JP2012113256A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】種々の有機溶剤に対する溶解性が高く、活性エネルギー線の照射によって塩基を発生する際に、炭酸ガスの発生を伴わない塩基発生剤を含有する感光性樹脂組成物の提供。
【解決手段】下記一般式[1]で示される塩基発生剤及び塩基反応性樹脂を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物並びに該組成物によるパターン形成方法。
Figure 2012113256

(式中、R及びRは、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基、フェニル基又はシアノ基を表し、R〜Rは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状、アルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、ヒドロキシル基又はニトロ基を表し、Zは1級又は2級アミン由来の基を表し、RとRとで環状構造を形成していてもよい。)
【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線の照射により塩基を発生する性質を有する光塩基発生剤を含んでなる感光性樹脂組成物に関し、更に詳しくは、有機溶剤に対する溶解性が高い光塩基発生剤を含んでなる感光性樹脂組成物に関する。
例えば赤外線、可視光線、紫外線、X線等の活性エネルギー線に感受性の重合開始剤(以下、単に光重合開始剤と略記する場合がある。)による硬化(以下、単に光硬化と略記する場合がある。)は、熱感受性の重合開始剤(以下、単に熱重合開始剤と略記する場合がある。)による硬化(以下、単に熱硬化と略記する場合がある。)と比べて、低温かつ短時間での硬化が可能である、微細なパターンの形成が可能である等の多くの利点を有することから、これらの光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物は、光硬化材料として、塗料、印刷インキ、歯科材料、レジスト等の表面加工の分野で広く用いられている。
光硬化技術において使用される光重合開始剤は、発生する活性種により光ラジカル発生剤、光酸発生剤、光塩基発生剤の3つのグループに大別することができる。光ラジカル発生剤は、アセトフェノン等を代表とする、活性エネルギー線の照射によりラジカル種を発生する光重合開始剤で従来から広く用いられているものではあるが、ラジカル種は空気中の酸素によって失活してしまうという性質を有するため、酸素存在下では重合反応が阻害され硬化が抑制されるという欠点がある。このため、特に光ラジカル発生剤を含む感光性樹脂組成物を用いて薄膜を作製しようとする場合には、空気中の酸素を遮断する等の特別な工夫が必要とされている。また、光酸発生剤は、活性エネルギー線の照射により酸を発生する光重合開始剤であるため、酸素による阻害を受けないという利点があることから、90年代後半から多種の光酸発生剤が実用に供されている。しかしながら、活性エネルギー線の照射によって発生する酸が硬化後においても系内に残存する場合には、これらの光酸発生剤を含む感光性樹脂組成物を硬化した後の硬化膜が変性して膜性能が低下する等の問題や半導体分野等では酸による半導体基板上の金属配線に対する腐食性の問題が指摘されている。他方で、光塩基発生剤は、活性エネルギー線の照射によって塩基を発生するものであるため、空気中の酸素の阻害を受けず、また、腐食性の問題や硬化膜の変性を生じにくいことから、近年その研究開発が盛んに行われている。
このような光塩基発生剤として、例えば特許文献1ではカルバメート系(ウレタン系)の光塩基発生剤が提案され、これらの光塩基発生剤を含有する感光性樹脂組成物も多数提案されている(例えば特許文献2等)。しかしながら、例えば特許文献1、2等の従来の光塩基発生剤は活性エネルギー線の照射によって塩基を発生する際に、脱炭酸を伴うため炭酸ガスを同時に副生する。このため、これらの光塩基発生剤を含む感光性樹脂組成物を用いて硬化膜を作製しようとする場合には、副生した炭酸ガスが気泡となって硬化膜内に残存する場合には膜強度が低下するおそれがあったり、炭酸ガスが硬化膜内から外に蒸散していく場合には硬化膜表面の膜荒れが生じるおそれがある等の問題点があった。
最近では、このような問題点を解決する光塩基発生剤として、活性エネルギー線の照射によって塩基を発生する際に、脱炭酸を伴わない光環化型の光塩基発生剤が開発され、これらの光塩基発生剤を含有する感光性樹脂組成物が提案されている(例えば特許文献3、4等)。しかしながら、例えば特許文献3、4等の光塩基発生剤は、有機溶剤に対する溶解性が十分ではなく、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等のグリコール系溶剤、例えばγ-ブチロラクトン(γ-BL)等のエステル系溶剤等のこの分野で広く用いられている有機溶剤に対して特に溶解性が悪い。このため、これらの光塩基発生剤を含有する感光性樹脂組成物を上記した有機溶剤に溶解させて硬化膜を作製しようとする場合には、少量の光塩基発生剤しか使用できないことが原因となって、露光部(硬化部)と未露光部(未硬化部)とのコントラストが悪くなったり、逆に、コントラストを良くしようとして多量の光塩基発生剤を用いると該発生剤が固体として析出してきてしまう等の問題点がある。このようなことから、これらの光塩基発生剤を含有する感光性樹脂組成物は、使用できる有機溶剤が限られてきてしまい、汎用性が低いという問題点を有している。
このような状況下、例えばグリコール系溶剤、エステル系溶剤等の種々の有機溶剤に対する溶解性が高く、活性エネルギー線の照射によって塩基を発生する際に、炭酸ガスの発生を伴わない光塩基発生剤を含有する感光性樹脂組成物の開発が望まれている。
特開平10−77264号公報 特開2006−189591号公報 特開2009−80452号公報 国際公開WO2009/123122号公報
本発明が解決しようとする課題は、種々の有機溶剤に対する溶解性が高く、活性エネルギー線の照射によって塩基を発生する際に、炭酸ガスの発生を伴わない光塩基発生剤を含有する感光性樹脂組成物を提供することにある。すなわち、本発明者らは、従来公知の脱炭酸を伴わない光環化型の光塩基発生剤の溶解性を改善すれば、種々の有機溶剤に溶解可能な光塩基発生剤を含有する、汎用性の高い感光性樹脂組成物を提供できる可能性があることに着目し、溶解性を改善した脱炭酸を伴わない光環化型の光塩基発生剤の開発について鋭意検討を行った。その結果、上記の従来公知の光塩基発生剤の構造中の特定の炭素原子上に置換基を導入することにより、従来公知の脱炭酸を伴わない光環化型の光塩基発生剤と比較して、有機溶剤に対する溶解性が飛躍的に向上することを見出した。すなわち、従来公知の脱炭酸を伴わない光環化型の光塩基発生剤の特定の炭素原子上に置換基を導入した改良型光塩基発生剤は、従来の光塩基発生剤と比べて、有機溶剤に対する溶解性が飛躍的に向上していることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、下記一般式[1]で示される塩基発生剤及び塩基反応性樹脂を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物の発明である。
Figure 2012113256
(式中、R及びRは夫々独立して、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基又はシアノ基を表し、R〜Rは夫々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基、ヒドロキシル基又はニトロ基を表し、Zは1級又は2級アミン由来の基を表し、RとRとで環状構造を形成していてもよいし、R〜Rの2つ以上が結合してR〜Rが結合しているベンゼン環と縮合環を形成していてもよい。ただし、R及びRが共に水素原子であるものを除く。)
また、本発明は、上記一般式[1]で示される塩基発生剤及び塩基反応性樹脂を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物からなるパターン形成材料の発明である。
更に、本発明は、上記一般式[1]で示される塩基発生剤及び塩基反応性樹脂を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物から作製された塗膜又は成形体に活性エネルギー線を照射する工程を含むことを特徴とする樹脂硬化方法の発明である。
更にまた、本発明は、上記一般式[1]で示される塩基発生剤及び塩基反応性樹脂を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物から作製された塗膜に所定のパターンで活性エネルギー線を照射する工程、上記工程後の塗膜又は成形体を現像する工程、を含むことを特徴とするパターン形成方法の発明である。
また、本発明は、下記一般式[5]で示される樹脂硬化用光塩基発生剤の発明である。
Figure 2012113256
(式中、R'及びR'は夫々独立して、水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基又はシアノ基を表し、R'〜R'は夫々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基、ヒドロキシル基又はニトロ基を表し、Z'は下記式[6]〜[14]で示される基を表し、R'とR'とで環状構造を形成していてもよいし、R'〜R'の2つ以上が結合してR'〜R'が結合しているベンゼン環と縮合環を形成していてもよい。ただし、R'及びR'が共に水素原子であるものを除く。)
Figure 2012113256
Figure 2012113256
Figure 2012113256
Figure 2012113256
Figure 2012113256
Figure 2012113256
Figure 2012113256
Figure 2012113256
(式中、Y'は下記一般式[5']で示される基を表す。)
Figure 2012113256
(式中、Y'は下記一般式[5']で示される基を表す。)
Figure 2012113256
(式中、R'〜R'は上記に同じ。)
本発明に係る一般式[1]で示される塩基発生剤は、種々の有機溶剤に対する溶解性が高いものであるため、溶剤の種類を問わず幅広く用いることができる。このため、このような塩基発生剤を含有する本発明の感光性樹脂組成物は、汎用性の高いものである。また、当該組成物中に多量の塩基発生剤を含有させることができるため、活性エネルギー線の照射によって多量の塩基を発生させることが可能である。このため、結果として露光部(硬化部)において樹脂の硬化が効果的に進行し、露光部(硬化部)と未露光部(未硬化部)とのコントラストが良くなり、良好なパターンを形成することができる。更に、本発明に係る一般式[1]で示される塩基発生剤は、活性エネルギー線の照射によって塩基を発生する際に、炭酸ガスを副生しないものでもある。このため、このような塩基発生剤を含有する本発明の感光性樹脂組成物を用いれば、膜強度の高い硬化膜が得られるうえ、硬化膜表面が均質なものを得ることができる。
本発明のパターン形成材料は、上記した如き本発明の感光性樹脂組成物からなるものであるため、コントラストが高いパターンを作製することができる。
本発明の樹脂硬化方法及びパターン形成方法は、上記した如き本発明の感光性樹脂組成物を用いるものであるため、有機溶剤の種類を問わない汎用性の高い方法である。更に、本発明の感光性樹脂組成物のうち、アルコール系、エステル系又はグリコール系の有機溶剤を含有する組成物を用いてパターンを形成することで、以下のような利点が生じる。すなわち、(1)これらの有機溶剤は中程度の沸点を有するので通常室温で行う組成物の調製を安定して行うことができるばかりでなく、プレベーク時のベーク温度を高温にする必要がないので、塩基発生剤、塩基反応性樹脂等が熱による悪影響を受けにくい、(2)これらの有機溶剤は基板との相性が良くスピンコートの際の組成物の延びが良好であるため、該組成物を基板上に簡便に塗布することができる、(3)これらの有機溶剤は他の有機溶剤と比較して塩基発生剤の溶解性が高いので、例えば本発明のパターン形成方法に係る塗膜又は成形体を作製する工程の際に塩基発生剤が相分離を起こしにくい、(4)アミド系溶剤のように分解物が塩基性を示すことがないため安定性が高い、等の利点が生じる優れた方法である。
実施例1における、合成例3の塩基発生剤を含有する感光性樹脂組成物を塗膜にし、当該塗膜に活性エネルギー線を照射した場合の照射時間と残膜率との関係を表す図である。 実施例2における、合成例5の塩基発生剤を含有する感光性樹脂組成物を塗膜にし、当該塗膜に活性エネルギー線を照射した場合の照射時間と残膜率との関係を表す図である。 実施例3における、合成例7の塩基発生剤を含有する感光性樹脂組成物を塗膜にし、当該塗膜に活性エネルギー線を照射した場合の照射時間と残膜率との関係を表す図である。 実施例4における、合成例5の塩基発生剤を含有する感光性樹脂組成物を塗膜にし、当該塗膜に活性エネルギー線を照射した場合の照射時間と残膜率との関係を表す図である。
本発明において、活性エネルギー線とは、波長を特定した場合を除き、可視領域の波長の電磁波(可視光線)のみならず、例えば赤外領域の波長の電磁波(赤外線)、紫外領域の波長の電磁波(紫外線)、X線等の非可視領域の波長の電磁波が含まれる。また、本発明においては、活性エネルギー線に感受性の塩基発生剤(活性エネルギー線の照射によって塩基を発生する塩基発生剤)を光塩基発生剤と称する場合がある。なお、波長365nm、405nm、436nmの活性エネルギー線をそれぞれ、i線、h線、g線と表記する場合がある。
一般式[1]で示される塩基発生剤において、R及びRで示される炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基としては、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、2-メチルペンチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、ネオヘプチル基、シクロヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、ネオオクチル基、2-エチルヘキシル基、シクロオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、ネオノニル基、シクロノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、ネオデシル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、ボルニル基(ボルナン-χ-イル基)、アダマンチル基、メンチル基(メンタ-χ-イル基)等が挙げられ、なかでも、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基であるメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基が好ましく、そのなかでも、炭素数1のアルキル基であるメチル基がより好ましい。
一般式[1]で示される塩基発生剤において、R及びRで示される置換基を有していてもよいフェニル基における置換基としては、具体的には、例えばヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基等の炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルコキシ基等が挙げられる。
一般式[1]で示される塩基発生剤において、R及びRとしては、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基がより好ましい。
一般式[1]で示される塩基発生剤において、R〜Rで示されるハロゲン原子としては、具体的には、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
一般式[1]で示される塩基発生剤において、R〜Rで示される炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基としては、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、2-メチルペンチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、ネオヘプチル基、シクロヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、ネオオクチル基、2-エチルヘキシル基、シクロオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、ネオノニル基、シクロノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、ネオデシル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、ボルニル基(ボルナン-χ-イル基)、アダマンチル基、メンチル基(メンタ-χ-イル基)等が挙げられ、なかでも、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基であるメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基が好ましく、そのなかでも、メチル基、tert-ブチル基がより好ましい。
