JP2012135114A - アルカリ蓄電池の充放電制御方法およびアルカリ蓄電池を含む充放電制御システム - Google Patents

アルカリ蓄電池の充放電制御方法およびアルカリ蓄電池を含む充放電制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】アルカリ蓄電池を充電状態で待機させる場合に、自己放電を抑制し、かつメモリ効果の発生を抑制する。
【解決手段】アルカリ蓄電池の充放電制御方法は、負荷機器への電力供給を行う前に、アルカリ蓄電池を充放電する方法であって、(i)充電状態が、満充電状態の90%を超える第1充電状態に達するまでアルカリ蓄電池を充電する工程、および(ii)充電を終了してから予め定められた時間以内に、充電状態が、第1充電状態よりも低く、かつ満充電状態の50%以上である第2充電状態になるまでアルカリ蓄電池を強制放電する工程を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、アルカリ蓄電池の充放電制御方法および充放電制御システムに関し、具体的には、負荷機器に電力供給する前の充放電制御に関する。
ニッケルカドミウム蓄電池、ニッケル水素蓄電池などのアルカリ蓄電池は、比較的安価であり、出力が大きく、大電流での放電に適しているため、様々な用途に利用されている。ニッケルカドミウム蓄電池は、正極材料として水酸化ニッケルなどのニッケル化合物を用い、負極材料としてカドミウムを用いる。一方、ニッケル水素蓄電池は、正極材料には、ニッケルカドミウム蓄電池と同様にニッケル化合物を用いるが、負極材料には、水素の吸蔵および放出が可能な水素吸蔵合金を用いる。ニッケル水素蓄電池は、ニッケルカドミウム蓄電池よりもエネルギー密度が高く、環境への負荷も小さいため、ニッケル水素蓄電池の需要は様々な用途で拡大しつつある。例えば、コードレス機器の電源、非常用電源などの産業用電源、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)、電気自動車(EV)などの車両用電源、無停電電源装置(UPS)などのバックアップ電源として、ニッケル水素蓄電池が注目されている。
しかし、用途が拡大するにつれて、用途に特有の問題も生じる。例えば、バックアップ電源は、非常時に代替電源として用いられるものであるため、十分な放電容量を常に確保しておく必要がある。ニッケルカドミウム蓄電池を用いたバックアップ電源では、トリクル充電が採用され、これにより常に電池に微小な充電電流を供給している。しかし、トリクル充電を、ニッケル水素蓄電池に採用すると、電池容量が大きく低下する場合があり、十分な放電容量を確保できない場合がある。これは、トリクル充電中に、ニッケル水素蓄電池が過充電状態になるためである。過充電状態では、負極に含まれる水素吸蔵合金の酸化が進行して水素吸蔵能力が低下する。更に、水素吸蔵合金の酸化に伴って電解液が消費され、内部抵抗が増大する。
そこで、バックアップ電源用のニッケル水素蓄電池に適した充電方法に関し、様々な提案がなされている。例えば、電池を間欠充電しながら、その充電休止中に自己放電を算出し、得られた自己放電量に基づいてニッケル水素蓄電池の充電を制御する方法が挙げられる(特許文献1)。また、充電時にパルス充電と休止を繰り返すことにより、設定電圧まで間欠充電する方法が提案されている(特許文献2)。間欠充電とは、一定期間充電を実施したのち、放置し、放置期間の自己放電分を再び充電して補い、電池を常に満充電状態に近い状態で維持する方法である。
また、正極活物質に水酸化ニッケルを用いるアルカリ蓄電池では、充放電の方法によっては、メモリ効果が生じる。この場合、アルカリ蓄電池の残存容量に対する起電力が低下し、容量が見かけ上減少する。メモリ効果は、例えば、充電状態(state of charge:SOC)がほぼ0%である完全放電状態、またはSOCがほぼ100%である完全充電状態まで充放電を行わないサイクルを繰り返すことにより生じる。
メモリ効果の発生を抑制するためには、幅広いSOC領域で充放電を行うことが有効である。しかし、バックアップ電源は、常時、負荷機器への電力供給に備えて、高いSOCで待機させるため、完全放電を行う機会が少なく、メモリ効果が発生しやすい。HEV、PHEVなどの電源用途でも、車両への電力供給を開始するまでアルカリ蓄電池を待機させることが多く、高SOCまで充電する場合には、バックアップ電源と同様の問題が生じる。
特開2000−150000号公報 特開平11−307134号公報
メモリ効果は、完全充電や完全放電を行わず、狭い電圧範囲で充放電を繰り返すことにより生じると考えられてきた。しかし、本発明者らは、電池を完全充電するとともに、負荷機器に電力供給するまで、満充電状態かそれに近い高いSOCで、電池を待機させる場合にも、メモリ効果が生じることを見出した。そのため、特許文献1および2のように、電池を、常に満充電状態またはそれに近い高いSOCで待機させると、自己放電が進行しやすいだけでなく、メモリ効果により、正極の電位が高くなり、早い時期に充電制御電圧に達するため、充電できる量が減少し、十分な放電容量を確保できなくなる場合がある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、アルカリ蓄電池を充電状態で待機させても、アルカリ蓄電池の自己放電の進行を抑制し、かつ、メモリ効果の発生を抑制することを目的とする。
