へ排出する冷却材排出部としての上部タンク54とを備える。
略円筒状に形成された下部タンク53の外周面には、気泡Pを含んだ液体金属冷却材11を内部に導入する導入口を有する導入部55が設けられる。導入部55は、液体金属冷却材11を導入しやすくする観点から、液体金属冷却材11の流れと略平行となるようにする。すなわち、導入口から流入した液体金属冷却材11が下部タンク53の内部へ向かうにつれて下へ移動するように角度を付ける。また、下部タンク53は、例えば、上部タンク54と一体化して構成されており、下部タンク53の上面と上部タンク54の下面とは同一面を形成する。
略円筒状に形成された上部タンク54は、下部タンク53で捕集した気泡Pを導いて炉心13の外側領域へ排出する気泡排出部としての気泡排出管56と、下部タンク53で気泡Pが捕集(分離)された液体金属冷却材11を導出して炉心13の外側領域へ排出する冷却材排出部57とを備える。
上部タンク54の下面(下部タンク53の上面)には、下部タンク53で捕集した気泡Pを気泡排出管56へ導く導入口と、下部タンク53で気泡Pが捕集(分離)された液体金属冷却材11を冷却材排出部57へ導く導入口とがそれぞれ独立して設けられる。一方、上部タンク54の上面は、全部または一部が開放しており、その開放部分が気泡排出管56の排出口および冷却材排出部57の排出口を構成する。
気泡排出管56の排出口は、炉心13の外側(周側)に位置するように構成されており、上部タンク54に流入した気泡Pは、気泡排出管56から炉心支持板14を通して上昇流路27の炉心13の外側へ導かれる。また、冷却材排出部57の排出口は、上部タンク54の上面の開放箇所のうち、気泡排出管56の排出口を除いた箇所であって、気泡排出管56の排出口のように、必ずしも炉心13の外側に位置するように構成することを要しない。上部タンク54に流入した液体金属冷却材11は、冷却材排出部57から炉心支持板14を通して上昇流路27へ導かれる。
図3乃至5は、それぞれ、第1の気泡侵入防止装置50Aを備えた第1の液体金属冷却原子炉10Aの下部側の構成を拡大して示した縦断面図(図2)に示されるI−I線での断面図(図3)、II−II線での断面図(図4)、III−III線での断面図(図5)である。なお、図中の破線矢印は気泡Pの流れを示したものである。
第1の気泡侵入防止装置50Aでは、図3に示されるように、原子炉容器12内の隔壁20の外側に位置する下降流路28から下向き流れの液体金属冷却材11とともに下向きに流れてきた気泡Pが、周側(外側)から中心側(内側)へ流れ、I−I断面において現れる略円の接線方向に開口した導入部55から第1の気泡侵入防止装置50A(より詳細には下部タンク53)の内部へ取り込まれる。
第1の気泡侵入防止装置50Aの下部タンク53の中では、気泡Pが混入した液体金属冷却材11が下部タンク53の周に沿って移動し、その移動に伴う遠心力によって気泡Pと液体金属冷却材11とが分離される。つまり、気泡(ヘリウムガス)Pと、液体金属冷却材11との質量の差異によって、液体金属冷却材11よりも質量の小さい気泡Pは遠心力も相対的に小さく下部タンク53の径方向における中心側に、気泡Pよりも質量の大きい液体金属冷却材11は下部タンク53の径方向における外側(周側)へと分離される。
下部タンク53内で液体金属冷却材11と遠心分離され中心側に集積した気泡Pは、図4,5に示されるように、下部タンク53の上面(上部タンク54の下面であり、II−II線による切断面)であって、径方向の中心部に設けられた気泡排出管56の導入口から気泡排出管56の中へ導かれ、気泡排出管56から炉心支持板14を通り、上昇流路27の炉心13の外側(周側)へ排出される。
一方、気泡Pが分離された液体金属冷却材11は、冷却材排出部57から装置外、すなわち、炉心支持板14を通り、上昇流路27へ排出される。冷却材排出部57から排出される液体金属冷却材11には、気泡Pが含まれていないので、炉心13の位置する中心側を含めて広範に排出される。
