JP2012192304A - 傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネット及び該棒状マグネットを用いる磁気分離装置 - Google Patents

傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネット及び該棒状マグネットを用いる磁気分離装置 Download PDF

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Abstract

【課題】磁性異物が磁着されないで素通りするような死角が無いか小さくできて磁着効率が高く、しかも、設置空間が従来のものと同程度で済み、さらに、棒状マグネットに磁着した磁性異物の除去をスムーズに行うことのできる棒状マグネットを提供することを課題とする。
【解決手段】長手方向に交互に配列されたマグネット単体と板状のヨークとを含む棒状マグネットにおいて、少なくとも一部のヨークの前記長手方向の端面を、長手方向に直角な断面に対し傾斜させることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、粉体、粒体、液体、気体、流動体等の各種原料、製品、中間品等の中に混在している鉄系等の磁性異物を磁着除去する際などに用いる棒状マグネット、及び、該棒状マグネットが設けられた磁気分離装置に関する。
樹脂、顔料、食品、薬品、香辛料、調味料、飼料、肥料などの製品の製造ラインにおいては、使用する原料自体が鉄粉などの磁性異物を含んでいたり、また、製造ラインで使用されるスクリューフィーダー、ロータリーバルブ等の設備の金属摩耗粉や、破損鉄片等の磁性異物が製品や中間品中に混入したりする。
従来、そのような磁性異物の混入を防止し、製品や中間品の安全性等を確保することは極めて重要であり、製造ラインには、磁性異物を磁着除去する各種マグネットが設けられている。
そのような磁性異物除去用マグネットとして、例えば、特許文献1(特開平8-10642号公報)には、図7,8に示されるような短円柱型のマグネット単体82と極板(板状ヨーク)83とを交互に配設し、その中心部を連結シャフト85で固定すると共にチューブ87で被包した断面円型の棒状マグネット8が記載されている。
また、特許文献2(実用新案登録第3164152号公報)に記載され、図9,10に示されるような、断面がペアシェイプ(洋梨形状)乃至涙滴型の短柱マグネット単体92と極板(板状ヨーク)93とを交互に配設し、その中心部を連結シャフト95で固定すると共にチューブ97で被包した断面涙滴型棒状マグネット9が記載されている。
この種の棒状マグネット8、9は、磁性異物を含む粉体状製品や中間品の製造ライン等において広く使用されており、例えば、粉体状被処理物が自然落下する落下経路中に水平に設けられ、落下途中の粉体から磁性異物を取り残しの無いように磁着除去することが期待されている。
しかしながら、この種の極板(板状ヨーク)83、93は、棒状マグネット8、9の長手軸に対し直角方向に配置されており、図11に示すように、棒状マグネット8、9の外周面における長手方向に沿った磁力分布は、板状ヨーク83、93の部分で最も強く、2つの板状ヨーク83、93で挟まれた短円柱マグネット単体82、92の前記長手方向の中間部が最も弱くなっている。そのため、次の(ア)、(イ)のような問題点が明らかとなった。
(ア)棒状マグネット8、9の長手方向に沿った異物吸着幅は、板状ヨーク83、93の部分の狭い範囲であり、磁力の弱い前記中間部に落下した磁性異物Qは、図11に示すように、磁力の弱い前記中間部に沿って下方に移動し、磁力の強い板状ヨーク83、93の部分に遭遇せず、磁着されずに通過してしまう恐れがあるという問題点がある。
(イ)この種の棒状マグネット8、9では、磁着保持された磁性異物Qを先端部が長手軸に対し直角である異物除去具を外周面に摺接させてシゴキ除去する際、磁力が強い部分である板状ヨーク83、93の外周上に片寄って磁性異物Qが存在するため、異物除去具を移動させる駆動力が一定せず、スティックスリップのような現象やそれに伴う振動が発生し、磁性異物Qを円滑に除去するのが難しい場合があるという問題点もある。
なお、図7に示された断面円型の棒状マグネット8を図8に示すように重力で落下する途中の粉体状被処理物の移動経路に設置して使用する場合には、処理を継続すると粉体状の被処理物が棒状マグネットの上面側に山状に堆積し、後続の被処理物中に含まれる磁性異物Qは、磁力のない山状の堆積物斜面から棒状マグネット8の側方を磁着されずに通過してしまうという問題点もある。しかしながら、この問題点は、本発明者によって、図9,10に示された断面涙滴型棒状マグネットを用いることにより解決できることが明らかとなっている。
これらの棒状マグネット8、9における未解決の問題点を解決するため、本発明者は、鋭意検討し、前記(ア)の問題点については、棒状マグネット8、9を粉体状被処理物が自然落下する落下経路中に傾斜して設けることにより解決できることを見出した。すなわち、棒状マグネット8、9を傾斜して設置すると、磁力の弱い前記中間部に落下した磁性異物Qは、外周面を重力の方向に落下移動する際に、磁力の強い板状ヨーク83、93の部分に必然的に接触するか、少なくとも近づくことになるので、磁性異物Qが磁着されずに通過するのが防止できることになる。
