JP2012181468A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像品質の低下を招くことなく、小型化を図ることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 光走査装置は、4つの光源、偏向器前光学系、ポリゴンミラー、2つの走査光学系などを有し、これらは、光学ハウジング2300内に収容されている。各走査光学系には、互いに偏光方向が直交する2つの光束が混在して入射される。該2つの光束は偏光分離素子で分離されて、それぞれ対応する感光体ドラムに向かう。また、光学ハウジング2300の底板には、第1の板金部材11と第2の板金部材12とが取り付けられている。これにより、外部からの振動によって光学ハウジング2300が共振するのを抑制することができる。そこで、光走査装置は、外乱に強く、薄型化を図ることができる。
【選択図】図21
【解決手段】 光走査装置は、4つの光源、偏向器前光学系、ポリゴンミラー、2つの走査光学系などを有し、これらは、光学ハウジング2300内に収容されている。各走査光学系には、互いに偏光方向が直交する2つの光束が混在して入射される。該2つの光束は偏光分離素子で分離されて、それぞれ対応する感光体ドラムに向かう。また、光学ハウジング2300の底板には、第1の板金部材11と第2の板金部材12とが取り付けられている。これにより、外部からの振動によって光学ハウジング2300が共振するのを抑制することができる。そこで、光走査装置は、外乱に強く、薄型化を図ることができる。
【選択図】図21
Description
本発明は、画像形成装置に係り、更に詳しくは、被走査面を光によって走査する光走査装置を備える画像形成装置に関する。
電子写真の画像記録では、レーザを用いた画像形成装置が広く用いられている。この場合、画像形成装置は光走査装置を備え、感光性を有するドラムの軸方向に光偏向器(例えば、ポリゴンミラー)を用いてレーザ光を走査しつつ、ドラムを回転させ、ドラムの表面に潜像を形成する方法が一般的である。
近年、画像形成装置において、カラー化、高速化が進み、感光性を有するドラムを複数(通常は4つ)有するタンデム方式の画像形成装置が普及してきている。
タンデム方式ではドラム数の増加に伴い画像形成装置が大型化する傾向にあり、光走査装置を含め小型化が求められている。光走査装置の小型化には、偏向器から各ドラムに向かう走査光の複数の光路を重ね合わせることが有効である。
例えば、特許文献1には、互いに直角を成す方向に直線偏光され、記録すべき信号によって輝度変調されたレーザ光を放射する2つのレーザ光源と、これらレーザ光源から放射される2つのレーザ光を合成する偏光光合成手段と、この合成されたレーザ光を主走査方向に偏向する偏向手段と、この偏向手段により偏向された合成レーザ光を走査記録面で別々のスポットに分離する偏光光分離手段とを具える記録装置が開示されている。
また、特許文献2には、単一のレーザ光源と、光源からのレーザ光の2つの偏光光にそれぞれ異なる情報を与える情報制御手段と、情報制御手段からの情報に基づいて偏光量を制御する偏光制御手段と、偏光制御された光を所定の照射面に走査照射するための走査手段と、走査された光を偏光状態に応じて2つの光に分光する分離手段と、走査手段からの光を分離手段に入射する入射角に応じてレーザ光を旋光制御する旋光制御手段とを有する光走査装置が開示されている。
また、特許文献3には、光源と、複数の偏向反射面を副走査方向に備えた光偏向器と、光源からの光束を複数の偏向反射面のそれぞれに入射する複数の光束に分割する光束分割用回折光学素子と、光偏向器により偏向される光束を被走査面上に集光する走査光学系とを備える光走査装置が開示されている。
ところで、ドラムの表面に潜像を形成する際に、画像形成装置に含まれる機械部品による振動が光走査装置に伝搬すると、画像形成装置から出力される画像にスジ状の濃度むら(バンディング)が生じるという不都合があった。
そこで、光走査装置の振動を抑制する方法が種々検討された。例えば、特許文献4には、光学部品を搭載しかつ構成部材の振動が伝搬する板金製ハウジングの底壁に振動の節となる少なくとも二個以上の取り付け箇所が光学部品の長手方向に間隔を開けて設けられ、光学部品を保持する光学部品保持部材が取り付け箇所に取り付けられ、光学部品保持部材は底壁に対してその振動の節から節までの間が浮いている光走査装置が開示されている。
偏光分離手段を用いて光走査装置の薄型化を図る場合、偏光分離手段を含めたすべての光学素子を薄型化及び小型化する必要があり、更には光学ハウジングを含めたすべての構造部品の薄型化及び小型化が必須である。
光学素子は、薄型化に伴って細くて長い形状となるため、剛性及び固有振動数が低下する。そこで、外乱によって光走査装置が振動すると、該光学素子も振動し、バンディングや縦線ゆらぎ等の画質低下を招くおそれがあった。
また、光学ハウジングは、薄型化されると、光学ハウジング自体の剛性の低下及び固有振動数の低下を招き、外部からの振動に共振し易くなり、その結果、光学素子単体の振動と重畳して更に重大な画質低下を招くおそれがあった。
しかしながら、特許文献4に開示されている光走査装置と同様にして光走査装置の振動を抑制しようとすると、光学ハウジングの設計上、節の部分を任意の位置に設定することは容易でなく、また、光学設計上も、光学素子を節の位置にあわせて配置することは極めて困難であった。