第1の気泡侵入防止装置50Aおよび第1の気泡侵入防止装置50Aを備えた第1の液体金属冷却原子炉10Aによれば、下部プレナム26において、気泡Pが混入した液体金属冷却材11から気泡Pと液体金属冷却材11とを分離することができる。また、分離した気泡Pは、気泡排出管56を通して炉心13の外側へ排出されるので、気泡Pが炉心13の燃料部へ侵入するのを防ぐことができる。
[第2の実施形態]
図6は本発明の第2の実施形態に係る気泡侵入防止装置の一例である第2の気泡侵入防止装置50Bを備えた液体金属冷却原子炉の一例である第2の液体金属冷却原子炉10Bの下部側の構成を拡大して示した縦断面図、図7は第2の液体金属冷却原子炉10Bの下部側の構成を拡大して示した縦断面図に示されるIV−IV線での断面図である。
第2の気泡侵入防止装置50Bは、第1の気泡侵入防止装置50Aに対して、導入部55の個数で相違する。そこで、本実施形態の説明では、当該相違点を中心に説明し、同じ構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。なお、本図中の実線矢印は液体金属冷却材11の流れを、破線矢印は気泡Pの流れを示したものである。
第2の液体金属冷却原子炉10Bは、下部プレナム26に第2の気泡侵入防止装置50Bを備え、第2の気泡侵入防止装置50Bが下部プレナム26に運ばれた全ての液体金属冷却材11を内部に取り込み、液体金属冷却材11に混入したヘリウムガス(気泡)Pを捕集し、捕集した気泡Pを炉心13の外側へ排出するように構成される。また、第2の気泡侵入防止装置50Bは、図6および図7に示されるように、例えば、四つ等の複数の導入部55を備える。
第2の気泡侵入防止装置50Bでは、図7に示されるように、原子炉容器12内の隔壁20の外側に位置する下降流路28から下向き流れの液体金属冷却材11とともに下向きに流れてきた気泡Pが、周側(外側)から中心側(内側)へ流れ、IV−IV断面において現れる略円の接線方向に開口した四つの導入部55から第2の気泡侵入防止装置50B(より詳細には下部タンク53)の内部へ取り込まれる。
第2の気泡侵入防止装置50Bの下部タンク53の中では、気泡Pが混入した液体金属冷却材11が下部タンク53の周に沿って移動し、その移動に伴う遠心力によって気泡Pと液体金属冷却材11とが分離される。つまり、気泡(ヘリウムガス)Pと、液体金属冷却材11との質量の差異によって、液体金属冷却材11よりも質量の小さい気泡Pは遠心力も相対的に小さく下部タンク53の径方向における中心側に、気泡Pよりも質量の大きい液体金属冷却材11は下部タンク53の径方向における外側(周側)へと分離される。
下部タンク53内で液体金属冷却材11と遠心分離され中心側に集積した気泡Pは、図6,7に示されるように、下部タンク53の上面(上部タンク54の下面)であって、径方向の中心部に設けられた気泡排出管56の導入口から気泡排出管56の中へ導かれ、気泡排出管56から炉心13の外側へ排出される。一方、気泡Pが分離された液体金属冷却材11は、冷却材排出部57から装置外、すなわち、炉心支持板14を通り、隔壁20の内側に位置する領域である上昇流路27へ排出される。
第2の気泡侵入防止装置50Bおよび第2の気泡侵入防止装置50Bを備えた第2の液体金属冷却原子炉10Bによれば、下部プレナム26において、気泡Pが混入した液体金属冷却材11から気泡Pと液体金属冷却材11とを分離することができる。また、分離した気泡Pは、気泡排出管56を通して炉心13の外側へ排出されるので、気泡Pが炉心13の燃料部へ侵入するのを防ぐことができる。さらに、第2の気泡侵入防止装置50Bでは、導入部55が複数設置されていることにより、下部タンク53内で液体金属冷却材11の旋回流をより効率良く生じさせることができる。
なお、図7に示される第2の気泡侵入防止装置50Bは、四つの導入部55がバランス良く内部へ取り込む観点から略等間隔(約90度)の間隔で配置されているが、導入部55の個数および配置する間隔は任意で良い。
[第3の実施形態]
図8は本発明の第3の実施形態に係る気泡侵入防止装置の一例である第3の気泡侵入防止装置50Cを備えた液体金属冷却原子炉の一例である第3の液体金属冷却原子炉10Cの下部側の構成を拡大して示した縦断面図、図9は第3の液体金属冷却原子炉10Cの下部側の構成を拡大して示した縦断面図に示されるV−V線での断面図である。
