JP2012147021A - 圧電体膜及び圧電体膜を備えた液体吐出ヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】アクチュエーター素子、なかでも液体吐出ヘッドの圧電体素子に好適に用いることのできる厚膜の圧電体膜及びそれを用いた液体吐出ヘッドを提供すること。
【解決手段】圧電体膜を、複数の層を有する構造とし、各層が、単一配向膜または単結晶膜であり、前記圧電体膜の複数の層の一層あたりの膜厚が0.5μm以上、2.0μm以下とする。
【選択図】なし
【解決手段】圧電体膜を、複数の層を有する構造とし、各層が、単一配向膜または単結晶膜であり、前記圧電体膜の複数の層の一層あたりの膜厚が0.5μm以上、2.0μm以下とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、圧電体膜の製造方法、この製造方法により得られた圧電体膜及びそれを用いて構成された液体吐出ヘッドに関する。
圧電体は圧電材料から構成され、圧電材料に応力を加えた時に電界が生じる圧電効果、または、圧電材料に電界を加えた時に応力が生じる逆圧電効果などの圧電現象を与えるという特性を有する。圧電体は、この圧電現象を利用して、センサー素子、アクチュエータ素子など様々な素子の構成部材として、広く一般的に使用されている。
圧電体の中でも、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される、セラミックス系圧電体は、その応答性の良さ、入出力信号に対する制御性の良さから、広く一般に利用されている。
一方、近年、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)などの微細な構造を有するシステムにより構成されたセンサー素子、アクチュエータ素子に対するニーズが大きくなっている。しかしながら前述したセラミックス系圧電体を、Siなどの薄膜基板上に一連の加工プロセスを用いて作成されるMEMSに適用するには、なお解決すべき課題がある。すなわち、セラミックス系圧電体の形成には一般的に1000℃程度の焼成温度を必要とし、MEMS形成用のSiなどの薄膜基板上に直接セラミックス系圧電体を形成できない場合がある。また、別途バルクセラミックスを作成後、微細に加工し、これをSiなどの薄膜基板上に接合加工を施す場合には、高度な技術が要求され、また、微細加工及び接合加工が煩雑な作業となる。そこで、近年は、微細構造のセンサー素子、アクチュエータ素子を製造する上で、基板上に圧電体膜を成膜する直接薄膜成膜方法が利用されるようになってきた。この直接薄膜成膜法には、スパッタ成膜法、MOCVD成膜法、PLD成膜法、MBE成膜法、CSD成膜法などがある。なお、MOCVD成膜法はメタルオーガニックケミカルベーパーデポジション成膜法の略称である。PLD成膜法は、パルスレーザーでポジション成膜法の略称である。MBE成膜法はモレキュラービームエピタキシー成膜法の略称である。CSD成膜法は、ケミカルソリューシンデポジション成膜法の略称である。
しかしながら、これらの直接薄膜成膜法には、MEMSの種類によっては圧電体膜の成膜方法として適用しにくい方法がある。例えば、MEMSを利用したアクチュエータ素子の応用例としては、液体吐出ヘッドの液体吐出用の駆動素子がある。この駆動素子に組み込む圧電体膜は、通常1〜10μm程度の厚さの膜(厚膜)として形成される。ところが、スパッタ成膜法、MOCVD成膜法、MBE成膜法、PLD成膜法、CSD成膜法などは、このような厚膜の成膜に好適な方法とはいえない。
例えば、有機金属アルコキシドを材料とし、スピンコートなどの塗布方法により成膜後、脱水縮合・脱脂工程を必要とするCSD成膜方法においては、塗布膜の形成直後から、脱水縮合・脱脂工程を通して、膜の体積変化が大きい。そのため、所望の厚さの厚膜を精度よく成膜できないという問題がある。そこで特開平6−5947号公報には、一度の成膜で所望の膜厚を成膜できないという課題を解決しつつ、成膜した膜に強誘電特性を得るために、圧電膜を多層成膜構造として、各層を段階的に成膜する方法が開示されている。この公報では、この多層成膜を、各層の形成に用いる塗布材料の組成を順次変えて行い、所望の膜厚・強誘電特性を得ようとする試みがなされている。しかしCSD成膜法においての本質的課題である、1回の成膜膜厚を充分に厚膜化できないという課題は解決されていない。
また、スパッタ成膜方法による厚膜化の対応例として、特開平8−235932号公報においては、鉛系ペロブスカイト型強誘電体薄膜の厚膜を作成する手段として、成膜時の温度を基板温度との関係において制御する方法が開示されている。この公報には、直接結晶化可能な成膜時の基板温度より低い温度で0.1μm以上0.3μmのパイロクロア相を有する膜を成膜した後、ペロブスカイト相の強誘電体膜とするために加熱を行う工程を繰り返す方法が開示されている。この公報では、この方法によって、化学量論比どおり優れた強誘電体特性を示すペロブスカイト型強誘電体膜の厚膜を成膜できるとされている。このときの1回の成膜膜厚は0.3μm以下とされている。この「0.3μm」という値は、パイロクロア相を有する膜またはアモルファス相の膜を相変化させて、ペロブスカイト相の強誘電体膜にするために、加熱工程中に構成原子の再配列を行うための上限値である。すなわち、この公報に開示された技術には、1回の成膜膜厚を限定値(0.3μm)以上に出来ないという課題がある。
また、基板を加熱しながら、連続して成膜した圧電体膜においては、膜厚方向に連続した電気物性的欠陥を有する場合があるという課題がある。
本発明の目的は、前述の通り、MEMSなどの微細構造体として形成したアクチュエータ素子、特に液体吐出ヘッド用として最適な膜厚および圧電特性を持つ圧電体素子を提供することにある。また、本発明の他の目的は、電気特性的欠陥であるリーク電流の少ない圧電体膜を提供することにある。
上記目的を達成させるため、本発明者らが種々の製造方法による圧電体膜の合成・成膜について検討した結果、以下の発明に至った。
本発明の圧電体膜の製造方法は、基板上に圧電体膜を成膜することによる圧電体膜の製造方法において、
前記圧電体膜の構成材料のキュリー温度をTcとしたときに、以下の式(1):
Tsub ≧ Tc ・・・(1)
の関係を満たす温度Tsubで前記基板を加熱しながら前記基板上に圧電体膜を0.5μm以上の膜厚で連続的に成膜する成膜工程を有し、
前記成膜工程を複数回行い、かつ各成膜工程間に、時間Tmの間成膜を停止する成膜停止工程を設定した
ことを特徴とする圧電体膜の製造方法である。
前記圧電体膜の構成材料のキュリー温度をTcとしたときに、以下の式(1):
Tsub ≧ Tc ・・・(1)
の関係を満たす温度Tsubで前記基板を加熱しながら前記基板上に圧電体膜を0.5μm以上の膜厚で連続的に成膜する成膜工程を有し、
前記成膜工程を複数回行い、かつ各成膜工程間に、時間Tmの間成膜を停止する成膜停止工程を設定した
ことを特徴とする圧電体膜の製造方法である。
本発明の圧電体膜の第一の態様は、上記の製造方法により製造されたことを特徴とする圧電体膜である。
本発明の圧電体膜の第2の態様は、基板上に形成された圧電体膜において、前記圧電体膜が複数の層を有する構造を持ち、各層が、単一配向膜または単結晶膜であり、前記圧電体膜の複数の層の一層あたりの膜厚が0.5μm以上、2.0μm以下であることを特徴とする圧電体膜である。
本発明の液体吐出ヘッドは、液体を吐出する吐出口と、該吐出口から液体を吐出するための圧電体膜を有する液体吐出ヘッドにおいて、前記圧電体膜が上記第1または第2の態様にかかる圧電体膜であることを特徴とする液体吐出ヘッドである。
本発明によれば、各用途に応じた最適膜厚で、高い圧電特性かつリーク電流の少ない優れたの圧電体膜を供給することができる。特に、MEMSなどの微細構造の圧電アクチュエータ、その一例である液体吐出ヘッドにおいても、好適な膜厚・圧電特性かつリーク電流の少ない優れた特性を有する圧電体膜を供給することができる。
本発明の圧電体膜の製造方法では、成膜時における基板の温度Tsubは、圧電体膜の構成材料組成と同一の組成のバルク体のキュリー温度に基づいて以下の式(1)の関係が満たされるように制御される。
Tsub ≧ Tc ・・・(1)
更に、全体の成膜を、0.5μm以上の膜厚に連続的に成膜を行う複数の工程に分割し、各成膜工程間に時間Tmの成膜停止工程が挿入される。すなわち、複数に分割された成膜工程の前後する工程間のそれぞれにおいて、成膜停止期間をもうける。要するに、先行する成膜工程で所望の成膜を達成した段階で成膜を停止し、成膜停止から所定時間(Tm)経過時に後続する成膜工程を開始する。例えば、3つの成膜工程を用いる場合は、第1回目の成膜工程と第2回目の成膜工程の間、及び第2回目の成膜工程と第3回目の成膜工程の間に成膜停止工程を挿入する。