一般式[1]で示される塩基発生剤において、R〜Rで示される炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルコキシ基としては、具体的には、例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、シクロブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec-ペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2-メチルブトキシ基、1,2-ジメチルプロポキシ基、1-エチルプロポキシ基、シクロペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec-ヘキシルオキシ基、tert-ヘキシルオキシ基、ネオヘキシルオキシ基、2-メチルペンチルオキシ基、1,2-ジメチルブトキシ基、2,3-ジメチルブトキシ基、1-エチルブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec-ヘプチルオキシ基、tert-ヘプチルオキシ基、ネオヘプチルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec-オクチルオキシ基、tert-オクチルオキシ基、ネオオクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、n-ノニルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec-ノニルオキシ基、tert-ノニルオキシ基、ネオノニルオキシ基、シクロノニルオキシ基、n-デシルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec-デシルオキシ基、tert-デシルオキシ基、ネオデシルオキシ基、シクロデシルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、ボルニルオキシ基(ボルナン-χ-イルオキシ基)、アダマンチルオキシ基、メンチルオキシ基(メンタ-χ-イルオキシ基)等が挙げられ、なかでも、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルコキシ基であるメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基が好ましく、そのなかでも、炭素数1のアルコキシ基であるメトキシ基がより好ましい。
一般式[1]で示される塩基発生剤において、R〜Rで示される置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基における炭素数6〜10のアリール基としては、具体的には、例えばフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等が挙げられる。
一般式[1]で示される塩基発生剤において、R〜Rで示される置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基における置換基としては、具体的には、例えばヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基等の炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルコキシ基等が挙げられる。
一般式[1]で示される塩基発生剤において、RとRとで環状構造を形成していてもよいとは、RとRが炭素数2〜5のアルキレン基を介して連結し、当該アルキレン基と更にRとRとを介している-C-C(=O)N-とで環状構造を形成していてもよいことを意味する。ここで炭素数2〜5のアルキレン基としては、具体的には、例えばジメチレン基(エチレン基)、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等が挙げられる。
一般式[1]で示される塩基発生剤において、R〜Rの2つ以上が結合してR〜Rが結合しているベンゼン環と縮合環を形成していてもよいとは、R〜Rの2つ以上が炭素数3〜5のアルキレン基を介して連結し、当該アルキレン基と更にR〜Rが結合しているベンゼン環の炭素原子を共有して、例えばインデン環、インダン環、ナフタレン環、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン環等の縮合環を形成していてもよいことを意味する。
一般式[1]で示される塩基発生剤において、R〜Rとしては、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルコキシ基がより好ましい。
一般式[1]で示される塩基発生剤において、Zで示される1級又は2級アミン由来の基としては、具体的には、例えば下記一般式[2]、[3]又は[4]で示される基が挙げられるがこれらに何ら限定されるものではない。
Figure 2012113256
(式中、R及びRは夫々独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状の炭化水素基を表すか、或いはこれらが結合している窒素原子と共に、置換基を有していてもよい炭素数2〜10の含窒素脂肪族環又は含窒素芳香環を形成するものを表す。)
Figure 2012113256
(式中、R及びR10は夫々独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状の炭化水素基を表し、Vは主鎖の炭素原子が酸素原子又はケイ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルキル基を表し、Yは下記一般式[1']で示される基を表す。)
Figure 2012113256
(式中、R〜Rは上記に同じ。)
Figure 2012113256
(式中、R11〜R14は夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜6の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基を表し、Vは主鎖の炭素原子が酸素原子又はケイ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表し、Yは下記一般式[1']で示される基を表し、m及びnは夫々独立して、1〜2の整数を表す。)
Figure 2012113256
(式中、R〜Rは上記に同じ。)
一般式[2]で示される1級又は2級アミン由来の基において、R及びRで示される置換基を有していてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状の炭化水素基における炭化水素基としては、具体的には、例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ、なかでも、アルキル基、アリール基、アラルキル基が好ましく、そのなかでも、アルキル基がより好ましい。
上記炭化水素基がアルキル基の場合における、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基としては、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、2-メチルペンチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、ネオヘプチル基、シクロヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、ネオオクチル基、2-エチルヘキシル基、シクロオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、ネオノニル基、シクロノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、ネオデシル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、ボルニル基(ボルナン-χ-イル基)、アダマンチル基、メンチル基(メンタ-χ-イル基)等が挙げられ、なかでも、炭素数1〜6の直鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基が好ましい。
上記炭化水素基がアルケニル基の場合における、炭素数2〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルケニル基としては、具体的には、例えばビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基(アリル基)、イソプロペニル基、n-ブテニル基、n-ペンテニル基、シクロペンテニル基、n-ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、n-ヘプテニル基、n-オクテニル基、n-ノネニル基、n-デセニル基等が挙げられる。
上記炭化水素基がアルキニル基の場合における、炭素数2〜10の直鎖状若しくは分枝状のアルキニル基としては、具体的には、例えばエチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基(プロパルギル基)、n-ブチニル基、1-メチルプロパルギル基、n-ペンチニル基、n-ヘキシニル基、n-ヘプチニル基、n-オクチニル基、n-ノニニル基、n-デシニル基等が挙げられる。
上記炭化水素基がアリール基の場合における、炭素数6〜10のアリール基としては、具体的には、例えばフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等が挙げられる。
上記炭化水素基がアラルキル基の場合における、炭素数7〜10のアラルキル基としては、具体的には、例えばベンジル基、フェネチル基、α-メチルベンジル基、3-フェニルプロピル基、1-メチル-1-フェニルエチル基、4-フェニルブチル基、2-メチル-2-フェニルプロピル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル基等が挙げられる。
一般式[2]で示される1級又は2級アミン由来の基において、R及びRで示される置換基を有していてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状の炭化水素基における置換基としては、具体的には、例えばヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子等の上記炭化水素基に結合する、炭化水素基以外の置換基(官能基)が挙げられる。したがって、本発明において、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状の炭化水素基中の炭素数は、炭化水素基部分の炭素数を意味し、上記置換基(シアノ基等)の炭素数は含まれない。
一般式[2]で示される1級又は2級アミン由来の基において、R及びRで示されるこれら(R及びR)が結合している窒素原子と共に、置換基を有していてもよい炭素数2〜10の含窒素脂肪族環又は含窒素芳香環を形成するものにおける炭素数2〜10の含窒素脂肪族環又は含窒素芳香環を形成するものとは、RとRが連結して、2つの結合手で共に窒素原子と結合する飽和又は不飽和アルキレン基(飽和又は不飽和アルカンジイル基)を形成することを意味し、より具体的には、ヘテロ原子を鎖中に有していてもよい炭素数2〜10の飽和又は不飽和アルキレン基(飽和又は不飽和アルカンジイル基)を形成することを意味する。上記ヘテロ原子を鎖中に有していてもよい炭素数2〜10の飽和又は不飽和アルキレン基(飽和又は不飽和アルカンジイル基)の具体例としては、例えばジメチレン基(エチレン基)、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、1-メチル-ジメチレン基(1-メチル-エチレン基)、1-メチル-トリメチレン基、2-メチル-トリメチレン基、1,4-ジメチル-テトラメチレン基、1,4-ジエチル-テトラメチレン基、1,4-ジプロピル-テトラメチレン基、1,5-ジメチル-ペンタメチレン基、1,5-ジエチル-ペンタメチレン基、1,3,5-トリメチル-ペンタメチレン基等のヘテロ原子を鎖中に有さない直鎖状又は分枝状の炭素数2〜10の飽和アルキレン基(飽和アルカンジイル基)、例えばメチレンオキシメチレン基、メチレンオキシジメチレン基(メチレンオキシエチレン基)、ジメチレンオキシジメチレン基(エチレンオキシエチレン基)、メチレンチオメチレン基、メチレンチオジメチレン基(メチレンチオエチレン基)、ジメチレンチオジメチレン基(エチレンチオエチレン基)、1,1'-ジメチル-ジメチレンオキシジメチレン基(1,1'-ジメチル-エチレンオキシエチレン基)、1,1'-ジエチル-ジメチレンオキシジメチレン基(1,1'-ジエチル-エチレンオキシエチレン基)、1,1'-ジプロピル-ジメチレンオキシジメチレン基(1,1'-ジプロピル-エチレンオキシエチレン基)、1,1'-ジメチル-ジメチレンチオジメチレン基(1,1'-ジメチル-エチレンチオエチレン基)、1,1'-ジエチル-ジメチレンチオジメチレン基(1,1'-ジエチル-エチレンチオエチレン基)、1,1'-ジプロピル-ジメチレンチオジメチレン基(1,1'-ジプロピル-エチレンチオエチレン基)等のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子等)を鎖中に有する直鎖状又は分枝状の炭素数2〜10の飽和アルキレン基(飽和アルカンジイル基)、例えばブタ-1,3-ジエン-1,4-ジイル基、1,4-ジメチル-ブタ-1,3-ジエン-1,4-ジイル基、1,4-ジエチル-ブタ-1,3-ジエン-1,4-ジイル基、1,4-ジプロピル-ブタ-1,3-ジエン-1,4-ジイル基等のヘテロ原子を鎖中に有さない直鎖状又は分枝状の炭素数2〜10の不飽和アルキレン基(不飽和アルカンジイル基)、例えば2-アザ-ブタ-1,3-ジエン-1,4-ジイル基、1,4-ジメチル-2-アザ-ブタ-1,3-ジエン-1,4-ジイル基、1,4-ジエチル-2-アザ-ブタ-1,3-ジエン-1,4-ジイル基、1,4-ジプロピル-2-アザ-ブタ-1,3-ジエン-1,4-ジイル基、1-アザ-ブタ-1,3-ジエン-1,4-ジイル基、2,4-ジメチル-1-アザ-ブタ-1,3-ジエン-1,4-ジイル基、2,4-ジエチル-1-アザ-ブタ-1,3-ジエン-1,4-ジイル基、2,4-ジプロピル-1-アザ-ブタ-1,3-ジエン-1,4-ジイル基等のヘテロ原子(窒素原子等)を鎖中に有する直鎖状又は分枝状の炭素数2〜10の不飽和アルキレン基(不飽和アルカンジイル基)等が挙げられる。
これらの飽和又は不飽和アルキレン基(飽和又は不飽和アルカンジイル基)のなかでも、例えばジメチレン基(エチレン基)、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、1-メチル-ジメチレン基(1-メチル-エチレン基)、1-メチル-トリメチレン基、2-メチル-トリメチレン基、1,4-ジメチル-テトラメチレン基、1,4-ジエチル-テトラメチレン基、1,4-ジプロピル-テトラメチレン基、1,5-ジメチル-ペンタメチレン基、1,5-ジエチル-ペンタメチレン基、1,3,5-トリメチル-ペンタメチレン基等のヘテロ原子を鎖中に有さない直鎖状又は分枝状の炭素数2〜10の飽和アルキレン基(飽和アルカンジイル基)、例えばメチレンオキシメチレン基、メチレンオキシジメチレン基(メチレンオキシエチレン基)、ジメチレンオキシジメチレン基(エチレンオキシエチレン基)、メチレンチオメチレン基、メチレンチオジメチレン基(メチレンチオエチレン基)、ジメチレンチオジメチレン基(エチレンチオエチレン基)、1,1'-ジメチル-ジメチレンオキシジメチレン基(1,1'-ジメチル-エチレンオキシエチレン基)、1,1'-ジエチル-ジメチレンオキシジメチレン基(1,1'-ジエチル-エチレンオキシエチレン基)、1,1'-ジプロピル-ジメチレンオキシジメチレン基(1,1'-ジプロピル-エチレンオキシエチレン基)、1,1'-ジメチル-ジメチレンチオジメチレン基(1,1'-ジメチル-エチレンチオエチレン基)、1,1'-ジエチル-ジメチレンチオジメチレン基(1,1'-ジエチル-エチレンチオエチレン基)、1,1'-ジプロピル-ジメチレンチオジメチレン基(1,1'-ジプロピル-エチレンチオエチレン基)等のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子等)を鎖中に有する直鎖状又は分枝状の炭素数2〜10の飽和アルキレン基(飽和アルカンジイル基)が好ましく、そのなかでも、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基のヘテロ原子を鎖中に有さない直鎖状の炭素数4〜6の飽和アルキレン基(飽和アルカンジイル基)がより好ましい。
一般式[2]で示される1級又は2級アミン由来の基において、R及びRで示されるこれら(R及びR)が結合している窒素原子と共に、置換基を有していてもよい炭素数2〜10の含窒素脂肪族環又は含窒素芳香環を形成するものにおける置換基としては、具体的には、例えばヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子等の上記含窒素脂肪族環又は含窒素芳香環を形成するものに結合する、炭化水素基以外の置換基(官能基)が挙げられる。したがって、本発明において、置換基を有していてもよい炭素数2〜10の含窒素脂肪族環又は含窒素芳香環を形成するもの中の炭素数は、含窒素脂肪族環又は含窒素芳香環を形成する部分の炭素数を意味し、上記置換基(シアノ基等)の炭素数は含まれない。
一般式[2]で示される1級又は2級アミン由来の基において、R及びRとしては、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状の炭化水素基、これら(R及びR)が結合している窒素原子と共に、置換基を有していてもよい炭素数2〜10の含窒素脂肪族環又は含窒素芳香環を形成するものがより好ましい。
一般式[3]で示される1級又は2級アミン由来の基において、R及びR10で示される置換基を有していてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状の炭化水素基における炭化水素基としては、具体的には、例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ、なかでも、アルキル基、アリール基、アラルキル基が好ましく、そのなかでも、アルキル基がより好ましい。
