JP2012176446A - 研磨用工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】研磨対象物の表面を高精度に平坦化する。
【解決手段】研磨面が、回転中心位置を含み、L(x)=0を満たす第1領域と、第1領域と前記研磨面の外周線との間で、かつ第1領域と接する、0.6≦L(x)/R(x)0.6≦1を満たす第2領域と、第2領域と前記外周線との間で、かつ第2領域と接する、0.4≦L(x)/R(x)<0.6を満たす第3領域と、第3領域と外周線との間で、かつ外周線と接する、0.8≦L(x)/R(x)≦1を満たす第4領域とを備える研磨用工具を提供する。
【選択図】図4
【解決手段】研磨面が、回転中心位置を含み、L(x)=0を満たす第1領域と、第1領域と前記研磨面の外周線との間で、かつ第1領域と接する、0.6≦L(x)/R(x)0.6≦1を満たす第2領域と、第2領域と前記外周線との間で、かつ第2領域と接する、0.4≦L(x)/R(x)<0.6を満たす第3領域と、第3領域と外周線との間で、かつ外周線と接する、0.8≦L(x)/R(x)≦1を満たす第4領域とを備える研磨用工具を提供する。
【選択図】図4
Description
本発明は、研磨用工具に関する。
金属製品やセラミック製品等の製造過程では、表面の平坦化および鏡面化のために研磨加工が行われる。このような研磨加工では、例えば、特許文献1に示されているように、砥石等の研磨用工具と研磨対象物との間に研磨用の砥粒と液体とを有するスラリーを供給し、砥石を回転させて、研磨対象物の表面(以下、「被研磨面」ともいう。)を研磨する。特許文献1では、研磨対象物における研磨後の表面をより高精度に平坦化するため、研磨後の表面に凹溝を形成するとともに、この凹溝の少なくとも一部を研磨用工具の中心軸に対して深さ方向に傾斜させた構成が提案されている。
通常一般的に行われる研磨では、図10(a)に示すように、研磨対象物110の研磨する対象範囲(図10(a)のS1)を全て含む広い領域S2にわたって、研磨用工具120の研磨面122を摺接移動させて行われる。上記特許文献1も、このように、研磨対象物110の研磨する対象範囲S1を全て含む広い領域S2全体にわたって、研磨用工具120を摺接移動されて行われている。図11は、特許文献1に示されている研磨用工具の一例である研磨用工具120の研磨面122について示す平面図である。研磨用工具120では、研磨面122に格子状に配置された複数の溝123を備えている。
特許文献1に記載された研磨用工具は、図10(a)に示すような場合には、比較的平坦度の高い研磨面を得ることができる。しかし、研磨工程は、図10(b)に示すように、研磨対象物の一面に凹部130を形成するように行われる場合もある。このような研磨工程では、研磨対象範囲S1が凹部130の底面132となる。この場合、研磨対象範囲S2より広い範囲で研磨用工具120を移動させて摺接させることができない。この場合、研磨用工具の移動範囲が凹部130の側面134によって制限されて、研磨用工具120の移動範囲S2は研磨対象範囲S1と一致して狭く、凹部130の底面132と、研磨用工具120の研磨面122との当接状態に分布が生じ易い。図10(c)は、図10(b)に示すような、特許文献1に記載された格子状の溝を研磨面に備える研磨用工具を用いて研磨した場合の、研磨対象範囲S2の実際の断面形状である。このように、従来の研磨用工具120を用いて研磨を行っても、図10(b)に示す場合では、図(c)に示すように研磨対象範囲S1(凹部120の底面122の平坦度は比較的低くなってしまうという課題があった。本願は、かかる課題を解決することを目的になされたものである。
上記課題を解決するために、本願は、研磨面を備え、前記研磨面の中央に位置する回転中心位置を通る回転軸の周りに前記研磨面が回転する研磨用工具であって、前記研磨面は、研磨する対象体に当接する当接部と、前記回転中心位置を含み、前記対象体と当接しない凹部とを備え、前記研磨面における任意位置から前記回転中心位置までの距離をx(m)とし、前記回転中心位置を中心とした、前記任意位置を通る仮想円の円周長をR(x)(m)とし、前記仮想円の円周のうち前記当接部を通る部分の、前記仮想円の合計円周長
