JP2012172177A - アルミニウム合金−セラミックス複合体、この複合体の製造方法、及びこの複合体からなる応力緩衝材 - Google Patents

アルミニウム合金−セラミックス複合体、この複合体の製造方法、及びこの複合体からなる応力緩衝材 Download PDF

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Abstract

【課題】
耐クラック性及び耐剥離性に優れたアルミニウム合金−セラミックス複合体を効率的に生産することができるアルミニウム合金−セラミックス複合体の製造方法を提供する。
【解決手段】
本発明によれば、平板状のセラミックス多孔体にアルミニウム合金を含浸することにより、両主面にアルミニウム合金層を有する平板状のアルミニウム合金−セラミックス複合体母板を形成する工程と、前記複合体母板の少なくとも一主面に直線状欠陥又は断続的欠陥を導入し、その後、割断することにより、側面において前記セラミックス多孔体及び前記アルミニウム合金層が露出したアルミニウム合金−セラミックス複合体を形成する工程を備え、前記セラミックス多孔体は、炭化珪素と黒鉛の少なくとも一方を含有し、セラミックス充填量が50質量%以上であり、且つ厚さが0.35mm〜3.8mmであり、前記アルミニウム合金は、アルミニウムの含有量が70質量%以上であり、前記複合体母板は、厚さが0.5mm〜4.0mmであり、前記アルミニウム合金層は、厚さが0.01mm〜0.3mmである、アルミニウム合金−セラミックス複合体の製造方法が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルミニウム合金−セラミックス複合体、この複合体の製造方法、及びこの複合体からなる応力緩衝材に関する。この応力緩衝材は、例えば、パワーモジュールやLEDモジュール等のモジュール用の放熱用基板において利用される。
今日、半導体素子の高集積化、小型化に伴い、発熱量は増加の一途をたどっており、いかに効率よく放熱させるかが課題となっている。そして、高絶縁性・高熱伝導性を有する例えば窒化アルミニウム基板、窒化珪素基板等のセラミックス基板の表面に、銅製又はアルミニウム製の金属回路を、また裏面に銅製又はアルミニウム製の金属放熱板が形成されてなるセラミックス回路基板が、例えばパワーモジュール用基板として使用されている。
従来のセラミックス回路基板の典型的な放熱構造は、セラミックス回路基板にベース板が半田付けされてなるものであり、ベース板としては銅、アルミニウムが一般的であった。しかしながら、この構造においては、例えば熱負荷がかかった場合、ベース板とセラミックス回路基板の熱膨張係数差に起因するクラックが半田層に発生し、その結果放熱が不十分となって回路上の半導体を誤作動させたり、破損させたりする等の問題があった。
そこで、熱膨張係数をセラミックス回路基板のそれに近づけたベース板として、アルミニウム合金−炭化珪素質複合体が提案されている(特許文献1参照)が、従来の金属ベース板に比べ高価であるという問題があった。
また、例えばLEDモジュールのような低電圧用モジュール等においては、モジュールの低コスト化、軽量化を目的に、金属基板を使用しないで絶縁シート上に銅製やアルミニウム製の金属板を配置し、シリコン等のチップを半田付けする構造が採用されているが、本構造では熱負荷がかかった場合、従来モジュールと同様にチップと金属板の熱膨張係数差に起因する半田クラックが発生する問題があった。
そこで、チップと金属板の間に熱歪み緩衝板となるチップと金属材料の中間の熱膨張係数材料を挿入し半田クラックを抑制する構造が主流となっている。緩衝材の材料としては銅−モリブデン複合材料が主流であるがモリブデンは希少金属であり、高価であるという問題がある。
近年、緩衝材の材料として従来の銅−モリブデン複合材料よりも比較的安価なアルミニウム−黒鉛等のアルミニウム合金−セラミックス複合体が用いられるようになってきたが、これまで緩衝材用アルミニウム合金−セラミックス複合体の製造方法は、枚様式で1枚ずつ製造したり、製品サイズより大きい母材から加工により1枚ずつ切り出したりして製造していたため、生産性が低く、加工コストが高いという問題があった。
特願平3−509860号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、耐クラック性及び耐剥離性に優れたアルミニウム合金−セラミックス複合体を効率的に生産することができるアルミニウム合金−セラミックス複合体の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、平板状のセラミックス多孔体にアルミニウム合金を含浸することにより、両主面にアルミニウム合金層を有する平板状のアルミニウム合金−セラミックス複合体母板を形成する工程と、前記複合体母板の少なくとも一主面に直線状欠陥又は断続的欠陥を導入し、その後、割断することにより、側面において前記セラミックス多孔体及び前記アルミニウム合金層が露出したアルミニウム合金−セラミックス複合体を形成する工程を備え、前記セラミックス多孔体は、炭化珪素と黒鉛の少なくとも一方を含有し、セラミックス充填量が50質量%以上であり、且つ厚さが0.35mm〜3.8mmであり、前記アルミニウム合金は、アルミニウムの含有量が70質量%以上であり、前記複合体母板は、厚さが0.5mm〜4.0mmであり、前記アルミニウム合金層は、厚さが0.01mm〜0.3mmである、アルミニウム合金−セラミックス複合体の製造方法が提供される。
