JP2012136627A - 樹脂組成物及びその成形体の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物及びその成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】少ない導電性フィラーの使用量で優れた電磁波シールド性を示す成形体を製造することが可能な樹脂組成物及びその成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】(A)熱可塑性樹脂10〜98質量%と、(B)平均繊維長1mm〜20mmの導電性繊維1〜50質量%と、(C)平均粒径5〜100μmの非導電性球状無機フィラー1〜50質量%と、を含有する(但し、(A)熱可塑性樹脂、(B)導電性樹脂、及び(C)非導電性球状無機フィラーの含有量の合計を100質量%とする)。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物及びその成形体の製造方法に関するものである。
熱可塑性樹脂と、導電性のフィラーを含有する樹脂組成物は、電磁波シールド性が必要とされる分野で使用されている。例えば、特許文献1には、(a)熱可塑性樹脂100重量部に対して、平均繊維径15μm以下の(b)非導電性繊維状無機フィラー20〜80重量部、および異なる2種の平均粒径を有する(c)黒鉛を含むことを特徴とする樹脂組成物が記載されている。また、特許文献2には、(A)熱可塑性樹脂と、(B)平均繊維直径が200nmの微細炭素繊維とを含み、(A)熱可塑性樹脂と(B)微細炭素繊維との合計に対する(B)微細炭素繊維を所定量含有する熱可塑性樹脂組成物が記載されている。また、特許文献3には、繊維径が5〜100μmである導電性繊維10〜50重量%を含有してなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物が記載されている。
国際公開WO07/114056号 特開2004−134515号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載されているような樹脂組成物は、体積低効率が低く、得られる成形体の電磁波シールド性は不十分であった。また、成形品の板厚を小さくすることにより、軽量化を図ることが考えられるが、一般に、成形品の板厚が薄くなると、電磁波シールド性能は低下する傾向にあることが知られている。そのため、できる限り少ない導電性フィラーの添加量で十分な電磁波シールド性能を得ることが望まれている。
以上の課題に鑑み、本発明では、少ない導電性フィラーの使用量で優れた電磁波シールド性を示す成形体を製造することが可能な樹脂組成物及びその成形体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、(A)熱可塑性樹脂10〜98質量%と、(B)平均繊維長1〜20mmの導電性繊維1〜50質量%と、(C)平均粒径5〜100μmの非導電性球状無機フィラー1〜50質量%と、を含有する樹脂組成物(但し、(A)熱可塑性樹脂、(B)導電性樹脂、及び(C)非導電性球状無機フィラーの含有量の合計を100質量%とする)及びこの樹脂組成物を用いた成形体の製造方法を提供する。
本発明によれば、少ない導電性フィラーの使用量で優れた電磁波シールド性を示す成形体を製造することができる。
本発明に係る樹脂組成物は、(A)熱可塑性樹脂と、(B)導電性繊維と、(C)非導電性球状無機フィラーと、を含有する。以下、各成分について説明する。
〔熱可塑性樹脂(A)〕
本発明で用いられる熱可塑性樹脂(A)とは、具体的には、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタアクリレート、ポリエーテルイミド、及びこれらの混合物が挙げられる。これらは単独重合体であっても、他のモノマーとの共重合体であってもよい。共重合体はブロック共重合体であっても、ランダム共重合体であってもよい。
ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。ポリスチレンとしては、汎用ポリスチレン(GPPS樹脂)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)等が挙げられる。ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン66等が挙げられる。これらのうちポリオレフィンを用いることが好ましく、ポリプロピレンを用いることがより好ましい。
