JP2012123518A - 車両情報管理サーバ、車両情報管理システムおよび車両情報管理方法 - Google Patents

Abstract

【課題】車両が走行する環境に鑑みて、各車両の運転者に対して提供される情報の有用性の適当な向上を図ることができるシステム等を提供する。
【解決手段】複数の車両の中から基準値に基づいて抽出される参考車両の運転指標値に応じた参考運転情報を各車両の運転者に認識させることができる。これにより、基準値および参考運転指標値の相関関係を運転者に認識させ、自らが車両を運転する際の参考にさせることができる。「基準値」は各車両の実際の燃費または電費に応じて流動的に設定される。
【選択図】 図１

Description

本発明は、燃費等の車両情報を管理するサーバおよび当該サーバを構成要素とするシステム等に関する。

燃費の改善または低下に有用な情報に対する要求が高まっている。車両の燃費向上の観点からその運転方法を分析した上で、運転方法の改善案を運転者に対して提供する技術的手法が提案されている(特許文献１参照)。当該手法によれば、たとえば車速が基準値を超えているか否かに応じて、燃費の観点からの良否が判定される。

特開２００３−０１６５７２号公報

しかし、燃費または電費（以下、適宜「燃費等」という。）の観点から車両の運転方法の適否を判定するための基準値が固定されている場合、交通渋滞または上り坂等の走行環境に由来する不可避的な燃費等の低下が原因でその運転方法が不適当であると判定される可能性がある。

そこで、本発明は、車両が走行する環境に鑑みて、各車両の運転者に対して提供される情報の有用性の適当な向上を図ることができるシステム等を提供することを目的とする。

前記課題を解決するための本発明の車両情報管理サーバは、複数の車両のそれぞれとの通信に基づき、各車両の運転形態の指標となる運転指標値と燃費または電費とを認識した上で、前記複数の車両のそれぞれの燃費または電費に応じて当該各車両の燃費または電費の高低の判断基準となる基準値を認識するように構成されている第１支援演算処理要素と、前記第１支援演算処理要素により認識された前記基準値に基づいて前記複数の車両の中から抽出される一または複数の参考車両の運転指標値に基づき、参考運転指標値を認識した上で、前記参考運転指標値に関する参考運転情報を、所定の情報処理端末装置との通信に基づき、前記所定の情報処理端末装置に認識かつ出力させるように構成されている第２支援演算処理要素とを備えていることを特徴とする。

前記課題を解決するための本発明の車両情報管理システムは、車両に搭載されている車両情報管理機器と、前記車両情報管理サーバとにより構成され、前記車両情報管理機器が、前記車両情報管理サーバとの通信に基づき、前記第１支援演算処理要素に前記運転指標値を認識させるように構成されていることを特徴とする。

前記課題を解決するための本発明の車両情報管理方法は、コンピュータにより実行される方法であって、複数の車両のそれぞれとの通信に基づき、各車両の運転形態の指標となる運転指標値と燃費または電費とを認識する演算処理と、前記複数の車両のそれぞれの燃費または電費に応じて当該各車両の燃費または電費の高低の判断基準となる基準値を認識する演算処理と、前記基準値に基づいて前記複数の車両の中から抽出される一または複数の参考車両の運転指標値に基づき、参考運転指標値を認識する演算処理と、前記参考運転指標値に関する参考運転情報を、所定の情報処理端末装置との通信に基づき、前記所定の情報処理端末装置に認識かつ出力させる演算処理とを含んでいることを特徴とする。

本発明の車両情報管理サーバ、車両情報管理システムおよび車両情報管理方法のそれぞれによれば、複数の車両の中から基準値に基づいて抽出される参考車両の運転指標値に応じた参考運転情報を各車両の運転者に認識させることができる。これにより、基準値および参考運転指標値の相関関係を運転者に認識させ、自らが車両を運転する際の参考にさせることができる。同一車両であっても、燃費等および走行期間が異なれば複数の車両としてみなされうる。

「基準値」は各車両の実際の燃費等に応じて流動的に設定される。このため、基準値、ひいては参考運転指標値が各車両の走行環境から乖離した値に設定される事態が回避されうる。この結果、参考運転情報の有用性の向上が図られる。

