JP2012172960A - 乾燥装置および熱処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】熱風消費量の増大を抑制しつつ、塗布膜を効率良く乾燥させることができる乾燥装置および該乾燥装置を組み込んだ熱処理システムを提供する。
【解決手段】塗布処理によって塗布膜が形成された基材5が予熱部20から乾燥部40へと搬送されて乾燥される。予熱部20は、塗布直後の塗布膜が形成されている基材5の上方から直接熱風を吹き付けるのではなく、赤外線放射および下方からの間接的な熱風吹き付けによって塗布膜を予熱している。乾燥部40は、予熱後の基材5に対して上下の双方から直接熱風を吹き付けることによって溶剤の蒸発を促進している。また、予熱部20にて3つの通気ボックス25を順次に通過した熱風を導風管35によって乾燥部40の上側熱風噴出部45に導き、予熱部20にてセラミックプレートを加熱するのに使用された熱風を乾燥部40にて再利用している。
【選択図】図2

Description

本発明は、基材の上に形成された化学電池材料などの塗布膜の乾燥装置、および、該乾燥装置を組み込んだ熱処理システムに関する。
従来より、リチウムイオン電池などの化学電池の製造においては、基材としての金属箔の上に比較的高粘度の電極材料の塗布膜を形成し、その塗布膜の乾燥処理が行われている。このような化学電池の製造において基材の上に形成する塗布膜の膜厚は、半導体デバイスなどの製造において基板上に形成するレジスト膜と比較して顕著に厚い。これ以外にも、電子材料の絶縁膜や保護膜などの塗布膜の膜厚も比較的厚いものである。
かかる厚い塗布膜を高温に加熱して急速に乾燥させると、塗布膜の表層のみが乾燥して内部は十分に乾燥していないという問題が生じる。また、急速に乾燥させた結果として最悪の場合、塗布膜に亀裂が発生することもある。このため、特許文献1には、乾燥処理の初期の段階では3m/秒以下の弱風を吹き付けて塗布膜を乾燥させることにより亀裂の発生を防止する技術が開示されている。また、特許文献2には、塗布膜を形成した基板の下方から熱風を吹き付けて加熱しつつ、上方から冷風を吹き付けることによって均一な乾燥処理を行う技術が開示されている。
特開平8−111222号公報 特開2009−81182号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術では塗布膜に吹き付ける風速を抑制しているために加熱効率が低い。また、特許文献2に開示される技術でも上方から冷風を吹き付けているために加熱効率が低い。このため、塗布膜を完全に乾燥させるのに要する時間が長くなるとともに、熱風の消費量も増大するという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、熱風消費量の増大を抑制しつつ、塗布膜を効率良く乾燥させることができる乾燥装置および該乾燥装置を組み込んだ熱処理システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基材の上に形成された塗布膜の乾燥処理を行う乾燥装置において、前記塗布膜の予熱を行う予熱部と、前記塗布膜を加熱して溶剤を蒸発させる乾燥部と、前記予熱部から前記乾燥部に向けて基材を搬送する搬送手段と、を備え、前記予熱部は、前記搬送手段によって基材が搬送される搬送経路の下側に設けられ、基材の下方より熱風を吹き付ける第1熱風噴出部と、前記搬送経路の上側に設けられ、気体が通過可能な通気部を備えた通気ボックスと、前記通気部に熱風を送給して前記通気ボックスを加熱する熱風送給手段と、を備え、前記乾燥部は、前記搬送経路の下側に設けられ、基材の下方より熱風を吹き付ける第2熱風噴出部と、前記搬送経路の上側に設けられ、基材の上方より熱風を吹き付ける第3熱風噴出部と、を備え、前記熱風送給手段から送給されて前記通気部を通過した熱風を前記第3熱風噴出部に導く導風部を備えるとともに、前記第3熱風噴出部は前記通気部から排出された熱風を基材に吹き付けることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る乾燥装置において、前記通気ボックスの下面に、加熱されることによって赤外線を放射するセラミックプレートを備えることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る乾燥装置において、前記熱風送給手段が前記通気部に送給する熱風の温度は前記第1熱風噴出部が基材に吹き付ける熱風の温度よりも高温であることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかの発明に係る乾燥装置において、前記第3熱風噴出部は、前記搬送経路と平行に設けられた整流板と、前記導出部から導かれた熱風を前記整流板の一部から基材に向けて噴出する噴出ヘッドと、を備えることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項4の発明に係る乾燥装置において、前記整流板の下面に、加熱されることによって赤外線を放射するセラミックプレートを備えることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項4または請求項5の発明に係る乾燥装置において、前記噴出ヘッドと前記第2熱風噴出部とが相対向して配置されることを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項1から請求項6のいずれかの発明に係る乾燥装置において、前記通気部から前記導風部を経て前記第3熱風噴出部に導かれる熱風を温調する温調手段をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項8の発明は、請求項1から請求項7のいずれかの発明に係る乾燥装置において、前記搬送手段は、加熱されたローラを含むことを特徴とする。
また、請求項9の発明は、請求項1から請求項8のいずれかの発明に係る乾燥装置において、前記第2熱風噴出部および前記第3熱風噴出部が吹き付ける熱風の温度よりも高温の熱風を基材に吹き付けるアニール部をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項10の発明は、熱処理システムであって、基材の上に塗布液を塗布して塗布膜を形成する塗布処理部と、請求項1から請求項9のいずれかの発明に係る乾燥装置と、乾燥処理後の基材を冷却する冷却部と、を備えることを特徴とする。
請求項1から請求項10の発明によれば、予熱部にて塗布膜に直接熱風を吹き付けることなく予熱を行った後、乾燥部にて塗布膜に上下双方から熱風を吹き付けるため、塗布膜の急速な乾燥に起因した不具合を抑制しつつも、塗布膜を効率良く乾燥させることができる。また、熱風送給手段から送給されて通気部を通過した熱風を第3熱風噴出部に導く導風部を備えるとともに、第3熱風噴出部は通気部から排出された熱風を基材に吹き付けるため、通気部を通過した熱風を乾燥部で再利用することとなり、熱風消費量の増大を抑制することができる。