本発明者らは、上記複合体を効率的に生産すべく鋭意検討を行った結果、比較的面積の大きい複合体母板を最初に形成し、その母板を割断して複数の複合体を同時に製造する方法を思いついた。そして、実際にその方法によって複合体を製造することを試みたところ、種々の問題が発生して、高歩留まりで複合体を製造することが容易でないことが分かった。そこで、さらに検討を重ねたところ、母板の割断によって高歩留まりで複合体を製造するには、(1)炭化珪素と黒鉛の少なくとも一方を含有し、セラミックス充填量が50質量%以上であり、且つ厚さが0.35mm〜3.8mmであるセラミックス多孔体を用いること、(2)アルミニウムの含有量が70質量%以上であるアルミニウム合金を含浸させること、(3)アルミニウム合金層の厚さを0.01mm〜0.3mmにし且つ複合体の厚さを0.5mm〜4.0mmにすることという条件の全てが満たされることが必要であり、その場合に限って、母板に直線状欠陥又は断続的欠陥を導入して、その後に割断することによって複合体を高歩留まりで製造することができ、かつ製造された複合体の耐クラック性及び耐剥離性が優れたものになることを見出し、本発明の完成に到った。
本発明が対象とする複合体母板は、セラミックス多孔体にアルミニウム合金が含浸されており且つその両主面にアルミニウム合金層が設けられているという複雑な構造を有しており、このような複合体母板の割断は、単純な構成のガラス板やセラミックス板の割断とは違って、上述した種々の条件が充足されたときに限って、適切に行うことができるものであった。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に例示する種々の実施形態は、互いに組み合わせが可能である。
一例では、前記直線状欠陥又は断続的欠陥は、レーザー加工、ウォータージェット加工、研削加工のいずれかによって導入される。
一例では、前記アルミニウム合金は、シリコンの含有量が3〜27質量%である。
一例では、前記アルミニウム合金は、マグネシウムの含有量が0.5〜0.9質量%である。
一例では、前記複合体は、25℃の熱膨張係数が5×10−6/K〜15×10−6/Kであり、熱伝導率が150W/m・K以上である。
一例では、前記割断によって得られた前記複合体の両主面にめっきを施す工程をさらに備える。
一例では、前記割断によって得られた前記複合体の8隅を加工して、R形状又はC面形状にする工程をさらに備える。
さらに、本発明は、上記記載の方法によってアルミニウム合金−セラミックス複合体を製造し、金属ベース板又は金属基複合材料ベース板とセラミックス回路基板の間に前記複合体を配置して、前記ベース板と前記複合体の間と、前記回路基板と前記複合体の間をそれぞれ半田付け又はロウ付けする工程を備える、高放熱性回路基板の製造方法を提供する。
さらに、本発明は、上記記載の方法によってアルミニウム合金−セラミックス複合体を製造し、金属ベース板又は金属基複合材料ベース板とチップ素子の間に前記複合体を配置して、前記ベース板と前記複合体の間と、前記チップ素子と前記複合体の間をそれぞれ半田付け又はロウ付けする工程を備える、高放熱性チップ素子の製造方法を提供する。
さらに、本発明は、上記記載の方法によってアルミニウム合金−セラミックス複合体を製造し、回路基板とチップ素子又はLEDモジュールの間に前記複合体を配置して、前記回路基板と前記複合体の間と、前記チップ素子又はLEDモジュールと前記複合体の間をそれぞれ半田付け又はロウ付けする工程を備える、高放熱性チップ素子又はLEDモジュールの製造方法を提供する。
さらに、本発明は、上記記載の方法によって製造されるアルミニウム合金−セラミックス複合体を提供する。
さらに、本発明は、上記記載の複合体からなる応力緩衝材を提供する。
本発明のアルミニウム合金−セラミックス複合体の製造方法によれば、製品サイズよりも大きいアルミニウム合金−セラミックス複合体母板の少なくとも一主面に直線状又は断続的な欠陥を導入後、割断することで、生産性を落とすことなく、効率的にアルミニウム合金−セラミックス複合体を製造することができる。アルミニウム合金−セラミックス複合体は、今後益々多様化、低コスト化するモジュール用緩衝板、ヒートスプレッダとして好適である。
以下、具体的な実施形態に基づいて本発明の説明を行う。本発明の範囲は、以下に示す実施形態や実施例に限定されない。
