JP2012167063A - ドーパオキシダーゼ活性抑制剤及び美白剤 - Google Patents

ドーパオキシダーゼ活性抑制剤及び美白剤 Download PDF

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彰子 川崎
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Abstract

【課題】ドーパオキシダーゼ活性抑制剤及び美白剤を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される化合物を有効成分として含有するドーパオキシダーゼ活性抑制剤、及び当該化合物を有効成分として含有する美白剤。
Figure 2012167063

(式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、ヒドロキシル基又は炭素数1〜12のアシルオキシ基を表す。Rはヒドロキシル基又は炭素数1〜12のアシルオキシ基を表す。ただし、Rがヒドロキシル基の場合、Rはヒドロキシル基である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、ドーパオキシダーゼ活性抑制剤及び美白剤に関する。
日焼け後の色素沈着やシミ・ソバカスは、一般に皮膚の紫外線暴露による刺激やホルモンの異常又は遺伝的要素等によって皮膚内に存在する色素細胞(メラノサイト)が活性化されメラニン産生が亢進した結果生じるものと考えられている。生体内において、色素メラニンは色素細胞(メラノサイト)内のメラノソームにおいて、前駆体であるチロシンから酵素チロシナーゼの作用によって生合成される。このメラニン生合成に関わる酵素であるチロシナーゼに変異が生じると、皮膚、毛髪のメラニン色素の形成が異常となることが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
メラニン生合成において重要な役割を果たすチロシナーゼは、美白素材の標的物質としても有用であると考えられており、従来からチロシナーゼに注目した美白素材の探求がなされている。チロシナーゼは、具体的には、チロシンヒドロキシラーゼ活性、ドーパオキシダーゼ活性及びDHI活性を有し、チロシン及びドーパを前駆体としたメラニン合成反応を触媒している。そのため、チロシナーゼ酵素活性を検討する際に、例えばドーパオキシダーゼ活性等を指標として用いることができ、実際に、ドーパオキシダーゼ活性は、チロシナーゼ酵素活性阻害作用をもつメラニン産生抑制素材を評価する際にもその指標として用いられている(例えば、非特許文献2参照)。この手法によれば、メラノサイト内のドーパオキシダーゼ活性を抑制することで、最終的な生合成産物であるメラニンの産出を抑制する物質を評価することができる。
このように従来から、チロシナーゼの活性を阻害してメラニン産生を抑制しうる物質、産生したメラニンを減少しうる物質等の探求がなされ、美白成分としてそれらの物質の使用が検討されてきた。例えば、アスコルビン酸、アルブチン、コウジ酸、グルタチオン等に当該作用があることが報告されている(例えば、非特許文献3参照)。
King RA.Oetting WS.Hearing VJ.In Metabolic bases of inherited disease(Scriver CR.Beaudet AL.Sly WS.Valle D.,eds.),McGraw-Hill,New York,4353-4392,1995 Wrathall JR.et al.,JCB 1973 57:406-423 美白戦略(南江堂)IV.,美白剤の薬理と臨床,p95-115
本発明は、高いドーパオキシダーゼ活性抑制作用を有するドーパオキシダーゼ活性抑制剤を提供することを課題とする。また、本発明は、ドーパオキシダーゼ活性を効果的に抑制してメラニン生成を抑える美白剤及び皮膚外用剤を提供することを課題とする。
本発明者等は上記課題に鑑み、美白作用を有する新規素材を探求すべく鋭意検討を行った。その結果、下記一般式(1)で表される化合物がドーパオキシダーゼ活性抑制作用を有することを見い出し、該化合物が新規の美白成分として有用であるとの知見を得た。本発明はこれに基づいて完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される化合物を有効成分として含有するドーパオキシダーゼ活性抑制剤を提供する。
Figure 2012167063
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、ヒドロキシル基又は炭素数1〜12のアシルオキシ基を表す。Rはヒドロキシル基又は炭素数1〜12のアシルオキシ基を表す。ただし、Rがヒドロキシル基の場合、Rはヒドロキシル基である。)
また、本発明は、前記一般式(1)で表される化合物を有効成分として含有する美白剤を提供する。
