JP2012176965A - 4−シアノテトラヒドロピランの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸アルカリ金属塩から、4-シアノテトラヒドロピランを製造する方法に関する。4-シアノテトラヒドロピランは、例えば、医薬・農薬等の原料や合成中間体として有用な化合物である(例えば、特許文献1参照)。
従来、4-シアノテトラヒドロピランを製造する方法としては、例えば、4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸エステルを加水分解させて得られた4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸を、180〜200℃に加熱して、単離収率66%で4-シアノテトラヒドロピランを得る方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、この方法において高い反応温度が必要であり、4-シアノテトラヒドロピランの工業的な製法としては満足するものではなかった。
J.Chem.Soc,1930,2525
本発明は、即ち、上記問題点を解決し、温和な条件下、簡便な方法によって、4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸アルカリ金属塩から、4-シアノテトラヒドロピランを高収率で製造出来る、工業的に好適な4-シアノテトラヒドロピランの製法を提供することにある。
本発明の課題は、一般式(1)
(式中、Mは、アルカリ金属原子を示す。)
で示される4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸アルカリ金属塩を、アミド類、尿素類、スルホキシド類及びスルホン類からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒中で反応させることを特徴とする、4-シアノテトラヒドロピランの製造方法によって解決される。
で示される4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸アルカリ金属塩を、アミド類、尿素類、スルホキシド類及びスルホン類からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒中で反応させることを特徴とする、4-シアノテトラヒドロピランの製造方法によって解決される。
本発明の反応において使用する4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸金属塩は、前記の一般式(1)で示される。その一般式(1)において、Mは、アルカリ金属であり、例えば、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子等が挙げられるが、好ましくはナトリウム原子、カリウム原子である。
本発明の反応は、アミド類、尿素類、スルホキシド類及びスルホン類からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒中で行うが、使用する溶媒としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド類;1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等の尿素類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;スルホラン等のスルホン類が挙げられる。なお、これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記溶媒の使用量は、反応液の均一性や攪拌性により適宜調節するが、4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸アルカリ金属塩1gに対して、好ましくは0.1〜100ml、更に好
ましくは0.1〜50ml、特に好ましくは0.1〜10mlである。
ましくは0.1〜50ml、特に好ましくは0.1〜10mlである。
本発明の反応は、例えば、4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸アルカリ金属塩及びアミド類、尿素類、スルホキシド類及びスルホン類からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒を混合して、攪拌しながら反応させる等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは50〜160℃、更に好ましくは70〜150℃であり、反応圧力は特に制限されない。
なお、最終生成物である4-シアノテトラヒドロピランは、例えば、反応終了後、濾過、濃縮、蒸留、カラムクロマトグラフィー等の一般的な方法によって単離・精製される。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお、4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸ナトリウム塩の収率は、ジメチル硫酸を用いて4-シアノテトラヒドロピランカルボン酸メチルに誘導した後に、ガスクロマトグラフィーによる分析(内部標準法)により求めた。
参考例1(4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸ナトリウム塩の合成)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積100mlのガラス製フラスコに、4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸3.11g(20mmol)、ナトリウムメトキシド1.08g(20mmol)及びメタノール50mlを加え、攪拌しながら室温にて1時間反応させた。反応終了後、反応液を濃縮し、白色固体として、純度91.0%の4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸ナトリウム塩3.89gを得た。
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積100mlのガラス製フラスコに、4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸3.11g(20mmol)、ナトリウムメトキシド1.08g(20mmol)及びメタノール50mlを加え、攪拌しながら室温にて1時間反応させた。反応終了後、反応液を濃縮し、白色固体として、純度91.0%の4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸ナトリウム塩3.89gを得た。
4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸ナトリウム塩は、以下の物性値で示される新規な化合物である。
1H-NMR(DMSO-d6,δ(ppm));1.70〜1.95(4H,m)、3.41〜3.81(4H,m)
実施例1(4-シアノテトラヒドロピランの合成)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積30mlのガラス製フラスコに、純度91.0%の4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸ナトリウム塩194.6mg(1.0mmol)及びN,N-ジメチルホルムアミド2mlを加え、攪拌しながら130℃にて6時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4-シアノテトラヒドロピランが81.0mg生成していた(反応収率;72.9%)。