なお、本発明の構成要素が情報を「認識する」とは、当該構成要素が情報を受信すること、情報をデータベースやメモリから探索または読み出すこと、受信等した基礎情報に基づいて演算処理によって情報を算定、推定、設定、決定、探索等すること、パケットをデコードして情報を顕在化させること、さらには算定等した情報をメモリに保存すること等、他の情報処理のために当該情報を準備しておくためのあらゆる情報処理を実行することを意味する。

また、本発明の構成要素が情報を「出力する」とは、当該情報の表示、音声出力、振動出力等、人間がその視覚、聴覚、触覚等、五感を通じて認識しうるあらゆる形態で情報を出力することを意味する。

前記第１支援演算処理要素が、前記複数の車両のそれぞれとの通信に基づき、前記車両の異なる走行状態のそれぞれを区分して認識した上で、前記異なる走行状態ごとに前記基準値を認識するように構成され、前記第２支援演算処理要素が、前記異なる走行状態ごとに前記参考運転指標値を認識し、かつ、前記所定の情報処理端末装置に認識させるように構成されていてもよい。

当該構成の車両情報管理サーバによれば、車両の異なる走行状態ごとに、基準値および参考運転指標値の相関関係を運転者に認識させ、自らが車両を運転する際の参考にさせることができる。

前記第１支援演算処理要素が、前記第１支援演算処理要素が、複数の車両における平均燃費または平均電費、または、当該複数の車両が燃費または電費の高低に応じて区分されることにより定義される複数の車両群のうち、一の車両が属する一の車両群もしくは当該一の車両群に対して高燃費側または高電費側もしくは低燃費側または低電費側で隣接する他の車両群における平均燃費または平均電費を当該一の車両にとっての前記基準値として認識するように構成されていてもよい。

前記第２支援演算処理要素が、一の車両について、前記参考運転指標値に加えて、前記第１支援演算処理要素により認識された前記運転指標値に関する前記参考運転情報を前記所定の情報処理端末装置に認識かつ出力させるように構成されていてもよい。

当該構成の車両情報管理サーバによれば、基準値および参考運転指標値の相関関係に加えて、自らが運転した車両の燃費等および運転指標値の相関関係を運転者に認識させることができる。これにより、運転者に自らが車両を運転する際、当該車両の燃費等を基準値に近づけるまたは基準値から遠ざけるため、運転指標値を参考運転指標値に鑑みてどのように調節されるべきであるかを認識させることができる。

前記第１支援演算処理要素が、前記車両との通信に基づき、前記車両の各周期における時系列的な位置を認識した上で、当該車両の各周期に置ける時系列的な位置に基づき、当該各周期における前記運転指標値としての前記車両の速度および加減速度を認識するように構成されていてもよい。

本発明の車両情報管理システムの構成図。 本発明の車両情報管理システムの機能説明図。 基準燃料に応じた車両抽出方法に関する説明図。 参考運転情報に関する第１の説明図。 参考運転情報に関する第２の説明図。

（車両情報管理システムの構成）
図１に示されている車両情報管理システムは、車両情報管理サーバ１００と、車両に搭載されている車両情報管理機器２００とにより構成されている。車両情報管理機器２００のうち一部または全部が車両から取り外して持ち運びできる携帯型の機器により構成されていてもよい。

車両情報管理サーバ１００はネットワークを介した車両情報管理機器２００およびその他の情報処理端末装置３００のそれぞれとの通信機能を有し、一または複数のサーバコンピュータにより構成されている。通信ネットワークとしては、インターネット、電話回線用ネットワークまたは衛星放送を用いた通信ネットワークなどが採用されうる。車両情報管理サーバ１００と車両情報管理機器２００との通信確立用のネットワークと、車両情報管理サーバ１００と情報処理端末装置３００との通信確立用のネットワークとは共通であってもよく、相違していてもよい。

車両情報管理サーバ１００は、第１支援演算処理要素１１０と、第２支援演算処理要素１２０とを備えている。第１支援演算処理要素１１０および第２支援演算処理要素１２０のそれぞれは、車両情報管理サーバ１００に対してダウンロードまたはインストールされたソフトウェア（車両情報管理プログラム）と、当該ソフトウェアを保存するメモリおよびこれからソフトウェアを読み取って所定の演算処理を実行するＣＰＵ（中央演算処理装置）等のハードウェアとにより構成されている。第１支援演算処理要素１１０および第２支援演算処理要素１２０のそれぞれは、その一部または全部が物理的に独立別個のハードウェアにより構成されていてもよい。