をL(x)(m)としたとき、前記研磨面は、前記回転中心位置を含み、L(x)=0を満たす第1領域と、前記第1領域と前記研磨面の外周線との間で、かつ前記第1領域と接する、0.6≦L(x)/R(x)0.6≦1を満たす第2領域と、前記第2領域と前記外周線との間で、かつ前記第2領域と接する、0.4≦L(x)/R(x)<0.6を満たす第3領域と、前記第3領域と前記外周線との間で、かつ前記外周線と接する、0.8≦L(x)/R(x)≦1を満たす第4領域とを備えることを特徴とする研磨用工具を提供する。
をL(x)(m)としたとき、前記研磨面は、前記回転中心位置を含み、L(x)=0を満たす第1領域と、前記第1領域と前記研磨面の外周線との間で、かつ前記第1領域と接する、0.6≦L(x)/R(x)0.6≦1を満たす第2領域と、前記第2領域と前記外周線との間で、かつ前記第2領域と接する、0.4≦L(x)/R(x)<0.6を満たす第3領域と、前記第3領域と前記外周線との間で、かつ前記外周線と接する、0.8≦L(x)/R(x)≦1を満たす第4領域とを備えることを特徴とする研磨用工具を提供する。
本発明の一態様による研磨用工具によれば、研磨対象物の表面を高精度に平坦化することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の一実施形態に係る研磨用工具について説明する。図1は、本発明の研磨用工具1について説明する図であり、(a)は研磨用工具1の概略斜視図、(b)は研磨用工具1を用いて研磨工程を行っている状態を示す概略斜視図、(c)は(b)に対応する概略断面図である。
本実施形態の研磨用工具1は、対象体Tの表面を研磨する本体2を有する。本体2は、研磨する対象体Tの被研磨面に対向する円形状の研磨面4を有する。本体2は、回転軸3によって回転駆動力が伝えられ、回転軸3とともに回転する。本実施形態では、研磨用工具1は、研磨面4の中央に位置する回転中心位置Oを通る回転軸Cの周りに研磨面4が回
転するとともに、研磨面4を含む仮想面Iに沿って移動して、対象体Tを研磨する。図1(b),(c)では、対象体Tの表面に底面12を備えるホール部20を形成する状態について示している。
転するとともに、研磨面4を含む仮想面Iに沿って移動して、対象体Tを研磨する。図1(b),(c)では、対象体Tの表面に底面12を備えるホール部20を形成する状態について示している。
図2は、研磨用工具1を研磨装置50に装着して行う研磨工程について説明する概略断面図である。研磨装置50は、研磨用工具1と対象体Tを支持する支持台6と、対象体Tの被研磨面上に研磨用流体を供給する供給部Spと、回転軸3に回転駆動力を伝える駆動力伝達部Rtとを有する。
上述の研磨用工具1を用いた研磨方法は、対象体Tの被研磨面上に本体2を設置する工程と、対象物Tの被研磨面上に研磨用流体Fを供給する工程と、研磨用流体Fを供給しながら本体2を回転させて研磨を行う工程とを有している。研磨用流体Fには、砥粒が分散している。研磨用治具1の研磨面4と、対象体Tの被研磨面は、研磨用流体Fを介して摺動し、被研磨面が研磨される。本体2は、回転軸3とともに回転すると共に、研磨面4の中央に位置する回転中心が例えば、図3(a)または図3(b)に示すように、被研磨面上を軌跡32として移動する。図3(a)では、研磨用工具1の本体2の回転中心は、始点22aから螺旋状の軌跡32を描きながら終点32bへ移動する。図3(b)では、本体2の回転中心は、始点32aから終点32bまで屈曲しながら移動する。
図4は、研磨用工具1についてより詳細に示す図である。図4(a)は研磨用工具1の研磨面4を示す図であり、図4(b)は研磨用工具1の研磨面4近傍を拡大して示す断面図である。
研磨用工具1は、研磨面4に、対象体Tに当接する当接部30と、当接しない凹部34とを備えている。研磨用工具1では、回転中心位置を含む中央位置に配置された1つの凹部34に加え、それぞれ略同一形状の凹部34が、研磨面4の外周方向に沿って、等間隔で離間して4つ配置されている。研磨用工具1では、凹部34は複数に分離されているが、後述する下記条件を満たす範囲において、凹部34の個数、配置、形状等は、特に限定されない。研磨用工具1では、研磨面4における任意位置の回転中心位置Oからの距離をx(m)とし、回転中心位置Oを中心とした、任意位置を通る仮想円の円周長をR(x)(m)とし、仮想円Dの円周のうち当接部30を通る部分Pは、P1〜P4の4つ存在することになる。仮想円の全周にわたる合計の長さをL(x)(m)としたとき、本実施形態では、この合計長さL(x)(m)は、P1〜P4それぞれの周方向に沿った長さの合計となる。
