JP2012167613A - エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】ブロック側ウォータジャケット13の冷却液流通を停止してヘッド側ウォータジャケット14のみに冷却液を流通させる形態の暖機を可能とするエンジン1において、設備コストの上昇を抑制しながらも、前記暖機中にブロック側ウォータジャケット13内で冷却液が沸騰することを回避可能とする。
【解決手段】暖機が完了するまでは第1、第2サーモスタット8,9が共に閉弁して、ヘッド側ウォータジャケット14とバイパス通路6とを閉ループとして冷却液を循環する。暖機が完了する前に第2サーモスタット9が開弁してブロック側ウォータジャケット13とヘッド側ウォータジャケット14とバイパス通路6とを閉ループとして冷却液を循環する。暖機が完了すると第1、第2サーモスタット8,9が共に開弁して、ヘッド側ウォータジャケット14とブロック側ウォータジャケット13とラジエータ通路2とを閉ループとして冷却液を循環させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリンダブロックのウォータジャケットとシリンダヘッドのウォータジャケットとに独立して冷却液を流通可能とする構成のエンジンに関する。
従来、シリンダブロックのウォータジャケットとシリンダヘッドのウォータジャケットとに独立して冷却液を流通可能とする構成のエンジンがある。
このようなエンジンでは、冷間始動するときに、ブロック側ウォータジャケットの冷却液流通を停止させて、ヘッド側ウォータジャケットのみに冷却液を流通させることにより、シリンダヘッドとシリンダブロックとを少ない温度差で速やかに昇温させる形態の暖機を行うことが可能になる。
このようなエンジンの暖機中において、仮にエンジンが高負荷運転されると、ブロック側ウォータジャケットに残留している冷却液が沸騰しやすくなる。
これに対し、例えば特許文献1では、前記暖機によってヘッド側ウォータジャケットから排出される冷却液温度が上昇する過程で、段階的に冷却液循環経路を変えるようにしているので、以下で説明する。
この特許文献1は、ヘッド側ウォータジャケットから排出される冷却液を冷却するためのラジエータ通路と、ヘッド側ウォータジャケットから排出される冷却液をラジエータをバイパスしてヘッド側ウォータジャケットとブロック側ウォータジャケットとに戻すためのバイパス通路と、第1、第2サーモスタットとを備えている。
第1サーモスタットは、ヘッド側ウォータジャケットから排出される冷却液を、ラジエータ通路に導入させる状態、バイパス通路に導入させる状態、あるいは前記両方の通路に導入させる状態のいずれかに切り替えるものである。
第2サーモスタットは、バイパス通路に導入された冷却液を、ヘッド側ウォータジャケットに導入させる状態、ブロック側ウォータジャケットに導入させる状態、あるいは前記両方のウォータジャケットに導入させる状態のいずれかに切り替えるものである。
そして、冷間始動すると、第1、第2サーモスタットが閉弁して、ヘッド側ウォータジャケットから排出される冷却液をバイパス通路を経てヘッド側ウォータジャケットのみに戻すことにより、シリンダヘッドとシリンダブロックとを少ない温度差で速やかに昇温させる形態の暖機を行う。
この暖機によってヘッド側ウォータジャケットから排出される冷却液の温度が上昇して第3所定温度T3に到達すると、第2サーモスタットによってヘッド側ウォータジャケットから排出される冷却液をバイパス通路を経てヘッド側ウォータジャケットとブロック側ウォータジャケットとに並列に導入させる。但し、ブロック側ウォータジャケットへの冷却液導入量は少量とされる。
前記ヘッド側ウォータジャケットから排出される冷却液の温度がさらに上昇して第1所定温度T1に到達すると、第2サーモスタットによってヘッド側ウォータジャケットから排出される冷却液をバイパス通路を経てブロック側ウォータジャケットからヘッド側ウォータジャケットへと直列に流通させる状態にする。
前記ヘッド側ウォータジャケットから排出される冷却液温度がさらに上昇して第2所定温度T2に到達すると、第1サーモスタットによってヘッド側ウォータジャケットから排出される冷却液をラジエータ通路に流通させて冷却する状態にするとともに、ヘッド側ウォータジャケットから排出される冷却液をバイパス通路を経てブロック側ウォータジャケットからヘッド側ウォータジャケットに直列に流通させる状態にする。
ところで、この特許文献1では、エンジンの暖機中においてエンジンを高負荷運転することによってブロック側ウォータジャケットに残留している冷却液の温度が急上昇したときに、沸騰する前に前記第2サーモスタットで素早くブロック側ウォータジャケットに冷却液を流通させる状態に移行させるために、第2サーモスタットの作動温度(前記第3所定温度T3、ブロック側ウォータジャケットへの冷却液流通を許可するための閾値)を、前記第2サーモスタットの冷却液温度変化に対する応答遅れ分を見込んで低めに設定している。
特開2009−97352号公報(特に段落0078〜0081、図2〜図4、図10参照)
上記特許文献1に係る従来例では、前記暖機中においてブロック側ウォータジャケットに残留している冷却液の温度が急上昇したときに、前記第2サーモスタットで素早くブロック側ウォータジャケットに冷却液を流通させる状態に移行させるために、前記したように第2サーモスタットの作動温度を低めに設定している。そのようにするには前記第2サーモスタットの感温部の特性を専用設計する必要があるので、当該第2サーモスタットについては簡単かつ安価に入手できる汎用品を使うことができなくなる。
