JP2012154771A - 電気泳動ハイブリダイゼーションカートリッジ及び電気泳動ハイブリダイゼーション方法 - Google Patents

電気泳動ハイブリダイゼーションカートリッジ及び電気泳動ハイブリダイゼーション方法 Download PDF

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Abstract

【課題】全てのスポットにおいて検体などのサンプル移動量を均一にし、測定精度を向上できるハイブリダイゼーション用のカートリッジ及び装置、並びにハイブリダイゼーション方法を提供すること。
【解決手段】複数の貫通孔を有するバイオチップと、前記バイオチップの両側に配置された、前記バイオチップの貫通孔部面積の1〜1.5倍の断面積を有するサンプル液収納部と、必要に応じて、前記サンプル液収納部の両外側に配置された半透膜とを有する、ハイブリダイゼーション用カートリッジ。
【選択図】なし

Description

本発明は、ハイブリダイゼーション用カートリッジ、ハイブリダイゼーション装置及びハイブリダイゼーションを行う方法に関する。
近年、病気の診断、原因の解明のために、DNAマイクロアレイやDNAチップ等と呼ばれるバイオチップが開発されている。このようなバイオチップの製法としては、シリコン等の基盤上にフォトグラフィー技術により短鎖の核酸を直接固相合成していく方法(特許文献1及び2)や、化学的又は物理的に修飾した基盤上に核酸等の生体関連物質プローブ(以下、「プローブ」と略す。)をスポッティングして固定化する方法(非特許文献1)が知られている。
また、多数の中空繊維を束ねて樹脂で固定化し、その中空繊維の中空部にゲル状物と共にプローブを導入した後、この固定化物を中空繊維に直交する方向に切断して薄片化する方法も知られている(特許文献3)。このタイプのバイオチップは、チップの表面部だけでなく厚み方向においてもプローブを保持可能であるので、多量のプローブを導入可能であり、高い検出感度を得ることが出来る。
しかしながら、このようなプローブをゲルに固定化したバイオチップは、ハイブリダイゼーションに時間がかかり、効率良く診断等を行うことができなかった。そこで、ハイブリダイゼーションの効率を高めるために、検体のゲル中の移動速度を高める方法として、電気泳動による方法が開発されている(特許文献4〜6)。
米国特許第5,445,934号明細書 米国特許第5,774,305号明細書 特開2000−270878号公報 特開2000−270877号公報 WO2005/031335 特許第3829491号公報
Science,1995年,第270号,p.467−470
しかしながら、電気泳動により強制的にDNA等を含む検体を移動させる場合、溶液内での自然な拡散は抑制され、バイオチップの最外周スポット部分より外側にある検体は電場中で最外周部分を優先的に通過するようになり、最外周部分の検体通過量が内周部スポットよりも多くなるため、ハイブリダイゼーション反応量に最外周と内周で斑が生じ、チップの測定精度が下がってしまう場合があることが判明した。
そこで、本発明は、全てのスポットにおいて検体などのサンプル移動量を均一にし、測定精度を向上できるハイブリダイゼーション用のカートリッジ及び装置、並びにハイブリダイゼーション方法を提供することを主な目的とする。
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、バイオチップの貫通孔部面積とサンプル液収納部の断面積の比を特定の値に設定することにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、複数の貫通孔を有するバイオチップと、前記バイオチップの両側に配置された、前記バイオチップの貫通孔部面積の1〜1.5倍の断面積を有するサンプル液収納部と、必要に応じて、前記サンプル液収納部の両外側に配置された半透膜とを有する、ハイブリダイゼーション用カートリッジ等に関する。
