JP2012171990A - 制振樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【手段】複数の損失正接(tanδ)ピークを有する樹脂組成物であって、複数のポリマーを反応させて連結したブロック体を含有し、かつ親有機化した層間化合物を含有する制振樹脂組成物、また、各々異なる温度の損失正接ピーク温度を有しかつ反応基を有する複数のポリマーと、親有機化した層間化合物とを混合し、反応させ、ブロック体とする制振樹脂組成物の製造方法。
【選択図】なし
Description
(1)複数の損失正接(tanδ)ピークを有する樹脂組成物であって、
複数のポリマーを反応させて連結したブロック体を含有し、かつ
親有機化した層間化合物を含有する制振樹脂組成物。
(2)複数のポリマーからなるブロック体と親有機化した層間化合物とを含有する制振樹脂組成物であって、該ブロック体は、各々異なる温度の損失正接(tanδ)ピークを有しかつ反応基をもつ複数のポリマー同士が、前記反応基同士を介して連結されたものである(1)記載の制振樹脂組成物。
(3)前記親有機化した層間化合物が、有機化合物を膨潤性層状粘土鉱物に層間挿入して得られた無機有機ハイブリッド化合物であって、前記ブロック体中にナノメートルサイズで分散した(1)又は(2)に記載の樹脂組成物。
(4)前記ブロック体は、前記反応基を介して連結されたポリマー生成物を前駆体とし、該前駆体分子内の残存反応基同士を介して結合させ、直鎖連結構造、長鎖分岐構造、化学架橋構造、またはそれらを組み合わせた構造である(1)〜(3)いずれかの1項に記載の樹脂組成物。
(5)前記ポリマーの反応基または残存反応基が、カルボキシル基、その酸無水物基、グリシジル基、アミノ基、アミド基、及び水酸基からなる群より選ばれる少なくとも一種の反応基である(1)〜(4)に記載の樹脂組成物。
(6)前記化学種がカップリング剤または/および架橋剤である(5)記載の樹脂組成物。
(7)前記カップリング剤が、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、もしくはオキサゾリンの官能基を少なくとも1つ以上有する単分子化合物又はオリゴマーである(6)に記載の樹脂組成物。
(8)前記親有機化のための有機化合物が、メラミン塩酸塩、アルキルアンモニウム塩、アルキルリン酸塩、及び前記化学種からなる群から選ばれる少なくとも1種以上である(1)〜(7)のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
(9)前記親有機化のための有機化合物が、架橋剤または架橋剤と架橋助剤との組合せである(1)〜(8)のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
(10)各々異なる温度の損失正接ピーク温度を有しかつ反応基を有する複数のポリマーと、親有機化した層間化合物とを混合し、反応させ、ブロック体とする制振樹脂組成物の製造方法。
(11)前記親有機化した層間化合物として、有機化合物を膨潤性層状粘土鉱物に層間挿入して得られた無機有機ハイブリッド化合物を用い、前記ブロック体中にナノメートルサイズで分散させる(10)に記載の樹脂組成物の製造方法。
(12)2官能および/または3官能の化学種を添加して混合し、前記ブロック体もしくは前記ブロック体を結合させる(10)又は(11)に記載の樹脂組成物の製造方法。
(13)前記化学種がカップリング剤または/および架橋剤である(12)記載の樹脂組成物の製造方法。
(14)前記複数のポリマーの混合物、またはこれを一部反応させ連結させたブロック体あるいはそれらの混合物を、加熱押出しして前記反応基を反応させる(10)〜(13)のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
本発明の製造方法によれば、上記優れた特性を有する制振樹脂組成物を好適に製造することができる。
・カップリング剤のマスターバッチの準備
カップリング剤は単分子化合物あるいは多官能を有するオリゴマー(あるいは「反応性マクロモノマー」と称す)であるため、粘度が低い。溶融ポリマーと押出機で混練りを行うと粘度が低いため、押出し機が混練り性能の高い二軸タイプであってもバレル表面に偏在し、粘度の高いポリマーはスクリュー溝に偏在する。その結果、加熱されたバレル表面では溶融温度より遙かに高い(一般には600℃付近である)ため、ブロック化反応よりも先に熱分解が進み、充分な反応が完結しにくい。このため、ポリマーが溶融するまで熱分解や酸化からの回避を目的としてカップリング剤はマスターバッチにして添加する。マスターバッチに使用する樹脂はブロック化する際に組み合わせた複数ポリマーで分子内にその分子構造内に官能基を有しない類似ポリマーであって、一番高い融点の類似ポリマーを用いてマスターバッチ化することが望ましい。
あるいはマスターバッチ作成を行う際に分解や不安定な場合には直接、不活性雰囲気中で押出し機に注入することが望ましい。組み合わせた複数ポリマーが押出し機内で溶融混合し、分散した後に押出し機にベント口を設けておき、溶融した部位から液体、あるいは粉末状のカップリング剤を注入することが望ましい。