さらに、本発明は、下記一般式(2)で表される化合物を有効成分として含有する皮膚外用剤に関する。
Figure 2012167063
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、ヒドロキシル基又は炭素数1〜12のアシルオキシ基を表す。)
本発明によれば、ドーパオキシダーゼ活性抑制剤を提供することができる。また、本発明によれば、ドーパオキシダーゼ活性抑制作用に優れた美白剤及び皮膚外用剤を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のドーパオキシダーゼ活性抑制剤及び美白剤は、下記一般式(1)で表される化合物を有効成分として含有する。後述の実施例で実証されているように、当該化合物は高いドーパオキシダーゼ活性抑制作用を有し、チロシナーゼによるメラニン生成の抑制、シミ・ソバカスや日焼け後の色素沈着等を予防又は防止しうる美白剤又は皮膚外用剤として有用である。
Figure 2012167063
一般式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、ヒドロキシル基又は炭素数1〜12のアシルオキシ基を表す。Rはヒドロキシル基又は炭素数1〜12のアシルオキシ基を表す。ただし、Rがヒドロキシル基の場合、Rはヒドロキシル基である。
〜Rにおいて、炭素数1〜12のアシルオキシ基としては、ホルミルオキシ基、炭素数2〜12の置換又は無置換の脂肪族アシルオキシ基、炭素数6〜12の置換又は無置換の芳香族アシルオキシ基が挙げられる。脂肪族アシルオキシ基としては、直鎖、分岐又は環状のアルキルカルボニルオキシ基、直鎖、分岐又は環状のアルケニルカルボニルオキシ基、直鎖、分岐又は環状のアルキニルカルボニルオキシ基が挙げられる。アルキルカルボニルオキシ基の例として、メチルカルボニルオキシ基(アセトキシ基)、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、イソブチルカルボニルオキシ基、sec-ブチルカルボニルオキシ基、tert-ブチルカルボニルオキシ基、n−ペンチルカルボニルオキシ基、イソペンチルカルボニルオキシ基などが挙げられる。芳香族アシルオキシ基の例として、ベンゾイルオキシ基、ナフトイルオキシ基などが挙げられる。
として、好ましくはヒドロキシル基、炭素数1〜12のアシルオキシ基であり、より好ましくはヒドロキシル基、炭素数2〜5のアシルオキシ基であり、特に好ましくはヒドロキシル基、アセトキシ基である。
として、好ましくは水素原子、炭素数1〜12のアシルオキシ基であり、より好ましくは水素原子、炭素数2〜5のアシルオキシ基であり、特に好ましくは水素原子、アセトキシ基である。
として、好ましくはヒドロキシル基、炭素数1〜12のアシルオキシ基であり、より好ましくはヒドロキシル基、炭素数2〜5のアシルオキシ基であり、特に好ましくはヒドロキシル基、アセトキシ基である。
として、好ましくはヒドロキシル基、炭素数1〜12のアシルオキシ基であり、より好ましくはヒドロキシル基、炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基であり、さらに好ましくはヒドロキシル基、炭素数2〜5のアルキルカルボニルオキシ基であり、特に好ましくはヒドロキシル基、アセトキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、sec-ブチルカルボニルオキシ基である。
〜Rの好ましい組合せとしては、R及びRがアセトキシ基、Rが水素原子又はアセトキシ基、Rが炭素数2〜5のアルキルカルボニルオキシ基である組合せ、R、R及びRがヒドロキシル基であり、Rが水素原子又はアセトキシ基(より好ましくは水素原子)である組合せが挙げられる。
本発明において、一般式(1)で表される化合物には、その塩が包含される。塩としては特に限定されないが、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、トリメチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン塩及び4級アンモニウム塩、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアルカノールアミン塩、又はリジン、ヒスチジン、アルギニン等のアミノ酸塩などが挙げられる。また、本発明においては、一般式(1)で表される化合物が互変異性をとりうる場合、その互変異性体も包含される。
以下に一般式(1)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、下記の例示化合物(a)〜(e)においてAcはアセチル基を表す。
Figure 2012167063