本発明は、光源や光学系が光学ハウジング内に収容されている光走査装置、及び画像情報に応じて変調された前記光走査装置からの複数の光束により走査される複数の像担持体が、筐体に取り付けられている画像形成装置において、前記光学ハウジングは、その底板に複数枚の板金部材が取り付けられていることを特徴とする画像形成装置である。
これによれば、光走査装置が機械的な外乱に強くなり、画像品質の低下を招くことなく、小型化を図ることができる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図23に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係る画像形成装置としてのカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、4つのトナーカートリッジ(2034a、2034b、2034c、2034d)、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着ローラ2050、給紙コロ2054、レジストローラ対2056、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、位置ずれ検出器2245、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。そして、これらは、プリンタ筐体の中に収容されている。
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
プリンタ制御装置2090は、CPU、該CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム及び該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されているROM、作業用のメモリであるRAM、アナログデータをデジタルデータに変換するAD変換器などを有している。そして、プリンタ制御装置2090は、上位装置からの要求に応じて各部を制御するとともに、上位装置からの画像情報を光走査装置2010に送る。
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、トナーカートリッジ2034a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、トナーカートリッジ2034b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、トナーカートリッジ2034c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、トナーカートリッジ2034d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。なお、各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転するものとする。また、ここでは、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向(回転軸方向)に沿った方向をY軸方向、4つの感光体ドラムの配列方向に沿った方向をX軸方向として説明する。
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置2010は、上位装置からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)に基づいて、各色毎に変調された光束を、対応する帯電された感光体ドラムの表面にそれぞれ照射する。これにより、各感光体ドラムの表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。なお、この光走査装置2010の構成については後述する。
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジからのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚ずつ取り出し、レジストローラ対2056に搬送する。該レジストローラ対2056は、所定のタイミングで記録紙を転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出す。これにより、転写ベルト2040上のカラー画像が記録紙に転写される。ここで転写された記録紙は、定着ローラ2050に送られる。
定着ローラ2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。ここで定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次積み重ねられる。
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
位置ずれ検出器2245は、転写ベルト2040の−X側に配置されている。この位置ずれ検出器2245は、Y軸方向に関して、等間隔に配置されている3つ以上の位置検出センサを有している。各位置検出センサは、各ステーションで作成され転写ベルト2040上に転写された位置検出用のトナーパッチの位置情報が含まれる信号をプリンタ制御装置2090に出力する。
