JP2012171800A - 炭化珪素単結晶の製造方法及び炭化珪素単結晶の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】種結晶に起因した炭化珪素単結晶の品質の低下を抑制可能な炭化珪素単結晶の製造方法及び炭化珪素単結晶の製造装置を提供する。
【解決手段】種結晶100の主面100bが開口部側に向き、種結晶100の主面100aが底部33側に向くように、種結晶100を固定部材200に固定し、炭化珪素部材150の主面100aは、種結晶100の主面100bに対向し、炭化珪素部材150の主面100aと種結晶100の主面100bとの間に空間Sを設けて、炭化珪素部材150を固定する。
【選択図】図2
【解決手段】種結晶100の主面100bが開口部側に向き、種結晶100の主面100aが底部33側に向くように、種結晶100を固定部材200に固定し、炭化珪素部材150の主面100aは、種結晶100の主面100bに対向し、炭化珪素部材150の主面100aと種結晶100の主面100bとの間に空間Sを設けて、炭化珪素部材150を固定する。
【選択図】図2
Description
本発明は、昇華再結晶法を用いた炭化珪素単結晶の製造方法及び炭化珪素単結晶の製造装置に関する。
従来、炭化珪素単結晶の製造方法として、炭化珪素単結晶の原料を昇華させ、昇華した原料を再結晶させる方法が広く知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
具体的には、開口部を有する坩堝本体の底部側に原料を配置する。坩堝の蓋体には、原料の再結晶を誘起する炭化珪素からなる種結晶を接着剤によって固定する。坩堝の側面部の外側には、加熱コイルが配置されている。加熱コイルに高周波電流を流すことにより、坩堝を誘導加熱する。これにより、坩堝内部の温度が上昇し、原料が昇華する。昇華した原料は、種結晶を基にして再結晶し、炭化珪素単結晶が成長する。このようにして、炭化珪素単結晶を製造していた。
また、特許文献2の製造装置は、坩堝本体の側面から種結晶の側面までを覆う封止部材を備える。これにより、坩堝の蓋体と坩堝本体との隙間から原料が漏れることを抑制できるため、原料の浪費を抑えることができる。
上述した製造方法では、種結晶が接着剤により蓋体に固定されているため、種結晶と蓋体との熱膨張差に起因して、種結晶に熱応力が働く。これによって、種結晶にひずみが生じ、製造された炭化珪素単結晶にマイクロパイプ欠陥、転位及び積層欠陥が発生することがあった。
このため、種結晶を蓋体に固定せずに、例えば、封止部を用いて種結晶を支持して、種結晶と蓋体とに隙間を設けることも考えられる。この場合、種結晶に熱応力が働かないため、マイクロパイプ欠陥等の発生を抑制できる。
しかしながら、種結晶と蓋体とに隙間を設けた場合、種結晶の蓋体側の表面から炭化珪素が昇華しやすくなる。このため、製造された炭化珪素単結晶の種結晶側には、マクロ欠陥が発生しやすいという問題が生じてしまう。特に、製造装置が封止部材を備える場合は、種結晶の蓋体側の表面側には、昇華した炭化珪素はほとんど存在しないため、さらにマクロ欠陥が発生しやすい。
このように、種結晶に起因した炭化珪素単結晶の品質の低下を抑制するために、種結晶の固定に関して、いまだ改善の余地が残されていた。
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、種結晶に起因した炭化珪素単結晶の品質の低下を抑制可能な炭化珪素単結晶の製造方法及び炭化珪素単結晶の製造装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。本発明の特徴は、開口部を有する坩堝本体(坩堝本体30)と、前記開口部を塞ぐ蓋体(蓋体40)とを備えた坩堝(坩堝50)に炭化珪素単結晶の原料(原料20)を配置する工程(原料配置工程S1)と、炭化珪素からなる種結晶(種結晶100)を前記坩堝に固定する種結晶固定工程(種結晶固定工程S2)と、前記原料を加熱して、前記種結晶上に炭化珪素単結晶を成長させる工程(成長工程S3)と、を備えた炭化珪素単結晶の製造方法であって、前記種結晶固定工程では、炭化珪素からなる表面(主面150a)を有する炭化珪素部材(炭化珪素部材150)を準備し、前記種結晶の一方の表面(主面100b)が前記開口部側に向き、前記種結晶の他方の表面(主面100a)が前記坩堝本体の底部(底部33)側に向くように、前記種結晶を固定し、前記炭化珪素部材の前記表面は、前記種結晶に対向し、前記炭化珪素部材の前記表面と前記種結晶の一方の表面との間に隙間(空間S)を設けて、前記炭化珪素部材を固定することを要旨とする。