本発明に用いる前記一般式(1)で表される化合物の製造方法としては、特に限定されず、化学合成したものを用いてもよく、天然物由来の材料から抽出や精製等したものであってもよい。また、試薬として市販されているものを用いることもできる。
化学合成による製造方法としては、例えば、化合物トウセンダニンを出発物質として用い、当該トウセンダニンの水酸基を一般的なアシル化方法によりアシル化することで得ることができる(参考文献:第5版実験化学講座16 p42等)。なお、化合物トウセンダニンは、AvaChem社等から試薬として入手することができる。
天然物由来の材料から前記一般式(1)で表される化合物を得る方法としては、例えば、トウセンダン(学名:Melia toosendan Sieb. et Zucc.)、センダン(学名:Melia azedarach)等の植物から単離することができる。
これらの植物は、その全ての任意の部分(上記植物の全木、全草、根、根茎、幹、枝、茎、葉、樹皮、樹液、樹脂、花、果実、種子等)が使用可能である。特に、トウセンダンから単離する場合は、果実、樹皮を用いることが好ましい。また、トウセンダンの果実を基原植物として得られた生薬、川楝子(センレンシ)や、樹皮を基原植物として得られた生薬、苦楝皮(クレンピ)を用いることもできる。センダンから単離する場合は、その樹皮を用いることが好ましい。また、センダンの樹皮を基原植物として得られた生薬、苦楝皮(クレンピ)を用いることもできる。また、これらの各植物又は各部位を適宜組み合わせて用い、前記一般式(1)で表される化合物を単離することもできる。
これらの植物から、前記一般式(1)で表される化合物を単離する方法としては、特に限定されないが、例えば、上述した植物を適当な溶媒を用いて抽出し、得られた植物抽出物からクロマトグラフィー等の手法により一般式(1)で表される化合物を単離する方法が挙げられる。
植物抽出物の調製には、上記植物をそのまま用いてもよく、乾燥粉砕して用いることもできる。抽出に用いる溶媒としては、通常植物成分の抽出に用いられるもの、例えば水、石油エーテル、n−ヘキサン、トルエン、クロロホルム、エーテル、酢酸エチル、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール及びこれらの混合溶液等を用いることができる。また抽出条件も通常の条件を適用でき、例えば上記植物を5〜80℃で2時間〜60日間浸漬又は加熱還流すればよい。
具体的な抽出、単離法としては、後述の実施例で示す方法を用いることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
前記一般式(1)で表される化合物は、優れたドーパオキシダーゼ活性抑制作用を有する。ドーパオキシダーゼ活性の抑制は、チロシナーゼの活性を阻害してメラニン産生を抑制することにつながる。したがって、前記一般式(1)で表される化合物を有効成分として含有させることで、ドーパオキシダーゼ活性抑制剤、チロシナーゼ活性抑制剤及び美白剤を得ることができる。前記一般式(1)で表される化合物がドーパオキシダーゼ活性抑制作用を有し、美白成分として有用であることは、本発明者らによって新たに得られた知見である。
なお、本発明において「美白(作用)」とは、メラニン色素の生成を抑え、余分なメラニンのない本来の透明な肌色に戻すこと、または皮膚の黒化若しくはシミ・ソバカス等の色素沈着を防止、抑制することを意味する。
本発明のドーパオキシダーゼ活性抑制剤及び美白剤は、前記一般式(1)で表される化合物をそのまま用いてもよい。また、前記一般式(1)で表される化合物を有効成分として含有させ、その効果に影響を与えない範囲で添加剤や他の薬効成分等を加えてもよい。例えば、酸化チタン、炭酸カルシウム、蒸留水、乳糖、デンプン等の適当な液体または固体の賦形剤または増量剤を加えてドーパオキシダーゼ活性抑制剤とすることができる。また、前記一般式(1)で表される化合物に、他の美白成分等を併せて添加して美白剤とすることができる。
本発明のドーパオキシダーゼ活性抑制剤又は美白剤中に含まれる前記一般式(1)で表される化合物の量は特に制限されないが、前記一般式(1)で表される化合物が0.00000001〜10質量%含まれるのが好ましく、0.0000001〜0.1質量%程度含まれるのがより好ましい。
本発明の剤は、液状、固形状、乳液状、ペースト状、ゲル状、パウダー状(粉末状)、顆粒状、ペレット状、スティック状等の各種剤型をとることができる。
本発明のドーパオキシダーゼ活性抑制剤及び美白剤は、化粧料、医薬品、医薬部外品、食品等の用途に適用することができ、人や動物の皮膚、爪、粘膜、毛髪等に適用されうるすべての形態を含む。