ポリエチレンとしては、エチレン単独重合体、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレンと炭素原子数4以上のα−オレフィンとの共重合体、エチレンと炭素原子数4以上の環状オレフィンとの共重合体、これらの混合物等が挙げられる。
ポリプロピレンとしては、プロピレン単独重合体、エチレンとのブロック共重合体(以下、プロピレン−エチレンブロック共重合体とする)、エチレンとのランダム共重合体、プロピレンと炭素原子数4以上のα−オレフィンとの共重合体、プロピレンと炭素原子数4以上の環状オレフィンとの共重合体、又は、これらの混合物等が挙げられる。
上記プロピレンと炭素原子数4以上のα−オレフィンとの共重合体中のα−オレフィンとしては、例えば炭素原子数4〜8のα−オレフィンが挙げられる。また、プロピレン−エチレンランダム共重合体、炭素原子数4〜8のプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体中のエチレン、α−オレフィンに由来する構成単位の含有量としては1〜49質量%であることが好ましい。
上記プロピレン−エチレンブロック共重合体は、プロピレンの単独重合によって得られる結晶性プロピレン単独重合部分と、エチレンとプロピレンとを共重合して得られる共重合部分と、を有する共重合体をいう。
得られる成形体の軽量化や耐衝撃性の観点から、プロピレン−エチレンブロック共重合体中の結晶性プロピレン単独重合部分の含有量は、60〜95質量%であることが好ましく、エチレンとプロピレンとを共重合して得られる共重合部分の含有量は、40〜5質量%であることが好ましい(但し、プロピレン−エチレンブロック共重合体の全質量を100質量%とする)。
また、エチレンとプロピレンとを共重合して得られる共重合部分に含有されるエチレン由来の構成単位の含有量は、10〜60質量%であることが好ましい。
ポリプロピレンとして、プロピレン単独重合体とプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体の混合物を用いる場合、得られる成形体の外観を良好にするという観点から、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体の含有量は、1〜20質量%であることが好ましく、3〜10質量%であることがより好ましい(ただし、プロピレン単独重合体とプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体の全量を100質量%とする。)
熱可塑性樹脂(A)のメルトフローレート(以下、MFRともいう)は20g/10分以上であることが好ましく、50g/10分以上であることがより好ましい。メルトフローレートを20g/10分以上とすることによって、導電性繊維の分散状態を良好にすることができ、導電性繊維の絡み合いが良好な成形体を得ることが可能となる。なお、本発明におけるメルトフローレートは、JIS K 7210に準拠し、230℃、荷重2.16kgで測定した値である。
樹脂組成物中の熱可塑性樹脂(A)の含有量は、組成物の流動性と導電性繊維の分散性を良好にするという観点から、10〜98質量%以上であり、15〜98質量%であることが好ましく、50〜98質量%であることがより好ましい。
〔導電性繊維(B)〕
本発明で用いられる導電性繊維(B)は、平均繊維長1〜20mmの長さを有し、導電性を示す繊維であれば、特に限定されるものではない。本発明における導電性繊維(B)とは、金属繊維、金属が被覆された有機繊維、金属が被覆された無機繊維、又は、炭素繊維が挙げられる。これらのうち金属繊維又は金属が被覆された有機繊維を用いることが好ましく、金属が被覆された有機繊維を用いることがより好ましい。有機繊維に金属が被覆されたものであると、得られる成形体の比重が小さくなるとともに、成形中に繊維が折れて短くなることが少なく、繊維同士が絡みやすくなる。
なお、ここでいう「平均繊維長」とは、樹脂組成物中の導電性繊維(B)の長さのことをいう。
導電性繊維(B)として、金属繊維を用いる場合、好ましい金属種としては、ステンレス、黄銅、銅、アルミニウム、鉄、金、銀、ニッケル、チタン、錫、亜鉛、マグネシウム、白金、ベリリウム、これらの金属種の合金、又は、これらの金属種とリンとの化合物等からなる金属が挙げられる。これらの金属種の中では、黄銅、銅、アルミニウム、鉄、金、銀、ニッケル、チタンであることが好ましく、ステンレス、銅であることがより好ましい。