本発明によれば、バイオチップの最外周スポットと内周スポットとのハイブリダイゼーション反応斑を低減(抑制)できる、精度よい測定が可能なハイブリダイゼーション用カートリッジ、装置及び方法を提供することができる。
ハイブリダイゼーションカートリッジの断面図(模式図)である。 バイオチップの一例を示す模式図である。 バイオチップおよびサンプル液収納部の一例を示す模式図である。 電気泳動ハイブリダイゼーション装置の断面図(模式図)である。
(1)ハイブリダイゼーション用カートリッジ
まず、図1に沿って、本発明のハイブリダイゼーション用カートリッジの構造について説明する。図1は、ハイブリダイゼーションカートリッジの一例を示す、模式的な縦断面図である。
本発明のハイブリダイゼーション用カートリッジは、バイオチップ1の両側にサンプル液収納部3および4が配置され、サンプル液収納部はサンプル液収納部スペーサー5により仕切られた構造となっている。更に、必要に応じて、サンプル液収納部及びサンプル液収納部スペーサーの両外側に半透膜6,7が配置された構成をとることができる。
(1−1)バイオチップ
バイオチップ1は板状物である基板9に、一方の表面から他方の表面に向かって貫通する多数の貫通孔2が形成された構造を有している。
基板9の形状(前記表面の形状)は限定されず、例えば、正方形、長方形、台形、円、楕円、三角形、多角形等、種々の形状を取ることができる。取り扱い易さから、正方形、長方形又は台形が好ましい。
基板9の大きさも限定されず、測定機器、貫通孔の大きさや数等に応じて適宜選択することができる。例えば、基板の表面の形状が正方形又は長方形の場合、各辺の長さが数ミリ〜数センチとすればよく、5mm〜20mmが好ましい。厚さは、数十μm〜1mm程度とすればよく、100μm〜500μmが好ましい。
基板9の材質は限定されず、例えば、ガラス、セラミック、樹脂、ゴム、金属を使用することができる。
貫通孔2の形態は限定されず、必要に応じて媒体を介して、検体を捕捉するための生体関連物質を保持できればよい。当該貫通孔の断面の形状も限定されず、例えば、円、楕円、正方形、長方形、台形、三角形、多角形等が挙げられる。
貫通孔を形成させる方法も限定されない。例えば、基板にレーザー、ドリル等の機械加工、ジェット水流等で貫通孔を形成してもよいし、一方の表面から他方の表面に貫通する孔を有する多孔質体(多孔質を有するセラミック、金属、樹脂、ガラス等)を使用することも可能である。また、複数本の中空繊維を、中空繊維の各繊維軸が同一方向となるように3次元に配列し、その配列を樹脂等で固定したものを、繊維の長手方向に交差する方向で切断することにより、貫通孔を有する基板を製造することもできる。
貫通孔の内壁には、検体中の遺伝子(DNA、RNA)、タンパク質等を捕捉するための、生体関連物質(プローブ)を固定化する。プローブの種類は限定されず、例えば、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、蛋白質、脂質、糖類等が挙げられる。これらプローブは、市販品を使用することもできるし、生細胞等から得たものを使用することもできる。
プローブを固定化する方法としては限定されず、貫通孔の形状や使用するプローブの種類等に応じて適宜選択することができる。貫通孔の内壁に溶剤処理やプラズマ処理を施すことにより、結合性官能基を導入し、プローブ分子を化学的に結合する方法などが挙げられる。また、貫通孔内にプローブが固定化されたゲルで充填されたチップを使用することもできる。
このようなプローブが固定化されたゲルが充填された複数の貫通孔を有するバイオチップの製造方法は特には限定されない。例えば、複数の中空繊維を樹脂で一体化して柱状の中空繊維配列体とし、中空繊維の中にプローブを高分子ゲルと共に注入して高分子ゲル内に固定化した後、この中空繊維配列体を中空繊維の長手方向と交叉する方向にスライスすることによって製造されたバイオチップを好適に使用することができる。このようなバイオチップは、ゲル中に固定化したプローブの乾燥抑制効果などが期待できる。