研磨用工具1では、研磨面4が、回転中心位置Oを含み、L(x)=0を満たす第1領域A1と、第1領域A1よりも研磨面4の外周線Eに近い側に配置されて第1領域A1と接する、0.6≦L(x)/R(x)を満たす第2領域A2と、第2領域A2よりも外周線Eに近い側に配置されて第2領域A2と接する、0.4≦L(x)/R(x)<0.6を満たす第3領域A3と、第3領域A3よりも外周線Eに近い側に配置されて外周線Eと接する、0.8≦L(x)/R(x)≦1を満たす第4領域A4とを備えている。かかる特徴を備える研磨用工具1は、研磨した後のホール部20の底面12を、比較的高い平坦度とすることができる。なお、図4では、回転中心位置Oを中心とした研磨面4の内接円の半径をrとしたとき、距離x=0.5rを満たす仮想円E1を例として図示している。
図4に示す例では、より詳しくは、第2領域A2および第4領域A4において、(L(x)/R(x))=1とされている。当接部が存在しない第1領域A1に接するように第2領域A2を設けることで、第2領域A2と第1領域A1との境界部分に、第2領域A2の当接部のエッジ部36が配置される。このエッジ部36は、研磨する対象であるホール部20の底面22の研磨速度を比較的高くするとともに、ホール部20の底面22に、ス
ラリーが部分的に滞留することを抑制し、底面22の研磨状態の分布を抑制する。このようにスラリーの滞留抑制効果を高くする点で、第2領域A2は、0.9≦L(x)/R(x)を満たすことが好ましい。なお、第4領域A4についても同様の効果を有し、第4領域A4の当接部のエッジ部38を備えることで、第4領域A4に対応する部分でのスラリーの滞留を抑制し、底面22の平坦性を高くすることができる。
ラリーが部分的に滞留することを抑制し、底面22の研磨状態の分布を抑制する。このようにスラリーの滞留抑制効果を高くする点で、第2領域A2は、0.9≦L(x)/R(x)を満たすことが好ましい。なお、第4領域A4についても同様の効果を有し、第4領域A4の当接部のエッジ部38を備えることで、第4領域A4に対応する部分でのスラリーの滞留を抑制し、底面22の平坦性を高くすることができる。
また、本実施形態の研磨用工具1では、第3領域A3と第4領域A4との間に配置された、L(x)/R(x)の値がxの増加に伴って増加する第5領域A5をさらに備えている。第5領域A5では、L(x)/R(x)の値がxの増加に伴って増加しているので、0.4≦L(x)/R(x)<0.6を満たす第3領域A3に溜まったスラリーは、第4領域A4の側へと比較的移動し易くなっている。研磨用工具1では、余分なスラリーに起因した研磨ムラが抑制されている。
本実施形態の研磨用工具1では、研磨面の任意位置における上記仮想円において、上記仮想円と研磨面との交線が複数の部分円弧に分割されており、部分円弧それぞれがいずれも略同一の長さとされている。これにより、研磨面にかかる圧力の分布を、回転方向に沿って高精度に均一化することができ、研磨後の研磨面の平坦性をより高くすることができる。また、研磨用工具1では、各部分円弧同士の離間距離が、上記仮想円の全周にわたって略同一とされている。これによっても、研磨面にかかる圧力の分布が、回転方向に沿って高精度に均一化することが可能となっている。
また、本実施形態の研磨用工具1では、第3領域A3の全体で、L(x)/R(x)の値が0.5と一定の値になっている。加えて、上述の各部分円弧それぞれがいずれも略同一の長さとされているとともに、各部分円弧同士の離間距離が、上記仮想円の全周にわたって略同一とされているので、第3領域における当接部30は凹部34との境界部分に、研磨面4の半径方向に沿った半径方向エッジ部35を備えている。この半径方向エッジ部35を被研磨面との当接部分では、被研磨面に対してした比較的高い圧力がかかり、この半径方向エッジ部35に垂直な方向に沿って半径方向エッジ部35が摺動することで、被研磨面が比較的高い研磨速度で研磨されるとともに、被研磨面の平坦度が比較的高くされている。すなわち、図4に示すとおり、研磨用工具1では、第3領域A3に、仮想円の円周に沿って分散した複数の凹部34を備え、凹部34の形状および配置が、回転中心位置に関して回転対称の関係にある。このため、回転中心軸周りに研磨面を回転させて行う研磨において、被研磨面に対する応力の分布等が円周方向に均等化され、安定した研磨状態を維持することができる。