化粧料、医薬品、医薬部外品等に用いる場合、本発明の剤を、例えば皮膚外用剤の形態で用いることができる。皮膚外用剤には、前記一般式(1)で表される化合物に加えて、上述した各種添加剤やその他の薬効成分を適宜加えることができ、さらには取りうる剤型に応じて皮膚外用剤に通常用いられる各種成分を配合することができる。皮膚外用剤の剤型として、具体的には、クリーム、美容液、化粧水、乳液、ローション、マッサージ剤、ファンデーション、口紅、入浴剤、シャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアトニック、錠剤、カプセル、ゲル、軟膏、ペースト、パック、シート状製品等、外用適用可能な種々の剤型が挙げられ、これらの剤型とするにあたって、例えば、各種油剤、界面活性剤、ゲル化剤、防腐剤、酸化防止剤、溶剤、アルコール、水、キレート剤、増粘剤、紫外線吸収剤、乳化安定剤、pH調整剤、色素、香料等を配合することができる。
皮膚外用剤中に含まれる前記一般式(1)で表される化合物の量は、前述したドーパオキシダーゼ活性抑制剤及び美白剤中における前記一般式(1)で表される化合物の量と同様である。
食品用途に用いる場合、一般飲食品の他、皮膚の美白能やシミ・ソバカス等色素沈着の改善効果をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した健康飲食品、美容飲食品、特定保健用飲食品、病者用飲食品等に添加、配合することができる。
食品の形態としては特に制限はなく、例えば、果汁飲料、乳飲料、茶系飲料等の飲料類、キャンディ、ドロップ、ゼリー、クッキー、チョコレート、ケーキ、ヨーグルト、ガム等の菓子類、調味料、調理油、乳製品、パン類、麺類、加工米等が挙げられる。また、錠剤(タブレット)、カプセル、顆粒、シロップ等の美容食品、健康食品等としてもよい。
これらの飲料又は食品は、例えば、甘味剤、着色剤、抗酸化剤、ビタミン類、香料、ミネラル等の添加剤、タンパク質、脂質、糖質、炭水化物、食物繊維等の食品原料を適宜組み合わせて用い、これに前記一般式(1)で表される化合物を含有させ、常法に従って各種の食品形態とすることにより調製することができる。
本発明のドーパオキシダーゼ活性抑制剤又は美白剤を、化粧料、医薬品、医薬部外品、食品等として使用する場合の使用又は摂取量は、その形態、摂取者の年齢、性別等の条件により適宜選択されうる。通常、前記一般式(1)で表される化合物を、成人1人当たり1日に0.1ng〜1g使用又は摂取することが好ましく、1ng〜1mg摂取又は使用することが特に好ましい。
また、本発明は別の態様として、前記一般式(1)で表される化合物を用いたドーパオキシダーゼ活性抑制方法及び美白方法を提供することができる。当該方法では、前記一般式(1)で表される化合物を皮膚等の身体に適用することを特徴とする。適用部位及び形態としては特に限定されず、上述した本発明の剤を化粧料、医薬品、医薬部外品等として用いる場合の適用部位及び適用形態と同様である。また、適用量についても、上述した本発明の剤を化粧料、医薬品、医薬部外品等として使用する場合の使用又は摂取量と同様である。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
製造例1:例示化合物(a)
トウセンダニン(Toosendanin、AvaChem社製)10mgを、無水酢酸/ピリジン(1/3)の混合溶媒200mLに溶かし、19時間撹拌した。その後濃縮し、酢酸エチル‐0.1N HCl水溶液で分液した後、さらに酢酸エチル層を水で洗浄、濃縮した。得られた濃縮残渣をHPLCを用いて精製し、例示化合物(a)(センダニン(sendanin))を3.9mg(収率36%)得た。
得られた化合物の同定はNMRにより行った。NMRによる構造解析の結果を表1に示す。なお、表1中、Acはアセチル基を表す。
Figure 2012167063
製造例2〜4:例示化合物(b)〜(d)
クレンピ(新和物産株式会社より購入)80gをメタノール800mLで抽出し、溶媒を濃縮したところ、抽出固形分3.2gを得た。得られた抽出固形分を、酢酸エチル−水で液々分配を行ったところ、酢酸エチル層1g(収率31%)を得た。酢酸エチル層についてシリカゲルカラムにより分画を行い、画分(1)41mg(収率1.28%)、画分(2)45mg(収率1.4%)を得た。さらにこれらの画分をHPLCで分画したところ、画分(1)からは画分(3)0.3mg(収率0.01%)及び画分(4)0.31mg(収率0.01%)が得られ、画分(2)からは画分(5)0.17mg(収率0.005%)がそれぞれ得られた。
これらの画分(3)、(4)及び(5)についてNMRによる構造解析を行い、画分(3)は例示化合物(b)(12-O-acetyl azedarachin B)、画分(4)は例示化合物(c)(12-O-acetyl trichilin B)、画分(5)は例示化合物(d)(Trichilin H)であると同定した。NMRによる構造解析の結果を表2〜4に示す。なお、表2〜4中、Acはアセチル基、Meはメチル基を表す。
Figure 2012167063
Figure 2012167063