そして、プリンタ制御装置2090は、各位置検出センサの出力信号に基づいて、ステーション毎に、走査線の傾き及び走査線の曲がりを検出する(例えば、特許第4107578号公報、特開2008−276010号公報、及び特開2005−238584号公報参照)。
次に、前記光走査装置2010の構成について説明する。
この光走査装置2010は、一例として図2に示されるように、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)、偏向器前光学系、ポリゴンミラー2104、走査光学系A、走査光学系B、及び不図示の走査制御装置などを有している。そして、これらは、光学ハウジング2300(図2では図示省略、図15参照)内に収容されている。なお、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
各光源は、半導体レーザ(LD)を含んでいる。光源2200bと光源2200cは、X軸方向に関して離れて配置されており、いずれも−Y方向に光束を射出する。光源2200aと光源2200dは、X軸方向に関して対向して配置されており、光源2200aは+X方向に光束を射出し、光源2200dは−X方向に光束を射出する。
偏向器前光学系は、一例として図3に示されるように、4つのカップリングレンズ(2201a、2201b、2201c、2201d)、4つの1/2波長板(2202a、2202b、2202c、2202d)、2つの偏光ビームスプリッタ(22051、22052)、2つの開口板(22031、22032)、及び2つのシリンドリカルレンズ(22041、22042)を有している。
カップリングレンズ2201aは、光源2200aから射出された光束LBaの光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201bは、光源2200bから射出された光束LBbの光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201cは、光源2200cから射出された光束LBcの光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201dは、光源2200dから射出された光束LBdの光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
1/2波長板2202aは、カップリングレンズ2201aを介した光束LBaの光路上に配置され、該光束LBaを偏光ビームスプリッタ22051の入射面に対してs偏光とする。
1/2波長板2202bは、カップリングレンズ2201bを介した光束LBbの光路上に配置され、該光束LBbを偏光ビームスプリッタ22051の入射面に対してp偏光とする。
1/2波長板2202cは、カップリングレンズ2201cを介した光束LBcの光路上に配置され、該光束LBcを偏光ビームスプリッタ22052の入射面に対してp偏光とする。
1/2波長板2202dは、カップリングレンズ2201dを介した光束LBdの光路上に配置され、該光束LBdを偏光ビームスプリッタ22052の入射面に対してs偏光とする。
偏光ビームスプリッタ22051は、1/2波長板2202aの+X側であって、かつ1/2波長板2202bの−Y側に配置されている。この偏光ビームスプリッタ22051は、p偏光を透過させ、s偏光を反射する特性を有している。そこで、偏光ビームスプリッタ22051は、1/2波長板2202aを通過した光束LBaを−Y方向に反射し、1/2波長板2202bを通過した光束LBbを透過させる。これにより、偏光ビームスプリッタ22051から射出される光束LBaと光束LBbの光路はほぼ同一である。
偏光ビームスプリッタ22052は、1/2波長板2202dの−X側であって、かつ1/2波長板2202cの−Y側に配置されている。この偏光ビームスプリッタ22052は、p偏光を透過させ、s偏光を反射する特性を有している。そこで、偏光ビームスプリッタ22052は、1/2波長板2202dを介した光束LBdを−Y方向に反射し、1/2波長板2202cを介した光束LBcを透過させる。これにより、偏光ビームスプリッタ22052から射出される光束LBcと光束LBdの光路はほぼ同一である。
開口板22031は、開口部を有し、偏光ビームスプリッタ22051からの光束LBa及び光束LBbを整形する。
開口板22032は、開口部を有し、偏光ビームスプリッタ22052からの光束LBc及び光束LBdを整形する。
シリンドリカルレンズ22041は、開口板22031の開口部を通過した光束LBa及び光束LBbを、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ22042は、開口板22032の開口部を通過した光束LBc及び光束LBdを、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
ポリゴンミラー2104は、一例として4面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。このポリゴンミラー2104は、Z軸方向に平行な軸まわりに等速回転し、各シリンドリカルレンズからの光束を偏向する。