なお、本実施形態の研磨用工具1では、回転中心位置を中心とした研磨面の内接円の半径をrとしたとき、第1領域A1において、距離xが0<x≦0.2rを満たし、第2領域A2においては、前記距離xが0.2r<x≦0.3rを満たし、第3領域A3においては、距離xが0.85r<x≦1.0rを満たしている。距離xの範囲をこのような範囲に設定することで、研磨面の表面が高精度に平坦化されることを、シミュレーションによって本願発明者が確認している。
図5(a)は、図4に示す研磨用工具1を用いて研磨を行った後の、対象体Tの被研磨面近傍の断面形状について、計算によって求めた値を示している。また、図5(b)は、図4に示す研磨用工具1を用いて研磨を行った際の、対象体Tの研磨面近傍の断面形状の実測値を示している。図5(a)に示す縦軸の数値は、数値シミュレーションにおいて用いた数値であり、図5(a)に示す縦軸の縮尺と、図5(b)に示す座標軸における縦軸の縮尺とは、ほぼ一致させて示している。
図5(b)に示す断面形状は、以下の研磨条件で研磨した際の断面形状である。研磨用
工具1の本体2としては、密度が約0.78g/cm3、ISO7619にて規定されているショア硬度Aが約93度のウレタン製の本体2を用い、本体2の研磨面4の直径は約40mmであった。また、研磨用流体Fに混ぜる砥粒として平均粒径が約3μmのアルミナを用いた。本体2の研磨面4の回転数を約213rpmで回転させながら、約2kg重の荷重をかけた状態で、研磨用工具1を直線状に往復運動させた。この直線運動における研磨用工具1の移動速度は500mm/minとし、加工時間、すなわち移動させている時間を計28分間とした。
工具1の本体2としては、密度が約0.78g/cm3、ISO7619にて規定されているショア硬度Aが約93度のウレタン製の本体2を用い、本体2の研磨面4の直径は約40mmであった。また、研磨用流体Fに混ぜる砥粒として平均粒径が約3μmのアルミナを用いた。本体2の研磨面4の回転数を約213rpmで回転させながら、約2kg重の荷重をかけた状態で、研磨用工具1を直線状に往復運動させた。この直線運動における研磨用工具1の移動速度は500mm/minとし、加工時間、すなわち移動させている時間を計28分間とした。
なお、図5(a)に示す断面形状の計算値は、いわゆるプレストンの式を用いて計算している。図6(a)および(b)は、図5(a)に示す計算値の算出について説明する図である。図6(a)は、研磨用工具1の研磨面4における、上記L(x)/R(x)の値の分布を示している。図6(b)は、研磨用工具1の回転軸Cを移動させることなく、回転軸C周りに研磨用工具1を回転させたのみの状態における、被研磨面Tsの研磨量の計算方法について説明するための図である。図6(b)に示すように、研磨面4における回転中心Oに対応する被研磨面Tsを原点とし、被研磨面Tsの座標位置(x,y)における研磨量G(x,y)は、下記式(1)で表されたプレストンの式によって求めることができる。
ここで、A:比例定数、F:単位面積当りの加圧力、S:回転速度、である。Aの比例定数は、研磨用工具1の本体2の材質や、被研磨面の材質等によって決まる定数である。回転軸C周りに回転しながら、回転軸CをY軸方向に沿って移動させて往復直線運動させた際の研磨量G(x)を求めるには、このプレストンの式について、下記式(2)に、Y軸方向に沿った移動量に対応する分だけY方向に積分することで求めることができる。
ここで、G(x):回転軸C周りに回転しながら、回転軸CをY軸方向に沿って移動させて往復直線運動させた場合の研磨量である。
図5(a)と図5(b)とを比較してわかるように、プレストンの式に基いた研磨形状の計算値は、実際の研磨後の形状データによく対応しており、従来の研磨用工具を用いた場合の研磨後形状(図10参照)と比較して、ホール部22の底面の形状が平坦となっている。研磨用工具1を用いることで、研磨面の形状を高精度に平坦化することができる。