上記炭化水素基がアルキル基の場合における、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基としては、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、2-メチルペンチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、ネオヘプチル基、シクロヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、ネオオクチル基、2-エチルヘキシル基、シクロオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、ネオノニル基、シクロノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、ネオデシル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、ボルニル基(ボルナン-χ-イル基)、アダマンチル基、メンチル基(メンタ-χ-イル基)等が挙げられ、なかでも、炭素数1〜6の直鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基が好ましい。
上記炭化水素基がアルケニル基の場合における、炭素数2〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルケニル基としては、具体的には、例えばビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基(アリル基)、イソプロペニル基、n-ブテニル基、n-ペンテニル基、シクロペンテニル基、n-ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、n-ヘプテニル基、n-オクテニル基、n-ノネニル基、n-デセニル基等が挙げられる。
上記炭化水素基がアルキニル基の場合における、炭素数2〜10の直鎖状若しくは分枝状のアルキニル基としては、具体的には、例えばエチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基(プロパルギル基)、n-ブチニル基、1-メチルプロパルギル基、n-ペンチニル基、n-ヘキシニル基、n-ヘプチニル基、n-オクチニル基、n-ノニニル基、n-デシニル基等が挙げられる。
上記炭化水素基がアリール基の場合における、炭素数6〜10のアリール基としては、具体的には、例えばフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等が挙げられる。
上記炭化水素基がアラルキル基の場合における、炭素数7〜10のアラルキル基としては、具体的には、例えばベンジル基、フェネチル基、α-メチルベンジル基、3-フェニルプロピル基、1-メチル-1-フェニルエチル基、4-フェニルブチル基、2-メチル-2-フェニルプロピル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル基等が挙げられる。
一般式[3]で示される1級又は2級アミン由来の基において、R及びR10で示される置換基を有していてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状の炭化水素基における置換基としては、具体的には、例えばヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子等の上記炭化水素基に結合する、炭化水素基以外の置換基(官能基)が挙げられる。したがって、本発明において、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状の炭化水素基中の炭素数は、炭化水素基部分の炭素数を意味し、上記置換基(シアノ基等)の炭素数は含まれない。
一般式[3]で示される1級又は2級アミン由来の基において、R及びR10としては、水素原子がより好ましい。
一般式[3]で示される1級又は2級アミン由来の基において、Vで示される主鎖の炭素原子が酸素原子又はケイ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルキル基としては、具体的には、例えばジメチレン基(エチレン基)、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、下記一般式[A]で示される基等が挙げられる。
Figure 2012113256
(式中、p及びqは夫々独立して、1〜3の整数を表す。)
一般式[A]で示される基において、p及びqとしては3がより好ましい。
一般式[4]で示される2級アミン由来の基において、R11〜R14で示される炭素数1〜6の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基としては、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、2-メチルペンチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、なかでも、炭素数1のアルキル基であるメチル基が好ましい。
一般式[4]で示される2級アミン由来の基において、R11〜R14としては、水素原子がより好ましい。
一般式[4]で示される2級アミン由来の基において、Vで示される主鎖の炭素原子が酸素原子又はケイ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基としては、具体的には、例えばメチレン基、ジメチレン基(エチレン基)、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、上記一般式[A]で示される基等が挙げられる。
一般式[4]で示される2級アミン由来の基において、m及びnとしては2がより好ましい。
一般式[3]及び[4]で示される1級又は2級アミン由来の基において、Yで示される上記一般式[1']におけるR〜Rとしては、上記一般式[1]におけるR〜Rと同様のものが挙げられる。
一般式[1]で示される塩基発生剤において、Zが上記一般式[2]で示される1級又は2級アミン由来の基であって、当該一般式[2]におけるR及びRがこれら(R及びR)が結合している窒素原子と共に、置換基を有していてもよい炭素数2〜10の含窒素脂肪族環又は含窒素芳香環を形成するものから生じる塩基(1級又は2級アミン)の具体例、すなわち、一般式[2]で示される1級又は2級アミン由来の基から発生する炭素数2〜10の含窒素脂肪族アミン又は含窒素芳香族アミンの具体例としては、例えばアジリジン(3員環)、アゼチジン(4員環)、ピロリジン(5員環)、ピペリジン(6員環)、ヘキサメチレンイミン(アゼパン環;7員環)、ヘプタメチレンイミン(アゾカン環;8員環)、オクタメチレンイミン(アゾナン環;9員環)、ノナメチレンイミン(アゼカン環;10員環)、デカメチレンイミン(11員環)等の炭素数2〜10の含窒素脂肪族アミン、例えば2-メチルアジリジン(3員環)、2-メチルアゼチジン(4員環)、3-メチルアゼチジン(4員環)、2,5-ジメチルピロリジン(5員環)、2,5-ジエチルピロリジン(5員環)、2,5-ジプロピルピロリジン(5員環)、2,6-ジメチルピペリジン(6員環)、2,6-ジエチルピペリジン(6員環)、2,4,6-トリメチルピペリジン(6員環)等の脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基に置換している炭素数3〜10の含窒素脂肪族アミン、例えばオキサゾリジン(5員環)、チアゾリジン(5員環)、モルホリン(6員環)、チオモルホリン(6員環)等の窒素原子以外のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子等)を鎖中に有する炭素数3〜10の含窒素脂肪族アミン、例えば2,6-ジメチルモルホリン(6員環)、2,6-ジエチルモルホリン(6員環)、2,6-ジプロピルモルホリン(6員環)、2,6-ジメチルチオモルホリン(6員環)、2,6-ジエチルチオモルホリン(6員環)、2,6-ジプロピルチオモルホリン(6員環)等の窒素原子以外のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子等)を鎖中に有し、脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基に置換している炭素数4〜10の含窒素脂肪族アミン、例えばピロール(5員環)、イミダゾール(5員環)、ピラゾール(5員環)等の炭素数3〜4の含窒素芳香族アミン、例えば2,5-ジメチルピロール(5員環)、2,5-ジエチルピロール(5員環)、2,5-ジプロピルピロール(5員環)、2,5-ジメチルイミダゾール(5員環)、2,5-ジエチルイミダゾール(5員環)、2,5-ジプロピルイミダゾール(5員環)、3,5-ジメチルピラゾール(5員環)、3,5-ジエチルピラゾール(5員環)、3,5-ジプロピルピラゾール(5員環)等の芳香環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基に置換している炭素数4〜10の含窒素芳香族アミン等が挙げられる。すなわち、脂肪族環又は芳香環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基に置換している炭素数2〜10の含窒素脂肪族アミン又は含窒素芳香族アミンや、窒素原子以外のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子等)を鎖中に有する炭素数2〜10の含窒素脂肪族アミンも、上記炭素数2〜10の含窒素脂肪族アミン又は含窒素芳香族アミンの概念に含まれる。
これらの炭素数2〜10の含窒素脂肪族アミン又は含窒素芳香族アミンのなかでも、例えばアジリジン(3員環)、アゼチジン(4員環)、ピロリジン(5員環)、ピペリジン(6員環)、ヘキサメチレンイミン(アゼパン環;7員環)、ヘプタメチレンイミン(アゾカン環;8員環)、オクタメチレンイミン(アゾナン環;9員環)、ノナメチレンイミン(アゼカン環;10員環)、デカメチレンイミン(11員環)等の窒素原子以外のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子等)を鎖中に有さず、脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基に置換していない(いわゆる無置換の)炭素数2〜10の含窒素脂肪族アミン、例えば2-メチルアジリジン(3員環)、2-メチルアゼチジン(4員環)、3-メチルアゼチジン(4員環)、2,5-ジメチルピロリジン(5員環)、2,5-ジエチルピロリジン(5員環)、2,5-ジプロピルピロリジン(5員環)、2,6-ジメチルピペリジン(6員環)、2,6-ジエチルピペリジン(6員環)、2,4,6-トリメチルピペリジン(6員環)等の窒素原子以外のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子等)を鎖中に有さず、脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基に置換している炭素数3〜10の含窒素脂肪族アミン、例えばオキサゾリジン(5員環)、チアゾリジン(5員環)、モルホリン(6員環)、チオモルホリン(6員環)等の窒素原子以外のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子等)を鎖中に有し、脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基に置換していない(いわゆる無置換の)炭素数3〜10の含窒素脂肪族アミン、例えば2,5-ジメチルモルホリン(6員環)、2,5-ジエチルモルホリン(6員環)、2,5-ジプロピルモルホリン(6員環)、2,5-ジメチルチオモルホリン(6員環)、2,5-ジエチルチオモルホリン(6員環)、2,5-ジプロピルチオモルホリン(6員環)等の窒素原子以外のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子等)を鎖中に有し、脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基に置換している炭素数4〜10の含窒素脂肪族アミンが好ましく、そのなかでも、ピロリジン(5員環)、ピペリジン(6員環)、ヘキサメチレンイミン(アゼパン環;7員環)の窒素原子以外のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子等)を鎖中に有さず、脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基に置換していない(いわゆる無置換の)炭素数4〜6の含窒素脂肪族アミンがより好ましい。これら好ましい具体例の含窒素脂肪族アミンに由来する一般式[2]で示される1級又は2級アミン由来の基を有する一般式[1]で示される塩基発生剤は、安価かつ容易に製造できるばかりでなく、含窒素芳香族アミンを発生するものと比較して、以下のような利点がある。すなわち、芳香環は活性エネルギー線を吸収する作用があるため、一般式[1]で示される塩基発生剤のアミン部分の構造(NR)が含窒素芳香環である場合には、当該塩基発生剤中のベンゼン環の活性エネルギー線の吸収が含窒素芳香環によって阻害されるのに対し、当該アミン部分の構造(NR)が含窒素脂肪族環である場合にはそのような阻害要因がないため、一般式[1]で示される塩基発生剤のアミン部分の構造(NR)が含窒素脂肪族環である場合には、当該塩基発生剤への活性エネルギー線の照射により、効率的に塩基を発生するという点で有用である。
上記炭素数2〜10の含窒素脂肪族アミン又は含窒素芳香族アミンは、更に置換基(官能基)を有していてもよく、当該置換基(官能基)の具体例としては、上でも述べたように、例えばヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。上記置換基を有する炭素数2〜10の含窒素脂肪族アミン又は含窒素芳香族アミンの具体例としては、例えば4-ヒドロキシピペリジン(6員環)、4-メルカプトピペリジン(6員環)、4-シアノピペリジン(6員環)、4-ニトロピペリジン(6員環)、4-クロロピペリジン(6員環)、4-ブロモピペリジン(6員環)等が挙げられるが、これらの例に何ら限定されるものではない。
一般式[1]で示される塩基発生剤において、Zが上記一般式[3]で示される1級又は2級アミン由来の基から生じる塩基(1級又は2級アミン)の具体例、すなわち、一般式[3]で示される1級又は2級アミン由来の基から発生するジアミンの具体例としては、例えばエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、N,N'-ジメチルエチレンジアミン、N,N'-ジメチルトリメチレンジアミン、N,N'-ジメチルテトラメチレンジアミン、N,N'-ジメチルペンタメチレンジアミン、N,N'-ジメチルヘキサメチレンジアミン、N,N'-ジメチルヘプタメチレンジアミン、N,N'-ジメチルオクタメチレンジアミン、N,N'-ジメチルノナメチレンジアミン、N,N'-ジメチルデカメチレンジアミン、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン等が挙げられるが、これらの例に何ら限定されるものではない。
一般式[1]で示される塩基発生剤において、Zが上記一般式[4]で示される2級アミン由来の基から生じる塩基(2級アミン)の具体例、すなわち、一般式[4]で示される2級アミン由来の基から発生するジアミンの具体例としては、例えばビス(3-ピロリジル)メタン、1,2-ビス(3-ピロリジル)エタン、1,3-ビス(3-ピロリジル)プロパン、ビス(4-ピペリジル)メタン、1,2-ビス(4-ピペリジル)エタン、1,3-ビス(4-ピペリジル)プロパン、ビス[3-(2,5-ジメチルピロリジル)]メタン、1,2-ビス[3-(2,5-ジメチルピロリジル)]エタン、1,3-ビス[3-(2,5-ジメチルピロリジル)]プロパン、ビス[4-(2,6-ジメチルピペリジル)]メタン、1,2-ビス[4-(2,6-ジメチルピペリジル)]エタン、1,3-ビス[4-(2,6-ジメチルピペリジル)]プロパン等が挙げられるが、これらの例に何ら限定されるものではない。
なお、一般式[1]で示される塩基発生剤において、Zで示される1級又は2級アミン由来の基から生じる塩基(1級又は2級アミン)の具体例としては、上記の具体例以外にも、例えばピペラジン等の環式ジアミン、例えばフェニレンジアミン等の芳香族ジアミン等が挙げられるが、これらの例に何ら限定されるものではない。
一般式[1]で示される塩基発生剤のうち、より具体的な塩基発生剤としては、一般式[1]におけるR及びRが夫々独立して、水素原子、炭素数1〜4の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基又はシアノ基であり(ただし、R及びRが共に水素原子であるものを除く。)、R〜Rが夫々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基、ヒドロキシル基又はニトロ基であって、かつZが下記式[6]〜[14]で示される基である、下記一般式[5]で示される塩基発生剤が挙げられる。これらの塩基発生剤は、他の塩基発生剤と比較して、短工程で容易かつ安価に製造でき、より溶解性の高い樹脂硬化用の塩基発生剤となり得るという点において好ましい塩基発生剤である。
Figure 2012113256
(式中、R'及びR'は夫々独立して、水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基又はシアノ基を表し、R'〜R'は夫々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基、ヒドロキシル基又はニトロ基を表し、Z'は下記式[6]〜[14]で示される基を表し、R'とR'とで環状構造を形成していてもよいし、R'〜R'の2つ以上が結合してR'〜R'が結合しているベンゼン環と縮合環を形成していてもよい。ただし、R'及びR'が共に水素原子であるものを除く。)
Figure 2012113256
