JP2012133898A - リチウム二次電池用基材及びリチウム二次電池用セパレータ - Google Patents

リチウム二次電池用基材及びリチウム二次電池用セパレータ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、抄紙網のパターン転写がなく、ピンホールがなく、フィラー粒子を含有する塗液の塗工性に優れるリチウム二次電池用基材、電解液保持率と耐リチウムデンドライト性に優れるリチウム二次電池用セパレータを提供することにある。
【解決手段】ポリエステルとポリエチレンが相互に隣接してなる分割型複合繊維を分割して得られる極細繊維と、合成短繊維を含有する湿式不織布からなるリチウム二次電池用基材及び該基材を用いてなるリチウム二次電池用セパレータ。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウム二次電池用基材及びリチウム二次電池用セパレータに関する。
近年の携帯電子機器の普及及びその高性能化に伴い、高エネルギー密度を有する二次電池が望まれている。この種の電池として、有機電解液を使用するリチウムイオン電池が注目されてきた。このリチウムイオン電池は、平均電圧として従来の二次電池であるアルカリ二次電池の約3倍である3.7V程度が得られることから高エネルギー密度となるが、アルカリ二次電池のように水系の電解液を用いることができないため、十分な耐酸化還元性を有する非水電解液を用いている。非水電解液は可燃性であるため発火等の危険性があり、その使用において安全性には細心の注意が払われている。発火等の危険に曝されるケースとしていくつか考えられるが、特に過充電が危険である。
過充電を防止するために、現状の非水系二次電池では定電圧・定電流充電が行われ、電池に精密なIC(保護回路)が装備されている。この保護回路にかかるコストは大きく、非水系二次電池をコスト高にしている要因にもなっている。
保護回路で過充電を防止する場合、当然保護回路がうまく作動しないことも想定され、本質的に安全であるとは言い難い。現状の非水系二次電池には、過充電時に保護回路が壊れ、過充電されたときに安全に電池を破壊する目的で、安全弁・PTC素子の装備、リチウム二次電池用セパレータには熱ヒューズ機能を有する工夫がなされている。しかし、上記のような手段を装備していても、過充電される条件によっては、確実に過充電時の安全性が保証されているわけではなく、実際には非水系二次電池の発火事故は現在でも起こっている。
リチウム二次電池用セパレータとしては、ポリエチレン等のポリオレフィンからなるフィルム状の多孔質フィルムが多く使用されており、電池内部の温度が130℃近傍になった場合、溶融して微多孔を塞ぐことで、リチウムイオンの移動を防ぎ、電流を遮断させる熱ヒューズ機能(シャットダウン機能)があるが、何らかの状況により、さらに温度が上昇した場合、ポリオレフィン自体が溶融してショートし、熱暴走する可能性が示唆されている。そこで、現在、200℃近くの温度でも溶融及び収縮しない耐熱性セパレータが求められている。
耐熱性セパレータとして、不織布からなるセパレータがあり、ポリエステル不織布(例えば、特許文献1及び2参照)が開示されている。水分存在下で加熱することによってゲル化しうる湿熱ゲル化樹脂と、他の繊維を含む不織布で構成されたセパレータ(例えば、特許文献3〜6参照)が開示されている。
しかしながら、特許文献1及び2のセパレータは、ピンホールの形成因子である繊維断面形状について全く考慮されていないため、抄紙網のパターンが湿式不織布に転写し、繊維密度の疎密斑ができる問題と、網を構成するワイヤーの交点に繊維が乗らず、その部分がピンホールになってしまう問題があった。さらに、ピンホールの存在により、リチウムデンドライトがセパレータを貫通して導通する問題があった。リチウムデンドライトとは、充放電を繰り返し行ったときや、過充電したときに負極表面に析出する金属リチウムをいう。リチウムデンドライトは徐々に成長し、セパレータを貫通して正極に達し、内部短絡の原因になる場合がある。特許文献3〜6のセパレータは、湿熱ゲル化樹脂の皮膜があるため、セパレータの空隙が不十分になる問題があった。皮膜を少なくすると、ピンホールができやすいため、リチウムデンドライトがセパレータを貫通する問題があった。また、湿熱ゲル化の方法が複雑であるため、湿熱ゲル化樹脂の皮膜面積とセパレータの空隙率のバランスを取ることが難しい問題があった。