本発明の一局面は、負荷機器への電力供給を行う前に、アルカリ蓄電池を充放電する方法であって、(i)充電状態が、満充電状態の90%を超える第1充電状態に達するまでアルカリ蓄電池を充電する工程、および(ii)充電を終了してから予め定められた時間以内に、充電状態が、第1充電状態よりも低く、かつ満充電状態の50%以上である第2充電状態になるまでアルカリ蓄電池を強制放電する工程、を含むアルカリ蓄電池の充放電制御方法に関する。
本発明の他の一局面は、負荷機器への電力供給を行う前に、アルカリ蓄電池を充放電するシステムであって、アルカリ蓄電池と、アルカリ蓄電池の充放電を制御する制御ユニットと、を具備し、制御ユニットは、負荷機器への電力供給を行う前に、(i)充電状態が、満充電状態の90%を超える第1充電状態に達するまでアルカリ蓄電池を充電し、(ii)充電を終了してから予め定められた時間以内に、充電状態が、第1充電状態よりも低く、かつ満充電状態の50%以上である第2充電状態になるまでアルカリ蓄電池を強制放電する、充放電制御システムに関する。
本発明によれば、ある程度高いSOCでアルカリ蓄電池を待機させても、自己放電を抑制でき、かつ、メモリ効果の発生を抑制できる。
本発明の一実施形態に係るアルカリ蓄電池の充放電制御方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るアルカリ蓄電池の充放電制御方法を実施するための充放電制御システムのブロック図である。 本発明の一実施形態に係るアルカリ蓄電池の充放電制御方法を説明するための別のフローチャートである。
本発明の充放電制御方法は、負荷機器への電力供給を行う前に、アルカリ蓄電池を充放電する方法であって、(i)充電状態(SOC)が、満充電状態の90%を超える第1充電状態(第1SOC)に達するまでアルカリ蓄電池を充電する工程、および(ii)充電を終了してから予め定められた時間以内に、SOCが、第1SOCよりも低く、かつ満充電状態の50%以上である第2充電状態(第2SOC)になるまで前記アルカリ蓄電池を強制放電する工程を有する。
つまり、本発明では、負荷機器への電力供給を行う前のアルカリ蓄電池のSOCを、90%を超える高い第1SOCではなく、強制放電により、低い第2SOCに調整する。このような充放電を行うことにより、負荷機器に電力供給を開始するまでに、自己放電が進行するのを効果的に抑制できるとともに、メモリ効果が生じるのを抑制できる。強制放電の終了後、すぐにアルカリ蓄電池から負荷機器への電力供給を行ってもよい。本発明では、自己放電およびメモリ効果を有効に抑制できるため、負荷機器への電力供給を行うまで、所定期間、アルカリ蓄電池を待機させる場合に有利である。そのため、本発明の充放電制御方法は、さらに、(iii)強制放電を終了してからアルカリ蓄電池による負荷機器への電力供給が行われるまでの間、アルカリ蓄電池を待機させる工程を含んでもよい。
なお、メモリ効果が抑制されるのは、次のような理由によるものと考えられる。
アルカリ蓄電池の充放電中には、正極材料である水酸化ニッケルは、正極材料を保持する正極芯材を介して、電子を授受する。充電の場合、正極材料内では、ニッケルに水素が結合していない状態となり、ニッケルの価数が3価のオキシ水酸化ニッケルが形成される。放電の場合、ニッケルに水素が結合した状態となり、正極材料内にニッケルの価数が2価のβ−水酸化ニッケルが形成される。放電反応においては、芯材から電子が供給される。そのため、水素に結合したニッケルがスムーズに酸化または還元されることによって、ニッケルに結合した水素が正極材料中を容易に拡散できる。
しかし、充放電停止後、アルカリ蓄電池を待機させた状態では、芯材からの電子の供給がないため、水素の拡散は、濃度勾配による拡散だけとなり、放電中に比べて、拡散速度が非常に遅くなる。よって、待機中は、電子および水素の授受が、正極材料とアルカリ電解液との界面だけで行われる。この界面では、オキシ水酸化ニッケルは、電解液中の水酸化物イオンによる水素の引き抜きにより還元され、β−水酸化ニッケルに変換される。その結果、上記界面において、β−水酸化ニッケルが凝集した状態となり、正極材料の表面における水素の拡散性が低くなる。これが電池の待機中に発生するメモリ効果である。満充電状態またはそれに近い高いSOCで電池を待機させるほど、上記界面におけるβ−水酸化ニッケルの量は多くなるため、正極活物質の表面には、緻密なβ−水酸化ニッケル層が形成される。そのため、待機中に、メモリ効果が発生する上、メモリ効果の解消も難しくなる。
これに対し、本発明では、負荷機器への電力供給を行う前に、アルカリ蓄電池を、第1SOCまで充電した後で、強制放電により、アルカリ蓄電池の充電状態を第2SOCに低下させる。そのため、正極材料における水素の拡散性が高まり、正極材料の表面に緻密なβ−水酸化ニッケル層が形成されるのを抑制できる。よって、負荷機器への電力供給を行うまでアルカリ蓄電池を待機させる場合であっても、メモリ効果が生じにくくなる。