ブロック化反応では望ましくは複数のポリマーの保有する官能基は末端あるいは分子内に反応に必要量だけ存在することが望ましい。また相互にカップリング反応しやすい官能基でなければならない。例えば両末端にアミノ基と酸無水物を保有するポリマーの組み合わせ、あるいはグリシジルと酸無水物、水酸基と酸無水物等の縮合反応の形態となる官能基が望ましい。その場合には直鎖状のブロック体が得られるがポリマー同士の反応性が低い場合が多くカップリング剤を用いる方が幅広い官能基の組み合わせ選択することができる。カップリング剤を用いると同じような反応性官能基であっても異なるポリマー間のブロック化を行う事も出来る。例えば異なるポリマーがカルボン酸基や水酸基、アミノ基等の組み合わせであってもイソシアネート、グリシジル基、オキサゾリン等の官能基を複数有する化合物等が上げられる。
本実施形態では更にそのブロック体混合物を反応させて分子量の増大を図ることで各々のポリマーのtanδの値よりもブロック体混合物そのものの平均損失係数を高めることができる。その方法として、第一工程で得られたブロック混合体を用いて分子量の増大の為の反応を行うことができる。分子量の増大には長鎖分岐の導入や部分化学架橋を形成させることが好ましい。その結果ブロック体分子間での絡み合いが形成される。このような分子間の絡み合いの形成では、長周期的な機械的緩和機能が追加され、平均的な損失正接を元のポリマーの各々の損失正接(tanδ)ピークよりも向上させことができる。この分子量増大反応工程でできあがった構造体は長鎖分岐やブロック体間の部分架橋も含まれる。
本実施形態によれば、このようなブロック化を行って広い温度範囲で連続的な複数のtanδの機械的分散を保有することが可能となる。そのピークの高さはブロック体を構成する各々の高分子の固有のtanδの各々のセグメントのモル分率の積の総和で近似される。したがって構成する各々の高分子のtanδを適宜選定して所定の適用温度によって高い損失正接に係る性能が得られる設定としてもよい。
・方法1.
ブロック体を生成後、長鎖分岐を形成させ分子量の増大による平均的損失正接を向上させることができる。例えば低い損失正接(tanδA)を保有するポリマーAと高い損失正接(tanδB)を保有するポリマーBとをブロック化する場合を説明する。
ブロック化にはポリマーAとポリマーBを2官能のカップリング剤を用いて反応押出しにより直鎖状のブロック体混合物を得る。次にブロック体混合生成物に3官能のカップリング剤を作用させて押出し成形を行うとブロック体は長鎖分岐を保有する樹脂組成物を得ることができる。長鎖分岐の導入は分子間の絡み合いが生じるため長周期的緩和を生じるため平均的損失正接の向上に繋がる。カップリング剤は3官能だけでブロック体に作用させると溶剤に可溶であっても絡み合いが多く流動性がない場合は2官能と3官能の併用を行ってもよい。またその際に反応を優先的に進めるには触媒を用いて反応を加速させてもよい。あるいはブロック体の反応性が悪い場合は架橋剤を用いてブロック体同士を部分架橋してもよい。
予め一方のポリマーAに3官能のカップリング剤を作用させて長鎖分岐構造を形成させたスターポリマーAa’を生成しておき、その後ブロック化する為にポリマーBを反応押し出しで結合する。先に損失係数の高いスターポリマーを形成しておき、その後に幅広い温度領域で平均損失係数を保持することができる。この場合はポリマーAの分子量が低い場合に分子量の増大の粘度が比較的低いため、後のブロック化工程が容易である。その理由は手法1を採用するとポリマーAの分子量が低いとポリマーA同士での反応が速く、ポリマーAとポリマーBとのブロック化がしにくい場合には有効な手法である。またこの場合にはブロック化工程は2官能のカップリング剤を用いるか、架橋剤も用いてもよい。なお用いるポリマーについて後に記述するポリマーの項目に例示されたものが好ましい。
本発明においては、反応基を有するポリマーの中で、損失正接(tanδ)のピーク温度が異なるポリマーを複数組み合わせて構成される。かかるポリマーとしてはポリオレフィン系並びにポリビニル系化合物が挙げられる。それらにはエポキシ基やエステル基、酸無水物基等で変性されたポリエチレン、ポリプロピレン、又はエチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンーメチルアクリレート共重合樹脂(EMA)、エチレンーエチルアクリレート共重合樹脂(EEA)、エチレンーブチルアクリレート共重合樹脂(EBA)、グリシジルメタアクリレート共重合体、エチレン/グリシジルメタアクリレート/無水マレイン酸三元共重合体、エチレン/グリシジルメタアクリレート/アクリル酸三元共重合体、グリシジルメタアクリル酸エチレングリシジルメタアクリル酸変性ポリプロピレンより好ましくはエチレングリシジル−メタアクリレート共重合体、エチレン無水マレイン酸グリシジル−メタアクリレート三元共重合体(E−MAH−MA)、エチレングリシジルメタアクリレート/アクリル酸三元共重合体、グリシジルメタアクリル酸変性ポリエチレン及びグリシジルメタアクリル酸変性ポリプロピレン等が挙げられる。一例としては市販されている商品名では具体的には以下のものが挙げられる。