(1−2)サンプル液収納部
サンプル液収納部(3及び4)はバイオチップの両側に配置され、サンプル液収納部スペーサー5によって仕切られる。
本発明においては、バイオチップの貫通孔部面積とサンプル液がバイオチップと接触する面積(サンプル液収納部の断面積)との関係が重要である。ハイブリダイゼーション反応の精度に大きく関係するからである。
本明細書中において、バイオチップの「貫通孔部面積」とは、例えば図2の8(点線)に例示されるような、複数の貫通孔のうち最外周の貫通孔の接線により囲まれた部分の面積を意味する。また、「サンプル液収納部の断面積」とは、図3の14に例示するように、サンプル液収納部スペーサー5で仕切られた、バイオチップ(貫通孔部分を含む)と接している部分の面積のことを示す。サンプル液収納部の断面積の形状は、バイオチップの全ての貫通孔が当該断面積に含まれる(すなわち、全ての貫通孔がサンプル液と接触する)限り限定されない。
本発明において、バイオチップの貫通孔部面積に対するサンプル液収納部の断面積を、1〜1.5倍とする。1〜1.45倍が好ましく、1〜1.4倍がより好ましい。
バイオチップの両側に電場を掛けると、DNA、RNAなどマイナス電荷を持つ検体はプラス電極側に移動する。この時、サンプル液収納部3又は4に存在する検体は電気力線に沿って、その検体分子が存在している場所に一番近い貫通孔スポットを通過すると考えられる。そのため、最外周部のスポット(貫通孔)より外側に位置する検体は最外周スポットを通過して移動すると考えられる。
サンプル収納部のハイブリダイゼーション反応量は時間当たりに通過するサンプル中の検体の量に依存し、通過するサンプル量が多いとハイブリダイゼーション反応量も多くなると考えられる。サンプル液収納部の断面積14が貫通孔部面積8に対して大きくなりすぎると、最外周スポットを通過する検体が増加し、ハイブリダイゼーション反応量が増えて最外周のハイブリシグナルが内周に比べて高くなる。このような現象はバイオチップの測定精度を低下させる要因となる。
バイオチップの貫通孔部面積に対するサンプル液収納部の断面積を1.5倍以下とすることにより、最外周スポットのハイブリシグナル強度が内周に比べて高くなるという欠点を解消することができる。すなわち、均一なハイブリダイゼーションを達成することができ、チップの高い精度を得ることができる。一方、1倍以上とすることにより、最外周スポットがパッキンによって覆われて、最外周に位置するスポットが使用できなくなることを防ぐことができる。
サンプル液収納部スペーサーの材質は特に限定されず、例えば、ガラス、樹脂、金属、ゴム等を挙げることができる。サンプル溶液の漏れを防ぐことが必要なことからゴム等の可撓性を有する材質が好ましく、その中でもシリコンゴムがより好ましい。また、サンプル液収納部に検体を含む液体を供給するために、サンプル収納部スペーサーにはサンプル注入用の貫通口を備えることもできる。
サンプル収納部スペーサー5の厚さは、電気泳動ハイブリダイゼーション反応時間に大きく影響を与える。パッキンの厚さが小さいほどサンプル収納部に存在する検体の全量がバイオチップ貫通孔を通過する時間が短くなる。すなわちハイブリダイゼーション反応時間を短くすることが可能となる。しなしながら、スペーサーの厚さが小さくなりすぎると検体を注入するスペースがなくなったり、パッキンの外側に半透膜6,7を配置する場合に当該半透膜が撓んで、バイオチップと半透膜が接触したりすることがある。このような理由からサンプル収納部スペーサーの厚さはハイブリダイゼーションカートリッジを電気泳動ハイブリダイゼーション装置にセットした状態で0.5mm〜4mmとすればよい。より好ましくは、1mm〜3mmである。
(1−3)半透膜
本発明カートリッジは、必要に応じて、サンプル液収納部の両外側に、半透膜(6及び7)を配置することができる。後述するように、電気泳動ハイブリダイゼーション装置を使用する場合には、当該半透膜は必要である。