不織布のみから構成される耐熱性セパレータにおけるピンホール等の問題を解決し、より高い耐熱性を達成する手段として、不織布等のリチウム二次電池用基材に、フィラー粒子を含有するスラリーを含浸又は塗工する処理、樹脂を含有するスラリーを含浸又は塗工する処理、多孔質フィルムを積層一体化する処理、固体電解質やゲル状電解質を含浸又は塗工する処理から選ばれる少なくとも1つの処理を施して、リチウム二次電池用セパレータとする例も開示されている(例えば、特許文献7〜25参照)。リチウム二次電池用基材としては、多孔率が50%より大きく、繊維径が1〜25μmで、厚みが15〜80μmである不織布(特許文献11)、50g/mより軽く、35μmより薄く、繊維径が0.1〜10μmで、50〜97%の多孔率を有する不織布(特許文献12)、多孔率が50%より大きく、繊維径が1〜25μmで、厚みが15〜80μmであり、細孔の少なくとも50%が75〜150μmである不織布(特許文献13)、全繊維の平均繊維径が5μm以下であり、平均繊維径が3μm以下の不織布(特許文献25)等が記載されている。
しかしながら、これらのリチウム二次電池用基材は、ピンホールの形成因子である繊維断面形状について全く考慮されていないため、抄紙網のパターンが湿式不織布に転写し、繊維密度の疎密斑ができる問題と、網を構成するワイヤーの交点に繊維が乗らず、その部分がピンホールになってしまう問題があった。そのため、フィラー粒子を含有する塗液を塗工すると、裏抜けしてしまい、塗工面の表面平滑性が悪い問題と、不織布内部にフィラー粒子が充填され、不織布内部の空孔を閉塞するため、電解液保持性が悪く、セパレータの内部抵抗が高くなる問題があった。また、繊維密度の疎な部分にフィラーが留まれず、穴として残ってしまう問題があった。さらに、ピンホールの存在により、リチウムデンドライトがセパレータを貫通して導通する問題があった。
特許文献7〜27に記載されているリチウム二次電池用基材において、ガラス繊維等の無機繊維を主成分とした不織布は、柔軟性に欠けるため、塗工時や電池組立時に基材が破壊されることがある。また、不織布の強度を向上させるために、熱融着性繊維を使用した場合は皮膜が形成され、塗液に含有される樹脂やバインダーの種類及び添加量によっては、それらが皮膜を形成し、塗液のしみ込みが不均一に起こり、塗液の濡れ性が悪いという問題があった。
特開2003−123728号公報 国際公開第2008/130020号パンフレット 特開2005−317215号公報 特開2005−317216号公報 特開2005−317217号公報 国際公開第2004/038833号パンフレット 国際公開第2007/066768号パンフレット 国際公開第2008/143005号パンフレット 国際公開第2008/114727号パンフレット 国際公開第2009/096451号パンフレット 国際公開第2003/073534号パンフレット(特表2006−504228号公報) 国際公開第2004/021476号パンフレット(特表2005−536857号公報) 国際公開第2004/021499号パンフレット(特表2005−536658号公報) 国際公開第2004/021469号パンフレット(特表2005−536858号公報) 国際公開第2004/021477号パンフレット(特表2005−536860号公報) 国際公開第2004/049471号パンフレット(特表2006−507635号公報) 国際公開第2004/049472号パンフレット(特表2006−507636号公報) 国際公開第2005/038959号パンフレット(特表2007−508669号公報) 国際公開第2005/038946号パンフレット(特表2007−508670号公報) 国際公開第2005/038960号パンフレット(特表2007−509464号公報) 国際公開第2005/104269号パンフレット(特表2007−534123号公報) 国際公開第2006/136472号パンフレット(特表2008−544457号公報) 国際公開第2007/028662号パンフレット(特表2009−507353号公報) 特開2008−208511号公報 特開2009−230975号公報 特開2005−293891号公報 特開2007−157723号公報
本発明の課題は、抄紙網のパターン転写がなく、ピンホールがなく、塗液の濡れ性と塗工性が良いリチウム二次電池用基材及び電解液保持率と耐リチウムデンドライト性に優れるリチウム二次電池用セパレータを提供することにある。
上記課題を解決するために鋭意研究した結果、ポリエステルとポリエチレンからなる分割型複合繊維を分割して得られる極細繊維と、合成短繊維を含有してなる湿式不織布からなることを特徴とするリチウム二次電池用基材及び該基材を用いてなるリチウム二次電池用セパレータを見出した。