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積30mlのガラス製フラスコに、純度91.0%の4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸ナトリウム塩194.6mg(1.0mmol)及びN,N-ジメチルホルムアミド2mlを加え、攪拌しながら130℃にて6時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4-シアノテトラヒドロピランが81.0mg生成していた(反応収率;72.9%)。
実施例2(4-シアノテトラヒドロピランの合成)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積30mlのガラス製フラスコに、純度91.0%の4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸ナトリウム塩194.6mg(1.0mmol)及びN,N-ジメチルアセトアミド2mlを加え、攪拌しながら130℃にて6時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4-シアノテトラヒドロピランが94.7mg生成していた(反応収率;85.2%)。
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積30mlのガラス製フラスコに、純度91.0%の4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸ナトリウム塩194.6mg(1.0mmol)及びN,N-ジメチルアセトアミド2mlを加え、攪拌しながら130℃にて6時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4-シアノテトラヒドロピランが94.7mg生成していた(反応収率;85.2%)。
実施例3(4-シアノテトラヒドロピランの合成)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積30mlのガラス製フラスコに、純度91.0%の4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸ナトリウム塩194.6mg(1.0mmol)及び1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン2mlを加え、攪拌しながら130℃にて6時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4-シアノテトラヒドロピランが84.6mg生成していた(反応収率;76.1%)。
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積30mlのガラス製フラスコに、純度91.0%の4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸ナトリウム塩194.6mg(1.0mmol)及び1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン2mlを加え、攪拌しながら130℃にて6時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4-シアノテトラヒドロピランが84.6mg生成していた(反応収率;76.1%)。
実施例4(4-シアノテトラヒドロピランの合成)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積30mlのガラス製フラスコに、純度91.0%の4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸ナトリウム塩389.3mg(2.0mmol)、酢酸120mg(2mmol)及びN,N-ジメチルホルムアミド4mlを加え、攪拌しながら130℃にて6時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4-シアノテトラヒドロピランが214.1mg生成していた(反応収率;96.3%)。
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積30mlのガラス製フラスコに、純度91.0%の4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸ナトリウム塩389.3mg(2.0mmol)、酢酸120mg(2mmol)及びN,N-ジメチルホルムアミド4mlを加え、攪拌しながら130℃にて6時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4-シアノテトラヒドロピランが214.1mg生成していた(反応収率;96.3%)。
実施例5(4-シアノテトラヒドロピランの合成)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積30mlのガラス製フラスコに、純度91.0%の4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸ナトリウム塩194.6mg(1.0mmol)、酢酸60mg(1mmol)及びN,N-ジメチルアセトアミド2mlを加え、攪拌しながら130℃にて6時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4-シアノテトラヒドロピランが107.7mg生成していた(反応収率;96.9%)。
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積30mlのガラス製フラスコに、純度91.0%の4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸ナトリウム塩194.6mg(1.0mmol)、酢酸60mg(1mmol)及びN,N-ジメチルアセトアミド2mlを加え、攪拌しながら130℃にて6時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4-シアノテトラヒドロピランが107.7mg生成していた(反応収率;96.9%)。
実施例6(4-シアノテトラヒドロピランの合成)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積30mlのガラス製フラスコに、純度91.0%の4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸ナトリウム塩194.6mg(1.0mmol)、酢酸60mg(1mmol)及びジメチルスルホキシド2mlを加え、攪拌しながら130℃にて6時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4-シアノテトラヒドロピランが91.4mg生成していた(反応収率;82.2%)。
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積30mlのガラス製フラスコに、純度91.0%の4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸ナトリウム塩194.6mg(1.0mmol)、酢酸60mg(1mmol)及びジメチルスルホキシド2mlを加え、攪拌しながら130℃にて6時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、4-シアノテトラヒドロピランが91.4mg生成していた(反応収率;82.2%)。
本発明により、4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸アルカリ金属塩から、4-シアノテトラヒドロピランを製造する方法に関する。4-シアノテトラヒドロピランは、例えば、例えば、医薬・農薬等の原料や合成中間体として有用な化合物である。
Claims (4)
- 反応を50〜160℃で行う請求項1記載の4-シアノテトラヒドロピランの製造方法。
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