シリンドリカルレンズ22041からの光束(光束LBa、光束LBb)はポリゴンミラー2104の−X側に偏向され、シリンドリカルレンズ22042からの光束(光束LBc、光束LBd)はポリゴンミラー2104の+X側に偏向される。なお、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で偏向された光束が経時的に形成する光線束面は、「偏向面」と呼ばれている(特開平11−202252号公報参照)。ここでは、偏向面はXY面に平行である。
走査光学系Aは、一例として図4に示されるように、偏向器側走査レンズ21051、像面側走査レンズ21071、偏光分離素子21101、5枚の折り返しミラー(2106a、2106b、2108a、2108b、2109a)を有している。
偏向器側走査レンズ21051は、ポリゴンミラー2104の−X側であって、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ22041からの光束(光束LBa、光束LBb)の光路上に配置されている。
像面側走査レンズ21071は、偏向器側走査レンズ21051の−X側であって、偏向器側走査レンズ21051を介した光束(光束LBa、光束LBb)の光路上に配置されている。
偏光分離素子21101は、像面側走査レンズ21071の−X側であって、像面側走査レンズ21071を介した光束(光束LBa、光束LBb)の光路上に配置されている。
偏光分離素子21101は、偏光分離面を有している。該偏光分離面はワイヤーグリッド、誘電体多層膜等で構成することができるが、波面収差特性に優れることから誘電体多層膜が好ましい。
また、偏光分離面を支持する基板は、ガラス又は透明樹脂で構成することができる。各偏光分離素子は、断面が直角二等辺三角形よりなる2つの三角柱で偏光分離面を挟み込んだキュービック構造としても良いが、板状透明体の片面に偏光分離面を形成した構造の方が、簡易的な工程で製造できる点で有利である。
偏光分離素子21101は、一例として図5に示されるように、偏光分離面が偏向面に対して45°傾斜した状態で配置されている。
偏光分離素子21101における偏光分離面と逆側の面には、一例として図6に示されるように、反射防止膜が形成されているのが好ましい。反射防止膜を設けることで、分離後に基板を透過した光が基板の裏面で反射して不要光を発生させるのを抑制できる。
偏光分離素子21101は、光束LBaを透過させ(図7参照)、光束LBbを−Z方向に反射する(図8参照)。
偏光分離素子21101を透過した光束LBaは、3枚の折り返しミラー(2106a、2108a、2109a)を介して、感光体ドラム2030aの表面に照射され、光スポットが形成される。
偏光分離素子21101で反射された光束LBbは、2枚の折り返しミラー(2106b、2108b)を介して、感光体ドラム2030bの表面に照射され、光スポットが形成される。
偏向器側走査レンズ21051、像面側走査レンズ21071、及び偏光分離素子21101は、2つの画像形成ステーションで共用されている。
図4に戻り、走査光学系Bは、偏向器側走査レンズ21052、像面側走査レンズ21072、偏光分離素子21102、5枚の折り返しミラー(2106c、2106d、2108c、2108d、2109d)を有している。
偏向器側走査レンズ21052は、ポリゴンミラー2104の+X側であって、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ22042からの光束(光束LBc、光束LBd)の光路上に配置されている。
像面側走査レンズ21072は、偏向器側走査レンズ21052の+X側であって、偏向器側走査レンズ21052を介した光束(光束LBc、光束LBd)の光路上に配置されている。
偏光分離素子21102は、像面側走査レンズ21072の+X側であって、像面側走査レンズ21072を介した光束(光束LBc、光束LBd)の光路上に配置されている。偏光分離素子21102は、偏光分離素子21101と同様な偏光分離素子である。
偏光分離素子21102は、光束LBdを透過させ、光束LBcを−Z方向に反射する。
偏光分離素子21102で反射された光束LBcは、2枚の折り返しミラー(2106c、2108c)を介して、感光体ドラム2030cの表面に照射され、光スポットが形成される。
偏光分離素子21102を透過した光束LBdは、3枚の折り返しミラー(2106d、2108d、2109d)を介して、感光体ドラム2030dの表面に照射され、光スポットが形成される。
偏向器側走査レンズ21052、像面側走査レンズ21072、及び偏光分離素子21102は、2つの画像形成ステーションで共用されている。
各感光体ドラム表面の光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って長手方向に移動する。このときの光スポットの移動方向が「主走査方向」であり、感光体ドラムの回転方向が「副走査方向」である。
偏光分離素子21101と折り返しミラー2106bは、一例として図9に示されるように、ホルダ10に一体的に保持されている。
ホルダ10は、図9の縦断面図である図10に示されるように、Z軸方向に関して、偏光分離素子21101及び折り返しミラー2106bに対してはみ出すことなく偏光分離素子21101と折り返しミラー2106bとを一体的に保持している。
