JP2012128899A - 磁気センサ及び磁気ヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】微小領域からの磁束が検出可能な構造において、量産に適しなおかつ出力を向上することが可能な磁気センサ及び磁気ヘッドを提供すること。
【解決手段】磁気センサ1は、第1領域71、第2領域72、及び第3領域73を有し、第1方向に延びる主チャンネル層7aと、第1領域71上に積層された第1強磁性層12Aと、第2領域72上に積層された第2強磁性層12Bと、主チャンネル層7aにおける第1領域71と第2領域72との間の第3領域73の側面から主チャンネル層7aの厚み方向と垂直な方向に突出する突出チャンネル層7bと、突出チャンネル層7bの厚み方向の両側、及び突出チャンネル層7bの第1方向の両側を覆い、かつ、突出チャンネル層7bの突出方向の端面7cを露出させる磁気シールドSとを備える。第1強磁性層12Aの磁化の方向は、第2強磁性層12Bの磁化の方向に対して反平行であることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】磁気センサ1は、第1領域71、第2領域72、及び第3領域73を有し、第1方向に延びる主チャンネル層7aと、第1領域71上に積層された第1強磁性層12Aと、第2領域72上に積層された第2強磁性層12Bと、主チャンネル層7aにおける第1領域71と第2領域72との間の第3領域73の側面から主チャンネル層7aの厚み方向と垂直な方向に突出する突出チャンネル層7bと、突出チャンネル層7bの厚み方向の両側、及び突出チャンネル層7bの第1方向の両側を覆い、かつ、突出チャンネル層7bの突出方向の端面7cを露出させる磁気シールドSとを備える。第1強磁性層12Aの磁化の方向は、第2強磁性層12Bの磁化の方向に対して反平行であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、磁気センサ及び磁気ヘッドに関する。
従来、外部磁場を検出する種々の素子が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。例えばHDDなどに用いられる磁気ヘッドや磁気センサには、微小領域からの磁場の検出や高出力特性が望まれている。従来のTMR素子はスピンバルブ型構造を有し、比較的大きな出力特性を有する。微小領域から磁場を検出するには素子を微細化するという方法が取られるが、素子を微細化することによって素子抵抗が増大してしまう。例えば1Tbit/inch以上の記録密度領域では特性向上に限界が見え始め、別の構造や方式が必要とされている。
そこで、例えば図7に示すような磁気センサP1の構造が考えられる。磁気センサP1では、基板SB上にチャンネル7eが積層されており、このチャンネル7eの上に第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bと、第1参照電極20A及び第2参照電極20Bとが積層されている。チャンネル7eにおける第1強磁性層12Aと第2強磁性層12Bとの間の部分は、磁気シールド層S11に覆われている。磁気シールド層S11にはチャンネル7eに向かって延びる貫通穴Hが形成されている。この構造において、第1強磁性層12Aの磁化方向G11及び第2強磁性層12Bの磁化方向G12をY軸方向とし、Z軸方向から外部磁場を貫通穴Hを介してチャンネル7eに印加することが考えられる。チャンネル7e内を伝導するスピンの向きは、印加磁場の軸周りに回転し、スピンはこの回転を伴いながら拡散していく(いわゆるHanle効果)。このような磁気センサP1の構造では、外部磁場の検出の解像度が磁気シールド層S11に設けられた貫通穴Hの大きさによって決定される。したがって、貫通穴Hの大きさに対応する微小領域からの磁束を検出できる。この際、第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bのサイズを微細化することなく磁束を検出できるので、第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bを微細化することによる素子抵抗の増大を抑制することが可能となる。
しかしながら、図7に示す構造では、外部磁場の侵入する貫通穴Hの軸方向が、基板SBに対するチャンネル7eの積層方向と同じである。すなわち、このような磁気センサP1を磁気ヘッドの読取ヘッド部に適用する場合、ABS(Air Bearing Surface)と平行な積層プロセスとなる。一方、磁気ヘッドの書き込み用の記録ヘッド部は、通常ABS面と垂直な積層プロセスで作製される。したがって、読取ヘッド部と記録ヘッド部を連続的に製造することが困難であり、量産に不向きである。
また、図8に示す磁気センサP2のように、貫通穴Hをチャンネル7eの側部を覆う磁気シールド層S12に形成する構造も考えられる。この構造において、第1強磁性層12Aの磁化方向G13及び第2強磁性層12Bの磁化方向G14をZ軸方向とし、Y軸方向からの外部磁界を検出することが考えられる。貫通穴Hは、第1強磁性層12Aと第2強磁性層12Bとの間に存在するチャンネル7の側面に対向配置されている。この配置により、微小領域からの外部磁場を貫通穴Hを介してチャンネル7の側面から読み取ることができる。なお、図8における81A,81B,7f,7gは絶縁膜を示し、8は永久磁石を示す。
しかしながら、図8に示す構造の磁気センサP2を製造する場合、基板上にチャンネル7eや第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bなどを形成する積層プロセスの後に、基板を切断・加工する。そして、加工後、磁気シールド層S12をチャンネル7eの側部に再度積層し、フォト加工によって微小な貫通穴Hを形成する必要がある。このような製造手法は量産に不向きである。
さらに、図7に示す磁気センサP1の構造では、チャンネル7eを覆う磁気シールド層S11を形成後に、位置合わせをして貫通穴Hを開けるので、スピンが伝導するチャンネル7eの幅(図7におけるY軸方向の長さ)に対して貫通穴Hの幅(図7におけるY軸方向の長さ)を小さくせざるを得ない。このため、貫通穴Hから印加される外部磁場が、スピンの流れるチャンネル7eの幅のうちの一部にしか届かず、出力の向上が困難である。同様に、図8に示す磁気センサP2の構造では、チャンネル7eを覆う磁気シールド層S12を形成後に、位置合わせをして貫通穴Hを開けるので、スピンが伝導するチャンネル7eの厚み(図8におけるZ軸方向の長さ)に対して貫通穴Hの高さ(図8におけるZ軸方向の長さ)を小さくせざるを得ない。このため、貫通穴Hから印加される外部磁場が、スピンの流れるチャンネル7eの厚みのうちの一部にしか届かず、出力の向上が困難である。