第1SOCは、満充電状態の90%を超え、好ましくは、95%以上、さらに好ましくは98%以上である。第2SOCは、第1SOCよりも低く、具体的には、満充電状態の90%以下、好ましくは85%以下、さらに好ましくは82%以下である。また、第2SOCは、満充電状態の50%以上、好ましくは65%以上、さらに好ましくは68%以上である。これらの上限および下限の値は、任意に組み合わせることができる。第2SOCがこのような範囲である場合、自己放電の進行を抑制できるとともに、メモリ効果の発生を抑制できる。結果として、アルカリ蓄電池から負荷機器への電力供給を行うまでの間に、見かけの放電容量が低下するのを抑制して、十分な放電容量を長期間確保することができ、ユーザーの利便性を向上させることができる。
第2SOCが、90%を超えると、正極の水酸化ニッケルの表面に水素欠陥が十分に形成されなくなるため、水素の移動が制限され、水素の拡散性が低下する。これにより、負荷機器への電力供給を開始するまでの間に、水酸化ニッケルの表面に緻密なβ−水酸化ニッケル層が形成される。そのため、メモリ効果が生じ、再度充電しても、当初の充電容量まで充電させることが困難となる。また、自己放電が大きくなる場合がある。
第2SOCが、50%より低い場合には、水酸化ニッケル内の水素欠陥が少なすぎて、水素がスムーズに移動できなくなるため、水素の拡散性が低下する。そのため、第2SOCが90%を超える場合と同様に、メモリ効果が生じ、当初の充電容量を確保するのが困難となる。その結果、バックアップ電源やPHEV用の電源などとして用いる場合に、十分な放電容量を確保できなくなる。
第1SOCと第2SOCとの差は、例えば、10〜50%、好ましくは15〜40%、さらに好ましくは18〜35%である。
SOCは、アルカリ蓄電池を流れる電流の積算値に基づいて算出できる。理論的には、SOCは、下記式(1)により算出することができる。
SOC(%)=(Q/FCC)×100 (1)
ここで、Qは、アルカリ蓄電池の充電電気量を示し、充電電流Icを充電時間について積算することにより算出される。より具体的には、充電電気量Qは、充電電流Icを、継続的に、例えば、単位時間毎に積算することにより算出できる。充電電気量Qの算出では、充電電流Icが充電方向(+)を示す場合、通常、充電電流Icに、充電効率(1よりも小さい正の係数)を乗じた値を、充電時間について積算する。なお、放電時のSOCも、上記に準じて、放電電流Idを放電時間について積算することにより算出できる。
式(1)において、FCCは、アルカリ蓄電池の満充電容量を示す。劣化していない初期状態のアルカリ蓄電池では、FCCは、理論電気容量Qs(公称容量)に等しい。使用に伴い劣化すると、FCCは減少し、理論電気容量Qsより少なくなる。なお、理論電気容量Qsは、アルカリ蓄電池の電極に用いられている活物質の組成と、その活物質の量とによって決まるアルカリ蓄電池の理論上の電池容量である。FCCは、例えば、アルカリ蓄電池を、満充電状態から所定の放電終止電圧になるまで放電されたときに、アルカリ電池の放電電流Idを検出し、充電電気量Qの場合と同様に、単位時間毎に積算することにより得られ、満充電状態から完全放電までの放電電荷量に相当する。例えば、放電電流Idを逐次または断続的に測定し、放電時間の変化を反映させることにより、FCCを補正してもよい。
本発明では、SOCに基づいて、アルカリ蓄電池の充放電を制御する。SOCは、アルカリ蓄電池の電流の積算値に基づいて判定できる。その際、SOCと電流の積算値との関係を表す関数(例えば、式(1)など)を設定しておく。関数は、必要に応じて、アルカリ蓄電池の電圧および/または温度などを参照して、適宜、補正してもよい。
SOCは、電池電圧に基づいて判定することもできる。例えば、予め、SOCと、電池電圧との関係を示す関数を設定しておき、アルカリ蓄電池の端子間電圧を検出し、検出された電圧値と、前記関数とに基づいて、電圧値に対応するSOCを算出することができる。関数は、必要に応じて、電池温度および/または電池に流れる電流などを参照して、適宜補正してもよい。
例えば、電圧値に基づいて、SOCを判定する場合、工程(i)において、電池電圧が第1SOCに対応する上限電圧に達するまで、アルカリ蓄電池を充電することができる。工程(ii)において、電池電圧が、上限電圧よりも低く、かつ第2SOCに対応する待機電圧になるまで、アルカリ蓄電池を強制放電することができる。
本発明では、アルカリ蓄電池を出荷する前に、例えば、工程(i)および(ii)を経て、アルカリ蓄電池のSOCを第2SOCに調節することができる。この場合、ユーザーがアルカリ蓄電池を使用する(負荷機器に電力供給を行う)までの間の、自己放電やメモリ効果の発生を防止することができる。
工程(iii)においては、待機中に、アルカリ蓄電池を微小電流で充電し、アルカリ蓄電池の自己放電を補ってもよい。自己放電を補う目的からは、待機中のSOCは、第2SOCを超えないように調整するのが好ましい。微少電流での充電は、常時行うことが好ましい。この場合の電流値は、例えば、0.01It〜0.1It、好ましくは0.02It〜0.05Itが好ましい。