例えばE/GMA/MA=100/3〜6/30)等が挙げられる。具体的には、住友化学製、ボンドファーストE[商品名]、ボンドファースト2C[商品名];日本ポリオレフィン製、レクスパールRA[商品名]、レクスパールET[商品名]、レクスパールRC[商品名]が挙げられる。
上記に例示したポリマーのうち結晶性ポリマーにあたるものは、代表的には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ乳酸(PLA),ポリアミド(PA)である。非結晶性ポリマーにあたるものは、代表的には、 ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリアリレート(PAR)、ポリサルフォン(PSU)である。
前記tanδピーク温度差が大きい場合は、隣接する損失正接ピーク温度の間に損失正接(tanδ)ピーク温度を保有する第3番目のポリマーをブロック化する際に構成ポリマーとして組み合わせるか、あるいは用いるポリマーで共重合体を用いるとコポリマーのセグメントに由来する力学的分散のtanδピークが出現するようにすることが好ましい。このような幅広いピークでtanδが複数存在したポリマーをブロック化に利用することでピーク値の離れすぎによるピーク値の谷を防ぎ、目的とする温度範囲の制振性をどの温度でも維持することができる。ただし、本発明においては各ピークが連続していなくてもよい。例えばアプリケーション上対応できる範囲であれば間欠的であったりピークの谷があったりしてもよい。また、ピークのショルダーが広がる形で広範な温度での制振性を示す設定としてもよい。
高分子物質を加熱した場合にガラス状の硬い状態からゴム状に変わる現象をガラス転移といい、ガラス転移がおこる温度がガラス転移点である。損失正接及びガラス転移温度の測定方法は、長さ40mm×幅10mm×厚さ0.5mmの試料について、動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])を用いて2〜5℃/分で昇温させ、貯蔵弾性率(E’)、損失弾性率を求め(E”)、その比(E”/E’)により損失正接を求めた。損失正接のピーク温度をガラス転移温度とした。
損失係数(η)は、損失正接と同様、制振材料の制振特性を評価する際の指標である。長さ250mm×幅10mm×厚さ3mm(鉄基材1mm)の試料について、中央加振法により、周波数応答関数(機械インピーダンス(力/速度))を測定し、半値幅法により損失係数を算出する。さらに制振材の損失係数を以下の式より求める(ηは系全体の損失係数で測定できるので制振材のη2との関係が下式で算出される。)。
・分子量測定装置
装置:SHIMAZU LC−VP
プレカラム:なし
サンプル側カラム
・LF−804(Shodex)300×7.5mm /2本
・HFIPgel (Polymer Laboratories) 300×7.5mm/2本 など
リファレンス側カラム:サンプル側カラムに同じ
恒温槽温度:40℃ ※一般的に
移動層:テトラヒドロフラン
サンプル側移動層流量:1.0mL/分
リファレンス側移動層流量:1.0mL/分
試料濃度:約1%(0.5%〜数%)
試料注入量:100μL(50〜200μ)
本実施形態においては、2種類のポリマーでブロック化を行う場合は望ましくは両者ポリマーのtanδの大きさ(ピーク面積)が同じ程度になることが望ましい。そのために、構成する両者のモル比は、各々が保有するtanδとそのモル比での可撓性を勘案して定めることが好ましい。ポリマーA/Bの構成比は5/95〜95/5モル比の範囲で構成することができる。しかしながら両者が相分離しやすい領域ではポリマー単独のカップリング反応が生じやすいことを考慮すべきである。その点を考慮するとポリマーA/Bのモル比を95/5〜60/40の混合物1とポリマーA/Bのモル比を5/95〜40/60の混合物2を予め調製しておき、これらを上記構成比になるように調合して反応押し出しを行うことで、ブロック化反応の際に同一ポリマー同士の不均一な反応を回避することができる。
ポリマー構成が3種類以上の場合は例えばポリマーA、BおよびCにおいてポリマーが保有するtanδの温度で中心となるポリマーが全体を構成するモル数の中で望ましくはその各々の構成は5〜50モル%の範囲でその全量が100モル%とする。望ましくは各々の構成は8〜40モル%の範囲でその全量が100モル%とする。好適な条件としては各々の構成は10〜35モル%の範囲でその全量が100モル%の場合が優れた結果を期待できる。
本発明では制振樹脂組成物に親有機化した層間化合物を適用する。その好ましい実施態様としては、膨潤性層状粘土鉱物に有機カチオンおよびまたは有機物を層間に挿入した親有機化層間化合物を用いたものが挙げられる。平均的な損失正接を得るために、高いtanδを保有するポリマーに分散させるとポリマーは層間化合物に配座した後、押出し機の剪断力によって層間化合物は表面から剥離し、ナノメートルサイズの粒子として分散した分散体が得られた。このようにして得られた分散複合体をブロック化するとブロック体における高いtanδ側は低下する傾向にあるが、ピークはブロード化するとともに低いtanδ側のピークが向上する。このため損失分散のtanδ群は全体に平均的化された損失正接特性に改善される。