しかしながら、この棒状マグネット8、9を傾斜して設置するという解決手段では、前記(イ)の問題点は解決できない。また、この解決手段は、棒状マグネット8、9を水平に設けるよりも大きな処理空間を必要とするため、処理空間に余裕のない既存の磁性異物除去装置には適用することが困難であるという問題点もある。さらに、水平に設置する場合に比べて長い棒状マグネットが必要となるため、コスト高になるという問題点もある。
また、前記(イ)の問題点については、異物除去具の先端部を長手軸に対し傾斜させることにより異物除去具を摺動移動させる駆動力の変動が小さくなり、解決できる可能性が見出された。しかしながら、異物除去具の先端部を長手軸に対し傾斜させると、一方で、棒状マグネット8、9の両端部に磁着保持された磁性異物を完全に除去するための工夫が必要となるという問題点が生じることも明らかとなった。
特開平8-10642号公報 実用新案登録第3164152号公報
本発明は、以上のような従来技術の未解決の問題点を解決しようとするものであり、異物吸着巾を広く取ることができ、磁性異物が磁着されないで素通りするような死角を全く無くすか、又は、少なくとも死角を小さくして磁着効率を高め、しかも、設置空間が従来のものと同程度で済み、その上、棒状マグネットに磁着した磁性異物の除去をスムーズに行うことのできる棒状マグネットを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、長手方向に交互に配列されたマグネット単体と板状のヨークとを含む棒状マグネットにおいて、少なくとも一部のヨークの前記長手方向の端面を、前記長手方向に直角な断面に対し傾斜した傾斜面とすることで上記課題の解決が可能であることを見出したものである。
すなわち、本発明の特徴とするところは、次のとおりである。
(1)長手方向に交互に配列されたマグネット単体と板状のヨークとを含む棒状マグネットであって、少なくとも一部のヨークの前記長手方向の端面は、前記長手方向に直角な断面(以下、「軸直角断面」ということがある。)に対し傾斜した傾斜面であることを特徴とする傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネット。
(2)軸直角断面に対する前記ヨークの傾斜面の傾斜角度αは、次の式(C)で表される範囲内であることを特徴とする上記(1)に記載の傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネット。
3M/8L≦tanα≦5M/4L ・・・(C)
(ただし、Lは、前記軸直角断面と前記傾斜面の両方に直角な長手方向の断面であって、前記軸直角断面の重心を含む断面(以下、「長手軸断面」ということがある。)における棒状マグネットの径を表し、Mは、棒状マグネットの両端部のマグネット単体を除くマグネット単体の長手方向の長さを表す。)
(3)棒状マグネットは、前記長手軸断面を対称面とする対称形であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネット。
(4)マグネット単体に挟まれている全てのヨークが軸直角断面に対し傾斜していることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネット。
(5)棒状マグネットの長手軸に直角な断面形状が、円、楕円、多角形、又は、前記長手軸断面を対称面とする涙滴型であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネット。
(6)前記マグネット単体と前記ヨークとは、それらの中心部の孔を貫通する連結シャフトの端部に形成された雄ネジ部とタップ付きヨーク又は端部材の雌ネジとを螺合することにより締め付けられていることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネット。
(7)(1)〜(6)のいずれか1項に記載の傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネットが設置され、被処理物中の磁性体を磁気分離する磁気分離装置であって、前記棒状マグネットは、その長手軸が、被処理物の移動方向に対し略直角で、かつ、前記長手軸断面が被処理物の移動方向と略平行となるように設置されることを特徴とする磁気分離装置。
(8)棒状マグネットが、断面涙滴型のものであり、重力で落下する途中の被処理物の移動経路に、その断面涙滴型の円弧部が鉛直下方となるように設置されることを特徴とする上記(7)に記載の磁気分離装置。
本発明は、上記のような特徴を具備することにより、次の(カ)〜(コ)に記載したような顕著な効果を奏するものである。
(カ)本発明の傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネットは、異物吸着幅を広く取ることができるので、磁性異物等の磁性体が磁着されないで素通りするような死角が無いか、極力小さくでき、磁着効率を大きく向上することができる。
(キ)本発明の傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネットは、従来の棒状マグネットと同様に、被処理物の移動方向に対し直角な方向に設置できるので、棒状マグネットを被処理物の移動方向に対し傾斜して設ける場合のように、設置空間を大きくする必要がない。そのため、既存の磁性異物除去装置を大幅に改変することなく、その磁着効率を大きく向上することが可能となる。