本発明の特徴によれば、種結晶固定工程では、炭化珪素からなる表面を有する炭化珪素部材を準備し、種結晶の一方の表面が開口部側に向き、種結晶の他方の表面が坩堝本体の底部側に向くように、種結晶を固定し、炭化珪素部材の表面は、種結晶に対向し、炭化珪素部材の表面と種結晶の一方の表面との間に隙間を設けて、炭化珪素部材を固定する。種結晶は、蓋体に取り付けられていないため、種結晶に熱応力が発生することがない。このため、種結晶に歪みが生じることがなく、製造された炭化珪素単結晶にマイクロパイプ欠陥、転位及び積層欠陥が発生することが抑制できる。
種結晶の一方の表面側には、隙間を挟んで炭化珪素部材が固定されている。これによって、隙間には、炭化珪素部材から炭化珪素が昇華するため、隙間には炭化珪素が多く存在する。このため、種結晶から炭化珪素が昇華しにくくなり、マクロ欠陥の発生を抑制できる。
以上の結果、種結晶に起因した欠陥の発生を抑制できるため、炭化珪素単結晶の品質の低下を抑制することができる。
また、前記種結晶固定工程では、前記坩堝本体の側面(側面35)側における前記種結晶及び前記炭化珪素部材の表面を取り囲む固定部を(固定部220)有する固定部材(固定部材200)を用いて固定しても良い。
また、前記種結晶固定工程では、前記坩堝本体の側面側における前記種結晶の表面から前記坩堝本体の側面までを覆う封止部(封止部240)を有する固定部材を用いて固定しても良い。
また、本発明の特徴は、開口部を有し、炭化珪素単結晶の原料が配置される坩堝本体と、前記開口部を塞ぐ蓋体とを備えた坩堝と、前記種結晶の一方の表面が前記開口部側に向き、前記種結晶の他方の表面が前記坩堝本体の底部側に向くように、前記種結晶を固定する固定部材と、炭化珪素からなる表面を有する炭化珪素部材と、を有し、前記炭化珪素部材の前記表面は、前記種結晶に対向し、前記炭化珪素部材の前記表面と前記種結晶の一方の表面との間に隙間を設けて、前記炭化珪素部材は、固定されることを要旨とする。
また、前記固定部材は、前記坩堝本体の側面側における前記種結晶及び前記炭化珪素部材の表面を取り囲む固定部を有しても良い。
また、前記固定部材は、前記坩堝本体の側面側における前記種結晶の表面から前記坩堝本体の側面までを覆う封止部を有しても良い。
本発明によれば、種結晶に起因した炭化珪素単結晶の品質の低下を抑制可能な炭化珪素単結晶の製造方法及び炭化珪素単結晶の製造装置を提供することができる。
本発明に係る炭化珪素単結晶の製造方法及び炭化珪素単結晶の製造装置の一例について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)炭化珪素単結晶製造装置1の概略構成、(2)炭化珪素単結晶の製造方法、(3)作用効果、(4)比較評価、(5)その他実施形態、について説明する。
以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
(1)炭化珪素単結晶製造装置1の概略構成
本実施形態に係る炭化珪素単結晶製造装置1の概略構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る炭化珪素単結晶製造装置1の概略断面図である。図2は、本実施形態に係る固定部材200の概略断面図である。具体的には、図2は、図1における固定部材200の一部拡大図である。図1に示されるように、炭化珪素単結晶製造装置1(以下、適宜、装置1と略す)は、坩堝本体30と蓋体40とを有する坩堝50、支持棒60、石英管70、加熱コイル80、干渉防止コイル85、種結晶100及び固定部材200を備える。
本実施形態に係る炭化珪素単結晶製造装置1の概略構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る炭化珪素単結晶製造装置1の概略断面図である。図2は、本実施形態に係る固定部材200の概略断面図である。具体的には、図2は、図1における固定部材200の一部拡大図である。図1に示されるように、炭化珪素単結晶製造装置1(以下、適宜、装置1と略す)は、坩堝本体30と蓋体40とを有する坩堝50、支持棒60、石英管70、加熱コイル80、干渉防止コイル85、種結晶100及び固定部材200を備える。
坩堝50は、坩堝本体30と蓋体40とを備える。坩堝本体30は、開口部を有する。坩堝本体30は、筒型の容器である。坩堝本体30には、炭化珪素単結晶(以下、適宜、単結晶と略す)の原料20が配置される。具体的には、坩堝本体30の開口部から坩堝本体30の底部33に原料20が配置される。坩堝本体30の側面35には、段が設けられている。底部33側の側面35aは、蓋体40側の側面35bよりも、坩堝本体30の中心に近い。このため、側面35aと側面35bとの境界には、段差35cがある。