なお、分散した層状化合物が、板状である場合、上記好ましい寸法の範囲は厚さ(板厚)に相当するものとして評価することができる。板状粒子のアスペクト比は、100〜300程度であることが好ましい。なお、上記層状化合物はその積層構造が親有機化により解かれ、無限膨潤化していることが好ましい。すなわち、無限膨潤化とは、層状化合物の積層構造が解かれデラミネーションし、単層もしくは数〜数十層の小さな積層体として板状の層状化合物片が高度に分散していることを言う。
層状粘土鉱物は上述のように複数のポリマーのブロック化工程の前に、予め有機化合物で層間修飾しておくことが好ましい。この有機化合物としては、メラミン塩酸塩、アルキルアンモニウム塩、アルキルリン酸塩、及び前記化学種からなる群から選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましい。層間修飾の方法は、水置換法とメカノケミカル法とが挙げられる。水置換法とは、有機カチオンを層状粘土鉱物に挿入する場合、膨潤性粘土鉱物の金属イオンとのイオン交換によって層間に挿入する方法である。例えば予め膨潤性粘土鉱物のテトラシリシックマイカを水で無限膨潤化しておき、これに水溶性の有機カチオンの一例としてジメチルジステアリルアンモニュウムクロリドを添加して層間に存在するナトリウムイオンとオニュウムイオンを置換する。置換されたナトリウムイオンと有機カチオンの対イオンのクロルイオンはNaClとして反応系外に排出され、層間にはジメチルジステアリルアンモニュウムイオンが挿入されてd(001)で36Åとなる生成物をえるような水溶液イオン置換での調製法である。
なお層間中の置換量は熱天秤等により燃焼の重量減少から算出し、100g粘土鉱物当たり有機物が含まれる量とした。
層状粘土鉱物の層間修飾の状態はその層間に有機化合物が挿入(インターカレーション)した状態であっても、層状粘土鉱物をなす各層が媒体中で剥離(デラミネーション)して分散した状態であってもよい。層状粘土鉱物もしくはその剥離体の粒子径は前述のようにナノメートルサイズであることが好ましい。
なお、層間化合物を系内に添加する時機は特に限定されないが、ブロック化反応の前であることが好ましい。それにより、一層均一でかつ広い温度分範囲における制振性を実現することができる。
上記複数のポリマーのブロック化の確認は以下のようにして行うことができる。
まず1つの方法を例示すると、反応押し出しによって生成した混合物ポリマーを溶媒に溶解させ、それらをゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって分子量を確認する。さらに、これを分別後、13C−NMRによってブロック化した際のカップリング部分について、その結合炭素は官能基が異種元素によってシフトが異なることを利用して、定量化することができる。しかしながら、これらの操作は精度のある確認手段としては好適ではあるが、ブロック反応性スクリーニングの際には多大な時間を消費しえるため、簡便法として下記のような粘弾性測定によってtanδの挙動観察から判定する方法を採用するもことができる。
一方、ポリマーA及びポリマーBのセグメントの運動量がブロック化の際に構成するポリマーA及びポリマーBが結合していると、ポリマーの運動量はセグメントの長いポリマーの影響をされる。たとえばポリマーAの主鎖セグメント長さがポリマーBより長い(すなわち分子量がポリマーBより分子量が大きく繰り返しユニット数が大きい)場合で、ブロック体になった場合はセグメントの長いポリマーA側の運動量の影響を受けるはずである。言い換えれば、セグメントの長いポリマーAの拘束をポリマーB側は受けるため、
tanδ2のピーク温度TgbはポリマーA側にシフトすることが観測される。もし反対にポリマーB側のセグメントがポリマーAより長く場合はポリマーA側のtanδ1のピーク温度(Tga)はTgb側にシフトする。
上記の前提のもとにピークシフトからブロック化の有無を確認することができる。またその(ブロック化)生成量はシフトしたtanδのピーク高さから可撓性を利用して逆に算出することも可能であると考えられる。
本発明の制振樹脂組成物においては、そのブロック体を主とする混合物が、各々の機械的分散で観測される異なる温度間でのtanδプロファイルがブロードなピークとなることが好ましい。特定のものについては、ブレンドする前の各々のピークの間はそのスロープ間の重なり合う高さにモル分離を乗じた高さになることが経験的に分かっている。前者(ブロック化混合物)はセグメント間で運動の伝達があるためtanδ間の高さは単純に各々のポリマーを混合した場合(各々のピークの間はそのスロープ間の重なり合う高さにモル分離を乗じた)高さより高く且つ主鎖の長いセグメントに引きずられてもう一方の損失正接ピークの温度はシフトする。これを台形状の連続ピーク(あるいは台形ピーク)、単純ブレンドの時に観測されたものを独立ピークとして、ブロック化の制振性を判定することができる(豊田暢之 JSR CEMICAL REVIEW No110,2003参照)。このとき観測される損失正接ピーク(tanδのピーク)の温度幅が広く、より高いものが、広範な温度領域で高い制振性を示す良好なものであるとして判定される。