特に、請求項2の発明によれば、通気ボックスの下面に、加熱されることによって赤外線を放射するセラミックプレートを備えるため、予熱部にて塗布膜の内部から均一に加熱することができる。
特に、請求項4の発明によれば、第3熱風噴出部が、搬送経路と平行に設けられた整流板と、導出部から導かれた熱風を整流板の一部から基材に向けて噴出する噴出ヘッドと、を備えるため、整流板と基材との間を熱風が流れることとなり、基材の上に形成された塗布膜を効率良く乾燥させることができる。
特に、請求項5の発明によれば、整流板の下面に、加熱されることによって赤外線を放射するセラミックプレートを備えるため、乾燥部にて塗布膜の内部から均一に加熱することができる。
特に、請求項6の発明によれば、噴出ヘッドと第2熱風噴出部とが相対向して配置されるため、基材の上下面の同じ位置に上下から風圧が作用することとなり、基材の搬送を安定させることができる。
特に、請求項7の発明によれば、通気部から導風部を経て第3熱風噴出部に導かれる熱風を温調する温調手段を備えるため、第3熱風噴出部から基材に吹き付ける熱風の温度を調節することができる。
特に、請求項8の発明によれば、搬送手段が加熱されたローラを含むため、予熱部および乾燥部における塗布膜の加熱を補助することができる。
本発明に係る乾燥装置を組み込んだ熱処理システムの全体構成を示す図である。 予熱部および乾燥部の構成を示す図である。 予熱部の構成を示す図である。 予熱部の構成を示す図である。 乾燥部の構成を示す図である。 乾燥部の構成を示す図である。 上側熱風噴出部の斜視図である。 上側熱風噴出部の縦断面図である。 アニール部の構成を示す図である。 冷却部の構成を示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る乾燥装置を組み込んだ熱処理システム1の全体構成を示す図である。なお、図1および以降の各図にはそれらの方向関係を明確にするためZ軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系を適宜付している。また、図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。
この熱処理システム1は、基材としての金属箔の上に電極材料である活物質の塗布膜を形成し、その塗布膜の乾燥処理を行ってリチウムイオン二次電池の電極製造を行う装置である。熱処理システム1は、塗布処理部10、予熱部20、乾燥部40、アニール部60、冷却部70および搬送機構80を備える。また、熱処理システム1は、塗布処理部10に電極材料の塗布液を送給するポンプユニット15および電源等を収納する電装ボックス9を備える。
基材5は、リチウムイオン二次電池の集電体として機能する金属箔である。熱処理システム1にてリチウムイオン二次電池の正極を製造する場合には、基材5として例えばアルミニウム箔(Al)を用いることができる。また、熱処理システム1にて負極を製造する場合には、基材5として例えば銅箔(Cu)を用いることができる。基材5は長尺のシート状の金属箔であり、その幅および厚さについては特に限定されるものではないが、例えば幅600mm〜700mm、厚さ10μm〜20μmとすることができる。
長尺の基材5は、巻き出しローラ81から送り出されて巻き取りローラ82によって巻き取られることにより、塗布処理部10、予熱部20、乾燥部40、アニール部60、冷却部70の順に搬送される。搬送機構80は、これら巻き出しローラ81および巻き取りローラ82と複数の補助ローラ83a〜83eとを備えて構成される。なお、補助ローラ83a〜83eの個数および配置については、図1の例に限定されるものではなく、必要に応じて適宜に増減することができる。
塗布処理部10は、塗布ノズル11およびバックアップローラ12を備える。バックアップローラ12に押圧支持された状態で走行する基材5の表面に塗布ノズル11から電極材料である活物質の溶液を塗布する。熱処理システム1にて正極を製造する場合には、塗布ノズル11から正極材料として、例えば正極活物質であるコバルト酸リチウム(LiCoO2)、導電助剤であるカーボン(C)、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVDF)、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)の混合液を基材5に塗布する。コバルト酸リチウムに代えて、正極活物質としてニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMn24)、燐酸鉄リチウム(LiFePO4)などを用いることもできる。
一方、熱処理システム1にて負極を製造する場合には、塗布ノズル11から負極材料として、例えば負極活物質である黒鉛(グラファイト)、結着剤であるPVDF、溶剤であるNMPの混合液を基材5に塗布する。黒鉛に代えて、負極活物質としてハードカーボン、チタン酸リチウム(Li4Ti512)、シリコン合金、スズ合金などを用いることもできる。また、正極材料および負極材料の双方において、結着剤としてPVDFに代えてスチレン−ブタジエンゴム(SBR)などを使用することができ、溶剤としてNMPに代えて水(H2O)などを使用することができる。さらに、結着剤としてSBR、溶剤として水を用いる場合には、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を併用することもできる。
塗布ノズル11としては、基材5の幅方向に沿ってスリット状の吐出口を設けたスリットノズルを用いることができる。塗布ノズル11は、ポンプユニット15から送給された電極材料の塗布液を吐出口から吐出して走行する基材5に塗布し、基材5の表面に電極材料の塗布膜を形成する。塗布処理部10において基材5の表面に形成される電極材料の塗布膜の厚さは数百ミクロンであり、基材5の厚さの10倍以上である。このような比較的厚い塗布膜を形成したとしても、電極材料は1Pa・s(パスカル秒)以上の粘度を有する高粘度のスラリーであるため、直ちに液ダレ等が生じることは無い。塗布処理部10にて電極材料の塗布膜が形成された基材5は搬送機構80によって予熱部20、乾燥部40、アニール部60、冷却部70に順に搬送されて塗布膜の乾燥処理が行われる。