このような事情に鑑み、本発明は、ブロック側ウォータジャケットの冷却液流通を停止してヘッド側ウォータジャケットのみに冷却液を流通させる形態の暖機を可能とするエンジンにおいて、設備コストの上昇を抑制しながらも、前記暖機中にブロック側ウォータジャケット内で冷却液が沸騰することを回避可能とすることを目的としている。
本発明に係るエンジンは、冷却液が暖機完了温度未満のときにウォータポンプの作動に伴いヘッド側ウォータジャケットから排出される冷却液をラジエータに流通させずにヘッド側ウォータジャケットに戻す暖機循環経路を作り、前記冷却液が前記暖機完了温度以上になるとヘッド側ウォータジャケットから排出される冷却液をラジエータを流通させてヘッド側ウォータジャケットに戻す温調循環経路を作るための第1サーモスタットと、冷却液が前記暖機完了温度よりも低く設定される第2設定温度未満のときにブロック側ウォータジャケットの冷却液流通を停止させる状態にして、前記冷却液が前記第2設定温度以上になるとブロック側ウォータジャケットの冷却液流通を許容させる状態にするための第2サーモスタットとを備え、前記第2サーモスタットよりも冷却液流通方向の上流側領域には、エンジンの排気熱を回収する熱交換器が冷却液と熱交換可能に設けられている、ことを特徴としている。
なお、サーモスタットとは自動車関連業界において温度感知型自動作動弁のことを意味している。そもそも、エンジンの冷間始動時には、一般に、シリンダヘッドのほうがシリンダブロックよりも昇温しやすくなる。
この点を考慮し、本発明では、エンジンの冷間始動に、第1、第2サーモスタットによって、ブロック側ウォータジャケットの冷却液流通を停止して、ヘッド側ウォータジャケットの排出口から排出される冷却液をラジエータに流通させずにヘッド側ウォータジャケットの導入口に戻す暖機循環経路を作るから、シリンダブロックとシリンダヘッドとを可及的に温度差が生じないようにしたうえで速やかに昇温させることが可能になる。
そして、暖機完了していないが、ある程度冷却液の温度が上昇すると、シリンダブロックの温度も上昇するので、第2サーモスタットがブロック側ウォータジャケットにも冷却液を流通させる状態にする。これにより、シリンダブロックとシリンダヘッドとを可及的に温度差が生じないようにしたうえで速やかに昇温させることが可能になる。
さらに、暖機が完了すると、第1サーモスタットで冷却液をラジエータに流通させる温調循環経路を作るようにする。これにより、シリンダヘッドおよびシリンダブロックの熱を冷却液で回収してラジエータで大気に発散させることが可能になる。
ところで、エンジンの暖機中に、万一、エンジンが高負荷運転されると、シリンダボアの温度が急上昇する傾向になってブロック側ウォータジャケット内に残留している冷却液が沸騰しやすくなる。それと同時にエンジンからの排気量が増えるとともに排気熱が上昇することになるので、熱交換器で回収する熱容量が大きくなり、この熱交換器によって前記第2サーモスタットよりも冷却液流通方向の上流側領域の冷却液が速やかに昇温させられることになる。
これにより、前記領域の冷却液の温度が短時間で第2設定温度に到達することになるので、通常負荷運転の場合に比べて早期に第2サーモスタットがブロック側ウォータジャケットの冷却液流通を許容させる状態にすることになる。その結果、ブロック側ウォータジャケット内で冷却液が沸騰せずに済むようになる。
しかも、このように既存の構成である熱交換器を利用して第2サーモスタットを早期に作動させるようにしているだけであって、従来例のように第2サーモスタットの感温部の特性を専用設計するといった必要がないので、この第2サーモスタットについて簡単かつ安価に入手できる汎用品を使うことが可能になるなど、設備コストの無駄な上昇を抑制できるようになる。
好ましくは、本発明に係るエンジンは、ヘッド側ウォータジャケットの排出口と導入口とを連通連結するとともに途中にラジエータが設けられるラジエータ通路と、このラジエータ通路においてラジエータよりもヘッド側ウォータジャケットの導入口寄りに設けられるウォータポンプと、前記ラジエータ通路においてラジエータの上流側と下流側とに前記ラジエータをバイパスするように接続されるバイパス通路と、前記ブロック側ウォータジャケットの導入口を前記ラジエータ通路において前記ウォータポンプの吐出側に接続するための中継路とを備え、前記ヘッド側ウォータジャケットの排出口には前記ブロック側ウォータジャケットの冷却液排出側が接続されており、前記第1サーモスタットは、前記ラジエータ通路において前記バイパス通路の下流側との合流部よりも前記ウォータポンプ寄りに設けられ、かつ前記合流部を流通する冷却液温度が暖機完了温度未満のときに前記ラジエータ通路を閉塞して前記暖機循環経路を作り、前記冷却液温度が前記暖機完了温度以上になると前記ラジエータ通路を開放して前記温調循環経路を作るものとされ、前記第2サーモスタットは、前記中継路に設けられ、かつ前記中継路内の冷却液温度が前記第2設定温度未満のときに前記中継路を閉塞して、前記冷却液温度が前記第2設定温度以上になると前記中継路を開放するものとされ、前記熱交換器は、前記中継路において前記第2サーモスタットよりもウォータポンプ寄りに設けられている。