第１支援演算処理要素１１０は、複数の車両のそれぞれとの通信に基づき、各車両の運転形態の指標となる運転指標値と燃費とを認識するように構成されている。第１支援演算処理要素１１０は、複数の車両のそれぞれの燃費に応じて当該各車両の燃費の高低の判断基準となる基準値を認識するように構成されている。

第２支援演算処理要素１２０は、第１支援演算処理要素１１０により認識された基準値に基づいて複数の車両の中から抽出される一または複数の参考車両の運転指標値に基づき、参考運転指標値を認識するように構成されている。第２支援演算処理要素１２０は、参考運転指標値に関する参考運転情報を、所定の情報処理端末装置３００との通信に基づき、当該情報処理端末装置３００に認識かつ出力させるように構成されている。

なお、車両情報管理機器２００とは別個の携帯端末装置またはパソコンのほか、車両情報管理機器２００そのものが情報処理端末装置３００に該当する。

車両情報管理機器２００は、車両に搭載されているさまざまなセンサの出力信号等に基づき、車両の時系列的な位置および累積燃料消費量を計測し、当該計測結果を含む走行情報を車両情報管理サーバ１００に対して送信するように構成されている。

車両情報管理機器２００が情報処理端末装置３００に該当する場合、車両情報管理サーバ１００から配信された参考運転情報を受信した上で、この参考運転情報を自動車２のセンターコンソール等に配置されたディスプレイ装置等の出力装置に出力させるように構成されていてもよい。

（車両情報管理システムの機能）
車両情報管理機器２００において、車両のＩＧＮスイッチまたはＡＣＣスイッチがＯＦＦからＯＮに切り替えられたこと等に応じて、指数ｎが「１」にリセットされる（図２／ＳＴＥＰ２０１）。

車両に搭載されているＧＰＳ受信機により受信された信号のほか、必要に応じてジャイロセンサの出力に応じて車両位置ｐ（ｎ）が測定される（図２／ＳＴＥＰ２０２）。車両位置ｐ（ｎ）は、２次元座標値（緯度、経度）のほか、３次元座標値（緯度、経度、高度）により定義されてもよい。

さらに、車両の累積燃料消費量Ｑ（ｎ）が測定される（図２／ＳＴＥＰ２０４）。

そして、車両の位置ｐ（ｎ）および累積燃料消費量Ｑ（ｎ）が含まれる走行情報の送信タイミングに至ったか否かが判定される（図２／ＳＴＥＰ２０６）。たとえば、タイマによる計測時間が送信周期の整数倍に至ったか否か、車両の走行距離が指定距離の整数倍に至ったか否か、車両の位置が交差点等のノードに至ったか否か等に応じて、送信タイミングであるか否かが判定される。走行情報は、時系列的な車両位置ｐ（ｎ）を含んでいるという意味で、プローブ情報またはフローティングカーデータ（ＦＣＤ）に相当するものである。

送信タイミングに至っていないと判定された場合（図２／ＳＴＥＰ２０６‥ＮＯ）、指数ｎが「１」だけ増やされ（図２／ＳＴＥＰ２０８）、前記演算処理が繰り返される（図２／ＳＴＥＰ２０１〜ＳＴＥＰ２０６）。

その一方、送信タイミングに至っていると判定された場合（図２／ＳＴＥＰ２０６‥ＹＥＳ）、車両情報管理機器２００から車両情報管理サーバ１００に対して走行情報が送信される。走行情報には、ＶＩＮ等、車両を識別するための車両識別子が含まれている。走行情報には、車両の運転者を識別するためのユーザＩＤ等の個人識別子のほか、車両位置ｐ（ｎ）の測定時刻が含まれていてもよい。

車両情報管理機器２００による当該一連の演算処理は、ＩＧＮスイッチまたはＡＣＣスイッチがＯＦＦからＯＮに切り替えられてから、ＯＮからＯＦＦに切り替えられるまでの１回の運転期間にわたり繰り返し実行される。