半透膜6、7は、サンプル液収容部3および4に収容する検体を透過させず、溶媒中の低分子は透過させる膜であり、検出しようとしている検体より小さいカットオフ分子量を示す膜材料が選択される。どのようなメッシュサイズのものを使用するかは、検体の分子量や大きさに応じて適宜選択することができる。例えば、検体の大きさ(分子直径)が20nm程度であれば、分子直径の約1/5程度のメッシュサイズの半透膜を用いることが好ましい。
半透膜の材質は限定されず、使用する生体関連物質、生体関連物質を溶解する溶媒の種類に応じて適宜選択される。例えば、ゼラチン膜、アセテート膜、アクリルアミド系やポリビニルアルコール等のハイドロゲル、再生セルロース膜等を使用することができる。機械的強度、取り扱い、入手の容易性等の点で、アセテ−ト膜が好ましい。
(2)電気泳動ハイブリダイゼーション装置
(2−1)バッファー液収納部
本発明の電気泳動ハイブリダイゼーション装置は、上述した半透膜を配置したカートリッジ(すなわち、バイオチップの両側にサンプル液収納部及びサンプル液収納部スペーサーを配置し、当該サンプル液両外側に半透膜を配置したもの)の両外側に、バッファー液収納部を配置する。バッファー液収納部(10及び11)は、バッファー液収納部スペーサー17により仕切られる。
バッファー液収納部の大きさや形状は限定されないが、サンプル液収納部容積より大きいことが好ましい。好ましくは、サンプル液収納部の容積の3倍以上、より好ましくは5倍以上である。多くの量のバッファーを使用することにより、緩衝作用がより大きくなるからである。
バッファー液収納部スペーサーのサイズは、上記バッファー液収納部の大きさ、装置の大きさ等に応じて適宜選択することができる。バッファー液収納部スペーサーの材質は、バッファー液が漏れない限り限定されない。例えば、ガラス、樹脂、金属、ゴム等を挙げることができる。液漏れを防止する観点から、ゴム材料が好ましい。より好ましくはシリコンゴムがよい。
(2−2)電極
バッファー液収容部10および11中に、電極12、13を配置する。バッファー液収容部を設けることにより、バイオチップ1と電極12、13を隔離し、バイオチップが電極近傍のpH変化により劣化したり、反応阻害の影響を受ないようにしたりすることができる。また、電極近傍で発生する気体によって、バイオチップに印加される電場が不均一になることを防止することもできる。
電極12、13の大きさ、形状及び配置は、サンプル液収容部3、4とバイオチップ1に均一の電圧を印加することができるものであれば特に限定されない。例えば、棒状、平板上または平板メッシュ状の形態であることが好ましい。電極に用いられる材料としては、グラファイト、白金、金、金属に金メッキした材料が挙げられる。棒状の電極を使用する場合は、バッファー溶液中をバイオチップ1に対して水平方向に設置することが好ましい。
(3)ハイブリダイゼーション
本発明のハイブリダイゼーション方法は、上述した本発明の装置を用いて、電気泳動を利用してプローブと検体とをハイブリダイズさせる。すなわち、電圧を印加することにより、一方のサンプル液収納部から他方のサンプル液収納部へサンプルを移動させ、その際に、検体がバイオチップの貫通孔に固定化されたプローブとハイブリダイズする。
以下、本発明ハイブリダイゼーション装置の模式図(図4)を用いて、ハイブリダイゼーションについて詳述する。
(3−1)サンプル液
測定の対象となるサンプルの調製の方法は限定されず、測定の対象の種類(例えば、DNA、RNA、タンパク質、脂質、糖類等)に応じて適宜選択することができる。調製した当該サンプルは、以下で述べるバッファー液により希釈して使用することができる。また、サンプルを標識(蛍光、放射線等)して使用することも可能である。検体をバッファー液に溶かすことによってサンプル液を調製する。
得られたサンプル液はサンプル液収納部3若しくは4又はその両方に注入する。3又は4のどちらに入れるかは、得られるサンプルの種類(電荷)や電極(12、13)の種類(陽極又は陰極)に応じて適宜選択することができる。サンプル液が注入されないサンプル液収納部には、バッファー液を注入する。