ここでは、ブロック側ウォータジャケットおよびヘッド側ウォータジャケットに冷却液を循環させるための構成を特定しているとともに、第1、第2サーモスタットならびに熱交換器の設置場所を特定している。これにより、暖機の進展に伴いブロック側ウォータジャケットとヘッド側ウォータジャケットとに対する冷却液の流通形態が明らかになるとともに、比較的簡易な構成であることが明らかになる。
好ましくは、本発明に係るエンジンは、ヘッド側ウォータジャケットの排出口と導入口とを連通連結するとともに途中にラジエータが設けられるラジエータ通路と、このラジエータ通路においてラジエータよりもヘッド側ウォータジャケットの導入口寄りに設けられるウォータポンプと、前記ラジエータ通路においてラジエータの上流側と下流側とに前記ラジエータをバイパスするように接続されるバイパス通路と、前記ブロック側ウォータジャケットの排出口をラジエータ通路においてヘッド側ウォータジャケットの排出口寄り位置に接続するための排出側中継路と、前記ブロック側ウォータジャケットの導入口を前記ラジエータ通路において前記ウォータポンプの吐出側に接続するための導入側中継路とを備え、前記第1サーモスタットは、前記ラジエータ通路において前記バイパス通路の下流側との合流部よりも前記ウォータポンプ寄りに設けられ、かつ前記合流部を流通する冷却液温度が暖機完了温度未満のときに前記ラジエータ通路を閉塞して前記暖機循環経路を作り、前記冷却液温度が前記暖機完了温度以上になると前記ラジエータ通路を開放して前記温調循環経路を作るものとされ、前記第2サーモスタットは、前記排出側中継路に設けられ、かつ当該排出側中継路内の冷却液温度が前記第2設定温度未満のときに前記排出側中継路を閉塞して、前記冷却液温度が前記第2設定温度以上になると前記排出側中継路を開放するものとされ、前記熱交換器は、前記排出側中継路において前記第2サーモスタットよりも前記ブロック側ウォータジャケットの排出口寄りに設けられている。
ここでは、ブロック側ウォータジャケットおよびヘッド側ウォータジャケットに冷却液を循環させるための構成を特定しているとともに、第1、第2サーモスタットならびに熱交換器の設置場所を特定している。これにより、暖機の進展に伴いブロック側ウォータジャケットとヘッド側ウォータジャケットとに対する冷却液の流通形態が明らかになるとともに、比較的簡易な構成であることが明らかになる。
好ましくは、前記熱交換器はEGRシステムのEGRクーラとされる。
ここでは、熱交換器を特定している。EGRシステムは、エンジンから排出される排気の一部をエンジンの吸気系に戻すことによりNOxの発生を抑制するものであって、EGRクーラは、エンジンから排出される排気の熱を吸収して当該排気を冷却するものである。一般に、エンジンを高負荷で運転すると、エンジンからの排気量が増えるとともに排気熱が上昇することになり、このようなEGRクーラで回収する高温熱が第2サーモスタットよりも冷却液流通方向の上流側領域の冷却液に伝達されることになるので、この冷却液が速やかに昇温されることになる。
好ましくは、前記ウォータポンプは、クランクシャフトの回転動力で駆動される機械式とされる。
この構成では、クランクシャフトの回転数の高低変化に応答してウォータポンプの回転数が変化することになる。特に、暖機中においてエンジンが高負荷高回転で運転されると、シリンダヘッドの温度が急上昇するようになる。
しかしながら、その際、ウォータポンプの回転数も上昇するために、このウォータポンプの吸入側圧力が低下する。これにより、前記吸入側圧力が負圧になると、この負圧力によって、前記ウォータポンプの吸入側に配置される第1サーモスタットの弁体が強制的に吸引変位させられて当該第1サーモスタットが強制的に開弁されることがある。
このように第1サーモスタットが強制開弁されると、ヘッド側ウォータジャケットから排出される冷却液がラジエータで冷却されるようになるとともに、この冷却された冷却液がヘッド側ウォータジャケットに導入されるようになる。しかもウォータポンプの回転数上昇に伴いヘッド側ウォータジャケットに導入される冷却液の量が増える。これらの相乗により、シリンダヘッドの温度が急上昇することが避けられるようになる。
本発明は、ブロック側ウォータジャケットの冷却液流通を停止してヘッド側ウォータジャケットのみに冷却液を流通させる形態の暖機を可能とするエンジンにおいて、設備コストの上昇を抑制しながらも、前記暖機中にブロック側ウォータジャケット内で冷却液が沸騰することを回避することが可能になる。
本発明に係るエンジンの一実施形態で、その冷却系の構成を模式的に示す図であって、第1、第2サーモスタットが閉弁しているときの冷却液循環経路を説明する図である。 図1において第2サーモスタットが開弁したときの冷却液循環経路を説明するための図である。 図1において第1、第2サーモスタットが開弁したときの冷却液循環経路を説明するための図である。 図1から図3の第1サーモスタットの構成を示す断面図であり、閉弁状態を示している。 図4の第1サーモスタットの開弁状態を示す断面図である。 図1から図3の第2サーモスタットの構成を示す断面図であり、閉弁状態を示している。 図6の第2サーモスタットの開弁状態を示す断面図である。 本発明に係るエンジンの他の実施形態で、その冷却系の構成を模式的に示す図であって、第1、第2サーモスタットが閉弁しているときの冷却液循環経路を説明する図である。 図8において第2サーモスタットが開弁したときの冷却液循環経路を説明するための図である。 図8において第1、第2サーモスタットが開弁したときの冷却液循環経路を説明するための図である。