本実施形態の熱処理システム1には、基材5の上に形成された電極材料の塗布膜を加熱する3つのゾーンが設けられている。上流から順に第1の加熱ゾーンである予熱部20は、基材5の上に形成された塗布膜を緩やかに昇温させる予熱を行う。また、第2の加熱ゾーンである乾燥部40は、主たる乾燥処理を行う処理部であり、予熱部20にて予熱された塗布膜を加熱して溶剤を蒸発させる。さらに、アニール部60は、塗布膜をより高温に加熱し、塗布膜に残留している溶剤を除去するとともに、乾燥部40での乾燥処理で塗布膜中に発生した歪みおよび残留応力を除去する。
図2は予熱部20および乾燥部40の構成を示す図である。また、図3および図4は予熱部20の構成を示す図である。図4は、図3のA−A断面から見た図である。予熱部20は、両端に開口が形成された筐体21の内側に通気ボックス25および熱風噴出部31(第1熱風噴出部)を備える。また、予熱部20は、通気ボックス25に熱風を送給する熱風送風部27および熱風噴出部31に熱風を送給する熱風送風部33を備える。
筐体21は、搬送機構80によって基材5が搬送される搬送経路PLを囲むように設けられている。筐体21の両端には、基材5が通過するための開口が形成されている。筐体21の内側において、搬送経路PLの下側には、複数の熱風噴出部31(本実施形態では6個)が基材5の搬送方向(X方向)に沿って設けられる。また、筐体21の内側において、搬送経路PLの上側には、複数の通気ボックス25(本実施形態では3個)が基材5の搬送方向に沿って設けられる。予熱部20の筐体21の長さ(炉長)は特に限定されるものではないが、本実施形態では約1000mmとしている。
各熱風噴出部31は、図示を省略する複数の噴出孔を上側に向けて備えている。熱風噴出部31は、配管32を介して熱風送風部33と連通接続されている。熱風送風部33は、ヒータおよび送風機を備えており、加熱した空気を熱風として熱風噴出部31に送給する。複数の熱風噴出部31は、熱風送風部33から送給された熱風を噴出孔から上側の搬送経路PLに向けて噴出する。
各通気ボックス25は中空の箱であり、その中空部分が気体が通過可能な通気部23とされている。通気ボックス25は耐熱性に優れた金属材料(例えば、ステンレススチール)にて形成されている。本実施形態では、3個の通気ボックス25が基材5の搬送方向に沿って直列に接続されている。すなわち、基材5の搬送方向に沿って最も上流側(図2,3で最も左側)の通気ボックス25と中央の通気ボックス25とが連結管28で接続され、同様に中央の通気ボックス25と最も下流側の通気ボックス25とが連結管28で接続されている。このため、3つの通気ボックス25の通気部23は連結管28を介して互いに連通接続されている。
また、最も上流側の通気ボックス25は、送風配管29を介して熱風送風部27と連通接続されている。熱風送風部27は、ヒータおよび送風機を備えており、ヒータにて加熱した空気を送風機によって熱風として送風配管29に送り出す。送風配管29に送り出された熱風は最も上流側の通気ボックス25の通気部23に流入し、次いで1番目の連結管28を通過して中央の通気ボックス25の通気部23に流入し、さらに2番目の連結管28を通過して最も下流側の通気ボックス25の通気部23に流入する(図3)。熱風送風部27が各通気ボックス25の通気部23に熱風を流すことによって、その通気ボックス25が加熱される。最も下流側の通気ボックス25の通気部23に流入した熱風は、導風管35に送り出されて乾燥部40の上側熱風噴出部45に供給されることとなるが、これについてはさらに後述する。
3個の通気ボックス25のそれぞれの下面には、加熱されることによって赤外線を放射するセラミックプレート24が設けられている。セラミックプレート24は、通気ボックス25の下面の全面にセラミック溶射を行うことによって形成すれば良い。セラミックプレート24を構成するセラミック材料としては、アルミナ系、チタニア系、ジルコニア系等の加熱されることによって赤外線を放射するもの、または、これらの混合物を用いることができる。このようなセラミック材料にて構成されたセラミックプレート24は、加熱されて昇温することによって遠赤外線を放射する。なお、通気ボックス25の下面およびセラミックプレート24には気体の噴出孔等は設けられていないため、通気部23に流入した熱風が通気ボックス25の下面から噴出されることはない。
塗布処理部10にて電極材料の塗布膜が形成された基材5は、搬送機構80によって搬送経路PLに沿って予熱部20に搬送される。図2および図3の(−X)側から(+X)側に向けて基材5が予熱部20を通過する際に、基材5の上に形成された塗布膜は熱風噴出部31からの熱風噴出およびセラミックプレート24からの赤外線放射によって加熱される。すなわち、熱風送風部33から熱風が送給された熱風噴出部31が基材5の下方より熱風を吹き付けることによって、直接的には基材5が加熱され、その基材5からの熱伝導によって電極材料の塗布膜が加熱される。また、熱風送風部27から送給された熱風が3個の通気ボックス25の通気部23に流れることによって、各通気ボックス25の下面に設けられたセラミックプレート24が加熱され、そのセラミックプレート24から基材5の上に形成された塗布膜に向けて赤外線が放射される。そして、電極材料の塗布膜は、セラミックプレート24からの赤外線放射を受けることによって(つまり、熱放射によって)も加熱される。
このような熱風噴出部31からの熱風噴出およびセラミックプレート24からの赤外線放射によって上下から加熱されることにより、基材5の上に形成された電極材料の塗布膜が予熱される。本実施形態においては、塗布直後のスラリー状の塗布膜が形成されている基材5の上方からは直接熱風を吹き付けるのではなく、赤外線放射によって加熱している。このため、塗布膜が急速に乾燥されることはなく、塗布膜の表層のみが乾燥して内部は十分に乾燥していないという不具合を防止することができる。また、急速な乾燥に起因した塗布膜の亀裂も防止することができる。さらに、加熱されたセラミックプレート24から放射される赤外線は比較的波長の長い遠赤外線であるため、膜厚の厚い塗布膜であっても表層だけでなく内部から均一に加熱することができる。その結果、塗布膜の表層のみが乾燥されるのをより確実に防止することができる。
熱風噴出部31が基材5の下方より吹き付ける熱風の温度は塗布膜の材料に依存するものの50℃〜300℃程度である。一方、熱風送風部27が最も上流側の通気ボックス25の通気部23に送給する熱風の温度は少なくとも熱風噴出部31が基材5に吹き付ける熱風の温度よりも高温である。このようにしているのは、通気ボックス25から排出された熱風を乾燥部40にて再利用するためである。また、通気ボックス25により高温の熱風を供給した方が赤外線放射による塗布膜の加熱効率も高まる。
