JP2012140510A - ゴム配合用老化防止剤及びその製造方法、並びにゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】老化防止剤の除放性を向上することで、ゴム表面の変色を抑制して外観性を改良しつつ、耐候性の持続効果を向上させる。
【解決手段】多孔質粒子に老化防止剤を内包させ、さらに該多孔質粒子の平均粒径の1/100〜1/5の平均粒径を持ちかつ160℃以下では融解しない樹脂及び/又は金属酸化物の微粒子を、高速気流中衝撃法を用いて、該多孔質粒子の表面に固定化してなるゴム配合用老化防止剤である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム配合用老化防止剤及びその製造方法に関するものである。また、該ゴム配合用老化防止剤を配合したゴム組成物、及び、該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関するものである。
空気入りタイヤは、長期間使用中に大気中の酸素やオゾンにより劣化されることで、サイドウォール部やトレッド部の溝底に亀裂が生じ、これが耐久性を悪化させる原因となる。そのため、耐酸化劣化や耐オゾン性を改良するために、タイヤ用ゴム組成物には、各種の老化防止剤が配合されている。かかる老化防止剤は、ゴム表面にブルームすることでゴムの劣化を抑える働きをするが、単純に配合量を増やすと、過度にブルームしてゴム表面が老化防止剤により汚染されてしまい、タイヤの外観性を損なうという問題がある。その一方で、外観性を確保するために、老化防止剤の配合量を少なくすると、耐候性の低下を招く。
下記特許文献1には、耐候性を維持しつつ、変色しにくいゴム組成物を提供するために、老化防止剤とともに無機多孔質粒子を配合することが開示されている。しかしながら、ゴム組成物の混練時に老化防止剤と多孔質粒子を添加し混合するものであるため、多孔質粒子の内部に老化防止剤はほとんど入っていかない。そのため、多孔質粒子から老化防止剤を徐々に放出させるという除放性の効果はほとんど得られず、耐候性の持続効果に劣る。また、仮に、混練時に多孔質粒子の内部に老化防止剤が入ったとしても、多孔質粒子の細孔の出口がフリーであるため、混練時やその後の加工成形時、更には加硫時の温度で、内部の老化防止剤が溶出し、耐候性の改善代は減ってしまう。
一方、下記特許文献2には、加硫促進剤に関する技術として、無機多孔質粒子の中空部にアミン化合物を充填ないし含浸させ、更にそれを加硫時に融解する樹脂でコーティングすることにより、アミン化合物を加硫時の熱に徐々に放出させる技術が開示されている。しかしながら、加硫時に機能を発揮する加硫促進剤とは異なり、老化防止剤は、温度制御できないゴム製品の通常使用時に機能を発揮するものである。そのため、加硫時の熱によりコーティング膜を融解させて内包物の放出性を制御する特許文献2の手法は、老化防止剤には適用できないものである。また、この文献では、多孔質粒子を樹脂でコーティングするために、コアセルべーション法、液中乾燥法、気中懸濁法、噴霧乾燥法などを用いているが、仮に、当手法を老化防止剤に適用した場合、コアセルべーション法や液中乾燥法では、老化防止剤を内包した多孔質粒子を溶媒中に浸けた時点で、内部の老化防止剤が溶媒中に溶け出てしまう。また、気中懸濁法や噴霧乾燥法では、溶剤を乾燥させるために槽内を高温(例えば60〜80℃)にするので、融点の低い老化防止剤では多孔質粒子の内部から溶け出てしまい、除放性に優れた老化防止剤を作製することはできない。
特開2002−037926号公報 特開2001−151945号公報
本発明は、老化防止剤の除放性を向上することで、ゴム表面の変色を抑制して外観性を改良しつつ、耐候性の持続効果に優れたゴム配合用老化防止剤を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題に鑑み、鋭意検討していく中で、多孔質粒子に老化防止剤を内包させ、これをゴム加工時に融解しない樹脂や金属酸化物の微粒子で被覆することにより、老化防止剤の除放性を向上することができ、外観性と耐候性を従来にも増して両立させることができるを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係るゴム配合用老化防止剤は、多孔質粒子に老化防止剤を内包させ、さらに該多孔質粒子の平均粒径の1/100〜1/5の平均粒径を持ちかつ160℃以下では融解しない樹脂及び/又は金属酸化物の微粒子を該多孔質粒子の表面に固定化してなるものである。