(3−2)バッファー液
本検討に用いるバッファー液の種類としては、pH緩衝能を有するバッファーであれば限定されない。例えば、一般的に核酸のハイブリダイズ反応に利用される溶液組成が好ましく、SSC、TN、TBE溶液、TAE溶液等等がより好ましい。バッファー液は、バッファー液収納部10及び11に注入する。
(3−3)ハイブリダイゼーション(電圧の印加)
次に、バッファー液収容部10及び11に配置された電極12及び13のどちらか一方を正極、他方を陰極とし、電圧を印加する。例えば、測定対象となるサンプルがDNAの場合は、DNAが負に荷電しているため、サンプルは陰極側から正極側に移動することになる。サンプル収納部3に当該サンプル液を入れた場合、電極11を正極として電圧を印加することにより、サンプルはサンプル収納部3から4へ向かって移動し、バイオチップの貫通孔中に存在するプローブとハイブリダイズすることになる。サンプル液収納部4に移動したサンプルは、半透膜7を通過することができず、そのままサンプル液収納部4にとどまる。
また、本発明の装置では、電極の極性を交互に反転させて電極に電圧を印加することにより、より多くのサンプルがプローブとハイブリダイズすることができる。
このような電気泳動を用いたハイブリダイゼーション方法により、短時間でハイブリダイゼーション反応を進めることができる。
(3−4)洗浄
ハイブリダイゼーション終了後、必要に応じてバイオチップの洗浄を行うことができる。洗浄方法は限定されず、どのような方法を用いても良い。例えば、バイオチップを装置から取り出して、バッファー溶液に浸漬することにより洗浄することもできるし、サンプル収納部3、4に存在するサンプル液を抜き出した後に、新たなバッファー液を充填し、電圧を印加することにより、ハイブリダイゼーション反応に関与しなかった検体を貫通孔から効率良く除去することができる。
(3−5)検体の検出
バイオチップを洗浄した後、標識の種類に応じて検体の検出を行う。蛍光標識をした検体を用いる場合は、蛍光顕微鏡を用いて蛍光検出を行うことにより評価を実施する。蛍光標識以外の方法、化学的な発光、電気化学的な検出なども可能である。
次に、本発明の実施形態を以下の実施例により具体的に説明する。
<実施例1>
直径0.3mmの孔が、孔の中心間距離を0.42mmとして縦横各12列に合計144個配置された厚さ0.1mmの多孔板2枚を重ね、これらの多孔板の各孔に、外径280μm、内径180μm、長さ30cmのカーボンブラック含有ポリカーボネート中空繊維を通過させた。2枚の多孔板の間隔を100mmとし、糸を張った状態で固定した。
次に、樹脂原料を2枚の多孔板の間に流し込んだ。樹脂としては、ポリウレタン樹脂接着剤(日本ポリウレタン工業株式会社製 ニッポラン4276、コロネート4403)を使用した。また、この接着剤の総重量に対し、2.5質量%のカーボンブラックを添加した。室温で24時間静置して樹脂を硬化し中空繊維集束固定物を得た。
次いで、下に示す配合比になるように重合液を調整した。
N,N−ジメチルアクリルアミド 3.6質量部
メチレンビスアクリルアミド 0.4質量部
水 48質量部
グリセロール 48質量部
上記重合液に2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩(VA044)を0.1質量部添加し、中空繊維集束固定物の中空繊維中に充填した。その後、重合液の温度を55℃に上昇させて重合を行った。なお、144配列全てに以下に示した塩基配列を持つ、65ベースの核酸プローブAを重合液に加えて中空繊維内で重合した。
(配列)5’末端- GACCTTACCTGTTCTTGGATTCGACTCACAAGGAGCTAAAAAGGATCTTCCACTTGTGGAGGTGT
そして、ミクロトームにて、繊維軸と直角方向に、厚さ0.25mmの薄片を切り出し、縦横15mm角のバイオチップを得た。このバイオチップにおける貫通孔部の面積は24mmであった。