車両情報管理サーバ１００において、車両識別子により識別される車両ごとに、走行情報に応じて次の演算処理が実行される。

まず、走行情報のうち、算出対象となる測定値を表わす指数ｎが１にリセットされる（図２／ＳＴＥＰ１０２）。

第１支援演算処理要素１１０により、車両の加速度α＝｛ｖ（ｎ）−ｖ（ｎ−１）｝／Ｔが算出される（図２／ＳＴＥＰ１１０）。加速度αは「運転指標値」に相当する。「Ｔ」は車両情報管理機器２００における車両位置ｐ（ｎ）の測定（図２／ＳＴＥＰ２０２参照）および累積燃料消費量Ｑ（ｎ）の測定（図２／ＳＴＥＰ２０４参照）を含む一連の演算処理の周期を意味する。車速ｖ（ｎ）は、時刻ｎ−１から時刻ｎまでの間の車両の前回位置ｐ（ｎ−１）から今回位置ｐ（ｎ）までの走行距離ｄ（ｎ）が当該周期Ｔで除算されることにより求められる。

車両の前回速度ｖ（ｎ−１）が所定速度ｖ₀以下であったか否かが判定される（図２／ＳＴＥＰ１１２）。この判定は、前回時刻ｎ−１における車両が停止していたか否かを判定することに相当する。

車両の前回速度ｖ（ｎ−１）が所定速度ｖ₀以下であったと判定された場合（図２／ＳＴＥＰ１１２‥ＹＥＳ）、加速度αが０であるか否かがさらに判定される（図２／ＳＴＥＰ１１４）。加速度αが０であると判定された場合（図２／ＳＴＥＰ１１４‥ＹＥＳ）、車両の走行状態を表わすフラグｆが「アイドリング状態」を表わす「０」に設定される（図２／ＳＴＥＰ１２０）。加速度αが０でない（正である）と判定された場合（図２／ＳＴＥＰ１１４‥ＮＯ）、フラグｆが「発進加速状態」を表わす「１」に設定される（図２／ＳＴＥＰ１２１）。

また、車両の前回速度ｖ（ｎ−１）が所定速度ｖ₀を超えていたと判定された場合（図２／ＳＴＥＰ１１２‥ＮＯ）、加速度αが負であるか否かが判定される（図２／ＳＴＥＰ１１６）。さらに、加速度αが負でないと判定された場合（図２／ＳＴＥＰ１１６‥ＮＯ）、加速度αが正であるか否かが判定される（図２／ＳＴＥＰ１１８）。

車両の加速度αが負であると判定された場合（図２／ＳＴＥＰ１１６‥ＹＥＳ）、フラグｆが「減速状態」を表わす「２」に設定される（図２／ＳＴＥＰ１２２）。車両の加速度αが正であると判定された場合（図２／ＳＴＥＰ１１８‥ＹＥＳ）、フラグｆが「加速状態」を表わす「３」に設定される（図２／ＳＴＥＰ１２３）。車両の加速度αが０であると判定された場合（図２／ＳＴＥＰ１１８‥ＮＯ）、フラグｆが「定速巡航状態」を表わす「４」に設定される（図２／ＳＴＥＰ１２４）。

第１支援演算処理要素１１０により、フラグｆ＝０〜４のうち該当するいずれかの値について、燃費ｆｅ（ｆ，ｎ）＝ｄ（ｎ）／Δｑ（ｎ）が算出される（図２／ＳＴＥＰ１２５）。ここで、Δｑ（ｎ）＝ｑ（ｎ）−ｑ（ｎ−１）であり、ｑ（ｎ）＝Ｑ（ｎ）−Ｑ（ｎ−１）である。

「燃費」とは、燃料の単位消費量当たりの車両の走行距離を意味する。この場合、燃費が高いほど燃費が「よい」ことになり、燃費が低いほど燃費が「悪い」ことになる。これとは逆に「燃費」が車両の単位走行距離あたりの燃料消費量を意味してもよい。この場合、燃費が低いほど燃費が「よい」ことになり、燃費が高いほど燃費が「悪い」ことになる。燃料は、ガソリン等の炭素燃料のほか、燃料電池車両のための水素等の燃料ガスをも包含する概念である。

第１支援演算処理要素１１０により、各車両について、前記のように算出される燃費ｆｅ（ｆ，ｎ）に基づき、異なる走行状態ごとに、１日、１週または１月等の単位期間あたりの平均燃費ｆｅ（ｆ）が算出される。同様に、各車両について、前記のように算出される加速度αに基づき、異なる走行状態ごとに、単位期間あたりの平均加速度が算出される。