Tsub ≧ Tc ・・・(1)
更に、全体の成膜を、0.5μm以上の膜厚に連続的に成膜を行う複数の工程に分割し、各成膜工程間に時間Tmの成膜停止工程が挿入される。すなわち、複数に分割された成膜工程の前後する工程間のそれぞれにおいて、成膜停止期間をもうける。要するに、先行する成膜工程で所望の成膜を達成した段階で成膜を停止し、成膜停止から所定時間(Tm)経過時に後続する成膜工程を開始する。例えば、3つの成膜工程を用いる場合は、第1回目の成膜工程と第2回目の成膜工程の間、及び第2回目の成膜工程と第3回目の成膜工程の間に成膜停止工程を挿入する。
なお、圧電体膜の成膜、特に数μmオーダーの厚膜の圧電体膜を必要とするアクチュエータに適用する圧電体膜の成膜においては、そのスループットを考えると1度の成膜で所望の膜厚を連続的に成膜できることが望ましい。
しかしながら、連続的に厚膜の圧電体膜を気相成膜法で成膜する場合には、所望としない異相の出現・欠陥部の増大が発生し、優れた圧電特性を有する膜厚方向に均一な圧電体膜を成膜することが出来ない場合がある。これは、成膜開始初期では、酸素欠陥などの欠陥の少ない最適な構造・組成で成膜できる状態であっても、成膜時、経時的に成膜された圧電体膜の組成がずれてしまうなどの現状に起因するものと考えられる。
そこで、上記の成膜停止工程を各成膜工程間に挿入した本発明の圧電体膜の製造方法によれば、上記の問題を解決することが可能となる。その理由としては、次のことが考えられる。まず、圧電体膜を連続的に成膜したのち、時間Tmの間成膜を停止する工程を設けることで、成膜を停止した工程中に成膜された膜内で原子の再配列・酸素欠損部への酸素の補完などが進行する。さらに、この膜の上に同様の成膜を行うことで、圧電特性の極めて良好な構造を持つ厚膜化された圧電体膜とすることが可能となる。
また、例えば、先に引用した特開平8−235928号公報においては、連続的に成膜可能な範囲を0.1μm〜0.3μmの領域としている。更に、この公報では、パイロクロア相を有するまたはアモルファス相の膜を、成膜を停止した時に、ペロブスカイト相に相変化させるように加熱動作を行うことで、ペロブスカイト相を有する強誘電体膜を製造できるとしている。しかしこのような相変化をおこすためには、膜への、高い熱エネルギーの付与が必要であり、かつ0.3μm以上の膜厚ではこのような相変化を伴う、圧電体膜の結晶構造の最適化は困難である。特にパイロクロア相を有する状態に置いては、その基本構造の組成が、ペロブスカイト相と異なるため、ペロブスカイト相への相変化のためには、非常に高い熱エネルギーの付与がひつようなことと、相変化可能な最大膜厚が大きく制限される。
これに対して、本発明においては、成膜停止工程により分割された各成膜工程において膜厚が0.5μm以上での連続的な成膜が可能となる。これは成膜時の基板温度Tsubを、成膜する圧電体膜と同組成の成膜用材料(バルクセラミックス圧電体材料)のTc以上として気相成膜を行っているためである。その理由について本発明者らは、上記温度条件での気相成膜により得られた膜では、後続する時間Tmの成膜停止工程中に、膜内での原子の再配列・酸素欠損部への酸素の補完などの変化が、膜厚が0.5μm以上であっても可能であると考えている。
成膜停止工程の時間Tmは、5[mim]≦Tm≦600[ min ]の範囲となるように設定することが好ましい。圧電体膜の製造方法のスループットだけからの観点からすれば、Tmはできるだけ短いことが好ましい。しかしながら、成膜を停止する工程の時間Tmが5[mim]≦Tmとすることで、上記の成膜停止工程中での膜における変化を効率好く、かつ十分に生じさせることができると考えられる。即ち、膜内で原子の再配列・酸素欠損部への酸素の補完などの、膜構造の最適化に最低限必要な時間範囲である。
また、TmがTm≦600[ min ]が好ましいのは、Tmが600分までであれば膜構造の所望とする最適化をすでに達成可能であり、しかもTmがこの範囲を超えて長いときには、圧電体膜の製造方法として、スループットの低下を招くこととなるためである。すなわち、Tmは、上述の範囲内にあることが好ましい。
また、成膜停止工程中には、基板温度を下げる工程と基板温度を上げる工程が含まれることが好ましい。
成膜時に基板温度をTmに加熱している状態では、基板もしくはその上に成長した膜の表面に、原子及び/または分子が付着することを通した新たな膜の形成と、基板表面または先に形成された膜から原子または分子の離脱が同時に進行している。
基板を加熱した状態での成膜過程においては、基板に付着する成膜用の原子及び/または分子の量が、基板上から離脱する原子及び/または分子よりも圧倒的に多いことから、成膜が進行する。しかしながら、基板を加熱しながら、成膜を停止する工程を実行する場合においては、原子及び/または分子が表面から離れる現像が優勢となる可能性がある。これは一度基板上に付着した原子及び/または分子の蒸気圧などが起因して起こる現象であるので、その基板温度・雰囲気圧力によっては、特定の原子または分子のみにおいて起こることとなり、成膜された圧電体材料膜の組成がずれてしまうことがある。このような組成のズレが生じる場合を低減する上で、基板温度を低下させる工程を成膜停止工程が有することが好ましい。
基板を加熱した状態での成膜過程においては、基板に付着する成膜用の原子及び/または分子の量が、基板上から離脱する原子及び/または分子よりも圧倒的に多いことから、成膜が進行する。しかしながら、基板を加熱しながら、成膜を停止する工程を実行する場合においては、原子及び/または分子が表面から離れる現像が優勢となる可能性がある。これは一度基板上に付着した原子及び/または分子の蒸気圧などが起因して起こる現象であるので、その基板温度・雰囲気圧力によっては、特定の原子または分子のみにおいて起こることとなり、成膜された圧電体材料膜の組成がずれてしまうことがある。このような組成のズレが生じる場合を低減する上で、基板温度を低下させる工程を成膜停止工程が有することが好ましい。
更に、成膜停止工程での最低到達基板温度は、圧電体材料同一組成のバルク体のキュリー温度はTc以下であることが好ましい。ここでバルク体とは、薄膜でない100μm以上の厚みのあるセラミックス体あるいは単結晶体を意味する。
一般に圧電体膜の使用温度範囲での結晶相は、立方晶ではなく、正方晶、単斜晶、菱面体晶などの強誘電性を示す結晶相となっている。一方、本発明の製造方法における基板温度とキュリー温度との関係(Tsub≧Tc)においては、圧電体膜は、圧電体膜の使用温度範囲の結晶相状態とは異なり、結晶相は立方晶の構造をとる。本発明においては上述のように、エピタキシャル成長させる圧電体膜の結晶相はその成膜時において、その実使用温度範囲とは異なる結晶相の状態で成膜される事となる。
このとき、本発明の成膜を停止する工程において、考えられるメカニズムとしては、成膜された膜内で原子の再配列・酸素欠損部への酸素の補完などによる、圧電体膜構造の最適化である。しかし、膜構造の最適化は結晶相ごとに異なるので、成膜を停止する工程中に、結晶相を実使用温度範囲と同種の状態に変化させることにより、実使用温度領域での圧電体膜構造の最適化が、よりスムーズになされると考えている。すなわち、このようなメカニズムにより優れた圧電特性を有する圧電体膜を、より効果的に製造する上で、成膜停止工程での最低到達基板温度は、圧電体膜の構成材料組成と同一の組成のバルク体のキュリー温度Tc以下であることが好ましい。
また、基板温度Tsubは400℃≦Tsub≦750℃(式(3))を満たすことが好ましい。400℃≦Tsubとすることで、成膜中における膜内での原子の再配列や酸素欠損部への酸素の補完などがより起こりやすくなる。一方、750℃を超える温度においては、基板上の膜を形成している原子及び分子ごとの再蒸発臨界温度が各々異なる。そのため、これらの原子や分子の中で、基板上に付着するよりも多い量で膜から再蒸発するものが生じてくる場合があり、成膜された膜が目的の圧電体膜の材料組成からずれてしまう可能性がある。そこで、Tsubを上記の範囲とすることが好ましい。
成膜工程は、気相成膜法によって行うことができ、中でもスパッタ成膜方法を好ましく用いることができる。
スパッタ成膜方法においては、成膜中基板に衝突し堆積する材料のエネルギーが大きいため、単結晶膜を得やすいという特徴がある一方、微小な結晶構造欠陥が多いという欠点がある。本発明の製造方法においてはスパッタ成膜法の特徴を活かしながら、その結晶構造欠陥などの欠陥を補う効果を有効に利用できる。
