以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
[情報処理装置/入力装置の構成]
図1は本発明の一実施形態に係る情報処理装置を構成する入力装置の構成を示す平面図である。
なお、図1においてX軸方向(第1の方向)は横方向、Y軸方向(第2の方向)はX軸方向に直交する縦方向、そして、Z軸方向は、X軸方向及びY軸方向に直交する、高さ方向をそれぞれ示している。
入力装置10は、パーソナルコンピュータ等に一般的に使用されるキーボード部として構成される。入力装置10は、筐体100と、筐体100の表面に設けられた複数の入力キー111を含むキー配列体11とを有する。キーボード部としての入力装置10は、は、入力キーに対応するコード情報を出力可能である。
入力キー111は、押下げ式の操作ボタンで構成され、ユーザの指Fにより入力操作される。本実施形態のキー配列体11は、横方向(X軸方向、第1の方向)に平行な入力キー111の列が、縦方向(Y軸方向、第2の方向)に複数配列されており、一の列に属する入力キー111が他の列に属する入力キー111に対して横方向へシフトして配置されたキー配列を有している。入力キー111のシフト量は、横方向への入力キー111の配列ピッチよりも小さい。このようなキー配列としては、例えば、いわゆる「QWERTY配列」、「AZERTY配列」等が適用される。
本実施形態の入力装置10は、キー配列体11に近接する指Fの位置を静電的に検出するセンサシート群20をさらに有する。
[センサシート]
図2は、センサシート群20が取り付けられた入力装置10の概略断面図である。
センサシート群20は、入力キー111を支持し入力キー111との接点を有する回路基板120の上に配置される。回路基板120は、制御ユニット(後で説明する制御ユニット30)へ電気的に接続されており、入力操作された入力キー111の入力信号を上記制御ユニットへ出力する。
センサシート群20は、キー配列体11への指Fの近接及びその位置を検出するためのもので、第1のセンサシート21と第2のセンサシート22との組み合わせ体で構成される。第1及び第2のセンサシート21、22はそれぞれ、検出対象(本実施形態ではユーザの指F)の近接により静電容量が変化する複数の配線電極を有する。本実施形態では、第1のセンサシート21は、X軸方向に沿った検出対象の近接位置を検出し、第2のセンサシート22は、Y軸方向に沿った検出対象の近接位置を検出する。以下、第1及び第2のセンサシート21、22の構成について説明する。
図3は、第1のセンサシート21の構成を示す平面図である。
第1のセンサシート21は、電気絶縁性の第1のシート基材201と、第1のシート基材201に支持された複数の第1の配線電極21xとを有する。
第1のシート基材201は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)等の樹脂材料で形成されている。第1のシート基材201は、本体部201Aと、連結部201Bとを有する。本体部201Aは、入力キー111のキー配列に対応する複数の孔211を有し、各孔211は入力キー111に個々に装着可能に形成されている。第1の配線電極21xは、これらの孔の間を縫うように引き回されている。連結部201Bには、第1の配線電極21x各々を図示しない2軸方向情報検出部へ接続するための複数の接続配線210が形成されている。第1のシート基材201が入力装置10の筐体100内部に組み付けられる際、本体部201Aはキー配列体11に配置され、連結部201Bは、図3に二点鎖線で示すようにX軸方向に関して折り返される。
配線電極21x及び接続配線210は、例えば銅、アルミニウム、銀等の金属材料で形成される。配線電極21x及び接続配線210は、シート基材201上に形成された導体箔をパターンエッチングすることで形成されてもよいし、シート基材201上に金属配線層をめっき法によって成長させることで形成されてもよい。
図4は、第1のセンサシート21の要部平面図である。
第1の配線電極21xは、X軸方向に隣接する、各列(図3においてL1、L2、L3、L4及びL5で示される列)の孔211の間に位置する電極部21xaと、各列の電極部21xaを個々に接続する配線部21xbとを有する。すなわち、配線部21xbは、各列L1〜L5に位置する電極部21xaを、各段を跨ぐように個々に接続する。第1の配線電極21xはそれぞれ、電極部21xaと配線部21xbとが交互に並ぶように形成され、横方向(X軸方向)に孔211の幅の大きさに相当する間隔をおいて配列されている。
シート基材201の孔211は、入力キー111のキー配列に対応して形成されているため、複数の孔211の間を縫うように第1の配線電極21xを縦方向に直線的に形成することはできない。そのため、第1の配線電極21xは、各段の孔211の列を通過するごとに横方向へシフトしながら、シート基材201上を引き回されることになる。本実施形態では、第1の配線電極21xの各々は、図3及び図4に示すように、両端のY軸方向の各々の位置がずれるように入力キーの間を階段状に引き回される。より具体的に、第1の配線電極21xは、ほぼ全体的に、最上段の孔の列L1と最下段の孔の列L5との間において図中右下方向に向かって引き回される。
電極部21xaと配線部21xbとは同一幅で形成することも可能であるが、本実施形態では、配線部21xbの幅が電極部21xaの幅よりも小さく形成されている。これにより、検出対象の近接時において、電極部21xaの容量変化が配線部21xbの容量変化よりも大きくなり、横方向における検出精度を高めることができる。
図5は、シート基材201の連結部201Bの端部を示す拡大平面図である。
連結部201B上には、第1の配線電極21x各々を図示しない2軸方向情報検出部へ接続するための接続配線210が形成されている。連結部201Bの端部には、上記2軸方向情報検出部へ接続される複数の端子部Cxが配列されており、各接続配線210と電気的に接続されている。
本実施形態では、連結部201B上における接続配線210各々の配列間隔が端子部Cxの配列間隔よりも大きくなるように形成され、連結部201Bの端部において、各接続配線210が端子部Cxの配列間隔となるように集約される。これにより、接続配線210間のクロストークが抑制される。
図6は、第2のセンサシート22の構成を示す平面図である。
第2のセンサシート22は、電気絶縁性の第2のシート基材202と、第2のシート基材202の上に形成された複数の第2の配線電極22yとを有する。
第2のシート基材202は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)等の樹脂材料で形成されている。第2のシート基材202は、本体部202Aと、連結部202Bとを有する。本体部202Aは、入力キー111のキー配列に対応する複数の孔221を有し、各孔221は入力キー111に個々に装着可能に形成されている。第2の配線電極22yは、これらの孔の間を縫うように引き回されている。連結部202Bには、第2の配線電極22y各々を図示しない2軸方向情報検出部へ接続するための複数の接続配線220と、これら接続配線を上記2軸方向情報検出部へ接続する端子部Cyとが形成されている。第2のシート基材202が入力装置10の筐体100内部に組み付けられる際、本体部202Aはキー配列体11に配置され、連結部202Bは、図6に二点鎖線で示すようにY軸方向に関して折り返される。
配線電極22y及び接続配線220は、例えば銅、アルミニウム、銀等の金属材料で形成される。配線電極22y及び接続配線220は、シート基材202上に形成された導体箔をパターンエッチングすることで形成されてもよいし、シート基材202上に金属配線層をめっき法によって成長させることで形成されてもよい。
第2の配線電極22yは、Y軸方向に隣接する、各列L1〜L5の孔221の間に位置する電極部22yaと、同一の列に属する電極部22yaを個々に接続する配線部22ybとを有する。すなわち、第2の配線電極22yは、各列L1〜L5ごとに、電極部22yaと配線部22ybとが交互に並ぶように形成される。また、第2の配線電極22yは、横方向(X軸方向)にほぼ平行に引き回され、縦方向(Y軸方向)に孔211の高さに相当する間隔をおいて配列されている。
配線部22ybの幅が電極部22yaの幅よりも小さく形成されている。これにより、検出対象の近接時において、電極部22yaの容量変化が配線部22ybの容量変化よりも大きくなり、縦方向における検出精度を高めることができる。
ユーザにとって最も手前側に位置する第2の配線電極22yとして、親指センサ電極22Yが設けられる。この親指センサ電極22Yについては後で説明する。