本発明のリチウム二次電池用基材は、ポリエステルとポリエチレンが相互に隣接してなる分割型複合繊維を分割して得られる極細繊維と合成短繊維とを含有してなる湿式不織布からなるため、抄紙網のパターン転写がなく、ピンホールがない。また、基材表面及び内部を皮膜で覆うことがないため、塗液の濡れ性と塗工性が良い。本発明のリチウム二次電池用セパレータは、フィラー粒子が基材表面に集中的に積層されるため、基材内部の空隙が維持され、電解液保持率が高く、充放電の繰り返しによって、リチウムデンドライトが電極表面に生成した場合でも、基材表面に集中的に存在するフィラー粒子によって、リチウムデンドライトが正負極間で導通することを防ぐことができ、耐リチウムデンドライト性に優れる。
本発明のリチウム二次電池用基材(以下、「基材」と表記することもある)とは、フィラー粒子を含有するスラリーを含浸又は塗工するための基材、樹脂を含有するスラリーを含浸又は塗工するための基材、多孔質フィルムや不織布などの多孔質基材を積層一体化するための基材、固体電解質やゲル状電解質を含浸又は塗工するための基材であり、リチウム二次電池用セパレータの前駆体シートである。
本発明のリチウム二次電池用セパレータ(以下、「セパレータ」と表記することもある)は、本発明のリチウム二次電池用基材にフィラー粒子を含有するスラリーを含浸又は塗工してなるセパレータ、樹脂を含有するスラリーを含浸又は塗工してなるセパレータ、多孔質フィルムや不織布などの多孔質基材を積層一体化してなるセパレータ、固体電解質やゲル状電解質を含浸又は塗工してなるセパレータである。フィラーは、無機、有機の何れでも良い。無機フィラーとしては、アルミナ、ギブサイト、ベーマイト、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、シリカ、酸化チタン、チタン酸バリウム、酸化ジルコニウムなどの無機酸化物や無機水酸化物、窒化アルミニウムや窒化珪素などの無機窒化物、アルミニウム化合物、ゼオライト、マイカなどが挙げられる。有機フィラーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンオキシド、ポリスチレン、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−ビニルモノマー共重合体、ポリオレフィンワックスなどが挙げられる。スラリーには、結着剤としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、酢酸ビニル由来の構造単位が20〜35モル%のもの)、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのエチレン−アクリレート共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムなどのゴムやその誘導体)、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、アクリル樹脂などが挙げられ、これらを単独で使用することもでき、2種以上を併用することもできる。また、多孔質フィルムとしては、フィルムを形成できる樹脂であれば、特に制限はないが、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂といったポリオレフィン系樹脂が好ましい。ポリエチレン系樹脂としては、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、又は超高密度ポリエチレンのようなポリエチレン系樹脂単独だけでなく、エチレンプロピレン共重合体、又はポリエチレン系樹脂と他のポリオレフィン系樹脂との混合物などが挙げられる。ポリプロピレン系樹脂としては、ホモプロピレン(プロピレン単独重合体)、又はプロピレンとエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン若しくは1−デセンなどα−オレフィンとのランダム共重合体又はブロック共重合体などが挙げられる。
本発明におけるリチウム二次電池とは、リチウムイオン電池やリチウムイオンポリマー電池を意味する。リチウム二次電池の負極活物質としては、黒鉛やコークスなどの炭素材料、金属リチウム、アルミニウム、シリカ、スズ、ニッケル、鉛から選ばれる1種以上の金属とリチウムとの合金、SiO、SnO、Fe、WO、Nb、Li4/3Ti5/3等の金属酸化物、Li0.4CoNなどの窒化物が用いられる。正極活物質としては、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、チタン酸リチウム、リチウムニッケルマンガン酸化物、リン酸鉄リチウムが用いられる。リン酸鉄リチウムは、さらに、マンガン、クロム、コバルト、銅、ニッケル、バナジウム、モリブデン、チタン、亜鉛、アルミニウム、ガリウム、マグネシウム、ホウ素、ニオブから選ばれる1種以上の金属との複合物でも良い。