また、工程(iii)においては、待機中に、アルカリ蓄電池を充電し、アルカリ蓄電池の自己放電を補ってもよい。例えば、待機中のアルカリ蓄電池のSOCが、所定値未満(例えば、50%未満)となった場合に、アルカリ蓄電池を充電してもよい。待機中のアルカリ蓄電池のSOCを一旦増加させても、再度、自己放電によりSOCは低下する。そのため、待機中の充電は、定期的に行うことが好ましい。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るアルカリ蓄電池の充放電制御方法を説明するためのフローチャートである。図2は、本発明の充放電制御方法を実施するための充放電制御システムの一実施形態を示すブロック図である。
充放電制御システム11は、アルカリ蓄電池1と、アルカリ蓄電池1の充放電を制御する制御ユニット2とを具備する。制御ユニット2は、負荷機器への電力供給を行う前に、(i)SOCが、第1SOC充電状態に達するまでアルカリ蓄電池を充電し、(ii)充電を終了してから予め定められた時間以内に、SOCが、第2SOCになるまでアルカリ蓄電池を強制放電する。図2では、制御ユニット2は、さらに、(iii)強制放電を終了してからアルカリ蓄電池による負荷機器への接続または電力供給が行われるまでの間、アルカリ蓄電池を待機させる。
図2において、充放電制御システム11は、制御ユニット2からの命令に基づいて、アルカリ蓄電池1の充電と、強制放電と、待機状態と、負荷機器への放電とを切り替えるための充放電制御回路3を有する。充放電制御システム11は、さらに、アルカリ蓄電池1に流れる電流(充電電流および放電電流)を検出するための電流センサ4および/またはアルカリ蓄電池の端子間電圧を検出するための電圧センサ5を具備してもよい。アルカリ蓄電池1に対して、電流センサ4は直列に接続し、電圧センサ5は並列に接続する。充放電制御システムは、必要に応じて、電池温度を検出するための温度センサ6を有する。各センサで検出された検出値は、それぞれ、電気信号として制御ユニット2に送られる。データの検出は、逐次または間欠的に行ってもよい。
充放電制御システム11には、必要に応じて、充電開始および/または放電開始からの時間を計測するための時間計測ユニット7も配設できる。時間計測ユニット7で計測された時間tは、電気信号として、逐次、制御ユニット2に送られる。時間計測ユニット7では、充電の停止、もしくは放電または待機の開始または停止からの時間を計測してもよい。
各センサや時間計測ユニット7は、制御ユニット2が有していてもよい。
図2では、充放電制御回路3は、外部電源8および負荷機器10と接続している。充放電制御回路3は、外部電源8からアルカリ蓄電池1に電流を供給するための充電回路3bと、アルカリ蓄電池1から強制的に放電を行うための、負荷9(ランプなど)に接続した強制放電回路3cと、負荷機器10に電力供給を行うための放電回路3dと、これらの回路の接続を切り替えるためのスイッチ3aとを有している。充放電制御回路3は、電流センサ4を介して、アルカリ蓄電池1と接続している。なお、充放電制御回路、またはこれに含まれる各回路やスイッチは、制御ユニットが有していてもよい。
制御ユニット2は、具体的には、第1SOC、第2SOCなどの各種情報を格納するための記憶部と、記憶部の情報に基づいて各種演算を行うことによりSOCを判定するための判定部とを有する。記憶部は、例えば、所定の制御プログラムが記憶された不揮発性のROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)などを含む。判定部は、所定の演算を実行するCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)またはMPU(Micro Processing Unit:マイクロプロセッサ)、および各種周辺回路(例えば、ワイヤードロジック回路、マイクロコードなどの論理回路など)などを含む。
制御ユニット2の記憶部には、第1SOCおよび第2SOCの値、SOCと、電流の積算値または電池電圧と、必要により電池温度との関係を表す関数、充電停止から強制放電を開始するまでの時間などが格納される。また、充電開始からの時間t1、放電開始からの時間t2、各センサから送られる検出値などの他、アルカリ蓄電池1の公称容量などを格納することもできる。SOCの判定を、電池電圧に基づいて行う場合には、第1SOCおよび第2SOCの値に代えて、これらのSOCに対応する電池電圧(つまり、上限電圧および待機電圧)を、記憶部に格納してもよい。記憶部は、さらに、各センサ4〜6、時間計測ユニット7などからの検出値、制御ユニット2での演算結果などを、格納することができる。制御ユニット2による演算結果を記憶部に格納する場合、定期的に演算結果を格納することにより、記憶部の情報を、最新の情報に定期的に更新してもよい。
制御ユニット2は、記憶部に格納された種々の情報に基づいて、SOCの判定に必要な演算を行う。制御ユニットは、例えば、前記関数、各センサ4〜6および時間計測ユニット7などからの検出値に基づいて、SOCを算出する。制御ユニット2では、各センサ4〜6や時間計測ユニット7によるデータの検出と連動して、逐次または間欠的に、演算を行うことができる。
制御ユニット2は、例えば、算出したSOCと、記憶部に格納された第1SOCおよび第2SOCとを比較し、一定の条件を満たすか否かを判断する。そして、比較結果に基づいて、充放電制御回路3に信号を送り、充放電制御回路3により、アルカリ蓄電池1の充放電を制御する。