蓋体40は、坩堝本体30の開口部を塞ぐ。蓋体40は、凸部を有する。凸部が開口部に嵌合することにより、坩堝本体30の開口部を塞ぐ。本実施形態において、蓋体40の凸部及び坩堝本体30は、互いにかみ合うねじ山が形成されている。蓋体40は、坩堝本体30の底部33側に面する面41を有する。面41には、台座45が形成されている。
坩堝50は、支持棒60により石英管70の内部に固定される。
加熱コイル80は、石英管70の外周に設けられる。加熱コイル80は、加熱コイル80a及び加熱コイル80bを有する。加熱コイル80aは、坩堝本体30の底部33側に位置する。加熱コイル80bは、蓋体40側に位置する。加熱コイル80に高周波電流を流すことにより、坩堝50を誘導加熱する。これにより、坩堝50の内部の温度が上昇し、原料20が昇華する。原料20が再結晶しやすいように、蓋体40側の温度は、坩堝本体30の底部33側の温度に比べて、低くすることが好ましい。なお、坩堝50は、断熱材(不図示)で覆われている。
種結晶100は、炭化珪素からなる。種結晶100は、原料20の再結晶を誘起する。種結晶100は、平板上である。種結晶100は、一方の主面100aと、一方の主面100aに対して反対側の面である他方の主面100bとを有する。種結晶100は、固定部材200によって、坩堝50に固定される。
炭化珪素部材150は、炭化珪素からなる表面を有する。本実施形態において、炭化珪素部材150は、炭化珪素からなる。炭化珪素部材150は、平板上である。炭化珪素部材150は、一方の主面150aと、一方の主面150aに対して反対側の面である他方の主面150bとを有する。炭化珪素部材150は、固定部材200によって、坩堝50に固定される。
固定部材200は、図2に示されるように、固定部220と封止部240とを有する。固定部220の形状は、両端部が開口した筒状である。固定部220には、端部を通る中心軸に向かって突出する突出部220a及び突出部220bが形成される。突出部220aは、固定部220の一端部に形成される。突出部220bは、固定部220の一端部と他端部との間に形成される。突出部220aから突出部220bまでの長さは、少なくとも種結晶100の厚さ以上の長さである。固定部220の他端部は、蓋体40の面41に接している。固定部220は、種結晶100の台座45に嵌合している。
固定部材200は、種結晶100の主面100bが開口部側に向き、種結晶100の主面100aが底部33側に向くように、種結晶100を固定する。具体的には、種結晶100の主面100aが突出部220aに接するように、種結晶100が突出部220aに載置される。
固定部材200は、炭化珪素部材150の主面100bが開口部側に向き、炭化珪素部材150の主面100aが底部33側に向くように、炭化珪素部材150を固定する。具体的には、炭化珪素部材150の主面100aが突出部220bに接するように、炭化珪素部材150が突出部220bに載置される。このため、炭化珪素部材150の主面100aは、種結晶100の主面100bに対向する。また、突出部220aから突出部220bまでの長さは、少なくとも種結晶100の厚さ以上の長さであるため、炭化珪素部材150の主面100aと種結晶100の主面100bとの間に隙間が設けられる。
種結晶100及び炭化珪素部材150は、筒状の固定部220の内側に、固定される。このため、固定部220は、坩堝本体30の側面35側における種結晶100及び炭化珪素部材150の表面を取り囲む。すなわち、種結晶100及び炭化珪素部材150の側面側は、固定部220によって取り囲まれる。このため、種結晶100、炭化珪素部材150及び固定部220に囲まれた空間Sが形成される。
封止部240は、坩堝本体30の側面35側における種結晶100の表面から坩堝本体30の側面35までを覆う。封止部240の形状は、両端部が開口した筒状であり、かつ、種結晶100側に向かうにつれ内周が小さくなる錐台形状である。本実施形態において、封止部240の形状は、円錐台形状である。封止部240の一端部は、固定部220の他端部と接合している。封止部240の他端部は、段差35cに支持されている。これにより、固定部材200は、坩堝50に固定されている。
封止部240に沿って、昇華した原料20は移動するため、種結晶100に向かって、昇華した原料20は移動する。このため、効率的に炭化珪素単結晶を製造できる。また、封止部240により、坩堝本体30と蓋体40との隙間から原料20が漏れることを抑制できる。
(2)炭化珪素単結晶の製造方法