材料の制振性能の優劣はある温度幅で機械的正接の大きさは単なる一点の温度でのtanδのピーク値で比較することは通常できない。そのため、ここでは、材料を用いた製品の使用される温度範囲において、温度とtanδの積の積分したものを温度幅で割った加重平均値を成分平均損失正接と定義する。材料の制振能力を比較する場合に商品を設計する場合に決められた温度範囲での制振性能を比較する場合に振動エネルギー吸収の積分値を意味する。その加重平均は下記数式2で表される(図1を併せて参照)。
本発明においては、2官能性又は3官能性の化学種としてカップリング剤または架橋剤を用いることが好ましい。これにより、好ましくは、上記複数のポリマーが持つ反応性基に作用し、該反応性基どうしを直接あるいは該化学種を介して結合させる。これにより、前記反応性基で連結された直鎖分岐構造もしくは化学架橋構造のブロック体が得られる。
2官能または3官能をもつ化学種としては、水酸基や、カルボキシル基、酸無水物基、エステル基、エポキシ基やイソシアネート基、オキサゾリン基等の官能基を2及びまたは3官能以上保有する化合物が挙げられ、DCPなどの架橋剤やシランカップリング剤等の結合剤でもよい。なかでも、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、又はオキサゾリン化合物を用いることが好ましい。
カップリング剤は単分子で2官能及びまたは3官能を有するものあるいはオリゴマーでもよい。官能基としては、エポキシ化合物、イソシアネート、オキサゾリン基、カルボキシル基、無水マレイン酸基等が挙げられる。なお、本明細書においてオリゴマーとは、特にポリマーと区別していうときには、重合度が2〜100程度の範囲のものをいう。
また、これら複数の樹脂で化学種を用いて結合させるときは触媒等を入れてもよい。触媒にはルイス酸、強塩基、4級アンモニウム塩、脂肪酸金属塩、3級アミン、有機チタン触媒、アンチモン系触媒、スズ系触媒、イミダゾール系等があげられる。
上記触媒の使用量は特に限定されないが、複数のポリマーの総量に対して0.01〜0.1質量部であることが好ましく、0.01〜0.05質量部であることがより好ましい。上記下限値以上とすることで、触媒としての機能の発現する最低量であり、上記上限値以下とすることで過剰な反応を抑制することができる。
架橋剤としては、例えば、ジ−α−クミルパーオキサイド、t−ブチル−α−クミルパーオキサイド、2,5ジメチル−2,5ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5ジメチル−2,5ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド,2,4−ジクロロ−ベンゾイルパーオキサイド等を用いることができる。添加割合は樹脂成分の合計量(複数のポリマーの総量)100重量部に対して、0.5〜5重量部の範囲が好ましい。この割合が上記下限値以上であると架橋が十分で均質な発泡体が得られやすい。逆に上限値以下であると架橋密度が上がり過ぎず、発泡体に耳割れや気泡粗大等が起こさず、良好な発泡体が得られる。架橋助剤としては、例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパ20ントリアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート等を挙げることができる。これらの架橋助剤の添加割合は、所望の架橋度合に応じて適宜定めることができるが、樹脂成分の合計量(複数のポリマーの総量)に対して、通常0.2〜5重量部の範囲が好ましい。必要に応じて各種添加剤、例えば、酸化防止剤、整泡剤、滑剤、紫外線吸収剤、重合調整剤、顔料等を加えることができる。
(1)カップリング剤を用いて異なる温度で機械的正接(tanδ)を保有するポリマー同士を直鎖状にブロック体及びまたはブロック体を主とする混合物を得る。
(2)スターポリマーの如く多官能を有するカップリング剤を用いて異なる温度で機械的正接(tanδ)をブロック体及びまたはブロック体を主とする混合物を得る。
(3)主に直鎖状にブロック体を得てからそれらに架橋剤を作用させて主に分子量の増大化したブロック体及びそれらの前駆体との混合物等の構造を有する混合物とする。
・層間化合物Aの修飾体の作成
メラミン20gとエタノール60gと塩酸7gを加え攪拌させた後、真空乾燥を行いメラミン塩酸塩を調製した。内容積約1リットルの回転ボールミルに19mmφの鋼球1kgおよびテトラシリシックマイカ(膨潤性層状粘土鉱物)100g(コープケミカル ME−100[商品名])を入れ、無水テトラヒドロフラン5gを添加した。毎分50回転で10分間粉砕を行い、層状粘土鉱物の活性化を行った。次いで、回転ボールミルに先に調整したメラミン塩酸塩を2.5g(20meq/100g)を加え、2時間粉砕を行った。さらに、架橋剤2−2−ハイドロキシ−3−(3456テトラハイドロフタリミデメチル−5−メチルフェニル−ベンゾトリアゾール(2HPMMB)(住友化学株式会社;スミソーブ250)を19.5g(50meq/100g)、ジベンゾチアジルスルフィド(大内新興化学工業株式会社;ノクセラーDM)を16.6g(50meq/100g)入れ、さらに24hr粉砕を行なった。得られた試料を層間化合物(A)とする。