また、熱風噴出部31が基材5の下方より上方に向けて熱風を吹き付けることにより、塗布膜を間接加熱するとともに、熱風の風圧によって基材5に上向きに浮上する力が作用する。これにより、予熱部20に固有のローラを設けなくとも、補助ローラ83aと補助ローラ83bとの間で基材5が撓むことなく、搬送系路PLに沿って(−X)側から(+X)側に向けて搬送される。すなわち、熱風噴出部31は、熱風を吹き付けることによって基材5の上に形成された塗布膜を加熱することを主たる役割とするものであるが、基材5を浮上搬送させるという搬送機構80の補助的役割も果たすこととなる。
次に、図5および図6は乾燥部40の構成を示す図である。図6は、図5のB−B断面から見た図である。乾燥部40は、両端に開口が形成された筐体41の内側に下側熱風噴出部51(第2熱風噴出部)、上側熱風噴出部45(第3熱風噴出部)および排気ボックス56を備える。また、図2に示すように、乾燥部40は、下側熱風噴出部51に熱風を送給する熱風送風部53および排気ボックス56に負圧を与える排気部57を備える。
筐体41は、搬送機構80によって基材5が搬送される搬送経路PLを囲むように設けられている。筐体41の両端には、基材5が通過するための開口が形成されている。筐体41の内側において、搬送経路PLの下側には、複数の下側熱風噴出部51(本実施形態では5個)が基材5の搬送方向(X方向)に沿って設けられる。また、筐体41の内側において、搬送経路PLの上側には、複数の上側熱風噴出部45(本実施形態では5個)と複数の排気ボックス56(本実施形態では6個)とが基材5の搬送方向に沿って交互に設けられる。乾燥部40の筐体41の長さは特に限定されるものではないが、本実施形態では約3000mmとしている。
搬送経路PLの下側に設けられた5個の下側熱風噴出部51のそれぞれは、予熱部20の熱風噴出部31と同様に、図示を省略する複数の噴出孔を上側に向けて備えている。下側熱風噴出部51は、配管52を介して熱風送風部53と連通接続されている。熱風送風部53は、ヒータおよび送風機を備えており、加熱した空気を熱風として下側熱風噴出部51に送給する。複数の下側熱風噴出部51は、熱風送風部53から送給された熱風を噴出孔から上側の搬送経路PLに向けて噴出する。
乾燥部40では、搬送経路PLの上側に、基材5上の塗布膜に直接熱風を吹き付ける上側熱風噴出部45を設けている。図7は、上側熱風噴出部45の斜視図である。また、図8は、上側熱風噴出部45の縦断面図である。各上側熱風噴出部45は、整流板43および噴出ヘッド46を備えて構成されている。整流板43は、搬送経路PLと平行になるように設けられた板状部材である。整流板43は、搬送経路PLと実質的に平行であれば良い。また、図8に示すように、整流板43には噴出孔44が穿設されている。噴出孔44は、基材5の幅方向に沿って延びる1本のスリット孔であっても良いし、当該幅方向に沿って複数に分割された孔であっても良い。噴出孔44は、基材5の搬送方向における整流板43の中央に設けられる。
噴出ヘッド46は、その内部の空間が噴出孔44と連通するように整流板43に連結されている。噴出ヘッド46は、熱風供給ポート47から供給された熱風を整流板43の噴出孔44から搬送経路PLの基材5に向けて噴出する。すなわち、噴出ヘッド46は整流板43の一部から基材5に向けて熱風を噴出する。噴出ヘッド46の内部空間には、2枚の仕切り板48a,48bおよびパンチングプレート49が設けられている。これら2枚の仕切り板48a,48bの間が熱風の流路となる。このような2枚の仕切り板48a,48bおよびパンチングプレート49を設けることによって、熱風供給ポート47から供給された熱風が噴出ヘッド46の内部空間で均一に拡がり、基材5の幅方向の全体にわたって噴出孔44から均一に熱風が噴出される。
上側の仕切り板48aよりもさらに上側にて噴出ヘッド46に接続された熱風供給ポート47は導風管35に連結されている。すなわち、図2に示すように、導風管35の基端側は基材5の搬送方向に沿って最も下流側の通気ボックス25に連通接続されるとともに、先端側は5つに分岐されてそれぞれが上側熱風噴出部45の噴出ヘッド46に連通接続されている。これにより、熱風送風部27から送風配管29に送り出された熱風は3つの通気ボックス25の通気部23を通過した後、導風管35によって5個の上側熱風噴出部45に導かれることとなる。そして、導風管35によって上側熱風噴出部45に導かれた熱風は、噴出ヘッド46の内部空間を通過して整流板43の噴出孔44から基材5上の塗布膜に向けて噴出される。
また、図5に示すように、上側熱風噴出部45の噴出ヘッド46と下側熱風噴出部51とは搬送経路PLを挟んで相対向して配置されている。すなわち、5個の上側熱風噴出部45に1対1で対応して下側熱風噴出部51が設けられており、各上側熱風噴出部45の噴出ヘッド46の直下に下側熱風噴出部51が配置される。これにより、基材5の上下面の同じ位置に下側熱風噴出部51および上側熱風噴出部45から熱風が吹き付けられることとなる。
各上側熱風噴出部45の整流板43の下面には、加熱されることによって赤外線を放射するセラミックプレート54が設けられている。このセラミックプレート54は、通気ボックス25の下面に設けられたセラミックプレート24と同様のものである。すなわち、セラミックプレート54を構成するセラミック材料としては、アルミナ系、チタニア系、ジルコニア系等の加熱されることによって赤外線を放射するもの、または、これらの混合物を用いることができる。そして、これらの材料を用いて整流板43の下面にセラミック溶射を行うことによりセラミックプレート54が形成される。なお、整流板43の下面のうち、噴出孔44にはセラミック溶射を行わずに開放しておくことは勿論である。
また、図6および図7に示すように、基材5の幅方向(Y方向)における整流板43の両端には拡散防止板50が設けられている。拡散防止板50は、断面L字形状の長尺部材であり、そのL字の先端はセラミックプレート54よりも下方にまで延びている。整流板43の両横に拡散防止板50を設けることにより、噴出孔44から噴出された熱風が基材5の幅方向から漏れ出るのを阻害して搬送方向に沿って流れるように導くことができる。なお、図5および図8では、図示の便宜上、拡散防止板50の記載を省略している。
基材5の搬送方向(X方向)に沿って隣り合って配置された上側熱風噴出部45の間には排気ボックス56が設けられている。また、排気ボックス56は、上側熱風噴出部45の配列の両端にも設けられている。すなわち、5個の上側熱風噴出部45に対して6個の排気ボックス56が設けられている。各排気ボックス56は、基材5の幅方向に沿って延びる吸引口(図示省略)を下端に備えている。また、排気ボックス56の上部に接続された排気ポート59(図6)は排気管58を介して排気部57と連通接続されている(図2)。排気部57は、吸引用のブロワーを備えており、排気管58を介して排気ボックス56に負圧を付与する。これにより、排気ボックス56は、下端の吸引口周辺の雰囲気を吸引して排気管58へと排出する。