本実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法について、図1から図3を参照しながら説明する。図3は、本実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法を説明するためのフローチャートである。
本実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法について、図1から図3を参照しながら説明する。図3は、本実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法を説明するためのフローチャートである。
図3に示されるように、本実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法は、原料配置工程S1、種結晶固定工程S2及び成長工程S3を備える。
(2.1)原料配置工程S1
原料配置工程S1は、坩堝50に原料20を配置する工程である。具体的には、原料20坩堝本体30の開口部から坩堝本体30の底部33に配置する。
原料配置工程S1は、坩堝50に原料20を配置する工程である。具体的には、原料20坩堝本体30の開口部から坩堝本体30の底部33に配置する。
原料20に含まれる炭化珪素は、どのような製造方法で製造されたものを準備しても構わない。例えば、化学気相成長法(CVD法)で製造された炭化珪素を用いてもよいし、珪素含有原料と炭素含有原料とから炭化珪素前駆体を生成し、生成された炭化珪素前駆体を焼成することで得られる炭化珪素を用いてもよい。原料20には、不純物が少ないものを用いることが好ましい。
(2.2)種結晶固定工程S2
種結晶固定工程S2は、種結晶100を坩堝50に固定する。種結晶固定工程S2は、準備工程S21と固定工程S22とを有する。
種結晶固定工程S2は、種結晶100を坩堝50に固定する。種結晶固定工程S2は、準備工程S21と固定工程S22とを有する。
準備工程S21では、種結晶100及び炭化珪素部材150を準備する。本実施形態において、炭化珪素単結晶を平板状、具体的にはウエハ状に加工したものを種結晶100及び炭化珪素部材150として用いる。このため、炭化珪素部材150は、炭化珪素からなる表面を有する。
固定工程S22では、準備した種結晶100及び炭化珪素部材150を固定する。まず、固定部材200を準備する。種結晶100の主面100bが開口部側に向き、種結晶100の主面100aが底部33側に向くように、種結晶100を固定部材200に固定する。具体的には、種結晶100の主面100aが突出部220aに接するように、種結晶100を突出部220aに載置する。
また、炭化珪素部材150の主面100bが開口部側に向き、炭化珪素部材150の主面100aが底部33側に向くように、炭化珪素部材150を固定する。具体的には、炭化珪素部材150の主面100aが突出部220bに接するように、炭化珪素部材150を突出部220bに載置する。これにより、炭化珪素部材150の主面100aは、種結晶100の主面100bに対向する。また、炭化珪素部材150の主面100aと種結晶100の主面100bとの間に隙間(空間S)が設けられる。
このようにして、図2に示されるように、筒状の固定部220の内側に、種結晶100及び炭化珪素部材150を固定する。これにより、固定部220は、種結晶100及び炭化珪素部材150の側面を取り囲む。
種結晶100及び炭化珪素部材150が固定された固定部材200を蓋体40に取り付ける。具体的には、固定部220の他端部を台座45に勘合させる。固定部材200が取り付けられた蓋体40を坩堝本体30に取り付ける。これにより、封止部240の他端部は、段差35cに支持される。封止部240は、坩堝本体30の側面35側における種結晶100の表面から坩堝本体30の側面35までを覆う。
(2.3)成長工程S3
成長工程S3は、原料20を加熱して、種結晶100上に炭化珪素単結晶を成長させる工程である。
成長工程S3は、原料20を加熱して、種結晶100上に炭化珪素単結晶を成長させる工程である。
加熱コイル80に電流を通電して、坩堝50を加熱する。加熱された坩堝本体30が原料20を加熱する。一般的に、加熱温度は、2000℃から2500℃である。蓋体40側の温度が、坩堝本体30の底部側の温度よりもやや低温となるように、加熱コイル80a及び加熱コイル80bを調整する。原料20の昇華温度を超えると、原料20は、昇華する。
昇華した原料20は、種結晶100上で再結晶する。これにより炭化珪素単結晶が成長を開始する。所望の大きさの炭化珪素単結晶が得られるまで、炭化珪素単結晶を成長させる。
(3)作用効果