リチウム二次電池の電解液には、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメトキシエタン、ジメトキシメタン、これらの混合溶媒などの有機溶媒にリチウム塩を溶解させたものが用いられる。リチウム塩としては、六フッ化リン酸リチウムや4フッ化ホウ酸リチウムが挙げられる。固体電解質としては、ポリエチレングリコールやその誘導体、ポリメタクリル酸誘導体、ポリシロキサンやその誘導体、ポリフッ化ビニリデンなどのゲル状ポリマーにリチウム塩を溶解させたものが用いられる。
本発明に用いられる分割型複合繊維は、ポリエステルとポリエチレンが相互に隣接して配置されてなる。ポリエチレンは高密度、中密度、低密度、超高密度、超低密度、直鎖状低密度の何れでも良い。
分割型複合繊維の断面形状は、放射状型、層状型、櫛型、碁盤型などが挙げられる。分割型複合繊維は、パルパーやミキサーなどで攪拌する方法や高圧水流を当てる方法により、ポリエステルからなる極細繊維と、ポリエチレンからなる極細繊維とに分割させることができるものが好ましい。分割型複合繊維をパルパーやミキサーで攪拌して分割させる際には、必要に応じて分散助剤や消泡剤を使用しても良い。分割型複合繊維の平均繊維径は3.0〜18.0μmが好ましく、6.0〜16.0μmがより好ましい。3.0μm未満だと、分割しにくくなる場合がある。18.0μmより太いと、分割後の極細繊維断面の長軸が長くなるため、基材の空隙を閉塞する場合がある。
分割して得られる極細繊維は、断面の短軸長さが1.0〜5.0μmであることが好ましく、1.0〜3.0μmであることがより好ましい。1.0μm未満だと断面の理論扁平度が大きくなりすぎて基材の空隙を閉塞する場合や、極細繊維同士の交点や極細繊維と合成短繊維の交点の接着が不十分になる場合がある。5.0μmを超えると、基材の厚みを薄くしにくくなる場合がある。短軸長さとは、極細繊維断面の短軸方向の最大長さを意味する。極細繊維の長さは0.5〜10mmが好ましく、1〜6mmがより好ましく、1〜4mmがさらに好ましい。0.5mm未満だと湿式抄紙の際に漉き網から抜け落ちて排水に流出する割合が多くなる場合がある。10mmより長いと極細繊維同士が拠れて塊ができる場合がある。極細繊維の理論扁平度は、1.0〜5.0が好ましく、1.5〜3.0がより好ましい。理論扁平度とは極細繊維の長軸の最大長さを短軸長さで除した値を意味し、分割型複合繊維の繊維径と分割数から計算することができる。理論扁平度が5.0より大きいと基材の空隙を閉塞する場合や、極細繊維同士の交点、合成短繊維同士の交点、極細繊維と合成短繊維の交点の接着が不十分になる場合がある。
本発明のリチウム二次電池用基材を構成する合成短繊維としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリエステル、アクリル、ポリアミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、ポリエーテル、ポリビニルアルコール、ジエン、ポリウレタン、フェノール、メラミン、フラン、尿素、アニリン、不飽和ポリエステル、フッ素、シリコーン、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンゾイミダゾール、ポリ−p−フェニレンベンゾビスチアゾール、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリテトラフルオロエチレン、これらの誘導体などの樹脂100%からなる短繊維、又は2種類以上の樹脂からなる複合繊維が挙げられる。複合繊維としては、芯鞘型、偏芯型、サイドバイサイド型、海島型、オレンジ型、多重バイメタル型が挙げられる。本発明におけるアクリルとは、アクリロニトリル100%の重合体からなるもの、アクリロニトリルに対して、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の(メタ)アクリル酸誘導体、酢酸ビニルなどを共重合させたものを指す。ポリアミドとは、脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミドを指す。半芳香族ポリアミドとは、主鎖の一部に脂肪鎖などを有する芳香族ポリアミドを指す。