Figure 2012113256
Figure 2012113256
Figure 2012113256
Figure 2012113256
Figure 2012113256
Figure 2012113256
Figure 2012113256
(式中、Y'は下記一般式[5']で示される基を表す。)
Figure 2012113256
(式中、Y'は下記一般式[5']で示される基を表す。)
Figure 2012113256
(式中、R'〜R'は上記に同じ。)
一般式[5]で示される塩基発生剤及び一般式[5']で示される基において、R'及びR'で示される炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基としては、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられ、なかでも、炭素数1のアルキル基であるメチル基が好ましい。
一般式[5]で示される塩基発生剤及び一般式[5']で示される基において、R'及びR'で示される置換基を有していてもよいフェニル基における置換基としては、具体的には、例えばヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基等の炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルコキシ基等が挙げられる。
一般式[5]で示される塩基発生剤及び一般式[5']で示される基において、R'及びR'としては、水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基がより好ましい。
一般式[5]で示される塩基発生剤及び一般式[5']で示される基において、R'〜R'で示されるハロゲン原子としては、具体的には、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
一般式[5]で示される塩基発生剤及び一般式[5']で示される基において、R'〜R'で示される炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基としては、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられ、なかでも、メチル基、tert-ブチル基が好ましい。
一般式[5]で示される塩基発生剤及び一般式[5']で示される基において、R'〜R'で示される炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルコキシ基としては、具体的には、例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基等が挙げられ、なかでも、炭素数1のアルコキシ基であるメトキシ基が好ましい。
一般式[5]で示される塩基発生剤及び一般式[5']で示される基において、R'〜R'で示される置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基における炭素数6〜10のアリール基としては、具体的には、例えばフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等が挙げられる。
一般式[5]で示される塩基発生剤及び一般式[5']で示される基において、R'〜R'で示される置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基における置換基としては、具体的には、例えばヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基等の炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルコキシ基等が挙げられる。
一般式[5]で示される塩基発生剤及び一般式[5']で示される基において、R'〜R'としては、水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルコキシ基がより好ましい。
また、上記一般式[5]で示される塩基発生剤のより好ましい具体例としては、一般式[5]におけるR'が炭素数1のアルキル基であるメチル基であり、R'、R'、R'、R'及びR'がすべて水素原子であって、かつZ'が上記式[7]で示される基であるものが挙げられ、より具体的には、式[15]
Figure 2012113256
で示される塩基発生剤が、より好ましいものとして挙げられる。
なお、念のために付記すれば、上記式[15]で示される塩基発生剤は、上記一般式[1]で示される塩基発生剤において、Rが炭素数1のアルキル基であるメチル基であり、R、R、R、R及びRがすべて水素原子であり、Zが上記一般式[2]で示される1級又は2級アミン由来の基であって、当該一般式[2]におけるR及びRがこれら(R及びR)が結合している窒素原子と共に、窒素原子以外のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子等)を鎖中に有さず、脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基に置換していない(いわゆる無置換の)炭素数5の含窒素脂肪族アミンであるピペリジン(6員環)に由来する基であるものに相当する。
更に、上記一般式[5]で示される塩基発生剤のより好ましいそのほかの具体例としては、一般式[5]におけるR'が炭素数1のアルキル基であるメチル基であり、R'が水素原子又は炭素数1のアルコキシ基であるメトキシ基であり、R'、R'、R'及びR'がすべて水素原子であって、かつZ'が上記式[7]で示される基であるものが挙げられ、より具体的には、式[16]
Figure 2012113256
で示される化合物及び式[17]
Figure 2012113256
で示される塩基発生剤が、より好ましいものとして挙げられる。
なお、念のために付記すれば、上記式[16]及び[17]で示される塩基発生剤は、上記一般式[1]で示される塩基発生剤において、Rが炭素数1のアルキル基であるメチル基であり、Rが水素原子又は炭素数1のアルコキシ基であるメトキシ基であり、R、R、R及びRがすべて水素原子であり、Zが上記一般式[2]で示される1級又は2級アミン由来の基であって、当該一般式[2]におけるR及びRがこれら(R及びR)が結合している窒素原子と共に、窒素原子以外のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子等)を鎖中に有さず、脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基に置換していない(いわゆる無置換の)炭素数5の含窒素脂肪族アミンであるピペリジン(6員環)に由来する基であるものに相当する。
なお、上記の具体例以外にも、例えば沸点の高い塩基(1級又は2級アミン)を発生させたい等の、高沸点の塩基(1級又は2級アミン)に由来する1級又は2級アミン由来の基を必要とする場合には、例えばヒドロキシル基等の置換基(官能基)が結合した含窒素脂肪族アミン又は含窒素芳香族アミンに由来する基等が好ましい場合もある。このようなものや上記したもの以外の一般式[1]で示される塩基発生剤としては、例えば以下の化学式で示されるものが例示されるが、これらの例によって何ら限定されるものではない。
Figure 2012113256
Figure 2012113256
Figure 2012113256
本発明に係る一般式[1]で示される塩基発生剤は、活性エネルギー線の照射によって塩基を発生し、より具体的には波長150〜500nmの活性エネルギー線の照射によって塩基を発生するもので、当該波長150〜500nmの領域において、モル吸光係数が5000以上となる吸収波長領域が存在するので、効率的に塩基を発生し得る。また、本発明に係る塩基発生剤は、上記した波長領域のなかでも、i線、h線、g線の少なくとも1つ以上の活性エネルギー線に吸収を示すものが、汎用性の観点から好ましい。なお、本発明に係る一般式[1]で示される塩基発生剤は、好ましくは活性エネルギー線の照射により塩基を発生するが、例えば加熱等のエネルギーを与えることによって塩基を発生することを排除するものではない。
本発明に係る一般式[1]で示される塩基発生剤は、活性エネルギー線の照射によって塩基を発生すると共に、分子内での光環化が進行してクマリン誘導体が生成する。この光環化では脱炭酸を伴わずに塩基(1級又は2級アミン)が発生するため、脱炭酸を伴う従来の光塩基発生剤とは異なり、炭酸ガスの副生による硬化膜の膜強度の低下や硬化膜表面の膜荒れを抑制することができる。
本発明に係る一般式[1]で示される塩基発生剤は、説明の便宜上トランス体で記載してあるが、トランス体及びシス体のいずれも活性エネルギー線の照射によって二重結合が異性化して、塩基(1級又は2級アミン)が発生すると共に分子内の光環化が進行する。このため、本発明に係る一般式[1]で示される塩基発生剤は、トランス体、シス体或いはその混合物のいずれであってもよい。
本発明に係る一般式[1]で示される塩基発生剤は、加熱して初期の重量から5%重量が減少したときの温度(以下、5%重量減少温度と略記する場合がある)が100℃以上であることが好ましい。本発明の感光性樹脂組成物を用いて塗膜を作製する際には、ベーク時に本発明の感光性樹脂組成物に含まれる有機溶剤を揮発させる場合があるが、塩基発生剤の5%重量減少温度が高い場合には、高沸点の有機溶剤であってもベーク時の温度を高く設定できるので、ベーク後の有機溶剤の残留を極力少なくすることができる。これにより、残留有機溶剤による露光部(硬化部)と未露光部(未硬化部)とのコントラストの悪化を抑制することができる。
次に、本発明に係る塩基発生剤を製造する方法について説明する。本発明に係る一般式[1]で示される塩基発生剤の製造方法としては、例えば一般式[18]
Figure 2012113256
(式中、R、R、R、R及びRは上記に同じ。)で示されるアルデヒド又はケトンと一般式[19]
Figure 2012113256
(式中、R'は1価の炭化水素基を表し、Rは上記に同じ。)で示されるWittig試薬を反応させ、要すればカルボン酸エステルの加水分解を行い、一般式[20]
Figure 2012113256
(式中、R''は水素原子又は1価の炭化水素基を表し、R、R、R、R、R及びRは上記に同じ。)で示されるカルボン酸又はカルボン酸エステルを得、当該カルボン酸又はカルボン酸エステルと一般式[21]
Figure 2012113256
(式中、R及びRは上記に同じ。)で示されるアミン、一般式[22]
Figure 2012113256
(式中、R、R10及びVは上記に同じ。)で示されるアミン又は一般式[23]
Figure 2012113256
(式中、R11、R12、R13、R14、V、m及びnは上記に同じ。)で示されるアミンを反応させ、目的とする一般式[1]で示される塩基発生剤を合成すればよい。より具体的な製造方法としては、例えば上記一般式[18]で示されるアルデヒド又はケトンを、当該アルデヒド又はケトンに対して、通常0.8〜10.0当量、好ましくは0.8〜3.0当量の上記一般式[19]で示されるWittig試薬と反応させ(Wittig反応)、要すればカルボン酸エステルの加水分解反応を行って、上記一般式[20]で示されるカルボン酸又はカルボン酸エステルを得る(第一工程)。次いで第一工程で得られた一般式[20]で示されるカルボン酸又はカルボン酸エステルを、当該カルボン酸又はカルボン酸エステルに対して、通常0.8〜10.0当量、好ましくは0.8〜3.0当量の上記一般式[21]で示されるアミン、或いは当該カルボン酸又はカルボン酸エステルに対して、通常0.4〜5.0当量、好ましくは0.4〜1.5当量の上記一般式[22]又は一般式[23]で示されるアミンと反応させることにより(第二工程)、本発明に係る一般式[1]で示される塩基発生剤を得ることができる。
一般式[19]におけるR'及び一般式[20]におけるR''で示される1価の炭化水素基としては、具体的には、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基等が挙げられる。上記炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基の具体例としては、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、ネオヘキシル基、2-メチルペンチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、ネオヘプチル基、シクロヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、ネオオクチル基、2-エチルヘキシル基、シクロオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、ネオノニル基、シクロノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、ネオデシル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、ボルニル基(ボルナン-χ-イル基)、アダマンチル基、メンチル基(メンタ-χ-イル基)等が挙げられる。また、上記炭素数6〜10のアリール基の具体例としては、例えばフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等が挙げられる。なお、上記した具体例はあくまで一例であって、上記第一の工程に悪影響を及ぼさない範囲であれば、上記した如きアルキル基、アリール基等に、例えばニトロ基等の置換基を有していてもよい。
第一工程で用いられる上記一般式[18]で示されるアルデヒド又はケトンは、市販のものを用いればよく、具体的には、例えば2-ヒドロキシベンズアルデヒド(サリチルアルデヒド)、2-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンズアルデヒド、2-ヒドロキシ-5-メトキシベンズアルデヒド、2-ヒドロキシ-3-メチルベンズアルデヒド、2-ヒドロキシ-3-メチルベンズアルデヒド、2-ヒドロキシ-5-メチルベンズアルデヒド、3-アリル-2-ヒドロキシベンズアルデヒド、3-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンズアルデヒド、2-ヒドロキシ-3-ニトロベンズアルデヒド、2-ヒドロキシ-5-ニトロベンズアルデヒド、2,3-ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,4-ジヒドロキシ-5-メチルベンズアルデヒド、2,5-ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,3,4-トリヒドロキシベンズアルデヒド、2,4,5-トリヒドロキシベンズアルデヒド、3-フルオロ-2-ヒドロキシベンズアルデヒド、5-フルオロ-2-ヒドロキシベンズアルデヒド、3,5-ジフルオロ-2-ヒドロキシベンズアルデヒド、2-クロロ-6-ヒドロキシベンズアルデヒド、3-クロロ-2-ヒドロキシベンズアルデヒド、5-クロロ-2-ヒドロキシベンズアルデヒド、5-ブロモ-2-ヒドロキシベンズアルデヒド、2-ヒドロキシ-1-ナフトアルデヒド、1-ヒドロキシ-2-ナフトアルデヒド、メチル-3-ホルミル-4-ヒドロキシベンゾエート等のアルデヒド、例えばメチル-2-ヒドロキシフェニルケトン(2'-ヒドロキシアセトフェノン)、2',4'-ジヒドロキシアセトフェノン、2',5'-ジヒドロキシアセトフェノン、2',3',4'-トリヒドロキシアセトフェノン、2'-ヒドロキシ-5'-メチルアセトフェノン、2',4'-ジヒドロキシ-3'-メチルアセトフェノン、2',4'-ジヒドロキシ-3'-エチルアセトフェノン、2'-ヒドロキシ-4'-メトキシアセトフェノン、2'-ヒドロキシ-5'-メトキシアセトフェノン、2'-ヒドロキシ-6'-メトキシアセトフェノン、2'-ヒドロキシ-4'-エトキシアセトフェノン、2'-ヒドロキシ-5'-エトキシアセトフェノン、2'-ヒドロキシ-5'-ニトロアセトフェノン、4'-フルオロ-2'-ヒドロキシアセトフェノン、5'-フルオロ-2'-ヒドロキシアセトフェノン、5'-クロロ-2'-ヒドロキシアセトフェノン、5'-ブロモ-2'-ヒドロキシアセトフェノン、2'-ヒドロキシプロピオフェノン、2',4'-ジヒドロキシプロピオフェノン、2',4'-ジヒドロキシ-6'-メチルプロピオフェノン、1'-ヒドロキシ-2'-アセトナフトン、2'-ヒドロキシ-1'-アセトナフトン等のケトン等が挙げられる。なお、上記一般式[18]で示されるアルデヒド又はケトンが市販されていない場合には、2-ヒドロキシベンズアルデヒド(サリチルアルデヒド)又はメチル-2-ヒドロキシフェニルケトン(2'-ヒドロキシアセトフェノン)を用い、従来公知の方法で目的とする置換基をベンゼン環に導入したものを適宜用いればよい。
第一工程で用いられる上記一般式[19]で示されるWittig試薬は、市販のものを用いればよく、具体的には、例えば(エトキシカルボニルメチル)トリフェニルホスホラン、(エトキシカルボニルエチル)トリフェニルホスホラン、メトキシカルボニルメチル(トリフェニル)ホスホニウムブロミド、エトキシカルボニルメチル(トリフェニル)ホスホニウムブロミド等が挙げられる。なお、上記一般式[19]で示されるWittig試薬が市販されていない場合には、従来公知の方法で合成したWittig試薬を適宜用いればよい。
Wittig試薬を用いる第一工程は有機溶媒中で反応を行うことが好ましく、その場合に使用される有機溶媒としては、反応原料である一般式[18]で示されるアルデヒド又はケトン、一般式[19]で示されるWittig試薬と反応しない有機溶媒であれば特に制限はなく、具体的には、例えばヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)等の非極性有機溶媒、ジオキサン等の非プロトン性極性有機溶媒、これらの有機溶媒を脱水処理した脱水有機溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、夫々単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、当該有機溶媒の使用量としては特に限定されないが、例えば一般式[18]で示されるアルデヒド又はケトン1mmolに対して、通常0.1〜10mL、好ましくは0.2〜5mLである。