このホルダ10は、Y軸方向を長手方向とする2枚の面が略垂直に組み合わされたダハ面(例えば、特開平6−50739号公報参照)を有するアルミダイカストの部材である。そして、該ダハ面における+Z側の面に偏光分離素子21101が保持され、−Z側の面に折り返しミラー2106bが保持されている。また、ホルダ10には、偏光分離素子21101を透過した光束LBaの光路となる矩形状のニゲ穴が形成されている。
偏光分離素子21101及び折り返しミラー2106bは、長手方向(Y軸方向)における複数箇所で、ダハ面に板ばねによって押圧され、あるいは接着剤によって接着されている。これにより、偏光分離素子21101及び折り返しミラー2106bは、それぞれが単体のときに比べて、剛性が高くなるとともに、固有振動数が高周波数側にシフトする。その結果、外部からの振動によって共振するのを抑制することができる。すなわち、耐振動性が向上する。
ところで、偏光分離素子21101及び折り返しミラー2106bがダハ面に保持されているため、その挟角が製造誤差等により90°からずれていても、折り返しミラー2106bで折り返された光束の進行方向(ここでは、+X方向)は変化しない。仮に、従来のように折り返しミラーを単独で配置した場合、ミラー面の角度が設計値に対してθ変化すると該ミラー面で反射された光束の進行方向は予定していた方向に対して2θ変化する。
また、偏光分離素子21102と折り返しミラー2106cも、一例として図11に示されるように、ホルダ10に一体的に保持されている。これによって、偏光分離素子21102及び折り返しミラー2106cは、それぞれが単体のときに比べて、剛性が高くなるとともに、固有振動数が大きくなる。その結果、外部からの振動によって共振するのを抑制することができる。すなわち、耐振動性が向上する。
また、折り返しミラー2106aと折り返しミラー2108aも、一例として図12に示されるように、ホルダ20に一体的に保持されている。
ホルダ20は、図12の縦断面図である図13に示されるように、Z軸方向に関して、折り返しミラー2106a及び折り返しミラー2108aに対してはみ出すことなく折り返しミラー2106aと折り返しミラー2108aとを一体的に保持している。
このホルダ20は、Y軸方向を長手方向とし、Y軸方向に直交する断面の形状がいわゆるダハ形状であるアルミダイカストの部材である。そして、+Z側のダハ面に折り返しミラー2106aが保持され、−Z側のダハ面に折り返しミラー2108aが保持されている。
折り返しミラー2106a及び折り返しミラー2108aは、長手方向(Y軸方向)における複数箇所で、ダハ面に板ばねによって押圧され、あるいは接着剤によって接着されている。これにより、折り返しミラー2106a及び折り返しミラー2108aは、それぞれ単体のときに比べて剛性が高くなるとともに、固有振動数が高周波数側にシフトする。その結果、外部からの振動によって共振するのを抑制することができる。すなわち、耐振動性が向上する。
また、折り返しミラー2106dと折り返しミラー2108dも、一例として図14に示されるように、ホルダ20に一体的に保持されている。これにより、折り返しミラー2106d及び折り返しミラー2108dは、それぞれ単体のときに比べて剛性が高くなるとともに、固有振動数が高周波数側にシフトする。その結果、外部からの振動によって共振するのを抑制することができる。すなわち、耐振動性が向上する。
図15には、光学ハウジング2300が示されている。この光学ハウジング2300は、ヤング率が1.25×1010(Pa)の樹脂製の容器状部材である。本実施形態では、偏光分離素子を用いて走査光学系のZ軸方向に関する長さを小さくし、光走査装置の薄型化を図っている。そこで、光学ハウジング2300は、側板の高さが従来よりも低くなる。ところで、光学ハウジングは、側板の高さが低くなると、固有振動数が低下し、外部からの振動によって共振し易くなる。
図16及び図17には、比較のために、従来の光学ハウジングを、その側板の高さを光学ハウジング2300と同じにしたもの(「光学ハウジングA」という)が示されている。そして、この光学ハウジングAのモーダル解析を行った結果が図18に示されている。このときの一次モードの固有振動数は130.6Hzであった。
本実施形態では、一例として図19に示される第1の板金部材11と、一例として図20に示される第2の板金部材12とが重ねられて、光学ハウジング2300の底板に外側から取り付けられている(図21参照)。
第1の板金部材11及び第2の板金部材12は厚さが1.6mmの軟鋼板であり、ヤング率は2.1×1011(Pa)である。すなわち、第1の板金部材11及び第2の板金部材12のヤング率は、光学ハウジング2300の材質のヤング率よりも大きい。
図22には、光学ハウジング2300に第1の板金部材11と第2の板金部材12を重ねて取り付けた場合のモーダル解析を行った結果が示されている。この場合は、一次モードの固有振動数は235.9Hzであった。
このように、第1の板金部材1及び第2の板金部材2を取り付けることによって、固有振動数が上昇し、振動時の振幅が光学ハウジングAの約0.44倍に減少した。
従って、第1の板金部材1と第2の板金部材2が重ねて取り付けられた光学ハウジング2300は、外部からの振動に対して強くなる。