第3の気泡侵入防止装置50Cは、第1の気泡侵入防止装置50Aに対して、気泡排出管56の個数で相違する。そこで、本実施形態の説明では、当該相違点を中心に説明し、同じ構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。なお、図8に示される実線矢印は液体金属冷却材11の流れを、破線矢印は気泡Pの流れを示したものである。
第3の液体金属冷却原子炉10Cは、下部プレナム26に第3の気泡侵入防止装置50Cを備え、第3の気泡侵入防止装置50Cが下部プレナム26に運ばれた全ての液体金属冷却材11を内部に取り込み、液体金属冷却材11に混入したヘリウムガス(気泡)Pを捕集し、捕集した気泡Pを炉心13の外側へ排出するように構成される。また、第3の気泡侵入防止装置50Cは、図8および図9に示されるように、例えば、四つ等の複数の排出口を有する気泡排出管56を備える。
第3の気泡侵入防止装置50Cでは、図8に示されるように、原子炉容器12内の隔壁20の外側に位置する下降流路28から下向き流れの液体金属冷却材11とともに下向きに流れてきた気泡Pが、周側(外側)から中心側(内側)へ流れ、導入部55から第3の気泡侵入防止装置50C(より詳細には下部タンク53)の内部へ取り込まれる。
第3の気泡侵入防止装置50Cの下部タンク53の中では、気泡Pが混入した液体金属冷却材11が下部タンク53の周に沿って移動し、その移動に伴う遠心力によって気泡Pは下部タンク53の径方向における中心側に、液体金属冷却材11は下部タンク53の径方向における外側(周側)に分離される。
下部タンク53内で液体金属冷却材11と遠心分離され中心側に集積した気泡Pは、図8,9に示されるように、下部タンク53の上面(上部タンク54の下面)であって、径方向の中心部に設けられた気泡排出管56の導入口から気泡排出管56の中へ導かれ、気泡排出管56の四つの排出口から炉心13の外側へ排出される。一方、気泡Pが分離された液体金属冷却材11は、冷却材排出部57から装置外、すなわち、炉心支持板14を通り、隔壁20の内側に位置する領域である上昇流路27へ排出される。
第3の気泡侵入防止装置50Cおよび第3の気泡侵入防止装置50Cを備えた第3の液体金属冷却原子炉10Cによれば、下部プレナム26において、気泡Pが混入した液体金属冷却材11から気泡Pと液体金属冷却材11とを分離することができる。また、分離した気泡Pは、気泡排出管56を通して炉心13の外側へ排出されるので、気泡Pが炉心13の燃料部へ侵入するのを防ぐことができる。さらに、第3の気泡侵入防止装置50Cでは、気泡排出管56の排出口が複数設置されていることにより、下部タンク53内に分離して捕集した気泡Pを炉心13の外側の一箇所に偏在させることなく、炉心13の外側の複数箇所に分散させて排出することができる。
なお、図9に示される第3の気泡侵入防止装置50Cは、気泡排出管56の四つの排出口がバランス良く炉心13の外側へ排出する観点から略等間隔(約90度)の間隔で配置されているが、気泡排出管56の排出口の個数および配置する間隔は任意で良い。
[第4の実施形態]
図10は本発明の第4の実施形態に係る気泡侵入防止装置の一例である第4の気泡侵入防止装置50Dを備えた液体金属冷却原子炉の一例である第4の液体金属冷却原子炉10Dの下部側の構成を拡大して示した縦断面図、図11は第4の液体金属冷却原子炉10Dの下部側の構成を拡大して示した縦断面図に示されるVI−VI線での断面図である。
第4の気泡侵入防止装置50Dは、第1の気泡侵入防止装置50Aに対して、気泡排出管56から気泡Pを排出する場所が、炉心13の外側ではなく炉心13内に設けられた中性子吸収制御棒18を挿入する挿入孔(以下、「中性子吸収制御棒挿入孔」と称する。)61となる点で相違する。そこで、本実施形態の説明では、当該相違点を中心に説明し、同じ構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。なお、図10に示される実線矢印は液体金属冷却材11の流れを、破線矢印は気泡Pの流れを示したものである。