本発明のアルミニウム合金−セラミックス複合体の製造方法は、平板状のセラミックス多孔体にアルミニウム合金を含浸することにより、両主面にアルミニウム合金層を有する平板状のアルミニウム合金−セラミックス複合体母板を形成する工程と、前記複合体母板の少なくとも一主面に直線状欠陥又は断続的欠陥を導入し、その後、割断することにより、側面において前記セラミックス多孔体及び前記アルミニウム合金層が露出したアルミニウム合金−セラミックス複合体を形成する工程を備え、前記セラミックス多孔体は、炭化珪素と黒鉛の少なくとも一方を含有し、セラミックス充填量が50質量%以上であり、且つ厚さが0.35mm〜3.8mmであり、前記アルミニウム合金は、アルミニウムの含有量が70質量%以上であり、前記複合体母板は、厚さが0.5mm〜4.0mmであり、前記アルミニウム合金層は、厚さが0.01mm〜0.3mmである。
以下、各構成要素について詳細に説明する。
1.アルミニウム合金−セラミックス複合体母板形成工程
この工程では、平板状のセラミックス多孔体にアルミニウム合金を含浸することにより、両主面にアルミニウム合金層を有する平板状のアルミニウム合金−セラミックス複合体母板を形成する。
セラミックス多孔体へアルミニウム合金を含浸させる方法は、特に限定されず、常圧で行う方法、溶湯鍛造法やダイキャスト法等の高圧鍛造法など公知の方法で製造することができるが、生産性等の点から製造方法として溶湯鍛造法が好適である。以下、溶湯鍛造法による製造方法について記載する。
1−1.セラミックス多孔体
本発明で用いるセラミックス多孔体については、実使用時に半田付けされるチップやLEDと金属ベース板の熱膨張係数を考慮し材質及びセラミックスの充填量を選定する必要がある。セラミックス多孔体は、炭化珪素と黒鉛の少なくとも一方(以下、「炭化珪素等」と称する)を含有するものである。セラミックス多孔体の質量に対する炭化珪素等の質量%は、例えば70〜99質量%であり、具体的には例えば70,75,80,85,90,95,99質量%であり、ここで例示した何れか2つの数値の間の範囲内であってもよい。炭化珪素及び黒鉛は、熱伝導率が高いので、セラミックス多孔体の放熱特性が良好になる。
セラミックス多孔体のセラミックス充填量については50質量%以上であることが好ましい。セラミックス多孔体のセラミックス充填量が50質量%未満であるとセラミックス多孔体の強度が低くなり取り扱い時や、アルミニウム合金含浸時に割れが発生してしまう可能性がある。また、セラミックス充填量は、85質量%以下が好ましい。セラミックス充填量が85質量%を超えるとセラミックス多孔体中に閉気孔が発生する可能性があり、セラミックス多孔体にアルミニウム合金を含浸する際に空隙が発生し、放熱特性が低下する可能性がある。
セラミックス多孔体は市販のものを使用しても構わないが、公知の方法で製造することも可能である。セラミックス多孔体は、例えば、炭化珪素粉末(以下、SiC粉末という)、黒鉛粉末、又は炭化珪素粉末と黒鉛粉末の混合物に、結合材(シリカ、アルミナ等)を添加して混合、成形し、焼成することによって得ることができる。また、多孔質炭化珪素成形体の製造方法については、例えば、SiC粉末に結合材(シリカ、アルミナ等)を添加して混合、成形し、800℃以上で焼成することによって得ることができる。
本発明に用いるSiC粉末は、気相法、アチソン法等公知の製造方法によって製造された粉末を用いることができる。また、粒子径分布も特に制限はなく、単独あるいは粒度調整を行って使用しても構わない。例えば、40μm以上の粒子径のSiC粗粉40〜80質量%と、15μm以下の粒子径のSiC微粉を60〜20質量%混合した混合粉末を用いることができる。このように粒径が異なる2種類の粉末を用いた場合、充填率を高くできるという利点がある。
本発明に係るSiC粉末を成型して所定の形状にする。成形方法についても特に制限は無く、プレス成形、押し出し成形、鋳込み成形等を用いることができ、必要に応じて保形用バインダーの併用が可能である。乾燥方法については特に制限はないが、1枚ずつ乾燥を行うか、SiC粉末成形体間にプリフォーム形状と等しい形状のカーボン等のスペーサーを用いて乾燥することで、乾燥による反り形状の変化を防ぐことができる。また、焼成に関しても乾燥時と同様の処理を行うことにより、内部組織の変化に伴う形状変化を防ぐことが可能である。
次にSiC粉末成形体を、脱脂、焼成する。多孔質炭化珪素成形体の強度は、取り扱い時や含浸中の割れを防ぐため、曲げ強度で3MPa以上あることが好ましい。焼成温度は800℃以上であれば、焼成時の雰囲気に関係なく、曲げ強度が3MPa以上の多孔質炭化珪素成形体が得られる。しかしながら、酸化性雰囲気中では、1100℃を超える温度で焼成すると、SiCの酸化が促進され、アルミニウム−炭化珪素質複合体の熱伝導率が低下してしまう場合があるので、酸化性雰囲気中では、1100℃以下の温度で焼成することが好ましい。焼成時間は、多孔質炭化珪素成形体の大きさ、焼成炉への投入量、焼成雰囲気等の条件に合わせて適宜決められる。