また、図7に示す磁気センサP1及び図8に示す磁気センサP2では、第1強磁性層12A又は第2強磁性層12Bからチャンネル7eにスピンが注入され、このスピン注入方法では電荷の流れは伴わない(いわゆる非局所スピン注入法)。この非局所スピン注入法におけるスピンの伝導距離は、図9に示される長さdNLである。この長さdNLは、第1強磁性層12Aから第2強磁性層12Bまでの距離に、第1強磁性層12Aの長さ(図7〜図9に示すX軸方向の長さ)の半分及び第2強磁性層12Bの長さ(図7〜図9に示すX軸方向の長さ)の半分を加えたものである。したがって、非局所スピン注入法を用いた磁気センサでは、第1強磁性層12A又は第2強磁性層12Bを巨大化しても微小な領域からの磁場を検出できるというメリットがある反面、実効的なスピンの伝導距離dNLが長くなるというデメリットがあった。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、微小領域からの磁束が検出可能な構造において、量産に適し、なおかつ出力を向上することが可能な磁気センサ及び磁気ヘッドを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明の磁気センサは、第1領域、第2領域、及び第3領域を有し、第1方向に延びる主チャンネル層、第1領域上に積層された第1強磁性層、第2領域上に積層された第2強磁性層、主チャンネル層における、第1領域と第2領域との間の第3領域の側面から主チャンネル層の厚み方向に垂直な方向に突出する突出チャンネル層、突出チャンネル層の厚み方向の両側、及び突出チャンネル層の第1方向の両側を覆い、かつ、突出チャンネル層の突出方向の端面を露出させる磁気シールドを備え、第1強磁性層の磁化の方向が、第2強磁性層の磁化の方向に対して反平行であることを特徴とする。
本発明の磁気センサでは、チャンネルが、主チャンネル層と、突出チャンネル層とを有し、磁気シールドが、突出チャンネル層の端面を露出させるように、突出チャンネル層の突出方向の周りを取り囲んでいる。したがって、露出した端面から外部磁界を選択的にチャンネルに供給させることができる。この構成において、第1強磁性層及び第2強磁性層の磁化の向きを反平行とすると、チャンネルに注入されたスピンは他方の強磁性層に吸収されにくくなり、チャンネル内に留まり易くなるものと考えられる。このチャンネル内を伝導するスピンの向きは、印加磁場の軸周りに回転し、スピンはこの回転を伴いながら拡散していく(いわゆるHanle効果)。このスピンの回転に起因して、電気抵抗は変化する(いわゆる磁気抵抗効果)。一方、チャンネルに外部磁場を印加しない場合、チャンネル内のスピンの向きは変化せず、そのまま拡散する。これ故、第1強磁性層と第2強磁性層との間に電源及び出力測定器を設け、出力の変化をモニターすることにより、外部磁場の印加の有無によって、スピンの回転の度合いに応じた出力を検出できる。
なお、第1強磁性層及び第2強磁性層の磁化の向きを平行とすると、出力の変化を読み取ることが困難である。これは、チャンネルに注入されたスピンがチャンネル内を素早く伝播し、突出チャンネル層から印加される外部磁場の影響を受けにくくなるためであると考えられる。また、磁気抵抗測定法を用いる本発明の磁気センサでは、図7や図8に示すような従来の非局所測定法を用いる磁気センサよりも格段に出力を高めることができる。
また、上述のように、本発明の磁気センサでは、磁気シールドが、突出チャンネル層の端面を露出させるように、突出チャンネル層の突出方向の周りを取り囲んでいる。このような構造は、予め磁気シールドの一部を形成しておき、その上に、主チャンネル層及び突出チャンネル層を含むチャンネルを形成し、さらに、その後、突出チャンネル層の横及び上に磁気シールドの他の一部を形成することにより、容易に形成でき、量産性が高い。また、例えば、本発明の磁気センサを磁気ヘッドに適用する場合には、ABS面と垂直に積層できるので、同様にABS面と垂直に積層して形成される記録ヘッド部の製造方法との適合性が高く好ましい。
さらに、本発明の磁気センサでは、磁気シールドに、磁界供給用の貫通穴を開けるプロセスが必要ないので、突出チャンネル層の端面の厚みを、主チャンネル層の厚みと同じにすることが容易である。したがって、突出チャンネル層の端面から印可される外部磁界の侵入領域の厚みを、スピンの流れる主チャンネル層の厚みと同等とすることができるので、出力を高めることができる。そして、チャンネルの露出した端面の大きさに対応する微小領域からの磁束を検出できる。
また、第1強磁性層の磁化の方向及び第2強磁性層の磁化の方向は、突出チャンネル層が突出する方向に垂直な方向であることが好ましい。上述のように、外部磁場をチャンネルに印加すると、チャンネル内のスピンの向きは、印加磁場の軸周りに回転する。仮に、第1強磁性層及び第2強磁性層の磁化の方向が、突出チャンネル層が突出する方向に平行な方向である場合、どちらの強磁性層からスピンを注入しても、突出チャンネル層が突出する方向から印加される外部磁場によるスピンの向きに回転は生じず、磁束の検出が困難である。よって、第1強磁性層及び第2強磁性層の磁化の方向が、突出チャンネル層が突出する方向に垂直な方向であれば、上述のような磁束の検出を好適にできる。
また、第1強磁性層の磁化の方向は、第1方向に平行な方向であり、第2強磁性層の磁化の方向は、第1方向に反平行な方向であることが好ましい。あるいは、第1強磁性層の磁化の方向は、チャンネル層に対する第1強磁性層及び第2強磁性層の積層方向に平行な方向であり、第2強磁性層の磁化の方向は、チャンネル層に対する第1強磁性層及び第2強磁性層の積層方向に反平行な方向であることが好ましい。いずれの場合においても、突出チャンネル層が突出する方向から印加される外部磁場に起因して、上述のような磁束の検出を好適にできる。
また、第1強磁性層の磁化の方向及び第2強磁性層の磁化の方向のうち少なくとも一方は、第1強磁性層あるいは第2強磁性層の上にそれぞれ配置された反強磁性層によって固定されていることが好ましい。反強磁性層が、第1強磁性層あるいは第2強磁性層と交換結合することにより、第1強磁性層あるいは第2強磁性層の磁化方向に、一方向異方性を付与することが可能となる。この場合、反強磁性層を設けない場合よりも、高い保磁力を一方向に有する第1強磁性層や第2強磁性層を得られる。
また、第1強磁性層の磁化の方向及び第2強磁性層の磁化の方向のうち少なくとも一方は、形状異方性によって磁化方向が固定されていることが好ましい。この場合、第1強磁性層及び第2強磁性層のうちの少なくとも一方を適切な形状になるように形成することにより、その磁化方向を固定することができる。
また、第1強磁性層及び第2強磁性層間において、主チャンネル層及び突出チャンネル層の表面は絶縁膜に覆われていることが好ましい。この場合、主チャンネル層及び突出チャンネル層からの磁気シールドへのスピンの流出を防ぎ、外部磁場による出力の測定を的確に行うことができる。また、第1強磁性層及び第2強磁性層間において、主チャンネル層及び突出チャンネル層は磁気シールドと電気的に絶縁されていることが好ましい。この場合、主チャンネル層及び突出チャンネル層から磁気シールドに電流やスピン流が流出することを好適に抑制できる。
また、突出チャンネル層の端面を介して主チャンネル層に磁界を供給する永久磁石をさらに備えることが好ましい。永久磁石を用いて磁場をチャンネルに印加しない場合、検出対象の外部磁場がゼロのときに出力のピークが現れるが、永久磁石を用いて磁場をチャンネルに印加することにより、出力のピーク位置をシフトすることができ、外部磁場がゼロでないときに出力のピークを発生させることが可能となる。
また、第1強磁性層及び第2強磁性層の材料は、Cr、Mn、Co、Fe、Niからなる群から選択される金属、群の元素を1以上含む合金、又は、群から選択される1以上の元素と、B、C、N、Si、Geからなる群から選択される1以上の元素とを含む化合物であることが好ましい。これらの材料はスピン分極率の大きい強磁性材料であるため、スピンの注入電極又はスピンの受け取り電極としての機能を好適に実現することが可能である。
また、主チャンネル層及び突出チャンネル層の材料は、Si、Ge、GaAs、C、ZnOのうちのいずれか1つを含む半導体であることが好ましい。これらの半導体はスピン拡散長が比較的長いため、チャンネル内に好適にスピンを蓄積できる。