合成短繊維の断面形状は、円形、楕円形、扁平、三角形、四角形、多角形の何れでも良いが、基材の空隙を閉塞しにくいことから円形、楕円形、三角形、四角形、多角形が好ましい。平均繊維径は、0.1〜12.0μmが好ましく、0.5〜8.0μmがより好ましく、1.0〜5.0μmがさらに好ましい。合成短繊維の平均繊維径が12.0μmを超えた場合、厚さ方向における繊維本数が少なくなるため、塗液が裏抜けする場合や厚みを薄くしにくくなる場合や表面粗さが大きくなる場合がある。0.1μm未満だと、合成短繊維の添加効果が現れにくい場合がある。断面形状が円形以外の場合の平均繊維径は、同面積の円形に換算したときの平均繊維径を意味する。
合成短繊維の繊維長としては、0.1〜10mmが好ましく、0.3〜6mmがより好ましい。繊維長が10mmを超えた場合、地合不良となることがある。一方、繊維長が0.1mm未満の場合には、基材の機械的強度が低くなって、塗工の際に基材が破損する場合がある。
本発明のリチウム二次電池用基材において、ポリエステルとポリエチレンが相互に隣接してなる分割型複合繊維と合成短繊維との質量比率は、8:2〜2:8が好ましく、7:3〜4:6がより好ましい。分割型複合繊維の比率が8:2より多いと、湿式不織布の熱処理の際に著しく収縮し、しわになる場合や基材の空隙が閉塞される場合がある。2:8より少ないと、抄紙網のパターン転写が生じる場合や、基材の強度が弱くなり、塗工時に破損する場合がある。
本発明のリチウム二次電池用基材は、湿式抄紙法で製造される。具体的には、ポリエステルとポリエチレンが相互に隣接してなる分割型複合繊維を分割させて得られる極細繊維と、合成短繊維を水に分散して均一なスラリーとし、このスラリーを抄紙機で漉きあげて湿式不織布を作製する。スラリーには、必要に応じて分散助剤、消泡剤、増粘剤、剥離剤などの薬品を添加しても良い。抄紙機としては、円網抄紙機、長網抄紙機、傾斜型抄紙機、傾斜短網抄紙機、これらを組み合わせた複合抄紙機が挙げられる。
本発明においては、湿式不織布を135〜160℃で熱処理して、ポリエチレンの一部又は全部を溶融させ、ポリエステルからなる極細繊維同士の交点、合成短繊維同士の交点、該極細繊維と合成短繊維の交点を接着させることが好ましい。本発明における熱処理は、非加圧下で135〜160℃の温度範囲に加熱したロールに湿式不織布の片面又は両面を所定時間接触させる方法、135〜160℃の温度範囲に加熱したロール間に湿式不織布を通して加圧する方法、135〜160℃の温度範囲でホットプレス機を用いて所定時間加圧処理する方法、これら方法の組み合わせ等で行うことができる。加熱するロールは樹脂製、金属製の何れでも良い。135℃未満だと、極細繊維同士の交点、合成短繊維同士の交点、該極細繊維と合成短繊維の交点の接着が弱く、引張強度や突刺強度が不十分になる場合がある。160℃を超えると、湿式不織布の収縮が大きくなって変形してしまう場合や、熱処理の際にポリエチレンがロールやホットプレス機に張り付いてしまう場合がある。熱処理をする場合もしない場合も、必要に応じてカレンダー処理して厚みを調整する。
本発明における湿式不織布が、合成短繊維の一部に芯鞘型、偏芯型、サイドバイサイド型の何れかの複合繊維を含有し、複合繊維の成分の1つがポリエチレンと同じ融点か、それ以下の融点を有する場合は、ポリエステルからなる極細繊維と複合繊維の交点及び/又は複合繊維同士の交点は複合繊維の該成分によっても接着される。複合繊維を含有する場合も、135〜160℃で熱処理することが好ましく、この温度範囲で熱処理すれば皮膜の生成を抑制することができる。
本発明のリチウム二次電池用基材の厚みは、4〜45μmが好ましく、8〜40μmがより好ましく、10〜35μmがさらに好ましい。45μmを超えると、セパレータの抵抗値が高くなる場合があり、4μm未満であると、基材の強度が弱くなりすぎて、基材の取り扱い時や塗工時に破損する恐れがある。
本発明のリチウム二次電池用基材の密度は、0.250〜0.700g/cmが好ましく、0.300〜0.650g/cmがより好ましく、0.400〜0.600g/cmがさらに好ましい。密度が0.250g/cm未満だと、塗液が裏抜けする場合があり、0.700g/cm超だと、セパレータの抵抗値が高くなる場合がある。