第4の液体金属冷却原子炉10Dは、下部プレナム26に第4の気泡侵入防止装置50Dを備え、第4の気泡侵入防止装置50Dが下部プレナム26に運ばれた全ての液体金属冷却材11を内部に取り込み、液体金属冷却材11に混入したヘリウムガス(気泡)Pを捕集し、捕集した気泡Pを気泡排出管56へ導き、さらに、気泡排出管56から炉心13の内部に設けられる中性子吸収制御棒挿入孔61を通して炉心13の外へ排出するように構成される。
第4の気泡侵入防止装置50Dでは、図11に示されるように、原子炉容器12内の隔壁20の外側に位置する下降流路28から下向き流れの液体金属冷却材11とともに下向きに流れてきた気泡Pが、周側(外側)から中心側(内側)へ流れ、導入部55から第4の気泡侵入防止装置50D(より詳細には下部タンク53)の内部へ取り込まれる。
第4の気泡侵入防止装置50Dの下部タンク53の中では、気泡Pが混入した液体金属冷却材11が下部タンク53の周に沿って移動し、その移動に伴う遠心力によって、気泡Pは下部タンク53の径方向における中心側に、液体金属冷却材11は下部タンク53の径方向における外側(周側)に分離される。
下部タンク53内で液体金属冷却材11と遠心分離され中心側に集積した気泡Pは、図10,11に示されるように、下部タンク53の上面(上部タンク54の下面)であって、径方向の中心部に設けられた気泡排出管56の導入口から気泡排出管56の中へ導かれ、気泡排出管56から中性子吸収制御棒挿入孔61を通して炉心13の外へ排出される。炉心13内の中性子吸収制御棒挿入孔61には、燃料ピンが装荷されていないため、炉心13内の燃料部を気泡Pが通過することはない。一方、気泡Pが分離された液体金属冷却材11は、冷却材排出部57から第4の気泡侵入防止装置50Dの外部へ排出される。
第4の気泡侵入防止装置50Dおよび第4の気泡侵入防止装置50Dを備えた第4の液体金属冷却原子炉10Dによれば、下部プレナム26において、気泡Pが混入した液体金属冷却材11から気泡Pと液体金属冷却材11とを分離することができる。また、分離した気泡Pは、気泡排出管56および中性子吸収制御棒挿入孔61を通して炉心13の外へ排出されるので、気泡Pが炉心13の燃料部へ侵入するのを防ぐことができる。
[第5の実施形態]
図12は本発明の第5の実施形態に係る気泡侵入防止装置の一例である第5の気泡侵入防止装置50Eを備えた液体金属冷却原子炉の一例である第5の液体金属冷却原子炉10Eの下部側の構成を拡大して示した縦断面図、図13は第5の液体金属冷却原子炉10Eの下部側の構成を拡大して示した縦断面図に示されるVI−VI線での断面図である。
図12および図13に示されるように、第5の液体金属冷却原子炉10Eは第3の液体金属冷却原子炉10Cと第4の液体金属冷却原子炉10Dとを組み合わせて構成されたものであり、第5の液体金属冷却原子炉10Eは、第3の気泡侵入防止装置50Cと第4の気泡侵入防止装置50Dとを組み合わせて構成された第5の気泡侵入防止装置50Eを下部プレナム26に備える。なお、図12に示される実線矢印は液体金属冷却材11の流れを、破線矢印は気泡Pの流れを示したものである。
第5の気泡侵入防止装置50Eは、下部プレナム26に運ばれた全ての液体金属冷却材11を内部に取り込み、液体金属冷却材11に混入したヘリウムガス(気泡)Pを捕集し、捕集した気泡Pを、気泡排出管56および中性子吸収制御棒挿入孔61へ導き、気泡排出管56および中性子吸収制御棒挿入孔61から炉心13の外へ排出するように構成される。
このように構成される第5の気泡侵入防止装置50Eおよび第5の気泡侵入防止装置50Eを備えた第5の液体金属冷却原子炉10Eによれば、下部プレナム26において、気泡Pが混入した液体金属冷却材11から気泡Pと液体金属冷却材11とを分離することができる。また、分離した気泡Pは、気泡排出管56および中性子吸収制御棒挿入孔61を通して炉心13の外へ排出されるので、気泡Pが炉心13の燃料部へ侵入するのを防ぐことができる。
[第6の実施形態]
図14は本発明の第6の実施形態に係る気泡侵入防止装置の一例である第6の気泡侵入防止装置50Fを備えた液体金属冷却原子炉の一例である第6の液体金属冷却原子炉10Fの下部側の構成を拡大して示した縦断面図、図15は第6の液体金属冷却原子炉10Fの下部側の構成を拡大して示した縦断面図に示されるVIII−VIII線での断面図である。
