JP2012143313A - オープンショーケース - Google Patents

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拓也 渡辺
Takayuki Yano
隆幸 矢野
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Abstract

【課題】ラウンド型ショーケースのコーナーケースに適用するオープンショーケースを対象に、保冷性能を損なうことなく、庫内全域をムラなく均等に保冷できるように庫内への冷気吹き出し方式を改良した冷気循環式のオープンショーケースを提供する。
【解決手段】冷却器6,冷気ファン7を内蔵した舟底部2、ダクト部3、天蓋部4からなる外周面開放形のケース本体1の庫内に商品陳列棚8を架設した冷気循環式のオープンショーケースであり、舟底部2の外周に開口した冷気吸込口2aを通じて回収した庫内冷気を冷却器6,ダクト部3の冷気通風路3aを経由して庫内に吹き出すよう循環送風して庫内を保冷するようにしたものにおいて、ダクト部3の上端を閉止した上で、ダクト部に布設した背面板5には各段の商品陳列棚8に対応する冷気吹出口5aを開口し、舟底部2を経由して冷気送風路3aに導風した冷気の全風量を背面板5の冷気吹出口5aを通じて庫内空間に向けて吹き出すようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、スーパーマーケットなどの店舗に据付けたラウンド型ショーケースのコーナーケースに適用するショーケースを対象とした冷気循環式のオープンショーケースに関する。
まず、頭記したラウンド型ショーケースのコーナーケースに適用する冷気循環式オープンショーケースの従来構造を図4に示す。図において、1は前面,および左右側面(もしくは一方の側面域)を開放した外形形状になるケース本体、2はケース本体1の舟底部、3は舟底部2の後部に立設したフレーム構造のダクト部、4はダクト部3の頂部に設けた天蓋部、5はダクト部3の前面に布設した庫内の背面板、6は舟底部2に配した冷却器、7は冷気ファン、8は上下段に並べてケース本体1の背面板5に架設した商品陳列棚、9は舟底部2の上面に配したデッキパンであり、舟底部2にはその外周部(前縁,側縁)に沿って冷気吸込口2aが開口し、天蓋部4には庫内の開放面域に向けてエアカーテン吹出口4aが開口している。
上記の構成で、ショーケースの保冷運転時には図示矢印のように冷却器6と熱交換してダクト部3の冷気通風路3aに導風された冷気流Aの一部は背面板5に分散開口した冷気吹出口(パンチング穴)5aを通じて庫内空間に向けて吹き出し(矢印A1)、残りの冷気主流は天蓋部4のエアカーテン吹出口4aから舟底部2の外周部に開口した冷気吸込口2aに向け、ケース本体1の開放面(前面,側面)に沿って冷気エアカーテンA2を斜め下方に吹き出し形成する。そして、背面板5の冷気吹出口5aを通じて庫内に吹き出した冷気流A1、および天蓋部4のエアカーテン吹出口4aからケース本体1の開放面域に吹き出した冷気エアカーテンA2は冷気吸込口2aを通じて舟底部2に回収され、冷気ファン7,冷却器6を経て再びダクト部3の冷気通風路3aに戻るように循環送風される。
ところで、前記ラウンド形ショーケースのコーナーケースのようにケース本体1の前面,および側面が開放されている冷気循環形のオープンショーケースでは、その天蓋部4のエアカーテン吹出口4aからケース本体1の開放面全域に均一な冷気エアカーテンを吹き出し形成することが困難であり、特にケース本体1のコーナー部分はエアカーテンの死角となってその開放面に吹き出す冷気エアカーテンA2は下流に向けて拡散するためにエアカーテンの層が薄くなって周囲から外気熱が侵入し易くなり、このために保冷性能が損なわれるほか、庫内全域をムラなく均等に保冷することが困難となる。
そのほか、庫内底部に配したデッキパン9には背の高い紙パック商品などを多量に陳列することが多く、この商品が冷気吸込口2aに向けて斜め上方から流下して来る冷気エアカーテンA2に干渉してエアカーテン気流を乱し、これが原因で冷気エアカーテンA2の一部は舟底部2の冷気吸込口2aに吸い込まれずに、そのまま庫外前方に漏出してしまってショーケースの保冷性能を低下させる問題もある。
一方、前記問題の対応策として、商品陳列棚の棚内部に冷気ケース本体のダクト部に連通するダクトを形成し、この棚内部のダクトを通じてケース本体のコーナー部分に向け冷気を吹き出すようした構造(例えば、特許文献1参照)、またケース本体のダクト部に連通して庫内空間の隅部に多孔ダクトを追加配置して庫内の隅々までムラなく保冷させるようにしたオープンショーケースの構造(例えば、特許文献2参照)などが知られている。
特開2001−221563号公報 特開2005−30656号公報
ところで、前記した先行技術文献(特許文献1,特許文献2)に開示されているショーケースは庫内のダクト構造が複雑化して製品がコスト高となる。