制御ユニット2では、電流センサ4で検出された電流値および時間計測ユニット7で計測された充電開始からの時間t1または放電開始からの時間t2に基づいて算出される電流の積算値、または電圧センサ5により検出された電圧値に基づいて、アルカリ蓄電池1のSOCを算出する。また、これに代えて、制御ユニット2では、電池と、SOCなどとの関係を表す関数を参照して、第1SOCおよび第2SOCに対応する電圧値を算出し、算出された電圧値と、センサで検出された電圧値とを比較してもよい。
次に、本発明の充放電制御方法の一例について、図1のフローチャートを参照しながら説明する。
スイッチ3aを切り替えることにより、充放電制御システム11の充電回路3bと外部電源8とを接続し、充放電制御システム11にセットされたアルカリ蓄電池1の充電を開始する(S1)。充電の開始と同時に、充電開始からの時間t1を計測する。計測された時間t1は、常時、制御ユニット2の記憶部に送られる。次いで、制御ユニット2は、充電開始から時間t1までの電流の積算値を算出する(S2)。電流の積算値は、電流センサ4により検出され、記憶部に送られた電流値を、時間毎に積算することにより算出される。
制御ユニット2は、記憶部から、電流の積算値とSOCとの関係を表す関数を呼び出し、この関数にステップS2で算出した電流の積算値を代入することにより、時間t1におけるSOCt1を算出する(S3)。上記関数は、充電電気量、および満充電容量FCCなどに基づく関数であってもよい。また、上記関数は、必要に応じて、電圧センサ5で検出された電圧および/または温度センサ6で検出された電池温度により補正されたものであってもよい。
制御ユニット2は、記憶部から第1SOCを呼び出し、SOCt1と比較する(S4)。比較結果が、SOCt1≧第1SOCの条件を満たさない場合には、制御ユニット2は、充放電制御回路3に信号を送らないため、充電が継続される。そして、再度、制御ユニット2は、充電開始から時間t1までの電流の積算値を算出し(S2)、算出された積算値に基づいてSOCt1を算出する(S3)。比較結果が、SOCt1≧第1SOCの条件を満たす場合、制御ユニット2は、充放電制御回路3に信号を送る。充放電制御回路3は、制御ユニット2からの信号に基づいて、スイッチ3aを切り替えることにより、アルカリ蓄電池1と充電回路3bとの接続を切断するとともに、アルカリ蓄電池1と強制放電回路3cとを接続する。これにより、アルカリ蓄電池1の充電が停止されるとともに、強制放電が開始される(S5)。強制放電を開始すると、アルカリ蓄電池1から、負荷9に電流が供給される。
ステップS2、S3およびS4は、SOCt1≧第1SOCの条件が充足されるまで、繰り返し実行される。各センサ4〜6および/または時間計測ユニット7から送られる検出値に基づいて、SOCt1を逐次的に演算または補正すると、判定精度が向上し、正確な充電停止時期を算出することができる。
充電の場合と同様に、強制放電中も、強制放電開始から時間t2までの電流の積算値を算出する(S6)。次いで、制御ユニット2は、ステップS3と同様にして、時間t2におけるSOCt2を算出する(S7)。
制御ユニット2は、記憶部から第2SOCを呼び出し、SOCt2と比較する(S8)。比較結果が、SOCt2≦第2SOCの条件を満たす場合、制御ユニット2は、充放電制御回路3に信号を送る。充放電制御回路3は、制御ユニット2からの信号に基づいて、スイッチ3aを、強制放電回路3cから、待機状態へ切り替える。これにより、強制放電が停止されるとともに、アルカリ蓄電池1の待機を開始する(S9)。
ステップS8でSOCt2≦第2SOCの条件を満たさない場合、制御ユニット2は、充放電制御回路3に信号を送らないため、強制放電が継続される。そして、制御ユニット2により、継続して、強制放電開始から時間t2までの電流の積算値が算出され(S6)、算出された積算値に基づいてSOCt2が算出される(S7)。
ステップS6、S7およびS8は、SOCt2≦第2SOCの条件が充足されるまで、繰り返し実行される。各センサおよび時間計測ユニット7から送られる検出値に基づいて、SOCt2を逐次的に演算または補正すると、判定精度が向上し、正確な強制放電の停止時期を算出することができる。
アルカリ蓄電池の充電は、定電流充電および/または定電圧充電により行うことができる。充電は、アルカリ蓄電池を充放電制御システムにセットした状態で、充電回路を通じて、充放電制御システムと外部電源とを接続することにより、開始することができる。また、充放電制御システムと外部電源とを連結した状態で、使用者が充電開始信号を入力することにより、充電を開始してもよい。さらに、アルカリ蓄電池の電流の積算値を算出するか、または電圧を検出して、一度SOCを算出し、算出したSOCが、所定値未満(例えば、SOC50%未満)である場合に、充電を自動的に開始してもよい。充電を開始するSOCに対する電池電圧を予め算出して記憶部に格納しておき、アルカリ蓄電池の電圧の検出値が、格納した電圧値未満である場合に、充電を自動的に開始してもよい。