また、圧電体膜は、リラクサ系圧電体材料からなる膜であることが好ましい。すなわち、一般にソフト系材料と呼ばれ、成膜停止工程中に成膜された膜内で原子の再配列などが起こりやすいリラクサ系圧電体材料である場合、本発明の効果をより有効に享受できる。
上述の本発明の製造方法により製造された圧電体膜は、優れた圧電特性を有する。
本発明にかかる圧電体膜の好ましい態様は、複数の層を有する構造を持つ、単一配向、または単結晶膜からなり、前記圧電体膜の複数の層の一層あたりの膜厚が0.5μm以上、2.0μm以下の圧電体膜である。圧電体膜が複数の層を有するということ、即ち換言すれば、圧電体膜中に界面層を有しているということができる。この構造を有している時、界面層を介して各層ごとに、異なるドメイン構造をとる。そのためよりより微細なドメイン構造となり、変位しやすいことが考えられる。
上記の圧電体膜は、複数の層を有する圧電体膜の各層が柱状構造を有し、かつ各層の柱状構造が互いに独立した構造となっている部分があることが好ましい。この柱状構造の界面付近の構造は、この界面を構成する圧電体膜(層)の基本的な結晶構造とは異なる構造を有している。この界面付近の構造は、圧電体膜の材料構成、成膜条件等で様々な構造・組成になるが、圧電体膜に電界を加えた時のリークポイントとなる場合がある。複数の層の圧電体膜の柱状構造が互いに独立した構造となっているとき、柱状構造界面が膜厚方向に不連続となるため、圧電体膜でのリークを防止することができる。
また、圧電体膜の少なくとも基板上に形成された第1層がリラクサ系圧電体材料からなるものであることが好ましい。リラクサ系圧電体材料として、好ましい構成を以下に示す。
(Pb(Mn,Nb)O3)1-x-(PbTiO3)x(PMN-PT)、(Pb(Zn,Nb)O3)1-x-(PbTiO3)x(PZN-PT)、(Pb(Ni,Nb)O3)1-x-(PbTiO3)x(PNN-PT)、(Pb(In,Nb)O3)1-x -(PbTiO3)x(PIN-PT)、(Pb(Sc,Nb)O3)1-x-(PbTiO3)x(PSN-PT)、(Pb(Yb,Nb)O3)1-x -(PbTiO3)x(PYN-PT)及び(Pb(Sc,Ta)O3)1-x-(PbTiO3) x(PST-PT)
(但し、0<x<1である。)
複数層構造からなる圧電体膜にける各層は同一構成材料からなることが好ましい。
(Pb(Mn,Nb)O3)1-x-(PbTiO3)x(PMN-PT)、(Pb(Zn,Nb)O3)1-x-(PbTiO3)x(PZN-PT)、(Pb(Ni,Nb)O3)1-x-(PbTiO3)x(PNN-PT)、(Pb(In,Nb)O3)1-x -(PbTiO3)x(PIN-PT)、(Pb(Sc,Nb)O3)1-x-(PbTiO3)x(PSN-PT)、(Pb(Yb,Nb)O3)1-x -(PbTiO3)x(PYN-PT)及び(Pb(Sc,Ta)O3)1-x-(PbTiO3) x(PST-PT)
(但し、0<x<1である。)
複数層構造からなる圧電体膜にける各層は同一構成材料からなることが好ましい。
本発明の圧電体膜の製造方法、それを用いた圧電体膜及び液体吐出ヘッドについて、さらに、本発明の液体吐出ヘッドが好適に利用できる、インクジェット装置について図面を用いて更に詳細に説明する。
本発明の製造方法において、圧電体膜を成膜する方法としては、圧電体膜の成膜工程中に基板を加熱が行えれば良く、スパッタ成膜方法、MOCVD成膜方法、PLD成膜方法、MBE成膜方法などが挙げられる。
その中でも特に、本発明の製造方法はスパッタ成膜方法が好適に適用できる。
つぎに、圧電体膜を成膜する基板について説明する。図1は本発明の圧電体膜の製造方法において使用される基板の構成断面図である。
100は本発明の圧電体膜を成膜する製造方法に使用される成膜用基板であり、101は基体である。基体としては、本発明の製造方法において、圧電体膜を成膜するとき、圧電体膜が成膜可能な基板加熱温度での耐熱性があればいずれの材料であっても構わない。微細構造をもつインクジェットヘッドの圧電素子のようなアクチュエータ素子を製造する場合においては、様々な微細加工プロセスを利用できるSi基板、SOI基板が好適に利用できる。
本発明に係わる圧電体膜は、液体吐出ヘッドのようなアクチュエータ素子として利用する場合その膜の両側に電界をかけるための電極が必要となる。そこで本発明の圧電体膜を成膜する基板には、圧電体膜に電界を供給するための電極層102が必要となる。また、圧電体膜として単一配向膜、または単結晶膜の構造の圧電体膜を成膜する場合においては、圧電体膜を成膜する電極層A(102)の結晶構造が重要となる。基体上に所望の結晶構造をもつ電極層102を形成するために基体101と電極層102の間にバッファ層103を形成しても構わない。またバッファ層103は電極層102の結晶構造制御のために、複数の層で形成されていても構わない。基板上に、本発明の製造方法で成膜された圧電体膜104が成膜された上に電極層B(105)を形成する。このようにして電極層102と電極層105との間に電圧を加えることで圧電体膜104に電界がかかる構成を得る。
上記各層について、以下にさらに詳しく説明する。
[電極層A、B]
前述の電極層A及び電極層Bは、その構成上本発明の製造方法で使用される基体101と圧電体膜との間に構成されている下電極と、下電極と圧電体を挟んで対向した位置にある上電極に分けることができる。
前述の電極層A及び電極層Bは、その構成上本発明の製造方法で使用される基体101と圧電体膜との間に構成されている下電極と、下電極と圧電体を挟んで対向した位置にある上電極に分けることができる。
電極材料としては、下電極及び上電極について、圧電体に実効的に電界を加えることができる導電性を有する材料であれば構わない。例えば、Au、Pt、Ir、Al、Ti、Taなどの金属材料や、IrO2, RuO2などの金属酸化物材料などを挙げることができる。さらに下電極及び上電極が多層構成であっても構わない。
また、下電極・上電極の厚みは、電極として圧電体に実効的に電界を加えるために必要な導電性を持つための最低厚みが決定される。これは電極材料の導電率・圧電体素子のディメンジョンなどから決めることができる。
最大厚みについては、下電極は、ベンディングモード型圧電体素子の振動板機能を兼ねることが可能であるので、特に制限はない。上電極については、横振動モードの負荷としかならないので、なるべく薄いことが好ましい。
下電極に振動板機能を兼ねさせない場合については、下電極・上電極共に、10nm〜数μmの範囲で最適厚みとなる。
また、圧電体素子の圧電体膜の結晶状態を制御する場合、具体的には単一配向または単結晶に結晶状態を制御する場合において、各層の積層順によっては圧電体の結晶状態を制御するために、下電極の結晶構造が重要となってくる。例えば、圧電体素子を基体、下電極、圧電体、上電極の順、もしくは基体、バッファ層、下電極、圧電体、上電極の順に形成していく場合に重要となる。
このとき、下電極として好適に使用できる材料としては、金属酸化物あるいは金属である。金属酸化物としてはペロブスカイト型酸化物である。この酸化物としては、LaあるいはNbでドープされたSrTiO3、SrRuO3、BaPbO3、LaNiO3、Pb2Ir2O7等が挙げられる。金属としては、面心立方晶であり例えば、Pt、Ir、Au、Al、Niなどである。
また、転写法を用い上電極、圧電体、下電極の順に、形成していく場合においては、上電極の結晶構造が重要となり、前述した下電極の金属酸化物が好適に使用できる。
[バッファ層]
本発明に係わる圧電体膜の結晶状態を制御する場合、具体的には単一配向膜または単結晶膜に結晶状態を制御する場合において、前記基体101と前記電極層102との間に、バッファ層103を形成しても良い。バッファ層103は複数の層であっても構わない。
本発明に係わる圧電体膜の結晶状態を制御する場合、具体的には単一配向膜または単結晶膜に結晶状態を制御する場合において、前記基体101と前記電極層102との間に、バッファ層103を形成しても良い。バッファ層103は複数の層であっても構わない。
バッファ層の材料としては、格子定数が基板の格子定数と8%以下の違いの範囲で合致する材料が好ましい。また、バッファ層としては、スパッタ法、MOCVD法、PLD法などのレーザアブレーション法等、薄膜成膜方法で成膜できる酸化物が好ましい。更に、立方晶あるいは擬似立法晶で格子定数が3.6Åから6.0Åの結晶構造を有するものが好ましい。