また、第1強磁性層及び第2強磁性層の少なくとも一方と、主チャンネル層との間に、障壁が形成されていることが好ましい。これにより、第1強磁性層及び第2強磁性層の少なくとも一方から主チャンネル層にスピン偏極した電子を多く注入することが可能となり、磁気センサの電位出力を高めることが可能となる。このような、障壁として、MgO膜、Al2O3膜、TiO2膜、MgAl2O4膜、又はZnO膜からなるトンネル障壁を適用することが好ましい。あるいは、障壁はショットキー障壁であることも好ましい。
また、本発明の磁気ヘッドは、上述の磁気センサからなる読取ヘッド部と、書き込み用の記録ヘッド部と、を備えることを特徴とする。これにより、いわゆるHanle効果及び磁気抵抗効果を利用した新規な磁気ヘッドを提供できる。
本発明によれば、微小領域からの磁束が検出可能な構造において、量産に適し、なおかつ出力を向上することが可能な磁気センサ及び磁気ヘッドを提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る磁気抵抗型の磁気センサの好適な実施形態について詳細に説明する。図中には、XYZ直交座標軸系が示されている。
図1は、本実施形態における磁気センサ1の概略斜視図である。磁気センサ1は、基板21と、チャンネル7と、第1強磁性層12Aと、第2強磁性層12Bと、磁気シールドSとを主として備え、−Y軸方向からの外部磁場Bを検出するものである。基板21は、例えばAlTiC基板である。基板21は、第1部分21aと第2部分21bとを有する。第1部分21a及び第2部分21bは、基板21内において所定の軸方向(この例ではX軸方向)に延在し、互いに平行に配列されている。
チャンネル7は、第1方向(ここではX軸方向)に延びる主チャンネル層7aと、Y軸方向に突出する突出チャンネル層7bとを含む。図1に示されるように、主チャンネル層7aは基板21の第1部分21aの上方に配置されており、突出チャンネル層7bは、基板21の第2部分21bの上方に配置されている。
図2は、チャンネル7の形状を示す概略斜視図である。主チャンネル層7aは、チャンネル7の厚み方向(Z軸方向)から見て矩形状をなす。主チャンネル層7aは、第1領域71、第2領域72、及び第3領域73を有する。ここで、第3領域73は、第1領域71と第2領域72との間に配置されている。
突出チャンネル層7bは、主チャンネル層7aにおける第3領域73の側面から主チャンネル層7aの厚み方向(Z軸方向)と垂直な方向(Y軸方向)に突出する。より具体的には、突出チャンネル層7bは、第1方向(X軸方向)に垂直な方向、かつチャンネル7に対する第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bの積層方向(Z軸方向)に垂直な方向(Y軸方向)に突出する。
チャンネル7には、導電性を付与するためのイオンが添加されていてもよい。イオン濃度は、例えば1.0×1015〜1.0×1022cm−3とすることができる。チャンネル7は、スピン寿命の長い材料であることが好ましく、例えば、Si、Ge、GaAs、C、ZnOのうちのいずれか1つを含む半導体とすることができる。また、チャンネル7における第1強磁性層12Aから第2強磁性層12Bまでの距離dMRは、チャンネル7におけるスピン拡散長以下であることが好ましい。
第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bは、チャンネル7にスピンを注入するための注入電極、あるいはチャンネル7を伝導してきたスピンを検出するための受け取り電極として機能する。第1強磁性層12Aは、チャンネル7の第1領域71上に積層されている。第2強磁性層12Bは、チャンネル7の第2領域72上に積層されている。第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bは、それぞれY軸方向を長軸とした直方体形状を有している。第1強磁性層12A及び第2強磁性層12BのX軸方向における長さは、同一とすることができる。
図1及び図2に示すように、第1強磁性層12Aの磁化方向G1(この例では、第1方向に平行な方向、すなわちX軸方向)は、第2強磁性層12Bの磁化方向G2(この例では、第1方向に反平行な方向、すなわち−X軸方向)に対して反平行である。第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bは、強磁性材料からなる。第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bの材料は、例えば、Cr、Mn、Co、Fe、Niからなる群から選択される金属、前記群の元素を1以上含む合金、又は、前記群から選択される1以上の元素と、B、C、N、Si、Geからなる群から選択される1以上の元素とを含む化合物とすることができる。
図2に示すように、磁気シールドSは、チャンネル7、第1強磁性層12A、及び第2強磁性層12Bに外部磁場が侵入することを遮蔽するものである。磁気シールドSは、突出チャンネル層7bの厚み方向(Z軸方向)の両側、及び突出チャンネル層7bの第1方向(X軸方向)の両側を絶縁層を介して覆い、かつ、突出チャンネル層7bの突出方向の端面7cを露出させる。このような磁気シールドSは、第1磁気シールド層S1及び第2磁気シールド層S2によって構成される。第1磁気シールド層S1は、基板21の第2部分21bの上方に配置されている。第2磁気シールド層S2は、基板21の第2部分21b上に設けられている。磁気シールドS(第1磁気シールド層S1及び第2磁気シールド層S2)の材料として、例えばNi及びFeを含む合金、センダスト、Fe及びCoを含む合金、Fe、Co、及びNiを含む合金等の軟磁性体材料が挙げられる。第1磁気シールド層のS1の厚み(Z軸方向の長さ)は、主チャンネル層7a及び突出チャンネル層7bの厚み(Z軸方向の長さ)よりも大きく、例えば0.02μm〜1μmである。また、第2磁気シールド層のS2の厚み(Z軸方向の長さ)は例えば0.02μm〜1μmである。
磁気シールドSは、突出チャンネル層7bの突出方向(Y軸方向)の端面7cを露出させる貫通穴Hを有する。貫通穴Hは、突出チャンネル層7bを介して主チャンネル層7aに外部磁場Bを印加するためのものである。外部磁場Bは、貫通穴Hにおいて露出した突出チャンネル層7bの端面7cからチャンネル7に侵入することとなる。
図3(a)は、貫通穴H及び突出チャンネル層7bの突出方向の端面7cの形状の一例を示す側面図である。貫通穴Hで露出する端面7cは平坦面であり、また端面7cの形状は矩形状である。貫通穴Hの形状は、端面7cの形状に対応しており、貫通穴Hの軸方向(−Y軸方向)から見て種々の形状をとることが可能であり、この例では矩形状をなしている。貫通穴Hの一辺の長さ(X軸方向の長さ)D1を例えば0.01μm〜0.1μmとし、他辺の長さ(Z軸方向の長さ)D2を例えば0.001μm〜0.1μmとすることができる。この貫通穴Hの他辺の長さ(Z軸方向の長さ)D2は、主チャンネル層7a及び突出チャンネル層7bの厚みと同じとなっている。