本発明のリチウム二次電池用基材は、ASTM−F316−86で規定される最大孔径3〜15μmであることが好ましく、3〜10μmであることがより好ましく、3〜8μmであることがさらに好ましい。3μm未満だと、極細繊維によって基材の空隙が閉塞され、電解液保液率が低くなる場合がある。15μmより大きいと、塗液が裏抜けする場合や、フィラー粒子が基材内部に充填されてしまい、基材の空隙を閉塞する場合がある。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。表1に本発明の実施例及び比較例で使用した分割型複合繊維、合成短繊維を示した。表1中の分割型複合繊維の断面形状は、分割型複合繊維全体の断面が円形で、ポリエステルとポリエチレンの配置が放射状型であることを意味する。表1中の「PP」はポリプロピレン、「EVOH」はエチレン−ビニルアルコール共重合体、「PET」はポリエチレンテレフタレート、「PE」は高密度ポリエチレンを意味する。F10及びF11の芯鞘型複合繊維の芯部と鞘部の断面積比は50:50であり、どちらも芯部がポリプロピレンである。
Figure 2012133898
実施例1
表2に示したスラリー1を調製した。スラリー1を2連式の円網抄紙機を用いて湿式抄紙し、ヤンキードライヤー温度を140℃にして乾燥させて湿式不織布を作製した。次いで、表3に示した熱処理温度と熱処理時間に従って、金属ロールに湿式不織布の表裏面を接触させて熱処理し、その後さらに、135℃に加熱した一対の金属ロール間に線圧500N/cmで通して熱処理し、実施例1の基材を作製した。
実施例4、9、12、13
表2に示したスラリー4、9、12、13を調製した。表3に示したように、スラリー4、9、12、13を2連式の円網抄紙機を用いて湿式抄紙し、ヤンキードライヤー温度を140℃にして乾燥させて湿式不織布を作製した。次いで、表3に示した熱処理温度と熱処理時間に従って金属ロールに湿式不織布の表裏面を接触させて熱処理し、さらに、表3に示した温度と線圧の条件で一対の金属ロール間に通して熱処理し、実施例4、9、12、13の基材を作製した。
実施例2、3、5〜8、10、11、14、15
表2に示したスラリー2、3、5〜8、10、11、14、15を調製した。表3に示したように、スラリー2、3、5〜8、10、11、14、15を2連式の円網抄紙機を用いて湿式抄紙し、ヤンキードライヤー温度を140℃にして乾燥させて湿式不織布を作製した。次いで、表3に示した熱処理温度と熱処理時間に従って金属ロールに湿式不織布の表裏面を接触させて熱処理し、さらにカレンダー処理して厚みを調整し、実施例2、3、5〜8、10、11、14、15の基材を作製した。
実施例16
スラリー4を2連式の円網抄紙機を用いて湿式抄紙し、ヤンキードライヤー温度を140℃にして乾燥させて湿式不織布を作製した。次いで、130℃に加熱した金属ロールに湿式不織布の表裏面をそれぞれ30秒ずつ接触させて熱処理し、さらにカレンダー処理して厚み調整し、実施例16の基材を作製した。
実施例17
スラリー4を2連式の円網抄紙機を用いて湿式抄紙し、ヤンキードライヤー温度を140℃にして乾燥させて湿式不織布を作製した。次いで、165℃に加熱した金属ロールに湿式不織布の表裏面をそれぞれ5秒ずつ接触させて熱処理し、さらにカレンダー処理して厚み調整し、実施例17の基材を作製した。
(比較例1)
表2に示したスラリー16を調製し、2連式の円網抄紙機を用いて湿式抄紙し、ヤンキードライヤー温度を140℃にして乾燥させて湿式不織布を作製した。次いで、表3に示した熱処理温度と熱処理時間に従って金属ロールに湿式不織布の表裏面を接触させて熱処理し、さらにカレンダー処理して厚み調整し、比較例1の基材を作製した。
(比較例2)
表2に示したスラリー17を調製し、2連式の円網抄紙機を用いて湿式抄紙し、ヤンキードライヤー温度を130℃にして乾燥させて湿式不織布を作製した。次いで、130℃、線圧500N/cmで熱カレンダー処理し、比較例2の基材を作製した。
(比較例3)
表2に示したスラリー18を調製し、円網抄紙機と短網抄紙機の複合抄紙機を用いて湿式抄紙し、ヤンキードライヤー温度を135℃にして乾燥させて湿式不織布を作製した。次いで、湿式不織布を体積比率でフッ素:酸素:窒素=1:73:26の混合ガス中に1分間曝した。その後、60℃の湯で洗浄し、熱風乾燥機で70℃雰囲気に通して乾燥させた。この湿式不織布に水分を噴霧して100質量%含浸させ、130℃に加熱した一対の金属ロールに線圧500N/cm、速度3.3m/minで通してエチレン−ビニルアルコール共重合体をゲル皮膜化し、比較例3の基材を作製した。
Figure 2012133898
表2中の原料の記号は、表1の記号に該当する。
[セパレータの作製]
酸化珪素(平均粒径:1μm)1000g、水1000g、ポリビニルブチラール100gを容器に入れ、撹拌機(商品名:スリーワンモーター、新東科学(株)製)で1時間攪拌して分散させ、均一な水性塗液を作製した。実施例及び比較例の基材に、アプリケーターを用いて、この水性塗液を塗工し、乾燥機で乾燥し、片面あたりの厚さが3μmの酸化珪素層を有するセパレータ1を得た。