この親有機化された層間化合物(A)及び後記MAE(商品名、コープケミカル製)は樹脂組成物中で、無限膨潤化し、400nm以下のナノ粒子として存在していることをX線回折測定により確認した。一方、親有機化されていないME−100は樹脂組成物中で無限膨潤化せず、ナノメートルサイズにまで微細化された分散状態にはならないことを同様に確認した。
・MDIMBの作成
官能基の保有しないポリエチレン900gに、カップリング剤のジフェニルメタンジイソシアネート(和光化学特級)100gをドライブレンドした2軸押出機で混練し、10%のマスターバッチ(以下「MDIMB」と称す)を作成した。
アルケマ社製のポリアミド11(PA11:BESNTL[商品名])12質量部と親有機化された層状粘土鉱物:MAE([商品名]、コープケミカル製)9.7質量部とを混合した。混練は、押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機[商品名] スクリュー:口径15mm L/D45[商品名])を用いて押出温度230℃で行った。得られたマスターバッチにおける層状珪酸塩複合体の含量は45重量%であった。このマスターバッチ21.7質量部と変性ポリエチレンであるエチレン−エチレングリシジルメタクリレート共重合体樹脂(住友化学:ボンドファーストE[商品名])100質量部と、上記の押出機を用いて混練した。次に得られた組成物121.7質量部とMDIMB:2.5質量部をドライブレンドした後230℃で混練りした。この時触媒としてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05質量部加えた。得られたペレットを250℃で5分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成した。得られた樹脂組成物について動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を行った。なお、実施例1の測定結果を下記比較例1との対比として、グラフにして図2に示した。
実施例1で層状粘土鉱物:MAE([商品名]、コープケミカル製)9.7質量部の代わりに親有機化されていない層状粘土鉱物:ME−100([商品名]、コープケミカル製)6.1質量部を使用した以外は同様に組成物を作成した。
アルケマ社製のポリアミド11(PA11:BESNTL[商品名])12質量部と変性ポリエチレンであるエチレン−エチレングリシジルメタクリレート共重合体樹脂(住友化学:ボンドファーストE[商品名])100質量部を押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機[商品名] スクリュー:口径15mm L/D45[商品名])を用いて押出温度230℃で混練した。続いて、得られた組成物112質量部に対してMDIMB2.5質量部と触媒としてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05質量部ドライブレンド後に上記の押出機を用いて押出温度190℃で混練した。続いて得られた組成物114.5質量部に対して層状粘土鉱物:MAE([商品名]、コープケミカル製)9.7質量部を上記押出機を用いて押出温度190℃で混練した。
得られたペレットを250℃で5分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成した。得られた樹脂組成物について動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を行った。
アルケマ社製のポリアミド11(PA11:BESNTL[商品名])12質量部と 層状粘土鉱物A9.7質量部を混合した。混練は、押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機[商品名] スクリュー:口径15mm L/D45[商品名])を用いて押出温度230℃で行った。得られたマスターバッチにおける層状珪酸塩複合体の含量は45重量%であった。このマスターバッチ21.7質量部と変性ポリエチレンであるエチレン−エチレングリシジルメタクリレート共重合体樹脂(住友化学:ボンドファーストE[商品名])100質量部と、上記の押出機を用いて押出温度230℃で混練した。次に得られた組成物121.7質量部とMDIMB:2.5質量部をドライブレンドした後190℃で混練りした。この時触媒としてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05質量部加えた。得られたペレットを250℃で5分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成した。得られた樹脂組成物について動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を行った。