Wittig試薬を用いる第一工程における反応温度は、一般式[18]で示されるアルデヒド又はケトンと一般式[19]で示されるWittig試薬とが反応するような温度に設定すればよいが、当該アルデヒド又はケトンと当該Wittig試薬とが効率的に反応しカルボン酸エステルを収率よく合成できる温度に設定することが好ましい。具体的には、例えば通常0〜140℃、好ましくは20〜120℃である。
Wittig試薬を用いる第一工程における反応時間は、一般式[18]で示されるアルデヒド又はケトンに対する一般式[19]で示されるWittig試薬の種類及び使用量、有機溶媒の種類及び使用量、反応温度等により変動する場合があるので一概には言えないが、通常0.1〜24時間、好ましくは0.2〜12時間の範囲に設定される。
要すれば行われる加水分解反応は、カルボン酸エステルを加水分解してカルボン酸を生成する工程であり、例えば上記Wittig試薬を用いる第一工程の際の反応終了後の溶液を濃縮して得られる濃縮残渣に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物の水溶液を加えて反応を行えばよい。その際の反応温度及び反応時間としては、通常この分野で行われる加水分解反応に準じて適宜設定すればよく、反応温度としては、例えば通常0〜80℃、好ましくは10〜60℃であり、反応時間としては、例えば通常0.1〜24時間、好ましくは0.1〜12時間の範囲に設定される。
第一工程において、反応終了後の溶液から第一工程の生成物である一般式[9]で示されるカルボン酸又はカルボン酸エステルを単離、精製する方法としては、一般的な後処理、精製操作でよい。具体的には、例えばカルボン酸エステルの加水分解を行ってカルボン酸とした場合には、反応終了後の溶液(水溶液)を例えばジクロロメタン等で抽出、次いで抽出層に例えば塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸等の酸を加えて、そこで生じた結晶を濾取した後、適当な有機溶媒で洗浄すれば、効率よく精製できる。一方、カルボン酸エステルの加水分解を行わず、カルボン酸エステルで単離する場合には、反応終了後の溶液を例えば水等で洗浄し、洗浄後の有機層を濃縮して得られた濃縮残渣をカラムクロマトグラフィー等の方法により精製すればよい。
第二工程で用いられる上記一般式[21]で示されるアミンの具体例としては、例えばアンモニア、例えばモノ又はジメチルアミン、モノ又はジエチルアミン、モノ又はジ-n-プロピルアミン、モノ又はジイソプロピルアミン、モノ又はジ-n-ブチルアミン、モノ又はジイソブチルアミン、モノ又はジ-sec-ブチルアミン、モノ又はジ-tert-ブチルアミン、モノ又はジシクロブチルアミン、モノ又はジ-n-ペンチルアミン、モノ又はジイソペンチルアミン、モノ又はジ-sec-ペンチルアミン、モノ又はジ-tert-ペンチルアミン、モノ又はジネオペンチルアミン、モノ又はジ-2-メチルブチルアミン、モノ又はジ-1,2-ジメチルプロピルアミン、モノ又はジ-1-エチルプロピルアミン、モノ又はジシクロペンチルアミン、モノ又はジ-n-ヘキシルアミン、モノ又はジイソヘキシルアミン、モノ又はジ-sec-ヘキシルアミン、モノ又はジ-tert-ヘキシルアミン、モノ又はジネオヘキシルアミン、モノ又はジ-2-メチルペンチルアミン、モノ又はジ-1,2-ジメチルブチルアミン、モノ又はジ-2,3-ジメチルブチルアミン、モノ又はジ-1-エチルブチルアミン、モノ又はジシクロヘキシルアミン、モノ又はジ-n-ヘプチルアミン、モノ又はジイソヘプチルアミン、モノ又はジ-sec-ヘプチルアミン、モノ又はジ-tert-ヘプチルアミン、モノ又はジネオヘプチルアミン、モノ又はジシクロヘプチルアミン、モノ又はジ-n-オクチルアミン、モノ又はジイソオクチルアミン、モノ又はジ-sec-オクチルアミン、モノ又はジ-tert-オクチルアミン、モノ又はジネオオクチルアミン、モノ又はジ-2-エチルヘキシルアミン、モノ又はジシクロオクチルアミン、モノ又はジ-n-ノニルアミン、モノ又はジイソノニルアミン、モノ又はジ-sec-ノニルアミン、モノ又はジ-tert-ノニルアミン、モノ又はジネオノニルアミン、モノ又はジシクロノニルアミン、モノ又はジ-n-デシルアミン、モノ又はジイソデシルアミン、モノ又はジ-sec-デシルアミン、モノ又はジ-tert-デシルアミン、モノ又はジネオデシルアミン、モノ又はジシクロデシルアミン、モノ又はジノルボルニルアミン、モノ又はジボルニルアミン、モノ又はジアダマンチルアミン、モノ又はジメンチルアミン、エチルメチルアミン、メチル-n-プロピルアミン、メチルイソプロピルアミン、エチル-n-プロピルアミン、エチルイソプロピルアミン、n-プロピルイソプロピルアミン等の炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のモノ又はジアルキルアミン、例えばモノ又はジビニルアミン、モノ又はジ-1-プロペニルアミン、モノ又はジ-2-プロペニル基(モノ又はジアリルアミン)、モノ又はジイソプロペニルアミン、モノ又はジ-n-ブテニルアミン、モノ又はジ-n-ペンテニルアミン、モノ又はジシクロペンテニルアミン、モノ又はジ-n-ヘキセニルアミン、モノ又はジシクロヘキセニルアミン、モノ又はジ-n-ヘプテニルアミン、モノ又はジ-n-オクテニルアミン、モノ又はジ-n-ノネニルアミン、モノ又はジ-n-デセニルアミン等の炭素数2〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のモノ又はジアルケニルアミン、例えばモノ又はジエチニルアミン、モノ又はジ-1-プロピニルアミン、モノ又はジ-2-プロピニルアミン(モノ又はジプロパルギルアミン)、モノ又はジ-n-ブチニルアミン、モノ又はジ-1-メチルプロパルギルアミン、モノ又はジ-n-ペンチニルアミン、モノ又はジ-n-ヘキシニルアミン、モノ又はジ-n-ヘプチニルアミン、モノ又はジ-n-オクチニルアミン、モノ又はジ-n-ノニニルアミン、モノ又はジ-n-デシニルアミン等の炭素数2〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のモノ又はジアルキニルアミン、例えばモノ又はジフェニルアミン、モノ又はジ-1-ナフチルアミン、モノ又はジ-2-ナフチルアミン等の炭素数6〜10のモノ又はジアリールアミン、例えばモノ又はジベンジルアミン、モノ又はジフェネチルアミン、モノ又はジ-α-メチルベンジルアミン、モノ又はジ-3-フェニルプロピルアミン、モノ又はジ-1-メチル-1-フェニルエチルアミン、モノ又はジ-4-フェニルブチルアミン、モノ又はジ-2-メチル-2-フェニルプロピルアミン、モノ又はジ-1,2,3,4-テトラヒドロナフチルアミン等の炭素数7〜10のモノ又はジアラルキルアミン等のアミン、すなわち、一般式[1]で示される塩基発生剤において、Zで示される1級又は2級アミン由来の基が一般式[2]で示される1級又は2級アミン由来の基であって、当該一般式[2]におけるR及びRが夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状の炭化水素基であるものから生じる塩基(1級又は2級アミン)が挙げられる。
また、第二工程で用いられる上記一般式[21]で示されるアミンの具体例のなかでも、一般式[1]で示される塩基発生剤において、Zが一般式[2]で示される1級又は2級アミン由来の基であって、当該一般式[2]におけるR及びRがこれら(R及びR)が結合している窒素原子と共に、置換基を有していてもよい炭素数2〜10の含窒素脂肪族環又は含窒素芳香環を形成するものに相当する塩基(1級又は2級アミン)の具体例、すなわち、一般式[2]で示される1級又は2級アミン由来の基から発生する炭素数2〜10の含窒素脂肪族アミン又は含窒素芳香族アミンに相当する上記一般式[21]で示されるアミンの具体例としては、例えばアジリジン(3員環)、アゼチジン(4員環)、ピロリジン(5員環)、ピペリジン(6員環)、ヘキサメチレンイミン(アゼパン;7員環)、ヘプタメチレンイミン(アゾカン;8員環)、オクタメチレンイミン(アゾナン;9員環)、ノナメチレンイミン(アゼカン;10員環)、デカメチレンイミン(11員環)等の炭素数2〜10の含窒素脂肪族アミン、例えば2-メチルアジリジン(3員環)、2-メチルアゼチジン(4員環)、3-メチルアゼチジン(4員環)、2,5-ジメチルピロリジン(5員環)、2,5-ジエチルピロリジン(5員環)、2,5-ジプロピルピロリジン(5員環)、2,6-ジメチルピペリジン(6員環)、2,6-ジエチルピペリジン(6員環)、2,4,6-トリメチルピペリジン(6員環)等の脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基に置換している炭素数3〜10の含窒素脂肪族アミン、例えばオキサゾリジン(5員環)、チアゾリジン(5員環)、モルホリン(6員環)、チオモルホリン(6員環)等の窒素原子以外のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子等)を有する炭素数3〜10の含窒素脂肪族アミン、例えば2,5-ジメチルモルホリン(6員環)、2,5-ジエチルモルホリン(6員環)、2,5-ジプロピルモルホリン(6員環)、2,5-ジメチルチオモルホリン(6員環)、2,5-ジエチルチオモルホリン(6員環)、2,5-ジプロピルチオモルホリン(6員環)等の窒素原子以外のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子等)を有し、脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基に置換している炭素数4〜10の含窒素脂肪族アミン、例えばピロール(5員環)、イミダゾール(5員環)、ピラゾール(5員環)等の炭素数3〜4の含窒素芳香族アミン、例えば2,5-ジメチルピロール(5員環)、2,5-ジエチルピロール(5員環)、2,5-ジプロピルピロール(5員環)、2,5-ジメチルイミダゾール(5員環)、2,5-ジエチルイミダゾール(5員環)、2,5-ジプロピルイミダゾール(5員環)、3,5-ジメチルピラゾール(5員環)、3,5-ジエチルピラゾール(5員環)、3,5-ジプロピルピラゾール(5員環)等の芳香環を構成する炭素原子に結合する水素原子がメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基に置換している炭素数4〜10の含窒素芳香族アミン等が挙げられる。
更に、一般式[1]で示される塩基発生剤において、Zが一般式[3]で示される1級又は2級アミン由来の基に相当する上記一般式[22]で示されるアミンの具体例、すわなち、一般式[3]で示される1級又は2級アミン由来の基から発生する塩基(1級又は2級アミン)に相当するものの具体例としては、例えばエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、N,N'-ジメチルエチレンジアミン、N,N'-ジメチルトリメチレンジアミン、N,N'-ジメチルテトラメチレンジアミン、N,N'-ジメチルペンタメチレンジアミン、N,N'-ジメチルヘキサメチレンジアミン、N,N'-ジメチルヘプタメチレンジアミン、N,N'-ジメチルオクタメチレンジアミン、N,N'-ジメチルノナメチレンジアミン、N,N'-ジメチルデカメチレンジアミン、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン等のジアミンが挙げられる。
更にまた、一般式[1]で示される塩基発生剤において、Zが一般式[4]で示される2級アミン由来の基に相当する上記一般式[23]で示されるアミンの具体例、すわなち、一般式[4]で示される2級アミン由来の基から発生する塩基(2級アミン)に相当するものの具体例としては、例えばビス(3-ピロリジル)メタン、1,2-ビス(3-ピロリジル)エタン、1,3-ビス(3-ピロリジル)プロパン、ビス(4-ピペリジル)メタン、1,2-ビス(4-ピペリジル)エタン、1,3-ビス(4-ピペリジル)プロパン、ビス[3-(2,5-ジメチルピロリジル)]メタン、1,2-ビス[3-(2,5-ジメチルピロリジル)]エタン、1,3-ビス[3-(2,5-ジメチルピロリジル)]プロパン、ビス[4-(2,6-ジメチルピペリジル)]メタン、1,2-ビス[4-(2,6-ジメチルピペリジル)]エタン、1,3-ビス[4-(2,6-ジメチルピペリジル)]プロパン等のジアミンが挙げられる。
また、上記した以外のそのほかのアミンの具体例としては、例えばモノ又はジエタノールアミン、モノ又はジエタンチオールアミン、例えばモノ又はジパーフルオロメチルアミン、モノ又はジパーフルオロエチルアミン、モノ又はジパーフルオロ-n-プロピルアミン、モノ又はジパーフルオロイソプロピルアミン、モノ又はジパーフルオロ-n-ブチルアミン、モノ又はジパーフルオロイソブチルアミン、モノ又はジパーフルオロ-sec-ブチルアミン、モノ又はジパーフルオロ-tert-ブチルアミン、モノ又はジパーフルオロシクロブチルアミン等のモノ又はジパーフルオロアルキルアミン、例えばモノ又はジ-o-ニトロフェニルアミン、モノ又はジ-m-ニトロフェニルアミン、モノ又はジ-p-ニトロフェニルアミン、モノ又はジ-o-シアノフェニルアミン、モノ又はジ-m-シアノフェニルアミン、モノ又はジ-p-シアノフェニルアミン、モノ又はジ-o-ニトロベンジルアミン、モノ又はジ-m-ニトロベンジルアミン、モノ又はジ-p-ニトロベンジルアミン、モノ又はジ-o-シアノベンジルアミン、モノ又はジ-m-シアノベンジルアミン、モノ又はジ-p-シアノベンジルアミン等の一般式[1]で示される塩基発生剤において、Zが一般式[2]で示される1級又は2級アミン由来の基であって、当該一般式[2]におけるRが水素原子又は置換基を有する炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状の炭化水素基であり、Rが置換基を有する炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状の炭化水素基に相当する上記一般式[21]で示されるアミン、例えば4-ヒドロキシピペリジン(6員環)、4-メルカプトピペリジン(6員環)、4-シアノピペリジン(6員環)、4-ニトロピペリジン(6員環)、4-クロロピペリジン(6員環)、4-ブロモピペリジン(6員環)等の一般式[1]で示される塩基発生剤において、Zが一般式[2]で示される1級又は2級アミン由来の基であって、当該一般式[2]におけるR及びRがこれら(R及びR)が結合している窒素原子と共に、置換基を有する炭素数2〜10の含窒素脂肪族環又は含窒素芳香環を形成するものに相当する上記一般式[21]で示されるアミン、例えばピペラジン等の環式ジアミン、例えばフェニレンジアミン等の芳香族ジアミン等が挙げられるが、これらの例に何ら限定されるものではない。また、これらアミンは、目的とする一般式[1]で示される塩基発生剤の構造により、上記アミンの何れかを適宜選択して用いればよい。なお、これらのアミンは、市販のものを用いれば足りる。
第二工程において、上記一般式[20]で示されるカルボン酸又はカルボン酸エステルのうち、カルボン酸を用いる場合には、該カルボン酸を例えば一旦混合酸無水物等に変換し活性化させて上記一般式[21]、[22]又は[23]で示されるアミンと反応させてもよい。カルボン酸を活性化させる際に用いられる活性化剤としては、具体的には、例えばクロロギ酸メチル、ブロモギ酸メチル、クロロギ酸エチル、ブロモギ酸エチル、クロロギ酸プロピル、ブロモギ酸プロピル、クロロギ酸ブチル、ブロモギ酸ブチル等のハロゲン化ギ酸アルキル、例えばクロロギ酸フェニル、ブロモギ酸フェニル、クロロギ酸-2-クロロフェニル、ブロモギ酸-2-クロロフェニル、クロロギ酸-4-クロロフェニル、ブロモギ酸-4-クロロフェニル、クロロギ酸-2-ブロモフェニル、ブロモギ酸-2-ブロモフェニル、クロロギ酸-4-ブロモフェニル、ブロモギ酸-4-ブロモフェニル、クロロギ酸-2-ニトロフェニル、ブロモギ酸-2-ニトロフェニル、クロロギ酸-4-ニトロフェニル、ブロモギ酸-4-ニトロフェニル、クロロギ酸ナフチル、ブロモギ酸ナフチル等のハロゲン化ギ酸アリール等のハロゲン化ギ酸エステルが挙げられる。これらのハロゲン化ギ酸エステルは、夫々単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、当該ハロゲン化ギ酸エステルの使用量としては特に限定されないが、例えば一般式[20]で示されるカルボン酸に対して、通常0.8〜10.0当量、好ましくは0.8〜3.0当量である。なお、これらのハロゲン化ギ酸エステルは、市販のものを用いれば足りる。
第二工程において、上記した如きハロゲン化ギ酸エステル等の活性化剤を用いる場合には、例えばトリエチルアミン、ピリジン、N,N-ジメチルアミノピリジン、N-メチルモルホリン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)等の3級アミンを用いることが望ましい。これらの3級アミンは、夫々単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、当該3級アミンの使用量としては特に限定されないが、例えば一般式[20]で示されるカルボン酸に対して、通常0.8〜10.0当量、好ましくは0.8〜3.0当量である。なお、これらの3級アミンは、市販のものを用いれば足りる。