以上のように構成される第1のセンサシート21及び第2のセンサシート22は、図2に示すように、入力装置10の筐体の内部に取り付けられる。この際、各第1及び第2のセンサシート21、22はそれぞれ、キー配列体11の上から回路基板120に配置される。
本実施形態においては、各第1及び第2のセンサシート21、22は、入力キー111のキー配列に対応するように形成され、入力キー111に個々に装着される複数の孔211、221を有している。このため、第1及び第2のシート基材201、202が回路基板120に取り付けられたとき、第1の配線電極21x及び第2の配線電極22yは、入力キー111の周囲の所定位置へ精度よく位置決めされる。なお、各第1及び第2のセンサシート21、22の連結部201B、202Bは、回路基板120の裏面側に折り返される。
[制御ユニット]
図7は、本実施形態の情報処理装置の概略構成図である。
情報処理装置1は、入力装置10と制御ユニット30とを有する。制御ユニット30は、入力装置10の筐体100内に格納されてもよいし、入力装置10と電気的に接続される外部機器に格納されてもよい。また、入力装置10と制御ユニット30との間の電気的接続は、有線でもよいし、無線でもよい。
制御ユニット30は、典型的には、コンピュータで構成される。制御ユニット30は、キー配列体11を入力操作することで生成される操作信号S1と、センサシート群20によって検出された検出信号Gx、Gyを受けて、表示部40の表示画面に表示された画像の表示を制御するための制御信号を生成する。操作信号S1は、入力キー111の押下げ操作を検出する回路基板120から出力される。検出信号Gxは、第1のセンサシート21を構成する配線電極21x各々の静電容量に関する信号を含み、検出信号Gyは、第2のセンサシート22を構成する配線電極22y各々の静電容量に関する信号を含む。
制御ユニット30は、各第1及び第2のセンサシート21、22の第1及び第2の配線電極21x、22yを駆動し、それらの静電容量(あるいはその変化)を検出する2軸方向情報検出部31を含む。すなわち、2軸方向情報検出部31は、各第1及び第2のセンサシート21、22へ駆動信号Gox、Goyを供給することで、各第1及び第2の配線電極21x、22yをそれぞれ発振させる。そして、2軸方向情報検出部31は、各第1及び第2の配線電極21x、22yから出力される検出信号Gx、Gyに基づいて、キー配列体11に対する指Fの近接の有無、指Fの位置、指Fの近接距離等に関する情報を取得する。
駆動信号Gox、Goyは、第1及び第2の配線電極21x、22yを発振できる信号であれば特に限定されず、例えば、所定周波数のパルス信号、高周波信号、交流信号、さらには直流信号などを用いることができる。2軸方向情報検出部31は、第1及び第2の配線電極21x、22yの静電容量あるいはその変化量を検出できる回路であれば特に限定されず、例えば、容量変化量を整数値(カウント値)に変換する変換回路部を有する。
本実施形態では、いわゆるセルフキャパシタンス方式で各第1及び第2の配線電極21x、22yの静電容量あるいはその変化が検出される。セルフキャパシタンス方式は、単電極方式とも呼ばれ、センシングに用いる電極は1つである。センシング用の電極は、接地電位に対して浮遊容量をもっており、人体(手指)などの接地された検出対象が近づくと、当該電極の浮遊容量は増加する。2軸方向情報検出部31は、第1及び第2の配線電極21x、22yの容量増加を検出することで、指Fの近接や位置座標を判定する。なお、指Fの近接位置の検出方法については後述する。
表示部40は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示デバイスで構成される。表示部40は、画像を表示する表示面を有し、入力装置10の入力操作に応じて画像の表示が制御される。なお、表示部40は、情報処理装置1の一部として構成されてもよい。
[情報処理装置による検出対象の検出動作]
以下、制御ユニット30の構成とともに、情報処理装置1の動作の一例について説明する。
入力装置10は、ユーザの指Fによるキー配列体11の入力操作に応じた操作信号S1を生成し、制御ユニット30へ出力する。制御ユニット30は、入力装置10からの操作信号S1に基づいて、表示部40に表示される画像を制御する。
入力装置10はさらに、キー配列体11に対する指Fの近接、位置、移動等に関する情報を含む検出信号Gx、Gyを生成し、制御ユニット30へ出力する。制御ユニット30は、2軸方向情報検出部31において検出信号Gx、Gyを処理し、キー配列体11の縦方向及び横方向に沿った指Fの近接位置に関する情報を含む制御信号を生成する。制御ユニット30は、上記制御信号を表示部40に出力することで、表示部40に表示される画像を制御する。
操作信号S1、検出信号Gx、Gyに基づいた画像の表示制御例としては、文字入力、描画、カーソルの移動操作、アイコンの移動操作、各種プログラムの実行動作などが含まれる。
次に、2軸方向情報検出部31における指Fの検出方法について説明する。
図8は、キー配列体11にマトリックス状に配置された第1の配線電極21x及び第2の配線電極22yを示す概略図である。
図8には、第1及び第2の配線電極21x、22yがそれぞれ5本(X1〜X5、Y1〜Y5)配列された例が示されている。2軸方向情報検出部31は、第1の配線電極21x(X1〜X5)の各々に順次、駆動信号Goxを供給し、第2の配線電極22y(Y1〜Y5)の各々に順次、駆動信号Goyを供給する。2軸方向情報検出部31はまた、第1の配線電極21x(X1〜X5)の各々から出力される検出信号Gxに基づいてX軸方向に沿った指Fの近接位置を検出し、第2の配線電極22y(Y1〜Y5)の各々から出力される検出信号Gyに基づいてY軸方向に沿った指Fの近接位置を検出する。第1及び第2の配線電極21x(X1〜X5)、22y(Y1〜Y5)の発振順序すなわち走査方式は特に限定されず、例えば、各第1及び第2の配線電極(X1〜X5、Y1〜Y5)は線順次的に発振される。
本実施形態の2軸方向情報検出部31は、第1及び第2の配線電極21x(X1〜X5)、22y(Y1〜Y5)の容量増加を検出することで、指Fの近接や位置座標を判定し、判定結果に関する情報を制御ユニット30により実現される切替部33(後で説明する。)に供給する。指Fの近接は、いずれかの配線電極の静電容量(カウント値)が所定の閾値を超えたか否かによって判定することができる。すなわち、上記静電容量が上記閾値を超えたときはキー配列体11への指Fの近接を判定し、上記閾値を超えない場合はキー配列体11への指Fの近接はないと判定する。上記閾値は複数設定されていてもよい。この場合、各閾値を超えたか否かによって、指Fの近接距離を判定することが可能となる。
[情報処理装置の機能的な構成]
次に、情報処理装置1の機能的な構成について説明する。
図9は、情報処理装置の機能的な構成を示すブロック図である。
情報処理装置1は、第1の配線電極21x及び第2の配線電極22yを有する入力装置10と、2軸方向情報検出部31と、親指検出部32と、切替部33と、基準位置入力検出部34と、エリア設定部35と、ポインティング入力部36と、ポインタ表示部37と、キーボード入力部38と、カーソル表示部39とを有する。
2軸方向情報検出部31は、入力装置10の第1及び第2の配線電極21x、22yの容量増加を検出することで、検出対象の近接や位置座標を判定し、判定結果に関する情報をレジスタに保持する。具体的には、2軸方向情報検出部31は、容量増加を示した各第1及び第2の配線電極21x、22yに対応するX座標及びY座標を含む座標情報をレジスタに保持する。
親指検出部32は、上記レジスタを参照し、親指センサ電極22Yに対応するY座標を含む座標情報(座標情報C1とする。)が保持されているかを判定する。親指検出部32は、親指センサ電極22Yに対応するY座標を含む座標情報C1が保持されていると判定すると、判定結果を切替部33、基準位置入力検出部34及びエリア設定部35に供給する。この判定結果には座標情報C1が含まれる。一方、親指検出部32は、座標情報C1が周期的に保持されていないと判定すると、その判定結果を切替部33に供給する。
切替部33は、親指検出部32から親指センサ電極22Yに対応するY座標を含む座標情報C1を含む判定結果を取得すると、キーボード入力部38が2軸方向情報検出部31のレジスタを参照することができないように、且つ、エリア設定部35が2軸方向情報検出部31のレジスタを参照することができるように回路を切り替えることで、キーボード入力部38のコード情報出力をオフとする。一方、切替部33は、座標情報C1が周期的に保持されていないとの判定結果を取得すると、キーボード入力部38が2軸方向情報検出部31のレジスタを参照することができ、且つ、エリア設定部35が2軸方向情報検出部31のレジスタを参照することができないように回路を切り替えることで、キーボード入力部38のコード情報出力をオンとする。