(ク)棒状マグネットを被処理物の移動方向に対し傾斜して設ける場合に比べ、その長さを短くできるので、棒状マグネットの製造資源の節約となる。
(ケ)本発明の傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネットは、板状ヨークが長手軸に対し傾斜しているので、板状ヨークの表面積が大きくなり、従来の棒状マグネットよりも吸着異物量を増加させることができる。そのため、磁性異物が磁着した棒状マグネットに対し間欠的に行う磁性異物の除去操作回数を低減できる。また、磁着保持された磁性異物が被処理物の流れの障害となりにくく、磁着保持された磁性異物中に抱き込まれる被処理物量を顕著に減少させることができる。さらに、棒状マグネットに磁着した磁性異物の除去をスムーズに行うことができる。それ故、前述のような磁着効率の向上と相俟って、磁性異物除去装置に用いた際に磁性異物除去効率や信頼性を大幅に高めることができる。
(コ)本発明の傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネットの断面を涙滴型とすると、重力で落下する途中の粉体状被処理物の移動経路に設置した場合においても、粉体等の被処理物は上面側にほとんど堆積せず、磁性異物の磁着除去が磁力のない山状の粉体により邪魔されることはない。また、ヨークに沿った外周面の磁力分布は、頂部(山状の先端部)が弱く、下部の円筒状部が強く、山状の斜面部が中程度になるので、頂部や斜面部で磁着された磁性異物は、順次下方の斜面部からさらに下方に移動し、磁性異物の多くは最終的に断面涙滴型棒状マグネットの下部の円筒状部に磁着保持される。そのため、棒状マグネットに磁着保持された磁性異物が落下する粉体の障害にはほとんどならないし、また、磁性異物をさらに多く磁着保持できるし、さらに、磁着保持された磁性異物中に抱き込まれる被処理物量をより一層減少させることができる。
本発明の第1実施例の傾斜ヨーク配列構造を具備する断面円型棒状マグネットを示す図面(長手方向の軸を含む平面における断面図)である。 本発明の第1実施例の棒状マグネットにおける傾斜ヨークとマグネット単体両端面の傾斜を示す図面(長手方向の軸を含む平面における断面図)である。 本発明の第1実施例の棒状マグネットの外周面における磁性異物の挙動を概念的に示す図面である。 本発明の第2実施例の傾斜ヨーク配列構造を具備する断面涙滴型棒状マグネットを示す図面(長手方向の軸を含む平面における断面図)である。 本発明の第2実施例の断面涙滴型棒状マグネットの軸直角断面の輪郭形状を示す図面である。 本発明の第3実施例の傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネットの端部締め付け構造を示す図面。(I)は、長手方向の軸を含む平面における部分断面図、(II)は、(I)におけるA−A断面図である。 従来の断面円型棒状マグネットを示す図面(長手方向の軸を含む平面における断面図)である。 従来の断面円型棒状マグネットの軸直角断面図において、落下する粉体状被処理物中の磁性異物の挙動を概念的に示す図面である。 従来の断面涙滴型棒状マグネットを示す図面(長手方向の軸を含む平面における断面図)である。 従来の断面涙滴型棒状マグネットの軸直角断面図である。 従来の棒状マグネットの外周面における磁性異物の挙動を概念的に示す図面である。
本発明の傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネットは、長手方向に交互に配列されたマグネット単体と板状のヨークとを含み、少なくとも一部のヨークの前記長手方向の端面は、前記長手方向に直角な平面(軸直角断面)に対し傾斜した傾斜ヨークとなっている。
傾斜ヨークは、一部のヨークであっても、異物吸着幅を部分的に広く取ることができ、磁性異物等の磁性体が磁着されないで素通りするような死角を部分的に小さくできる点で技術的に意義がある。そのような傾斜ヨークの配列態様としては、限定されないが、例えば、長手方向に直角なヨーク(以下、「直角ヨーク」ということがある。)と傾斜ヨークとを交互に配列することが挙げられる。棒状マグネットの全てのヨークのうち、マグネット単体で挟まれたヨークの全てを傾斜ヨークとすると、棒状マグネットの長手方向のほぼ全長にわたって磁性異物等の磁性体が磁着されないで素通りするような死角を無くすか、極力小さくできるので最も好ましい。
傾斜ヨークに隣接するマグネット単体は、該ヨーク側の端面を該ヨークと同じ角度の傾斜面としてヨークに密着できるようにする。両面に同じ角度の傾斜面を有するマグネット単体を傾斜ヨークと共に連設すると、両端部が傾斜面となる。このようなマグネット単体と傾斜ヨークとをそれらの中心部の孔を連通する連結シャフトで一体化する場合、両端部に断面が台形や直角三角形のマグネット単体、又は、断面が台形や直角三角形の端部材を用いることにより、両端を長手方向に直角な面にして固定しやすくすることができる。両端部に断面が台形や直角三角形のマグネット単体を用いる場合には、該両端部にさらに直角ヨークを配置することもできる。
傾斜ヨークやマグネット単体端面の軸直角断面に対する傾斜角度αは、磁性異物が磁着されないで素通りするような死角を効果的に小さくするためには、その下限値が次の式(A)で表されることが好ましい(図2のマグネット単体23と傾斜ヨーク31の断面図参照)。
M/4L≦tanα ・・・・・・・・(A)