第二工程は有機溶媒中で反応を行ってもよいし無溶媒で反応を行ってもよいが、反応が円滑に進行するように有機溶媒中で反応を行うことが好ましい。その場合に使用される有機溶媒としては、反応原料である一般式[20]で示されるカルボン酸又はカルボン酸エステル、一般式[21]、[22]又は[23]で示されるアミンと反応しない有機溶媒であれば特に制限はなく、具体的には、例えばヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)等の非極性有機溶媒、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性有機溶媒、これらの有機溶媒を脱水処理した脱水有機溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、夫々単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、当該有機溶媒の使用量としては特に限定されないが、例えば一般式[20]で示されるカルボン酸又はカルボン酸エステル1mmolに対して、通常0.1〜10mL、好ましくは0.2〜5mLである。
第二工程における反応温度は、一般式[20]で示されるカルボン酸又はカルボン酸エステルと一般式[21]、[22]又は[23]で示されるアミンとが反応するような温度に設定すればよいが、当該カルボン酸又はカルボン酸エステルと当該アミンとが効率的に反応し目的とする一般式[1]で示される塩基発生剤を収率よく合成できる温度に設定することが好ましい。具体的には、例えば通常−40〜120℃、好ましくは−20〜100℃である。
第二工程における反応時間は、一般式[20]で示されるカルボン酸又はカルボン酸エステルに対する一般式[21]、[22]又は[23]で示されるアミンの種類及び使用量、ハロゲン化ギ酸アルキル等の活性化剤の有無、その種類及び使用量、有機溶媒の種類及び使用量、反応温度等により変動する場合があるので一概には言えないが、通常0.1〜24時間、好ましくは0.2〜12時間の範囲に設定される。
第二工程において、反応終了後の溶液から第二工程の生成物である一般式[1]で示される塩基発生剤を単離、精製する方法としては、一般的な後処理、精製操作でよい。具体的には、例えば反応終了後の溶液にジクロロメタン等の適当な有機溶媒を投入し、その溶液を炭酸水素ナトリウム、水等で洗浄後、洗浄後の溶液を濃縮した濃縮残渣について、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の適当な精製操作を行って単離すればよい。
なお、上記の製造方法はあくまで一例であって、他の方法で一般式[1]で示される塩基発生剤を合成してもよい。具体的には、例えば一般式[7]で示されるアルデヒド又はケトンの水酸基を保護した後に上記第一工程を行い、次いで第二工程の前後で適宜当該水酸基の脱保護を行って、目的とする一般式[1]で示される塩基発生剤を合成してもよい。また、上記したようなWittig試薬を用いる工程でなくとも、一般式[1]におけるR及び/又はRの種類によって、例えばKnoevenagel反応、Perkin反応、Horner-Wadsworth-Emmons反応、Heck反応を行うことで合成してもよい。更にまた、上記第二工程は、混合酸無水物法に限らず、(水溶性)カルボジイミド等の縮合剤や各種脱水触媒を用いる方法で行ってもよい。
本発明に係る塩基反応性樹脂としては、上記した如き一般式[1]で示される塩基発生剤から発生する塩基(1級又は2級アミン)と反応するものであれば特に限定されず、従来公知のレジスト組成物や感光性樹脂組成物に用いられているものが使用できる。また、例えば塩基(1級又は2級アミン)が触媒として作用し、最終的に塩基反応性樹脂が反応するものも、塩基反応性樹脂に含まれる。以下に本発明に係る塩基反応性樹脂の具体例を挙げるが、当該塩基反応性樹脂は何らこれらに限定されるものではない。
本発明に係る塩基反応性樹脂としては、具体的には、例えば塩基反応性官能基を有し重合反応を起こす樹脂、塩基反応性官能基を有し分子間架橋反応を起こす樹脂、塩基反応性官能基を有し加水分解・縮重合反応を起こす樹脂、塩基反応性官能基を有し環化反応を起こす樹脂等が挙げられる。ここで、塩基反応性官能基とはエポキシ基、オキセタン基、チイラン基、ヒドロキシル基、メルカプト基、シロキシ基、カルボキシル基、シアノ基、イソシアネート基、アミノ基等が挙げられる。
塩基反応性官能基を有し重合反応を起こす樹脂としては、例えば分子内に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するモノマー、分子内に少なくとも2個以上のチイラン基を有するモノマー等が挙げられ、本発明においては、分子内に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するモノマーをエポキシ樹脂、分子内に少なくとも2個以上のチイラン基を有するモノマーをエピスルフィド樹脂と定義する。このようなエポキシ樹脂の具体例としては、例えばポリ(グリシジル(メタ)アクリレート)等のグリシジルエステル系エポキシ樹脂、例えばエピオールG-100等のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、例えばjER630等のグリシジルアミン系エポキシ樹脂、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール系エポキシ樹脂、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック系エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのエポキシ樹脂はハロゲン化されていてもよいし、水素添加されていてもよい。なお、本発明において、上記(メタ)アクリレートとは、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味する。また、エピスルフィド樹脂の具体例としては、上記した如きエポキシ樹脂の酸素原子が硫黄原子に置換されたエピスルフィド樹脂が挙げられる。これらエポキシ樹脂、エピスルフィド樹脂の市販品としては、例えば旭化成ケミカルズ株式会社製のAERシリーズ(250)、例えば株式会社ADEKA製のアデカレジンEP-4100シリーズ、EP-4500シリーズ、EP-4000シリーズ、EPUシリーズ、EPRシリーズ、例えば三菱化学株式会社製のjERシリーズ(827、828、801N、801PN、1001、1002、806、807、4004P、152、154、604、630、871、YX8000、YX8034、YX4000等)、例えばDIC株式会社製のEPICLONシリーズ(830、840、N-660等)、ダウ・ケミカル株式会社製のDERシリーズ(6116、6155等)、新日鐵株式会社製のYDシリーズ、YDFシリーズ、YDCNシリーズ、YDBシリーズ、日本化薬株式会社製のEOCN、EPPN、NCシリーズ、BRENシリーズ、日油株式会社製のエピオールシリーズ(G-100、E-100、E-400、NPG-100)等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
エポキシ樹脂、エピスルフィド樹脂等の塩基反応性官能基を有し重合反応を起こす樹脂の重量平均分子量は、本発明の感光性樹脂組成物の耐熱性、塗布性、後述する有機溶剤への溶解性、現像液への溶解性等の観点から、300〜100000とすることが好ましく、300〜30000とすることがより好ましい。重量平均分子量が300未満である場合には、本発明の感光性樹脂組成物から得られる塗膜又は成形体の強度が不十分となるおそれがあり、100000を超える場合には、樹脂自体の粘度が上昇して溶解性が悪くなるばかりでなく、硬化膜表面が均質で膜厚が一定のものを得るのが難しくなることから好ましくない。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し、標準ポリスチレン換算した値である。
塩基反応性官能基を有し分子間架橋反応を起こす樹脂としては、例えば分子内に少なくとも2個以上のイソシアネート基を有するモノマーと分子内に少なくとも2個以上のヒドロキシル基を有するモノマーの組み合わせ、分子内に少なくとも2個以上のイソシアネート基を有するモノマーと分子内に少なくとも2個以上のメルカプト基を有するモノマーの組み合わせ等が挙げられ、当該イソシアネート基とヒドロキシル基又はメルカプト基との反応により、(チオ)ウレタン結合が形成され高分子となり得る。なお、本発明において、上記(チオ)ウレタン結合とは、ウレタン結合及び/又はチオウレタン結合を意味する。ここで、本発明においては、分子内に少なくとも2個以上のイソシアネート基を有するモノマーをイソシアネート樹脂、分子内に少なくとも2個以上のヒドロキシル基を有するモノマーをポリオール樹脂、分子内に少なくとも2個以上のメルカプト基を有するモノマーをポリチオール樹脂と定義する。このようなイソシアネート樹脂の具体例としては、例えば4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられ、これらのイソシアネート樹脂はハロゲン化されていてもよいし、水素添加されていてもよい。また、ポリオール樹脂の具体例としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール等の低分子のポリオール樹脂の他、重量平均分子量3000以上のポリマーの側鎖又は末端にヒドロキシル基が存在する高分子を用いてもよい。更に、ポリチオール樹脂の具体例としては、上記した如きポリオール樹脂の酸素原子が硫黄原子に置換されたポリチオール樹脂が挙げられる。これらイソシアネート樹脂とポリオール樹脂又はポリチオール樹脂の組み合わせからなる市販品としては、例えば日本ポリウレタン株式会社製のミリオネートMS-50等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
イソシアネート樹脂、ポリオール樹脂、ポリチオール樹脂等の塩基反応性官能基を有し分子間架橋反応を起こす樹脂の重量平均分子量は、本発明の感光性樹脂組成物の耐熱性、塗布性、後述する有機溶剤への溶解性、現像液への溶解性等の観点から、300〜100000とすることが好ましく、300〜30000とすることがより好ましい。重量平均分子量が300未満である場合には、本発明の感光性樹脂組成物から得られる塗膜又は成形体の強度が不十分となるおそれがあり、100000を超える場合には、樹脂自体の粘度が上昇して溶解性が悪くなるばかりでなく、硬化膜表面が均質で膜厚が一定のものを得るのが難しくなることから好ましくない。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し、標準ポリスチレン換算した値である。
塩基反応性官能基を有し加水分解・縮重合反応を起こす樹脂としては、例えば分子内に少なくとも2個以上のシロキシ基を有するモノマー等が挙げられ、本発明においては、分子内に少なくとも2個以上のシロキシ基を有するモノマーをポリシロキサン樹脂と定義する。このようなポリシロキサン樹脂の具体例としては、例えばポリ(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、これらのポリシロキサン樹脂はハロゲン化されていてもよいし、水素添加されていてもよい。これらポリシロキサン樹脂の市販品としては、例えば東亜合成株式会社製のSQシリーズ等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
ポリシロキサン樹脂等の塩基反応性官能基を有し加水分解・縮重合反応を起こす樹脂の重量平均分子量は、本発明の感光性樹脂組成物の耐熱性、塗布性、後述する有機溶剤への溶解性、現像液への溶解性等の観点から、300〜100000とすることが好ましく、300〜30000とすることがより好ましい。重量平均分子量が300未満である場合には、本発明の感光性樹脂組成物から得られる塗膜又は成形体の強度が不十分となるおそれがあり、100000を超える場合には、樹脂自体の粘度が上昇して溶解性が悪くなるばかりでなく、硬化膜表面が均質で膜厚が一定のものを得るのが難しくなることから好ましくない。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し、標準ポリスチレン換算した値である。
塩基反応性官能基を有し環化反応を起こす樹脂としては、例えばポリアミック酸樹脂等が挙げられ、酸無水物とジアミンとの反応によって得られる従来公知のポリアミック酸樹脂を用いることができる。具体的には、例えばピロメリット酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、4-(1,2-ジカルボキシエチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1,2-ジカルボン酸二無水物、5-(1,2-ジカルボキシエチル)-3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物とフェニレンジアミン、ジアミノビフェニルエーテル、ジアミノベンゾフェノン等のジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸樹脂が挙げられ、これらのポリアミック酸樹脂はハロゲン化されていてもよいし、水素添加されていてもよい。なお、これらのポリアミック酸樹脂は、単一の繰り返し単位からなるものであっても、2種以上の繰り返し単位からなるものであってもよい。これらポリアミック酸樹脂の市販品としては、例えば宇部興産株式会社製のユーピレックス、東レデュポン株式会社製のカプトン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
ポリアミック酸樹脂等の塩基反応性官能基を有し環化反応を起こす樹脂の重量平均分子量は、本発明の感光性樹脂組成物の耐熱性、塗布性、後述する有機溶剤への溶解性、現像液への溶解性等の観点から、300〜100000とすることが好ましく、300〜30000とすることがより好ましい。重量平均分子量が300未満である場合には、本発明の感光性樹脂組成物から得られる塗膜又は成形体の強度が不十分となるおそれがあり、100000を超える場合には、樹脂自体の粘度が上昇して溶解性が悪くなるばかりでなく、硬化膜表面が均質で膜厚が一定のものを得るのが難しくなることから好ましくない。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し、標準ポリスチレン換算した値である。
本発明の感光性樹脂組成物は、一般式[1]で示される塩基発生剤及び塩基反応性樹脂からなるものであってもよいが、本発明の感光性樹脂組成物の塗布性等を考慮した場合には、本発明の感光性樹脂組成物のうち、有機溶剤を含有する組成物が望ましい場合もある。このような有機溶剤としては、本発明に係る塩基発生剤が種々の有機溶剤に高い溶解性を示すことから、通常この分野で用いられている有機溶剤であれば特に限定されず、種々の有機溶剤を使用することができる。具体的には、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、tert-ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ-ブチロラクトン等のエステル系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等のグリコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン等のケトン系溶剤、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルメトキシアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、N-メチルピロリドン(NMP)等のアミド系溶剤、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤等が挙げられる。これらの有機溶剤のなかでも、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、グリコール系溶剤が好ましい。アルコール系、エステル系、グリコール系の有機溶剤は、(1)中程度の沸点を有するので通常室温で行う組成物の調製を安定して行うことができるばかりでなく、プレベーク時のベーク温度を高温にする必要がないため、塩基発生剤、塩基反応性樹脂等が熱による悪影響を受けにくい、(2)基板との相性が良くスピンコートの際の組成物の延びが良好であるため、該組成物を基板上に簡便に塗布することができる、(3)他の有機溶剤と比較して塩基発生剤の溶解性が高いので、例えば本発明のパターン形成方法に係る塗膜を作製する工程の際に塩基発生剤が相分離を起こしにくい、(4)アミド系溶剤のように分解物が塩基性を示すことがないため安定性が高い、という特徴がある。なお、これらの有機溶媒は、夫々単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の感光性樹脂組成物には、本発明の効果を妨げない範囲で本発明に係る一般式[1]で示される塩基発生剤の補助的な役割として、例えば9-フルオレニルメチルカルバメート等の塩基増殖剤、例えばベンゾフェノン、ジエチルチオキサントン等の光増感剤等を添加してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物において、上記一般式[1]で示される塩基発生剤は、上記塩基反応性樹脂に対して、1〜80重量%の塩基発生剤を含有していることが好ましく、なかでも、10〜30重量%の塩基発生剤を含有していることがより好ましい。塩基発生剤の含有量が1重量%未満である場合には、本発明の感光性樹脂組成物の光硬化が不十分となるおそれがあり、80重量%を超える場合には、塩基発生剤自体が塩基反応性樹脂の溶解性に悪影響を及ぼすおそれがあるばかりでなく、経済性の観点から好ましくない。
本発明の感光性樹脂組成物において、該感光性樹脂組成物のうち、有機溶剤を含有する組成物の場合には、本発明に係る塩基反応性樹脂は、上記有機溶剤1mLに対して、0.1〜1.0gの塩基反応性樹脂を含有していることが好ましく、なかでも、0.1〜0.5gの塩基反応性樹脂を含有していることがより好ましい。塩基反応性樹脂の含有量が0.1g未満である場合には、本発明の感光性樹脂組成物を用いて塗膜を作製する場合に成膜そのものが困難となる場合があり、1.0gを超える場合には、塩基反応性樹脂自体が有機溶剤に溶解しなくなるおそれがあるばかりでなく、相対的に有機溶剤の含有量が少なくなり塗布性が悪くなることから好ましくない。