基準位置入力検出部34は、親指検出部32から判定結果を取得すると、上記レジスタを参照し、座標情報C1以外の座標情報(座標情報C2とする。)が周期的に保持されているかを判定する。基準位置入力検出部34は、座標情報C1以外の座標情報C2が周期的に保持されていると判定すると、判定結果をエリア設定部35に供給する。この判定結果には座標情報C2が含まれる。
エリア設定部35は、親指検出部32から取得した判定結果に含まれる親指センサ電極22Yに対応するY座標を含む座標情報C1と、基準位置入力検出部34から取得した判定結果に含まれる座標情報C1以外の座標情報C2とをもとに、ポインティングエリア(座標入力領域)を設定する。ここで、ポインティングエリアとは、キー配列体11にマトリックス状に配置された第1の配線電極21x及び第2の配線電極22yのうちの、一部の互いに隣り合う複数の第1の配線電極21x及び一部の互いに隣り合う複数の第2の配線電極22yの交差点により囲まれる領域を言う。
例えば、エリア設定部35は、基準位置入力検出部34から取得した判定結果に含まれる座標情報C1以外の座標情報C2に含まれるX座標及びY座標により示される第1の配線電極21x及び第2の配線電極22yの交差点をポインティングエリアの中心として設定する。そして、エリア設定部35は、設定したポインティングエリアの中心であるX座標に対応する第1の配線電極21x及び隣接する複数例えば2本の第1の配線電極21xと、設定したポインティングエリアの中心であるY座標に対応する第2の配線電極22y及び隣接する複数例えば2本の第2の配線電極22yの交差点により囲まれる領域をポインティングエリアとして設定する。ここで、ポインティングエリアは、親指検出部32から取得した判定結果に含まれる親指センサ電極22Yに対応するY座標を含む座標情報C1に含まれるX座標及びY座標に対応する第1の配線電極21x及び親指センサ電極22Yが含まれないように設定される。
エリア設定部35は、ポインティングエリアを設定すると、レジスタを参照し、設定したポインティングエリア内の座標を含む座標情報(座標情報C3とする。)が保持されているかを判定する。言い換えれば、エリア設定部35は、ポインティングエリアを構成する所定の複数の第1の配線電極21xのいずれかと一致する第1の配線電極21xに対応するX座標と、所定の複数の第2の配線電極22yのいずれかと一致する第2の配線電極22yに対応するY座標をと含む座標情報C3がレジスタに保持されているかを判定する。エリア設定部35は、座標情報C3がレジスタに保持されていると判定すると、この座標情報C3を、ポインティング入力部36に供給する。
ポインティング入力部36は、エリア設定部35から座標情報C3を取得する。ポインティング入力部36は、エリア設定部35から順次取得する座標情報C3を、表示部40に表示された操作対象(例えば、ポインタ)の互いに直交する2軸方向での動きとして処理して操作対象の動きに関する情報を生成し、生成した動きに関する情報をポインタ表示部37に供給する。
ポインタ表示部37は、ポインティング入力部36から取得した操作対象(例えば、ポインタ)の動きに関する情報をもとに制御信号を生成し、生成した制御信号を表示部40に供給する。
キーボード入力部38は、キー配列体11を入力操作することで生成される操作信号S1を、表示部40に表示された操作対象(例えば、カーソル)の互いに直交する2軸方向での動きとして処理して操作対象の動きに関する情報を生成し、生成した動きに関する情報をカーソル表示部39に供給する。
カーソル表示部39は、キーボード入力部38から取得した操作対象(例えば、カーソル)の動きに関する情報をもとに制御信号を生成し、生成した制御信号を表示部40に供給する。
[情報処理装置の動作]
次に、上記機能的構成を有する情報処理装置1の動作について説明する。
図10は、情報処理装置1の動作を示すフローチャートである。図11〜図14は、情報処理装置1の動作を説明するための模式図である。
以下、前提として、キーボード入力モードが予め設定されているものとする。
2軸方向情報検出部31は、入力装置10の第1及び第2の配線電極21x、22yの容量増加を検出することで、検出対象の近接や位置座標を判定し、判定結果に関する情報をレジスタに保持する。具体的には、2軸方向情報検出部31は、容量増加を示した各第1及び第2の配線電極21x、22yに対応するX座標及びY座標を含む座標情報をレジスタに保持する(ステップS101)。
親指検出部32は、上記レジスタを参照し、親指センサ電極22Yに対応するY座標を含む座標情報(座標情報C1とする。)が周期的に保持されているかを判定する(ステップS102)。親指検出部32は、親指センサ電極22Yに対応するY座標を含む座標情報C1がレジスタに周期的に保持されていると判定すると(ステップS102でYes)、判定結果を切替部33、基準位置入力検出部34及びエリア設定部35に供給する。この判定結果には座標情報C1が含まれる。
図11に示すように、例えば、ユーザの右手の親指が、1つの第1の配線電極21x(第1の配線電極21x1とする。)及び親指センサ電極22Yの交点Aに、所定期間、近接又は接触したとする。この場合、第1の配線電極21x1及び親指センサ電極22Yが、所定期間に亘って静電容量増加を示す。このような場合、第1の配線電極21x1及び親指センサ電極22Yに対応するX座標及びY座標を含む座標情報C1がレジスタに周期的に保持される。そして、親指検出部32は、親指センサ電極22Yに対応するY座標を含む座標情報C1がレジスタに周期的に保持されていると判定する(ステップS102でYes)。
図10に戻って、切替部33は、親指検出部32から判定結果を取得すると、キーボード入力部38が2軸方向情報検出部31のレジスタを参照することができないように、且つ、エリア設定部35が2軸方向情報検出部31のレジスタを参照することができるように回路を切り替えることで、キーボード入力部38のコード情報出力をオフとする(ステップS103)。
一方、基準位置入力検出部34は、親指検出部32から判定結果を取得すると、上記レジスタを参照し、座標情報C1以外の座標情報(座標情報C2とする。)が周期的に保持されているかを判定する(ステップS104)。基準位置入力検出部34は、座標情報C1以外の座標情報C2が周期的に保持されていると判定すると(ステップS104でYes)、判定結果をエリア設定部35に供給する。この判定結果には座標情報C2が含まれる。
エリア設定部35は、親指検出部32から判定結果を取得すると、基準位置入力検出部34から取得した判定結果に含まれる座標情報C2に含まれるX座標及びY座標により構成される座標(すなわち、静電容量増加を示す第1及び第2の配線電極21x、22yの交点)を、ポインティングエリアの中心点として設定する(ステップS105)。
図12に示すように、例えば、ユーザが右手の人差し指で1つの第1の配線電極21x(第1の配線電極21x3とする。)及び1つの第2の配線電極22y(第2の配線電極22y2とする。)の交点Bに近接又は接触したとする。この場合、交点Bを構成する第1の配線電極21x3及び第2の配線電極22y2は、静電容量増加を示す。このような場合、基準位置入力検出部34は、第1の配線電極21x3及び第2の配線電極22y2に対応するX座標及びY座標を含む座標情報C2を含む判定結果をエリア設定部35に出力する。エリア設定部35は、この座標情報C2に含まれるX座標及びY座標により構成される座標(すなわち、静電容量増加を示す第1及び第2の配線電極21x3、22y2の交点B)を、ポインティングエリアの中心点として設定する(ステップS105)。
なお、図12は、図のわかりやすさのため、第1の配線電極21x及び第2の配線電極22yの電極部21xa、22ya(図4及び図6参照。)の幅と、配線部21xb、22yb(図4及び図6参照。)の幅とを同様の大きさで描いている。以下に示す他の図も、同様の趣旨で同様に描いているものがある。
図10に戻って、エリア設定部35は、設定した中心点であるX座標に対応する第1の配線電極21x及び隣接する複数の第1の配線電極21xと、同じく中心点であるY座標に対応する第2の配線電極22y及び隣接する複数の第2の配線電極22yの交点により囲まれる領域を、ポインティングエリアとして設定する(ステップS106)。