上記式において、Lは、前記軸直角断面と前記傾斜面の両方に直角な長手方向の断面であって、前記軸直角断面の重心を含む断面(長手軸断面)における棒状マグネットの径を表し、Mは、棒状マグネットの両端部のマグネット単体を除くマグネット単体の長手方向の長さを表す。
棒状マグネットの両端部のマグネット単体に挟まれた中間部のマグネット単体の長手方向の長さは、均一であることが望ましいが、長さが異なる場合、マグネット単体の長手方向の長さMは平均値とする。なお、長手軸断面が台形や三角形のマグネット単体である場合、前記平均値を求める際の各マグネット単体の長手方向の長さは、最大値(台形や三角形の底辺の長さ)と最小値(台形の上辺の長さ、三角形では0)の平均とする。
傾斜角度αは、所定以上大きくしても死角を無くすという作用効果はそれほど変化しないし、また、あまり大きくすると、マグネット単体の製造が困難化するので、その上限値は、次の式(B)で表されることが好ましい。
tanα≦3M/2L ・・・・・・・・(B)
磁性異物が磁着されないで素通りするような死角を無くすか又は極力小さくすると共に、マグネット単体の製造を容易な範囲に止めるための傾斜角度αのより好ましい範囲や、さらに好ましい範囲は、それぞれ、次の式(C)、式(D)で表される。
3M/8L≦tanα≦5M/4L ・・・(C)
M/2L≦tanα≦M/L ・・・(D)
長手軸断面の両側で棒状マグネットの異物吸着性能を均一にするには、棒状マグネットは、前記長手軸断面を対称面とする対称形であることが最も好ましい。前記長手軸断面と対称面が一致していない場合でも、前記長手軸断面と長手方向対称面との角度が±10度程度以内(好ましくは±5度程度以内)であれば、ある程度均一性が保持できる。また、このような角度範囲とすると、マグネット単体の製造が比較的容易となるので好ましい。
マグネット単体は、限定するものではないが、例えば、ネオジウム、サマリウムコバルト等の希土類磁石、フェライト磁石、アルニコ磁石などの各種の永久磁石からなる。ヨークは、限定するものではないが、例えば、SUS400系のステンレス鋼板から形成することができる。また、非マグネット端部材は、限定するものではないが、例えば、SUS304、SUS316等のステンレス鋼から形成することができる。
本発明の棒状マグネットの軸直角断面形状は、限定するものではないが、例えば、円や正多角形(正三角形、正四角形、正五角形、正六角形等)であっても良いし、また、円や正多角形を横方向又は縦方向に変形した楕円や変形多角形であっても良いし、さらに、円弧部と直線部とにより形成される複合形状などであっても良い。
磁性異物を含む被処理物が落下する途中に棒状マグネットを設置する場合、特許文献2に記載されたように断面をペアシェイプ(洋梨形状)乃至涙滴型とすると、上面側が最初から山状に形成されているため、処理を継続しても粉体等の被処理物は上面側にほとんど堆積せず、磁性異物の磁着除去が磁力のない山状の粉体により邪魔されることはないので好ましい。
そのような涙滴型の断面形状は、円弧部と、該円弧部の2つの端からそれぞれの略接線方向に伸び、前記円弧部の対称軸の軸上又はその近傍の交点で交差する2つの直線と略一致する傾斜部とを含む。
該円弧部は、正確な円の一部であるのが最も好ましいが、楕円の一部であっても良いし、また、正確な円や楕円の形状から僅かに外れた滑らかな凹凸形状(正確な円弧からのずれが、例えば、円弧部の半径の20%以内、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内)であっても良い。
該円弧部の両端から伸びる2つの傾斜部は、直線状の直線部であることが最も望ましいが、全体として山型であれば良く、各傾斜部は、直線からのずれが僅かな凹形状や凸形状、凹凸形状等であっても良い。その場合、凹等の深さや凸等の高さは、例えば、円弧部の半径の20%以内(好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内)であれば許容し得る。
2つの傾斜部が接触する頂点は、前記交点として尖っていても良いが、マグネットの製造工程上、適宜の面取り形状とするのが好ましい。面取り形状としては、棒状マグネットの大きさにもよるが、1〜10mm(好ましくは2〜5mm)程度のアール面取りとすることが望ましい。
本発明の傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネットは、チューブで被包しなくても使用できるが、マグネット粉の脱落やマグネット単体の欠け等を防止するため、チューブで被包することが望ましい。
傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネットの用途は、限定するものではないが、樹脂、顔料、食品、薬品、香辛料、調味料、飼料、肥料などの粉体状、粒体状、液体状、気体状、流動体状等の各種原料、製品、中間品等を対象とし、該対象物中に混在している鉄系等の磁性異物の磁着除去に使用できる外、各種液体、粉体、気体、流動体等に混在している微小磁性製品の磁気分離にも使用することができる。
本発明の傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネットは、被処理対象物の移動方向に直角に設置するのが設置スペースの点で最も好ましいが、水平に対し傾斜して(例えば、±20度程度以内、好ましくは±10度程度以内、より好ましくは±5度程度以内)設置することも許容し得る。