磁気センサ1は更に障壁を備えていることが好ましい。障壁は、主チャンネル層7aと、第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bの少なくとも一方との間に設けられている。これにより、第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bの少なくとも一方から主チャンネル層7aにスピン偏極した電子を多く注入することが可能となり、磁気センサの電位出力を高めることが可能となる。図1や図2に示す例では、障壁は、絶縁膜81A,81Bからなるトンネル障壁である。絶縁膜81Aは、主チャンネル層7aの第1領域71と第1強磁性層12Aとの間に設けられている。絶縁膜81Bは、主チャンネル層7aの第2領域72と第2強磁性層12Bとの間に設けられている。この例では、絶縁膜81A,81Bが単層からなる場合を示すが、絶縁膜81A,81Bは複数の層からなる積層構造を有していてもよい。絶縁膜81A,81Bとして、例えばMgO膜、Al2O3膜、TiO2膜、ZnO膜、又はスピネル型構造のMgAl2O4膜などを用いることができる。抵抗の増大を抑制し、トンネル絶縁層として機能させる観点から、絶縁膜81A,81Bの膜厚は、3nm以下であることが好ましい。また、絶縁膜81A,81Bの膜厚は、1原子層厚を考慮して、0.4nm以上であることが好ましい。
磁気センサ1は、更に、下部絶縁層22及び中間絶縁層23を備えている。下部絶縁層22や中間絶縁層23はチャンネル7の下地として機能する。下部絶縁層22は基板21の第1部分21a上に設けられている。中間絶縁層23は、下部絶縁層22及び第2磁気シールド層S2上に設けられている。すなわち中間絶縁層23は、基板21の第1部分21a及び第2部分21bの上方に配置されている。よって、主チャンネル層7aは、基板21の第1部分21aの上方に配置された中間絶縁層23上に積層されている。また、突出チャンネル層7bは、基板21の第2部分21bの上方に配置された中間絶縁層23上に積層されている。
下部絶縁層22及び中間絶縁層23は絶縁性材料からなり、例えばアルミナ等の酸化膜である。下部絶縁層22の厚み(Z軸方向の長さ)は例えば0.02μm〜1μmである。また、中間絶縁層23の厚み(Z軸方向の長さ)は例えば0.003μm〜0.03μmである。このようにチャンネル7の下地である下部絶縁層22や中間絶縁層23を比較的厚くすることにより、チャンネル7からスピン流や電流がリークすることを抑制できる。
磁気センサ1は、更に、チャンネル−磁気シールド間絶縁層24を備えている。チャンネル−磁気シールド間絶縁層24は、チャンネル7(主チャンネル層7a及び突出チャンネル層7b)と第1磁気シールド層S1との間に設けられている。突出チャンネル層7bの下面に設けられた中間絶縁層23と、突出チャンネル層7bの上面及び側面さらには主チャンネル層7aのY軸方向側の一側面に設けられたチャンネル−磁気シールド間絶縁層24とによって、チャンネル7は、第1磁気シールド層S1及び第2磁気シールド層S2から絶縁されている。チャンネル−磁気シールド間絶縁層24は絶縁性材料からなり、例えばSiO2等の酸化膜である。
以下、本実施形態に係る磁気抵抗型の磁気センサ1の製造方法の一例を説明する。まず、予め準備した基板21に、アライメントマークを形成する。アライメントマークを目印として、基板21上において、第2磁気シールド層S2となる磁気シールド膜を形成する。次いで、フォトリソグラフィ法によりレジストマスクを形成し、ミリング法あるいはRIE法によって余分な磁気シールド膜を除去する。これにより、基板21の第2部分21b上に第2磁気シールド層S2が形成される。
続いて、下部絶縁層22となる絶縁膜を基板21の全面に形成し、CMP法により第2磁気シールド層S2が露出するまで研磨する。これにより、基板21の第1部分21a上に下部絶縁層22が形成される。次いで、MBE法によって、中間絶縁層23となる絶縁層を基板21の全面、すなわち第1部分21a及び第2部分21b上に形成する。この中間絶縁層23となる絶縁層として、例えばHfO2膜、SiO2膜、Al2O3膜、MgO膜、SiC膜、又はMgAl2O4膜などが挙げられ、厚さを例えば3〜30nmとする。
その後、MBE法によって、中間絶縁層23となる絶縁層上にチャンネル7となる半導体層を形成する。この半導体層として例えば50nmのSi層が挙げられる。この半導体層をレーザーアニールにより結晶化する。
半導体層の結晶化後、RCA洗浄及びフッ酸により半導体層の表面を洗浄する。続いて、MBE法により半導体層上に障壁として例えばMgO層を1nm、第1強磁性層12A,第2強磁性層12Bとして例えばFe層を5nm、保護膜としてTi層を3nm形成する。その後、イオンミリング法により保護膜を除去し、第1強磁性層12A,第2強磁性層12BとなるFe層の一部を除去し、例えば3nmのFe層とする。
さらに、第1強磁性層12A,第2強磁性層12BとなるFe層上に、スパッタ法により、例えばCoFe、Ru、CoFe、IrMn、Ru、Taの順からなるシンセティック複合膜を形成する。この構造により、Fe層が反強磁性層で固定されることとなる。
続いて、磁場下でのアニールを行うことにより、第1強磁性層12A,第2強磁性層12BとなるFe層とCoFe層の結合性向上、及び反強磁性層により第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bの磁化方向を固定する。この際、第1強磁性層12Aの磁化方向G1(例えばX軸方向)が、第2強磁性層12Bの磁化方向G2(例えば−X軸方向)に対して反平行となるよう磁化方向を固定する。
アニール後、フォトリソグラフィ法により、レジストマスクを形成し、エッチング及びイオンミリングによって素子全体を加工する。この際、半導体層を加工することにより、図2に示すような主チャンネル層7aと突出チャンネル層7bとを含むチャンネル7を形成する。
その後、チャンネル7の露出した側面に絶縁層を例えば50nm形成する。そして、EB法あるいはフォトリソグラフィ法により、第1強磁性層12A,第2強磁性層12BとなるFe層と、シンセティック複合膜とを例えば矩形状に加工するためのマスクを形成する。このマスクを用いて、イオンミリング法により、チャンネル7上の不要な障壁層及び強磁性層及びチャンネル7の一部を除去する。これにより、チャンネル7の第1領域71上に絶縁膜81Aを介して第1強磁性層12Aが形成され、チャンネル7の第2領域72上に絶縁膜81Bを介して第2強磁性層12Bが形成される。
さらに、チャンネル7の露出した表面、絶縁膜81A,81Bの側面や第1強磁性層12A,第2強磁性層12Bの側面に、絶縁層を例えば20nm形成する。続いて、フォトリソグラフィ法により、基板21の第1部分21aの上方をレジストマスクで覆い、第1磁気シールド層S1を基板21の第2部分21bの上方に形成する。これにより、突出チャンネル層7bが絶縁層(チャンネル−磁気シールド間絶縁層24)を介して第1磁気シールド層S1で覆われる。また、第1磁気シールド層S1が中間絶縁層23を介して第2磁気シールド層S2上に形成される。このようにして、磁気シールドSが、突出チャンネル層7bの厚み方向(Z軸方向)の両側、及び突出チャンネル層7bの第1方向(X軸方向)の両側を絶縁層を介して覆い、かつ、突出チャンネル層7bの突出方向の端面7cを露出させることとなる。
さらに、基板21上に複数の電極用パッドを形成し、複数の電極用パッドを用いて、第1強磁性層12Aと第2強磁性層12Bとの間を配線する。以上の方法により、図1、図2及び図3に示す磁気センサ1が作製される。
以下、本実施形態に係る磁気抵抗型の磁気センサ1の作用効果を説明する。磁気センサ1を動作させる前に、例えば、図1、図2、及び図4(a)に示すように、第1強磁性層12Aの磁化方向G1(ここでは、第1方向に平行な方向、すなわちX軸方向)が第2強磁性層12Bの磁化方向G2(ここでは、第1方向に反平行な方向、すなわち−X軸方向)に対して反平行となるよう磁化方向を固定する。