[評価]
実施例及び比較例の基材及び該基材を用いて作製したセパレータについて、下記の評価を行い、結果を表3に示した。
<基材の厚み>
JIS P8118に準拠して厚みを測定し、その平均値を算出した。
<基材の密度>
JIS P8124に準拠して基材の坪量を測定し、坪量を厚みで除して100倍した値を密度とした。
<網パターン転写>
基材を目視確認し、抄紙網のパターン転写があるかどうかを判定した。パターン転写がある場合を「あり」、ない場合を「なし」とした。
<ピンホール>
基材の裏側から光を当て、基材にピンホールがあるかどうかを目視で判定した。ピンホールがある場合を「あり」、ない場合を「なし」とした。
<熱処理>
基材を熱処理したときの基材の状態を観察した。基材の切断が起こらず順調に熱処理できた場合を○、切断はしなかったが、収縮が大きく、基材の厚み斑や、ロールに一部張り付きが生じた場合を△、著しく収縮し、基材が切断した場合、又は、ロールに張り付いて層間剥離した場合を×とした。
<濡れ性>
セパレータの作製において、基材に塗工したときの塗液の濡れ性を評価した。塗液が基材に速やかに均一にしみ込んだ場合を○、塗液が基材に均一にしみ込んだが、しみ込むまでに時間がかかった場合を△、基材表面が塗液をはじいて均一にしみ込まなかった場合を×とした。
<塗工性>
セパレータの作製において、基材に塗工したときの基材の状態を観察した。基材の切断、破れ、割れがなく、問題なく塗工できた場合を○、毛羽立ちや破れが生じることがあり、基材の張り具合(テンション)を弱めにすることで塗工できた場合を△、基材の切断、破れ、割れの何れかが頻繁に発生して塗工に支障を来たした場合を×とした。
<裏抜け>
セパレータの作製において、塗液が基材を全く裏抜けしなかった場合を○、若干裏抜けしたが、裏面が塗工装置のロールに張り付くなどの支障がなかった場合を△、裏抜けして裏面がロールに張り付いて円滑な塗工ができないなどの支障を来たした場合を×とした。
<空隙>
セパレータの断面を電子顕微鏡で観察し、基材内部の空隙を確認した。基材内部への酸化珪素の充填がほとんどなく基材内部の空隙がほぼ残存している場合をA、酸化珪素の一部が基材内部に充填されているが、電解液を十分保持できる空隙が残存している場合をB、酸化珪素が充填されて空隙をほとんど閉塞している場合をC、酸化珪素の充填はほとんどないが、基材そのものの空隙が不十分な場合をDとした。Aが最も良好で、Bは実用上問題なく、C及びDは実用上問題があることを意味する。
<電解液保持率>
セパレータについて、100mm幅×100mmに切りそろえ、電解液に1分間浸漬した後、1分間吊るして余剰電解液を切り、セパレータの質量W1を測定した。W1から電解液を保持させる前のセパレータの質量W0を差し引いて得られる値W2をW0で除して100倍した値を電解液保持率(%)とした。電解液としては、LiPFを1mol/l溶解させた混合溶液を使用した。混合溶液は、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを質量比率で3:7としたものである。
<耐デンドライト性>
セパレータの片面に金属リチウム箔を、セパレータの反対側に正極を配置して積層し、電解液を注入してラミネートセルを100個ずつ作製した。0.5mA/cmで3.6Vまで定電流充電し、さらに3.6Vを24時間印加し、過充電した。この過充電中に異常電流が流れた場合を内部短絡したと見なし、過充電を中止し、ラミネートセルを開封してリチウムデンドライトの発生状態を確認した。過充電により、リチウムデンドライトが発生して基材を貫通したセルの割合を耐デンドライト性とした。この割合が少ないほど、耐デンドライト性に優れることを意味する。正極には、活物質のコバルト酸リチウム、導電助剤のアセチレンブラック、結着剤のポリフッ化ビニリデンを質量比率で90:5:5に混合したスラリーをアルミニウム集電体の両面に塗布したものを用いた。電解液は、<電解液保持率>の評価に記載したものと同様である。
Figure 2012133898