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1から図7に、本発明の一実施形態を示している。この実施形態では直列多気筒型のエンジンを例に挙げて説明する。図1に示すエンジン1は、シリンダブロック11とシリンダヘッド12とを少なくとも備えている。
シリンダブロック11内にはウォータジャケット13が設けられている。また、シリンダヘッド12内にはウォータジャケット14が設けられている。これらブロック側ウォータジャケット13およびヘッド側ウォータジャケット14が冷却液(ロングライフクーラントLLCと呼ばれる不凍液など)の内部通路である。
なお、この実施形態でのシリンダブロック11はクローズドデッキタイプと呼ばれるものであって、ブロック側ウォータジャケット13とヘッド側ウォータジャケット14とを連通させていない。
ヘッド側ウォータジャケット14の冷却液の導入口15は、シリンダヘッド12において気筒配列方向の一端(例えば前端)面に設けられている。ヘッド側ウォータジャケット14の冷却液の排出口16は、シリンダヘッド12において気筒配列方向の他端(例えば後端)面に設けられている。
ブロック側ウォータジャケット13の冷却液の導入口17は、シリンダブロック11において気筒配列方向の一端(例えば前端)面の下方に設けられている。また、ブロック側ウォータジャケット13の冷却液排出側はヘッド側ウォータジャケット14の排出口16寄り位置に接続されている。つまり、ヘッド側ウォータジャケット14の排出口16は、ヘッド側ウォータジャケット14の排出口とブロック側ウォータジャケット13の排出口とを兼ねる共通排出口になっている。
ヘッド側ウォータジャケット14の排出口16と導入口15とには、ラジエータ通路2が連通連結されている。
このラジエータ通路2には、ウォータポンプ4およびラジエータ5が設けられている。ウォータポンプ4は、ラジエータ通路2においてヘッド側ウォータジャケット14の導入口15寄り位置に設けられている。このウォータポンプ4は、図示していないがクランクシャフトの回転を動力伝達装置(例えばプーリやベルトなどを含む)で伝達されて作動する機械式ウォータポンプとされている。なお、ウォータポンプ4は電動式ウォータポンプとすることも可能である。
ラジエータ5は、冷却液の熱を大気に発散させるための熱交換器であり、ラジエータ通路2においてウォータポンプ4よりも冷却液流通方向の上流側に設けられている。
また、ラジエータ通路2においてラジエータ5の上流側と下流側とには、ラジエータ5をバイパスするためのバイパス通路6が接続されている。このバイパス通路6においてラジエータ通路2との上流側接続部分寄り位置には、ヒータコア7が設けられている。このヒータコア7は車両室内を暖房するための熱交換器である。
さらに、ラジエータ通路2においてバイパス通路6の下流側合流部よりも冷却液流通方向上流側には第1サーモスタット8が設けられている。そして、ラジエータ通路2においてウォータポンプ4の下流側は、ブロック側ウォータジャケット13の導入口17に導入側中継路3を介して接続されていて、この導入側中継路3には第2サーモスタット9が設けられている。
さらに、この導入側中継路3において第2サーモスタット9よりも冷却液流通方向の上流側には、EGRシステム(図示省略)のEGRクーラ10が設けられている。
このEGRクーラ10は、エンジン1から排出される排気の一部をエンジン1の吸気系(図示省略)に戻すことによりNOxの発生を抑制するためのEGRシステムに備えられるものであって、前記吸気系に戻す排気の熱を吸収して当該排気を冷却するための熱交換器である。このEGRクーラ10は、前記した導入側中継路3内の冷却液と熱交換することが可能な状態で設置されている。
このようなエンジン1の内部通路(ウォータジャケット13,14)と外部通路(ラジエータ通路2、バイパス通路6、導入側中継路3)とによって適宜の閉ループの冷却液循環路が作られるようになる。
なお、第1、第2サーモスタット8,9は、公知の構成であるので簡単に説明するが、図4から図7に示すように、主として、フレーム81,91、サーモアクチュエータ82,92、弁体83,93などを備えている。
フレーム81,91は、弁体83,93の弁座となるリングプレート811,911にアッパーアーチ812,912とロアーアーチ813,913とガイドロッド814,914とを設けた構成である。
サーモアクチュエータ82,92は、冷却液の温度変化を感知して弁体83,93を変位させるための駆動源であり、フレーム81,91に支持されている。
弁体83,93はフレーム81,91のリングプレート811,911の中心孔(符号省略)を開閉するものである。なお、弁体83,93がリングプレート811,911の中心孔を開いた状態が開弁状態であり、塞いだ状態が閉弁状態である。この弁体83,93は、円筒形圧縮コイルスプリング84,94により閉弁状態になるように付勢されている。
このような構成の第1、第2サーモスタット8,9の動作としては、サーモアクチュエータ82,92のシリンダ821,921内のサーモワックスが導入側中継路3、バイパス通路6内の冷却液温度の高低変化に反応して溶融膨張または凝固収縮することによってシリンダ821,921がガイドロッド814,914に沿って中心軸線方向に進退変位し、当該シリンダ821,921に固定された弁体83,93でもって導入側中継路3、ラジエータ通路2を開閉するような構成になっている。