また、ケース本体の開放面域に吹き出し形成した冷気エアカーテンの乱れ,庫外への漏出などに起因する保冷性能の低下を補うために、あらかじめショーケースに冷凍能力の高い冷却器を搭載しておくことも考えられるが、この方法では無駄に消費されるエネルギーが増してショーケースの消費電力が必要以上に増加してしまう。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、先記したラウンド型ショーケースのコーナーケースに適用するオープンショーケースなどを対象に、従来のようにケース本体の開放面域に向けて天蓋部から吹き出し形成する冷気エアカーテンに頼ることなしに、庫内全域をムラなく保冷できるように庫内への冷気吹き出し方式を改良した冷気循環式のオープンショーケースを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、冷却器,および冷気ファンを内蔵した舟底部と、該舟底部に連通してその後部に立設したダクト部と、および該冷気ダクト部の頂部に設けた天蓋部とからなる外周面開放形のケース本体の庫内に上下段に並ぶ商品陳列棚を架設した冷気循環式のオープンショーケースであり、
前記舟底部の外周部に冷気吸込口を開口し、該冷気吸込口を通じて舟底部に回収した庫内冷気を前記冷却器,およびダクト部の冷気通風路を経由して庫内に吹き出すよう循環送風して庫内を保冷するようにしたものにおいて、
前記ダクト部の上端を閉止した上で、ダクト部の庫内側に布設した背面板には各段の商品陳列棚に対応する冷気吹出口を開口し、舟底部を経由してダクト部の冷気送風路に導風した冷気の全風量を前記背面板の冷気吹出口を通じて庫内空間に吹き出すようにする(請求項1)。
また、本発明は前記構成を基本として、次記のよう付加的要件を加えて構成することができる。
(1)各段の商品陳列棚に対応して背面板に分散開口した冷気吹出口に風量調節ダンパーを付設し、庫内に向けて吹き出す冷気の風量,風速を適正に可変調整できるようにする(請求項2)。
(2)ケース本体の天蓋部に外気取込口,外気ファン,およびエアカーテン吹出口を設け、ケース本体の開放面域に沿ってその前方に外気エアカーテンを吹き出し形成して外気の庫内侵入を抑制するようにする(請求項3)。
上記構成において、庫内の背面板に開口した冷気吹出口から庫内の商品陳列空間に向けて前方に吹き出す冷気の風量,風速を庫内の容積,商品陳列棚の段数,高さ位置,および棚の角度などに応じて適正に設定しておくことにより、各段の商品陳列棚に沿って陳列商品の周域を低風速で通過した冷気流は、そのままケース本体の開放面域を突き抜けて庫外に放散することなく、商品陳列棚の前端を越えたところで庫内空間を自重で自然流下し、最終的に舟底部の外周部に開口した冷気吸込口を通じて回収される。
これにより、ラウンド形オープンショーケースのコーナーケースのように前面,および側面域が開放したケース本体であっても、従来のショーケースのようにケース本体のコーナー部における冷気エアカーテンの形成不良、陳列商品との干渉による冷気エアカーテンの庫外漏出の発生、およびこれに起因する保冷性能低下の問題を解消して庫内全域をムラなく保冷することができる。
また、背面板に開口した冷気吹出口に風量調節ダンパーを付設したことにより、ショーケースの庫内容積、商品陳列棚の段数,取付高さ位置,および棚の角度に対応して、背面板から庫内空間に向けて吹き出す冷気の風量,風速を適正に可変設定することができる。
さらに、ケース本体の天蓋部に外気取込口,外気ファン,およびエアカーテン吹出口を設け、ケース本体の開放面に沿ってその外方に外気エアカーテンを吹き出し形成することにより庫内への外気侵入を抑制することができ、例えば店舗の入口近くで周囲からの気流乱れの影響を受け易い場所に設置するショーケースには有効である。
そのほか、ロケーション先に設置されている従来構造のショーケースに対しても、天蓋部に通じるダクト部の閉止,および背面板に穿設した冷気吹出口を変更するだけの簡単な改造で保冷性能の向上が図れる。
本発明の実施例によるオープンショーケースの庫内構造を表す側視断面図である。 図1における背面板,商品陳列棚の配置を模式的に表した正面図である。 図2の背面板に付設した風量調整ダンパーの構造,機能の説明図であり、(a),(b),(c)はそれぞれ全閉,半開,全開の設定状態を表す模式図である。 従来例のオープンショーケースの庫内構造を表す側視断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図3に示す実施例に基づいて説明する。なお、図示実施例において、図4に対応する部材には同じ符号を付してその説明は省略する。
まず、図1において、実施例の本体ケース1は図4に示した従来例と基本的に同じ構造であるが、ダクト部3の上端を塞いで天蓋部4に通じる冷気通風路3aを閉止するとともに、背面板5には図2で表すように各段の商品陳列棚8に対応して冷気吹出口5aを分散開口し、舟底部2を経由してダクト部3の冷気送風路3aに導風した冷気の全風量を背面板5に開口した冷気吹出口5aを通じて庫内空間に吹き出すようにしている。