第6の気泡侵入防止装置50Fは、第1の気泡侵入防止装置50Aに対して、冷却材排出部57の形状が相違する。そこで、本実施形態の説明では、当該相違点を中心に説明し、同じ構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。なお、図14および図15に示される実線矢印は液体金属冷却材11の流れを、破線矢印は気泡Pの流れを示したものである。
第6の液体金属冷却原子炉10Fは、下部プレナム26に第6の気泡侵入防止装置50Fを備え、第6の気泡侵入防止装置50Fが下部プレナム26に運ばれた全ての液体金属冷却材11を内部に取り込み、液体金属冷却材11に混入したヘリウムガス(気泡)Pを捕集し、捕集した気泡Pを炉心13の外側へ排出するように構成される。また、第6の気泡侵入防止装置50Fの冷却材排出部57は、図15に示されるように、VIII−VIII断面が、例えば、略円環等の環状に現れるように形成される。
第6の気泡侵入防止装置50Fでは、図14に示されるように、原子炉容器12内の隔壁20の外側に位置する下降流路28から下向き流れの液体金属冷却材11とともに下向きに流れてきた気泡Pが、周側(外側)から中心側(内側)へ流れ、導入部55から第6の気泡侵入防止装置50F(より詳細には下部タンク53)の内部へ取り込まれる。
第6の気泡侵入防止装置50Fの下部タンク53の中では、気泡Pが混入した液体金属冷却材11が下部タンク53の周に沿って移動し、その移動に伴う遠心力によって気泡Pは下部タンク53の径方向における中心側に、液体金属冷却材11は下部タンク53の径方向における外側(周側)に分離される。
下部タンク53内で液体金属冷却材11と遠心分離され中心側に集積した気泡Pは、図14,15に示されるように、下部タンク53の上面(上部タンク54の下面)であって、径方向の中心部に設けられた気泡排出管56の導入口から気泡排出管56の中へ導かれ、気泡排出管56から炉心13の外側へ排出される。一方、気泡Pが分離された液体金属冷却材11は、冷却材排出部57から装置外、すなわち、炉心支持板14を通り、隔壁20の内側に位置する領域である上昇流路27へ排出される。
第6の気泡侵入防止装置50Fおよび第6の気泡侵入防止装置50Fを備えた第6の液体金属冷却原子炉10Fによれば、下部プレナム26において、気泡Pが混入した液体金属冷却材11から気泡Pと液体金属冷却材11とを分離することができる。また、分離した気泡Pは、気泡排出管56を通して炉心13の外側へ排出されるので、気泡Pが炉心13の燃料部へ侵入するのを防ぐことができる。
なお、図15に示される第6の気泡侵入防止装置50Fは、冷却材排出部57のVIII−VIII断面が、略円環に現れるように形成されているが、必ずしも一つの略円環に現れるように形成される必要はなく、例えば、第6の気泡侵入防止装置50FのVIII−VIII断面に複数の部分円環や多角形環として現れるように形成されていても良い。
[第7の実施形態]
本発明の第7の実施形態に係る気泡侵入防止装置(以下、「第7の気泡侵入防止装置」と称する。)および第7の気泡侵入防止装置を備えた液体金属冷却原子炉は、他の実施形態に係る気泡侵入防止装置および当該気泡侵入防止装置を備えた液体金属冷却原子炉に対して、下部タンク53の代わりに、例えば、図16〜図18に示されるように変形した下部タンク53A〜53Cを備える点で相違する。そこで、本実施形態の説明では、当該相違点を中心に説明し、同じ構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
図16〜図18は、本発明の第7の実施形態に係る気泡侵入防止装置の下部タンク53の構成例である下部タンク53A〜53Cを示した概略図である。
第7の気泡侵入防止装置に備えられる下部タンク53Aは、図16に示されるように、下部タンク53Aの周の内面(タンク内側)に、らせん状またはうず状の溝63を設けて構成される。このように構成される下部タンク53Aでは、らせん状またはうず状の溝63によって、溝63が設けられていない下部タンク53よりも、下部タンク53A内に流入した液体金属冷却材11の回転(周方向への移動)が促される。そのため、溝63が設けられていない下部タンク53よりも気泡Pの分離効果が向上する。