本発明では、充電の停止後、自己放電によりSOCを低下させるのではなく、強制放電回路に接続した負荷に対して強制的に放電させることによりSOCを所定範囲に制御する。そのため、充電停止から、強制放電の開始までの時間は、自己放電が無視できる範囲に設定するのが好ましい。充電停止から強制放電の開始までの時間は、例えば、60秒以下、好ましくは20秒以下、さらに好ましくは10秒以下である。特に、充電停止と強制放電の開始とをスイッチの切り替えにより略同時に行うのが好ましい。
アルカリ蓄電池を、充電回路および強制放電回路の双方に対して電気的に中立な状態にすることにより、待機状態にすることができる。また、アルカリ蓄電池の接続を、強制放電回路から、他の回路、例えば、充電回路、放電回路などの他の回路に切り替えることにより待機状態にしてもよい。充電回路に切り替える場合には、通常、待機中のアルカリ蓄電池への充電を制御する。例えば、アルカリ蓄電池のSOCの上限値および/または下限値、充電速度などを適宜設定して、自己放電による容量の減少を補ってもよい。充電回路に切り替える場合には、充電回路と外部電源との接続を切断することにより、アルカリ蓄電池を待機状態にしてもよい。放電回路に切り替える場合には、放電回路と負荷機器との間に、電力供給の開始および停止を切り替えるスイッチを配置し、このスイッチにより、アルカリ蓄電池の、待機状態から負荷機器への電力供給への切り替えを行ってもよい。
外部電源8は、充電期間以外は、充放電制御システム11の充電回路3bに接続しておく必要はない。また、負荷機器10は、充電および強制放電の期間中は、必ずしも、放電回路3dに接続しておく必要はない。アルカリ蓄電池1を待機状態に切り替えた後、負荷機器10を、放電回路3dに連結することにより、アルカリ蓄電池1に接続させてもよい。待機状態のアルカリ蓄電池1は、スイッチ3aの切り替えにより、負荷機器10への電力供給を開始することができる。負荷機器10と放電回路3dとの連結を検知し、この検知に基づいて、自動的にスイッチ3aを切り替えることにより、負荷機器10への電力供給を開始してもよい。
電流センサとしては、例えば、抵抗素子、電流変成器、アナログデジタルコンバータ、電流計などが例示できる。電流センサは、例えば、検出された電流が、アルカリ蓄電池を充電する電流である場合、電流値をプラスの値で示し、アルカリ蓄電池からの放電電流である場合、電流値をマイナスの値で示すように設定してもよい。また、必要に応じて、充電電流をマイナスの値で、放電電流をプラスの値で示すよう設定してもよい。
電圧センサとしては、例えば、アナログデジタルコンバータ、電圧計などが例示できる。
温度センサとしては、例えば、熱電対やサーミスタ、アナログデジタルコンバータなどが例示できる。
図3は、図1の変更例を示すフローチャートである。
図3では、SOCt1およびSOCt2と第1SOCおよび第2SOCとの比較に代えて、充電開始からの時間t1および放電開始からのt2における電池電圧Vt1およびVt2と、上限電圧Vuおよび待機電圧Vwとを比較する。上限電圧Vuは、SOCが第1SOCであるときの電圧であり、待機電圧Vwは、SOCが第2SOCであるときの電圧である。なお、図1と同じステップには、同じ符号を付し、説明を省略している。
ステップS1で充電を開始した後、電圧センサ5により、充電開始からの時間t1におけるアルカリ蓄電池1の端子間電圧Vt1を検出する(S13)。検出された電圧Vt1は、制御ユニット2の記憶部に送られる。記憶部には、予め、上限電圧Vuおよび待機電圧Vwが格納されている。
制御ユニット2は、電圧Vt1と、上限電圧Vuとを記憶部から呼び出し、両者を比較する(S14)。比較結果が、Vt1≧Vuの条件を満たす場合、制御ユニット2は、充放電制御回路3に信号を送る。制御ユニット2からの命令に基づいて、充放電制御回路3は、充電を停止し、強制放電を開始する(S5)。Vt1≧Vuの条件を満たさない場合、充電を継続し、再度、充電開始からの時間t1における電池電圧Vt1を検出する(S13)。ステップS13およびS14は、Vt1≧Vuの条件が充足されるまで、繰り返し実行される。
ステップS5で強制放電を開始した後も、放電中と同様に、電圧センサ5により、強制放電開始からの時間t2におけるアルカリ蓄電池1の端子間電圧Vt2が検出される(S17)。検出された電圧Vt2は、制御ユニット2の記憶部に送られる。制御ユニット2は、記憶部から、Vt2と、予め格納されたVwとを呼び出し、両者を比較する(S18)。比較結果が、Vt2≦Vwの条件を満たさない場合には、強制放電を継続し、再度、電池電圧Vt2を検出する(S17)。Vt2≦Vwの条件を満たす場合、制御ユニット2は、充放電制御回路3に信号を送る。充放電制御回路3は、制御ユニット2からの信号に基づいて、スイッチ3aを切り替えることにより、強制放電を停止するとともに、アルカリ蓄電池1を待機状態にする(S9)。
ステップS17およびS18は、Vt2≦Vwの条件が充足されるまで、繰り返し実行される。
本発明の充放電制御方法および充放電制御システムは、公知のアルカリ蓄電池に適用できる。このようなアルカリ蓄電池としては、具体的には、ニッケルカドミウム蓄電池、ニッケル水素蓄電池が挙げられる。特に、ニッケル水素蓄電池に適用するのが好ましい。
アルカリ蓄電池は、複数のセルを用いた組電池であってもよい。