また、図2に示すように、基材5の搬送方向に沿って最も下流側の通気ボックス25の通気部23から導風管35を経て上側熱風噴出部45に導かれる熱風を温調する温調部90を設けている。本実施形態の温調部90は、導風管35から分岐された配管94に送風部91、温調ユニット92およびバルブ93を備えて構成される。送風部91から配管94に送り出された常温の空気は温調ユニット92によって所定温度に温調(加熱または冷却)される。そして、バルブ93が開放されていると、温調済みの空気が配管94から導風管35に流れ込む。その結果、通気ボックス25の通気部23から上側熱風噴出部45に導かれる熱風が温調される。バルブ93が閉止されることによって、熱風の温調は停止される。
予熱部20にて電極材料の塗布膜が予熱された基材5は、搬送機構80によって搬送経路PLに沿って予熱部20から乾燥部40に向けて搬送される。図2および図3の(−X)側から(+X)側に向けて基材5が乾燥部40を通過する際に、予熱部20で暖められた塗布膜は上側熱風噴出部45および下側熱風噴出部51からの熱風噴出によって加熱される。すなわち、熱風送風部53から熱風が送給された下側熱風噴出部51が基材5の下方より熱風を吹き付けることによって、直接的には基材5が加熱され、その基材5からの熱伝導によって電極材料の塗布膜が加熱される。また、予熱部20の通気ボックス25から導風管35を経て導かれた熱風が上側熱風噴出部45から基材5の上方より吹き付けられることによって、塗布膜が熱風により直接加熱される。
図5および図8に示すように、上側熱風噴出部45の噴出ヘッド46から基材5の上面に吹き付けられた熱風は、搬送経路PLと平行に設けられた整流板43と基材5との間を基材5の搬送方向(X方向)に沿って流れ、上側熱風噴出部45の両隣に設けられた排気ボックス56に回収される。整流板43と基材5との間を熱風が流れるため、基材5の上に形成された塗布膜は湿度の少ない熱風と接触し続けることとなり、効率良く塗布膜を加熱乾燥することができる。また、熱風の温度低下を最小限に抑制することができる。さらに、整流板43の両端に設けられた拡散防止板50によって噴出ヘッド46から噴出された熱風が基材5の幅方向から漏れ出るのを防止しているため、熱風の利用効率を向上させることができる。
また、整流板43と基材5との間を熱風が流れる際に、整流板43の下面に設けられたセラミックプレート54も加熱されることとなる。その結果、加熱されたセラミックプレート54から基材5の上に形成された塗布膜に向けて赤外線が放射され、それによっても塗布膜が加熱される。
このような上側熱風噴出部45および下側熱風噴出部51からの熱風噴出、さらにはセラミックプレート54からの赤外線放射によって基材5の上に形成された電極材料の塗布膜が上下から加熱されることにより、塗布膜から溶剤が蒸発して乾燥処理が進行する。乾燥部40においては、塗布膜に直接熱風を吹き付けることとなるが、既に予熱部20にて予熱後の塗布膜に熱風を吹き付けているため、塗布膜の急速な乾燥に起因した亀裂等の不具合が生じるおそれはない。むしろ、予熱部20にて予熱された塗布膜に乾燥部40で直接熱風を吹き付けることにより、溶剤の蒸発を促進して塗布膜を効率良く乾燥させることができる。
また、下側熱風噴出部51が基材5の下方より上方に向けて熱風を吹き付けることにより、塗布膜を間接加熱するとともに、熱風の風圧によって基材5に上向きに浮上する力が作用する。これにより、予熱部20におけるのと同様に、乾燥部40に固有のローラを設けなくとも、補助ローラ83bと補助ローラ83cとの間で基材5が撓むことなく、搬送系路PLに沿って(−X)側から(+X)側に向けて搬送される。すなわち、下側熱風噴出部51は、基材5を浮上搬送させるという搬送機構80の補助的役割も果たすこととなる。
また、上側熱風噴出部45の噴出ヘッド46と下側熱風噴出部51とが搬送経路PLを挟んで相対向して配置されているため、下側熱風噴出部51から基材5の下面に熱風が吹き付けられる位置の反対面側(上面側)に上側熱風噴出部45から熱風が吹き付けられる。このため、基材5の上下面の同じ位置に上下から風圧が作用することとなり、基材5の搬送を安定させることができる。
ところで、本実施形態においては、予熱部20にて3つの通気ボックス25を通過した熱風を導風管35によって乾燥部40の上側熱風噴出部45に導いている。そして、上側熱風噴出部45は通気ボックス25の通気部23から排出された熱風を基材5に吹き付けている。すなわち、予熱部20にてセラミックプレート24を加熱して赤外線を放射させるのに使用された熱風を乾燥部40にて基材5の塗布膜に直接吹き付けることによって、熱風を再利用しているのである。このため、予熱部20および乾燥部40におけるトータルとしての熱風消費量の増大を抑制することができる。
3つの通気ボックス25を通過してから導風管35を流れる過程で熱風の温度低下は避けられない。このため、熱風送風部27が最も上流側の通気ボックス25の通気部23に送給する熱風の温度を熱風噴出部31が基材5に吹き付ける熱風の温度よりも高温としているのである。具体的には、導風管35に導かれて上側熱風噴出部45から基材5に吹き付けられる熱風の温度が下側熱風噴出部51から基材5に吹き付けられる熱風の温度と同程度となるような温度の熱風を熱風送風部27が送給すれば良い。なお、下側熱風噴出部51が基材5に吹き付ける熱風の温度は、熱風噴出部31が基材5に吹き付ける熱風の温度と同じ50℃〜300℃程度である(塗布膜の材料に依存する)。
上側熱風噴出部45から基材5に吹き付けられる熱風の温度を昇温または降温させる場合には、温調部90によって通気ボックス25の通気部23から上側熱風噴出部45に導かれる熱風を温調すれば良い。上側熱風噴出部45から吹き付けられる熱風の温度を昇温させる場合には、バルブ93を開放するとともに、送風部91から配管94に送り出す空気を温調ユニット92によって加熱する。逆に、上側熱風噴出部45から吹き付けられる熱風の温度を降温させる場合には、送風部91から配管94に送り出す空気を温調ユニット92によって冷却する。熱風送風部27から送給する熱風の温度調整のみでは上側熱風噴出部45から吹き付けられる熱風の温度を十分に制御できないときに、温調部90による熱風温調を行うようにすれば良い。
次に、図9はアニール部60の構成を示す図である。アニール部60は、両端に開口が形成された筐体64の内側に下側熱風噴出部61、上側熱風噴出部65および排気ボックス66を備える。また、アニール部60は、下側熱風噴出部61に熱風を送給する熱風送風部63および上側熱風噴出部65に熱風を送給する熱風送風部68を備える。