具体的な構成としては、例えば、YSZ(イットリア安定化ジルコン)(100)/Si(100)、YSZ(111)/Si(111)、SrTiO3(100)/MgO(100)、MgAl2O4(100)/MgO(100)、BaTiO3(001)/MgO(100)等が挙げられる。ここで、YSZとして10%Y2O3含有したZrO2の格子定数は5.16Å、SrTiO3は3.91Å、MgOは4.21Å、MgAl2O4は4.04Å、BaTiO3は3.99Å、Siは5.43Åである。格子定数の整合性を算出すると、例えば、10%Y2O3-ZrO2(111)/Si(111)を例に採ると10%Y2O3-ZrO2(111)は、5.16×√2=7.30Å、Si(111)は、5.43×√2=7.68Åで、整合性の違いは、4.9%となり、良好であることが判る。
[圧電体膜層]
本明細書記載の圧電体膜とは、一般に薄膜形成手段といわれる、例えば、スパッタ成膜法、MOCVD(メタルオーガニックケミカルベーパーデポジション)成膜法、PLD(パルスレーザーデポジション)成膜法、MBE(モレキュラービームエピタキシー)成膜法などによって基板上に成膜された圧電体である。
本明細書記載の圧電体膜とは、一般に薄膜形成手段といわれる、例えば、スパッタ成膜法、MOCVD(メタルオーガニックケミカルベーパーデポジション)成膜法、PLD(パルスレーザーデポジション)成膜法、MBE(モレキュラービームエピタキシー)成膜法などによって基板上に成膜された圧電体である。
好ましい成膜手段は、スパッタ成膜法である。
圧電体とは、電界を加えることによりその結晶構造に歪みが生じ、変位を生じる一般に逆圧電効果を示す、もしくは、それに力学的に歪を加えることにより内部電界を生じる、一般に圧電効果を示す材料からなる成形体である。本発明の製造方法は、特にリラクサ系圧電体と呼ばれる材料などの、ペロブスカイト構造を有する強誘電体材料群の製造方法として有効である。また一般にPZT系材料と呼ばれる圧電体においても有効である。リラクサ系材料の詳細については、後述するが、PZT系材料とは、一般式:Pb(Zrx,Ti 1‐x)O3(0<x<1)であり、前記主成分に対して適宜、PbまたはZr、Tiを置換する元素が添加されていても構わない。添加される元素としては、La、Ca、Nd、Nb、Ta、Sb、Bi、Si、Cr、Fe、Sc、Sr、Pbなどが挙げられる。
また、本発明の圧電体膜においては、その結晶構造が、単一配向または単結晶である圧電体膜である。
単一配向及び、単結晶の語意については別途詳細に説明する。
[リラクサ系圧電体材料]
リラクサ系圧電体材料とは、一般に誘電率の温度依存性がブロードな形状を示す事から呼称される誘電体材料群である。例えば、(Pb(Mn,Nb)O3)1-x-(PbTiO3)x(PMN-PT)0≦x<1、(Pb(Zn,Nb)O3)1-x -(PbTiO3) x(PZN-PT)(0≦x<1)、(Pb(Ni,Nb)O3)1-x-(PbTiO3)x(PNN-PT)(0≦x<1)、(P(In,Nb)O3) 1-x-(PbTiO3) x(PIN-PT)0≦x<1、(P(Sc,Nb)O3) 1-x -(PbTiO3) x(PSN-PT)0≦x<1、(P(Yb,Nb)O3) 1-x -(PbTiO3) x(PYN-PT) (Pb(Sc,Ta)O3) 1-x -(PbTiO3) x(PST-PT)(0≦x<1)などが挙げられる。
リラクサ系圧電体材料とは、一般に誘電率の温度依存性がブロードな形状を示す事から呼称される誘電体材料群である。例えば、(Pb(Mn,Nb)O3)1-x-(PbTiO3)x(PMN-PT)0≦x<1、(Pb(Zn,Nb)O3)1-x -(PbTiO3) x(PZN-PT)(0≦x<1)、(Pb(Ni,Nb)O3)1-x-(PbTiO3)x(PNN-PT)(0≦x<1)、(P(In,Nb)O3) 1-x-(PbTiO3) x(PIN-PT)0≦x<1、(P(Sc,Nb)O3) 1-x -(PbTiO3) x(PSN-PT)0≦x<1、(P(Yb,Nb)O3) 1-x -(PbTiO3) x(PYN-PT) (Pb(Sc,Ta)O3) 1-x -(PbTiO3) x(PST-PT)(0≦x<1)などが挙げられる。
[単一配向膜・単結晶膜]
単一配向とは、膜厚方向に単一の結晶方位をもつ結晶のことを指し、結晶の膜面内方位は特には問わない。例えば{100}単一配向とは、膜厚方向が{100}方位のみの結晶により構成された膜である。圧電膜が1軸配向結晶であるかはX線回折を用いて確認することができる。例えば、PZTペロブスカイト型構造の{100}単一配向の場合、X線回折の2θ/θ測定での圧電膜に起因するピークは{100}、{200}等の(L00)面(L=1,2,3・・・n:nは整数)のピークのみが検出される。これに加えて、{110}非対称面の極点測定をした際に、図2(A)のように中心から約45°の傾きを表す同じ半径位置にリング状のパターンが得られる。
単一配向とは、膜厚方向に単一の結晶方位をもつ結晶のことを指し、結晶の膜面内方位は特には問わない。例えば{100}単一配向とは、膜厚方向が{100}方位のみの結晶により構成された膜である。圧電膜が1軸配向結晶であるかはX線回折を用いて確認することができる。例えば、PZTペロブスカイト型構造の{100}単一配向の場合、X線回折の2θ/θ測定での圧電膜に起因するピークは{100}、{200}等の(L00)面(L=1,2,3・・・n:nは整数)のピークのみが検出される。これに加えて、{110}非対称面の極点測定をした際に、図2(A)のように中心から約45°の傾きを表す同じ半径位置にリング状のパターンが得られる。
単結晶とは、膜厚方向及び膜面内方向に単一の結晶方位を持つ結晶のことを指す。例えば{100}単結晶とは、膜厚方向が{100}方位のみとなり、かつ、膜面内方向のある一方向が<110>方位のみの結晶により構成された膜である。圧電膜が1軸配向結晶であるかはX線回折を用いて確認することができる。例えば、PZTペロブスカイト型構造の{100}単結晶の場合、X線回折の2θ/θ測定での圧電膜に起因するピークは{100}、{200}等の(L00)面(L=1,2,3・・・n:nは整数)のピークのみが検出される。これに加えて、{110}非対称面の極点測定をした際に、図2(B)のように中心から約45°の傾きを表す同じ半径位置に90°毎に4回対称のスポット状のパターンが得られる。
また、例えば{100}配向のPZTペロブスカイト型構造で、{110}非対称面の極点測定をした際に、中心から約45°の傾きを表す同じ半径位置に8回対称や12回対称のパターンが得られる結晶がある。更にこのパターンがスポットではなく楕円である結晶もある。これらの結晶も、本発明の単結晶と1軸配向結晶の中間の対称性を有する結晶であるため、広義に単結晶および単一配向とみなす。同様に、例えば単斜晶と正方晶、単斜晶と菱面体晶、正方晶と菱面体晶、そのすべてなどの複数結晶相が混在(混相)する場合や、双晶に起因する結晶が混在する場合や、転位や欠陥等がある場合も、広義に単結晶および単一配向とみなす。
なお、本明細書中記載のエピタキシャル成長とは、薄膜形成手段により成膜する材料を、成膜する過程において、基板の結晶構造に起因する膜の成長を示す、膜の成長過程をいう。その結果、成膜された膜が、前述した単一配向または単結晶となる場合の成長過程をいう。
[液体吐出ヘッド]
次に、本発明に係わる圧電体膜を適用した液体吐出ヘッドの概略を、図3を用いて説明する。図3は、液体吐出ヘッドの構造の一例を示す概略図であり、301は吐出口、302は個別液室303と吐出口301をつなぐ連通孔、304は共通液室、306は個別液室303と共通液室との吐出する液体流を制限する絞り部、305は振動板、307は下部電極、308は圧電体膜、309は上部電極である。これらの形状は本図面によって特に限定されるものではなく、本発明の圧電体を液体吐出ヘッドに適用した場合の一例である。なお、この例における圧電体は、圧電体308が下部電極307及び上部電極309で挟まれた部分である。
次に、本発明に係わる圧電体膜を適用した液体吐出ヘッドの概略を、図3を用いて説明する。図3は、液体吐出ヘッドの構造の一例を示す概略図であり、301は吐出口、302は個別液室303と吐出口301をつなぐ連通孔、304は共通液室、306は個別液室303と共通液室との吐出する液体流を制限する絞り部、305は振動板、307は下部電極、308は圧電体膜、309は上部電極である。これらの形状は本図面によって特に限定されるものではなく、本発明の圧電体を液体吐出ヘッドに適用した場合の一例である。なお、この例における圧電体は、圧電体308が下部電極307及び上部電極309で挟まれた部分である。
本発明の製造方法に係わる圧電体308に係わる部分について、更に詳細に図4を用い説明する。図4は、図3の圧電体膜308の幅方向での断面図である。308は、圧電体膜であり、305は振動板、307は下部電極である。振動板305と下部電極307との間に、例えば結晶性を制御するバッファ層などの機能を持った中間層310が、複数の層構造を有していてもかまわない。また下部電極507、上部電極309においても密着性改善のための層などの機能を持った複数の層構造を有していてもかまわない。圧電体308の断面形状は矩形で表示されているが、形状についてもこれに限定されるものではない。