さらに、第１支援演算処理要素１１０により、各車両の単位期間当たりの平均燃費ｆｅ（ｆ）に基づき、複数の車両の走行状態ごとの基準値ｆｅ₀（ｆ）が算出される。たとえば、複数の車両の単位期間当たりの平均燃費が基準値ｆｅ₀（ｆ）として算出される。各車両の単位期間当たりの平均加速度に基づき、複数の車両について走行状態ごとに単位期間当たりの平均加速度α₀（ｆ）が算出される。

第２支援演算処理要素１２０により、基準値に基づき、複数の車両の中から「参考車両」が抽出または選定される。

たとえば図３（ａ）に示されているように、ある走行状態について複数の車両の燃費ヒストグラムが表わされている場合、基準値ｆｅ₀（ｆ）に正値βを加算した値以上の燃費を有する車両が参考車両として抽出される。

また、図３（ｂ）に示されているように複数の車両が燃費の良否に応じて複数（たとえば５つ）の車両群に分割され、第ｋ車両群（ｋ＝２〜５）に属する車両について、それより高燃費側の第ｋ−１車両群に属する車両の平均燃費、最低燃費または最高燃費等の燃費の代表値が基準値として算出され、当該基準値以上の燃費を示す車両が参考車両として抽出されてもよい。さらに、第ｋ車両群（ｋ＝２〜５）に属する車両について、当該第ｋ車両群に属する車両の燃費の代表値が基準値として算出され、当該基準値に正値βが加算された以上の燃費を示す車両が参考車両として抽出されてもよい。

なお、第ｋ車両群（ｋ＝１〜４）に属する車両について、それより低燃費側の第ｋ＋１車両群に属する車両の燃費の代表値が基準値として算出され、当該基準値以上の燃費を示す車両が参考車両として抽出されてもよい。

第２支援演算処理要素１２０により、フラグｆ＝１〜４のうち該当する値について、該当車両を含む複数の車両における新たな平均加速度α₀（ｆ）が、複数の車両（該当車両が含まれていない場合もある。）におけるそれまでの平均加速度α₀（ｆ）と当該車両の加速度αとに基づき、関係式（１）にしたがって計算される（図２／ＳＴＥＰ１２６）。

新α₀（ｆ）＝λ₁×旧α₀（ｆ）＋（１−λ₁）×α ‥（１）。

ここで「λ₁」は１未満の正値であり、その値としてたとえば０．５またはこれに近い値（０．５５、０．４８など）が採用される。

走行状態ｆにおける燃費ｆｅ（ｆ，ｎ）が、フラグｆにより表わされる走行状態の基準値ｆｅ₀（ｆ）に正値βを加算した値以上であるか否かが判定される（図２／ＳＴＥＰ１２７）。この判定は、当該車両の燃費ｆｅ（ｆ，ｎ）が、複数の車両の中で優れているものであるか否かを判定することに相当する。

当該判定結果が肯定的である場合（図２／ＳＴＥＰ１２７‥ＹＥＳ）、新たな参考加速度α₀ ^*（ｆ）（参考指標値）が、複数の車両の中から抽出される参考車両におけるそれまでの参考加速度α₀ ^*（ｆ）と当該車両の加速度αとに基づき、関係式（２）にしたがって計算される（図２／ＳＴＥＰ１２８）。

新α₀ ^*（ｆ）＝λ₂×旧α₀ ^*（ｆ）＋（１−λ₂）×α ‥（２）。

ここで「λ₂」は１未満の正値であり、その値としてたとえば０．５またはこれに近い値（０．５２、０．４６など）が採用される。

その上で、指数ｎが「１」だけ増やされる（図２／ＳＴＥＰ１３０）。当該判定結果が否定的である場合（図２／ＳＴＥＰ１２７‥ＮＯ）、参考加速度α₀ ^*（ｆ）が更新されることなく指数ｎが「１」だけ増やされる（図２／ＳＴＥＰ１３０）。

その上で、指数ｎが走行情報に含まれている車両の位置ｐ（ｎ）および累積燃料消費量Ｑ（ｎ）の組み合わせの数Ｎを超えているか否かが判定される（図２／ＳＴＥＰ１３２）。当該数Ｎは、走行情報の送信周期が、車両情報管理機器２００の演算処理周期（図２／ＳＴＥＰ２０２〜ＳＴＥＰ２０６参照）により除算された結果の整数部分に一致する。当該判定結果が否定的である場合（図２／ＳＴＥＰ１３２‥ＮＯ）、加速度αの算出以降の一連の処理が繰り返し実行される（図２／ＳＴＥＰ１１０〜ＳＴＥＰ１３０参照）。当該判定結果が肯定的である場合（図２／ＳＴＥＰ１３２‥ＹＥＳ）、当該走行情報を対象とした一連の処理が終了する。