筐体64は、搬送機構80によって基材5が搬送される搬送経路PLを囲むように設けられている。筐体64の両端には、基材5が通過するための開口が形成されている。筐体64の内側において、搬送経路PLの下側には、複数の下側熱風噴出部61(本実施形態では3個)が基材5の搬送方向(X方向)に沿って設けられる。また、筐体64の内側において、搬送経路PLの上側には、複数の上側熱風噴出部65(本実施形態では3個)と複数の排気ボックス66(本実施形態では4個)とが基材5の搬送方向に沿って交互に設けられる。アニール部60の筐体64の長さは特に限定されるものではないが、本実施形態では約2000mmとしている。
搬送経路PLの下側に設けられた3個の下側熱風噴出部61のそれぞれは、乾燥部400の下側熱風噴出部51と同様に、図示を省略する複数の噴出孔を上側に向けて備えている。下側熱風噴出部61は、配管62を介して熱風送風部63と連通接続されている。熱風送風部63は、ヒータおよび送風機を備えており、加熱した空気を熱風として下側熱風噴出部61に送給する。複数の下側熱風噴出部61は、熱風送風部63から送給された熱風を噴出孔から上側の搬送経路PLに向けて噴出する。
搬送経路PLの上側に設けられた3個の上側熱風噴出部65のそれぞれは、乾燥部40の上側熱風噴出部45と同様のものである。すなわち、各上側熱風噴出部65は、搬送経路PLと平行な整流板に噴出ヘッドを連結して構成されている。また、各上側熱風噴出部65の整流板の下面には、加熱されることによって赤外線を放射するセラミックプレートが設けられている。但し、アニール部60においては、上側熱風噴出部65が配管67を介して熱風送風部68と連通接続されている。熱風送風部68は、ヒータおよび送風機を備えており、加熱した空気を熱風として上側熱風噴出部65に送給する。複数の上側熱風噴出部65は、熱風送風部68から送給された熱風を下側の搬送経路PLに向けて噴出する。
また、乾燥部40と同様に、上側熱風噴出部65と下側熱風噴出部61とが搬送経路PLを挟んで相対向して配置されている。これにより、基材5の上下面の同じ位置に上下から風圧が作用することとなり、アニール部60における基材5の搬送を安定させることができる。
基材5の搬送方向(X方向)に沿って隣り合って配置された上側熱風噴出部65の間に排気ボックス66が設けられている。また、排気ボックス66は、上側熱風噴出部65の配列の両端にも設けられている。すなわち、3個の上側熱風噴出部65に対して4個の排気ボックス66が設けられている。各排気ボックス66は、乾燥部40の排気ボックス56と同様のものである。
乾燥部40にて電極材料の塗布膜の乾燥処理が行われた基材5は、搬送機構80によって搬送経路PLに沿って乾燥部40からアニール部60に向けて搬送される。基材5がアニール部60を通過する際に、塗布膜は上側熱風噴出部65および下側熱風噴出部61からの熱風噴出によってさらに加熱される。すなわち、熱風送風部63から熱風が送給された下側熱風噴出部61が基材5の下方より熱風を吹き付けることによって、直接的には基材5が加熱され、その基材5からの熱伝導によって電極材料の塗布膜が加熱される。また、熱風送風部68から熱風が送給された上側熱風噴出部65が基材5の上方より熱風を吹き付けることによって、塗布膜が熱風により直接加熱される。上側熱風噴出部65および下側熱風噴出部61が基材5に吹き付ける熱風の温度は、乾燥部40の上側熱風噴出部45および下側熱風噴出部51が吹き付ける熱風の温度よりも高温である。
上側熱風噴出部65から基材5の上面に吹き付けられた熱風は、整流板と基材5との間をX方向に沿って流れ、上側熱風噴出部65の両隣に設けられた排気ボックス66に回収される。整流板と基材5との間を熱風が流れるため、基材5の上に形成された塗布膜は湿度の少ない熱風と接触し続けることとなり、効率良く塗布膜を加熱乾燥することができる。また、整流板と基材5との間を熱風が流れることによって、整流板の下面に設けられたセラミックプレートも加熱されることとなり、その結果、加熱されたセラミックプレートから赤外線が放射されて塗布膜が加熱される。
このような上側熱風噴出部65および下側熱風噴出部61からの熱風噴出、さらにはセラミックプレートからの赤外線放射によって基材5の上に形成された電極材料の塗布膜が上下から加熱されることにより、塗布膜は乾燥処理時よりもさらに高温に加熱され、乾燥処理後になおも塗布膜中に残留している溶剤が除去されるとともに、乾燥部40での乾燥処理で塗布膜中に発生した歪みおよび残留応力が除去される。また、塗布膜中に若干残留していた溶剤も完全に蒸発する。アニール部60でも塗布膜に直接熱風を吹き付けることとなるが、既に乾燥された塗布膜に熱風を吹き付けているため、急速な乾燥に起因した亀裂等の不具合が生じるおそれはない。
また、下側熱風噴出部61が基材5の下方より上方に向けて熱風を吹き付けることにより、熱風の風圧によって基材5に上向きに浮上する力が作用する。これにより、予熱部20および乾燥部40におけるのと同様に、下側熱風噴出部61は、基材5を浮上搬送させるという搬送機構80の補助的役割も果たすこととなる。
次に、図10は冷却部70の構成を示す図である。冷却部70は、乾燥処理後の基材5を冷却する。冷却部70は、両端に開口が形成された筐体74の内側に下側冷風噴出部71、上側冷風噴出部75および排気ボックス76を備える。また、冷却部70は、下側冷風噴出部71に常温のドライエアを送給する冷風送風部73および上側冷風噴出部75にドライエアを送給する冷風送風部78を備える。
筐体74は、搬送機構80によって基材5が搬送される搬送経路PLを囲むように設けられている。筐体74の両端には、基材5が通過するための開口が形成されている。筐体74の内側において、搬送経路PLの下側には、複数の下側冷風噴出部71(本実施形態では3個)が基材5の搬送方向(X方向)に沿って設けられる。また、筐体74の内側において、搬送経路PLの上側には、複数の上側冷風噴出部75(本実施形態では3個)と複数の排気ボックス76(本実施形態では4個)とが基材5の搬送方向に沿って交互に設けられる。冷却部70の筐体74の長さは特に限定されるものではないが、本実施形態では約1000mmとしている。
搬送経路PLの下側に設けられた3個の下側冷風噴出部71のそれぞれは、図示を省略する複数の噴出孔を上側に向けて備えている。下側冷風噴出部71は、配管72を介して冷風送風部73と連通接続されている。冷風送風部73は、送風機および除湿器を備えており、常温のドライエアを下側冷風噴出部71に送給する。複数の下側冷風噴出部71は、冷風送風部73から送給されたドライエアを噴出孔から上側の搬送経路PLに向けて噴出する。
一方、搬送経路PLの上側に設けられた3個の上側冷風噴出部75のそれぞれの構成は、乾燥部40の上側熱風噴出部45の構成と概ね同様である。すなわち、各上側冷風噴出部75は、搬送経路PLと平行な整流板に噴出ヘッドを連結して構成されている。但し、冷却部70の上側冷風噴出部75にはセラミックプレートは設けられていない。また、冷却部70においては、上側冷風噴出部75が配管77を介して冷風送風部78と連通接続されている。冷風送風部78は、送風機および除湿器を備えており、常温のドライエアを上側冷風噴出部75に送給する。複数の上側冷風噴出部75は、冷風送風部78から送給されたドライエアを下側の搬送経路PLに向けて噴出する。