本願記載の研磨用工具は、上記計算による本願発明者の試行錯誤によって、研磨後の形状を平坦化できる条件を本願発明者が全く新たに見出すことでなされたものである。
図7(a)〜(d)は、上記実施形態の研磨用工具とは異なる形状の研磨用工具について、研磨後の被研磨面の形状を計算によって求めた結果である。なお、図7〜図9に示す各グラフにおける縦軸の数値は、計算に用いたパラメータの値であり、各図における縦軸の縮尺は、図3(b)に示す実測値の縮尺に対応している。図7(a)〜(d)に示す計算結果では、研磨用工具の形状のうち、上記第3領域A3におけるL(x)/R(x)の値が異なっている。図7(a)では第3領域A3におけるL(x)/R(x)の値は0.3であり、図7(b)では第3領域A3におけるL(x)/R(x)の値は0.4であり
、図7(c)では第3領域A4におけるL(x)/R(x)の値は0.6であり、図7(d)では第3領域A3におけるL(x)/R(x)の値は0.7である。図7に示すように、第3領域A3におけるL(x)/R(x)の値は、研磨後の形状に影響を与える。この第3領域A3におけるL(x)/R(x)の値が、0.4以上0.6以下の範囲では、研磨面の平坦度が充分に高い。
、図7(c)では第3領域A4におけるL(x)/R(x)の値は0.6であり、図7(d)では第3領域A3におけるL(x)/R(x)の値は0.7である。図7に示すように、第3領域A3におけるL(x)/R(x)の値は、研磨後の形状に影響を与える。この第3領域A3におけるL(x)/R(x)の値が、0.4以上0.6以下の範囲では、研磨面の平坦度が充分に高い。
また、図8(a)〜(d)は、上記実施形態の研磨用工具とは異なる形状の研磨用工具について、研磨後の被研磨面の形状を計算によって求めた結果である。まず、図8(a)〜(d)に示す計算結果では、上記第5領域A5を有していない点で、上記実施形態の研磨用工具1とは異なっている。図8(a)〜(d)では、第5領域A5に対応する範囲では、L(x)/R(x)の値が、第4領域A4と同じ値となっている。図8(d)に示す計算結果は、この第5領域A5を有しないという点のみで、上記研磨用工具1の形状とは異なっておいる。また、図8(a)〜(c)に示す計算結果では、研磨用工具の形状のうち、上記第4領域A4におけるL(x)/R(x)の値についても、研磨用工具1とは異なっている。図8(a)では第4領域A4におけるL(x)/R(x)の値は0.7であり、図8(b)では第4領域A4におけるL(x)/R(x)の値は0.8であり、図8(c)では第4領域A4におけるL(x)/R(x)の値は0.9である。
図8に示すように、第4領域A4におけるL(x)/R(x)の値は、計算上は、研磨後の形状に大きな影響を与えていない。しかしながら、第4領域におけるL(x)/R(x)の値が1.0に近い部分では、余分なスラリーが被研磨面と研磨面との間隙に浸入し難く、研磨後の被研磨面の平坦性を高いことを本願発明者は確認している。第4領域においては、L(x)/R(x)の値が0.9以上であることが好ましい。また、特に図8(d)と図5(a)とを比較すると明らかなように、第3領域A3と第4領域A4との間に、L(x)/R(x)の値がxの増加に伴って増加する第5領域A5をさらに備えることが、被研磨面の平坦度を高くする上で好ましい。
また、図9(a)〜(c)は、上記実施形態の研磨用工具とは異なる形状の研磨用工具について、研磨後の被研磨面の形状を計算によって求めた結果である。図9(a)〜(c)に示す計算結果では、研磨用工具の形状のうち、上記第2領域A2におけるL(x)/R(x)の値が異なっている。図9(a)では第2領域A2におけるL(x)/R(x)の値は0.7であり、図9(b)では第2領域A2におけるL(x)/R(x)の値は0.8であり、図9(c)では第2領域A2におけるL(x)/R(x)の値は0.9である。図9に示すように、計算上では、第2領域A2におけるL(x)/R(x)の値は、研磨後の形状に大きく影響を与えない。しかしながら、この第2領域A2は、上述したスラリー排除の効果を有しており、この第2領域A2におけるL(x)/R(x)の値が0.9以上の場合、実際の研磨におけるスラリー滞留抑制の効果が大きく、平坦度を高められることを、本願発明者が確認している。