本発明におけるセラミックス多孔体の厚さは、0.35mm〜3.8mmである。セラミックス多孔体の厚さが0.35mm未満の場合、セラミックス多孔体の平面研削を行ったり、セラミックス多孔体にアルミニウム合金を含浸させたりする際に、セラミックス多孔体に割れが生じやすいからである。また、セラミックス多孔体の厚さが3.8mmを超える場合、アルミニウム合金含浸後の両主面にアルミニウム合金層を有するアルミニウム合金−セラミックス複合体母材の厚さが厚くなりすぎ、後ほど説明する割断工程でのブレイク性が悪くなってしまうからである。
1−2.アルミニウム合金
上記セラミックス多孔体に含浸させるアルミニウム合金は、含浸時にセラミックス多孔体の空隙内に十分に浸透するために融点がなるべく低いことが好ましい。このようなアルミニウム合金として、例えばシリコンを3〜27質量%含有したアルミニウム合金が挙げられる。更にマグネシウムを含有させることは、セラミックス粒子と金属部分との結合がより強固になるのでより好ましく、含有量としては0.5〜0.9質量%である。マグネシウムの含有量が0.9質量%を超えるとアルミニウム合金−セラミックス複合体表面に合金組成の差が原因で生じる色むらが発生し、外観上好ましくない。アルミニウム合金中のアルミニウム、シリコン、マグネシウム以外の金属成分に関しては、極端に特性が変化しない範囲であれば特に制限はなく、例えば銅等が含まれていても良い。アルミニウム合金のアルミニウム含有量は70質量%以上であることが好ましい。アルミニウム含有量が70質量%未満であると、アルミニウム以外の金属の種類にもよるが、熱伝導率が大幅に低下しアルミニウム合金−セラミックス複合体の放熱特性が低下するため好ましくない。
1−3.セラミックス多孔体へのアルミニウム合金の含浸
次に、セラミックス多孔体へのアルミニウム合金の含浸方法について説明する。セラミックス多孔体へのアルミニウム合金の含浸の方法は、特に限定されないが、一例では、セラミックス多孔体の両主面側に離型板を配置した状態で上記アルミニウム合金の溶湯に浸漬させることによって行うことができる。
離型板の配置方法としては、一枚のセラミックス多孔体の両主面側に一枚ずつの離型板を配置してもよく、セラミックス多孔体と離型板とを一枚ずつ交互に配置し、両端に離型板を配置することによって、セラミックス多孔体と離型板とが交互に並んだ、積層体を形成してもよい。この場合、複数枚のセラミックス多孔体を同時に処理することができ、効率的である。積層体の形成時には、ボルト等を用いて所定のトルクで積層体を締め込むことが好ましい。離型板は、アルミニウム合金の含浸後に剥離可能なものであれば特に限定されず、一例では、カーボンコートしたSUS板である。
浸漬中に両端の離型板の間に加える圧力を調節したり、セラミックス多孔体と離型板との間に板状又は繊維状スペーサーを挿入することによって、セラミックス多孔体の両主面に形成されるアルミニウム合金層の厚さを調節することができる。板状スペーサーは、例えば、アルミニウム合金箔であり、繊維状スペーサーは、例えば、空隙率が50%以上のセラミックス等の繊維である。アルミニウム合金層の厚さを調節する理由は、本発明において、最終製品の熱膨張係数は、セラミックス多孔体のセラミックス充填量と厚さ、最終製品表面に存在するアルミニウム合金層の厚さにより決定されるためである。スペーサーを挿入する場合、セラミックス多孔体の両主面にスペーサーを挿入することが好ましい。セラミックス多孔体の一主面にスペーサーを配置すると、アルミニウム合金をセラミックス多孔体に含浸した際にアルミニウム合金とセラミックス多孔体の熱膨張係数差による製品の反りが大きくなり、実使用時にクラックの発生や半田厚さのバラツキが生じ放熱性が著しく低下するからである。
挿入するスペーサーの厚さにより最終的なアルミニウム合金−セラミックス複合体の表面アルミニウム層の厚さが決定されるが、複合化後の表面のアルミニウム合金層の厚さを0.3mm以下にする必要がある。複合化後のアルミニウム合金層の厚さが0.3mmよりも大きい場合、実使用時の加熱サイクルによるアルミニウム合金とセラミックス多孔体の熱膨張係数差による応力歪みが大きくなり、アルミニウム合金層とセラミックス複合体間の層間剥離が発生する場合がある。
アルミニウム合金箔の材質は、含浸前の積層体の予熱温度及び溶湯アルミニウム合金温度よりも融点が高いものを用いた方が好ましい。アルミニウム合金箔の融点が積層体の予熱温度及び溶湯アルミニウム合金温度よりも低いと、アルミニウム合金箔が溶融し、セラミックス複合体の表面アルミニウム合金層の厚さのバラツキが大きくなる。
また、セラミックス多孔体の両主面にスペーサーを配置する場合、アルミニウム合金をセラミックス多孔体に含浸した後、アルミニウム合金−セラミックス複合体の表面のアルミニウム合金層を旋盤やマシニングセンター等を用いて切削して所定の厚さに調整しても構わない。