アルケマ社製のポリアミド11(PA11:BESNTL[商品名])12質量部とテトラシリシックマイカ(膨潤性層状粘土鉱物)(コープケミカル ME−100[商品名])7.1質量部、2−2−ハイドロキシ−3−(3456テトラハイドロフタリミデメチル−5−メチルフェニル−ベンゾトリアゾール(2HPMMB)(住友化学株式会社;スミソーブ250)を1.4質量部、ジベンゾチアジルスルフィド(大内新興化学工業株式会社;ノクセラーDM)を1.2質量部を混合した。混練は、押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機[商品名] スクリュー:口径15mm L/D45[商品名])を用いて押出温度230℃で行った。この得られた組成物21.7質量部と変性ポリエチレンであるエチレン−エチレングリシジルメタクリレート共重合体樹脂(住友化学:ボンドファーストE[商品名])100質量部と、上記の押出機を用いて押出温度230℃で混練した。次に得られた組成物121.7質量部とMDIMB:2.5質量部をドライブレンドした後190℃で混練りした。この時触媒としてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05質量部加えた。得られたペレットを250℃で5分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成した。得られた樹脂組成物について動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を行った。
アルケマ社製のポリアミド11(PA11:BESNTL[商品名])12質量部と変性ポリエチレンであるエチレン−エチレングリシジルメタクリレート共重合体樹脂(住友化学:ボンドファーストE[商品名])100質量部を押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機[商品名] スクリュー:口径15mm L/D45[商品名])を用いて押出温度190℃で混練した。得られたペレットを250℃で5分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成した。得られた樹脂組成物について動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を行った。
三井化学株式会社製のポリ乳酸(PLA;レイシアH440[商品名])(メルトフローレート2.8g/10分)20質量部と 親有機化された層状粘土鉱物:MAE([商品名]、コープケミカル製)10.3質量部とを混合した。混練は、押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機[商品名] スクリュー:口径15mm L/D45[商品名])を用いて押出温度190℃で行った。このマスターバッチ30.3質量部と変性ポリエチレンであるエチレン−エチレングリシジルメタクリレート共重合体樹脂(住友化学:ボンドファーストE[商品名])100質量部と、上記の押出機を用いて混練した。次に得られた組成物132.4gとMDIMB:2.5質量部をドライブレンドした後190℃で混練りした。この時触媒としてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム=50/50(重量比)を0.05質量部加えた。得られたペレットを250℃で5分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成した。得られた樹脂組成物について動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を行った。
三井化学株式会社製のポリ乳酸(PLA;レイシアH440[商品名])(メルトフローレート2.8g/10分)20質量部と変性ポリエチレンであるエチレン−エチレングリシジルメタクリレート共重合体樹脂(住友化学:ボンドファーストE[商品名])100質量部を押出機(テクノベル社製KZW−15−45−MG2軸押出機[商品名] スクリュー:口径15mm L/D45[商品名])を用いて押出温度190℃で混練した。得られたペレットを250℃で5分間熱プレスし、0.5mmのシートを作成した。得られた樹脂組成物について動的粘弾性装置(セイコーインスツルメント製DMS200[商品名])にてtanδの測定を行った。
・ME−100:膨潤性層状粘土鉱物 コープケミカル 商品名
・MAE:層状粘土鉱物 コープケミカル 商品名
・2HPMMP:2−2−ハイドロキシ−3−(3456テトラハイドロフタリミデメチル−5−メチルフェニル−ベンゾトリアゾール
・MBTS:ジベンゾチアゾリルジスルフィド
・cat:触媒としてステアリン酸リチウム及びステアリン酸カルシュウム(50/50)
・MDIMB:ジフェニルメタンジイソシアネートのマスターバッチ