具体的に、第1サーモスタット8は、バイパス通路6内の冷却液温度が暖機完了温度(例えば80℃〜84℃)に基づいて設定される第1設定温度未満になると、サーモワックスが凝固収縮してワックス圧が低くなるので、図4に示すように弁体83が自動的に閉弁状態になってラジエータ通路2からウォータポンプ4への冷却液の流通を停止させる状態にする一方、バイパス通路6内の冷却液温度が第1設定温度以上になると、サーモワックスが溶融膨張されてワックス圧が高くなるので、図5に示すように弁体83が自動的に開弁状態になってラジエータ通路2からウォータポンプ4へ冷却液を流通させる状態にする。そして、第1サーモスタット8は、弁体83の開閉状態に関係無くバイパス通路6からウォータポンプ4へ冷却液を常に流通させる状態にする。
また、第2サーモスタット9は、その冷却液流通方向上流側の導入側中継路3の冷却液温度が前記第1設定温度よりも低く設定される第2設定温度(例えば60℃〜65℃)未満になると、サーモワックスが凝固収縮してワックス圧が低くなるので、図6に示すように弁体93が自動的に閉弁して導入側中継路3からブロック側ウォータージャケット13への冷却液の流通を停止させる状態にする一方、前記冷却液温度が前記第2設定温度以上になると、サーモワックスが溶融膨張されてワックス圧が高くなるので、図7に示すように弁体93が自動的に開弁して導入側中継路3からブロック側ウォータージャケット13へ冷却液を流通させる状態にする。
次に、図1から図3を参照してエンジン1の作動に伴う冷却液の循環経路を説明する。
まず、エンジン1を冷間始動させた場合、つまり第1、第2サーモスタット8,9が共に閉弁している状態でエンジン1を始動させた場合には、図1の実線で示すように、ウォータポンプ4の作動に伴いヘッド側ウォータジャケット14内の冷却液がシリンダヘッド12の排出口16からラジエータ通路2に排出されることになる。この冷却液はラジエータ5を通過せずにバイパス通路6を経てヘッド側ウォータジャケット14の導入口15に戻される。
この場合、ヘッド側ウォータジャケット14とバイパス通路6とによって作られる閉ループを冷却液が循環するようになる。これにより、ヘッド側ウォータジャケット14を冷却液が繰り返し流通する際に冷却液がシリンダヘッド12の特に燃焼室近傍の熱を吸収して昇温が促進されるようになる。
そして、導入側中継路3において第2サーモスタット9の上流側の冷却液温度が第2設定温度以上になると、第2サーモスタット9が自動的に開弁する。これにより、図2の一点鎖線で示すように、ウォータポンプ4の作動に伴いブロック側ウォータジャケット13内の冷却液およびヘッド側ウォータジャケット14内の冷却液がシリンダヘッド12の排出口16からラジエータ通路2に排出されることになる。この冷却液はラジエータ5を通過せずにバイパス通路6を経てヘッド側ウォータジャケット14の導入口15およびブロック側ウォータジャケット13の導入口17に戻される。
この場合、ブロック側ウォータジャケット13およびヘッド側ウォータジャケット14と、バイパス通路6と、導入側中継路3とによって作られる閉ループを冷却液が循環するようになる。これにより、ヘッド側ウォータジャケット14を冷却液が繰り返し流通する際に冷却液がシリンダヘッド12の特に燃焼室近傍の熱を吸収して昇温が促進されるようになり、また、ブロック側ウォータジャケット13を冷却液が繰り返し流通する際に冷却液がシリンダボアの熱を吸収して昇温が促進されるようになる。
さらに、バイパス通路6において第1サーモスタット8近傍の冷却液温度が第1設定温度以上になると、第1サーモスタット8が自動的に開弁し、図3の二点鎖線で示すように、ウォータポンプ4の作動に伴いブロック側ウォータジャケット13内の冷却液およびヘッド側ウォータジャケット14内の冷却液がシリンダヘッド12の排出口16からラジエータ通路2に排出されることになる。この冷却液はラジエータ5を通過することによって冷却されてからヘッド側ウォータジャケット14の導入口15およびブロック側ウォータジャケット13の導入口17に戻される。その一方で、シリンダヘッド12の排出口16からラジエータ通路2に排出される冷却液はさらにバイパス通路6を経てヘッド側ウォータジャケット14の導入口15およびブロック側ウォータジャケット13の導入口17に戻されるようにもなる。
この場合、ブロック側ウォータジャケット13およびヘッド側ウォータジャケット14と、ラジエータ通路2と、バイパス通路6と、導入側中継路3とによって作られる閉ループを冷却液が循環するようになる。これにより、シリンダヘッド11およびシリンダブロック12の熱を冷却液で回収してラジエータ5で大気に発散させるようになるから、冷却液およびエンジン1の温度が一定範囲内に調整されることになる。
以上説明したように、要するに、エンジン1の冷間始動時には、シリンダヘッド12のほうがシリンダブロック11よりも昇温しやすいことを考慮して、エンジン1の冷間始動に伴う暖機中に、ブロック側ウォータジャケット13への冷却液流通を停止して、ヘッド側ウォータジャケットの排出口から排出される冷却液をラジエータに流通させずにヘッド側ウォータジャケットの導入口に戻す暖機循環経路を作るようにしているので、シリンダブロック11とシリンダヘッド12とを可及的に温度差が生じないようにしたうえで速やかに昇温させることが可能になる。