再び図12に示すように、例えば、エリア設定部35は、設定した中心点(すなわち交点B)であるX座標に対応する第1の配線電極21x3及び隣接する第1の配線電極21x2、21x4と、同じく中心点であるY座標に対応する第2の配線電極22y2及び隣接する第2の配線電極22y1、22y3との各交点Cにより囲まれる領域をポインティングエリアDとして設定する(ステップS106)。
図10に戻って、エリア設定部35は、設定したポインティングエリアに、親指検出部32から取得した判定結果に含まれる座標情報C1に含まれるX座標及びY座標に対応する第1の配線電極21x及び親指センサ電極22Yが含まれないかどうかを判定する(ステップS107)。ポインティングエリアに座標情報C1に含まれるX座標及びY座標に対応する第1の配線電極21x及び親指センサ電極22Yが含まれない場合(ステップS107でYes)、エリア設定部35は、所定の複数の第1の配線電極21x及び所定の複数の第2の配線電極22yにより構成されるポインティングエリアを、ポインティングエリアとして確定する(ステップS108)。
一方、ポインティングエリアに座標情報C1に含まれるX座標及びY座標に対応する第1の配線電極21x及び親指センサ電極22Yが含まれる場合(ステップS107でNo)、エリア設定部35は、ポインティングエリアに座標情報C1に含まれるX座標及びY座標に対応する第1の配線電極21x及び親指センサ電極22Yが含まれないように、ポインティングエリアを再設定する(ステップS106)。
再び図12に示すように、例えば、ポインティングエリアDに座標情報C1に含まれるX座標及びY座標に対応する第1の配線電極21x及び親指センサ電極22Yが含まれない場合(ステップS107でYes)、エリア設定部35は、第1の配線電極21x2、21x3、21x4及び第2の配線電極22y1、22y2、22y3により構成されるポインティングエリアDをポインティングエリアとして確定する(ステップS108)。
あるいは、図13に示すように、例えば、エリア設定部35がポインティングエリアの中心として第1の配線電極21x2及び第2の配線電極22y2の交点Eを設定し、第1の配線電極21x1、21x2、21x3と、第2の配線電極22y1、22y2、22y3との各交点Fにより囲まれる領域をポインティングエリアGとして設定したとする。この場合、ポインティングエリアGには、座標情報C1に含まれるX座標に対応する第1の配線電極21x1が含まれることとなる(ステップS107でNo)。この場合、エリア設定部35は、座標情報C1に含まれるX座標に対応する第1の配線電極21x1が含まれないように、ポインティングエリアとして例えばポインティングエリアD(図12に示す。)を再設定する(ステップS106)。
図10に戻って、エリア設定部35は、ポインティングエリアを設定すると、レジスタを参照し、ポインティングエリア内の座標を含む座標情報(座標情報C3とする。)が保持されているかを判定する(ステップS109)。言い換えれば、エリア設定部35は、ポインティングエリアを構成する所定の複数の第1の配線電極21xのいずれかと一致する第1の配線電極21xに対応するX座標と、所定の複数の第2の配線電極22yのいずれかと一致する第2の配線電極22yに対応するY座標をと含む座標情報C3がレジスタに保持されているかを判定する。エリア設定部35は、座標情報C3がレジスタに保持されていると判定すると、この座標情報C3を、ポインティング入力部36に供給する(ステップS109でYes)。
図14に示すように、例えば、ユーザは、右手の親指で親指センサ電極22Yに近接又は接触しながら、ポインティングエリアDを右手の人指し指でX軸及びY軸方向に(例えば、図中矢印で示す方向に)操作する。すなわちユーザは、右手の人差し指をポインティングエリアD内の第1の配線電極21x及び第2の配線電極22yに近接した状態で、ポインティングエリアDに対する入力操作を行う。例えば、ユーザは、右手の人指し指をポインティングエリアDからわずかに浮かせるようにしてポインティングエリアDに対する入力操作を行えばよい。あるいは、ユーザは、ポインティングエリアD内の隣接する入力キー111同士の狭間を沿うように右手の人差し指を移動させるようにしてポインティングエリアDに対する入力操作を行えばよい。
図10に戻って、ポインティング入力部36は、エリア設定部35から座標情報C3を取得する。ポインティング入力部36は、エリア設定部35から順次取得する座標情報C3を、表示部40に表示された操作対象(例えば、ポインタ)の互いに直交する2軸方向での動きとして処理して操作対象の動きに関する情報を生成し、生成した動きに関する情報をポインタ表示部37に供給する(ステップS110)。ポインタ表示部37は、ポインティング入力部36から取得した操作対象の動きに関する情報をもとに制御信号を生成し、生成した制御信号を表示部40に供給する。
ステップS110の後、又は上記各ステップの途中で、図14に示すユーザの右手の親指が親指センサ電極22Yから離れるとする。この場合、2軸方向情報検出部31は、親指センサ電極22Yに対応するY座標を含む座標情報C1をレジスタに保持しなくなる。このため、親指検出部32は、座標情報C1が周期的に保持されていないと判定し(ステップS102でNo)、その判定結果を切替部33に供給する。そうすると、切替部33は、キーボード入力部38が2軸方向情報検出部31のレジスタを参照することができ、且つ、エリア設定部35が2軸方向情報検出部31のレジスタを参照することができないように回路を切り替えることで、キーボード入力部38のコード情報出力をオンとする(ステップS111)。
本実施形態によれば、検出対象の近接の有無、検出対象の位置、検出対象の近接距離等を検出するのに用いられる第1の配線電極21x及び1つの第2の配線電極22yがキー配列体11の全面に設けられている。これにより、ポインティングエリアをキー配列体11の任意の位置に配置することができ、ポインティングエリアの配置の自由度を高めることができる。
また、例えばユーザの右手の人差し指が近接又は接触した第1の配線電極21x及び第2の配線電極22yに基いてポインティングエリアが設定される。すなわち、キー配列体11上のユーザが入力操作しやすい領域をポインティングエリアとして設定することができ、ユーザにとって便利である。
また、例えばユーザの右手の親指が近接又は接触した第1の配線電極21x及び親指センサ電極22Yに基いて、具体的にはこれらの電極がポインティングエリアから除外されるようにして、ポインティングエリアが設定される。ポインティングエリアへの入力操作中、ユーザの右手の親指はこの第1の配線電極21x及び親指センサ電極22Yに近接または接触し続けている。これら第1の配線電極21x及び親指センサ電極22Yをポインティングエリアから除外することで、誤入力操作を防止することができる。
また、ユーザにとって最も手前側に位置する第2の配線電極22yを親指センサ電極22Yとして機能させるので、ユーザが目線を変えずにポインティングエリアに対する入力操作を行うのを補助することができる。さらに、ユーザ自身がキーボード入力と異なる入力操作を行っているという明確な切替を体感させることができる。
<第2の実施形態>
第1の実施形態の情報処理装置1では、ユーザにとって最も手前側に位置する第2の配線電極22yを親指センサ電極22Yとして機能させた。以下に説明する第2の実施形態では、複数の第2の配線電極22yがポインティングエリアに利用可能な配線群と、利用不可な配線群とに領域的に区分された情報処理装置2について説明する。
以下の説明において、第1の実施形態と同様の構成及び機能等については説明を省略又は簡略し、異なる点を中心に説明する。本実施形態において、第1の実施形態の制御ユニット30の各部位と同様の構成をもつ制御ユニット50の各部位については対応する符号(50番台)を付し、重複する説明は省略する。
[センサシート]
図15は、本発明の第2の実施形態の第2のセンサシート122の構成を示す平面図である。
本実施形態の第2のセンサシート122が第1の実施形態の第2のセンサシート22と異なる点は、ユーザにとって最も手前側に位置する第2の配線電極22yがポインティングエリアに利用不可な親指センサ電極23として機能する点である。この親指センサ電極23は、ポインティングエリアに利用可能な複数の第2の配線電極22y群よりもさらにユーザにとって最も手前側に位置する。また、第1の実施形態ではユーザにとって最も手前側に位置する第2の配線電極22yが親指センサ電極22Yとして機能したが、本実施形態ではこの第2の配線電極22yは親指センサ電極としては機能しない。