下部電極307は圧電体膜308が存在しない部分まで引き出されており、上部電極309は、下部電極307と反対側(不図示)に引き出され駆動電源に繋がれる。図3及び図4では下部電極はパターニングされた状態を示しているが、圧電膜がない部分にも存在するものであっても良い。
本発明の液体吐出ヘッドの振動板305の厚みは1.0〜10μmが好ましく、より好ましくは1.0〜6.0μmである。この厚みには、上記バッファ層310がある場合は、バッファ層の厚みも含まれるものとする。下部電極307、上部電極309の膜厚は0.05〜0.4μmが好ましく、より好ましくは0.08〜0.2μmである。
図5は、液体吐出ヘッドの1ユニットの構造を示す図である。個別液室303の幅Waは、30〜180μmが好ましい。個別液室303の長さWbは、吐出液滴量にもよるが、0.3〜6.0mmが好ましい。吐出口301の形は、円形が好ましく、径は、7〜30μmが好ましい。連通孔302方向に拡大されたテーパー形状を有するのが、好ましい。連通孔302の長さは、0.05mmから0.5mmが好ましい。これを超える長さであると、液滴の吐出スピードが小さくなる恐れがある。また、これ未満であると各吐出口から吐出される液滴の吐出スピードのばらつきが大きくなる恐れがある。
[インクジェット記録装置]
本発明の液体吐出ヘッドを適用できる、インクジェット記録装置について説明する。
本発明の液体吐出ヘッドを適用できる、インクジェット記録装置について説明する。
図6及び7に本発明の圧電体を好適に適用できるインクジェットヘッドを用いたインクジェット記録装置の概略図を示す。図6のインクジェット記録装置の外装をはずした動作機構部概略図が図7である。
記録媒体としての記録紙を装置本体内へ自動給送する自動給送部601と、自動給送部601から送出される記録紙を所定の記録位置へと導くとともに、記録位置から排出口602へと記録紙を導く搬送部603と、記録位置に搬送された記録紙に記録を行う記録部と、記録部に対する回復処理を行う回復部604とから構成されている。本発明の液体吐出ヘッドは、キャリッジ605に配置され使用される。
本実施例においては、プリンターとしての例を示したが、本発明は、Faxや複合機、複写機あるいは、産業用吐出装置に使用されても良い。
(実施例1)
本発明の実施例を図面を用いて説明する。
本発明の実施例を図面を用いて説明する。
まず、基体として10mm□、t=0.3mmのMgO(酸化マグネシウム)(100)を用意した。MgO基体801を600℃に加熱した状態でDCスパッタ法により、200nmのPt(100)エピタキシャル膜802を成膜した。その上に、基体を700℃に加熱した状態で、RFスパッタ法によりSRO(SrRuO3:酸化ルテニウムストロンチウム)(110)エピタキシャル膜803を100nm成膜し、本発明の製造方法による圧電体膜の成膜用基板800を用意した。上述した成膜用基板800の構成を図8に示す。
次に、本発明の製造方法である圧電体膜の製造方法について詳細に説明する。
図9は、本発明実施例で使用したRFマグネトロンスパッタ装置の概略図である。
901は圧電体成膜用ターゲットであり、スパッタ用RF電源(不図示)にマッチング回路を通して繋がれている。902は陽極となる基板ホルダーであり、成膜用基板800を固定できる構成となっている。903は基板加熱機構であり、赤外ランプ光により、基板ホルダー902を加熱し基板ホルダー902を通して成膜用基板800を加熱できる構成となっている。904はシャッターである。シャッター904が圧電体成膜用ターゲット901と成膜用基板800との間に入ると、RF電源によりプラズマを生成した場合においても、成膜用基板800に成膜させない状態となる。また、シャッター用回転軸905を軸に回転させ、成膜用ターゲット901と成膜用基板800との空間を遮らない位置にシャッター904が移動することで、圧電体膜を成膜可能な状態にすることができる。以上説明したRFマグネトロン用スパッタ装置の部材901〜905は、スパッタ室906内にある。スパッタ室906内には、スパッタガスを供給するスパッタガス供給口907から、ガス供給量を制御できるマスフロー(不図示)を通してスパッタガスを取り込む。そして、排気量をコントロールできる排気装置(不図示)に繋がれている排気口908からスパッタガスを排気し一定ガス圧下でのスパッタ成膜が可能となる。
圧電体膜成膜用ターゲット901として、粉末状PbO(酸化鉛)、粉末状MgO(酸化マグネシウム)、粉末状Nb2O5(酸化ニオブ)、粉末状PbTiO3(チタン酸鉛)を用いて混合物を調製した。これらの材料は、Pb、Mg、Nb、Tiの原子数比がPb:Mg:Nb:Ti=110:22:44:33となるように混合した。粉末状の混合物を加圧成型したあと、電気炉で400℃、20分加熱し圧紛体ターゲットを用意した。
基板加熱機構903を用い成膜用基板800を600℃に加熱した状態で、Ar/O2=20:1、ガス圧0.5Paで圧電体膜成膜工程を開始し、4時間の間、連続的に成膜をした。
次に、シャッター904を閉じたあと、スパッタ電力を落とし成膜を中止した。このとき同時に基板加熱機構803による基板加熱を停止した。チャンバー内のガス圧は0.5Paを保った。この状態を50分継続した。
次に、基板加熱機構903を用いて、基板温度を600℃に昇温させた。なお、基板加熱機構903で再び基板加熱を開始する直前の基板温度は、83℃であった。このとき基板温度が600℃で安定するまで、5分を要した。次にスパッタ電力を上げ、プレスパッタを開始し、5分間放置した後シャッター904を開け、再び圧電体膜の成膜を開始した。
前述した、シャッターを閉じてから再びシャッターを開けるまでの時間が、本発明の成膜を停止する工程の時間Tmにあたる。即ち本実施例においてTm=1時間となる。
上記の通り、4時間の圧電体膜の成膜工程、都合1時間の成膜を停止する工程を間にいれ、3回の圧電体膜の成膜工程を繰り返し、3.0μm厚の圧電体膜、PMN-PT膜を成膜した。成膜工程1回の成膜厚みは1.0μmであった。
次に、圧電特性評価のために、Pt電極をDCスパッタ法により成膜した。
図10は、本実施例において成膜した圧電体膜の断面SEM写真である。写真は、下から第2層目の圧電体膜、第3層目の圧電体膜、Pt上部電極が確認できる視野となっている。この写真から1回の連続的に成膜する工程での圧電膜膜厚は、1.0μmであることが判る。また圧電体膜の各層は柱状構造を持っており、各層の柱状構造が互いに独立した構造となっている部分があることが判る。
図11(a)は、XRD(フィリップス社製MRD)のθ−2θ測定の結果、(b)は極点図を示す。
成膜されたPMN−PT膜は、エピタキシャル成長した(001)単結晶膜であることが判る。
次に、成膜されたPMN−PT膜を、波長分散型蛍光X線分析装置(XRF、PANalytical PW2404)を用い組成分析を行った。その結果、(Pb1.02(Mn0.33,Nb0.67)O3)0.67-(PbTiO3)0.33であることが確認された。この組成のバルク状単結晶PMN−PTのキュリー温度は135℃である。
次に、このPMN−PT圧電体膜の圧電特性を、ユニモルフ型カンチレバー法により測定したところ圧電定数 e31=−6.0C/m2であった。
また、ネットワークアナライザーを用いた、アドミタンス特性の測定結果から、電気機械結合係数kt=45%であり、非常に高い値であった。
同様にネットワークアナライザーを用いて、インピーダンス特性を測定し、1kHzにおける圧電体膜の比誘電率及びtanδを算出したところ、εr=2500、tanδ=0.015と非常にリークの少ない圧電体膜であった。
結果一覧を表1に示す。
(実施例2)
圧電体膜の成膜を停止する工程において、シャッター904を閉じたあと、スパッタ電力を落とし成膜を中止し、基板加熱機構903を停止した状態を20分継続した他は、実施例1と同様にして圧電体膜の成膜した。なお、基板加熱を再び開始する直前の基板温度は、190℃であった。
圧電体膜の成膜を停止する工程において、シャッター904を閉じたあと、スパッタ電力を落とし成膜を中止し、基板加熱機構903を停止した状態を20分継続した他は、実施例1と同様にして圧電体膜の成膜した。なお、基板加熱を再び開始する直前の基板温度は、190℃であった。
XRDで結晶性を評価したところ、本実施例で成膜したPMN−PT圧電体膜は単結晶であることが確認された。
実施例1と同様に測定した圧電定数、電気機械結合係数、誘電率及びtanδを表1に示す。