そして、暖機完了していないが、冷却液の温度およびシリンダブロック11の温度がある程度上昇すると、第2サーモスタット9がブロック側ウォータジャケット13にも冷却液を流通させる状態にする。これにより、シリンダブロック11とシリンダヘッド12とを可及的に温度差が生じないようにしたうえで速やかに昇温させることが可能になる。
さらに、暖機が完了すると、第1サーモスタット8で冷却液をラジエータ5に流通させる温調循環経路を作るようにする。これにより、シリンダブロック11およびシリンダヘッド12の熱を冷却液で回収してラジエータ5で大気に発散させることが可能になる。
ところで、エンジン1の暖機中にエンジン1を高負荷で運転すると、通常負荷運転時に比べてシリンダボアの温度が急上昇する傾向になってブロック側ウォータジャケット13内に残留している冷却液が早期に沸騰しやすくなる。
このような状況でも、この実施形態の構成では、第2サーモスタット9の開弁タイミングを可及的に早くできるように工夫しているので、以下で詳しく説明する。
この実施形態では、既に説明しているが、エンジン1に装着されているEGRシステムのEGRクーラ10を第2サーモスタット9の上流側に設置している。
そもそも、EGRクーラ10は、エンジン1の排気熱を吸収して放熱させるための熱交換器であって、エンジン1が高負荷運転されるとエンジン1からの排気量が増えるとともに排気熱が上昇することになるために、EGRクーラ10の温度が上昇しやすくなる。
このようなEGRクーラ10を第2サーモスタット9の上流側に設置している構成であれば、エンジン1を高負荷運転したときにEGRクーラ10で回収する高温熱によって第2サーモスタット9の冷却液流通方向の上流側領域の冷却液の温度が通常負荷運転時に比べて早期に上昇させられることになり、それに伴い前記領域の冷却液温度が前記第2設定温度以上になるまでに要する時間が通常負荷運転時に比べて短くなる。
これにより、第2サーモスタット9が通常負荷運転の場合に比べて早期にブロック側ウォータジャケット13の冷却液流通を許容させる開弁状態になるので、バイパス通路6から供給される冷却液がヘッド側ウォータジャケット14に導入されるだけでなく導入側中継路3を経てブロック側ウォータジャケット13にも導入されるようになる。そのため、ブロック側ウォータジャケット13を流通する冷却液でシリンダブロック13が冷却されることになるので、ブロック側ウォータジャケット13内で冷却液が沸騰するといった不具合の発生を確実に回避できるようになる。
以上説明したように本発明を適用した実施形態では、エンジン1の冷間始動に伴う暖機中にブロック側ウォータジャケット13への冷却液流通を停止してヘッド側ウォータジャケット14のみに冷却液を流通させる暖機循環経路を作ることによりシリンダブロック11とシリンダヘッド12とに温度差を生じさせずに昇温させることを可能にした構成において、万一、エンジン1が高負荷運転されることによってブロック側ウォータジャケット13内の冷却液が沸騰しやすくなる状況になったとしても、EGRクーラ10で回収する排気熱を利用することによって第2サーモスタット9を可及的速やかに開弁させることが可能になる。
そのため、前記のような状況においてもブロック側ウォータジャケット13に冷却液を流通させる状態にしてシリンダブロック11を冷却することができるので、ブロック側ウォータジャケット13内で冷却液が沸騰するといった不具合の発生を確実に回避できるようになるなど、エンジン1の信頼性向上に大きく貢献できるようになる。
しかも、この実施形態では、第2サーモスタット9を早期作動させるために既存の構成要素であるEGRクーラ10を第2サーモスタット9の上流側に配置するだけであって、特別な構成要素を必要としていないばかりか、従来例のように第2サーモスタット9の感温部の特性を専用設計するといった必要がない。したがって、この実施形態では、第2サーモスタット9について簡単かつ安価に入手できる汎用品を使うことが可能になるなど、比較的簡易な構成で事足りるので、エンジン1の冷却系の設備コストの無駄な上昇を抑制できるようになる。
なお、本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲内で適宜に変更することが可能である。
(1)図8から図10に本発明の他の実施形態を示している。この実施形態では、主として第2サーモスタット9およびEGRクーラ10の設置場所が上記実施形態と異なる。その他の構成は上記実施形態と基本的に同じになっている。
この実施形態では、ブロック側ウォータジャケット13の排出口18がシリンダブロック11の他端(例えば後端)面に設けられており、さらに、このシリンダブロック11の排出口18はラジエータ通路2においてヘッド側ウォータジャケット14の排出口16寄りに排出側中継路21を介して連通連結されている。そして、上記実施形態において導入側中継路3に設置していた第2サーモスタット9およびEGRクーラ10は、前記排出側中継路21に設置されている。
図8から図10を参照して、エンジン1の作動に伴う冷却液の循環経路を説明する。