得られたバイオチップを、図1に示すハイブリダイゼーションカートリッジに取付けた。サンプル液収納部パッキンは1辺6mm、面積36mmのものを用いた。パッキンセット後のバイオチップと、パッキンの接触部分の面積は32mmであった(サンプル液がバイオチップを接する部分の面積は貫通孔部の面積の1.33倍)。更に、サンプル収容部4には、プローブAと相補的に結合する65ベースのCy5染料で標識された核酸検体を0.5×SSC 0.2%SDSに溶解して充填した。サンプル収納部3には0.5×SSC 0.2%SDSバッファー溶液のみ充填した。バッファー液収納部5,6には0.5×SSC 0.2%SDSバッファー溶液を充填した。
次に、電極に6Vの電圧を10分印加した後、電極を反転し、6Vの電圧を10分印加する操作を、4回繰り返しハイブリダイゼーションを行った。ハイブリダイゼーション終了後、2×SSC、0.2%SDS溶液中で40分その後、2×SSC溶液中で20分洗浄をおこなった。その後、蛍光顕微鏡を用いてバイオチップのシグナル強度を測定した。
バイオチップにおける最外周部のシグナル強度の平均値(A)と最外周部を除いた内周部のシグナル強度(B)の平均値の比(A)/(B)を測定したところ、1.06であり6%最外周が高い値となった。しかしながら10%以下であるこの数値はDNAチップのハイブリダイゼーション測定値において許容できる値であった。
<比較例1>
サンプル液収納部のパッキンを1辺7mm、面積49mmのものを用いた以外は実施例1と同様の方法にて電気泳動ハイブリダイゼーションを行い、その後、蛍光顕微鏡を用いてバイオチップのシグナル強度を測定した。パッキンセット後のバイオチップと、パッキンの接触部分の面積は43mmであった(サンプル溶液がバイオチップを接する部分の面積は貫通孔部の面積の1.79倍)。
バイオチップにおける最外周部のシグナル強度の平均値(A)と最外周部を除いた内周部のシグナル強度(B)の平均値の比(A)/(B)を測定したところ、1.12(最外周が12%高い結果)となり、シグナル強度斑が大きい結果となった。
<比較例2>
サンプル液収納部のパッキンを1辺5mm、面積25mmのものを用いた以外は実施例1と同様の方法にて電気泳動ハイブリダイゼーションを行い、その後、蛍光顕微鏡を用いてバイオチップのシグナル強度を測定した。
その結果、パッキンの一部が固定による変形により最外周スポット部分にかかり、測定不可能であるスポットが出た。
1 バイオチップ
2 貫通孔
3,4 サンプル液収納部
5 サンプル液収納部パッキン
6,7 半透膜
8 貫通孔部面積
9 バイオチップ
10,11 バッファー液収納部
12,13 電極
14 サンプル収納部において、サンプル溶液がバイオチップと接する部分
15 ハイブリダイゼーション装置の外壁
16 電源
17 バッファー液収納部パッキン

Claims (3)

  1. 複数の貫通孔を有するバイオチップと、
    前記バイオチップの両側に配置された、前記バイオチップの貫通孔部面積の1〜1.5倍の断面積を有するサンプル液収納部と、
    必要に応じて、前記サンプル液収納部の両外側に配置された半透膜と
    を有する、ハイブリダイゼーション用カートリッジ。
  2. 複数の貫通孔を有するバイオチップと、
    前記バイオチップの両側に配置された、前記バイオチップの貫通孔部面積の1〜1.5倍の断面積を有するサンプル液収納部と、
    前記サンプル液収納部の両外側に配置された半透膜と、
    前記半透膜の両外側に配置されたバッファー液収容部と、
    前記バッファー液収容部内に配置された一対の電極と
    を有する、ハイブリダイゼーション装置。
  3. 請求項2記載の装置において、一対の電極間に電圧を印加し、一方のサンプル液収納部から他方のサンプル収納部へ向かって検体を移動させることにより、バイオチップの貫通孔中に存在する生体関連物質と検体のハイブリダイゼーションを行う方法。
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