第1のセンサシート21とこの第2のセンサシート122とを互いに重ね合わせると、複数の第1の配線電極21x及び複数の第2の配線電極22yは互いに交差する。しかし、親指センサ電極23は、何れの第1の配線電極21xとも交差せず、ポインティングエリアに利用不可となっている。なお、本実施形態の説明において、親指センサ電極22Yを除いた第2の配線電極22yを、単に「第2の配線電極22y」と呼ぶこととする。
[制御ユニット]
制御ユニット50は、各第1及び第2のセンサシート21、22の第1及び第2の配線電極21x、22yと、親指センサ電極23とを駆動し、それらの静電容量(あるいはその変化)を検出する2軸方向情報検出部51を含む。すなわち、2軸方向情報検出部51は、各第1及び第2のセンサシート21、22へ駆動信号Gox、Goyを供給することで、各第1及び第2の配線電極21x、22yと、親指センサ電極23とをそれぞれ発振させる。そして、2軸方向情報検出部51は、各第1及び第2の配線電極21x、22yと、親指センサ電極23とから出力される検出信号Gx、Gyに基づいて、キー配列体11に対する指Fの近接の有無、指Fの位置、指Fの近接距離等に関する情報を取得する。
[情報処理装置の機能的な構成]
次に、情報処理装置2の機能的な構成について説明する。
図16は、情報処理装置2の機能的な構成を示すブロック図である。
情報処理装置2は、第1の配線電極21x、第2の配線電極22y及び親指センサ電極23を有する入力装置10と、2軸方向情報検出部51と、親指検出部52と、切替部53と、基準位置入力検出部54と、エリア設定部55と、ポインティング入力部56と、ポインタ表示部57と、キーボード入力部58と、カーソル表示部59とを有する。
2軸方向情報検出部51は、入力装置10の第1及び第2の配線電極21x、22yの容量増加を検出することで、検出対象の近接や位置座標を判定し、判定結果に関する情報をレジスタに保持する。具体的には、2軸方向情報検出部51は、容量増加を示した各第1及び第2の配線電極21x、22yに対応するX座標及びY座標を含む座標情報をレジスタに保持する。さらに、2軸方向情報検出部51は、親指センサ電極23の容量増加を検出することで、検出対象の近接を判定し、判定結果に関する情報をレジスタに保持する。
エリア設定部55は、基準位置入力検出部54から取得した判定結果に含まれる座標情報をもとに、ポインティングエリア(座標入力領域)を設定する。
[情報処理装置の動作]
次に、上記機能的構成を有する情報処理装置2の動作について説明する。
図17は、情報処理装置2の動作を示すフローチャートである。
2軸方向情報検出部51は、入力装置10の第1及び第2の配線電極21x、22yの容量増加を検出することで、検出対象の近接や位置座標を判定し、判定結果に関する情報をレジスタに保持する。具体的には、2軸方向情報検出部51は、容量増加を示した各第1及び第2の配線電極21x、22yに対応するX座標及びY座標を含む座標情報をレジスタに保持する。また、2軸方向情報検出部51は、入力装置10の親指センサ電極23の容量増加を検出することで、検出対象の近接を判定し、判定結果に関する情報(親指検出情報とする。)をレジスタに保持する(ステップS201)。
親指検出部52は、上記レジスタを参照し、親指検出情報が周期的に保持されているかを判定する(ステップS202)。親指検出部52は、親指検出情報が周期的に保持されていると判定すると(ステップS202でYes)、判定結果を切替部53、基準位置入力検出部54及びエリア設定部55に供給する。
切替部53は、親指検出部52から判定結果を取得すると、キーボード入力部58が2軸方向情報検出部51のレジスタを参照することができないように、且つ、エリア設定部55が2軸方向情報検出部51のレジスタを参照することができるように回路を切り替えることで、キーボード入力部58のコード情報出力をオフとする(ステップS203)。
一方、基準位置入力検出部54は、親指検出部52から判定結果を取得すると、上記レジスタを参照し、各第1及び第2の配線電極21x、22yに対応するX座標及びY座標を含む所定の座標情報(座標情報C4とする。)が周期的に保持されているかを判定する(ステップS204)。基準位置入力検出部54は、座標情報C4が周期的に保持されていると判定すると(ステップS204でYes)、判定結果をエリア設定部55に供給する。この判定結果には座標情報C4が含まれる。
エリア設定部55は、親指検出部52から判定結果を取得すると、基準位置入力検出部54から取得した判定結果に含まれる座標情報C4に含まれるX座標及びY座標により構成される座標(すなわち、静電容量増加を示す第1及び第2の配線電極21x、22yの交点)を、ポインティングエリアの中心点として設定する(ステップS205)。
エリア設定部55は、設定した中心点であるX座標に対応する第1の配線電極21x及び隣接する複数の第1の配線電極21xと、同じく中心点であるY座標に対応する第2の配線電極22y及び隣接する複数の第2の配線電極22yの交点により囲まれる領域を、ポインティングエリアとして設定する(ステップS206)。
エリア設定部55は、ポインティングエリアを設定すると、レジスタを参照し、ポインティングエリア内の座標を含む座標情報(座標情報C3とする。)が保持されているかを判定する(ステップS207)。言い換えれば、エリア設定部55は、ポインティングエリアを構成する所定の複数の第1の配線電極21xのいずれかと一致する第1の配線電極21xに対応するX座標と、所定の複数の第2の配線電極22yのいずれかと一致する第2の配線電極22yに対応するY座標をと含む座標情報C3がレジスタに保持されているかを判定する。エリア設定部55は、座標情報C3がレジスタに保持されていると判定すると、この座標情報C3を、ポインティング入力部56に供給する(ステップS207でYes)。
ポインティング入力部56は、エリア設定部55から座標情報C3を取得する。ポインティング入力部56は、エリア設定部55から順次取得する座標情報C3を、表示部40に表示された操作対象(例えば、ポインタ)の互いに直交する2軸方向での動きとして処理して操作対象の動きに関する情報を生成し、生成した動きに関する情報をポインタ表示部57に供給する(ステップS208)。ポインタ表示部57は、ポインティング入力部56から取得した操作対象の動きに関する情報をもとに制御信号を生成し、生成した制御信号を表示部40に供給する。
ステップS207の後、又は上記各ステップの途中で、ユーザの親指が親指センサ電極23から離れるとする。この場合、2軸方向情報検出部51は、親指検出情報をレジスタに保持しなくなる。このため、親指検出部52は、親指検出情報が周期的に保持されていないと判定し(ステップS202でNo)、その判定結果を切替部53に供給する。そうすると、切替部53は、キーボード入力部58が2軸方向情報検出部51のレジスタを参照することができ、且つ、エリア設定部55が2軸方向情報検出部51のレジスタを参照することができないように回路を切り替えることで、キーボード入力部58のコード情報出力をオンとする(ステップS209)。
本実施形態によれば、複数の第2の配線電極22yがポインティングエリアに利用可能な配線群と、利用不可な配線群とに領域的に区分されている。このため、検出対象が親指センサ電極23に近接又は接触したとき、その近接対象はいずれの第1の配線電極21xにも近接又は接触する状態とはならない。このため、接触対象が近接又は接触する第1の配線電極21xをポインティングエリアから除外する必要が無くなる。これにより、ポインティングエリアの配置の自由度をさらに高めることができる。
<第3の実施形態>
上記各実施形態では、片手での入力操作を想定して1つのポインティングエリアを設定する情報処理装置1、2について説明した。以下に説明する第3の実施形態では、両手での入力操作を想定して2つのポインティングエリアを設定可能な情報処理装置3について説明する。
本実施形態の情報処理装置3は、第1の実施形態と同様の第1及び第2のセンサシート21、22を有する入力装置10を有する。本実施形態において、第1の実施形態の制御ユニット30の各部位と同様の構成をもつ制御ユニット60の各部位については対応する符号(60番台)を付し、重複する説明は省略する。
[情報処理装置の機能的な構成]
次に、情報処理装置3の機能的な構成について説明する。
図18は、情報処理装置3の機能的な構成を示すブロック図である。
情報処理装置3は、第1の配線電極21x及び第2の配線電極22yを有する入力装置10と、2軸方向情報検出部61と、親指検出部62と、切替部63と、基準位置入力検出部64と、エリア設定部65と、第1のポインティング入力部66aと、第2のポインティング入力部66bと、ポインタ表示部67と、キーボード入力部68と、カーソル表示部69とを有する。