まず、エンジン1を冷間始動させた場合、つまり第1、第2サーモスタット8,9が共に閉弁している状態でエンジン1を始動させた場合には、図8の実線で示すように、ウォータポンプ4の作動に伴いヘッド側ウォータジャケット14内の冷却液が排出口16からラジエータ通路2に排出されることになる。この冷却液はラジエータ5を通過せずにバイパス通路6を経てヘッド側ウォータジャケット14の導入口15に戻される。
この場合、ヘッド側ウォータジャケット14とバイパス通路6とによって作られる閉ループを冷却液が循環するようになる。これにより、ヘッド側ウォータジャケット14を冷却液が繰り返し流通する際に冷却液がシリンダヘッド12の特に燃焼室近傍の熱を吸収して昇温が促進されるようになる。
そして、排出側中継路21において第2サーモスタット9の上流側の冷却液温度が第2設定温度以上になると、第2サーモスタット9が自動的に開弁する。これにより、図9の一点鎖線で示すように、ウォータポンプ4の作動に伴いヘッド側ウォータジャケット14内の冷却液が排出口16からラジエータ通路2に排出されることになるとともに、ブロック側ウォータジャケット13内の冷却液が排出口18から排出側中継路21を経てラジエータ通路2に排出されることになる。これらの冷却液はラジエータ5を通過せずにバイパス通路6を経てヘッド側導入口15およびブロック側導入口17に戻される。
この場合、ブロック側ウォータジャケット13およびヘッド側ウォータジャケット14と、バイパス通路6と、導入側中継路3と、排出側中継路21とによって作られる閉ループを冷却液が循環するようになる。これにより、ヘッド側ウォータジャケット14を冷却液が繰り返し流通する際に冷却液がシリンダヘッド12の特に燃焼室近傍の熱を吸収して昇温が促進されるようになり、また、ブロック側ウォータジャケット13を冷却液が繰り返し流通する際に冷却液がシリンダボアの熱を吸収して昇温が促進されるようになる。
さらに、バイパス通路6において第1サーモスタット8近傍の冷却液温度が第1設定温度以上になると、第1サーモスタット8が自動的に開弁し、図10の二点鎖線で示すように、ウォータポンプ4の作動に伴いヘッド側ウォータジャケット14内の冷却液が排出口16からラジエータ通路2に排出されることになるとともに、ブロック側ウォータジャケット13内の冷却液が排出口18から排出側中継路21を経てラジエータ通路2に排出されることになる。これらの冷却液はラジエータ5を通過することによって冷却されてからヘッド側ウォータジャケット14の導入口15およびブロック側ウォータジャケット13の導入口17に戻される。その一方で、ヘッド側ウォータジャケット14の排出口16およびブロック側ウォータジャケット13の排出口18からそれぞれラジエータ通路2に排出される冷却液はさらにバイパス通路6を経てヘッド側ウォータジャケット14の導入口15およびブロック側ウォータジャケット13の導入口17に戻されるようにもなる。
この場合、ブロック側ウォータジャケット13およびヘッド側ウォータジャケット14と、ラジエータ通路2と、バイパス通路6と、導入側中継路3と、排出側中継路21とによって作られる閉ループを冷却液が循環するようになる。これにより、シリンダヘッド11およびシリンダブロック12の熱を冷却液で回収してラジエータ5で大気に発散させるようになるから、冷却液およびエンジン1の温度が一定範囲内に調整されることになる。
以上説明したように、要するに、エンジン1の冷間始動時には、シリンダヘッド12のほうがシリンダブロック11よりも昇温しやすいことを考慮して、エンジン1の冷間始動に伴う暖機中に、ブロック側ウォータジャケット13への冷却液流通を停止して、ヘッド側ウォータジャケットの排出口から排出される冷却液をラジエータに流通させずにヘッド側ウォータジャケットの導入口に戻す暖機循環経路を作るようにしているので、シリンダブロック11とシリンダヘッド12とを可及的に温度差が生じないようにしたうえで速やかに昇温させることが可能になる。
ところで、エンジン1の暖機中にエンジン1を高負荷で運転すると、通常負荷運転時に比べてシリンダボアの温度が急上昇する傾向になってブロック側ウォータジャケット13内に残留している冷却液が早期に沸騰しやすくなる。
このような状況でも、この実施形態の構成では、第2サーモスタット9の開弁タイミングを可及的に早くできるようになるので、以下で詳しく説明する。
つまり、エンジン1の暖機中にエンジン1を高負荷運転すると、上記実施形態で説明したようにEGRクーラ10の熱を受けた冷却液によって第2サーモスタット9が通常負荷運転時に比べて早期に開弁するようになる。そのために、ヘッド側ウォータジャケット14の排出口16およびブロック側ウォータジャケット13の排出口18からバイパス通路6に排出された冷却液がヘッド側ウォータジャケット14だけでなくブロック側ウォータジャケット13にも流通されるようになる。
これにより、ブロック側ウォータジャケット13を流通する冷却液でシリンダブロック13が冷却されることになるので、ブロック側ウォータジャケット13内で冷却液が沸騰するといった不具合の発生を確実に回避できるようになる。このように、この実施形態の場合も上記実施形態と同様の作用、効果が得られる。
(2)上記実施形態では、第2サーモスタット9の上流側に設置する熱交換器をEGRクーラ10にした例を挙げているが、本発明はこれに限定されるものではない。前記熱交換器は、図示していないが、例えばエンジン1に取り付けられる排気管途中に設置される排気熱回収器とすることが可能である。
本発明は、例えばシリンダブロックのウォータジャケットとシリンダヘッドのウォータジャケットとに独立して冷却液を流通可能とする構成のエンジンに適用することが可能である。