実施例1〜15のリチウム二次電池用基材は、ポリエステルとポリエチレンが相互に隣接してなる分割型複合繊維を分割して得られる極細繊維と、合成短繊維を含有する湿式不織布からなるため、抄紙網パターンが転写せず、ピンホールがなく、優れていた。また、ポリエステルからなる極細繊維同士の交点、合成短繊維同士の交点、該極細繊維と合成短繊維の交点がポリエチレン及び/又は芯鞘型複合繊維の成分で接着されていて、基材表面及び内部を皮膜で覆うことがないため、フィラー粒子を含有する塗液の濡れ性が良く、塗工性に優れていた。フィラー粒子が基材内部に充填されて基材の空隙を閉塞することがなかった。実施例1〜15のリチウム二次電池用基材は、湿式不織布が135〜160℃で熱処理されてなるため、熱処理は順調にできており、ポリエステルからなる極細繊維が繊維形状を維持しており、それが骨組みを形成するため塗工時に切断や破れが起こらず、塗工性に優れていた。本発明の実施例1〜15の基材にフィラー粒子を塗工して作製したリチウム二次電池用セパレータは、基材内部の空隙が残存したため、電解液保持率が高かった。また、フィラーが基材表面に集中的に担持されたため、耐デンドライト性に優れていた。実施例14及び15のリチウム二次電池用基材は、合成短繊維の繊維径が太いため、基材の孔径がやや大きくなり、耐デンドライト性がやや劣っていた。
実施例16のリチウム二次電池用基材は、ポリエステルとポリエチレンが相互に隣接してなる分割型複合繊維が分割されてなる極細繊維と、合成短繊維からなるため、抄紙網パターンが転写せず、ピンホールがなかったが、熱処理温度が135℃未満だったため、ポリエステルからなる極細繊維同士の交点、合成繊維同士の交点、該極細繊維と合成繊維の交点の接着が不十分な箇所があり、塗液の濡れ性は良かったが、塗工性がやや悪かった。実施例16の基材にフィラーを塗工して作製したリチウム二次電池用セパレータは、基材内部の空隙が残存したため、電解液保持率が高かった。また、フィラーが基材表面に集中的に担持されたため、耐デンドライト性に優れていた。
実施例17のリチウム二次電池用基材は、ポリエステルとポリエチレンが相互に隣接してなる分割型複合繊維が分割されてなる極細繊維と、合成短繊維からなるため、抄紙網パターンが転写しなかったが、熱処理温度が160℃を超えていたため、熱量が過剰になり、基材の収縮が大きく、ロールに基材の一部が張り付いて層間剥離し、ピンホールが発生した。そのため、フィラー粒子を含有する塗液の濡れ性はやや劣り、塗液が若干裏抜けしたが、塗液の塗工性に優れており、フィラー粒子が基材内部に充填されて基材の空隙を閉塞することがなかった。実施例17の基材にフィラーを塗工して作製したリチウム二次電池用セパレータは、電解液保持率が高かったが、耐デンドライト性がやや劣っていた。
一方、比較例1のリチウム二次電池用基材は、ポリエステルとポリエチレンが相互に隣接してなる分割型複合繊維が分割されてなる極細繊維のみで構成されているため、抄紙網パターンが転写せず、ピンホールがなく、塗液の裏抜けがなく塗工性は良好だったが、塗液の濡れ性が悪く、基材内部の空隙が少なかった。比較例1の基材にフィラーを塗工して作製したリチウム二次電池用セパレータは、耐デンドライト性は良かったが、電解液保持率が悪かった。
比較例2のリチウム二次電池用基材は、合成短繊維からなるが、ポリエステルとポリエチレンが相互に隣接してなる分割型複合繊維が分割されてなる極細繊維を含有しないため、抄紙網パターンが転写し、ピンホールが多数存在した。そのため、塗液の濡れ性と塗工性は良かったが、塗液が裏抜けし、基材内部にフィラー粒子が充填されてしまい、基材内部の空孔が閉塞された。比較例2の基材にフィラーを塗工して作製したリチウム二次電池用セパレータは、電解液保持率と耐デンドライト性が悪かった。
比較例3のリチウム二次電池用基材は、エチレン−ビニルアルコール共重合体のゲル皮膜が基材表面及び内部に形成されているため、抄紙網のパターン転写はなかったが、基材内部の空隙が少なく、塗液の濡れ性が悪かった。また、ピンホールがあり、塗液の裏抜けが若干あった。比較例3の基材にフィラーを塗工して作製したリチウム二次電池用セパレータは、電解液保持率が悪く、耐デンドライト性が劣っていた。
本発明のリチウムイオン二次電池用基材は、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池等のリチウムイオン二次電池に好適に使用できる。

Claims (2)

  1. ポリエステルとポリエチレンが相互に隣接してなる分割型複合繊維を分割して得られる極細繊維と、合成短繊維を含有する湿式不織布からなることを特徴とするリチウム二次電池用基材。
  2. 請求項1に記載のリチウム二次電池用基材に、フィラー粒子を含有するスラリーを含浸又は塗工する処理、樹脂を含有するスラリーを含浸又は塗工する処理、多孔質フィルムを積層一体化する処理、固体電解質やゲル状電解質を含浸又は塗工する処理から選ばれる少なくとも1つの処理を施してなるリチウム二次電池用セパレータ。
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