アルカリ蓄電池は、正極と、負極と、これらを隔離するセパレータとを有し、これらが、アルカリ電解液とともに、電池ケースに収容されている。正極および負極は、それぞれ、活物質を含む。正極および負極は、芯材と、これに付着した活物質または活物質層とを有してもよい。また、正極および負極は、活物質粉末を焼結した電極であってもよい。
正極芯材としては、公知のものが使用でき、ニッケル発泡体、焼結ニッケル板などのニッケルまたはニッケル合金などで形成された多孔性基板が例示できる。負極芯材としては、公知のものが使用でき、ステンレス鋼、ニッケルまたはその合金などで形成された基板が例示できる。正極活物質としては、通常、水酸化ニッケルなどのニッケル化合物が使用される。負極活物質としては、電池の種類に応じて公知のものが使用できる。例えば、ニッケルカドミウム蓄電池では、カドミウム化合物が使用できる。また、ニッケル水素蓄電池では、負極活物質として、水素吸蔵合金が使用できる。芯材が多孔性基板の場合、活物質は、芯材の空孔に充填されていてもよい。
セパレータとしては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン製の微多孔フィルムや不織布などが使用できる。
電解液としては、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ水溶液が使用できる。
実施例1
アルカリ蓄電池の一例として、ニッケル水素蓄電池を作製し、メモリ効果における、本発明による抑制効果を確認した。
(1)ニッケル水素蓄電池の作製
(a)電極群の作製
水酸化ニッケルに、水酸化コバルト、カルボキシメチルセルロース(エーテル化度0.7、重合度1600)およびポリテトラフルオロエチレンを加え、さらに水を添加して混合し、正極合剤ペーストを得た。このペーストを、ニッケル発泡体で形成された芯材の両表面にすり込むことにより、芯材内の空孔に充填した。ペーストの塗膜は、乾燥後、芯材とともにローラでプレスした。こうして、厚み0.7mm、幅35mm、長さ110mm、容量1500mAhの正極を得た。芯材内のペーストが充填されていない箇所に、ニッケル製の正極リードを溶接した。
負極には、LmNi5系(ここでLmは軽希土類元素すなわちLa、Nd、Ce、Prからなる混合物を示す)の水素吸蔵合金を使用し、これに、結着剤および水を加えて混合した。得られた混合物を、パンチングメタル基板に塗布し、乾燥後、圧延した。負極は、厚み0.4mm、幅35mmおよび長さ150mmを有し、容量が2200mAhであった。
正極と負極とを、一対のセパレータで隔離して捲回し、円柱状の電極群を作製した。セパレータとしては、親水化処理が施されたポリプロピレン製の不織布を用いた。不織布は、幅40mm、長さ250mm、厚み0.25mmであり、目付量は70g/m2であった。
(b)電池の組み立て
得られた電極群を用いて、4/5Aサイズで公称容量(理論電気容量)1500mAhのニッケル水素蓄電池を、下記の手順で組み立てた。
電池ケースとして、直径が15mmである円筒型の金属缶を用いた。金属缶は、鉄製の缶の表面にニッケルメッキを施したものであって、厚みは0.6mmであった。
電池ケースの底にリング状の負極側絶縁板を配置した後、電極群を電池ケース内に収容し、電極群の上に正極側絶縁板を配置した。次いで、正極リードを、封口体の電池内部側に配置される表面に溶接した。封口体の外周縁にはガスケットを配置した。続いて、電池ケースの開口端側の外周を、電極群の上端と、封口体の設置位置との間において内方に窪ませることにより、溝部を設けた。
さらに、アルカリ電解液として、水酸化カリウムを主な塩として含む水溶液を注入した後、電池ケースの開口部を、封口板で、かしめ封口することにより密閉し、ニッケル水素蓄電池を作製した。
(2)メモリ効果の確認
図1に示すフローに従って、(1)で作製したニッケル水素蓄電池を充電した。具体的には、ニッケル水素蓄電池を、25℃雰囲気下、1It(1500mA)の電流で充電し、SOC100%に達した時点で充電を停止した。充電停止後、10秒以内に、1Itの電流で、負荷としてのランプに対して強制放電を開始し、表1に示すSOC値になった時点で強制放電を停止した。放電停止後、速やかに、ニッケル水素蓄電池を、45℃雰囲気下の保存室に移し、7日間待機させた。なお、表1に示すSOC値が100%の電池は、SOC100%まで充電した後、強制放電を行うことなく、速やかに、45℃雰囲気下の保存室に移し、7日間待機させたものである。
待機後の電池を、25℃雰囲気下、1Itの電流で、電池電圧が1Vに達するまで、電子負荷機器で放電した。メモリ効果を確認するため、次いで、25℃雰囲気下、1Itの電流で、電池を、SOC100%になるまで充電し、さらに1Itの電流で、電子負荷機器で放電し、電池電圧が1Vになるまでの時間を計測した。この時間に基づいて、さらに放電容量Cmを算出した。このようにして得られた放電容量Cmを、表1に示した。
Figure 2012135114
電池B〜Fの放電容量Cmは、理論電池容量と同じか、理論電池容量との差は、50mAhとごくわずかであった。これらの結果から、待機前のSOCを所定範囲に調整すると、放電深度が浅いにもかかわらず、メモリ効果が確認されないことが明らかとなった。一方、満充電の状態で待機させた電池Gでは、放電容量Cmは、理論電池容量1500mAhよりも、150mAhも小さくなった。また、待機前のSOCを40%に設定した電池Aでは、放電容量Cmは、理論電池容量1500mAhより、200mAhも小さくなった。これらの結果から、SOC50〜90%で待機させたニッケル水素蓄電池は、SOC40%またはSOC100%で待機させた電池に比べ、メモリ効果が有効に抑制され、高い放電容量が得られることが明らかとなった。