エリア設定部65は、親指検出部62から取得した判定結果に含まれる親指センサ電極22Yに対応するY座標を含む座標情報C1と、基準位置入力検出部64から取得した判定結果に含まれる座標情報C1以外の座標情報C2とをもとに、ポインティングエリア(座標入力領域)を設定する。
例えば、エリア設定部65は、座標情報C1以外の座標情報C2のうちの1つである座標情報C2aに含まれるX座標及びY座標により構成される座標(すなわち、静電容量増加を示す第1及び第2の配線電極21x、22yの交点)を、第1のポインティングエリアの中心点として設定する。エリア設定部65は、設定した中心点であるX座標に対応する第1の配線電極21x及び隣接する複数の第1の配線電極21xと、同じく中心点であるY座標に対応する第2の配線電極22y及び隣接する複数の第2の配線電極22yの交点により囲まれる領域を、第1のポインティングエリアとして設定する。ここで、第1のポインティングエリアは、親指検出部62から取得した判定結果に含まれる親指センサ電極22Yに対応するY座標を含む座標情報C1に含まれるX座標及びY座標に対応する第1の配線電極21x及び親指センサ電極22Yが含まれないように設定される。
また、エリア設定部65は、座標情報C1以外の座標情報C2のうちの他の1つである座標情報C2bに含まれるX座標及びY座標により構成される座標(すなわち、静電容量増加を示す第1及び第2の配線電極21x、22yの交点)を、第2のポインティングエリアの中心点として設定する。エリア設定部65は、設定した中心点であるX座標に対応する第1の配線電極21x及び隣接する複数の第1の配線電極21xと、同じく中心点であるY座標に対応する第2の配線電極22y及び隣接する複数の第2の配線電極22yの交点により囲まれる領域を、第2のポインティングエリアとして設定する。ここで、第2のポインティングエリアは、親指検出部62から取得した判定結果に含まれる親指センサ電極22Yに対応するY座標を含む座標情報C1に含まれるX座標及びY座標に対応する第1の配線電極21x及び親指センサ電極22Yと、第1のポインティングエリアに含まれる複数の第1の配線電極21x及び複数の第2の配線電極22yとが含まれないように設定される。
エリア設定部65は、ポインティングエリアを設定すると、レジスタを参照し、第1のポインティングエリア内の座標を含む座標情報(座標情報C3aとする。)が保持されているかを判定する。言い換えれば、エリア設定部65は、第1のポインティングエリアを構成する所定の複数の第1の配線電極21xのいずれかと一致する第1の配線電極21xに対応するX座標と、所定の複数の第2の配線電極22yのいずれかと一致する第2の配線電極22yに対応するY座標をと含む座標情報C3aがレジスタに保持されているかを判定する。エリア設定部65は、座標情報C3aがレジスタに保持されていると判定すると、この座標情報C3aを、第1のポインティング入力部66aに供給する。
また、エリア設定部65は、レジスタを参照し、第2のポインティングエリア内の座標を含む座標情報(座標情報C3bとする。)が保持されているかを判定する。言い換えれば、エリア設定部65は、第2のポインティングエリアを構成する所定の複数の第1の配線電極21xのいずれかと一致する第1の配線電極21xに対応するX座標と、所定の複数の第2の配線電極22yのいずれかと一致する第2の配線電極22yに対応するY座標をと含む座標情報C3bがレジスタに保持されているかを判定する。エリア設定部65は、座標情報C3bがレジスタに保持されていると判定すると、この座標情報C3bを、第2のポインティング入力部66bに供給する。
第1のポインティング入力部66aは、エリア設定部65から座標情報C3aを取得する。第1のポインティング入力部66aは、エリア設定部65から順次取得する座標情報C3aを、表示部40に表示された操作対象の互いに直交する2軸方向での動きとして処理して操作対象の動きに関する情報を生成し、生成した動きに関する情報をポインタ表示部67に供給する。
第2のポインティング入力部66bは、エリア設定部65から座標情報C3bを取得する。第2のポインティング入力部66bは、エリア設定部65から順次取得する座標情報C3bを、表示部40に表示された操作対象の互いに直交する2軸方向での動きとして処理して操作対象の動きに関する情報を生成し、生成した動きに関する情報をポインタ表示部67に供給する。
[情報処理装置の動作]
図19は、情報処理装置3の動作を示すフローチャートである。図20は、情報処理装置3の動作を説明するための模式図である。
2軸方向情報検出部61は、入力装置10の第1及び第2の配線電極21x、22yの容量増加を検出することで、検出対象の近接や位置座標を判定し、判定結果に関する情報をレジスタに保持する。具体的には、2軸方向情報検出部61は、容量増加を示した各第1及び第2の配線電極21x、22yに対応するX座標及びY座標を含む座標情報をレジスタに保持する(ステップS301)。
親指検出部62は、上記レジスタを参照し、親指センサ電極22Yに対応するY座標を含む座標情報(座標情報C1とする。)が周期的に保持されているかを判定する(ステップS302)。親指検出部62は、親指センサ電極22Yに対応するY座標を含む座標情報C1が周期的に保持されていると判定すると(ステップS302でYes)、判定結果を切替部63、基準位置入力検出部64及びエリア設定部65に供給する。この判定結果には座標情報C1が含まれる。
切替部63は、親指検出部62から判定結果を取得すると、キーボード入力部68が2軸方向情報検出部61のレジスタを参照することができないように、且つ、エリア設定部65が2軸方向情報検出部61のレジスタを参照することができるように回路を切り替えることで、キーボード入力部68のコード情報出力をオフとする(ステップS303)。
一方、基準位置入力検出部64は、親指検出部62から判定結果を取得すると、上記レジスタを参照し、座標情報C1以外の座標情報(座標情報C2とする。)が周期的に保持されているかを判定する(ステップS304)。基準位置入力検出部64は、座標情報C1以外の座標情報C2が周期的に保持されていると判定すると(ステップS304でYes)、判定結果をエリア設定部65に供給する。この判定結果には座標情報C2が含まれる。
図20に示すように、例えば、ユーザの右手の親指が、1つの第1の配線電極21x(第1の配線電極21x1とする。)及び親指センサ電極22Yの交点Aに、所定期間、近接又は接触したとする。この場合、第1の配線電極21x1及び親指センサ電極22Yが、所定期間に亘って静電容量増加を示す。このような場合、親指検出部62は、第1の配線電極21x1及び親指センサ電極22Yに対応するX座標及びY座標を含む座標情報C1(座標情報C1aとする。)がレジスタに周期的に保持されていると判定する(ステップS302)。
そして、ユーザの左手の親指が、1つの第1の配線電極21x(第1の配線電極21x5とする。)及び親指センサ電極22Yの交点Hに、所定期間、近接又は接触したとする。この場合、第1の配線電極21x5及び親指センサ電極22Yが、所定期間に亘って静電容量増加を示す。このような場合、親指検出部62は、第1の配線電極21x5及び親指センサ電極22Yに対応するX座標及びY座標を含む座標情報C1(座標情報C1bとする。)がレジスタに周期的に保持されていると判定する(ステップS302)。
さらに、例えば、ユーザが右手の人差し指で第1の配線電極21x3及び第2の配線電極22y2の交点Bに近接又は接触したとする。この場合、第1の配線電極21x3及び第2の配線電極22y2が静電容量増加を示す。このような場合、基準位置入力検出部64は、第1の配線電極21x3及び第2の配線電極22y2に対応するX座標及びY座標を含む座標情報C2(座標情報C2aとする。)がレジスタに周期的に保持されていると判定する(ステップS304)。
そして、ユーザが左手の人差し指で1つの第1の配線電極(第1の配線電極21x7とする。)及び1つの第2の配線電極22y(第2の配線電極22y4とする。)の交点Iに近接又は接触したとする。この場合、第1の配線電極21x7及び第2の配線電極22y4が静電容量増加を示す。このような場合、基準位置入力検出部64は、第1の配線電極21x7及び第2の配線電極22y4に対応するX座標及びY座標を含む座標情報C2(座標情報C2bとする。)がレジスタに周期的に保持されていると判定する(ステップS304)。