また、前記長手軸断面を対称面とする両側で磁着作用を均一にするには、前記長手軸断面を被処理対象物の移動方向に平行に設けることが最も好ましいが、前記長手軸断面を移動方向に傾斜して(例えば、±20度程度以内、好ましくは±10度程度以内、より好ましくは±5度程度以内)設置することも許容し得る。
以下、図面を参照しながら本発明の実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、この実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更可能であることは言うまでもない。
(第1実施例)
図1に、本発明の第1実施例の傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネット1を示す。この図1は、該棒状マグネットの長手軸断面図である。該棒状マグネット1の軸直角断面は、その輪郭形状が、図8に示された従来の棒状マグネットと同様の円型である。
該棒状マグネット1は、その長手方向に交互に配列したマグネット単体2とヨーク3とを含む。各マグネット単体2は、その端部の磁極が板状ヨーク3を挟んで隣接するマグネット単体2の端部と同じ磁極となるように配列される。
この実施例では、両端部のヨーク3を除く全てのヨーク3(すなわち、マグネット単体2に挟まれた全てのヨーク3)は、長手軸断面に対し直角で、かつ、軸直角断面に対して傾斜した傾斜ヨーク31となっており、該傾斜ヨーク31に挟まれたマグネット単体23は、長手方向の両端面が同じ角度で傾斜した傾斜面(すなわち、長手軸断面では平行四辺形の対向する傾斜辺)となっている。棒状マグネット1の両端部のマグネット単体2は、長手軸平面における断面形状が、底辺に対し垂直な1辺を有する台形状としているが、直角三角形状とすることもできる。なお、両端部の直角ヨーク31と台形状のマグネット単体25とを使用せずに、端部材4を長手軸断面形状が台形状又は三角形状のものとすることもできる。
マグネット単体2と板状ヨーク3は、両端部の端部材4と共に、一体的に組み立てられ、棒状マグネット1に形成される。そのように一体化するための手段は、限定するものではないが、例えば、図1の実施例に示されるように、マグネット単体2、板状ヨーク3の中心部の孔を貫通する連結シャフト5、該連結シャフト5の両端に設けられた雄ネジ部51に螺合する端部材4の雌ネジ部等から構成することができる。
(作用)
本発明の第1実施例の傾斜ヨーク配列構造を具備する断面円型棒状マグネット1を、磁性異物を含む被処理物の移動経路に、被処理物の移動方向に対し直角で、かつ、傾斜ヨークに直角な長手軸断面を移動方向に平行に設置し、被処理物中の磁性異物を除去する磁性異物除去装置を構成する場合の作用について、図3を参照しながら以下説明する。
本発明の棒状マグネット1は、その長手方向の磁力分布が、従来の棒状マグネット8と同様に、ヨーク3の部分で最も強く、2つのヨーク3で挟まれたマグネット単体23の長手方向の中間部が最も弱くなっている。しかしながら、本発明の棒状マグネット1では、マグネット単体2で挟まれたヨーク3(すなわち、両端部以外の板状ヨーク3)は全て傾斜配置された傾斜ヨーク31となっているので、従来の棒状マグネット8とは異なり、長手方向で最も磁力が強い部分の棒状マグネットの外周における領域が、被処理物の移動方向に移行するにつれ、前記傾斜ヨーク31の傾斜に沿って長手方向にずれており、磁性異物Qの移動経路と交差するようになっている。そのため、上方から落下した磁性異物Qが棒状マグネット1の上流側において長手方向における磁力分布の弱い部分に当接し、磁着されずにそのまま移動しようとしても、移動途中において長手方向の磁力分布が強い部分に遭遇し、磁着されることになり、磁性異物が磁着されずに素通りする死角を無くすことができる。すなわち、従来の棒状マグネット8、9の1つのヨークに基づく長手方向の異物除去巾は、ヨークの長手方向長さKと同程度であるのに対し、本発明の棒状マグネット1の1つのヨークに基づく長手方向の異物除去巾は、K+Ltanα程度まで広く取ることができる(ただし、Lは、断面円型棒状マグネットの径を表し、αは、軸直角断面に対する傾斜ヨークの角度を表す。)。
また、磁性異物Qは、磁力の強いヨーク3の外周に沿って(すなわち、軸直角断面に対し傾斜して)磁着保持されるので、磁着された磁性異物Qは、被処理物の流れを部分的にでも止めるような障害とはなりにくい。そのため、本発明の棒状マグネット1は、従来の棒状マグネット8に比べ、磁着保持された磁性異物Q中に抱き込まれる被処理物量が顕著に減少するという予想外の効果を奏することも明らかとなった。
該棒状マグネット1の外周面に磁着保持された磁性異物Qが所定量を超えたときには、被処理物に対する異物除去操作を中断し、棒状マグネット1の外周面に異物除去具を摺接させて、該外周面の磁性異物をシゴキ除去する。その際、磁性異物Qは、軸直角断面に対し傾斜して磁着保持されているので、先端部が長手軸に対し直角である異物除去具を棒状マグネット外周面に摺接させると、前記先端面が1度に当接する棒状マグネット外周の磁性異物が多い部分は1箇所か2箇所であって、しかも、前記摺接移動に伴って前記当接部分は棒状マグネット外周の周方向に移動する。そのため、異物除去具を摺接し、磁性異物をシゴキ除去するのに要する駆動力は、あまり変動せず、スティックスリップ現象や振動を発生させることなく、スムーズで効率的に異物除去を行うことができる。
(第2実施例)
図4,5に、本発明の第2実施例の傾斜ヨーク配列構造を具備する断面涙滴型棒状マグネット1を示す。図4は、該棒状マグネットの長手軸断面図、図5は、該棒状マグネットの軸直角断面の輪郭形状を示す図である。