また、乾燥部40およびアニール部60と同様に、上側冷風噴出部75と下側冷風噴出部71とが搬送経路PLを挟んで相対向して配置されている。これにより、基材5の上下面の同じ位置に上下から風圧が作用することとなり、冷却部70における基材5の搬送を安定させることができる。
基材5の搬送方向(X方向)に沿って隣り合って配置された上側冷風噴出部75の間に排気ボックス76が設けられている。また、排気ボックス76は、上側冷風噴出部75の配列の両端にも設けられている。すなわち、3個の上側冷風噴出部75に対して4個の排気ボックス76が設けられている。各排気ボックス76は、乾燥部40の排気ボックス56と同様のものである。
予熱部20からアニール部60にかけて電極材料の塗布膜の加熱処理が行われた基材5は、搬送機構80によって搬送経路PLに沿ってアニール部60から冷却部70に向けて搬送される。基材5が冷却部70を通過する際に、高温の塗布膜は上側冷風噴出部75および下側冷風噴出部71からのドライエア噴出によって冷却される。すなわち、冷風送風部73から常温のドライエアが送給された下側冷風噴出部71が基材5の下方よりドライエアを吹き付けることによって、直接的には基材5が冷却され、塗布膜から基材5に熱伝導が生じることによって塗布膜が冷却される。また、冷風送風部78から常温のドライエアが送給された上側冷風噴出部75が基材5の上方よりドライエアを吹き付けることによって、塗布膜が直接冷却される。
上側冷風噴出部75から基材5の上面に吹き付けられたドライエアは、整流板と基材5との間をX方向に沿って流れ、上側冷風噴出部75の両隣に設けられた排気ボックス76に回収される。整流板と基材5との間をドライエアが流れるため、基材5の上に形成された塗布膜は常温のドライエアと接触し続けることとなり、効率良く塗布膜を冷却することができる。
このような上側冷風噴出部75および下側冷風噴出部71からのドライエア噴出によって基材5の上に形成された電極材料の塗布膜が上下から冷却されることにより、乾燥処理後の塗布膜の温度が急速に低下する。上側冷風噴出部75および下側冷風噴出部71から噴出するドライエアの流量は、塗布膜に歪みが生じない程度の冷却速度とすれば良い。また、冷却部70では、必ずしも基材5を常温まで冷却する必要はなく、巻き取りローラ82が巻き取り可能な程度にまで冷却すれば足りる。
また、下側冷風噴出部71が基材5の下方より上方に向けてドライエアを吹き付けることにより、ドライエアの風圧によって基材5に上向きに浮上する力が作用する。これにより、予熱部20からアニール部60におけるのと同様に、下側冷風噴出部71は、基材5を浮上搬送させるという搬送機構80の補助的役割をも果たすこととなる。
本実施形態の熱処理システム1においては、予熱部20を設け、塗布直後のスラリー状の塗布膜が形成されている基材5の上方から直接熱風を吹き付けるのではなく、赤外線放射および下方からの間接的な熱風吹き付けによって塗布膜を予熱している。このため、塗布直後の塗布膜が急速に乾燥されることはなく、塗布膜の表層のみが乾燥される不具合や亀裂等の発生を防止することができる。
また、熱処理システム1は、予熱部20の後段に乾燥部40を設け、予熱後の塗布膜に対しては、基材5の下方からのみならず、上方からも直接熱風を吹き付けることによって溶剤の蒸発を促進している。これにより、塗布膜を効率良く乾燥させることができる。すなわち、熱処理システム1は、予熱部20および乾燥部40の双方を設けることにより、塗布膜の急速な乾燥に起因した不具合を抑制しつつも、塗布膜を効率良く乾燥させることができるのである。塗布膜の乾燥効率が向上すれば、熱処理システム1の装置長さを短くすることができるとともに、乾燥処理に要する時間も短縮することができる。
また、本実施形態の熱処理システム1は、熱風送風部27から送給されて通気ボックス25の通気部23を通過した熱風を乾燥部40の上側熱風噴出部45に導く導風管35を備えている。そして、上側熱風噴出部45は通気ボックス25の通気部23から排出された熱風を基材5に吹き付けている。熱処理システム1においては、予熱部20にてセラミックプレート24を加熱するのに使用された熱風を乾燥部40にて再利用している。従って、熱処理システム1は、熱風消費量の増大を抑制しつつ、塗布膜を効率良く乾燥させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態の熱処理システム1においては、基材5の上に形成された電極材料の塗布膜を加熱する3つのゾーン(予熱部20、乾燥部40、アニール部60)を設けていたが、塗布膜の乾燥処理という観点からは、アニール部60は必ずしも必須の要素ではない。例えば、塗布膜の材料が乾燥処理時にほとんど歪み等が生じないものであれば、塗布膜の乾燥処理を行う乾燥装置としては予熱部20および乾燥部40を備えていれば足りる。
また、搬送機構80が備える補助ローラ83a〜83eに温調機構を付設するようにしても良い。例えば、塗布膜を加熱する予熱部20、乾燥部40およびアニール部60の直前にそれぞれ配置された補助ローラ83a,83b,83cに加熱機構を付設し、加熱されたローラ(ヒートローラ)によって基材5を搬送するようにしても良い。補助ローラ83a,83b,83cと接触した基材5が加熱され、基材5からの熱伝導によって塗布膜が加熱されることとなり、予熱部20、乾燥部40およびアニール部60での塗布膜の加熱をアシストすることができる。このような補助ローラ83a,83b,83cの加熱機構としては、例えば、ローラに内蔵するヒータやローラの外部から光照射を行うハロゲンランプなどを用いることができる。
一方、塗布膜を冷却する冷却部70の直前および直後に配置された補助ローラ83d,83eに冷却機構を付設し、冷却されたローラによって基材5を搬送するようにしても良い。補助ローラ83d,83eと接触した基材5が冷却され、基材5への熱伝導が生じることによって塗布膜が冷却されることとなり、冷却部70での塗布膜の冷却処理をアシストすることができる。このような補助ローラ83d,83eの冷却機構としては、例えばローラの内部に冷却水を供給する冷却水循環機構などを用いることができる。
また、上記実施形態の温調部90は、導風管35に温調済みの空気を合流させていたために、導風管35を流れる空気の流量が増加することとなっていた。導風管35を流れる空気の流量が変動しないようにするのであれば、温調部90として熱交換器を導風管35に介挿し、その熱交換器によって導風管35を流れる熱風の温度を調整するようにしても良い。