また、導電性繊維(B)として、金属が被覆された有機繊維を用いる場合、有機繊維は、アラミド繊維、ポリエチレンナフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリイミド繊維、綿、麻等が挙げられる。これらは単独又は2種以上組み合わせて使用することが可能である。
金属が被覆された無機繊維を用いる場合、無機繊維は、例えばガラス繊維が挙げられる。
上記有機繊維又は無機繊維を被覆する金属としては、例えば、銅、黄銅、金、銀、ニッケル、アルミ、錫、亜鉛などが挙げられる。これらは単独又は2種以上の組合せて用いることが可能である。金属の被覆方法は、特に限定されないが、無電界メッキ、真空蒸着、スパッタリング等の方法が挙げられる。金属の被覆量は使用する繊維や金属の種類によって適宜決められるが、繊維表面上に厚さ0.1〜1.0μmで被覆されることが好ましい。
樹脂組成物中の導電性繊維(B)の平均繊維長は、1〜20mmであり、1〜10mmであることが好ましく、より好ましくは1〜6mmである。導電性繊維の平均繊維長が上記範囲であると、高い電磁波シールド効果をより少ない導電性繊維添加量で得ることができる。繊維の平均繊維長が1mm未満であると、導電性繊維同士の絡まりが少なくなり、導電性繊維同士の接点が少なくなるために、得られる成形体の電磁波シールド性能が低くなる傾向にある。また、繊維の平均繊維長が20mmを超えると繊維同士の絡み合いが過度に生じて、樹脂組成物の流動性が低下し、成形機内で詰まるなどの不具合が生じることがある。
なお、本発明において、樹脂組成物中の導電性繊維(B)の平均繊維長は、樹脂組成物中の樹脂成分を溶剤で溶かしたり、燃焼させたりなどして除去した後、残渣として得られた約500本の繊維の長さを計測し、その平均値を用いている。
導電性繊維(B)の断面形状は特に限定されないが、略円形であることが好ましい。導電性繊維(B)の平均繊維径は、1〜100μmの範囲にあることが好ましく、5〜80μmであることがより好ましい。ここで、導電性繊維(B)の繊維径は、同じ断面積を有する円に換算した時の繊維径をいう。
繊維径が1〜100μmの範囲にあると、成形体中で導電性繊維同士を効率的に接触させることが可能であるため、少ない含有量で十分な導電性を得ることができる。繊維径が1μm未満であると、成形中に繊維が切れて短くなるため、導電性繊維同士の接触が起こりにくくなる傾向にある。また、繊維径が100μmを超えると繊維が剛直になるために、繊維同士のからみあいが起こりにくくなり、導電性繊維同士の接触が起こりにくくなる傾向にある。
導電性繊維(B)の繊維径は、例えば、50本以上の繊維の断面を顕微鏡などで拡大し、写真撮影をした後、スケールあるいはデジタイザーなどの測定器具を用いて測定することができる。
樹脂組成物中の導電性繊維(B)の含有量は、1〜50質量%であり、2〜40質量%であることが好ましく、2〜15質量%であることがより好ましい。含有量が1質量%未満であると、電磁波シールド性が十分でない場合がある。含有量が50質量%を超えると成形時の流動性が悪化する場合がある。
〔非導電性球状無機フィラー(C)〕
本発明で用いられる非導電性球状無機フィラー(C)(以下、フィラーともいう)は、平均粒子径が1〜1mmのフィラーであり、好ましくは1〜500μmであり、好ましくは5〜200μmである。平均粒子径が上記範囲にあると、成形体の製造時に導電性繊維の配向がフィラーの存在により緩和され、繊維同士の接触する機会が増加し、導電性繊維のネットワークが効率的に形成される。一方、平均粒子径が1μmよりも小さいと、導電性繊維の配向が緩和されず、導電性繊維同士の接触が減少する傾向がある。平均粒子径が1mmよりも大きい場合には、導電性繊維の接触が極度に減少することがある。なお、本発明における「球状」とは、必ずしも真球である必要はなく、板状や針状、フレーク状以外の略球状の形状も球状に含まれる。球状のフィラーを用いることによって、導電性繊維が樹脂の流れ方向に配向し、厚み方向における導電性繊維の接触点が減少し、得られる成形体の電磁波シールド性能が低下してしまうのを防止することが可能となる。
フィラー(C)の平均粒子径は、レーザー散乱式粒度測定装置またはJIS標準篩による篩分けによる方法により測定した値を用い、真密度は、ASTM D−2840−69に基づき、全自動気体置換型ピクノメータ(商品名アキュピック1330ピクノメータ)を用いて測定した値を用い、耐圧強度は、ASTM D3102−72に基づいて測定した値を用いる。