また、第7の気泡侵入防止装置に備えられる下部タンク53Bは、図17に示されるように、下部タンク53の下面かつ中心軸64上に、中心軸64を回転軸として旋回自在な回転体としての旋回羽65を取り付けた支持体66を設けて構成される。旋回羽65の高さは下部タンク53の高さよりも低い任意の高さである。また、支持体66は、旋回羽65を旋回自在に支持するため、旋回羽65の高さ以上であって、下部タンク53の高さよりも低い任意の高さに形成される。
このように構成される下部タンク53Bでは、下部タンク53B内に流入した液体金属冷却材11の流れによって、支持体66が中心軸64を回転軸として旋回自在な旋回羽65が回転し、旋回羽65の回転によって、旋回羽65を取り付けた支持体66が設けられていない下部タンク53よりも、下部タンク53B内に流入した液体金属冷却材11の回転(周方向への移動)が促される。そのため、旋回羽65を取り付けた支持体66が設けられていない下部タンク53よりも気泡Pの分離効果が向上する。
なお、上述の下部タンク53Bの説明では、支持体66に自転しない(液体金属冷却材11の流れを受けて旋回する)旋回羽65を取り付けた場合を説明したが、この旋回羽65を、外部からの駆動力を受けて自転する(液体金属冷却材11を自ら積極的に流動させる)ように構成しても良い。
さらに、第7の気泡侵入防止装置に備えられる下部タンク53Cでは、図18に示されるように、下部タンク53の導入部55の代わりに、気泡Pの導入口が大きく開口する一方、下部タンク53の径方向の中心側へ向かうにつれて細くなるように構成された導入部68を備える。
下部タンク53Cでは、導入部68が下部タンク53Cの径方向の中心側へ向かうにつれて細くなる(縮径する)ように構成されることから、液体金属冷却材11が下部タンク53Cへ流入するときの流速は、下部タンク53へ流入するときの流速よりも速くなり、導入部68を備えていない下部タンク53よりも気泡Pの分離効果が向上する。
第7の気泡侵入防止装置および第7の気泡侵入防止装置を備えた第7の液体金属冷却原子炉によれば、下部プレナム26において、気泡Pが混入した液体金属冷却材11から気泡Pと液体金属冷却材11とを分離することができる。また、分離した気泡Pは、気泡排出管56を通して炉心13の外へ排出されるので、気泡Pが炉心13の燃料部へ侵入するのを防ぐことができる。
さらに、第7の気泡侵入防止装置では、下部タンク53A,53B,53Cの内部における液体金属冷却材11の流速を、下部タンク53の場合と比べて速くすることができるので、気泡Pが混入した液体金属冷却材11から気泡Pと液体金属冷却材11とを分離する効率をより高めることができる。
以上、気泡侵入防止装置50および気泡侵入防止装置50を備えた液体金属冷却原子炉10によれば、下部プレナム26において、気泡Pが混入した液体金属冷却材11から気泡Pと液体金属冷却材11とを分離することができる。また、分離した気泡Pは、気泡排出管56を通して炉心13の外へ排出するので、気泡Pが炉心13の燃料部へ侵入するのを防ぐことができる。
なお、本発明の幾つかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。例えば、図9に示される気泡排出管56は、略同径の円周上に四つが等間隔で配置されているが、個数、配置位置、断面形状又は配置間隔等は任意に構成できる。また、図16と図18に示される下部タンク53A,53Cとを組み合わせ、周の内面にらせん状またはうず状の溝63が設けられた導入部68を有する下部タンクを構成することもできる。
これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10(10A〜10F)…液体金属冷却原子炉、11…液体金属冷却材、12…原子炉容器、13…炉心、14…炉心支持板、15…間隙、16…格納容器(ガードベッセル)、17…サイロ、18…中性子吸収制御棒、20…隔壁(シュラウド)、21…遮蔽体、22…中性子反射体、23…電磁ポンプ、24…中間熱交換器(IHX)、25…格納ドーム、26…下部プレナム、27…上昇流路、28…下降流路、50(50A〜50F)…気泡侵入防止装置、53…下部タンク(気泡捕集部)、54…上部タンク、55…導入部、56…気泡排出管(気泡排出部)、57…冷却材排出部、61…中性子吸収制御棒挿入孔、64…中心軸、65…旋回羽、66…支持体、68…導入部、P…気泡。

Claims (10)

  1. 原子炉容器内に設置された隔壁の内側の冷却材が上昇する上昇流路に炉心が、前記隔壁の外側の前記冷却材が下降する下降流路に炭化ホウ素が充填された筒状体によって構成された遮蔽体が、前記原子炉容器内の前記遮蔽体および前記炉心の下方空間に下部プレナムが配置される液体金属冷却原子炉の下部プレナムに設けられ、
    前記下降流路を流れ、下部プレナムに流入した気泡を含む冷却材を導入口から導入し、内部で前記冷却材に含まれる気泡を遠心分離して捕集する気泡捕集部と、
    前記気泡捕集部で捕集された気泡を導入して前記炉心の内部の燃料ピンが装荷される燃料集合体領域の外部へ導出する気泡排出部と、
    前記気泡捕集部が気泡を捕集した後の気泡が含まれない冷却材を導入して前記上昇流路へ排出する冷却材排出部と、を備えることを特徴とする気泡侵入防止装置。
  2. 前記気泡捕集部から前記気泡排出部へ前記気泡を導入する前記気泡排出部の導入口は、前記原子炉容器の径方向に対して中心側に設けられ、前記気泡捕集部から前記冷却材排出部へ前記冷却材を導入する前記冷却材排出部の導入口は、前記気泡排出部の導入口よりも前記原子炉容器の径方向に対して周側に設けられることを特徴とする請求項1記載の気泡侵入防止装置。
  3. 前記気泡捕集部は、前記気泡捕集部の導入口を複数個設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の気泡侵入防止装置。
  4. 前記気泡排出部は、前記気泡捕集部から導入した前記気泡を前記炉心の燃料集合体領域の外部へ導出する排出口を複数個設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の気泡侵入防止装置。
  5. 前記気泡排出部は、前記気泡捕集部から導入した前記気泡を前記炉心の燃料集合体領域の外部へ導出する排出口を前記炉心に設けられる中性子吸収制御棒を挿入する挿入孔と接続させたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の気泡侵入防止装置。
  6. 前記気泡捕集部は、前記気泡を捕集するタンクを備え、このタンクの周の内面にらせん状またはうず状の溝を設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の気泡侵入防止装置。
  7. 前記気泡捕集部は、前記気泡を捕集するタンクを備え、このタンクの中心軸上に、この中心軸を回転軸として旋回自在な旋回羽を有する回転体を設置したことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の気泡侵入防止装置。
  8. 前記気泡捕集部は、前記気泡を捕集するタンクを備え、このタンクに、一端を前記気泡捕集部の導入口とし、他端を前記タンク内面とする筒状の導入部を設け、この導入部は、前記タンクの径方向に対する外側から内側に進むにつれて細くなるように構成されたことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の気泡侵入防止装置。
  9. 前記冷却材排出部は、上面に前記気泡捕集部から導入した前記冷却材を装置外へ排出する排出口を設けたタンクを備え、前記冷却材排出部の排出口は、前記タンクの上面の水平断面が環状となるように構成されることを特徴とする1〜8の何れか1項に記載の気泡侵入防止装置。
  10. 請求項1〜9記載の何れか1項に記載の気泡侵入防止装置を備えたことを特徴とする液体金属冷却原子炉。
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