また、本発明に係るゴム配合用老化防止剤の製造方法は、多孔質粒子に老化防止剤を内包させた後、該多孔質粒子の平均粒径の1/100〜1/5の平均粒径を持ちかつ160℃以下では融解しない樹脂及び/又は金属酸化物の微粒子を高速気流中衝撃法によって該多孔質粒子の表面に固定化するものである。
また、本発明に係るゴム組成物は、上記ゴム配合用老化防止剤を配合したことを特徴とするものである。また、本発明に係る空気入りタイヤは、該ゴム組成物を用いてなるものである。
本発明によれば、老化防止剤の除放性を向上することができるので、老化防止剤がゴム表面に過剰にブリードすることによる変色を抑制して外観性を改良しつつ、老化防止剤が徐々に放出されることで耐候性を長期間持続させることができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本実施形態に係るゴム配合用老化防止剤は、多孔質粒子の細孔や中空部に老化防止剤を内包させ、更に、該多孔質粒子の表面に対してゴム加工時に融解しない樹脂や金属酸化物の微粒子を膜材として固定化した老化防止剤複合体である。このように老化防止剤を内包させた多孔質質粒子の表面を、ゴム加工時に融解しない樹脂や金属酸化物の微粒子で被覆したことにより、ゴム製品の段階でも該微粒子で被覆された状態に保持することができる。そのため、該微粒子の被膜によって多孔質粒子の内部からの老化防止剤の放出速度が遅くなるので、ゴム表面に徐々に放出されるという除放性を向上することができる。
上記多孔質粒子としては、老化防止剤を充填ないし含浸させることにより、老化防止剤を内包できるものであれば、その構造は、特に限定されない。例えば、内部に中空部としての空洞を持ち、殻部が該空洞と外部を連通させる多孔質体(即ち、無数の細孔を持つ構造)からなる多孔質中空粒子であってもよく、あるいはまた、このような中空部を持たずに全体が無数の細孔を持つ多孔質構造の粒子であってもよい。好ましくは、老化防止剤の内包率を高めることができることから、多孔質中空粒子を用いることである。多孔質粒子の形状は、特に限定されず、球状でも、長球状や扁球状などの楕円体状でもよいが、好ましくは中空球状である。
多孔質粒子は、無機物からなる無機多孔質粒子であることが好ましい。そのような無機材料としては、特に限定されず、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カーボンなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。具体的には、多孔質中空シリカ、多孔質中空カーボンなどが特に好ましいものとして挙げられる。
多孔質粒子の大きさも、特に限定されないが、平均粒径が0.1〜200μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜100μmである。多孔質粒子の平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察して画像を得て、この画像を用いて、無作為抽出された10個の粒子の直径を計測することにより、その相加平均として求められる。
上記老化防止剤としては、例えば、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(6PPD)、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(IPPD)、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DPPD)、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン(DNPD)、N−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンなどのp−フェニレンジアミン系老化防止剤;p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(CD)、オクチル化ジフェニルアミン(ODPA)、スチレン化ジフェニルアミンなどのジフェニルアミン系老化防止剤;N−フェニル−1−ナフチルアミン(PAN)、N−フェニル−2−ナフチルアミン(PBN)等のナフチルアミン系老化防止剤;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体(TMDQ)、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロ−キノリン(ETMDQ)、ジフェニルアミンとアセトンの反応物(ADPAL)等のアミン−ケトン系老化防止剤;2