この磁気センサ1では、チャンネル7が、主チャンネル層7aと突出チャンネル層7bとを有し、磁気シールドSが、突出チャンネル層7bの端面7cを露出させるように、突出チャンネル層7bの突出方向の周りを取り囲んでいる。したがって、外部からの磁場Bを、露出した端面7cから選択的にチャンネル7に供給させることができる。
図1に示すように、第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bを電流源70に接続し、第1強磁性層12Aと第2強磁性層12Bの間に検出用電流を流す。例えば、強磁性体である第1強磁性層12Aから絶縁膜81Aを介して非磁性の主チャンネル層7aに電流が流れることにより、第1強磁性層12Aの磁化の向きG1に対応する向きのスピンを有する電子がチャンネル7に注入される。注入されたスピンは電荷と共に第2強磁性層12B側へ拡散していく。このように、チャンネル7に流れる電流及びスピン流が、主に第1方向(X軸方向)に流れる構造とすることができる。この構成において、第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bの磁化の向きが反平行である場合、チャンネル7に注入されたスピンは他方の強磁性層に吸収されにくくなり、チャンネル7内に留まり易くなると考えられる。
ここで、チャンネル7に外部磁場Bを印加しないとき、すなわち外部磁場Bがゼロのとき、チャンネル7の第1領域71と第2領域72との間の第3領域73を拡散するスピンの向きは回転しない。よって、予め設定された第2強磁性層12Bの磁化の向きG2と同一方向のスピンが第2領域72まで拡散してくることとなる。したがって、外部磁場Bがゼロのとき、抵抗出力あるいは電圧出力が最大値となる。出力は、第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bに接続した電圧測定器80などの出力測定器により評価することができる。
対して、チャンネル7に外部磁場Bを印加する場合を考える。外部磁場Bは、貫通穴Hで露出する突出チャンネル層7bの端面7cからチャンネル7に印加される。図1の例では、外部磁場Bを、第1強磁性層12Aの磁化方向G1(X軸方向)及び第2強磁性層12Bの磁化方向G2(−X軸方向)に対して垂直な方向(−Y軸方向)から印加する。外部磁場Bを印加すると、チャンネル7内であって貫通穴Hに対応する領域を伝播してきたスピンの向きは、外部磁場Bの軸方向(−Y軸方向)を中心として回転する(いわゆるHanle効果)。このスピンの回転に起因して、電気抵抗は変化する(いわゆる磁気抵抗効果)。つまり、外部磁場Bを印加する場合、第1強磁性層12Aから注入されチャンネル7を伝播するスピンの向きは回転するので第1強磁性層12Aにおける磁化の向きからずれた状態になる。よって、出力は、外部磁場Bがゼロのときに最大値をとる場合、外部磁場Bを印加することにより、最大値から減少することとなる。これ故、外部磁場の印加の有無によって、スピンの回転の度合いに応じた出力を検出できる。また、チャンネルの露出した端面の大きさに対応する微小領域からの磁束を検出できる。
なお、第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bの磁化の向きが平行である場合、出力の変化を読み取ることは困難である。これは、チャンネル7に注入されたスピンがチャンネル内を素早く伝播し、突出チャンネル層7bから印加される外部磁場の影響を受けにくくなるためであると考えられる。
図6は、磁気センサ1における磁気抵抗測定法による外部磁場と抵抗出力との関係を示すグラフである。図6中にR1で示すように、第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bの磁化の向きが反平行である場合、外部磁場がゼロのときの最大値は0.00008(V)程度となっている。対して、図6中にR2で示すように、第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bの磁化の向きが平行である場合、外部磁場がゼロのときのピークが見られない。これは、第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bの磁化の向きが反平行である場合、チャンネル7に注入されたスピンは他方の強磁性層に吸収されにくくなり、逆に、第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bの磁化の向きが平行である場合、チャンネル7に注入されたスピンは素早くチャンネル7を伝播し、外部磁場Bの影響を受けにくくなることに起因すると考えられる。
また、磁気抵抗測定法を用いる本発明の磁気センサでは、図7や図8に示すような従来の非局所測定法を用いる磁気センサよりも格段に出力を高めることができる。比較として、図10に、図7や図8に示す磁気センサP1、P2のような非局所測定法における外部磁場と抵抗出力との関係を示す。図10中にR3で示すように第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bの磁化の向きが平行である場合、外部磁場がゼロのときの極大値は0.00002(V)程度となっている。また、図10中にR4で示すように第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bの磁化の向きが反平行である場合、外部磁場がゼロのときの極小値は−0.00002(V)程度となっている。このように、第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bの磁化の向きを反平行とし、磁気抵抗測定法を用いる磁気センサ1では、非局所測定法を用いる磁気センサP1、P2よりも格段に高い出力を得ることができる。
また、磁気抵抗測定法におけるスピン伝導のための実効的な距離dMRは、チャンネル7における第1強磁性層12Aから第2強磁性層12Bまでの距離であり、図9に示す非局所測定法におけるスピン伝導のための実効的な距離dNLよりも短い。よって、スピンの伝導距離に起因する出力の減衰の影響が小さくなり、高出力化が実現できる。実際、図6のR1に示したように、磁気抵抗測定法を用い、第1強磁性層12Aの磁化方向を第2強磁性層12Bの磁化方向に反平行とした場合の出力は、0.00008Vである。対して、図10のR3に示したように、非局所測定法を用い、第1強磁性層12Aの磁化方向を第2強磁性層12Bの磁化方向に平行とした場合の出力は、0.00002Vである。よって、磁気抵抗測定法における出力は、非局所測定法における出力の4倍とすることができる。これは、実効的なスピンの伝導距離が短くなったことによって2倍程度の出力の増大を得られるとともに、非局所測定法と磁気抵抗測定法とによる原理的な観測手法の違いによって、更に2倍程度の出力の増大を得られることを示していると考えられる。また、実効的なスピンの伝導距離が短くなることによって、温度に対しての出力変化も抑制できると考えられる。
また、本実施形態に係る磁気抵抗型の磁気センサ1では、第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bを電極とする2端子構造とすることができるので、図7や図8に示す従来の非局所型の磁気センサP1、P2のような4端子構造における第一参照電極20Aや第二参照電極20Bを不要とすることができる。