第2領域A2におけるL(x)/R(x)の値が0.9以上である研磨用工具を用いることで、研磨を行う際に、研磨用工具1の研磨面4と対象体Tの被研磨面Tsとの間に研磨用流体Fが滞留することを抑制することができる。よって、研磨用流体F中の砥粒Gが沈降して被研磨面に不均一に堆積するといったことを抑制することができる。従って、砥粒Gが枯渇せず、砥粒Gが滞留することも抑制され、砥粒Gが被研磨面Ts上により均一に広がるために、被研磨面Ts全体をより高い精度で平坦化することができる。
本実施形態では、研磨対象面に研磨用工具を部分的に摺接させて対象体を研磨する、いわゆるポットホールを例に説明しているが、本発明の研磨用工具を用いた研磨は、いわゆるポットホール研磨のみに限定されない。また、上記実施形態ではウレタンを用いたが、研磨用工具1の本体の材質についても特に限定はされず、研磨用工具の形状や大きさ、対
象体の材質等も特に限定はされない。本発明は上記実施例に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
象体の材質等も特に限定はされない。本発明は上記実施例に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
1、120 研磨用工具
2 本体
3 回転軸
4 研磨面
12 底面
20 ホール部
30 当接部
32 軌跡
32a 始点
32b 終点
34 凹部
35、36 エッジ部
110 研磨対象物
122 研磨面
130 凹部
132 底面
2 本体
3 回転軸
4 研磨面
12 底面
20 ホール部
30 当接部
32 軌跡
32a 始点
32b 終点
34 凹部
35、36 エッジ部
110 研磨対象物
122 研磨面
130 凹部
132 底面
Claims (7)
- 研磨面を備え、前記研磨面の中央に位置する回転中心位置を通る回転軸の周りに前記研磨面が回転する研磨用工具であって、
前記研磨面は、研磨する対象体に当接する当接部と、前記回転中心位置を含み、前記対象体と当接しない凹部とを備え、
前記研磨面における任意位置から前記回転中心位置までの距離をx(m)とし、
前記回転中心位置を中心とした、前記任意位置を通る仮想円の円周長をR(x)(m)とし、
前記仮想円の円周のうち前記当接部を通る部分の、前記仮想円の合計円周長をL(x)(m)としたとき、
前記研磨面は、
前記回転中心位置を含み、L(x)=0を満たす第1領域と、
前記第1領域と前記研磨面の外周線との間で、かつ前記第1領域と接する、0.6≦L(x)/R(x)0.6≦1を満たす第2領域と、
前記第2領域と前記外周線との間で、かつ前記第2領域と接する、0.4≦L(x)/R(x)<0.6を満たす第3領域と、
前記第3領域と前記外周線との間で、かつ前記外周線と接する、0.8≦L(x)/R(x)≦1を満たす第4領域とを備えることを特徴とする研磨用工具。 - 前記第3領域と前記第4領域との間で、かつL(x)/R(x)の値がxの増加に伴って増加する第5領域をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の研磨用工具。
- 前記第2領域が、0.9≦L(x)/R(x)≦1を満たすことを特徴とする請求項1または2記載の研磨用工具。
- 前記第3領域に、前記仮想円の円周に沿って分散した複数の凹部を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の研磨用工具。
- 前記第2領域がL(x)/R(x)≦1を満たし、前記第1領域の前記凹部と、前記第3領域の前記凹部とが、前記第2領域を介して分離されていることを特徴とする請求項4記載の研磨用工具。
- 前記凹部の形状および配置が、前記回転中心位置に関して回転対称の関係にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の研磨用工具。
- 前記回転中心位置を中心とした前記研磨面の半径をrとしたとき、
前記第1領域における前記距離xは0<x≦0.2rであり、
前記第2領域における前記距離xは0.2r<x≦0.3rであり、
前記第3領域における前記距離xは0.85r<x≦rであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の研磨用工具。
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