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(DTBMP)、スチレン化フェノール(SP)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(MBMBP)、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)(MBETB)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(BBMTBP)、4,4’−チオ−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(TBMTBP)、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン(DBHQ)、2,5−ジ−tert−アミルハイドロキノン(DAHQ)等のフェノール系老化防止剤などが挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、微粒子で被覆された多孔質粒子の内部からの除放性に優れるという点から、融点が150℃以下のものが好ましく、より好ましくは融点が80℃以下のものである。また、耐候性に優れるという点より、アミン系老化防止剤が好ましく、より好ましくは芳香族第2級アミン、特にはp−フェニレンジアミン系老化防止剤が好ましく用いられる。
多孔質粒子に老化防止剤を内包させる方法としては、特に限定されない。例えば、老化防止剤をその融点以上の温度で多孔質粒子と混合することにより、多孔質粒子に加熱溶融した老化防止剤を含浸ないし充填させることができる。より詳細には、老化防止剤をオイルバスなどで加熱溶融させ、この加熱溶融した老化防止剤に多孔質粒子を添加し攪拌混合してもよく、あるいは、多孔質粒子を攪拌しながら、加熱溶融させた老化防止剤を添加し混合してもよく、あるいはまた、老化防止剤の粉体と多孔質粒子をミキサーで攪拌混合しながら、混合時のせん断による摩擦熱やヒーターによる加熱で老化防止剤を溶融させてもよい。老化防止剤は、このような温度上昇による溶融には限られず、溶剤を使用して溶解させてもよく、溶剤で溶かした老化防止剤を多孔質粒子と混合することにより、老化防止剤を含浸ないし充填させてもよい。また、真空引きすることにより、老化防止剤を多孔質粒子の内部により効果的に浸透させることができる。
多孔質粒子として、上記多孔質中空粒子を用いる場合、溶融した液状の老化防止剤は、多孔質中空粒子の殻部の細孔を通ってその内部の空洞に浸透するので、多孔質中空粒子に老化防止剤を内包させた複合体が得られる。なお、老化防止剤は、多孔質中空粒子の中空部のみに充填ないし含浸されている態様には限られず、通常は中空部とともに殻部にも充填ないし含浸されており、そのような態様も、当然に本発明の態様として含まれる。また、老化防止剤は、多孔質中空粒子の殻部のみに含浸されてもよく、また中空部や殻部とともに粒子表面に付着していてもよい。
老化防止剤の内包率は、特に限定されないが、10〜70質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜50質量%である。ここで、内包率は、多孔質粒子と老化防止剤の合計量に対する内包された老化防止剤の質量比率である。
このようにして多孔質粒子に老化防止剤を内包させた後、該多孔質粒子の平均粒径の1/100〜1/5の平均粒径を持ちかつ160℃では融解しない樹脂及び/又は金属酸化物の微粒子を該多孔質粒子の表面に固定化する。
該微粒子として、多孔質粒子の平均粒径の1/100〜1/5の平均粒径を持つものを用いることにより、母粒子としての多孔質粒子に子粒子としての微粒子を綺麗に固着させることができる。すなわち、多孔質粒子に対する微粒子の大きさが1/5よりも大きくなると、微粒子によって老化防止剤の放出を邪魔する効果が十分でなく、老化防止剤の除放性を向上することができなくなる。また、多孔質粒子に対する微粒子の大きさが1/100よりも小さくなると、微粒子による被膜が緻密になりすぎて、老化防止剤の放出速度が遅くなりすぎてしまうおそれがある。多孔質粒子の平均粒径に対する微粒子の平均粒径の比は、1/100〜1/10であることが好ましく、より好ましくは1/50〜1/10である。ここで、微粒子の平均粒径も、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察して画像を得て、この画像を用いて、無作為抽出された10個の粒子の直径を計測することにより、その相加平均として求められる。