該棒状マグネット1は、その断面の輪郭形状が図5に示されるような涙滴型であり、長手方向に連設されたマグネット単体2、ヨーク3、及び、端部材4も、軸直角断面への投影面が涙滴型となっている。マグネット単体2、ヨーク3、及び、端部材4は、それらの断面涙滴型が整合するように配列され、適宜の一体化手段よって締め付け一体化される。この実施例では、マグネット単体2、板状ヨーク3の中心部の孔を貫通する連結シャフト5の一端に雄ネジ部51を設けて、一方の端部材4の雌ネジ部に螺合すると共に、他方の端部材4の孔に連結シャフト5の他端を嵌めた状態で連結シャフト5の該他端と該他方の端部材4の孔部とを溶接による溶接部Wとすることにより一体化している。
マグネット単体2、板状ヨーク3、及び、他方の端部材4の涙滴型外形を整合させるため、それらの中心部の孔内面と連結シャフト外面とを位置合わせ用の構造とすることもできる。そのような位置合わせの構造としては、六角形等の多角形の断面形状、位置合わせ用キーが挿入できるキー溝が形成されたものなど、公知の各種の態様が適用可能であるが、連結シャフト5の軸部53下面に平坦部が形成されたものとすると、マグネット単体23下部のマグネットの体積を増加させることができてその部分の磁力が増加するので、ヨークの外周に沿ったより好ましい磁力分布を得ることができる。
この第2実施例では、連結シャフト5等により一体化されたマグネット単体2、板状ヨーク3、及び、端部材4は、マグネット粉の脱落やマグネット単体の欠け等を防止する保護用のチューブ7で被包される。該チューブ7は、限定するものではないが、例えば、厚さ0.3〜0.8mm程度のSUS304のステンレス鋼シートやチタンシート等の金属製シート、樹脂製シート等から形成することができる。
この第2実施例の断面涙滴型の棒状マグネットの軸直角断面の輪郭形状は、具体的には、円弧部12aと、該円弧部12aの2つの端12dからそれぞれの略接線方向に伸び、前記円弧部の対称軸12cの軸上又はその近傍の交点14aで交差する2つの直線上の直線部13aとを含む(図5参照)。
該輪郭形状の円弧部の端12dから伸びる直線部13aは、該円弧部の接線方向であるのが最も好ましいが、該直線部の該接線方向に対する角度を±10度、好ましくは±5度の範囲内とすることもできる。2つの直線部の間の角度βは、20〜80度(好ましくは30〜70度、より好ましくは40〜60度)であり、該円弧部の角度γは、200〜260度(好ましくは210〜250度、より好ましくは220〜240度)である。2つの直線部13aは、前記円弧部の対称軸12cに対して対称であることが最も好ましいが、多少のずれ(例えば、前記交点14aから前記対称軸12cまでの距離が、円弧部12aの半径の10%以内、好ましくは5%以内)は許容される。2つの直線部の交差部は、アール面取りや平坦に面取りされて、頂部14の頂点14bが形成される。(頂部が平坦に面取りされた場合、その平坦部のうち前記対称軸12cに最も近い点を頂点14bとする。)
この第2実施例の断面涙滴型棒状マグネット1は、その外周面のヨーク3に沿った磁力分布は、頂部14が最も弱く、斜面部13を円筒状部12側に移行するにつれて徐々に強くなり、円筒状部12が最も強いので、落下途中で磁着された磁性異物は、板状ヨーク3に沿って落下を続け、円筒状部12、特に円筒状部12下部に多く溜まるので、磁着された磁性異物Qは、被処理物の流れの影響をあまり受けることなく磁着保持される。
(作用)
図4、5に示された本発明の第2実施例の断面涙滴型棒状マグネット1を、重力で落下する途中の粉体状被処理物の移動経路に、水平でかつ頂部を鉛直上方に向けて設け、被処理物中の磁性異物を除去する磁性異物除去装置を構成する場合の作用について、図3を参考にしながら以下説明する(なお、第2実施例では、ヨーク3は、チューブ7に被包されていて露出していない点、及び、ヨーク3の傾斜角度αがより大きい点等で、図3の第1実施例とは若干相違する。)。
本発明の第2実施例の断面涙滴型棒状マグネット1は、従来の断面涙滴型棒状マグネット9と同様に、上面側が最初から山状に形成されているため、処理を継続しても粉体等の被処理物は上面側にほとんど堆積しない。また、山状の斜面の傾斜角を安息角より大きく設定することにより、粉体の堆積がより確実に防止できるようになっている。そのため、従来の涙滴型棒状マグネット9と同様に、磁性異物の磁着除去が磁力のない山状の粉体により邪魔されることはない。
第2実施例の断面涙滴型棒状マグネット1は、その長手方向の磁力分布が、従来の断面涙滴型棒状マグネット9と同様に、板状ヨーク3の部分で最も強く、2つの板状ヨーク3で挟まれた短柱マグネット単体23の前記長手方向の中間部が最も弱くなっている。しかも、頂部の磁力は、上面側に被処理物が山状に堆積する以前の断面円型棒状マグネットと比べても小さくなっている。しかしながら、第2実施例の断面涙滴型棒状マグネット1では、マグネット単体23の長手方向両端面が傾斜面であり、板状ヨーク3も傾斜配置されているので、従来の断面涙滴型棒状マグネット9とは異なり、長手方向で最も磁力が強い部分の棒状マグネットの外周における領域が、頂部から下部に移行するにつれ、前記傾斜角度に沿って長手方向にずれており、磁性異物Qの落下経路と交差するようになっている。そのため、上方から落下した磁性異物Qが棒状マグネット頂部14の長手方向における磁力分布の弱い部分に落下し、磁着されずにそのまま棒状マグネット1の周面を滑り落ちようとしても、落下途中において長手方向の磁力分布が強い部分に遭遇し、磁着されることになる。