フィラー(C)の材質としては、炭酸カルシウム、シリカ、ガラス等が挙げられる。得られる成形体の軽量化、フィラーの分散状態の適正化という観点からフィラー(C)は中空体であることが好ましい。中でもガラス製の微小中空体が、導電性繊維の接触点の増加効果が大きいため、より好ましい。
フィラー(C)の真密度は、成形体の軽量化という観点から、0.3〜1.0g/cmであることが好ましく、0.5〜1.0g/cmであることがより好ましい。また、フィラー(C)として、中空体を用いる場合、成形体の成形時、あるいは、本発明の樹脂組成物を製造する際に押出機等で混練されるときに、中空体が破壊されて外観不良の発生の抑制効果が十分に発揮されないということを防止する観点から、耐圧強度を300kg/cm以上とすることがより好ましい。
樹脂組成物中のフィラー(C)の含有量は、1〜50質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましい(但し、熱可塑性樹脂(A)、導電性樹脂(B)、及びフィラー(C)の含有量の合計を100質量%とする)。フィラー(C)の含有量が1質量%未満であると、フィラー添加による電磁波シールド性向上効果が十分でない場合がある。また、含有量が50質量%を超えると導電性繊維(B)が効率的にネットワークを形成することが困難になる場合がある。
なお、フィラー(C)は、その表面をステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸又はパラフィン、ワックス、有機シラン、有機チタネート、エポキシ樹脂等で被覆する表面処理が施されていてもよい。
また、本発明で用いられるフィラー(C)の製造方法は、特に限定されないが、例えば、特公平4−37017、特開2001−172031等に記載されているように、シリカゲルにガラス形成材料および発泡剤成分を担持させた微粉末を炉中で焼成して、微小中空ガラス球状体を得る方法や、加熱によりガラス化した発泡剤入りガラス調合原料を湿式粉砕し、所定の濃度に調合したスラリーを二流体ノズルや圧力を加えて噴霧し、液滴を形成、加熱する方法等により製造することができる。
樹脂組成物の製造方法は特に限定されるものではなく、公知のブレンド方法を用いることができる。公知のブレンド方法としては、例えば、(A)〜(C)成分と必要に応じて添加剤等の他の成分とを、ドライブレンドやメルトブレンドする方法等が挙げられる。ドライブレンドする方法としては、例えば、ヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー等の各種ブレンダーを用いる方法が挙げられ、メルトブレンドする方法としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、熱ロール等の各種ミキサーを用いる方法が挙げられる。また、プルトルージョン法により導電性繊維を溶融状の熱可塑性樹脂に含浸させて一体化させる方法を採用してもよい。
本発明に係る樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲内で酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤、造核剤、分散剤、可塑剤、銅害防止剤等の添加剤を含有していてもよい。
〔成形体の製造方法〕
本発明に係る成形体は、上記の樹脂組成物を射出速度が500mm/秒以上、より好ましくは800mm/秒以上の速度でキャビティ内に射出する工程を経て得られる。射出速度が上記の範囲であると、導電性繊維のネットワーク形成を効率的に行うことができる。なお、本発明でいう射出速度とは、射出成形装置における射出工程時のスクリュ移動速度を示し、成形機に予め設置されている計測装置あるいは、外部計測装置を用いて計測することができる。スクリュ射出速度が500mm/sよりも小さい場合には、導電性繊維が過度に流れ方向に配向するために、繊維同士の接触が少なくなる傾向にある。
樹脂組成物を金型キャビティ内に射出する方法は、射出成形、射出圧縮成形、射出プレス成形等の方法を用いることができる。また、予め他の熱可塑性樹脂を用いて基材層を成形した後、本発明における熱可塑性樹脂組成物をオーバーモールディングする方法や2色射出成形法を用いて、2層成形体を製造する方法、サンドイッチ成形法を用いて多層の射出成形体を製造する方法など、いずれの方法を用いてもよい。
得られる成形体は、本発明に係る樹脂組成物以外の樹脂からなる層を有する多層成形体であってもよい。