本発明の充放電制御方法および充放電制御システムは、簡便な方法により、メモリ効果を抑制できるため、各種用途に使用されるアルカリ蓄電池の充放電に有用である。具体的には、アルカリ蓄電池の利点であるタフユース(車両用電源、バックアップ電源、家庭用コージェネレーション、産業用電源システム)用途、太陽光発電システム、UPSなどのバックアップ電源の他、携帯型パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話機、車両用電源(EV、HEV、PHEVなど)などの各種機器の駆動用電源、システムなどの充電制御回路を含む電源システムなどが挙げられる。
本発明では、アルカリ蓄電池におけるメモリ効果の発生を抑制できる。また、自己放電を低減することもできる。そのため、本発明は、常にある程度の電気容量を確保する必要のある各種電源用途、例えば、USPなどのバックアップ電源、PHEV用の電源などの用途に使用されるアルカリ蓄電池の充電に有用である。
1 アルカリ蓄電池
2 制御ユニット
3 充放電制御回路
3a スイッチ
3b 充電回路
3c 強制放電回路
3d 放電回路
4 電流センサ
5 電圧センサ
6 温度センサ
7 時間計測ユニット
8 外部電源
9 負荷
10 負荷機器
11 充放電制御システム

Claims (12)

  1. 負荷機器への電力供給を行う前に、アルカリ蓄電池を充放電する方法であって、
    (i)充電状態が、満充電状態の90%を超える第1充電状態に達するまで前記アルカリ蓄電池を充電する工程、および
    (ii)前記充電を終了してから予め定められた時間以内に、充電状態が、前記第1充電状態よりも低く、かつ満充電状態の50%以上である第2充電状態になるまで前記アルカリ蓄電池を強制放電する工程、を含むアルカリ蓄電池の充放電制御方法。
  2. 前記第1充電状態が、満充電状態の95%以上である、請求項1に記載のアルカリ蓄電池の充放電制御方法。
  3. 前記第2充電状態が、満充電状態の65%以上でかつ85%以下である、請求項1または2に記載のアルカリ蓄電池の充放電制御方法。
  4. さらに、(iii)前記強制放電を終了してから前記アルカリ蓄電池による前記負荷機器への電力供給が行われるまでの間、前記アルカリ蓄電池を待機させる工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルカリ蓄電池の充放電制御方法。
  5. 前記工程(iii)において、前記待機中に、前記アルカリ蓄電池を微小電流で充電し、前記アルカリ蓄電池の自己放電を補う、請求項4に記載のアルカリ蓄電池の充放電制御方法。
  6. 前記工程(iii)において、前記待機中に、定期的に前記アルカリ蓄電池を充電し、前記アルカリ蓄電池の自己放電を補う、請求項4に記載のアルカリ蓄電池の充放電制御方法。
  7. 前記アルカリ蓄電池がニッケル水素蓄電池である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のアルカリ蓄電池の充放電制御方法。
  8. 前記アルカリ蓄電池がバックアップ電源である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のアルカリ蓄電池の充放電制御方法。
  9. 前記アルカリ蓄電池が、プラグインハイブリッド電気自動車用の電源である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のアルカリ蓄電池の充放電制御方法。
  10. 負荷機器への電力供給を行う前に、アルカリ蓄電池を充放電するシステムであって、
    前記アルカリ蓄電池と、
    前記アルカリ蓄電池の充放電を制御する制御ユニットと、を具備し、
    前記制御ユニットは、前記負荷機器への電力供給を行う前に、
    (i)充電状態が、満充電状態の90%を超える第1充電状態に達するまで前記アルカリ蓄電池を充電し、
    (ii)前記充電を終了してから予め定められた時間以内に、充電状態が、前記第1充電状態よりも低く、かつ満充電状態の50%以上である第2充電状態になるまで前記アルカリ蓄電池を強制放電する、充放電制御システム。
  11. さらに、前記アルカリ蓄電池の充電電流および放電電流を検出する電流センサを含み、
    前記制御ユニットは、前記電流センサにより検出された電流の積算値に基づいて、前記アルカリ蓄電池の充電状態を判定する、請求項10記載の充放電制御システム。
  12. さらに、前記アルカリ蓄電池の端子間電圧を検出する電圧センサを含み、
    前記制御ユニットは、前記電圧センサにより検出された電圧値に基づいて、前記アルカリ蓄電池の充電状態を判定する、請求項10記載の充放電制御システム。
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