また、各板金部材の形状が線対称であるため、取付作業が容易である。
また、第1の板金部材11のX軸方向の長さ及びY軸方向の長さが光学ハウジング2300の底面よりも大きく、X軸方向の両端部近傍及びY軸方向の両端部近傍にプリンタ筐体に取り付けるためのねじ穴が設けられている。すなわち、第1の板金部材11は、プリンタ筐体に締結される締結部を有し、該締結部は、平面視において、光学ハウジング2300からはみ出ている。これにより、従来の光走査装置と同様の組み付け性を確保することができる(図23参照)。
また、各板金部材の厚み分だけ光学ハウジング2300の底面に掘り込みを入れることで光走査装置として出っ張りをなくしている。
以上説明したように、本実施形態に係る光走査装置2010によると、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)、偏向器前光学系、ポリゴンミラー2104、走査光学系A、走査光学系Bなどを有し、これらは、光学ハウジング2300内に収容されている。
各走査光学系には、互いに偏光方向が直交する2つの光束が混在して入射され、該2つの光束は偏光分離素子で分離されて、それぞれ対応する感光体ドラムに向かう。これにより、薄型化を図ることができる。
また、光学ハウジング2300の底面には、第1の板金部材1と第2の板金部材2とが重なって取り付けられている。これにより、光走査装置の外部からの振動によって光学ハウジング2300が共振するのを抑制することができる。すなわち、外乱に強くなる。
そこで、薄型で外乱に強い光走査装置を実現することができる。
そして、本実施形態に係るカラープリンタ2000によると、光走査装置2010を備えているため、画像品質の低下を招くことなく、小型化を図ることができる
また、構成部品を薄型化及び小型化することができるので、省資源や省スペースに寄与することができる。
また、光走査装置の薄型化によって、気流の通り道などの設計(気流設計)の自由度が向上し、装置内の温度上昇を抑えることができるという副次的な効果も得ることができる。
なお、上記実施形態では、光学ハウジング2300の底板に第1の板金部材11及び第2の板金部材12を取り付ける際に、第1の板金部材11が光学ハウジング2300の底板に接するように取り付けられる場合について説明したが、これに限定されるものではない。一例として図24及び図25に示されるように、第2の板金部材12が光学ハウジング2300の底板に接するように取り付けられても良い。この場合は、第1の板金部材11を介した振動を、第2の板金部材12と第1の板金部材11との摩擦によって減衰させることができるため、更に外乱に強くなる。
また、上記実施形態において、一例として図26に示されるように、第2の板金部材12の中央に、板ばねの機能を有する板ばね部を設けても良い。この場合は、一例として図27に示されるように、第1の板金部材11の中央に、第2の板金部材12の板ばね部が干渉しないように開口が設けられる。第2の板金部材12の板ばね部は、一例として図28に示されるように、光学ハウジング2300の底板に突き当てられる。これにより、光学ハウジング2300の全体の振動を吸収することができる。特に光学ハウジング2300の中央部の振動をより吸収することができる。
また、上記実施形態では、第1の板金部材11及び第2の板金部材12の材質が軟鋼の場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1の板金部材11及び第2の板金部材12の一方の材質が軟鋼で他方がばね鋼であっても良い。また、第1の板金部材11及び第2の板金部材12の両方の材質がばね鋼であっても良い。
また、上記実施形態では、2枚の板金部材が光学ハウジング2300の底板に取り付けられている場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、3枚の板金部材が光学ハウジング2300の底板に取り付けられていても良い。
また、上記実施形態において、第1の板金部材11及び第2の板金部材12の形状は一例であり、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態において、第1の板金部材11及び第2の板金部材12の板厚は一例であり、これに限定されるものではない。また、第1の板金部材11の板厚と第2の板金部材12の板厚は、異なっていても良い。
また、上記実施形態において、板金部材が光学ハウジングの底板に4箇所で締結される場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、ホルダ10及びホルダ20がアルミダイカスト部品である場合について説明したがこれに限定されるものではない。例えば、ホルダ10及びホルダ20が切削加工によって成形された部材であっても良いし、板金加工によって成形された部材であっても良い。また、ホルダ10及びホルダ20の材質がアルミニウム以外の金属であっても良いし、樹脂であっても良い。例えば、ホルダ10及びホルダ20が射出成形によって成形された樹脂部材であっても良い。
また、ホルダ10及びホルダ20のY軸方向に直交する断面(縦断面)の形状は、上記実施形態に限定されるものではない。また、ホルダ10及びホルダ20の寸法は、上記実施形態に限定されるものではない。要するに、ホルダ10は、Z軸方向に関して、偏光分離素子及び折り返しミラーに対してはみ出すことなく該偏光分離素子と該折り返しミラーを一体的に保持していれば良い。また、ホルダ20は、Z軸方向に関して、2枚の折り返しミラーに対してはみ出すことなく該2枚の折り返しミラーを一体的に保持していれば良い。