上述のように、本実施形態に係る磁気センサ1では、外部磁場Bがゼロのときに最大出力のピークが現れ、外部磁場Bを増加または減少させると、出力が減少していく。つまり、外部磁場Bの有無によって出力が変化するので、本実施形態に係る磁気センサ1を磁気検出素子として使用できる。よって、例えば磁気ヘッドなどに本実施形態に係る磁気センサ1を適用して、外部磁場の正負のタイミングを読み取る場合、磁壁の磁場がキャンセルするゼロのところで出力ピークがでるので、ここで反転したと判断することができる。また、この磁気センサ1では、ヒステリシスがない。
また、磁気シールドSから露出させた突出チャンネル層7bの端面7cを用いることにより、端面7cの大きさに対応する微小な磁束が検出可能となる。この際、外部磁場の検出の解像度は端面7cの大きさで決定されるので、第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bのサイズ(例えばXY平面の面積)を微細化することなく、微小領域から磁束を検出できる。よって、第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bを微細化することによる素子抵抗の増大を抑制することも可能となる。
また、磁気センサ1では上述のように、磁気シールドSが、突出チャンネル層7bの端面7cを露出させるように、突出チャンネル層7bの突出方向(Y軸方向)の周りを取り囲んでいる。このような構造は、予め磁気シールドSの一部(第2磁気シールド層S2)を基板21上に形成しておき、その上に、主チャンネル層7a及び突出チャンネル層7bを含むチャンネル7を形成し、さらに、その後、突出チャンネル層7bの横及び上に磁気シールドSの他の一部(第1磁気シールド層S1)を形成することにより、容易に形成でき、量産性が高い。また、例えば、磁気センサ1を磁気ヘッドに適用する場合には、ABS面と垂直に積層することができるので、同様にABS面と垂直に積層されて形成される記録ヘッド部の製造方法との適合性が高く好ましい。
さらに、本実施形態に係る磁気センサ1では、図7に示す磁気センサP1や図8に示す磁気センサP2のように、位置合わせを用いて磁気シールドに磁界供給用の貫通穴を開けるプロセスを必要としない。よって、突出チャンネル層7bの端面7cの厚み(Z軸方向の長さ)を、主チャンネル層7aの厚み(Z軸方向の長さ)と同じにすることが容易である。したがって、突出チャンネル層7bの端面7cから印可される外部磁場Bの侵入領域の厚み(Z軸方向の長さ)を、スピンの流れる主チャンネル層7aの厚み(Z軸方向の長さ)と同等とすることができるので、出力も高めることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。突出チャンネル層7bの突出方向の端面7cの形状は上述した矩形に限定されず、例えば三角形、台形、又は円形であってもよい。いずれの形状においても、外部磁場Bを好適に検出できる。例えば図3(b)に示す例では、端面7cの形状は、上底の長さが下底の長さよりも短い台形である。また、図3(c)に示す例では、端面7cの形状は、上底の長さが下底の長さよりも長い台形である。
また、上記実施形態では図4(a)に示すように、チャンネル7の主チャンネル層7aが厚み方向からみて矩形である例を示した。しかし、図4(b)に示すように、主チャンネル層7aにおける、突出チャンネル層7bと反対側の側面が窪んでいることが好ましい。すなわち、第3領域73におけるチャンネル7が突出チャンネル層7bにおいて蛇行した形状をなしている。このような形状により、チャンネル7内のスピン流を突出チャンネル層7b、すなわち貫通穴H側に好適に通過させることができる。よって、外部磁場Bに対する磁気センサ1の感度を高くすることができ、出力特性をより向上することができる。
また、図4(a)や図4(b)の例では、突出チャンネル層7bは、チャンネル7の厚み方向(Z軸方向)から見て傾斜部を有する台形状をなす。すなわち、図4(a)や図4(b)の例では、チャンネル7の厚み方向(Z軸方向)から見て突出チャンネル層7bの形状が、突出方向(Y軸方向)の先端側の幅(X軸方向の長さ)よりも、主チャンネル層7a側の幅(X軸方向の長さ)が広い山形となっている。しかし、突出チャンネル層7bの形状はこれに限定されない。例えば、突出チャンネル層7bにおける突出方向(Y軸方向)の先端側の幅(X軸方向の長さ)が、主チャンネル層7a側の幅(X軸方向の長さ)と同じでもよい。ただし、突出チャンネル層7bの露出する端面7cは平坦面であることが好ましい。
また、上記実施形態では、第1強磁性層12Aの磁化の方向が第1方向に平行な方向(X軸方向)であり、第2強磁性層12Bの磁化の方向が第1方向に反平行な方向(−X軸方向)である場合を示した。上述のように、外部磁場Bをチャンネル7に印加すると、チャンネル7内のスピンの向きは、印加磁場Bの軸周り(Y軸周り)に回転する。仮に、第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bの磁化の方向が、突出チャンネル層7bの突出する方向に平行な場合、どちらの強磁性層からスピンを注入しても、外部磁場Bの印加によるスピンの向きに回転は生じず、磁束の検出が困難である。よって、磁場を好適に検出するために、第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bの磁化の方向は、突出チャンネル層7bが突出する方向(Y軸方向)に垂直な方向であればよい。
例えば、第1強磁性層12Aの磁化の方向は、チャンネル層7に対する第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bの積層方向に平行な方向(例えばZ軸方向)であり、第2強磁性層12Bの磁化の方向は、チャンネル層7に対する第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bの積層方向に反平行な方向(例えば−Z軸方向)であってもよい。この場合においても、強磁性層から注入されチャンネル7内を伝導するスピンの磁化方向が、突出チャンネル層7bの端面7cから印可される外部磁場Bによって回転することとなる。よって、上述のような磁束の検出を好適にできる。
また、第1強磁性層の磁化の方向及び第2強磁性層の磁化の方向のうち少なくとも一方は、第1強磁性層あるいは第2強磁性層の上にそれぞれ配置された反強磁性層によって固定されていることが好ましい。反強磁性層が、第1強磁性層あるいは第2強磁性層と交換結合することにより、第1強磁性層あるいは第2強磁性層の磁化方向に、一方向異方性を付与することが可能となる。この場合、反強磁性層を設けない場合よりも、高い保磁力を一方向に有する第1強磁性層や第2強磁性層を得られる。
また、第1強磁性層の磁化の方向及び第2強磁性層の磁化の方向のうち少なくとも一方は、形状異方性によって磁化方向が固定されていることが好ましい。この場合、第1強磁性層及び第2強磁性層のうちの少なくとも一方を適切な形状になるように形成することにより、その磁化方向を固定することができる。
また、第1強磁性層の磁化の方向及び第2強磁性層の磁化の方向のうち少なくとも一方が、反強磁性層及び形状異方性によって固定されていることが好ましい。この場合、さらなる高出力化が可能である。