なお、図2において、背面板5に開口した冷気吹出口5aは、商品陳列棚8で上下に仕切られた商品陳列空間の容積に対応して設定するようにしている。すなわち、図1のようにケース本体1の庫内底部に配したデッキパン9と下段に並ぶ商品陳列棚8との間の容積は、一般に上段棚と下段棚との間の容積,および上段棚の上方容積に比べて大であることから、冷気吹出口5aを2段に分けて総開口面積を大きく設定している。
また、天蓋部4はその上面後部に外気取込口4bを開口した上で、その内側に外気ファン10を配置し、ショーケースの運転時には外気取込口4bより取り込んだ周囲の外気を天蓋部4のエアカーテン吹出口4aからケース本体1の開放面に沿ってその外側に外気エアカーテンBを吹き出し形成するようにしている。
上記構成において、ショーケースの保冷運転時には、冷却器6と熱交換してダクト部3の冷気通風路3aに送風された冷気流Aは、図示矢印のように上下段に並ぶ商品陳列棚8に合わせて背面板5に分散開口した冷気吹出口5aを通じて庫内の空間に低風速で吹き出し、各段の商品陳列棚8に陳列した商品(不図示)の周域を通風して商品を保冷する。また、商品陳列棚8を通過した冷気流は棚の先端から自重で下方に自然流下し、最終的には舟底部2の外周部に開口した冷気吸込口2aを通じて回収され、ここから冷気ファン7,冷却器6を経て再びダクト部3の冷気通風路3aに送られるように循環送風する。また、ケース本体1の開放面に沿ってその外側には天蓋部4のエアカーテン吹出口4aから吹き出した外気エアカーテンBが形成されて、周囲から庫内に外気が侵入するのを防いでいる。なお、外気エアカーテンBは庫内には入らずに、ケース本体1の前方に流下して周囲に拡散する。
これにより、図4の従来構造で問題となっていたケース本体1のコーナー部分における冷気エアカーテンの形成不良、および陳列商品との干渉による冷気エアカーテンの庫外漏出に起因する冷却性能の低下を解消し、ショーケースの保冷性能を損なうことなく庫内全域をムラなく保冷することができる。
また、図2示した背面板5では、商品陳列棚8の配列に合わせて冷気吹出口5aの開口面積を固定的に定めているが、ショーケースのユーザーは各段の商品陳列棚5の取付高さを変えたり,棚の角度を変えたりすることから、この変更に対応して冷気吹出口5aの開口面積を調整できることが望ましい。
そこで、このような要求に対しては、図3で示すように背面板5にスライド式の風量調整ダンパー11を組み合わせることで簡単に対応できる。すなわち、ダンパー11は左右に並んで背面板5に穿設した1列分の冷気吹出口5aに対応して左右スライド可能に支持された長尺板で、その板面には冷気吹出口5aの配列ピッチに合わせてダンパー穴11aが穿設されている。そして、このダンパー11を左右にスライド移動し、図3(a)〜(c)のように「全閉」,「半開」,「全開」の所望位置にセットすることで、商品陳列棚8の取付高さ,棚角度の変更に合わせて、背面板5の冷気吹出口5aを通じてダクト部3(図1参照)から庫内側に吹き出す冷気の風量,風速が最適となるように調整することができる。
1 ケース本体
2 舟底部
2a 冷気吸込口
3 ダクト部
3a 冷気通風路
4 天蓋部
4a エアカーテン吹出口
4b 外気取込口
5 背面板
5a 冷気吹出口
6 冷却器
7 冷気ファン
8 商品陳列棚
9 デッキパン
10 外気ファン
11 ダンパー
11a ダンパー穴

Claims (3)

  1. 冷却器,および冷気ファンを内蔵した舟底部と、該舟底部に連通してその後部に立設したダクト部と、および該冷気ダクト部の頂部に設けた天蓋部とからなる外周面開放形のケース本体の庫内に上下段に並ぶ商品陳列棚を架設した冷気循環式のオープンショーケースであり、
    前記舟底部の外周部に冷気吸込口を開口し、該冷気吸込口を通じて舟底部に回収した庫内冷気を前記冷却器,およびダクト部の冷気通風路を経由して庫内に吹き出すように循環送風して庫内を保冷するようにしたものにおいて、
    前記ダクト部の上端を閉止した上で、ダクト部の庫内側に布設した背面板には各段の商品陳列棚に対応する冷気吹出口を開口し、舟底部を経由してダクト部の冷気送風路に導風した冷気の全風量を前記背面板の冷気吹出口を通じて庫内空間に吹き出すようしたことを特徴とするオープンショーケース。
  2. 請求項1に記載のオープンショーケースにおいて、各段の商品陳列棚に対応して背面板に分散開口した冷気吹出口に、風量調節ダンパーを付設したことを特徴とするオープンショーケース。
  3. 請求項1に記載のオープンショーケースにおいて、ケース本体の天蓋部に外気取込口,外気ファン,およびエアカーテン吹出口を設け、ケース本体の開放面域に沿ってその前方に外気エアカーテンを吹き出し形成するようにしたことを特徴とするオープンショーケース。
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