次に、一例では、セラミックス多孔体の両側に離型板を配置したブロックを500〜650℃程度で予備加熱後、高圧容器内に1個又は2個以上配置し、ブロックの温度低下を防ぐために出来るだけ速やかにアルミニウム合金の溶湯を30MPa以上の圧力で加圧し、アルミニウム合金をセラミックス多孔体の空隙中に含浸させた後、含浸したブロックを切り出すと離型板の表面までアルミニウム合金が覆うため全面にアルミニウム合金層を設けたアルミニウム−炭化珪素質複合体が得られる。アルミニウム合金箔を用いない場合の表面アルミニウム合金層の厚さはセラミックス多孔体の面精度にもよるが、0.01〜0.1mm程度となる。なお、含浸時の歪み除去の目的でアニール処理を行うこともある。アニール処理には、アルミニウム合金層とセラミックス複合体の接合をより強固にするという効果もある。
アルミニウム合金含浸後の歪み除去の目的で行うアニール処理は、400〜550℃の温度で10分以上行うことが好ましい。アニール温度が400℃未満であると、複合体内部の歪みが十分に開放されずその後の工程で反りが大きく変化してしまう場合がある。一方、アニール温度が550℃を越えると、含浸で用いたアルミニウム合金が溶融する場合がある。アニール時間が10分未満であると、アニール温度が400〜550℃であっても複合体内部の歪みが十分に開放されず、その後の工程で反りが大きく変化してしまう場合がある。
以上の工程によって、アルミニウム合金−セラミックス複合体母板が形成される。セラミックス多孔体の厚さ及びアルミニウム合金層の厚さは、形成される複合体母板の厚さが0.5mm〜4.0mmになるように適宜選択される。この厚さが0.5mm未満であると製品取り扱い時に割れが生じたり、セラミックス回路基板やアルミニウム合金板等との半田付けの際に、熱膨張によるクラックが発生してしまう可能性がある。また、この厚さが4.0mmを超えるとレーザー加工等の加工を行った際にブレイク特性が低下したり、セラミックス回路基板やアルミニウム合金板等を実装した際に、熱抵抗が大きくなり放熱特性が著しく低下するため好ましくない。
2.割断工程
次に、割断工程を行う。この工程では、上記工程で形成された複合体母板の少なくとも一主面に直線状欠陥又は断続的欠陥を導入し、その後、割断することにより、側面において前記セラミックス多孔体及び前記アルミニウム合金層が露出したアルミニウム合金−セラミックス複合体を形成する。
直線状欠陥又は断続的欠陥を導入する方法は特に限定されず、例えば、レーザー加工、ウォータージェット加工、研削加工等公知の方法を用いることができる。例えば、レーザー加工機を用いて直線状欠陥又は断続的欠陥を導入する場合、レーザー出力並びに加工速度は、複合体母板の厚さによって適宜決められるが、加工後の割断性、寸法精度を考慮して加工深さを決定する必要がある。加工後のレーザー加工部残部の厚さは、複合体母板の厚さの10%〜70%であることが好ましい。レーザー加工残部の厚さが複合体母板の厚さの10%未満であると、めっき処理前の段階でハンドリング時にレーザー加工溝部分が割断してしまう場合があり、レーザー加工残部の厚さが複合体母板の厚さの70%を超えると割断性が低下し、割断を行っても寸法精度が著しく低下するため好ましくない。
また、レーザー加工機で加工を行う場合、加工部は断続的な形状となり、ウォータージェット、研削加工を行った場合の加工部は直線状の形状になるという特徴がある。本発明において、加工する面についての制限はなく、一主面側だけに上記加工を行っても両主面に加工を行っても構わない。また、レーザー加工機で加工を行う場合、断続的な欠陥部分に黒鉛質の付着物が残留することがあり、この黒鉛質の付着物を除去するため、酸化雰囲気化、温度450℃で加熱処理を行うことがある。更に、この黒鉛質の付着物は、研削等の手法で物理的に除去することもできる。
本発明では、複合体母板の割断のタイミングは加工後に行っても、その後のめっき処理後に行っても構わない。めっき処理後に割断を行った方がめっきコストを低減でき、梱包等の省力化が図れるため効率的であるが、実使用時に製品側面の半田濡れ性や耐薬品性が求められる場合は、めっき前に割断する必要がある。
上記割断によって得られたアルミニウム合金−セラミックス複合体の両主面4隅(合計8隅)を加工して、R形状又はC面形状を付加することが可能である。両主面4隅のR形状若しくはC面形状付加方法について制限はなく、機械加工や平面研削等の装置を用いることで容易に形状を付加することが可能である。複合体中のセラミックス材料によっては、紙ヤスリ等でも容易に加工できる。
本発明のアルミニウム合金−セラミックス複合体は、熱伝導率が150W/mK以上、熱膨張係数が5×10−6/K〜15×10−6/K以下であることが好ましい。前記の効果に加えて、高熱伝導率で、しかも金属と半導体部品やセラミックス回路基板との中間的な低膨張率であるため、これを用いた放熱部品、更にそれを用いたモジュールは、放熱特性に優れ、また、温度変化を受けても半田クラック等の発生も少なく、その結果、高信頼性が得られるという特長がある。