また、予熱部20に設けられる通気ボックス25および熱風噴出部31の個数は上記実施形態の例に限定されるものではなく、予熱部20の長さ等に応じて適宜のものとすることができる。例えば、予熱部20に設ける通気ボックス25の個数を1個とし、その通気ボックス25の通気部23を通過した熱風を導風管35によって乾燥部40の上側熱風噴出部45に導くようにしても良い。同様に、乾燥部40、アニール部60および冷却部70に設けられる風噴出部の個数も上記実施形態の例に限定されるものではなく、適宜のものとすることができる。
また、予熱部20の3個の通気ボックス25における通気順序も上記実施形態の例(基材5の搬送方向の上流側から下流側に向けて)に限定されるものではなく、適宜に変更可能である。例えば、上記実施形態の例とは逆に、基材5の搬送方向の下流側の通気ボックス25から上流側の通気ボックス25(図2,3の右側から左側)に向けて順に熱風を通気するようにしても良い。上記実施形態の例では熱風の温度が徐々に低下するため、最初に強く加熱することが可能であるのに対して、通気順序を逆にすれば緩やかな加熱が可能となる。
さらに、3個の通気ボックス25に直列に順次熱風を通気するのに代えて、並列に個別に熱風を供給するようにしても良い。3個の通気ボックス25のそれぞれに三叉に分岐された導風管35が接続され、3個の通気ボックス25に個別に供給された熱風は導風管35を経て乾燥部40の上側熱風噴出部45に供給される。このようにすれば、3個の通気ボックス25を同じ温度にて加熱することが可能となる。
また、通気ボックス25の下面にセラミックプレート24を設けることなく、通気部23に熱風を通過させて通気ボックス25を加熱し、昇温した通気ボックス25の下面から直接放射される赤外線によって基材5上の塗布膜を加熱するようにしても良い。もっとも、上記実施形態のように通気ボックス25の下面にセラミックプレート24を設けた方が、遠赤外線を効率良く放射することができる。
また、本発明に係る技術を用いて乾燥処理を行う対象となる塗布膜はリチウムイオン二次電池の電極材料膜に限定されるものではなく、例えば太陽電池材料(電極材、封止材)の塗布膜または電子材料の絶縁膜や保護膜であっても良い。比較的粘度の高い材料を厚く塗布した塗布膜を乾燥させるのに本発明に係る技術を好適に適用することができる。よって、顔料や接着剤の塗布膜を乾燥させるのに、本発明に係る技術を用いるようにしても良い。
1 熱処理システム
5 基材
10 塗布処理部
11 塗布ノズル
20 予熱部
23 通気部
24,54 セラミックプレート
25 通気ボックス
27,33,53,63,68 熱風送風部
31 熱風噴出部
35 導風管
40 乾燥部
43 整流板
45,65 上側熱風噴出部
46 噴出ヘッド
50 拡散防止板
51,61 下側熱風噴出部
56,66,76 排気ボックス
57 排気部
60 アニール部
70 冷却部
71 下側冷風噴出部
75 上側冷風噴出部
73,78 冷風送風部
80 搬送機構
83a〜83e 補助ローラ
90 温調部
PL 搬送経路

Claims (10)

  1. 基材の上に形成された塗布膜の乾燥処理を行う乾燥装置であって、
    前記塗布膜の予熱を行う予熱部と、
    前記塗布膜を加熱して溶剤を蒸発させる乾燥部と、
    前記予熱部から前記乾燥部に向けて基材を搬送する搬送手段と、
    を備え、
    前記予熱部は、
    前記搬送手段によって基材が搬送される搬送経路の下側に設けられ、基材の下方より熱風を吹き付ける第1熱風噴出部と、
    前記搬送経路の上側に設けられ、気体が通過可能な通気部を備えた通気ボックスと、
    前記通気部に熱風を送給して前記通気ボックスを加熱する熱風送給手段と、
    を備え、
    前記乾燥部は、
    前記搬送経路の下側に設けられ、基材の下方より熱風を吹き付ける第2熱風噴出部と、
    前記搬送経路の上側に設けられ、基材の上方より熱風を吹き付ける第3熱風噴出部と、
    を備え、
    前記熱風送給手段から送給されて前記通気部を通過した熱風を前記第3熱風噴出部に導く導風部を備えるとともに、前記第3熱風噴出部は前記通気部から排出された熱風を基材に吹き付けることを特徴とする乾燥装置。
  2. 請求項1記載の乾燥装置において、
    前記通気ボックスの下面に、加熱されることによって赤外線を放射するセラミックプレートを備えることを特徴とする乾燥装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の乾燥装置において、
    前記熱風送給手段が前記通気部に送給する熱風の温度は前記第1熱風噴出部が基材に吹き付ける熱風の温度よりも高温であることを特徴とする乾燥装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の乾燥装置において、
    前記第3熱風噴出部は、
    前記搬送経路と平行に設けられた整流板と、
    前記導出部から導かれた熱風を前記整流板の一部から基材に向けて噴出する噴出ヘッドと、
    を備えることを特徴とする乾燥装置。
  5. 請求項4記載の乾燥装置において、
    前記整流板の下面に、加熱されることによって赤外線を放射するセラミックプレートを備えることを特徴とする乾燥装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載の乾燥装置において、
    前記噴出ヘッドと前記第2熱風噴出部とが相対向して配置されることを特徴とする乾燥装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の乾燥装置において、
    前記通気部から前記導風部を経て前記第3熱風噴出部に導かれる熱風を温調する温調手段をさらに備えることを特徴とする乾燥装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の乾燥装置において、
    前記搬送手段は、加熱されたローラを含むことを特徴とする乾燥装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の乾燥装置において、
    前記第2熱風噴出部および前記第3熱風噴出部が吹き付ける熱風の温度よりも高温の熱風を基材に吹き付けるアニール部をさらに備えることを特徴とする乾燥装置。
  10. 基材の上に塗布液を塗布して塗布膜を形成する塗布処理部と、
    請求項1から請求項9のいずれかに記載の乾燥装置と、
    乾燥処理後の基材を冷却する冷却部と、
    を備えることを特徴とする熱処理システム。
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