また、第1強磁性層12A及び第2強磁性層12B間において、主チャンネル層7a及び突出チャンネル層7bの表面は絶縁層に覆われていることが好ましい。また、突出チャンネル層7bの端面7cは磁気シールドSには覆われておらず、露出している。なお、この端面7cが磁気記録媒体20と接触することを抑制するために、突出チャンネル層7bの端面7cには、保護用の絶縁膜が形成されていてもよく、あるいは端面7cに潤滑剤が塗布されていてもよい。
また、第1強磁性層12A及び第2強磁性層12B間において、主チャンネル層7a及び突出チャンネル層7bは磁気シールドSと電気的に絶縁されていることが好ましい。この場合、主チャンネル層7a及び突出チャンネル層7bから磁気シールドに電流やスピン流が流出することを抑制できる。
また、図1に点線で示すように、突出チャンネル層7bの端面7cを介して主チャンネル層7aにバイアス磁界を供給する永久磁石90をさらに備えることが好ましい。永久磁石による磁場をチャンネルに印加しない場合、検出対象の外部磁場がゼロのときに出力のピークが現れるが、永久磁石90を用いて磁場をチャンネルに印加することにより、出力のピーク位置をシフトすることができ、外部磁場がゼロでないときに出力のピークを発生させることが可能となる。なお、図1では、磁気センサ1が二つの永久磁石90を備える例を示すが、磁気センサ1は一つ以上の永久磁石90を備えればよい。
また、第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bの材料は、Cr、Mn、Co、Fe、Niからなる群から選択される金属、群の元素を1以上含む合金、又は、群から選択される1以上の元素と、B、C、N、Si、Geからなる群から選択される1以上の元素とを含む化合物であることが好ましい。これらの材料はスピン分極率の大きい強磁性材料であるため、スピンの注入電極又はスピンの受け取り電極としての機能を好適に実現することが可能である。
また、チャンネル7(主チャンネル層7a及び突出チャンネル層7b)の材料は、Si、Ge、GaAs、C、ZnOのうちのいずれか1つを含む半導体であることが好ましい。これらの半導体はスピン拡散長が比較的長いため、チャンネル7内に好適にスピンを蓄積できる。また、外部磁場に対する電圧出力や抵抗出力のピークの半値幅は、チャンネル7におけるスピン寿命の逆数に比例するので、スピン寿命が長ければ磁場感度が良くなることとなる。チャンネル7に用いられるスピン寿命の長い材料として、例えばSiやGaAsなどが挙げられるが、特にSiが好ましい。また、チャンネル7におけるスピン寿命が短い方が磁場感度は悪くなるものの、広い範囲の磁場を検出できる。
また、上述した磁気センサ1の製造方法では、障壁としてMgO層を半導体層上に形成する例を示したが、障壁としてMgAl2O4層を半導体層上に形成してもよい。この場合、例えば、チャンネル7となる半導体層(例えばSi)の表面を洗浄する。次いで、洗浄された半導体層上にMg膜、Al膜を順に成膜し、その後、酸化チャンバーにおいて酸化工程を行う。障壁の膜厚が所定の膜厚に達するまで、このMg膜、Al膜の酸化工程を繰り返し行う。但し、かかる繰り返し工程における最後の工程では、Mg膜、Al膜、Mg膜の順に成膜を実施する。また、Mg膜とAl膜との比が定量比となるように実施する。続いて、上述した磁気センサ1の製造方法と同様に、第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bや、Cap層(例えば上述のシンセティック複合膜)を障壁の上に形成する。その後、磁場下でのアニール(例えば250度、3時間、3kOe)を実施することにより、MgAl2O4層の結晶膜を形成する。
また、主チャンネル層7aと、第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bの少なくとも一方との間に設けられる障壁として、絶縁膜からなるトンネル障壁を適用する例を示したが、障壁はショットキー障壁でもよい。このようなショットキー障壁は、例えば、金属からなる第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bの少なくとも一方が、半導体からなる主チャンネル層7aとショットキー接合することで形成される。あるいは、ショットキー障壁は、主チャンネル層7aと第1強磁性層12A及び第2強磁性層12Bの少なくとも一方との間に配置された金属層が、半導体からなる主チャンネル層7aとショットキー接合することで形成されてもよい。
図5は、薄膜磁気記録再生ヘッド(磁気ヘッド)100Aを示す模式図である。上述の磁気センサ1を薄膜磁気記録再生ヘッド100Aの読取ヘッド部100aに適用することができる。具体的に薄膜磁気記録再生ヘッド100Aは、そのエアベアリング面(Air Bearing Surface:媒体対向面)ABSが磁気記録媒体20の記録面20aに対向配置されるような位置で磁気情報の記録及び読み取り動作を行う。上述の磁気センサ1における貫通穴Hから露出した突出チャンネル層7bの端面7cが、このエアベアリング面ABSに対応するように配置されることとなる。
磁気記録媒体20は、記録面20aを有する記録層20bと、記録層20bに積層される軟磁性の裏打ち層20cとを含んで構成されており、図5中Z軸方向で示す方向に、薄膜磁気記録再生ヘッド100Aに対して相対的に進行する。薄膜磁気記録再生ヘッド100Aは、磁気記録媒体20から記録を読み取る読取ヘッド部100aの他に、磁気記録媒体20への記録を行う記録ヘッド部100bを備える。読取ヘッド部100a及び記録ヘッド部100bは、基板21上に設けられており、アルミナ等の非磁性絶縁層により覆われている。
図5に示すように、読取ヘッド部100aの上に、書き込み用の記録ヘッド部100bが設けられている。記録ヘッド部100bにおいて、リターンヨーク30上にコンタクト部32及び主磁極33が設けられており、これらが磁束のパスを形成している。コンタクト部32を取り囲むように薄膜コイル31が設けられており、薄膜コイル31に記録電流を流すと主磁極33の先端から磁束が放出され、ハードディスク等の磁気記録媒体20の記録層20bに情報を記録することができる。以上のように、本発明の磁気センサ1を用いて、記録媒体などの微小な領域から磁束を検出可能な薄膜磁気記録再生ヘッド100Aを提供できる。
また、例えば、チャンネル7として例えばグラフェン層70aを用いることができる。グラフェン層70aは、スピン注入によりスピンが蓄積される層である。グラフェンとは、炭素原子が6角形の網の目状に平面的に結合した構造のシートである。グラフェン層70aは、複数のグラフェンシートが積層したものであってもよいが、3層以下のグラフェンシートであることが好ましく、2層以下がより好ましく、単層グラフェンシートであることが最も好ましい。これにより、グラフェン層70aの厚みを極限まで薄くでき、極めて微小領域からの磁束を選択的に検出可能となる。
このようなグラフェン層70aは、例えば、剥離用、分解法により得ることができる。剥離法では、例えば、図11(a)に示すように、高配向熱分解グラファイト(HOPG)400を用意する。この高配向熱分解グラファイト(HOPG)400は、単層グラフェンシート401が多数積層されたものである。また、有機溶媒に可溶なフィルム基材501上に、レジスト層503を塗布した剥離板500を用意する。
続いて、図11(b)に示すように、常圧下でフィルム基材501上のレジスト層503をHOPG400と接触させる。これにより、レジスト層50とHOPG400とが付着する。続いて、HOPG400と剥離板500とを真空下におき、図11(c)に示すように、HOPG400から剥離板500をはがす。これにより、剥離板500のレジスト層503上に、最初のHOPG400から、一部の、すなわち、1層又は複数層のグラフェンシートが剥離されて付着する。