(実施例3)
基体として、Si(100)t=500μmを用意し、その上に、RFスパッタ法によりYSZイットリウム安定化ジルコニアをエピタキシャル成長させ、30nm成膜した。この膜をXRDで結晶構造解析を行ったところ、(100)単結晶膜であることが確認された。次に成膜したYSZ上に、RFスパッタ法を用いて、SROをエピタキシャル成長させ、100nm成膜した。この膜をXRDにより結晶構造解析を行ったところ(110)単結晶膜であることが確認された。
基体として、Si(100)t=500μmを用意し、その上に、RFスパッタ法によりYSZイットリウム安定化ジルコニアをエピタキシャル成長させ、30nm成膜した。この膜をXRDで結晶構造解析を行ったところ、(100)単結晶膜であることが確認された。次に成膜したYSZ上に、RFスパッタ法を用いて、SROをエピタキシャル成長させ、100nm成膜した。この膜をXRDにより結晶構造解析を行ったところ(110)単結晶膜であることが確認された。
前述した通り、SRO(110)/YSZ(100)/Si(100)の構成の圧電体膜成膜用の基板を準備した。
この基板を用いた他は、実施例1と同様にしてPMN−PT圧電体膜を製造した。
XRDで結晶性を評価したところ、本実施例で成膜したPMN−PT圧電体膜は単結晶であることが確認された。
実施例1と同様に測定した圧電定数、電気機械結合係数、比誘電率及びtanδを表1に示す。
(実施例4)
基体として、Si(100)t=500μm を用意した。このときこのSi基板の成膜する表面の自然酸化膜(SiO2)の厚みは5nmであった。SiO2/Si(100)を600℃に加熱しながら、100nmの厚みに成膜した。この時SROは(110)単一配向であることが確認された。上述の通り、SRO(110)/SiO2/Si(100)の構成の圧電体膜成膜用の基板を準備した。
基体として、Si(100)t=500μm を用意した。このときこのSi基板の成膜する表面の自然酸化膜(SiO2)の厚みは5nmであった。SiO2/Si(100)を600℃に加熱しながら、100nmの厚みに成膜した。この時SROは(110)単一配向であることが確認された。上述の通り、SRO(110)/SiO2/Si(100)の構成の圧電体膜成膜用の基板を準備した。
この基板を用いた他は、実施例1と同様にしてPMN−PT圧電体膜を製造した。
XRDで結晶性を評価したところ、本実施例で成膜したPMN−PT圧電体膜は(100)単一配向であることが確認された。
実施例1と同様に測定した圧電定数、電気機械結合係数、比誘電率及びtanδを表1に示す。
(実施例5)
基体として、SOI基板 Si(100)/SiO2/Si=2.0μm/3.0μm/300μmを用意したこと以外は、実施例3と同様にして、PMN-PT(100)単結晶膜を成膜した。
基体として、SOI基板 Si(100)/SiO2/Si=2.0μm/3.0μm/300μmを用意したこと以外は、実施例3と同様にして、PMN-PT(100)単結晶膜を成膜した。
層構成はPMN−PT(100)/SRO(110)/YSZ(100)/Si(100)/SiO2/Siとなっている。PMN−PTの膜厚は、3.0μmであった。
次に、これを用いて液体吐出ヘッドを作成した。詳細は図12を用いて以下に示す。
SOI基板1201上に成膜されているYSZ1202、SRO1203、PMN−PT1204の上に、液体吐出ヘッドの各個別液室に対応する0.15mm×5mmにパターニングされた上部電極1205として、Auを200nmの厚みでDCスパッタ法により成膜した。(12−1)
次に、パターニングされた上部電極1205をマスクとして、ドライエッチングプロセスにより、PMN−PT1204を除去した。(12−2)
次に、ドライエッチングプロセスにより、SOI基板1201のSi基板部1206を2段階エッチングし個別液室1207、絞り部1208、共通液室1209を成型した。(12−3)
次に、30μmφの吐出口1210を持つノズルプレート1211を有機接着剤を用いてSOI基板1201と張り合わせ、液体吐出ヘッドを作製した。(12−4)
作成した圧電体素子の振動変位を起こす部分の形状は5000μm、幅は100μmである。
次に、パターニングされた上部電極1205をマスクとして、ドライエッチングプロセスにより、PMN−PT1204を除去した。(12−2)
次に、ドライエッチングプロセスにより、SOI基板1201のSi基板部1206を2段階エッチングし個別液室1207、絞り部1208、共通液室1209を成型した。(12−3)
次に、30μmφの吐出口1210を持つノズルプレート1211を有機接着剤を用いてSOI基板1201と張り合わせ、液体吐出ヘッドを作製した。(12−4)
作成した圧電体素子の振動変位を起こす部分の形状は5000μm、幅は100μmである。
液体吐出ヘッドの性能評価は、その液体吐出速度を測定することで行った。
印可電圧20V、10kHzの条件で各圧電体素子10の変位量を表1に示す。
(比較例1)
圧電体膜の成膜を、連続的に12時間行った他は、実施例1と同様にしてPMN−PT圧電体膜を成膜した。このとき圧電体膜の膜厚は4.0μmであった。
圧電体膜の成膜を、連続的に12時間行った他は、実施例1と同様にしてPMN−PT圧電体膜を成膜した。このとき圧電体膜の膜厚は4.0μmであった。
図13は、本比較例において成膜した圧電体膜の断面SEM写真である。図14は、XRD(フィリップス社製MRD)のθ−2θ測定の結果である。PMN−PTのメインピーク(001)のほかに、PMN−PT(110)、PMN−PT(111)の異相ピークがあることが判る。
実施例1と同様に測定した圧電定数、電気機械結合係数、誘電率及びtanδを表1に示す。
(比較例2)
圧電体膜の成膜を、連続的に12時間行った他は、実施例5と同様にしてPMN−PT圧電体膜を成膜した。次に実施例5と同様にして液体吐出ヘッドを作成した。このとき圧電体膜の膜厚は4.0μmであった。
圧電体膜の成膜を、連続的に12時間行った他は、実施例5と同様にしてPMN−PT圧電体膜を成膜した。次に実施例5と同様にして液体吐出ヘッドを作成した。このとき圧電体膜の膜厚は4.0μmであった。
液体吐出ヘッドとしての特性評価は、実施例5と同様にして行った。
本発明は、圧電体膜及びそれを用いて構成された液体吐出ヘッドに関する。
一方、近年、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)などの微細な構造を有するシステムにより構成されたセンサー素子、アクチュエータ素子に対するニーズが大きくなっている。しかしながら前述したセラミックス系圧電体を、Siなどの薄膜基板上に一連の加工プロセスを用いて作成されるMEMSに適用するには、なお解決すべき課題がある。すなわち、セラミックス系圧電体の形成には一般的に1000℃程度の焼成温度を必要とし、MEMS形成用のSiなどの薄膜基板上に直接セラミックス系圧電体を形成できない場合がある。また、別途バルクセラミックスを作成後、微細に加工し、これをSiなどの薄膜基板上に接合加工を施す場合には、高度な技術が要求され、また、微細加工及び接合加工が煩雑な作業となる。そこで、近年は、微細構造のセンサー素子、アクチュエータ素子を製造する上で、基板上に圧電体膜を成膜する直接薄膜成膜方法が利用されるようになってきた。この直接薄膜成膜法には、スパッタ成膜法、MOCVD成膜法、PLD成膜法、MBE成膜法、CSD成膜法などがある。なお、MOCVD成膜法はメタルオーガニックケミカルベーパーデポジション成膜法の略称である。PLD成膜法は、パルスレーザーデポジション成膜法の略称である。MBE成膜法はモレキュラービームエピタキシー成膜法の略称である。CSD成膜法は、ケミカルソリューシンデポジション成膜法の略称である。
本発明の圧電体膜は、基板上に形成された圧電体膜において、前記圧電体膜が複数の層を有する構造を持ち、各層が、単一配向膜または単結晶膜であり、前記圧電体膜の複数の層の一層あたりの膜厚が0.5μm以上、2.0μm以下であることを特徴とする圧電体膜である。
本発明の液体吐出ヘッドは、液体を吐出する吐出口と、該吐出口から液体を吐出するための圧電体膜を有する液体吐出ヘッドにおいて、前記圧電体膜が、上記の構成の圧電体膜であることを特徴とする液体吐出ヘッドである。
本発明によれば、各用途に応じた最適膜厚で、高い圧電特性かつリーク電流の少ない優れた圧電体膜を供給することができる。特に、MEMSなどの微細構造の圧電アクチュエータ、その一例である液体吐出ヘッドにおいても、好適な膜厚・圧電特性かつリーク電流の少ない優れた特性を有する圧電体膜を供給することができる。