該微粒子として、160℃以下では融解(軟化溶融)しないものを用いるのは、160℃以下で融解する微粒子では、ゴム組成物の加工中に曝される温度で融解し、多孔質粒子に内包された老化防止剤が溶出してしまい、ゴム製品段階での除放性を向上することができないからである。より好ましくは、180℃以下では融解しないもの、更に好ましくは200℃以下では融解しないものを用いることである。また、融点のない、即ち熱で融解しない樹脂を用いてもよい。なお、熱可塑性樹脂の場合、融点はJIS K7121に準拠した示差走査熱量測定(DSC)法により昇温速度20℃/分にて測定される値であり、この値が160℃を超えるものを用いることができ、より好ましくは180℃を超えるもの、更に好ましくは200℃を超えるものを用いることである。
このような微粒子を構成する樹脂としては、特に限定されず、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、グアナミン系樹脂(ベンゾグアナミン樹脂、アセトグアナミン樹脂等)、メラミン系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂などの各種の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。また、微粒子を構成する金属酸化物としても、特に限定されず、例えば、酸化亜鉛、酸化チタンなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
該微粒子を多孔質粒子の表面に固定化する方法としては、高速気流中衝撃法を用いることが好ましい。高速気流中衝撃法は、高速気流中において粒子同士を衝突させることにより、核となる固体粒子(母粒子)の表面に、母粒子よりも粒径の小さい他の固体粒子(子粒子)を強固に固定化させる粒子複合化法である。高速気流中衝撃法を用いることにより、多孔質粒子に内包した老化防止剤を溶出させることなく、該多孔質粒子を上記微粒子で被覆することができる。また、高速気流中衝撃法によれば、多孔質粒子の表面に微粒子を強固に固定できるので、ゴム組成物の混練時などに微粒子が脱落することを防ぐことができる。また、高速気流中衝撃法であると、多孔質粒子の表面に微粒子が比較的均一に固定された層を設けることができ、しかも、微粒子を固定化するものであって多孔質粒子の表面を隙間無く完全に被覆するものでないので、老化防止剤を徐々に放出させる上で有利である。なお、高速気流中衝撃法自体は、公知の技術であり、例えば、特開平10−113874号公報等に記載されている。また、高速気流中衝撃法を利用した装置としては、例えば、(株)奈良機械製作所製ハイブリダイゼーションシステムや、ホソカワミクロン(株)製メカノフュージョンシステム等が挙げられる。
該微粒子による被覆量は、老化防止剤を含む多孔質粒子100質量部に対して10〜50質量部であること、即ち、コート率が10〜50質量%であることが好ましい。コート率が10質量%未満では、老化防止剤の除放性を向上させる効果が不十分となるおそれがある。また、50質量%を超えると、老化防止剤がほとんど放出されなくなって、本来の老化防止機能が損なわれるおそれがある。
本実施形態に係るゴム組成物は、以上よりなる老化防止剤複合体を含有するものである。該ゴム組成物に配合するゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等の各種ジエン系ゴムが挙げられる。これらはこれらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。上記ゴム成分は、好ましくは、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、又はこれらの2種以上のブレンドである。
該ゴム組成物中における老化防止剤複合体の含有量としては、特に限定されないが、多孔質粒子に内包された老化防止剤の質量として、ゴム成分100質量部に対し、0.5〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜6質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物には、カーボンブラックやシリカなどの一般にゴム組成物において配合される補強性充填剤を配合することができる。補強性充填剤の配合量は、特に限定されないが、ゴム成分100質量部に対して10〜200質量部であることが好ましく、より好ましくは20〜100質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物には、上記した成分の他に、オイル等の軟化剤、ステアリン酸、亜鉛華、ワックス、加硫剤、加硫促進剤など、ゴム工業において一般に使用される各種添加剤を必要に応じて配合することができる。上記加硫剤としては、硫黄、硫黄含有化合物等が挙げられ、特に限定するものではないが、その配合量は上記ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。また、加硫促進剤の配合量としては、上記ゴム成分100質量部に対して0.1〜7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