すなわち、従来の涙滴型棒状マグネットにおける1つのヨークに基づく長手方向の異物除去巾は、ヨークの長手方向長さKと同程度であるのに対し、第2実施例の涙滴型棒状マグネット1における1つのヨークに基づく長手方向の異物除去巾は、K+Ltanα程度まで広く取ることができ、隣接する異物除去巾と重なって、磁性異物が磁着されずに素通りする死角が無くなっている。また、棒状マグネット1における板状ヨーク3に沿った磁力分布は、従来の涙滴型棒状マグネット9と同様に、頂部14が最も弱く、斜面部13を円筒状部12側に移行するにつれて徐々に強くなり、円筒状部12が最も強いので、落下途中で磁着された磁性異物は、板状ヨーク3に沿って落下を続け、円筒状部12、特に円筒状部12下部に多く溜まるので、磁着された磁性異物Qは、被処理物の流れの影響をあまり受けることなく磁着保持される。そのため、磁着保持された磁性異物Q中に抱き込まれる被処理物量は、従来の棒状マグネット8、9に比べて顕著に減少するし、また、第1実施例の断面円型棒状マグネットと比べてもより一層減少する。しかも、板状ヨークが長手軸に対し傾斜しているので、板状ヨークの表面積が大きくなり、従来の涙滴型のものよりもさらに吸着異物量を増加させることができる。
該棒状マグネット1の外周面に磁着保持された磁性異物Qが所定量を超えたときには、被処理物に対する異物除去操作を中断し、棒状マグネット1の外周面に異物除去具を摺接させて、該外周面の磁性異物をシゴキ除去する。その際の該外周面からの異物除去操作は、第1実施例と同様に、スムーズで効率的に行うことができる。
以上の作用では、自然落下する粉体状被処理物に対し第2実施例の断面涙滴型棒状マグネットを水平にかつ頂部を鉛直上方に向けて設置した場合について述べたが、本発明は、そのような被処理物や設置形態に限定されない。例えば、流路を流れる液体からその中に含まれる磁性体を磁気分離する場合には、本発明の断面涙滴型棒状マグネットは、液体の流れと垂直で、かつ、頂部が流れの上流側で円筒状部が流れの下流側となるように設置することにより、流路抵抗を低減できるとともに、上述の作用と同様に、磁性異物が磁着されずに素通りする死角を無くすか極力小さくすることができる。
(第3実施例)
図6に、本発明の第3実施例の傾斜ヨーク配列構造を具備する断面涙滴型棒状マグネットの端部締め付け構造を示す。(I)は、長手方向の軸を含む平面における部分断面図、(II)は、(I)におけるA−A断面図である。
上記第1、2実施例では、マグネット単体2、板状ヨーク3等を一体的に締め付けるため、マグネット単体2や板状ヨーク3の中心部の孔を貫通する連結シャフト5と、該連結シャフト5の端部に設けられた雄ネジ部51に螺合する雌ネジ部を備えた端部材4等を用いたが、第3実施例では、雌ネジ部を備えた端部材4の替わりにタップ付きヨーク33を用いている。
この種の棒状マグネット1では、各マグネット単体2の長手方向端部の磁極が板状ヨーク3を挟んで隣接するマグネット単体2の端部と同じ磁極となるように配列されるため(図1,4,7,9参照)、隣接するマグネット単体2同士は、相互に離反する方向の力が作用する。そのような離反する力の作用下で、軸直角断面への投影面が涙滴型となっているマグネット単体23,25、ヨーク31,32等の外形輪郭を相互に整合させるため、この第3実施例では、該外形輪郭と同じ内面形状を有するチューブ7内にマグネット単体23,25とヨーク31,32とを交互に挿入する。チューブ7内に交互に挿入されたマグネット単体23,25とヨーク31,32とは、該挿入により外形輪郭が整合した状態となるため、その状態において、それらの中心部の孔を貫通する連結シャフト5の雄ネジ部51とタップ付きヨーク33の雌ネジとを螺合させ、タップ付きヨーク33をネジ止め方向に回転することにより締め付け、一体化される。タップ付きヨーク33には、その回転を行うため、回転用治具の2つの突出棒(図示せず)と係合する2つの回転係合用穴331を設けているが、この回転係合用穴331は、タップ付きヨーク33を貫通していなくても良いし、また、周方向に略等間隔に3以上設けても良いし、さらに、穴の替わりに、径方向に伸びる複数の溝を形成しても良い。要は、回転用治具と係合し、タップ付きヨーク33を回転できる構造であれば、どのような構造のものでも採用することができる。
このような雄ネジ部51とタップ付きヨーク33とによる締め付け構造は、棒状マグネット1の一方側の端部のみに設け、他方の端部は、例えば、図4に示されるような、連結シャフト5の端部と端部材4の孔部との溶接部Wによる固定構造としても良いが、棒状マグネットの両端部に設けると、締め付け一体化作業の自由度が増して好ましい。また、タップ付きヨーク33を直角ヨーク32とは別に両端に設けることにより、磁力の好ましくない方向への逃げをより良く防止することができ、棒状マグネット外周面の磁力をより強められるので、その点からも好ましい。
チューブ7内で締め付け一体化されたマグネット単体23,25、ヨーク31,32,33等の長手方向端部には、雄ネジ部51先端が挿入される穴を具備する端部材4がチューブ7の端部に挿入され、端部材4は、図6(I)のW(溶接部)で示される位置(すなわち、端部材4の外側端周部とチューブ7の端部との接触部、及び、端部材4の穴と雄ネジ部51外周との接触部乃至近接部)において、チューブ7、雄ネジ部51と溶接により接合される。