本発明の圧電体膜の製造方法では、成膜時における基板の温度Tsubは、圧電体膜の構成材料と同一の組成のバルク体のキュリー温度(Tc)に基づいて以下の式(1)の関係が満たされるように制御される。
Tsub≧Tc・・・(1)
更に、全体の成膜を、0.5μm以上の膜厚に連続的に成膜を行う複数の工程に分割し、各成膜工程間に時間Tmの成膜停止工程が挿入される。すなわち、複数に分割された成膜工程の前後する工程間のそれぞれにおいて、成膜停止期間をもうける。要するに、先行する成膜工程で所望の成膜を達成した段階で成膜を停止し、成膜停止から所定時間(Tm)経過時に後続する成膜工程を開始する。例えば、3つの成膜工程を用いる場合は、第1回目の成膜工程と第2回目の成膜工程の間、及び第2回目の成膜工程と第3回目の成膜工程の間に成膜停止工程を挿入する。
Tsub≧Tc・・・(1)
更に、全体の成膜を、0.5μm以上の膜厚に連続的に成膜を行う複数の工程に分割し、各成膜工程間に時間Tmの成膜停止工程が挿入される。すなわち、複数に分割された成膜工程の前後する工程間のそれぞれにおいて、成膜停止期間をもうける。要するに、先行する成膜工程で所望の成膜を達成した段階で成膜を停止し、成膜停止から所定時間(Tm)経過時に後続する成膜工程を開始する。例えば、3つの成膜工程を用いる場合は、第1回目の成膜工程と第2回目の成膜工程の間、及び第2回目の成膜工程と第3回目の成膜工程の間に成膜停止工程を挿入する。
成膜停止工程の時間Tmは、5[min]≦Tm≦600[min]の範囲となるように設定することが好ましい。圧電体膜の製造方法のスループットだけからの観点からすれば、Tmはできるだけ短いことが好ましい。しかしながら、成膜を停止する工程の時間Tmを5[min]≦Tmとすることで、上記の成膜停止工程中での膜における変化を効率好く、かつ十分に生じさせることができると考えられる。即ち、膜内で原子の再配列・酸素欠損部への酸素の補完などの、膜構造の最適化に最低限必要な時間範囲である。
また、TmがTm≦600[min]が好ましいのは、Tmが600分までであれば膜構造の所望とする最適化をすでに達成可能であり、しかもTmがこの範囲を超えて長いときには、圧電体膜の製造方法として、スループットの低下を招くこととなるためである。すなわち、Tmは、上述の範囲内にあることが好ましい。
成膜時に基板温度をTmに加熱している状態では、基板もしくはその上に成長した膜の表面に、原子及び/または分子が付着することを通した新たな膜の形成と、基板表面または先に形成された膜から原子または分子の離脱が同時に進行している。
基板を加熱した状態での成膜過程においては、基板に付着する成膜用の原子及び/または分子の量が、基板上から離脱する原子及び/または分子よりも圧倒的に多いことから、成膜が進行する。しかしながら、基板を加熱しながら、成膜を停止する工程を実行する場合においては、原子及び/または分子が表面から離れる現像が優勢となる可能性がある。これは一度基板上に付着した原子及び/または分子の蒸気圧などが起因して起こる現象であるので、その基板温度・雰囲気圧力によっては、特定の原子または分子のみにおいて起こることとなり、成膜された圧電体膜の組成がずれてしまうことがある。このような組成のズレが生じる場合を低減する上で、基板温度を低下させる工程を成膜停止工程が有することが好ましい。
基板を加熱した状態での成膜過程においては、基板に付着する成膜用の原子及び/または分子の量が、基板上から離脱する原子及び/または分子よりも圧倒的に多いことから、成膜が進行する。しかしながら、基板を加熱しながら、成膜を停止する工程を実行する場合においては、原子及び/または分子が表面から離れる現像が優勢となる可能性がある。これは一度基板上に付着した原子及び/または分子の蒸気圧などが起因して起こる現象であるので、その基板温度・雰囲気圧力によっては、特定の原子または分子のみにおいて起こることとなり、成膜された圧電体膜の組成がずれてしまうことがある。このような組成のズレが生じる場合を低減する上で、基板温度を低下させる工程を成膜停止工程が有することが好ましい。
更に、成膜停止工程での最低到達基板温度は、圧電体材料と同一の組成のバルク体のキュリー温度(Tc)以下であることが好ましい。ここでバルク体とは、薄膜でない100μm以上の厚みのあるセラミックス体あるいは単結晶体を意味する。
一般に圧電体膜の使用温度範囲での結晶相は、立方晶ではなく、正方晶、単斜晶、菱面体晶などの強誘電性を示す結晶相となっている。一方、本発明の製造方法における基板温度とキュリー温度との関係(Tsub≧Tc)においては、圧電体膜は、圧電体膜の使用温度範囲の結晶相状態とは異なり、結晶相は立方晶の構造をとる。本発明においては上述のように、エピタキシャル成長させる圧電体膜の結晶相はその成膜時において、その実使用温度範囲とは異なる結晶相の状態で成膜される事となる。
また、基板温度Tsubは400℃≦Tsub≦750℃(式(3))を満たすことが好ましい。400℃≦Tsubとすることで、成膜中における膜内での原子の再配列や酸素欠損部への酸素の補完などがより起こりやすくなる。一方、750℃を超える温度においては、基板上の膜を形成している原子及び分子ごとの再蒸発臨界温度が各々異なる。そのため、これらの原子や分子の中で、基板上に付着するよりも多い量で膜から再蒸発するものが生じてくる場合があり、成膜された膜が目的の圧電体膜の材料組成からずれてしまう可能性がある。そこで、Tsubを上記の範囲とすることが好ましい。
本発明の製造方法において用いることのできる圧電体膜を成膜する方法としては、圧電体膜の成膜工程中に基板の加熱が行えれば良く、スパッタ成膜方法、MOCVD成膜方法、PLD成膜方法、MBE成膜方法などが挙げられる。
本発明に係わる圧電体膜は、液体吐出ヘッドのようなアクチュエータ素子として利用する場合その膜の両側に電界をかけるための電極が必要となる。そこで本発明の圧電体膜を成膜する基板には、圧電体膜に電界を供給するための電極層A(102)が必要となる。また、圧電体膜として単一配向膜、または単結晶膜の構造の圧電体膜を成膜する場合においては、圧電体膜を成膜する電極層A(102)の結晶構造が重要となる。基体上に所望の結晶構造をもつ電極層A(102)を形成するために基体101と電極層A(102)の間にバッファ層103を形成しても構わない。またバッファ層103は電極層A(102)の結晶構造制御のために、複数の層で形成されていても構わない。基板上に、本発明の製造方法で成膜された圧電体膜104が成膜された上に電極層B(105)を形成する。このようにして電極層A(102)と電極層B(105)との間に電圧を加えることで圧電体膜104に電界がかかる構成を得る。
[電極層A、B]
前述の電極層A及び電極層Bは、その構成上本発明の製造方法で使用される基体101と圧電体膜との間に構成されている下電極と、下電極と圧電体膜を挟んで対向した位置にある上電極に分けることができる。
前述の電極層A及び電極層Bは、その構成上本発明の製造方法で使用される基体101と圧電体膜との間に構成されている下電極と、下電極と圧電体膜を挟んで対向した位置にある上電極に分けることができる。
電極材料としては、下電極及び上電極について、圧電体膜に実効的に電界を加えることができる導電性を有する材料であれば構わない。例えば、Au、Pt、Ir、Al、Ti、Taなどの金属材料や、IrO2, RuO2などの金属酸化物材料などを挙げることができる。さらに下電極
及び上電極が多層構成であっても構わない。
及び上電極が多層構成であっても構わない。
また、下電極・上電極の厚みは、電極として圧電体膜に実効的に電界を加えるために必要な導電性を持つための最低厚みが決定される。これは電極材料の導電率・圧電体素子のディメンジョンなどから決めることができる。
また、圧電体素子の圧電体膜の結晶状態を制御する場合、具体的には単一配向または単結晶に結晶状態を制御する場合において、各層の積層順によっては圧電体膜の結晶状態を制御するために、下電極の結晶構造が重要となってくる。例えば、圧電体素子を基体、下電極、圧電体膜、上電極の順、もしくは基体、バッファ層、下電極、圧電体膜、上電極の順に形成していく場合に重要となる。
また、転写法を用い上電極、圧電体膜、下電極の順に、形成していく場合においては、上電極の結晶構造が重要となり、前述した下電極の金属酸化物が好適に使用できる。
[バッファ層]
本発明に係わる圧電体膜の結晶状態を制御する場合、具体的には単一配向膜または単結晶膜に結晶状態を制御する場合において、前記基体101と前記電極層A(102)との間に、バッファ層103を形成しても良い。バッファ層103は複数の層であっても構わない。