本発明の方法によれば、複合体母材に対して直線状欠陥又は断続的欠陥を導入し、その後、割断することによって、アルミニウム合金−セラミックス複合体を製造するので、従来の切り出し加工等に比べ素材の利用率が高く、加工後のめっき等の処理も効率的に行われるため、生産性が高く効率的に製造が可能となる。
上記方法によって得られたアルミニウム合金−セラミックス複合体は、応力緩衝材(例:モジュール用)として利用することができ、具体的には、以下の態様で利用することができる。このような態様で利用する場合、信頼性が高い高放熱性素子を低コストで製造することができる。
(1)金属ベース板又は金属基複合材料ベース板とセラミックス回路基板の間に上記複合体を配置して、ベース板と複合体の間と、回路基板と複合体の間をそれぞれ半田付け又はロウ付けすることによって、高放熱性回路基板を製造すること。
(2)金属ベース板又は金属基複合材料ベース板とチップ素子の間に上記複合体を配置して、ベース板と複合体の間と、チップ素子と複合体の間をそれぞれ半田付け又はロウ付けすることによって、高放熱性チップ素子を製造すること。
(3)回路基板とチップ素子又はLEDモジュールの間に上記複合体を配置して、回路基板と複合体の間と、チップ素子又はLEDモジュールと複合体の間をそれぞれ半田付け又はロウ付けすることによって、高放熱性チップ素子又はLEDモジュールを製造すること。
(実施例1)
炭化珪素粉末A(大平洋ランダム社製:NG、平均粒子径:60μm)240g、炭化珪素粉末B(屋久島電工社製:GC−1000F、平均粒子径:10μm)120g、及びシリカゾル(日産化学社製:スノーテックス)40gを秤取し、攪拌混合機で30分間混合した後、200mm×150mmの平板状の寸法に圧力10MPaでプレス成形した。得られた成形体を、大気中、900℃で2時間焼成して、セラミックス充填量が65質量%のセラミックス多孔体を得た。その後、平面研削盤を用いて200mm×150mm×1.4mmの厚さに加工した。
得られたセラミックス多孔体の両主面に両面をカーボンコートしたSUS板で挟んで一体としたものを電気炉で600℃に予備加熱した。次にそれをあらかじめ加熱しておいた内径300mmのプレス型内に収め、シリコンを12質量%、マグネシウムを0.5質量%、アルミニウムを85質量%含有するアルミニウム合金の溶湯を注ぎ、100MPaの圧力で20分間加圧してセラミックス多孔体にアルミニウム合金を含浸させた。室温まで冷却した後、湿式バンドソーにてアルミニウム合金−セラミックス複合体の外周にアルミニウム合金が1mm以下の肉厚になるように切断し、挟んだSUS板をはがした後、含浸時の歪み除去のために530℃の温度で3時間アニール処理を行い、両主面にアルミニウム合金層を有するアルミニウム合金−セラミックス複合体母板を得た。
次に、得られた複合体母板の一主面にレーザー加工機(ヤマザキマザック製STX-MKIII510)にてレーザー出力2.5kW、加工速度1200mm/minの条件で50mm×50mmに割断できるように断続的な欠陥を導入した後、酸化雰囲気化、温度450℃で加熱処理を行った
その後、断続的欠陥を導入した複合体母板の表面に無電解ニッケルめっき処理を行ってアルミニウム部に厚さ5μmのめっき層を形成した後、断続的欠陥に沿って割断を行い、側面においてセラミックス多孔体及びアルミニウム合金層が露出したアルミニウム合金層を有するアルミニウム合金−セラミックス複合体を得た。
(実施例2)
シリコンを27質量%、マグネシウムを0.5質量%含有するアルミニウムを70質量%含有するアルミニウム合金の溶湯を用いたこと以外は実施例1と同様の方法により、アルミニウム合金−セラミックス複合体を得た。
(実施例3)
焼成したセラミックス多孔体を平面研削盤を用いて0.4mmの厚さに加工し、アルミニウム合金含浸後の両主面にアルミニウム合金層を有するアルミニウム合金−セラミックス複合体の一主面にレーザー加工機(ヤマザキマザック製STX-MKIII510)にてレーザー出力2.5kW、加工速度3500mm/minの条件で50mm×50mmに割断できるように断続的欠陥を導入した以外は実施例1と同様の方法により、アルミニウム合金−セラミックス複合体を得た。
(実施例4)
焼成したセラミックス多孔体を平面研削盤を用いて3.75mmの厚さに加工し、アルミニウム合金含浸後の両主面にアルミニウム合金層を有するアルミニウム合金−セラミックス複合体の一主面にレーザー加工機(ヤマザキマザック製STX-MKIII510)にてレーザー出力2.5kW、加工速度500mm/minの条件で50mm×50mmに割断できるように断続的欠陥を導入した以外は実施例1と同様の方法により、アルミニウム合金−セラミックス複合体を得た。
(実施例5)