本発明の樹脂硬化方法は、本発明の感光性樹脂組成物を用いることを特徴とし、当該感光性樹脂組成物から作製された塗膜又は成形体に活性エネルギー線を照射する工程を含むものである。より具体的には、例えば本発明の感光性樹脂組成物を、所定の基板に塗布して塗膜を作製するか、或いは特定の形に成形して成形体を作製し、必要に応じてプレベーク等を行って溶媒を除去し、次いで活性エネルギー線を照射後、必要に応じてポストベーク等を行って塗膜或いは成形体を硬化させて硬化膜或いは硬化成形体を作製することができる。
また、本発明のパターン形成方法は、本発明の感光性樹脂組成物を用いることを特徴とし、当該感光性樹脂組成物から作製された塗膜に所定のパターンで活性エネルギー線を照射する工程と該工程後の塗膜を現像する工程とを含むものである。より具体的には、例えば本発明の感光性樹脂組成物を、所定の基板に塗布して塗膜を作製後、必要に応じてプレベーク等を行って溶媒を除去する。次いで所定のパターンを有するホトマスクを介して活性エネルギー線を照射後、ポストベークを行って露光部を硬化させる。更に、露光部(硬化部)と未露光部(未硬化部)とで溶解度に差がある溶液(現像液)で現像して未露光部(未硬化部)を洗い流す。これにより、所定形状のパターンを有する硬化膜を作製することができる。
塗膜又は成形体を作製する際の基板への塗布は公知の方法で行えばよく、具体的には、例えばスピンコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ディッピング法等が挙げられる。また、塗膜又は成形体の作製後に必要に応じて行われるプレベークは、本発明に係る有機溶剤を蒸散させることを主な目的として行われ、例えば塗膜又は成形体が作製された基板等にクリーンオーブン等の加熱機器を用いて加熱乾燥風をあてる方法、例えば塗膜又は成形体が作製された基板等をホットプレート上に載せて加熱する方法等の公知の方法が挙げられる。プレベークの際の加熱温度は、本発明に係る一般式[1]で示される塩基発生剤の種類、塩基反応性樹脂の種類、有機溶剤の種類に応じて適宜設定すればよい。具体的な加熱温度としては、通常50〜300℃、好ましくは80〜150℃である。また、具体的な加熱時間としては、通常1〜120分、好ましくは1〜60分である。なお、加熱温度は、加熱初期の段階から所望とする温度に保っていてもよいし、所望とする温度まで段階的に昇温させてもよい。
塗膜又は成形体に活性エネルギー線を照射する際に用いられる露光装置や露光方法は特に制限されず、公知の露光装置や露光方法で行えばよい。本発明に係る一般式[1]で示される塩基発生剤は、波長150〜500nmの活性エネルギー線に感受性を示す塩基発生剤が好適に用いられるため、このような波長を照射する露光装置を用いることが好ましい。また、露光方法としては、密着露光でも間接露光でもよく、カットフィルター等を用いて不必要な波長の活性エネルギー線を遮断して、所望とする波長の活性エネルギー線のみを照射してもよい。
活性エネルギー線を照射した後に必要に応じて行われるポストベークとしては、例えば活性エネルギー線を照射した後の基板にクリーンオーブン等の加熱機器を用いて加熱乾燥風をあてる方法等の公知の方法が挙げられる。ポストベークの際の加熱温度は、本発明に係る一般式[1]で示される塩基発生剤の種類、塩基反応性樹脂の種類、有機溶剤の種類に応じて適宜設定すればよい。具体的な加熱温度としては、通常50〜300℃、好ましくは80〜150℃である。また、具体的な加熱時間としては、通常1〜120分、好ましくは1〜60分である。なお、加熱温度は、加熱初期の段階から所望とする温度に保っていてもよいし、所望とする温度まで段階的に昇温させてもよい。ここで行われるポストベークは、プレベークよりも更に高い温度で加熱することで、本発明に係る有機溶剤を蒸散させると共に、露光部(硬化部)において本発明に係る一般式[1]で示される塩基発生剤から発生した塩基(1級又は2級アミン)による塩基反応性樹脂への反応を促進させ、硬化をより一層生起させることにある。
本発明のパターン形成方法において、露光部(硬化部)と未露光部(未硬化部)とで溶解度に差がある溶液で現像して未露光部(未硬化部)を洗い流す際に用いられる現像液としては、用いられる塩基反応性樹脂の種類によって適宜選択すればよく、例えば有機溶媒、塩基性水溶液等が挙げられる。
上記有機溶媒としては特に限定されないが、具体的には、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、例えばN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルアクリルアミド等のアミド系溶媒、例えばジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、酢酸エチル、乳酸エチル、γ-ブチロラクトン等のエステル系溶媒、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグルコール系溶媒例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、例えばアセトニトリル等のニトリル系溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、夫々単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記塩基性水溶液としては特に限定されないが、具体的には、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機アルカリ、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等の有機アルカリの水溶液等が挙げられる。また、上記のアルカリ水溶液の濃度としては、通常1〜50重量%、好ましくは5〜25重量%である。なお、これらの塩基性水溶液に、現像残渣の除去を促進させる作用を有するノニオン性界面活性剤等の界面活性剤、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒を適量添加したものをアルカリ現像液として使用することも可能である。また、これらの塩基性水溶液は、夫々単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記した如き現像工程の際の現像方法としては、ディッピング法、シャワー法、スプレー法等の従来公知の方法を適宜採用すればよく、当該現像工程に係る現像時間としては、通常1〜10分間である。
本発明のパターン形成方法は、上記した如き工程に加え、現像後に洗浄工程(リンス工程)、加熱工程を含んでいてもよい。洗浄工程(リンス工程)は、現像で除去しきれなかった不要な部分を洗い流すと共に、塗膜上に付着している現像液を除去する効果があり、当該洗浄工程(リンス工程)に係る洗浄時間は、通常0.5〜1分間である。また、加熱工程は、作製された硬化樹脂パターンを耐熱性を有するものとするために適宜行われ、具体的には、例えば通常50〜200℃、好ましくは100〜150℃の温度で0.5〜1時間加熱することにより高耐熱性の硬化樹脂パターンを得ることができる。
このようにして得られる硬化樹脂又は硬化樹脂パターンは、例えば塗料、印刷インキ、歯科材料、レジスト等の通常この分野で用いられている物品の全部又は一部として提供される。すなわち、本発明の感光性樹脂組成物は、塗料、印刷インキ、歯科材料、レジスト等の光硬化性材料として用いることができ、なかでも、例えば半導体素子の製造工程におけるレジスト材料、半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜、反射防止膜、配向膜、電子部品の絶縁材料等として好適に用いることができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
合成例1 2-アセチルフェニルアセテートの合成
2-ヒドロキシアセトフェノン6.8g(50.0mmol;和光純薬工業(株)製)、トリエチルアミン5.0g(50.0mmol)及びN,N-ジメチルアミノピリジン0.61g(5.0mmol)をアセトン20mLに溶解させた溶液に、無水酢酸5.1g(50.0mmol;和光純薬工業(株)製)を滴下した後、室温で1時間攪拌した。反応終了後、反応液を減圧濃縮し、濃縮残渣にジクロロメタンを加え、その溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びイオン交換水で順に洗浄した。洗浄後の有機相を減圧濃縮することで析出した結晶を濾取した後、該結晶を乾燥することにより、白色結晶の2-アセチルフェニルアセテート8.81g(49.4mmol、収率:98.9%)を得た。以下にH-NMRの測定結果を示す。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):2.35(3H,s,CH),2.64(3H,s,CH),7.11(1H,d,ArH),7.34(1H,t,ArH),7.52(1H,t,ArH),7.82(1H,d,ArH)
合成例2 (E)-3-(2-ヒドロキシフェニル)-2-ブテン酸の合成
トルエン50mL中に、合成例1で得た2-アセチルフェニルアセテート8.81gのうち、8.50g(47.7mmol)及び(エトキシカルボニルメチル)トリフェニルホスホラン25.3g(72.6mmol;和光純薬工業(株)製)を加え、5時間加熱還流した。反応終了後、反応液を減圧濃縮して得られた濃縮残渣に、25%水酸化ナトリウム水溶液30mLを加え、室温で1時間攪拌した。反応終了後、反応液をジクロロメタンで抽出し、当該抽出液にクエン酸水溶液を加えて液性を酸性とした際に析出した結晶を濾取した後、該結晶を乾燥することにより、白色結晶の(E)-3-(2-ヒドロキシフェニル)-2-ブテン酸4.21g(23.6mmol、収率:49.5%)を得た。以下にH-NMRの測定結果を示す。
H-NMR(400MHz,d-DMSO)δ(ppm):2.40(3H,s,CH),5.81(1H,s,CH),6.77(1H,t,ArH),6.84(1H,d,ArH),7.08(1H,d,ArH),7.16(1H,t,ArH),9.64(1H,brs,ArOH),12.08(1H,brs,COOH)
合成例3 (E)-1-[3-(2-ヒドロキシフェニル)-2-ブテノイル]-ピペリジン(本発明に係る一般式[1]で示される塩基発生剤)の合成
合成例2で得た(E)-3-(2-ヒドロキシフェニル)-2-ブテン酸4.21gのうち、2.99g(16.8mmol)及びN-メチルモルホリン3.39g(33.6mmol;和光純薬工業(株)製)を1,2-ジメトキシエタン20mLに溶解させた溶液に、氷冷下でクロロギ酸イソブチル4.58g(33.6mmol;和光純薬工業(株)製)を滴下した後、室温で0.5時間攪拌した。反応終了後、反応で生じたN-メチルモルホリン塩酸塩を濾過して除去し、そこで得られた濾液にピペリジン2.86g(33.6mmol;和光純薬工業(株)製)を加え、80℃で1時間攪拌した。反応終了後、反応液にジクロロメタンを加え、その溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びイオン交換水で順に洗浄した。洗浄後の有機相を減圧濃縮することで析出した結晶を濾取した後、該結晶をジイソプロピルエーテルで洗浄して乾燥することにより、白色結晶の上記式[15]で示される(E)-1-[3-(2-ヒドロキシフェニル)-2-ブテノイル]-ピペリジン1.27g(5.1mmol、収率:30.3%)を得た。以下にH-NMRの測定結果を示す。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.58-1.69(6H,m,CH×3),2.20(3H,s,CH),3.46(2H,m,CH),3.64(2H,m,CH),6.13(1H,s,CH),6.56(1H,brs,ArOH),6.86-6.92(2H,m,ArH×2),7.12-7.26(2H,m,ArH×2)
合成例4 (E)-3-(2-ヒドロキシフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸の合成
トルエン50mL中に、サリチルアルデヒド6.10g(50.0mmol;和光純薬工業(株)製)及び(エトキシカルボニルエチル)トリフェニルホスホラン19.9g(55.0mmol;Aldrich社製)を加え、3時間加熱還流した。反応終了後、反応液を減圧濃縮して得られた濃縮残渣に、25%水酸化ナトリウム水溶液20mLを加え、室温で1時間攪拌した。反応終了後、反応液をジクロロメタンで抽出し、当該抽出液に塩酸を加えて液性を酸性とした際に析出した結晶を濾取した後、該結晶を乾燥することにより、白色結晶の(E)-3-(2-ヒドロキシフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸5.87g(32.9mmol、収率:65.8%)を得た。以下にH-NMRの測定結果を示す。
H-NMR(400MHz,d-DMSO)δ(ppm):1.97(3H,s,CH),6.84(1H,t,ArH),6.90(1H,d,ArH),7.18(1H,t,ArH),7.30(1H,d,ArH),7.74(1H,s,CH),9.82(1H,brs,ArOH),12.34(1H,brs,COOH)
合成例5 (E)-1-[3-(2-ヒドロキシフェニル)-2-メチル-2-プロペノイル]-ピペリジン(本発明に係る一般式[1]で示される塩基発生剤)の合成
合成例4と同様の手法で得た(E)-3-(2-ヒドロキシフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸6.15g(34.5mmol)及びN-メチルモルホリン3.54g(35.0mmol;和光純薬工業(株)製)を1,2-ジメトキシエタン20mLに溶解させた溶液に、氷冷下でクロロギ酸イソブチル4.78g(35.0mmol;和光純薬工業(株)製)を滴下した後、室温で0.5時間攪拌した。反応終了後、反応で生じたN-メチルモルホリン塩酸塩を濾過して除去し、そこで得られた濾液にピペリジン5.96g(70.0mmol;和光純薬工業(株)製)を加え、80℃で1時間攪拌した。反応終了後、反応液にジクロロメタンを加え、その溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びイオン交換水で順に洗浄した。洗浄後の有機相を減圧濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、微黄色粉末の上記式[16]で示される(E)-1-[3-(2-ヒドロキシフェニル)-2-メチル-2-プロペノイル]-ピペリジン2.33g(15.3mmol、収率:30.8%)を得た。以下にH-NMRの測定結果を示す。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.59-1.66(6H,m,CH×3),1.96(3H,s,CH),3.58(4H,m,CH×2),6.61(1H,s,CH),6.83(1H,t,ArH),6.94(1H,d,ArH),7.12-7.26(2H,d,ArH×2),7.92(1H,brs,ArOH)
合成例6 (E)-3-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸の合成
トルエン20mL中に、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンズアルデヒド2.44g(20.0mmol;和光純薬工業(株)製)及び(エトキシカルボニルエチル)トリフェニルホスホラン7.97g(22.0mmol;和光純薬工業(株)製)を加え、3時間加熱還流した。反応終了後、反応液を減圧濃縮して得られた濃縮残渣に、25%水酸化ナトリウム水溶液10mLを加え、室温で1時間攪拌した。反応終了後、反応液をジクロロメタンで抽出し、当該抽出液に塩酸を加えて液性を酸性とした際に析出した結晶を濾取した後、該結晶を乾燥することにより、微黄色結晶の(E)-3-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸3.49g(16.7mmol、収率:83.5%)を得た。以下にH-NMRの測定結果を示す。
H-NMR(400MHz,d-DMSO)δ(ppm):1.96(3H,s,CH),3.76(3H,s,OCH),5.71(1H,s,CH),6.44-6.49(2H,m,ArH×2),7.25(1H,d,ArH),9.92(1H,brs,ArOH),12.17(1H,brs,COOH)
合成例7 (E)-1-[3-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチル-2-プロペノイル]-ピペリジン(本発明に係る一般式[1]で示される塩基発生剤)の合成
合成例6で得た(E)-3-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチル-2-プロペン酸3.49g(16.7mmol)及びN-メチルモルホリン1.69g(16.7mmol;和光純薬工業(株)製)を1,2-ジメトキシエタン20mLに溶解させた溶液に、氷冷下でクロロギ酸イソブチル2.28g(16.7mmol;和光純薬工業(株)製)を滴下した後、室温で0.5時間攪拌した。反応終了後、反応で生じたN-メチルモルホリン塩酸塩を濾過して除去し、そこで得られた濾液にピペリジン2.84g(33.4mmol;和光純薬工業(株)製)を加え、80℃で1時間攪拌した。反応終了後、反応液にジクロロメタンを加え、その溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びイオン交換水で順に洗浄した。洗浄後の有機相を減圧濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、黄色アモルファスの上記式[17]で示される(E)-1-[3-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-2-メチル-2-プロペノイル]-ピペリジン0.98g(3.5mmol、収率:20.9%)を得た。以下にH-NMRの測定結果を示す。