また、上記実施形態において、前記偏光分離素子21101に代えて、一例として図29に示されるように、偏光分離デバイス161を用いても良い。この偏光分離デバイス161は、ビームスプリッタ1610、及び2つの偏光子(1611、1612)を有している。
ビームスプリッタ1610は、像面側走査レンズ21071の−X側であって、像面側走査レンズ21071を介した光束(光束LBaと光束LBb)の光路上に配置されている。このビームスプリッタ1610は、入射光束の偏光方向を保存した状態で、入射光束の一部を透過させ、残りを反射するビームスプリッタである。
偏光子1611はビームスプリッタ1610の−X側であって、ビームスプリッタ1610を透過した光束の光路上に配置されている。偏光子1612はビームスプリッタ1610の−Z側であって、ビームスプリッタ1610で反射された光束の光路上に配置されている。各偏光子は、ヨウ素又は二色性染料で染色した膜を一軸延伸して得る一般的な偏光フィルムを使用することができる。
そして、光束LBaのみが偏光子1611を透過し、光束LBbのみが偏光子1612を透過する。
また、同様な偏光分離デバイスを、前記偏光分離素子21102に代えて用いても良い。
また、上記実施形態では、各光源が1つの発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、各光源が複数の半導体レーザを有しても良い。また、各光源が複数の発光部を持つ半導体レーザアレイを有しても良い。
また、上記実施形態では、画像形成装置として4つの感光体ドラムを有するカラープリンタについて説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、光走査装置がプリンタに用いられる場合について説明したが、プリンタ以外の画像形成装置、例えば、複写機、ファクシミリ、又は、これらが集約された複合機にも好適である。
以上説明したように、本発明の画像形成装置によれば、画像品質の低下を招くことなく、小型化を図るのに適している。
10…ホルダ、11…第1の板金部材、12…第2の板金部材、20…ホルダ、161…偏光分離デバイス、2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2010…光走査装置、2030a〜2030d…感光体ドラム(像担持体)、2104…ポリゴンミラー、21051,21052…偏向器側走査レンズ、21071,21072…像面側走査レンズ、2106a,2106b,2106c,2106d,2108a,2108b,2108c,2108d,2109a,2109d…折り返しミラー、21101,21102…偏光分離素子、2200a〜2200d…光源、2300…光学ハウジング。
Claims (9)
- 光源や光学系が光学ハウジング内に収容されている光走査装置、及び画像情報に応じて変調された前記光走査装置からの複数の光束により走査される複数の像担持体が、筐体に取り付けられている画像形成装置において、
前記光学ハウジングは、その底板に複数枚の板金部材が取り付けられていることを特徴とする画像形成装置。 - 前記複数枚の板金部材のうちの少なくとも1枚は、前記筐体に締結される締結部を有し、該締結部は、平面視において、前記光学ハウジングからはみ出ていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記複数枚の板金部材は2枚の板金部材であり、
前記筐体に締結される前記締結部は、2枚目の板金部材が有していることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記複数枚の板金部材のいずれかは、中央部分に前記光学ハウジングの底面に押し付けられる板ばねを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記複数枚の板金部材は2枚の板金部材であり、
1枚目の板金部材は中央部分に開口を有し、前記板ばねは2枚目の板金部材が有し、該板ばねは前記1枚目の板金部材の開口を通して前記光学ハウジングの底面に押し付けられることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。 - 前記複数枚の板金部材は、前記光学ハウジングの底板に2箇所以上で締結されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記複数枚の板金部材の材料は、前記光学ハウジングの材料よりも大きいヤング率を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記複数枚の板金部材は、いずれも線対称の形状であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記画像情報は、多色のカラー画像情報であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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