得られたセラミックス多孔体の両主面に200mm×150mmで厚さ0.2mm、純度99%以上のアルミニウム合金を配置し、両面をカーボンコートしたSUS板で挟んで一体としたものにアルミニウム合金を含浸した以外は実施例1と同様の方法により、アルミニウム合金−セラミックス複合体を得た。
(実施例6)
炭化珪素粉末(大平洋ランダム社製:NG、平均粒子径:15μm)40g、黒鉛粉末(東海カーボン社製:100W−42S、平均粒径350μm)160g、シリカゾル(日産化学社製:スノーテックス)20gを秤取し、攪拌混合機で30分間混合した後、200mm×150mmの平板状の寸法に圧力50MPaでプレス成形した。得られた成形体を、大気中、900℃で2時間焼成して、セラミックス充填量が75質量%のセラミックス多孔体を得たこと以外は実施例1と同様の方法により、アルミニウム合金−セラミックス複合体を得た。
(実施例7)
セラミックス多孔体として東洋炭素製IE252Gカーボン(200mm×150mm×1.4mm セラミックス充填量60質量%)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法により、アルミニウム合金−セラミックス複合体を得た。
(実施例8)
めっき処理後の複合体母板の割断によって得られたアルミニウム合金−セラミックス複合体の8隅に#100のサンドペーパーを用いてC0.5mmの加工を行った以外は実施例7と同様の方法によって、アルミニウム合金−セラミックス複合体を得た。
(比較例1)
シリコンを37質量%、マグネシウムを0.5質量%、アルミニウム60質量%含有するアルミニウム合金の溶湯を用いたこと以外は実施例1と同様の方法によって、アルミニウム合金−セラミックス複合体を得た。
(比較例2)
焼成したセラミックス多孔体を平面研削盤を用いて0.2mmの厚さに加工した以外は実施例1と同様の方法によって、アルミニウム合金−セラミックス複合体を作製しようと試みたが、平面研削の段階で50%以上の割れが発生しアルミニウム合金含浸時にさらに45%以上の割れが発生し、アルミニウム合金含浸までの収率が5%以下と非常に低かった(実施例1〜8では、収率はほぼ100%であった。)。
(比較例3)
焼成したセラミックス多孔体を平面研削盤を用いて4.5mmの厚さに加工し、アルミニウム合金含浸後の両主面にアルミニウム合金層を有するアルミニウム合金−セラミックス複合体母板の一主面にレーザー加工機(ヤマザキマザック製STX-MKIII510)にてレーザー出力2.5kW、加工速度400mm/minの条件で50mm×50mmに割断できるように断続的な欠陥を導入した後、実施例1と同様の方法でめっきを施した後、断続的欠陥部分に沿って割断を試みたところ、ブレイク製が悪く断続的欠陥部分以外に割れが生じた。なお、実施例1〜8では、断続的欠陥部分以外には割れは生じなかった。
(比較例4)
セラミックス多孔体の両主面に200mm×150mmで厚さ0.35mm、純度99%以上のアルミニウム合金を配置した以外は実施例1と同様の方法によって、アルミニウム合金−セラミックス複合体を得た。ヒートサイクル評価時に表面アルミニウム合金層が剥離した。なお、実施例1〜8では、ヒートサイクル評価時にアルミニウム合金層の剥離は生じなかった。
(比較例5)
炭化珪素粉末(屋久島電工社製:GC−1000F、平均粒子径:10μm)360g、及びシリカゾル(日産化学社製:スノーテックス)40gを秤取し、攪拌混合機で30分間混合した後、内径寸法200mm×150mmの平板状の石膏型に流し込み、水分除去後、大気中、900℃で2時間焼成して、セラミックス充填量が47質量%のセラミックス多孔体を得たこと以外は実施例1と同様に複合体を作製しようと試みたが、平面研削の段階で30%以上の割れが発生しアルミニウム合金含浸時にさらに50%以上の割れが発生し、アルミニウム合金含浸までの収率が20%以下と非常に低かった。
実施例1〜7、比較例1、3、4で得られた両主面にアルミニウム合金層を有するアルミニウム合金−セラミックス複合体の各5枚を対角方向にスライス加工し、対角長さに等間隔5点の表面アルミニウム合金層の厚さと全体の厚さを測定し、その平均値を算出した。結果を表1に示す。
また、スライス加工により熱膨張係数測定用試験体(幅2mm、長さ20mm)、熱伝導率測定用試験体(25mm×25mm)を作製した。それぞれの試験体を用いて、25〜250℃の熱膨張係数を熱膨張計(セイコー電子工業社製;TMA300)で、25℃での熱伝導率をレーザーフラッシュ法(理学電機社製;LF/TCM−8510B)で測定した。結果を表1に示す。
さらに、実施例1〜8,比較例1で得られたアルミニウム合金−セラミックス複合体を、めっき処理を行った純度99%以上のアルミニウム合金板(60mm×60mm×4mm)と市販の窒化アルミニウム回路基板(50mm×50mm、電気化学工業製)の間に配置し、窒化アルミニウム回路基板と同一形状で厚さが200μmのフラックス入り共晶半田を窒化アルミニウム基板とアルミニウム合金−セラミックス複合体間、アルミニウム合金−セラミックス複合体とアルミニウム合金板の間に挿入し、温度250℃で半田付けを行ったサンプルを各5枚作製した。