さらに、第２支援演算処理要素１２０による情報処理端末装置３００との通信に基づき、参考加速度α₀ ^*（ｆ）（参考運転指標値）に関する「参考運転情報」がこの情報処理端末装置３００に認識される。参考運転情報には、参考加速度α₀ ^*（ｆ）のほか、各車両の単位期間当たりの平均燃費、複数の車両の単位期間当たりの平均加速度α₀（ｆ）、各車両の単位期間当たりの平均燃費および平均加速度α（ｆ）が含まれていてもよい。参考運転情報は、参考加速度α₀ ^*（ｆ）等の基礎情報に基づき、車両情報管理サーバ１００において作成されてもよく、当該基礎情報を車両情報管理サーバ１００から受信した情報処理端末装置３００により作成されてもよい。

たとえば、車両情報管理機器２００が搭載されている車両の運転者または所有者としてのユーザが、その情報処理端末装置３００を通じてネットワーク上の所定のサイトにログインすることにより、参考運転情報が情報処理端末装置３００に送信される。ログインに際して利用される認証子は、閲覧対象となる車両を識別するための車両識別番号もしくは個人識別番号または当該番号にタグ付けされて車両情報管理サーバ１００により管理されているユーザＩＤが用いられる。

これにより、情報処理端末装置３００のディスプレイ装置には、たとえば図４（ａ）に示されているように、該当車両の単位期間当たりの平均燃費の推移を示すグラフが情報処理端末装置３００のディスプレイに出力表示される。

図４（ａ）の画像が出力されている状態で、情報処理端末装置３００においてマウスポインティング装置等の入力装置を通じて、複数の単位期間の中から１つの単位期間（○月×日、○月など）が指定されうる。

単位期間の指定入力に応じて、図４（ｂ）に示されているように、アイドリング状態（ｆ＝０）、発進加速状態（ｆ＝１）、減速状態（ｆ＝２）および加速状態（ｆ＝３）のそれぞれにおける該当車両の当該指定単位期間の平均燃費（破線）と、参考車両の当該指定単位期間の平均燃費（実線）とを示すレーダーチャートが情報処理端末装置３００において出力される。また、該当車両および参考車両のそれぞれの平均燃費、走行距離および平均速度の数値が併せて出力される。

図４（ｂ）の画像が出力されている状態で、情報処理端末装置３００の入力装置を通じて、各走行状態が指定されうる。

発進加速状態（ｆ＝１）または加速状態（ｆ＝３）の指定入力に応じて、図５（ａ）に示されているように、発進加速状態（ｆ＝１）または加速状態（ｆ＝３）における該当車両、複数の車両および参考車両のそれぞれの指定単位期間における平均的な加速形態を示すグラフが情報処理端末装置３００において出力される。破線の傾きは該当車両の平均加速度αを表わし、二点鎖線の傾きは複数の車両の平均加速度α₀を表わし、一点鎖線の傾きは参考車両の平均加速度α₀ ^*を表わす。

減速状態（ｆ＝２）の指定入力に応じて、図５（ｂ）に示されているように、減速状態（ｆ＝２）における該当車両、複数の車両および参考車両のそれぞれの指定単位期間における平均的な減速形態を示すグラフが情報処理端末装置３００において出力される。破線の傾きは該当車両の平均減速度αを表わし、二点鎖線の傾きは複数の車両の平均減速度α₀を表わし、一点鎖線の傾きは参考車両の平均減速度α₀ ^*を表わす。

そのほか、アイドリング状態（ｆ＝０）の指定入力に応じて、図５（ｃ）に示されているように、アイドリング状態（ｆ＝０）における該当車両の指定単位期間における燃料消費量ｑを示す画像と、当該燃料が走行に際して用いられたと仮定した場合における該当車両の指定単位期間の燃費変化を示す画像が情報処理端末装置３００に出力される。

なお、図４および図５のそれぞれに示されている画像は逐次出力されるほか、同時に一括表示されてもよい。また、先の画像に代えて後の画像が出力されるほか、先の画像に加えて後の画像が出力されてもよい。