・tanδlow:損失正接ピークの温度の低い側のピーク
・tanδhigh:損失正接ピークの温度の高い側のピーク
・加重平均値(20〜60℃):前記[ブロック体の制振性能の評価]で示した手順及び数式2により求めた積分平均損失正接H
・参考例1の樹脂組成物は、特定のポリマーと親有機化していない層状粘土鉱物を含有する。ポリマーに層状化合物が分散され加重平均値は大きくなるが、混練時に層状粘土鉱物の剥離が進ます、ポリマーへは凝集されて分散されており実施例1と比較すると制振性は劣る結果であった。
・参考例2の樹脂組成物は、特定のポリマーと親有機化した層状粘度鉱物を含有するのであるが、ポリマーのブロック体を形成させた後に層状粘度鉱物を混練したため層状粘土鉱物の混練工程が実施例1に比べて少ないためポリマーへの剥離分散が弱く、実施例1と比較すると制振性に劣る結果であった。
・参考例3の樹脂組成物は、特定のポリマーと親有機化した層状化合物と架橋剤を含有する。親有機化されているので、層状化合物が剥離分散はするものの、実施例3のように架橋剤が相間挿入されている場合より相間距離が小さくポリマーへの剥離分散は弱く、また実施例3のように架橋剤が相間挿入されていないので、実施例3に比べ、架橋剤の分散効率が劣ると思われ、実施例2に比べると制振性は劣る結果であった。
・比較例1、2の樹脂組成物は、特定のポリマーを含有するのみであり、その制振性は、ポリマーに依存する制振特性となり、制振性は十分ではない。
Claims (14)
- 複数の損失正接(tanδ)ピークを有する樹脂組成物であって、
複数のポリマーを反応させて連結したブロック体を含有し、かつ
親有機化した層間化合物を含有する制振樹脂組成物。 - 複数のポリマーからなるブロック体と親有機化した層間化合物とを含有する制振樹脂組成物であって、該ブロック体は、各々異なる温度の損失正接(tanδ)ピークを有し、かつ反応基をもつ複数のポリマー同士が、前記反応基同士を介して連結されたものである請求項1記載の制振樹脂組成物。
- 前記親有機化した層間化合物が、有機化合物を膨潤性層状粘土鉱物に層間挿入して得られた無機有機ハイブリッド化合物であって、前記ブロック体中にナノメートルサイズで分散した請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 前記ブロック体は、前記反応基を介して連結されたポリマー生成物を前駆体とし、該前駆体分子内の残存反応基同士を介して結合させ、直鎖連結構造、長鎖分岐構造、化学架橋構造、またはそれらを組み合わせた構造である請求項1〜3いずれかの1項に記載の樹脂組成物。
- 前記ポリマーの反応基または残存反応基が、カルボキシル基、その酸無水物基、グリシジル基、アミノ基、アミド基、及び水酸基からなる群より選ばれる少なくとも一種の反応基である請求項1〜4に記載の樹脂組成物。
- 前記化学種がカップリング剤または/および架橋剤である請求項5記載の樹脂組成物。
- 前記カップリング剤が、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、もしくはオキサゾリンの官能基を少なくとも1つ以上有する単分子化合物又はオリゴマーである請求項6に記載の樹脂組成物。
- 前記親有機化のための有機化合物が、メラミン塩酸塩、アルキルアンモニウム塩、アルキルリン酸塩、及び前記化学種からなる群から選ばれる少なくとも1種以上である請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記親有機化のための有機化合物が、架橋剤または架橋剤と架橋助剤との組合せである請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 各々異なる温度の損失正接ピーク温度を有しかつ反応基を有する複数のポリマーと、親有機化した層間化合物とを混合し、反応させ、ブロック体とする制振樹脂組成物の製造方法。
- 前記親有機化した層間化合物として、有機化合物を膨潤性層状粘土鉱物に層間挿入して得られた無機有機ハイブリッド化合物を用い、前記ブロック体中にナノメートルサイズで分散させる請求項10に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 2官能および/または3官能の化学種を添加して混合し、前記ブロック体もしくは前記ブロック体を結合させる請求項10又は11に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記化学種がカップリング剤または/および架橋剤である請求項12記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記複数のポリマーの混合物、またはこれを一部反応させ連結させたブロック体あるいはそれらの混合物を、加熱押出しして前記反応基を反応させる請求項10〜13のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
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