(比較例6)
めっき処理を行った純度99%以上のアルミニウム合金板(60mm×60mm×4mm)と市販の窒化アルミニウム回路基板(50mm×50mm、電気化学工業製)の間に、窒化アルミニウム回路基板と同一形状で厚さが200μmのフラックス入り共晶半田を挿入し、250度の温度で半田付けを行ったサンプルを各5枚作製した。
アルミニウム合金板と窒化アルミニウム回路基板を接合した実施例1〜4、比較例1、6の各5枚のサンプルをヒートサイクル試験機(ETAC製NT1230W)に投入し、1サイクル低温側−45℃×30分、高温側125℃×30分の条件で500サイクル連続運転を行った。その後、各サンプルをセラミックス回路基板の断面方向にスライシングマシーンを用いて切断し、光学顕微鏡を用いて実施例1〜4、比較例1に関しては窒化アルミニウム基板とアルミニウム合金−セラミックス複合体間の半田クラック長さを、比較例6については窒化アルミニウム回路基板とアルミニウム合金板間の半田クラック長さを測定し、回路基板対角線長さに対する半田クラックの割合を算出した。結果を表1に示す。

Claims (12)

  1. 平板状のセラミックス多孔体にアルミニウム合金を含浸することにより、両主面にアルミニウム合金層を有する平板状のアルミニウム合金−セラミックス複合体母板を形成する工程と、
    前記複合体母板の少なくとも一主面に直線状欠陥又は断続的欠陥を導入し、その後、割断することにより、側面において前記セラミックス多孔体及び前記アルミニウム合金層が露出したアルミニウム合金−セラミックス複合体を形成する工程を備え、
    前記セラミックス多孔体は、炭化珪素と黒鉛の少なくとも一方を含有し、セラミックス充填量が50質量%以上であり、且つ厚さが0.35mm〜3.8mmであり、前記アルミニウム合金は、アルミニウムの含有量が70質量%以上であり、前記複合体母板は、厚さが0.5mm〜4.0mmであり、前記アルミニウム合金層は、厚さが0.01mm〜0.3mmである、アルミニウム合金−セラミックス複合体の製造方法。
  2. 前記直線状欠陥又は断続的欠陥は、レーザー加工、ウォータージェット加工、研削加工のいずれかによって導入される、請求項1に記載のアルミニウム合金−セラミックス複合体の製造方法。
  3. 前記アルミニウム合金は、シリコンの含有量が3〜27質量%である、請求項1又は請求項2に記載のアルミニウム合金−セラミックス複合体の製造方法。
  4. 前記アルミニウム合金は、マグネシウムの含有量が0.5〜0.9質量%である、請求項1〜請求項3の何れか1つに記載のアルミニウム合金−セラミックス複合体の製造方法。
  5. 前記複合体は、25℃の熱膨張係数が5×10−6/K〜15×10−6/Kであり、熱伝導率が150W/m・K以上である、請求項1〜請求項4の何れか1つに記載のアルミニウム合金−セラミックス複合体の製造方法。
  6. 前記割断によって得られた前記複合体の両主面にめっきを施す工程をさらに備える、請求項1〜請求項5の何れか1つに記載のアルミニウム合金−セラミックス複合体の製造方法。
  7. 前記割断によって得られた前記複合体の8隅を加工して、R形状又はC面形状にする工程をさらに備える、請求項1〜請求項6の何れか1つに記載のアルミニウム合金−セラミックス複合体の製造方法。
  8. 請求項1〜請求項7の何れか1つに記載の方法によってアルミニウム合金−セラミックス複合体を製造し、
    金属ベース板又は金属基複合材料ベース板とセラミックス回路基板の間に前記複合体を配置して、前記ベース板と前記複合体の間と、前記回路基板と前記複合体の間をそれぞれ半田付け又はロウ付けする工程を備える、高放熱性回路基板の製造方法。
  9. 請求項1〜請求項7の何れか1つに記載の方法によってアルミニウム合金−セラミックス複合体を製造し、
    金属ベース板又は金属基複合材料ベース板とチップ素子の間に前記複合体を配置して、前記ベース板と前記複合体の間と、前記チップ素子と前記複合体の間をそれぞれ半田付け又はロウ付けする工程を備える、高放熱性チップ素子の製造方法。
  10. 請求項1〜請求項7の何れか1つに記載の方法によってアルミニウム合金−セラミックス複合体を製造し、
    回路基板とチップ素子又はLEDモジュールの間に前記複合体を配置して、前記回路基板と前記複合体の間と、前記チップ素子又はLEDモジュールと前記複合体の間をそれぞれ半田付け又はロウ付けする工程を備える、高放熱性チップ素子又はLEDモジュールの製造方法。
  11. 請求項1〜請求項8の何れか1つに記載の方法によって製造されるアルミニウム合金−セラミックス複合体。
  12. 請求項11に記載の複合体からなる応力緩衝材。
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