さらに、図12(a)に示すように、別の剥離板500を用意し、真空を維持した状態で、剥離された複数層のグラフェンシート401にレジストを接触させ、再び、図12(b)に示すように剥離する。このような作業を、付着したレジスト層が、所望の膜厚になるように光学顕微鏡等で観察しながら、この付着、剥離を真空中で繰り返す。
その後、剥離板500のレジスト層503上に付着したグラフェンシート401を、基材、図12(c)に示すように、例えば、基板21上に、下部絶縁層22、中間絶縁層23、及び第2磁気シールド層S2を積層した基材の中間絶縁層23上に真空中で付着させ、その後、常圧に戻してから有機溶媒でフィルム基材501を溶かし、レジストを溶解・洗浄することにより、図12(d)に示すように、剥離板500から所望の基材上に所望の層数のグラフェンシート401を配置することができる。
また、分解法では、まず、例えば、CVD法等により形成したSiC層に対して必要に応じて、酸化及び水素エッチングを行なった後、電子衝撃加熱等によってシリコン原子を脱離させることによって、SiC層上に、グラフェンシートを形成できる。
また、図4(a)に示したように、第1強磁性層12Aと第2強磁性層12Bとの間で主チャンネル層7aが第1方向の直線に沿って延びる例を示したが、チャンネル7の形状はこれに限定されない。例えば、積層方向(Z軸方向)から見て、第1強磁性層12Aと第2強磁性層12Bとの間で主チャンネル層7aがV字状、U字状、弧状でも実施は可能である。
1…磁気センサ、7…チャンネル、7a…主チャンネル層、7b…突出チャンネル層、7c…端面、12A…第1強磁性層、12B…第2強磁性層、21…基板、22…下部絶縁層、23…中間絶縁層、24…チャンネル−磁気シールド間絶縁層、81A…絶縁膜、81B…絶縁膜、S…磁気シールド、S1…第1磁気シールド層、S2…第2磁気シールド層、H…貫通穴。
Claims (15)
- 第1領域、第2領域、及び第3領域を有し、第1方向に延びる主チャンネル層、
前記第1領域上に積層された第1強磁性層、
前記第2領域上に積層された第2強磁性層、
前記主チャンネル層における、前記第1領域と前記第2領域との間の前記第3領域の側面から前記主チャンネル層の厚み方向に垂直な方向に突出する突出チャンネル層、
前記突出チャンネル層の厚み方向の両側、及び前記突出チャンネル層の前記第1方向の両側を覆い、かつ、前記突出チャンネル層の前記突出方向の端面を露出させる磁気シールドを備え、
前記第1強磁性層の磁化の方向が、前記第2強磁性層の磁化の方向に対して反平行である、磁気抵抗型の磁気センサ。 - 前記第1強磁性層の前記磁化の方向及び前記第2強磁性層の前記磁化の方向は、前記突出チャンネル層が突出する方向に垂直な方向である、請求項1に記載の磁気センサ。
- 前記第1強磁性層の前記磁化の方向は、前記第1方向に平行な方向であり、
前記第2強磁性層の前記磁化の方向は、前記第1方向に反平行な方向である、請求項1又は請求項2に記載の磁気センサ。 - 前記第1強磁性層の前記磁化の方向は、前記チャンネル層に対する前記第1強磁性層及び前記第2強磁性層の積層方向に平行な方向であり、
前記第2強磁性層の前記磁化の方向は、前記チャンネル層に対する前記第1強磁性層及び前記第2強磁性層の積層方向に反平行な方向である、請求項1又は請求項2に記載の磁気センサ。 - 前記第1強磁性層の前記磁化の方向及び前記第2強磁性層の前記磁化の方向のうち少なくとも一方は、前記第1強磁性層あるいは前記第2強磁性層の上にそれぞれ配置された反強磁性層によって固定されている、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の磁気センサ。
- 前記第1強磁性層の前記磁化の方向及び前記第2強磁性層の前記磁化の方向のうち少なくとも一方は、形状異方性によって磁化方向が固定されている、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の磁気センサ。
- 前記第1強磁性層及び前記第2強磁性層間において、前記主チャンネル層及び前記突出チャンネル層の表面は絶縁膜に覆われている、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の磁気センサ。
- 前記第1強磁性層及び前記第2強磁性層間において、前記主チャンネル層及び前記突出チャンネル層は前記磁気シールドと電気的に絶縁されている、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の磁気センサ。
- 前記突出チャンネル層の前記端面を介して前記主チャンネル層に磁界を供給する永久磁石をさらに備える、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の磁気センサ。
- 前記第1強磁性層及び前記第2強磁性層の材料は、Cr、Mn、Co、Fe、Niからなる群から選択される金属、前記群の元素を1以上含む合金、又は、前記群から選択される1以上の元素と、B、C、N、Si、Geからなる群から選択される1以上の元素とを含む化合物である、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の磁気センサ。
- 前記主チャンネル層及び前記突出チャンネル層の材料は、Si、Ge、GaAs、C、ZnOのうちのいずれか1つを含む半導体である、請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の磁気センサ。
- 前記第1強磁性層及び前記第2強磁性層の少なくとも一方と、前記主チャンネル層との間に、障壁が形成されている、請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の磁気センサ。
- 前記障壁は、MgO膜、Al2O3膜、TiO2膜、MgAl2O4膜、又はZnO膜からなるトンネル障壁である、請求項12に記載の磁気センサ。
- 前記障壁はショットキー障壁である、請求項12に記載の磁気センサ。
- 請求項1〜請求項14のいずれか一項に記載の磁気センサからなる読取ヘッド部と、書き込み用の記録ヘッド部とを備える、磁気ヘッド。
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KR101541763B1 (ko) | 2014-01-14 | 2015-08-06 | 한국과학기술원 | 자기 센서 및 이를 이용한 변복조기 |
JP5920510B1 (ja) * | 2015-03-25 | 2016-05-18 | Tdk株式会社 | 磁石部材 |
US9553256B2 (en) | 2012-11-08 | 2017-01-24 | Japan Science And Technology Agency | Spin valve element |
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2010
- 2010-12-14 JP JP2010278081A patent/JP2012128899A/ja not_active Withdrawn
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