（車両情報管理システムの作用効果）
前記機能を発揮する車両情報管理システムによれば、複数の車両の中から基準値ｆｅ₀（ｆ）に基づいて抽出される参考車両の加速度α₀ ^*（ｆ）（参考運転指標値）に応じた参考運転情報を各車両の運転者に認識させることができる（図５（ａ）（ｂ）等参照）。これにより、基準値ｆｅ₀（ｆ）および参考加速度α₀ ^*（ｆ）（参考運転指標値）の相関関係を運転者に認識させ、自らが車両を運転する際の参考にさせることができる。

基準値ｆｅ₀（ｆ）は各車両の実際の燃費に応じて流動的に設定される。このため、基準値ｆｅ₀（ｆ）、ひいては参考加速度α₀ ^*（ｆ）（参考運転指標値）が各車両の走行環境から乖離した値に設定される事態が回避されうる。この結果、参考運転情報の有用性の向上が図られる。

たとえば、図４（ｂ）に示されている出力画像を通じて、該当車両の減速時（ｆ＝２）における平均燃費が参考車両のそれよりも高い（よい）一方、該当車両のアイドリング時（ｆ＝０）、発進加速時（ｆ＝１）および加速時（ｆ＝３）のそれぞれにおける平均燃費が参考車両のそれよりも低い（悪い）ことをユーザに認識させることができる。

さらに、図５（ａ）の出力画像を通じて、発進加速時（ｆ＝１）または走行加速時（ｆ＝３）において、自ら運転した車両の加速度（破線の傾き）が、他の車両も含む複数の車両の平均的な加速度（二点鎖線の傾き）より低いものの、参考車両（燃費向上の観点から模範とすべき車両）の平均的な加速度（一点鎖線の傾き）より高いことをユーザに認識させることができる。これにより、基準値に応じて抽出される参考車両と同じ程度にまで燃費を向上させる観点からは車両のより緩やかな加速が好ましいことを当該ユーザに認識させることができる。

また、図５（ｂ）の出力画像を通じて、走行減速時（ｆ＝２）において、自ら運転した車両の減速度（破線の傾き）が、他の車両も含む複数の車両の平均的な減速度（二点鎖線の傾き）および参考車両の平均的な減速度（一点鎖線の傾き）のそれぞれより高いことをユーザに認識させることができる。これにより。燃費向上の観点から車両のより緩やかな減速が好ましいことを当該ユーザに認識させることができる。

さらに、図５（ｃ）の出力画像を通じて、アイドリング状態（ｆ＝０）となる累積時間の短縮することにより、燃費を向上させることができることをユーザに認識させることができる。

（本発明の他の実施形態）
前記実施形態では車両の「燃費」が考慮されたが、他の実施形態として電気自動車またはハイブリッド車両など、電力（たとえば、搭載電池に蓄えられている電力）を推進力に変換して走行する車両については、燃費に代えてまたは加えて「電費」が考慮されてもよい。「電費」とは、電力の単位消費量当たりの車両の走行距離を意味する。この場合、電費が高いほど電費が「よい」ことになり、電費が低いほど電費が「悪い」ことになる。これとは逆に「電費」が車両の単位走行距離あたりの電力消費量を意味してもよい。この場合、電費が低いほど電費が「よい」ことになり、電費が高いほど電費が「悪い」ことになる。

当該他の実施形態としての車両情報管理システムによれば、前記実施形態と同様に有用性が高い参考運転情報を通じて、基準値ｆｅ₀（ｆ）および参考運転指標値の相関関係を運転者に認識させ、自らが車両を運転する際の参考にさせることができる。たとえば、基準値に応じて抽出される参考車両と同じ程度にまで電費を向上させる観点からは車両のより緩やかな加速が好ましいことを当該ユーザに認識させることができる（図５（ａ）参照）。また、電費向上の観点から車両のより緩やかな減速が好ましいことを当該ユーザに認識させることができる（図５（ｂ）参照）。

前記実施形態では車両の加速度が運転指標値として測定されたが、他の実施形態としてアクセル操作量、ブレーキ操作量（回数）、アイドリング時間およびエアコンの使用時間などが、車両に搭載されているセンサの出力信号等に基づいて運転指標値として測定されてもよい。