図19に戻って、エリア設定部65は、親指検出部62から判定結果を取得すると、基準位置入力検出部64から取得した判定結果に含まれる座標情報C2a、C2bに含まれるX座標同士を比較して、このX座標同士の位置関係を判定する。例えば、エリア設定部65は、何れのX座標が例えばユーザから見て右側に位置するかを判定する(ステップS305)。
図20に示す例では、座標情報C2aに含まれる第1の配線電極21x3に対応するX座標の方が、座標情報C2bに含まれる第1の配線電極21x7に対応するX座標よりも、ユーザから見て右側に位置する。この場合、エリア設定部65は、座標情報C2aに含まれる第1の配線電極21x3に対応するX座標ユーザから見て右側に位置すると判定する(ステップS305)。
図19に戻って、エリア設定部65は、判定された座標情報C2aに含まれるX座標及びY座標により構成される座標(すなわち、静電容量増加を示す第1及び第2の配線電極21x、22yの交点)を、第1のポインティングエリアの中心点として設定する(ステップS306)。
図20に示す例では、エリア設定部65は、判定された座標情報C2aに含まれるX座標及びY座標により構成される座標(すなわち、静電容量増加を示す第1及び第2の配線電極21x3、22y2の交点B)を、第1のポインティングエリアの中心点として設定する(ステップS306)。
図19に戻って、エリア設定部65は、設定した中心点であるX座標に対応する第1の配線電極21x及び隣接する複数の第1の配線電極21xと、同じく中心点であるY座標に対応する第2の配線電極22y及び隣接する複数の第2の配線電極22yの交点により囲まれる領域を、第1のポインティングエリアとして設定する(ステップS307)。
エリア設定部65は、設定した第1のポインティングエリアに、親指検出部62から取得した判定結果に含まれる座標情報C1(C1a、C1b)に含まれるX座標及びY座標に対応する第1の配線電極21x及び親指センサ電極22Yが含まれないかどうかを判定する(ステップS308)。第1のポインティングエリアに座標情報C1(C1a、C1b)に含まれるX座標及びY座標に対応する第1の配線電極21x及び親指センサ電極22Yが含まれない場合(ステップS308でYes)、エリア設定部65は、所定の複数の第1の配線電極21x及び所定の複数の第2の配線電極22yにより構成される第1のポインティングエリアを、第1のポインティングエリアとして確定する(ステップS309)。
一方、第1のポインティングエリアに座標情報C1(C1a、C1b)に含まれるX座標及びY座標に対応する第1の配線電極21x及び親指センサ電極22Yが含まれる場合(ステップS308でNo)、エリア設定部65は、第1のポインティングエリアに座標情報C1(C1a、C1b)に含まれるX座標及びY座標に対応する第1の配線電極21x及び親指センサ電極22Yが含まれないように、第1のポインティングエリアを再設定する(ステップS307)。
ステップS309に戻って、エリア設定部65は、基準位置入力検出部64から取得する判定結果に、ステップS305で判定された座標情報C2a以外の座標情報を含む判定結果があるか否かを判定する(ステップS310)。座標情報C2a以外の座標情報(座標情報C2b)を含む判定結果があると判定した場合(ステップS310でYes)、エリア設定部65は、ステップS306以降の処理を繰り返す。座標情報C2a以外の座標情報(座標情報C2b)が無いと判定した場合(ステップS310でNo)、ステップS311に進む。
すなわち、エリア設定部65は、ステップS310で判定された座標情報C2bに含まれるX座標及びY座標により構成される座標(すなわち、静電容量増加を示す第1及び第2の配線電極21x、22yの交点)を、第2のポインティングエリアの中心点として設定する(ステップS306)。
図20に示す例では、エリア設定部65は、判定された座標情報C2bに含まれるX座標及びY座標により構成される座標(すなわち、静電容量増加を示す第1及び第2の配線電極21x7、22y4の交点I)を、第2のポインティングエリアの中心点として設定する(ステップS306)。
図19に戻って、エリア設定部65は、設定した中心点であるX座標に対応する第1の配線電極21x及び隣接する複数の第1の配線電極21xと、同じく中心点であるY座標に対応する第2の配線電極22y及び隣接する複数の第2の配線電極22yの交点により囲まれる領域を、第2のポインティングエリアとして設定する(ステップS307)。
エリア設定部65は、設定した第2のポインティングエリアに、座標情報C1(C1a、C1b)に含まれるX座標及びY座標に対応する第1の配線電極21x及び親指センサ電極22Yと、第1のポインティングエリアに含まれる複数の第1の配線電極21x及び複数の第2の配線電極22yとが含まれないかどうかを判定する(ステップS308)。第2のポインティングエリアに座標情報C1(C1a、C1b)に含まれるX座標及びY座標に対応する第1の配線電極21x及び親指センサ電極22Yと、第1のポインティングエリアに含まれる複数の第1の配線電極21x及び複数の第2の配線電極22yとが含まれない場合(ステップS308でYes)、エリア設定部65は、所定の複数の第1の配線電極21x及び所定の複数の第2の配線電極22yにより構成される第2のポインティングエリアを、第2のポインティングエリアとして確定する(ステップS309)。
一方、第2のポインティングエリアに座標情報C1(C1a、C1b)に含まれるX座標及びY座標に対応する第1の配線電極21x及び親指センサ電極22Yと、第1のポインティングエリアに含まれる複数の第1の配線電極21x及び複数の第2の配線電極22yとが含まれる場合(ステップS308でNo)、エリア設定部65は、第2のポインティングエリアに座標情報C1(C1a、C1b)に含まれるX座標及びY座標に対応する第1の配線電極21x及び親指センサ電極22Yと、第1のポインティングエリアに含まれる複数の第1の配線電極21x及び複数の第2の配線電極22yとが含まれないように、第2のポインティングエリアを再設定する(ステップS307)。
図20に示す例では、第2のポインティングエリアJは、第1のポインティングエリアDよりも狭く設定されている。具体的には、第2のポインティングエリアJの第2の配線電極22y(22y4、22y5)は2本であり、第2の配線電極22y(22y1、22y2、22y3)が3本である第1のポインティングエリアDよりもY軸方向にて狭く設定されている。これは、第2の配線電極22y4に隣接する第2の配線電極22y3は第1のポインティングエリアDに含まれるので、第2のポインティングエリアJから除外されているためである。また、第2の配線電極22y5に隣接する親指センサ電極22Yは座標情報C1(C1a、C1b)に含まれるY座標に対応する親指センサ電極22Yと一致するので、第2のポインティングエリアJから除外されているためである。なお、第1及び第2のポインティングエリアのサイズは一致させる必要は無い。例えば、本例のように、左手での入力操作が予想される第2のポインティングエリアJは、右手での入力操作が予想される第1のポインティングエリアDより狭くしてもよい。
図19に戻って、エリア設定部65は、ポインティングエリアを設定すると、レジスタを参照し、第1のポインティングエリア内の座標を含む座標情報(座標情報C3aとする。)が保持されているかを判定する(ステップS311)。言い換えれば、エリア設定部65は、第1のポインティングエリアを構成する所定の複数の第1の配線電極21xのいずれかと一致する第1の配線電極21xに対応するX座標と、所定の複数の第2の配線電極22yのいずれかと一致する第2の配線電極22yに対応するY座標をと含む座標情報C3aがレジスタに保持されているかを判定する。エリア設定部65は、座標情報C3aがレジスタに保持されていると判定すると、この座標情報C3aを、第1のポインティング入力部66aに供給する(ステップS311でYes)。
続いて、エリア設定部65は、レジスタを参照し、第2のポインティングエリア内の座標を含む座標情報(座標情報C3bとする。)が保持されているかを判定する(ステップS312)。言い換えれば、エリア設定部65は、第2のポインティングエリアを構成する所定の複数の第1の配線電極21xのいずれかと一致する第1の配線電極21xに対応するX座標と、所定の複数の第2の配線電極22yのいずれかと一致する第2の配線電極22yに対応するY座標をと含む座標情報C3bがレジスタに保持されているかを判定する。エリア設定部65は、座標情報C3bがレジスタに保持されていると判定すると、この座標情報C3bを、第2のポインティング入力部66bに供給する(ステップS312でYes)。