このように、第3実施例の傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネット1は、タップ付きヨーク33を用いたネジ止めと溶接の両方により強固に一体化されているので、長期にわたって使用しても、マグネット単体2同士の離反力による破壊事故は防止できる。
なお、この第3実施例では、棒状マグネット端部の締め付け構造について、断面涙滴型棒状マグネットを例として説明したが、円、楕円、多角形等の他の断面形状のものにも同様に適用することができる。
本発明の傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネットや該棒状マグネットを設けた磁性異物除去装置等の磁気分離装置は、磁性異物の磁着除去が必要とされるあらゆる対象物に対して適用することができるし、また、磁性製品の磁気分離を必要とされる対象物にも適用することができる。そのような対象物としては、磁性異物や磁性製品を含む粉体、粒体、液体、気体、気液混合物、懸濁液、粘性流体等が挙げられる。
1 傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネット
12 円筒状部
12a (軸直角断面輪郭形状における)円弧部
12b 円弧部の中間点
12c 円弧部の対称軸
12d 円弧部の端
13 斜面部
13a (軸直角断面輪郭形状における)直線部(傾斜部)
14 頂部
14a 2つの直線部の延長線の交点
14b 頂点

2 マグネット単体
21 長手方向端面(傾斜面)
22 長手方向端面(軸方向直角面)
23 両端面が傾斜面であるマグネット単体
25 断面台形マグネット単体

3 ヨーク
31 傾斜ヨーク
32 直角ヨーク
33 タップ付きヨーク
331 回転係合用穴
4 端部材
5 連結シャフト
51 雄ネジ部
52 固定ヘッド部
53 軸部
7 チューブ

8 断面円型棒状マグネット(従来例)
82 短円柱マグネット単体
83 板状ヨーク
84 端部材
85 連結シャフト
87 チューブ

9 断面涙滴型棒状マグネット(従来例)
912 円筒状部
913 斜面部
914 頂部
92 断面涙滴型短柱マグネット単体
93 板状ヨーク
94 端部材
95 連結シャフト
97 チューブ

α 軸直角断面に対するヨーク端面の傾斜角度
β (軸直角断面輪郭形状の)直線部間の角度
γ (軸直角断面輪郭形状の)円弧部の角度
K ヨークの長手方向の長さ
L 棒状マグネットの長手軸断面における径
M マグネット単体の長手方向の長さ
P 粉体状被処理物
Q 磁性異物
W 溶接部

Claims (8)

  1. 長手方向に交互に配列されたマグネット単体と板状のヨークとを含む棒状マグネットであって、少なくとも一部のヨークの前記長手方向の端面は、前記長手方向に直角な断面(以下、「軸直角断面」という。)に対し傾斜した傾斜面であることを特徴とする傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネット。
  2. 軸直角断面に対する前記ヨークの傾斜面の傾斜角度αは、次の式(C)で表される範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネット。
    3M/8L≦tanα≦5M/4L ・・・(C)
    (ただし、Lは、前記軸直角断面と前記傾斜面の両方に直角な長手方向の断面であって、前記軸直角断面の重心を含む断面(以下、「長手軸断面」という。)における棒状マグネットの径を表し、Mは、棒状マグネットの両端部のマグネット単体を除くマグネット単体の長手方向の長さを表す。)
  3. 棒状マグネットは、前記長手軸断面を対称面とする対称形であることを特徴とする請求項1又は2に記載の傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネット。
  4. マグネット単体に挟まれている全てのヨークが軸直角断面に対し傾斜していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネット。
  5. 棒状マグネットの長手軸に直角な断面形状が、円、楕円、多角形、又は、前記長手軸断面を対称面とする涙滴型であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネット。
  6. 前記マグネット単体と前記ヨークとは、それらの中心部の孔を貫通する連結シャフトの端部に形成された雄ネジ部とタップ付きヨーク又は端部材の雌ネジとを螺合することにより締め付けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネット。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の傾斜ヨーク配列構造を具備する棒状マグネットが設置され、被処理物中の磁性体を磁気分離する磁気分離装置であって、前記棒状マグネットは、その長手軸が、被処理物の移動方向に対し略直角で、かつ、前記長手軸断面が被処理物の移動方向と略平行となるように設置されることを特徴とする磁気分離装置。
  8. 棒状マグネットが、断面涙滴型のものであり、重力で落下する途中の被処理物の移動経路に、その断面涙滴型の円弧部が鉛直下方となるように設置されることを特徴とする請求項7に記載の磁気分離装置。
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