Figure 2012167063
製造例5:例示化合物(e)
トウセンダニン(Toosendanin、AvaChem社製)20mgをメタノール400mLに溶解し、10%水酸化カリウム水溶液を40mL加えて2時間撹拌した。その後少量の酢酸を加えてクエンチ(quench)後エバポレーションによってメタノールを飛ばし、酢酸エチルで分液を行った。得られた酢酸エチル層を濃縮し、濃縮残渣を15.5mg得た。この残渣をUltraPackカラム(山善製)を用いて精製を行い、例示化合物(e)(deacylated toosendanin)を9.9mg(収率58%)得た。
得られた化合物の同定はNMRにより行った。NMRによる構造解析の結果を表5に示す。
Figure 2012167063
比較用化合物1の製造
トウセンダニン(Toosendanin、AvaChem社製)10mgを、無水酢酸/ピリジン(1/3)の混合溶媒200mLに溶かし、19時間撹拌した。その後濃縮し、酢酸エチル-0.1N HCl水溶液で分液した後、さらに酢酸エチル層を水で洗浄、濃縮した。得られた濃縮残渣をHPLCを用いて精製し、比較用化合物1(7-acetyl sendanin)を1mg(収率9%)得た。
得られた化合物の同定はNMRにより行った。NMRによる構造解析の結果を表6に示す。なお、表6中、Acはアセチル基を表す。
Figure 2012167063
試験例 ドーパオキシダーゼ活性の測定
96穴プレートにヒト新生児***由来のメラノサイト100μlを1×10cell/wellの細胞密度となるように各穴に播種した。培地はMedium254にPMAを除くHMGS(Human Melanocyte Growth Supplement)(いずれもCascade Biologics社製)を添加したものを用いた。
24時間の培養後、メラノサイト活性化因子エンドセリン−1(ET−1)、幹細胞増殖因子(SCF)、αメラノサイト刺激ホルモン(α−MSH)、ヒスタミンおよびプロスタグランジンE2(PGE2)を、それぞれ培地中終濃度で10×10-7mol/m3になるように添加した。
試料として、
製造例1〜5で製造した例示化合物(a)〜(e)
比較用化合物1
コウジ酸(参考用試料)
のいずれかを添加したものを作製した。コウジ酸は、チロシナーゼに対して高い阻害活性を有する美白成分として公知のものである。
最終的に培地量は200μl/wellで、37℃、5%CO2の条件下で3日間培養を行った。
なお、培地には、以下の添加物も添加されている。
bFGF(塩基性線維芽細胞成長因子) 3ng/ml
BPE(ウシ脳下垂体抽出液) 0.2体積%
FBS(ウシ胎児血清) 0.5体積%
ハイドロコーチゾン 5×10-4mol/m3
インスリン 5μg/ml
トランスフェリン 5μg/ml
ヘパリン 5μg/ml
培養終了後、メラノサイトをCa2+およびMg2+を除去したPhosphate−buffered saline(PBS)で洗浄し、抽出バッファー(0.1M Tris−HCL(pH7.2)、1%Nonidet P−40、0.01%SDS、100μM PMSF(フェニルメチルスルホニルフルオライド)、1μg/mlアプロチニン)を20μl/well、Assay buffer(4%ジメチルホルムアミドを含有する100mM Sodium phosphate−buffered(pH7.1))を20μL/well添加し、4℃、3時間で細胞を可溶化し、ドーパオキシターゼ活性の測定を行った。ドーパオキシダーゼ活性測定は、MBTH法(例えば、Winder A.J.,Harris H.,Eur.J.Biochem.,198,317-326,1991参照)を参考に、以下のように行った。
可溶化した細胞溶液の各wellに、Assay bufferを80μL/well、20.7mM MBTH(3−メチル−2−ベンゾチアゾリノン ヒドラゾン)溶液を60μL、基質として5mM L−ドーパ(L−ジヒドロキシフェニルアラニン)溶液を40μl、それぞれ加え、37℃で30〜60分反応させた後、その呈色反応を490nmの吸光度で測定した。
その結果を表7に示す。なお、ドーパオキシダーゼ活性の値は、各試料を添加しなかった場合の吸光度に対する相対値で示している。
Figure 2012167063
表7から明らかなように、例示化合物(a)〜(e)を添加した系では、ドーパオキシダーゼ活性の低下が確認された。一方、前記一般式(1)で表される化合物に含まれない比較用化合物1では、ドーパオキシダーゼ活性の低下は認められなかった。これらの結果から、本発明の前記一般式(1)で表される化合物がドーパオキシダーゼ活性を効果的に抑制できることがわかった。
さらに、前記一般式(1)で表される化合物は、公知の美白成分であるコウジ酸と同等或いはそれ以上のドーパオキシダーゼ活性抑制作用を有することから、美白成分として有用であることがわかった。
(処方例)