単位期間に加えてまたは代えて、地理的範囲または道路種類等に応じて、基準値等の算出対象となる車両群が区分されて認識されてもよい。たとえば、ある単位期間（○月△日など）において、高速道路を走行した車両群と、一般道路を走行した車両群とのそれぞれについて基準値等が算出されてもよい。また、山間部（坂が多い地域）を走行した車両群と、平野部（坂が少ない地域）を走行した車両群とのそれぞれについて基準値等が算出されてもよい。

１００‥車両情報管理サーバ、１１０‥第１支援演算処理要素、１２０‥第２支援演算処理要素、２００‥車両情報管理機器、３００‥情報処理端末装置。

Claims (7)

1. 複数の車両のそれぞれとの通信に基づき、各車両の運転形態の指標となる運転指標値と燃費または電費とを認識した上で、前記複数の車両のそれぞれの燃費または電費に応じて当該各車両の燃費または電費の高低の判断基準となる基準値を認識するように構成されている第１支援演算処理要素と、
   前記第１支援演算処理要素により認識された前記基準値に基づいて前記複数の車両の中から抽出される一または複数の参考車両の運転指標値に基づき、参考運転指標値を認識した上で、前記参考運転指標値に関する参考運転情報を、所定の情報処理端末装置との通信に基づき、前記所定の情報処理端末装置に認識かつ出力させるように構成されている第２支援演算処理要素とを備えていることを特徴とする車両情報管理サーバ。
2. 請求項１記載の車両情報管理サーバにおいて、
   前記第１支援演算処理要素が、前記複数の車両のそれぞれとの通信に基づき、前記車両の異なる走行状態のそれぞれを区分して認識した上で、前記異なる走行状態ごとに前記基準値を認識するように構成され、前記第２支援演算処理要素が、前記異なる走行状態ごとに前記参考運転指標値を認識し、かつ、前記所定の情報処理端末装置に認識させるように構成されていることを特徴とする車両情報管理サーバ。
3. 請求項１または２記載の車両情報管理サーバにおいて、
   前記第１支援演算処理要素が、複数の車両における平均燃費または平均電費、または、当該複数の車両が燃費または電費の高低に応じて区分されることにより定義される複数の車両群のうち、一の車両が属する一の車両群もしくは当該一の車両群に対して高燃費側または高電費側もしくは低燃費側または低電費側で隣接する他の車両群における平均燃費または平均電費を当該一の車両にとっての前記基準値として認識するように構成されていることを特徴とする車両情報管理サーバ。
4. 請求項１〜３のうちいずれか１つに記載の車両情報管理サーバにおいて、
   前記第２支援演算処理要素が、一の車両について、前記参考運転指標値に加えて、前記第１支援演算処理要素により認識された前記運転指標値に関する前記参考運転情報を前記所定の情報処理端末装置に認識かつ出力させるように構成されていることを特徴とする車両情報管理サーバ。
5. 請求項１〜４のうちいずれか１つに記載の車両情報管理サーバにおいて、
   前記第１支援演算処理要素が、前記車両との通信に基づき、前記車両の各周期における時系列的な位置を認識した上で、当該車両の各周期に置ける時系列的な位置に基づき、当該各周期における前記運転指標値としての前記車両の速度および加減速度を認識するように構成されていることを特徴とする車両情報管理サーバ。
6. 車両に搭載されている車両情報管理機器と、請求項１〜５のうちいずれか１つに記載の車両情報管理サーバとにより構成されている車両情報管理システムであって、
   前記車両情報管理機器が、前記車両情報管理サーバとの通信に基づき、前記第１支援演算処理要素に前記運転指標値を認識させるように構成されていることを特徴とする車両情報管理システム。
7. コンピュータにより実行される方法であって、
   複数の車両のそれぞれとの通信に基づき、各車両の運転形態の指標となる運転指標値と燃費または電費とを認識する演算処理と、
   前記複数の車両のそれぞれの燃費または電費に応じて当該各車両の燃費または電費の高低の判断基準となる基準値を認識する演算処理と、
   前記基準値に基づいて前記複数の車両の中から抽出される一または複数の参考車両の運転指標値に基づき、参考運転指標値を認識する演算処理と、
   前記参考運転指標値に関する参考運転情報を、所定の情報処理端末装置との通信に基づき、前記所定の情報処理端末装置に認識かつ出力させる演算処理とを含んでいることを特徴とする車両情報管理方法。
   

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