成形体の厚み、又は多層成形体における本発明に係る樹脂組成物からなる層の厚みは、3mm以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましく、0.6mm以下であることが更に好ましい。上記厚みを3mm以下とすることによって、導電性繊維の分散と、流れ方向あるいは厚み方向への配向のバランスが良好となり、導電性繊維同士のネットワークが形成されやすくなる傾向がある。それによって少ない導電性繊維の添加量で十分な電磁波シールド性を良好にすることが可能となる。上記厚みが3mmを超えると、導電性繊維の流れ方向への配向が少なくなるため、導電性繊維同士の絡み合いが少なくなることがある。また、得られる成形体が軽量化できなくなってしまうことがある。
このような方法により得られた成形体は、自動車部品、家電部品、日用品、その他工業用製品等における電磁波シールド機能が必要とされる部品に使用することが可能である。
以下本発明を、実施例を用いて説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。
実施例で使用した射出成形機、金型、成形条件及び評価法は、以下のとおりである。
(1)射出成形機及び金型、成形条件
下記の射出成形機及び金型、成形条件を用いて射出成形体を成形した。
射出成形機:住友重機械工業製 SE180HP 型締力180トン
金型:100×150×3mm平板形状の製品が得られる金型を用いた
成形条件:成形温度:210℃
金型温度:30℃
(2)電磁波シールド性能の評価
電磁波シールド性能を評価するために、得られた成形品の体積抵抗率の測定を行った。上記成形品の中央部から、100×100の大きさの試験片を切り出し、樹脂組成物の流れと平行な方向(MD方向)の両端部に銀ペースト(福田金属箔粉工業製シルコートRL−10)を塗布し、乾燥させた後、銀ペースト塗布部にミリオームテスターの電極を当てて、抵抗値(内部抵抗値)を測定し、以下の式により体積抵抗率を算出した。
体積抵抗率Ωcm=(抵抗値×断面積)/測定距離
断面積:試験片幅×成形品板厚
測定距離:10cm
[実施例1]
ホモポリプロピレン(MFR=120g/10分)42質量%、導電性繊維を含むマスターバッチ(ベキシールドGR75/C12−E/5、ベカルト社製、ステンレス繊維75質量%含有、平均繊維長5mm、平均繊維径φ8μm)8質量%、ガラス中空体含有マスターバッチ(東京インキ製、PPM GB−0007、微小ガラス中空体含有量30質量%)50質量%、をドライブレンドしたものを、スクリュ射出速度800mm/sの条件で射出充填し、射出成形体を得た。
この成形体の体積抵抗率を評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
ホモポリプロピレン(MFR=120g/10分)92質量%、導電性繊維を含むマスターバッチ(ベキシールドGR75/C12−E/5、ベカルト社製、ステンレス繊維75質量%含有)8質量%、をドライブレンドしたものを、スクリュ射出速度800mm/sの条件で射出充填し、射出成形体を得た。
この成形体の体積抵抗率を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2012136627

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂(A)10〜98質量%と、平均繊維長1〜20mmの導電性繊維(B)1〜50質量%と、平均粒径5〜100μmの非導電性球状無機フィラー(C)1〜50質量%と、を含有する樹脂組成物(但し、熱可塑性樹脂(A)、導電性樹脂(B)、及び非導電性球状無機フィラー(C)の含有量の合計を100質量%とする)。
  2. 前記導電性繊維(B)が、金属繊維又は金属が被覆された有機繊維である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記非導電性球状無機フィラー(C)が、ガラス中空体である請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記熱可塑性樹脂(A)が、強化繊維を含有する熱可塑性樹脂である請求項1から3いずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の樹脂組成物からなる成形体の製造方法であって
    前記樹脂組成物を、500mm/秒以上の射出速度でキャビティ内に射出する工程を有する成形体の製造方法。
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