前記一般式(1)で表される化合物を有効成分として、下記に示す組成のローション、乳液、美容液、クリーム、パックを常法により各々調製した。
1.ローションの調製
(組成) (配合:質量%)
例示化合物(a) 0.00005
1,3−ブチレングリコール 8.0
グリセリン 5.0
エタノール 3.0
カミツレエキス 3.0
キキョウエキス 1.0
チョウジエキス 1.0
キサンタンガム 0.1
ヒアルロン酸 0.1
リン酸二ナトリウム 0.1
リン酸二水素ナトリウム 0.1
アスコルビン酸2−グルコシド 2.0
精製水 残部
香料 適量
防腐剤 適量
2.乳液の調製
(組成) (配合:質量%)
例示化合物(b) 0.00005
カミツレエキス 1.0
キキョウエキス 1.0
アルテアエキス 2.0
スクワラン 3.0
オリブ油 3.0
グリセリン 5.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(エチレンオキサイドの付加モル数:40) 1.0
カルボキシビニルポリマー 0.2
水酸化カリウム 0.1
キサンタンガム 0.2
エデト酸二ナトリウム 0.02
精製水 残部
防腐剤 適量
3.美容液の調製
(組成) (配合:質量%)
例示化合物(c) 0.00005
カミツレエキス 1.0
キキョウエキス 1.0
チョウジエキス 1.0
カルボキシビニルポリマー 0.2
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.2
水酸化カリウム 0.2
キサンタンガム 0.1
ヒアルロン酸 0.2
クエン酸ナトリウム 0.15
クエン酸 0.03
グリセリン 10.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
エデト酸二ナトリム 0.05
精製水 残部
防腐剤 適量
香料 適量
4.クリームの調製
(組成) (配合:質量%)
例示化合物(d) 0.1
カミツレエキス 2.0
キキョウエキス 2.0
チョウジエキス 2.0
メチルポリシロキサン 3.0
スクワラン 2.0
ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 3.0
ステアリルアルコール 1.5
セタノール 1.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(エチレンオキサイドの付加モル数:60) 0.5
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.3
水酸化カリウム 0.15
キサンタンガム 0.1
エデト酸二ナトリウム 0.05
精製水 残部
防腐剤 適量
香料 適量
5.パックの調製
(組成) (配合:質量%)
例示化合物(e) 0.00005
カミツレエキス 2.0
キキョウエキス 1.0
ジプロピレングリコール 3.0
ポリエチレングリコール(平均分子量1500) 2.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
グリセリン 5.0
クエン酸ナトリウム 0.5
ポリビニルアルコール 10
乳酸 0.3
ポリオキシエチレンデシルテトレデシルエーテル 0.5
精製水 残部
防腐剤 適量
香料 適量

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物を有効成分として含有するドーパオキシダーゼ活性抑制剤。
    Figure 2012167063
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、ヒドロキシル基又は炭素数1〜12のアシルオキシ基を表す。Rはヒドロキシル基又は炭素数1〜12のアシルオキシ基を表す。ただし、Rがヒドロキシル基の場合、Rはヒドロキシル基である。)
  2. 下記一般式(1)で表される化合物を有効成分として含有する美白剤。
    Figure 2012167063
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、ヒドロキシル基又は炭素数1〜12のアシルオキシ基を表す。Rはヒドロキシル基又は炭素数1〜12のアシルオキシ基を表す。ただし、Rがヒドロキシル基の場合、Rはヒドロキシル基である。)
  3. 下記一般式(2)で表される化合物を有効成分として含有する皮膚外用剤。
    Figure 2012167063
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、ヒドロキシル基又は炭素数1〜12のアシルオキシ基を表す。)
  4. 下記式(3)で表される化合物を有効成分として含有する皮膚外用剤。
    Figure 2012167063
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