本実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法及び装置1によれば、種結晶100の主面100bが開口部側に向き、種結晶100の主面100aが底部33側に向くように、種結晶100を固定部材200に固定し、炭化珪素部材150の主面100aは、種結晶100の主面100bに対向し、炭化珪素部材150の主面100aと種結晶100の主面100bとの間に空間Sを設けて、炭化珪素部材150を固定する。
本実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法及び装置1によれば、種結晶100の主面100bが開口部側に向き、種結晶100の主面100aが底部33側に向くように、種結晶100を固定部材200に固定し、炭化珪素部材150の主面100aは、種結晶100の主面100bに対向し、炭化珪素部材150の主面100aと種結晶100の主面100bとの間に空間Sを設けて、炭化珪素部材150を固定する。
このため、種結晶100は、蓋体40に取り付けられていないため、種結晶100に熱応力が発生することがない。このため、種結晶100に歪みが生じることがなく、製造された炭化珪素単結晶にマイクロパイプ欠陥、転位及び積層欠陥が発生することが抑制できる。
種結晶100の主面100b側には、空間Sを挟んで炭化珪素部材150が固定されている。これによって、空間Sには、炭化珪素部材150から炭化珪素が昇華するため、空間Sには炭化珪素が多く存在する。このため、種結晶100から炭化珪素が昇華しにくくなり、マクロ欠陥の発生を抑制できる。
以上の結果、種結晶に起因した欠陥の発生を抑制できるため、炭化珪素単結晶の品質の低下を抑制することができる。
本実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法及び装置1によれば、固定部220は、種結晶100及び炭化珪素部材150の側面を取り囲む。これにより、炭化珪素部材150から昇華した炭化珪素は、種結晶100付近に存在しやすくなり、マクロ欠陥の発生をさらに抑制できる。
本実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法及び装置1によれば、封止部240は、坩堝本体30の側面35側における種結晶100の表面から坩堝本体30の側面35までを覆う。封止部240によって、坩堝の蓋体と坩堝本体との隙間から原料が漏れることを抑制できるため、原料の浪費を抑えることができる。このため、効率よく炭化珪素単結晶を製造できる。本実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法及び装置1は、封止部240を備えていてもマクロ欠陥の発生を抑制することができる。
(4)比較評価
本発明の効果を確かめるために、以下の測定を行った。なお、本発明は、以下の実施例に限定されない。
本発明の効果を確かめるために、以下の測定を行った。なお、本発明は、以下の実施例に限定されない。
実施例では、種結晶と炭化珪素部材とを準備した。種結晶と炭化珪素部材との隙間が2mmとなるように、種結晶及び炭化珪素部材を固定部材に固定した(図1参照)。
坩堝本体に原料を配置した。蓋体の温度が原料の温度よりも100℃低くなるように、加熱コイルによって加熱した。坩堝内部をAr雰囲気で5Torrに維持して、炭化珪素単結晶を成長させた。これにより実施例に係る炭化珪素単結晶を製造した。
比較例では、種結晶のみを準備し、種結晶を蓋体に接着剤を用いて固定した。また、坩堝本体の側面から種結晶の側面までを覆う封止部材を用いた。その他の条件は、実施例と同様にして、炭化珪素単結晶を製造した。
実施例及び比較例ともに種結晶には、マイクロパイプ欠陥が3個存在するものを用いた。
実施例及び比較例に係る炭化珪素単結晶をウエハ状に切断した。得られたウエハを鏡面に研磨した。得られたウエハを用いて、溶融KOHエッチング評価を行い、マイクロパイプ欠陥密度を測定した。結果を表1に示す。
また、実施例及び比較例ともに種結晶にマクロ欠陥が存在しないものを用いて、同様に炭化珪素単結晶を製造し、ウエハを得た。得られたウエハについて、目視観察によって、マクロ欠陥個数を測定した。結果を表1に示す。
表1に示されるように、比較例では、マイクロパイプ欠陥及びマクロ欠陥が10個発生したのに対し、実施例では、マイクロパイプ欠陥及びマクロ欠陥は発生しなかった。
比較例では、蓋体からの熱応力が種結晶に働いたため、種結晶に存在していたマイクロパイプ欠陥を基に、炭化珪素単結晶にマイクロパイプ欠陥が発生したと考えられる。一方、実施例の種結晶には、熱応力が働かなかったため、実施例の種結晶には、マイクロパイプ欠陥が存在したものの、ウエハにマイクロパイプ欠陥が発生しなかったと考えられる。