H-NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.60-1.72(6H,m,CH×3),2.17(3H,s,CH),3.57-3.60(4H,m,CH×2),3.76(3H,s,OCH),6.41-6.51(3H,m,CH,ArH×2),7.03(1H,d,ArH),7.76(1H,brs,ArOH)
評価例1 紫外-可視吸収スペクトルの測定試験
合成例3、5、7で得られた本発明に係る一般式[1]で示される塩基発生剤のアセトニトリル溶液(約5×10-5mol/L)を各々調製し、石英セルTOS-UV-10(1cm×1cm×4cm)((株)東新理興製)に注入後、分光光度計UV-2550((株)島津製作所製)を用いて、紫外-可視吸収スペクトルを測定した。各々の塩基発生剤についての極大吸収波長(nm)及びその極大吸収波長におけるモル吸光係数(ε)を表1に示す。
Figure 2012113256
評価例2 熱安定性の測定試験
合成例3、5、7で得られた本発明に係る一般式[1]で示される塩基発生剤について、TG-DTA2000SA((株)BRUKER AXS製)を用いて30℃から500℃まで昇温速度10℃/minでTG-DTA測定を行い、各々の塩基発生剤の5%重量減少温度を算出し、耐熱性を評価した。その結果を表2に示す。
Figure 2012113256
評価例3 有機溶剤への溶解性試験
合成例3、5、7で得られた本発明に係る一般式[1]で示される塩基発生剤について、本発明に係る有機溶剤に対する溶解性を室温で確認すると共に、式[101]〜[103]で示される比較用塩基発生剤に対する溶解性を同様に室温で確認した。式[101]〜[103]で示される塩基発生剤の構造を以下に示すと共に、溶解性の評価結果を表3に示す。
Figure 2012113256
Figure 2012113256
Figure 2012113256
Figure 2012113256
実施例1〜3 ポリ(グリシジルメタクリレート)による硬化試験
ポリ(グリシジルメタクリレート)0.2gと、重量平均分子量約17000のポリ(グリシジルメタクリレート)0.2gに対して20重量%の合成例3、5、7で得られた塩基発生剤とを含むN-メチルピロリドン(NMP)1mLの溶液を調製した。すなわち、合成例3の式[15]で示される塩基発生剤を用いて調製した本発明の感光性樹脂組成物を実施例1、合成例5の式[16]で示される塩基発生剤を用いて調製した本発明の感光性樹脂組成物を実施例2、合成例7の式[17]で示される塩基発生剤を用いて調製した本発明の感光性樹脂組成物を実施例3とした。次いで実施例1〜3の感光性樹脂組成物をシリコンウェハ上にスピンコートし、80℃で1分間加熱して、厚さが約1.5μmの塗膜を作製した。この塗膜に、特定の露光強度を有する紫外線照射光源装置、すなわち、UIS-5011DUB4(ウシオ電機(株)製)を用いて所定時間紫外線照射して、実施例1〜3の感光性樹脂組成物から各々塩基を発生させ、実施例1及び2については120℃で20分間、実施例3については120℃で5分間加熱して塗膜を硬化させた。更に、この塗膜をアセトンに30秒間浸漬して現像した後の塗膜の厚さを測定して、現像前と現像後とでの塗膜の膜厚を残膜率として求めた。光源装置UIS-5011DUB4の特定波長における露光強度を表4に、所定時間毎の紫外線照射に対する残膜率の測定結果を図1〜3に示す。
Figure 2012113256
実施例4 ポリ(グリシジルメタクリレート)による硬化試験
ポリ(グリシジルメタクリレート)0.2gと、重量平均分子量約17000のポリ(グリシジルメタクリレート)0.2gに対して20重量%の合成例5で得られた上記式[16]で示される塩基発生剤とを含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)1mLの溶液を調製し、本発明の感光性樹脂組成物とした。次いで当該感光性樹脂組成物をシリコンウェハ上にスピンコートし、100℃で1分間加熱して、厚さが約1.5μmの塗膜を作製した。この塗膜に、表4に示す露光強度を有する紫外線照射光源装置、すなわち、UIS-5011DUB4(ウシオ電機(株)製)を用いて所定時間紫外線照射して、感光性樹脂組成物から塩基を発生させ、120℃で20分間加熱して塗膜を硬化させた。更に、この塗膜をアセトンに30秒間浸漬して現像した後の塗膜の厚さを測定して、現像前と現像後とでの塗膜の膜厚を残膜率として求めた。所定時間毎の紫外線照射に対する残膜率の測定結果を図4に示す。
比較例1 ポリ(グリシジルメタクリレート)による硬化試験
ポリ(グリシジルメタクリレート)0.2gと、重量平均分子量約17000のポリ(グリシジルメタクリレート)0.2gに対して20重量%の上記式[101]で示される塩基発生剤((E)-1-[3-(2-ヒドロキシフェニル)-2-プロペノイル]-ピペリジン)とを含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)1mLの溶液を調製し、比較用の感光性樹脂組成物とした。次いで当該感光性樹脂組成物を用いた塗膜を試みたが、上記式[101]で示される塩基発生剤がプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に完全に溶解しなかったことが原因となって塗膜を作製することができなかった。
実施例5 ビスフェノールA型エポキシ樹脂による粘度試験
アデカレジンEP-4100((株)ADEKA製)を15.0gに対して、30重量%の合成例5で得られた上記式[16]で示される塩基発生剤を、該アデカレジンEP-4100に溶解させ、本発明の感光性樹脂組成物を調製した。次いで当該感光性樹脂組成物の3.0gをシャーレ上で成形し、得られた成形体に表4に示す露光強度を有する紫外線照射光源装置、すなわち、UIS-5011DUB4(ウシオ電機(株)製)を用いて30分間紫外線照射して、感光性樹脂組成物から塩基を発生させ、該成形体を更に120℃で20分間加熱した。次いでこの成形体をN-メチルピロリドン(NMP)1.5gで希釈し、希釈後の成形体の粘度をRE-85R(1°34'×R24)(東機産業(株)製)を用いて測定した。粘度測定の結果、紫外線未照射の成形体の粘度が130mPa・sであったのに対し、30分間紫外線照射した成形体の粘度は222mPa・sであり、紫外線照射によって発生した塩基による架橋反応で粘度の向上がみられた。
評価例1の結果から、本発明に係る塩基発生剤は、254nm等の波長200nm以上に高い感光性領域を有し、300nm以上の活性エネルギー線に対しても感受性を有することがわかる。このことから、本発明に係る塩基発生剤は、波長200nm以上の活性エネルギー線の照射によって塩基を発生することが判った。この結果は、実施例1〜3の感光性樹脂組成物、すなわち、本発明の感光性樹脂組成物から樹脂を硬化し得るのに十分な塩基を発生し、硬化膜を形成できることからも裏付けられている。また、評価例2の結果から、本発明に係る塩基発生剤の5%重量減少温度が180℃を超えるものであることから、熱に対して比較的安定なものであることがわかる。それ故に、本発明に係る塩基発生剤を用いた場合には、本発明に係る有機溶剤が高沸点の有機溶剤であってもベーク時の温度を高く設定できる。これにより、ベーク後の有機溶剤の残留を極力少なくすることができ、残留有機溶剤による露光部(硬化部)と未露光部(未硬化部)とのコントラストの悪化を抑制することが期待できる。更に、評価例3の結果から、本発明に係る塩基発生剤は、種々の有機溶剤に対して高い溶解性を示すため汎用性が高いのに対し、従来の塩基発生剤は、ほとんどの有機溶剤に対して溶解性が低く、特定の有機溶剤にしか所望の溶解性を示さず汎用性に乏しいことが判った。この結果は、有機溶剤としてN-メチルピロリドン(NMP)を用いた実施例4と比較例1の結果から明らかである。すなわち、有機溶剤としてN-メチルピロリドン(NMP)を用いた本発明の感光性樹脂組成物は、問題なく塗膜(硬化膜)を作製できるが、従来の塩基発生剤を含有する感光性樹脂組成物は、塩基発生剤がN-メチルピロリドン(NMP)に溶解しないことが原因となって塗膜(硬化膜)が作製できないことによっても裏付けられている。更にまた、実施例5の結果から、本発明に係る塩基発生剤は溶解性が高い性質を示すことから、本発明に係る塩基反応性樹脂の種類によっては、該塩基反応性樹脂に塩基発生剤が溶解するため、有機溶剤を含有しない本発明の感光性樹脂組成物であっても、問題なく塗膜(硬化膜)或いは成形体(硬化成形体)を作製できることが判った。以上の結果から、本発明の感光性樹脂組成物は、汎用性の高い光硬化性のパターン形成材料として有用なものであることが判った。
本発明の感光性樹脂組成物は、例えばアルコール系溶剤、グリコール系溶剤、エステル系溶剤等の種々の有機溶剤に対する溶解性が高く、活性エネルギー線の照射によって塩基を発生する際に、炭酸ガスの発生を伴わない光塩基発生剤を含有する感光性樹脂組成物ものであるので、例えば塗料、印刷インキ、歯科材料、レジスト等の光硬化性のパターン形成材料として有用なものである。
また、本発明の感光性樹脂組成物を用いる樹脂硬化方法及びパターン形成方法は、種々の有機溶剤を用いることができるので、汎用性の高い方法である。

Claims (20)

  1. 下記一般式[1]で示される塩基発生剤及び塩基反応性樹脂を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
    Figure 2012113256
    (式中、R及びRは夫々独立して、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基又はシアノ基を表し、R〜Rは夫々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基、ヒドロキシル基又はニトロ基を表し、Zは1級又は2級アミン由来の基を表し、RとRとで環状構造を形成していてもよいし、R〜Rの2つ以上が結合してR〜Rが結合しているベンゼン環と縮合環を形成していてもよい。ただし、R及びRが共に水素原子であるものを除く。)
  2. 更に有機溶剤を含有することを特徴とする、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記一般式[1]で示される塩基発生剤が波長150〜500nmの活性エネルギー線の照射によって塩基を発生するものである、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記一般式[1]で示される塩基発生剤において、Zで示される1級又は2級アミン由来の基が下記一般式[2]で示されるものである、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2012113256
    (式中、R及びRは夫々独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状の炭化水素基を表すか、或いはこれらが結合している窒素原子と共に、置換基を有していてもよい炭素数2〜10の含窒素脂肪族環又は含窒素芳香環を形成するものを表す。)
  5. 前記一般式[1]で示される塩基発生剤において、Zで示される1級又は2級アミン由来の基が下記一般式[3]で示されるものである、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2012113256
    (式中、R及びR10は夫々独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状の炭化水素基を表し、Vは主鎖の炭素原子が酸素原子又はケイ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルキル基を表し、Yは下記一般式[1']で示される基を表す。)
    Figure 2012113256
    (式中、R〜Rは前記に同じ。)
  6. 前記一般式[1]で示される塩基発生剤において、Zで示される1級又は2級アミン由来の基が下記一般式[4]で示されるものである、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2012113256
    (式中、R11〜R14は夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜6の直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル基を表し、Vは主鎖の炭素原子が酸素原子又はケイ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表し、Yは下記一般式[1']で示される基を表し、m及びnは夫々独立して、1又は2を表す。)
    Figure 2012113256
    (式中、R〜Rは前記に同じ。)
  7. 前記塩基反応性樹脂が塩基反応性官能基を有し重合反応を起こすものである、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 前記塩基反応性樹脂がエポキシ樹脂である、請求項4に記載の感光性樹脂組成物。
  9. 前記塩基反応性樹脂が塩基反応性官能基を有し環化反応を起こすものである、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  10. 前記塩基反応性樹脂がポリアミック酸樹脂である、請求項6に記載の感光性樹脂組成物。
  11. 前記塩基反応性樹脂が有機溶剤に可溶なものである、請求項2に記載の感光性樹脂組成物。
  12. 前記有機溶剤がアルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、グリコール系溶剤及びアミド系溶剤からなる群より選ばれる1種以上である、請求項2に記載の感光性樹脂組成物。
  13. 前記有機溶剤がアルコール系溶剤、エステル系溶剤及びグリコール系溶剤からなる群より選ばれる1種以上である、請求項2に記載の感光性樹脂組成物。
  14. 前記グリコール系溶剤がグリコールエーテル系溶剤及びグリコールエステル系溶剤からなる群より選ばれる1種以上である、請求項12又は13に記載の感光性樹脂組成物。
  15. 前記一般式[1]で示される塩基発生剤が下記一般式[5]で示されるものである、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2012113256
    (式中、R'及びR'は夫々独立して、水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基又はシアノ基を表し、R'〜R'は夫々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基、ヒドロキシル基又はニトロ基を表し、Z'は下記式[6]〜[14]で示される基を表し、R'とR'とで環状構造を形成していてもよいし、R'〜R'の2つ以上が結合してR'〜R'が結合しているベンゼン環と縮合環を形成していてもよい。ただし、R'及びR'が共に水素原子であるものを除く。)
    Figure 2012113256
    Figure 2012113256
    Figure 2012113256
    Figure 2012113256
    Figure 2012113256
    Figure 2012113256
    Figure 2012113256
    Figure 2012113256
    (式中、Y'は下記一般式[5']で示される基を表す。)
    Figure 2012113256
    (式中、Y'は下記一般式[5']で示される基を表す。)
    Figure 2012113256
    (式中、R'〜R'は前記に同じ。)
  16. 前記一般式[1]で示される塩基発生剤が、式[15]、式[16]又は式[17]で示されるものである、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2012113256
    Figure 2012113256
    Figure 2012113256
  17. 請求項1に記載の感光性樹脂組成物からなるパターン形成材料。
  18. 請求項1に記載の感光性樹脂組成物から作製された塗膜又は成形体に活性エネルギー線を照射する工程を含むことを特徴とする樹脂硬化方法。
  19. 請求項1に記載の感光性樹脂組成物から作製された塗膜に所定のパターンで活性エネルギー線を照射する工程、
    前記工程後の塗膜を現像する工程、
    を含むことを特徴とするパターン形成方法。
  20. 下記一般式[5]で示される樹脂硬化用光塩基発生剤。
    Figure 2012113256
    (式中、R'及びR'は夫々独立して、水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基又はシアノ基を表し、R'〜R'は夫々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基、ヒドロキシル基又はニトロ基を表し、Z'は下記式[6]〜[14]で示される基を表し、R'とR'とで環状構造を形成していてもよいし、R'〜R'の2つ以上が結合してR'〜R'が結合しているベンゼン環と縮合環を形成していてもよい。ただし、R'及びR'が共に水素原子であるものを除く。)
    Figure 2012113256
    Figure 2012113256
    Figure 2012113256
    Figure 2012113256
    Figure 2012113256
    Figure 2012113256
    Figure 2012113256
    Figure 2012113256
    (式中、Y'は下記一般式[5']で示される基を表す。)
    Figure 2012113256
    (式中、Y'は下記一般式[5']で示される基を表す。)
    Figure 2012113256
    (式中、R'〜R'は前記に同じ。)
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