該ゴム組成物は、通常のバンバリーミキサーやニーダーなどのゴム用混練機を用いて、常法に従い混練することで調製される。このようにして得られるゴム組成物の用途は、特に限定されず、トレッドやサイドウォール等のタイヤ、コンベアベルト、防振ゴムなどの各種ゴム組成物に用いることができる。
好ましくは、タイヤ用ゴム組成物として用いることであり、特にはサイドウォールゴムに好適に用いられ、常法に従い、例えば140〜180℃で加硫成形することにより、空気入りタイヤを形成することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[老化防止剤複合体の調製]
・老化防止剤複合体1:
老化防止剤としては、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(6PPD、大内新興化学工業株式会社製「ノクラック6C」)を用い、多孔質粒子としては、多孔質中空シリカ(鈴木油脂工業(株)製「ゴッドボールB−25C」、平均粒径:9μm)を用いた。老化防止剤45質量部を110℃に加熱溶融し、そこへ多孔質中空シリカを55質量部添加し、1時間攪拌した。その後、吸引濾過した後、自然放置することにより老化防止剤を内包させた多孔質粒子を得た。老化防止剤の内包率は40質量%であった。次いで、子粒子として、アクリル微粒子(綜研化学(株)製「ケミスノーMR−2G」、平均粒径:0.8μm、融点:不溶)を用いて、高速気流中衝撃法により、上記多孔質粒子の表面に固定化させた。詳細には、高速気流中衝撃式の粉体表面改質装置として(株)奈良機械製作所製「ハイブリダイゼーションシステム NHS−0」を用い、老化防止剤を内包した多孔質粒子100質量部に対してアクリル微粒子15質量部となる割合にて投入し、ローター回転数:10000rpm、処理時間:5分で処理することにより、老化防止剤複合体1を得た。
・老化防止剤複合体2:
上記粉体表面改質装置に投入するアクリル微粒子の割合を、老化防止剤を内包した多孔質粒子100質量部に対して40質量部に変更し、その他は老化防止剤複合体1と同様にして、老化防止剤複合体2を得た。
・老化防止剤複合体3:
子粒子として、上記アクリル微粒子の代わりに、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物微粒子((株)日本触媒製「エポスターS」、平均粒径:0.2μm、融点:不溶)を用い、その他は老化防止剤複合体1と同様にして、老化防止剤複合体3を得た。
・老化防止剤複合体4:
子粒子として、上記アクリル微粒子の代わりに、酸化亜鉛微粒子(三井金属鉱業(株)製「1号亜鉛華」、平均粒径:0.6μm)を用い、その他は老化防止剤複合体1と同様にして、老化防止剤複合体4を得た。
・老化防止剤複合体5(比較例):
子粒子として、アクリル微粒子(綜研化学(株)製「ケミスノーMP−4009」、平均粒径:0.6μm、融点:105℃)を用い、その他は老化防止剤複合体1と同様にして、老化防止剤複合体5を得た。
・老化防止剤複合体6(比較例):
子粒子として、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物微粒子((株)日本触媒製「エポスターL15」、平均粒径:10μm、融点:不溶)を用い、その他は老化防止剤複合体1と同様にして、老化防止剤複合体6を得た。
・老化防止剤複合体7:
多孔質粒子として、多孔質中空シリカ(鈴木油脂工業(株)製「ゴッドボールB−6C」、平均粒径:3μm)を用い、その他は老化防止剤複合体3と同様にして、老化防止剤複合体7を得た。老化防止剤の内包率は40質量%であった。
・老化防止剤複合体8(比較例):
上記老化防止剤複合体1の調製において、老化防止剤を多孔質粒子に内包させたもの(即ち、微粒子を固定化する前のもの)を、老化防止剤複合体8とした。
以上の老化防止剤複合体1〜8の構成を下記表1に示す。
Figure 2012140510
[ゴム組成物の調製]