また、比較例では、種結晶の裏面は、蓋体に固定されているものの、封止部材を用いているため、特に、種結晶の裏面から炭化珪素単結晶が昇華しやすい。このため、比較例の炭化珪素単結晶では、マクロ欠陥が発生したと考えられる。一方、実施例では、炭化珪素部材から炭化珪素が昇華するため、種結晶から炭化珪素が昇華することが抑制されたと考えられる。このため、実施例のウエハには、マクロ欠陥が発生しなかったと考えられる。
(5)その他実施形態
本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。本発明はここでは記載していない様々な実施形態を含む。従って、本発明はここでは記載していない様々な実施形態を含む。
本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。本発明はここでは記載していない様々な実施形態を含む。従って、本発明はここでは記載していない様々な実施形態を含む。
具体的には、上述した実施形態では、炭化珪素部材150を固定部材200に固定したが、これに限られない。炭化珪素部材150は、接着剤を用いて、蓋体40の台座45に固定されても良い。
また、固定部材200は、封止部240を有していたが、これに限られない。固定部材200は、固定部220のみによって構成されていてもよい。
上述の通り、本発明はここでは記載していない様々な実施形態を含む。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1…炭化珪素単結晶製造装置(装置)、 20…原料、 30…坩堝本体、 33…底部、 35,35a,35b…側面、 35c…段差、 40…蓋体、 41…面、 45…台座、 50…坩堝、 60…支持棒、 70…石英管、 80,80a,80b…加熱コイル、 85…干渉防止コイル、 100…種結晶、 100a,100b…(種結晶の)主面、 150…炭化珪素部材、 150a,150b…(炭化珪素部材の)主面、 200…固定部材、 220…固定部、 220a,220b…突出部、 240…封止部
Claims (6)
- 開口部を有する坩堝本体と、前記開口部を塞ぐ蓋体とを備えた坩堝に炭化珪素単結晶の原料を配置する工程と、
炭化珪素からなる種結晶を前記坩堝に固定する種結晶固定工程と、
前記原料を加熱して、前記種結晶上に炭化珪素単結晶を成長させる工程と、を備えた炭化珪素単結晶の製造方法であって、
前記種結晶固定工程では、
炭化珪素からなる表面を有する炭化珪素部材を準備し、
前記種結晶の一方の表面が前記開口部側に向き、前記種結晶の他方の表面が前記坩堝本体の底部側に向くように、前記種結晶を固定し、
前記炭化珪素部材の前記表面は、前記種結晶に対向し、前記炭化珪素部材の前記表面と前記種結晶の一方の表面との間に隙間を設けて、前記炭化珪素部材を固定する炭化珪素単結晶の製造方法。 - 前記種結晶固定工程では、前記坩堝本体の側面側における前記種結晶及び前記炭化珪素部材の表面を取り囲む固定部を有する固定部材を用いて固定する請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
- 前記種結晶固定工程では、前記坩堝本体の側面側における前記種結晶の表面から前記坩堝本体の側面までを覆う封止部を有する固定部材を用いて固定する請求項1又は2に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
- 開口部を有し、炭化珪素単結晶の原料が配置される坩堝本体と、前記開口部を塞ぐ蓋体とを備えた坩堝と、
前記種結晶の一方の表面が前記開口部側に向き、前記種結晶の他方の表面が前記坩堝本体の底部側に向くように、前記種結晶を固定する固定部材と、
炭化珪素からなる表面を有する炭化珪素部材と、を有し、
前記炭化珪素部材の前記表面は、前記種結晶に対向し、前記炭化珪素部材の前記表面と前記種結晶の一方の表面との間に隙間を設けて、前記炭化珪素部材は、固定される炭化珪素単結晶の製造装置。 - 前記固定部材は、前記坩堝本体の側面側における前記種結晶及び前記炭化珪素部材の表面を取り囲む固定部を有する請求項4に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
- 前記固定部材は、前記坩堝本体の側面側における前記種結晶の表面から前記坩堝本体の側面までを覆う封止部を有する請求項4又は5に記載の炭化珪素単結晶の製造装置。
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