本発明に係わる圧電体膜の結晶状態を制御する場合、具体的には単一配向膜または単結晶膜に結晶状態を制御する場合において、前記基体101と前記電極層A(102)との間に、バッファ層103を形成しても良い。バッファ層103は複数の層であっても構わない。
[圧電体膜層]
本明細書記載の圧電体膜とは、一般に薄膜形成手段といわれる、例えば、スパッタ成膜法、MOCVD(メタルオーガニックケミカルベーパーデポジション)成膜法、PLD(パルスレーザーデポジション)成膜法、MBE(モレキュラービームエピタキシー)成膜法などによって基板上に成膜された圧電体膜である。
本明細書記載の圧電体膜とは、一般に薄膜形成手段といわれる、例えば、スパッタ成膜法、MOCVD(メタルオーガニックケミカルベーパーデポジション)成膜法、PLD(パルスレーザーデポジション)成膜法、MBE(モレキュラービームエピタキシー)成膜法などによって基板上に成膜された圧電体膜である。
また、例えば{100}配向のPZTペロブスカイト型構造で、{110}非対称面の極点測定をした際に、中心から約45°の傾きを表す同じ半径位置に8回対称や12回対称のパターンが得られる結晶がある。更にこのパターンがスポットではなく楕円である結晶もある。これらの結晶も、本発明における単結晶と1軸配向結晶の中間の対称性を有する結晶であるため、広義に単結晶および単一配向とみなす。同様に、例えば単斜晶と正方晶、単斜晶と菱面体晶、正方晶と菱面体晶、そのすべてなどの複数結晶相が混在(混相)する場合や、双晶に起因する結晶が混在する場合や、転位や欠陥等がある場合も、広義に単結晶および単一配向とみなす。
なお、本明細書中記載のエピタキシャル成長とは、薄膜形成手段により成膜する材料を成膜する過程において、基板の結晶構造に起因する膜の成長を示す、膜の成長過程をいう。その結果、成膜された膜が、前述した単一配向または単結晶となる場合の成長過程をいう。
[液体吐出ヘッド]
次に、本発明に係わる圧電体膜を適用した液体吐出ヘッドの概略を、図3を用いて説明する。図3は、液体吐出ヘッドの構造の一例を示す概略図であり、301は吐出口、302は個別液室303と吐出口301をつなぐ連通孔、304は共通液室、306は個別液室303と共通液室との吐出する液体流を制限する絞り部、305は振動板、307は下部電極、308は圧電体膜、309は上部電極である。これらの形状は本図面によって特に限定されるものではなく、本発明の圧電体膜を液体吐出ヘッドに適用した場合の一例である。なお、この例における圧電体素子は、圧電体膜308が下部電極307及び上部電極309で挟まれた部分である。
次に、本発明に係わる圧電体膜を適用した液体吐出ヘッドの概略を、図3を用いて説明する。図3は、液体吐出ヘッドの構造の一例を示す概略図であり、301は吐出口、302は個別液室303と吐出口301をつなぐ連通孔、304は共通液室、306は個別液室303と共通液室との吐出する液体流を制限する絞り部、305は振動板、307は下部電極、308は圧電体膜、309は上部電極である。これらの形状は本図面によって特に限定されるものではなく、本発明の圧電体膜を液体吐出ヘッドに適用した場合の一例である。なお、この例における圧電体素子は、圧電体膜308が下部電極307及び上部電極309で挟まれた部分である。
本発明の製造方法に係わる圧電体膜308に係わる部分について、更に詳細に図4を用い説明する。図4は、図3の圧電体膜308の幅方向での断面図である。308は、圧電体膜であり、305は振動板、307は下部電極である。振動板305と下部電極307との間に、例えば結晶性を制御するバッファ層などの機能を持った中間層310が、複数の層構造を有していてもかまわない。また下部電極307、上部電極309においても密着性改善のための層などの機能を持った複数の層構造を有していてもかまわない。圧電体膜308の断面形状は矩形で表示されているが、形状についてもこれに限定されるものではない。
下部電極307は圧電体膜308が存在しない部分まで引き出されており、上部電極309は、下部電極307と反対側(不図示)に引き出され駆動電源に繋がれる。図3及び図4では下部電極はパターニングされた状態を示しているが、圧電体膜がない部分にも存在するものであっても良い。
図6及び7に本発明の圧電体膜を好適に適用できるインクジェットヘッドを用いたインクジェット記録装置の概略図を示す。図6のインクジェット記録装置の外装をはずした動作機構部概略図が図7である。
901は圧電体膜の成膜用ターゲットであり、スパッタ用RF電源(不図示)にマッチング回路を通して繋がれている。902は陽極となる基板ホルダーであり、成膜用基板800を固定できる構成となっている。903は基板加熱機構であり、赤外ランプ光により、基板ホルダー902を加熱し基板ホルダー902を通して成膜用基板800を加熱できる構成となっている。904はシャッターである。シャッター904が圧電体膜の成膜用ターゲット901と成膜用基板800との間に入ると、RF電源によりプラズマを生成した場合においても、成膜用基板800に成膜させない状態となる。また、シャッター用回転軸905を軸に回転させ、成膜用ターゲット901と成膜用基板800との空間を遮らない位置にシャッター904が移動することで、圧電体膜を成膜可能な状態にすることができる。以上説明したRFマグネトロン用スパッタ装置の部材901〜905は、スパッタ室906内にある。スパッタ室906内には、スパッタガスを供給するスパッタガス供給口907から、ガス供給量を制御できるマスフロー(不図示)を通してスパッタガスを取り込む。そして、排気量をコントロールできる排気装置(不図示)に繋がれている排気口908からスパッタガスを排気し一定ガス圧下でのスパッタ成膜が可能となる。
次に、シャッター904を閉じたあと、スパッタ電力を落とし成膜を中止した。このとき同時に基板加熱機構903による基板加熱を停止した。チャンバー内のガス圧は0.5Paを保った。この状態を50分継続した。
図10は、本実施例において成膜した圧電体膜の断面SEM写真である。写真は、下から第2層目の圧電体膜、第3層目の圧電体膜、Pt上部電極が確認できる視野となっている。この写真から1回の連続的に成膜する工程での圧電体膜の膜厚は、1.0μmであることが判る。また圧電体膜の各層は柱状構造を持っており、各層の柱状構造が互いに独立した構造となっている部分があることが判る。
(実施例2)
圧電体膜の成膜を停止する工程において、シャッター904を閉じたあと、スパッタ電力を落とし成膜を中止し、基板加熱機構903を停止した状態を20分継続した他は、実施例1と同様にして圧電体膜を成膜した。なお、基板加熱を再び開始する直前の基板温度は、190℃であった。
圧電体膜の成膜を停止する工程において、シャッター904を閉じたあと、スパッタ電力を落とし成膜を中止し、基板加熱機構903を停止した状態を20分継続した他は、実施例1と同様にして圧電体膜を成膜した。なお、基板加熱を再び開始する直前の基板温度は、190℃であった。
Claims (6)
- 基板上に形成された圧電体膜において、前記圧電体膜が複数の層を有する構造を持ち、各層が、単一配向膜または単結晶膜であり、前記圧電体膜の複数の層の一層あたりの膜厚が0.5μm以上、2.0μm以下であることを特徴とする圧電体膜。
- 前記圧電体膜を構成する各層が柱状構造を有し、かつ各層の柱状構造に、互いに独立した構造となっている部分がある請求項1記載の圧電体膜。
- 前記基板側を基準とした第1層がリラクサ系圧電体材料である請求項1または2に記載の圧電体膜。
- 前記リラクサ系圧電体膜が、(Pb(Mn,Nb)O3)1-x-(PbTiO3)x(PMN-PT)、(Pb(Zn,Nb)O3)1-x -(PbTiO3) x(PZN-PT)、(Pb(Ni,Nb)O3) 1-x -(PbTiO3) x(PNN-PT)、(Pb(In,Nb)O3) 1-x -(PbTiO3) x(PIN-PT)、(Pb(Sc,Nb)O3) 1-x -(PbTiO3) x(PSN-PT)、(Pb(Yb,Nb)O3) 1-x -(PbTiO3) x(PYN-PT)または(Pb(Sc,Ta)O3) 1-x -(PbTiO3) x(PST-PT)(但し、0<x<1)からなる請求項3に記載の圧電体膜。
- 前記圧電体膜を構成する各層が同一の構成材料からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧電体膜。
- 液体を吐出する吐出口と、該吐出口から液体を吐出するための圧電体膜を有する液体吐出ヘッドにおいて、前記圧電体膜が、請求項1〜5のいずれか1項に記載の圧電体膜であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
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