1 エンジン
11 シリンダブロック
12 シリンダヘッド
13 ブロック側ウォータジャケット
14 ヘッド側ウォータジャケット
15 ヘッド側ウォータジャケットの導入口
16 ヘッド側ウォータジャケットの排出口
17 ブロック側ウォータジャケットの導入口
2 ラジエータ通路
3 導入側中継路
4 ウォータポンプ
5 ラジエータ
6 バイパス通路
8 第1サーモスタット
9 第2サーモスタット
10 EGRクーラ(熱交換器)

Claims (5)

  1. 冷却液が暖機完了温度未満のときにウォータポンプの作動に伴いヘッド側ウォータジャケットから排出される冷却液をラジエータに流通させずにヘッド側ウォータジャケットに戻す暖機循環経路を作り、前記冷却液が前記暖機完了温度以上になるとヘッド側ウォータジャケットから排出される冷却液をラジエータを流通させてヘッド側ウォータジャケットに戻す温調循環経路を作るための第1サーモスタットと、
    冷却液が前記暖機完了温度よりも低く設定される第2設定温度未満のときにブロック側ウォータジャケットの冷却液流通を停止させる状態にして、前記冷却液が前記第2設定温度以上になるとブロック側ウォータジャケットの冷却液流通を許容させる状態にするための第2サーモスタットとを備え、
    前記第2サーモスタットよりも冷却液流通方向の上流側領域には、エンジンの排気熱を回収する熱交換器が冷却液と熱交換可能に設けられている、ことを特徴とするエンジン。
  2. 請求項1に記載のエンジンにおいて、
    ヘッド側ウォータジャケットの排出口と導入口とを連通連結するとともに途中にラジエータが設けられるラジエータ通路と、
    このラジエータ通路においてラジエータよりもヘッド側ウォータジャケットの導入口寄りに設けられるウォータポンプと、
    前記ラジエータ通路においてラジエータの上流側と下流側とに前記ラジエータをバイパスするように接続されるバイパス通路と、
    前記ブロック側ウォータジャケットの導入口を前記ラジエータ通路において前記ウォータポンプの吐出側に接続するための中継路とを備え、
    前記ヘッド側ウォータジャケットの排出口には前記ブロック側ウォータジャケットの冷却液排出側が接続されており、
    前記第1サーモスタットは、前記ラジエータ通路において前記バイパス通路の下流側との合流部よりも前記ウォータポンプ寄りに設けられ、かつ前記合流部を流通する冷却液温度が暖機完了温度未満のときに前記ラジエータ通路を閉塞して前記暖機循環経路を作り、前記冷却液温度が前記暖機完了温度以上になると前記ラジエータ通路を開放して前記温調循環経路を作るものとされ、
    前記第2サーモスタットは、前記中継路に設けられ、かつ前記中継路内の冷却液温度が前記第2設定温度未満のときに前記中継路を閉塞して、前記冷却液温度が前記第2設定温度以上になると前記中継路を開放するものとされ、
    前記熱交換器は、前記中継路において前記第2サーモスタットよりもウォータポンプ寄りに設けられている、ことを特徴とするエンジン。
  3. 請求項1に記載のエンジンにおいて、
    ヘッド側ウォータジャケットの排出口と導入口とを連通連結するとともに途中にラジエータが設けられるラジエータ通路と、
    このラジエータ通路においてラジエータよりもヘッド側ウォータジャケットの導入口寄りに設けられるウォータポンプと、
    前記ラジエータ通路においてラジエータの上流側と下流側とに前記ラジエータをバイパスするように接続されるバイパス通路と、
    前記ブロック側ウォータジャケットの排出口をラジエータ通路においてヘッド側ウォータジャケットの排出口寄り位置に接続するための排出側中継路と、
    前記ブロック側ウォータジャケットの導入口を前記ラジエータ通路において前記ウォータポンプの吐出側に接続するための導入側中継路とを備え、
    前記第1サーモスタットは、前記ラジエータ通路において前記バイパス通路の下流側との合流部よりも前記ウォータポンプ寄りに設けられ、かつ前記合流部を流通する冷却液温度が暖機完了温度未満のときに前記ラジエータ通路を閉塞して前記暖機循環経路を作り、前記冷却液温度が前記暖機完了温度以上になると前記ラジエータ通路を開放して前記温調循環経路を作るものとされ、
    前記第2サーモスタットは、前記排出側中継路に設けられ、かつ当該排出側中継路内の冷却液温度が前記第2設定温度未満のときに前記排出側中継路を閉塞して、前記冷却液温度が前記第2設定温度以上になると前記排出側中継路を開放するものとされ、
    前記熱交換器は、前記排出側中継路において前記第2サーモスタットよりも前記ブロック側ウォータジャケットの排出口寄りに設けられている、ことを特徴とするエンジン。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のエンジンにおいて、
    前記熱交換器はEGRシステムのEGRクーラとされる、ことを特徴とするエンジン。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のエンジンにおいて、
    前記ウォータポンプは、クランクシャフトの回転動力で駆動される機械式とされる、ことを特徴とするエンジン。
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