第1のポインティング入力部66aは、エリア設定部65から座標情報C3aを取得する。第1のポインティング入力部66aは、エリア設定部65から順次取得する座標情報C3aを、表示部40に表示された操作対象の互いに直交する2軸方向での動きとして処理して操作対象の動きに関する情報を生成し、生成した動きに関する情報をポインタ表示部67に供給する(ステップS313)。ポインタ表示部67は、第1のポインティング入力部66aから取得した操作対象の動きに関する情報をもとに制御信号を生成し、生成した制御信号を表示部40に供給する。
一方、第2のポインティング入力部66bは、エリア設定部65から座標情報C3bを取得する。第2のポインティング入力部66bは、エリア設定部65から順次取得する座標情報C3bを、表示部40に表示された操作対象の互いに直交する2軸方向での動きとして処理して操作対象の動きに関する情報を生成し、生成した動きに関する情報をポインタ表示部67に供給する(ステップS313)。ポインタ表示部67は、第2のポインティング入力部66bから取得した操作対象の動きに関する情報をもとに制御信号を生成し、生成した制御信号を表示部40に供給する。
ステップS313の後、又は上記各ステップの途中で、図20に示すユーザの右手及び左手の親指が親指センサ電極22Yから離れるとする。この場合、2軸方向情報検出部61は、親指センサ電極22Yに対応するY座標を含む座標情報C1(C1a、C1b)をレジスタに保持しなくなる。このため、親指検出部62は、座標情報C1が周期的に保持されていないと判定し(ステップS302でNo)、その判定結果を切替部63に供給する。そうすると、切替部63は、キーボード入力部68が2軸方向情報検出部61のレジスタを参照することができ、且つ、エリア設定部65が2軸方向情報検出部61のレジスタを参照することができないように回路を切り替えることで、キーボード入力部68のコード情報出力をオンとする(ステップS304)。
本実施形態では、第1及び第2のセンサシート21、22を有する入力装置10を有する情報処理装置3により2つのポインティングエリアを設定可能とした。しかしながら、第1及び第2のセンサシート21、122を有する入力装置10を有する情報処理装置2により2つのポインティングエリアを設定可能としてもよい。
本実施形態によれば、第1のポインティングエリアの第1の配線電極21x及び第2の配線電極22yと、第2のポインティングエリアの第1の配線電極21x及び第2の配線電極22yとが互いに重なり合わないように設定されている。これにより、クロストークを防止するとともに座標の検出を容易とすることができ、第1及び第2のポインティングエリアにおける検出対象の検出の精度を高めることができる。
<第4の実施形態>
以下に説明する第4の実施形態と上記第1の実施形態との違いは、第1のセンサシート21上の第1の配線電極21xの配線が異なる点である。
図21は、比較例としての第1の実施形態における第1及び第2の配線電極21x、22yの一部を示す模式図である。
同図において、第1の配線電極21x6及び親指センサ電極22Yの交点Kにユーザの親指が近接又は接触したとする。このとき、第1の配線電極21x6及び親指センサ電極22Yから最も近い位置に、X軸方向に3点且つY軸方向に3点の交点からなるポインティングエリアを設定したとすると、同図に示すポインティングエリアLのようになる。ここで、第1の配線電極21x6は、交点Kから第2の配線電極22y4との交点Mまで、Y軸方向に略一直線上に設けられている。このとき、第2の配線電極22y4上に位置するポインティングエリアLの中心点Nは、交点KからY軸に平行な直線Oからおよそ入力キー111二つ分離間している(矢印P)。
図22は、第4の実施形態における第1及び第2の配線電極21x、22yの一部を示す模式図である。
本実施形態の第1の配線電極21x6’は、交点K’から第2の配線電極22y4との交点M’まで、両端のY軸方向の各々の位置がずれるように入力キーの間を階段状に引き回される。同様に、第1の配線電極21x7’、21x8’、21x9’も、両端のY軸方向の各々の位置がずれるように入力キーの間を階段状に引き回される。この第1の配線電極21x6’及び親指センサ電極22Yの交点K’にユーザの親指が近接又は接触したとする。このとき、第1の配線電極21x6’及び親指センサ電極22Yから最も近い位置に、X軸方向に3点且つY軸方向に3点の交点からなるポインティングエリアを設定したとすると、同図に示すポインティングエリアL’のようになる。このとき、第2の配線電極22y4上に位置するポインティングエリアL’の中心点N’は、交点K’からY軸に平行な直線O’からおよそ入力キー111一つ分離間している(矢印P’)。
本実施形態によれば、第1の配線電極21xが両端のY軸方向の各々の位置がずれるように入力キーの間を階段状に引き回される。これにより、ユーザの片手の人差し指が近接又は接触するポインティングエリアを、親指が近接又は接触する位置から近接した位置に設定することができる。ユーザは入力操作時に指を大きく広げる必要が無く、操作性が向上する。
<変形例1>
第1の実施形態では、親指検出部32の検出結果をもとにポインティングエリアが設定された。変形例1は、このポインティングエリアが設定された後、ポインティングエリアに対する操作は、親指検出部32によって親指が検出された状態で行われた場合だけ、有効にする。また、変形例1は、親指検出部32によって親指が検出されない状態では、ポインティングエリアに対する操作に限定されずに、第1の配線電極21x及び第2の配線電極22yが設けられた全体の領域において座標検出を可能にする。また、この全体の領域において座標検出においては、検出の感度がポインティングエリアのそれよりも高くなるように切り替えられる。これにより、例えば、手を近づけることによるモニターオンの指示の入力、手を空中で左から右あるいは右から左へあおることでディスプレイ上の本のページめくり等の操作入力を実現できる。
<変形例2>
第3の実施形態において、第2のポインティングエリアは、親指センサ電極22Yに対応するY座標を含む座標情報C1に含まれるX座標及びY座標に対応する第1の配線電極21x及び親指センサ電極22Yと、第1のポインティングエリアに含まれる複数の第1の配線電極21x及び複数の第2の配線電極22yとが含まれないように設定される必要がある。
変形例2は、このような制約のうち後者の制約を排除することができるものである。
図23は、変形例3の第2のセンサシート122Aの構成を示す平面図である。この第2のセンサシート122Aにおいて、第2の配線電極22y群は、入力装置10のX軸方向における略中間の位置で互いに隣接する2本の第1の配線電極21xの間の領域で左右に分断され、それぞれ独立して検出を行うことが可能とされている。右側の第2の配線電極22y群には、列L1〜L5にそれぞれ対応するY座標の値が割り当てられ、左側の第2の配線電極22y群には、列L1〜L5のY座標の値の後に続く列L6〜L10のY座標の値がそれぞれ割り当てられている。このようにすることによって、例えば図24に示すように、第1のポインティングエリアDと第2のポインティングエリアJを、見かけ上Y軸方向において同じ領域に設定することが可能になる。
<変形例3>
さらに、本発明は、複数の入力キーが設けられた領域を有するキーボード部と、前記キーボード部の前記領域に対応して設けられ、検出対象が接触または近接された前記領域上の座標を検出する検出部と、前記検出部にて前記検出対象が検出された座標を基準に、前記検出部にて検出された座標情報を入力するための座標入力領域を設定する設定部とを具備する情報処理装置として構成してもよい。
例えば、次のような構成とすることができる。
1.親指の位置を検出したら、自動的にその親指の位置に対して奥側の近傍に座標入力領域を設定する。これにより、キーボードを見ないでも親指を下側に置いた まま自然な位置の人差し指でポインティング操作をすることができる。検出部は、上記の各実施形態のように隣り合う入力キーどうしの間に静電容量方式の配線電極を設けたセンサ以外に、隣り合う入力キーどうしの間に抵抗膜方式の配線電極を設けたセンサを利用することが可能である。さらには、個々のキー毎に、指の近接を検出する静電容量方式等のセンサを設けてもよい。
また、隣り合う入力キーどうしの間に配線電極を設けるのではなく、入力キーの下方に配線電極を設ける面が存在すれば、この面も配線電極を設ける面として利用することが可能である。これにより、配線電極を格子状あるいはこれに近い形状で直線状に設けることができる。この際、キートップの厚みが配線の静電容量に影響する場合には、キートップの厚みを小さくするなどの調整をすればよい。