下記表2に示す配合(質量部)に従って、常法に従い、バンバリーミキサーを使用してタイヤサイドウォール用ゴム組成物を調製した。詳細には、まず、第1混合段階で、加硫促進剤および硫黄を除く成分を添加して混練し(排出温度160℃)、次いで、得られた混合物に、第2混合段階で加硫促進剤と加硫剤を添加し混練して(排出温度100℃)調製した。なお、老化防止剤複合体1〜8は、比較例4を除いて、ゴム成分100質量部に対して老化防止剤が3質量部配合されるように設定し、比較例4では6質量部とした。
表2中の各成分の詳細は以下の通りである。
・天然ゴム:RSS#3
・ブタジエンゴム:宇部興産(株)製「BR150」
・カーボンブラック:東海カーボン(株)製「シーストSO」
・アロマオイル:昭和シェル石油(株)製「エキストラクト4号S」
・ステアリン酸:花王(株)製「工業用ステアリン酸」
・亜鉛華:三井金属鉱業(株)製「1号亜鉛華」
・ワックス:パラフィンワックス、日本精蝋(株)製「オゾエース0355」
・加硫促進剤:N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
・硫黄:鶴見化学工業(株)製「5%油処理粉末硫黄」
得られた各ゴム組成物をサイドウォールゴムに用いて、常法に従い、195/65R15の空気入りラジアルタイヤを作製し、各タイヤについて、耐候性と外観性を評価した。評価方法は以下の通りである。
・耐候性:乗用車にタイヤを装着し、5万km走行後のサイドウォールゴム部の表面の状態を、JIS K6259の基準に照合して評価した。評価は、亀裂の数について、少ない方から順にA、B、Cの3段階と、亀裂の大きさについて、小さい方から順に1〜5の5段階を組み合わせて表示するものである。
・外観性:タイヤを屋外に4ヶ月間放置し、サイドウォールゴム部の表面を目視にて観察して、「3:ほとんど変色せず、2:わずかに変色、1:大きく変色」との3段階にて評価した。
結果は、表2に示す通りであり、実施例1〜5であると、老化防止剤を内包した多孔質粒子の表面に対し、融解しない樹脂や金属酸化物の微粒子を高速気流中衝撃法を用いて固定化したので、外観性に優れており、老化防止剤の初期の移行速度が抑えられていることが分かる。また、5万km走行後の耐候性にも優れていたことから、長期間にわたる老化防止効果の持続性にも優れていた。これらのことから、実施例1〜5であると、老化防止剤の除放性が向上しており、そのため、ゴム表面の変色を抑制して外観性を改良しながら、耐候性の持続効果に優れていた。
これに対し、比較例1では、老化防止剤を多孔質粒子に内包させただけであり、微粒子で被覆していないので、初期の外観性に劣り、また耐候性の持続効果にも劣っていた。比較例2では、多孔質粒子の表面を被覆した微粒子の融点が105℃と低かったため、ゴム組成物の混練時や加硫時に微粒子が融解して老化防止剤が溶出したためか、比較例1と同等の効果であり、実施例のような老化防止剤の除放性向上効果は得られなかった。比較例3では、多孔質粒子の表面を被覆した微粒子の粒径が大きかったため、高速気流中衝撃法を用いて綺麗な被膜を形成することができず、実施例のような老化防止剤の除放性向上効果は得られなかった。比較例4では、比較例1と同じ微粒子被覆していない老化防止剤複合体を用い、これを増量したことにより、耐候性を向上することはできたが、外観性に劣っており、外観性と耐候性を両立することできなかった。
Figure 2012140510

Claims (6)

  1. 多孔質粒子に老化防止剤を内包させ、さらに該多孔質粒子の平均粒径の1/100〜1/5の平均粒径を持ちかつ160℃以下では融解しない樹脂及び/又は金属酸化物の微粒子を該多孔質粒子の表面に固定化してなることを特徴とするゴム配合用老化防止剤。
  2. 前記微粒子を高速気流中衝撃法によって前記多孔質粒子の表面に固定化したことを特徴とする請求項1記載のゴム配合用老化防止剤。
  3. 前記微粒子による被覆量が、前記老化防止剤を含む多孔質粒子100質量部に対して10〜50質量部であることを特徴とする請求項1又は2記載のゴム配合用老化防止剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム配合用老化防止剤を配合したことを特徴とするゴム組成物。
  5. 請求項4記載のゴム組成物を用いた空気入りタイヤ。
  6. 多孔質粒子に老化防止剤を内包させた後、該多孔質粒子の平均粒径の1/100〜1/5の平均粒径を持ちかつ160℃以下では融解しない樹脂及び/又は金属酸化物の微粒子を高速気流中衝撃法によって該多孔質粒子の表面に固定化することを特徴とするゴム配合用老化防止剤の製造方法。
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