JP2012112760A - 膜厚測定方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルムの表面と裏面から反射した光の分光スペクトルによるパワースペクトルのピークからこのフィルムの膜厚を測定する膜厚測定装置は、フィルムの膜厚が厚いと測定ができなくなり、また複屈折性を有するフィルムはピークが双峰性を有するので、誤差が大きくなる。本発明は、膜厚が厚くかつ複屈折性を有するフィルムでも正確な測定ができる膜厚測定方法および装置を提供することを目的にする。
【解決手段】フィルムに偏光した光を照射し、フィルムを透過した光からリタデーションを演算し、このリタデーションとフィルムの屈折率差から膜厚を演算する。膜厚が厚く、かつ複屈折性を有するフィルムの膜厚を正確に測定できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、フィルムなどの膜厚を測定する方法および装置に関し、特に厚さが数十μm以上の複屈折性を有するフィルムの厚さ測定に用いて好適な膜厚測定方法および装置に関するものである。
図4に、光の干渉を利用した、フィルムの膜厚測定装置の構成を示す。図4において、光源10の白色出力光は光ファイバプローブ11を経由して、膜厚を測定するフィルム12に照射される。
フィルム12の表面および裏面から反射した反射光は光ファイバプローブ11を経由して分光部13に入力される。分光部13は入力された反射光を分光し、電気信号に変換して反射分光スペクトルを生成し、演算部14に出力する。演算部14は入力された反射分光スペクトルをフーリエ変換してパワースペクトルを算出し、このパワースペクトルのピークの位置からフィルム12の膜厚を測定する。
フィルム12の表面から反射した反射光と裏面から反射した反射光は干渉し、干渉縞を生じる。このため、反射分光スペクトルのパワースペクトルには、この干渉縞に起因するピークが表れる。演算部14は、このピークの位置から光学膜厚を求め、この光学膜厚とフィルム12の屈折率から物理膜厚を算出する。
特許文献1には、このような原理でフィルムの膜厚を測定する膜厚測定装置の発明が記載されている。
複屈折性を有するフィルムの製造工程における品質管理の指標として、リタデーションが用いられる。複屈折性を有するフィルムは、光軸に平行な偏光成分が感じる屈折率と、光軸に垂直な偏光成分が感じる屈折率が異なるという特性を有している。リタデーションは、下記(1)式で算出することができる。なお、δnは屈折率の差、dは被測定フィルムの膜厚である。
リタデーション=δn×d ・・・・・・・ (1)
図5に、リタデーション測定装置の構成を示す。図5において、光源20の出力光である白色光は偏光板21で偏光され、リタデーションを測定するフィルム23に照射される。22は偏光板21を回転させる偏光板回転部である。
フィルム23を透過した光は検光板24で検光され、プローブ26、光ファイバ27を経由して分光部28に入力される。25は検光板24を回転させる検光板回転部である。
分光部28は入力された光を分光し、電気信号に変換して分光スペクトルを生成し、演算部29に出力する。演算部29は、入力された分光スペクトルをフーリエ変換してパワースペクトルを演算し、このパワースペクトルのピーク位置からリタデーションを算出する。
リタデーションを測定するためには、偏光板21と検光板24の光軸を一致させなければならない。偏光板21とフィルム23の光軸のなす角度が0度または90度になるとパワースペクトルのピークが発生しないので、リタデーションを測定できない。このため、演算部29は最適な測定条件になるように、偏光板回転部22、検光板回転部25を介して偏光板21、検光板24の光軸の向きを制御する。
特許文献2には、平行ニコル状態に置かれた偏光子と検光子の間に被測定試料を挟み、偏光子、試料、検光子を透過した透過光の偏光の方位と強度から、被測定試料の配向と主屈折率の方向を測定するようにした測定方法が記載されている。
特許文献3には、被測定フィルムによって光が吸収される近赤外光と光が吸収されない近赤外光の透過光強度の比からフィルム厚さを測定する厚み測定装置、および偏光子、被測定フィルム、検光子をこの順に配置し、これらの透過光の強度スペクトルからフィルムの複屈折および配向度を測定する装置が記載されている。
特開2008−292473号公報 特開2006−84268号公報 特開平11−10728号公報
しかしながら、このような膜厚測定装置、およびリタデーション測定装置には次のような課題があった。
図4の膜厚測定装置は、フィルム12の膜厚が0.1〜200μm程度の薄膜では精度よく膜厚を測定することができるが、それ以上の膜厚のフィルムでは干渉が発生し難くなるので、精度よく膜厚を測定することが困難であるという課題があった。
また、複屈折性を有するフィルムは異なった2つの屈折率を有するので、パワースペクトルのピークが双峰性になり、正確な膜厚を測定することが難しいという課題もあった。従来は双峰性ピークの加重平均を取るなどして測定精度を高めるようにしていたが、正確な膜厚を測定することは困難であった。
特許文献3に記載された厚み測定装置は、フィルムに吸収される波長の光と吸収されない波長の光が必要であるが、これらの波長を選択することが困難な場合もあるので、測定に制限があるという課題があった。
図4のリタデーション測定装置はリタデーションを測定する装置であり、膜厚を直接測定することができないという課題があった。
また、フィルム23の両側に偏光板21と検光板24を配置して、これら偏光板21と検光板24を光軸が一致するように同期して回転しなければならないので、被測定フィルムが移動するオンライン測定に用いると高度な同期制御が必要になり、装置が複雑になってしまうという課題があった。
さらに、偏光板21と検光板24の同期がずれると測定誤差が増大してしまうという課題もあった。
本発明の目的は、複屈折性を有し、かつ膜厚が200μm以上のフィルムでも高精度で膜厚を測定することができる膜厚測定方法およびその装置を実現することにある。
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
複屈折性を有する被測定物の膜厚を測定する膜厚測定方法において、
偏光された光を被測定物に照射し、この被測定物を透過した光を分光して分光スペクトルを生成して、この分光スペクトルからリタデーションを測定する工程と、
前記測定したリタデーション、および被測定物の屈折率差から、この被測定物の膜厚を演算する工程と、
を具備したものである。膜厚が厚い被測定物でも正確な膜厚を測定できる。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記分光スペクトルからパワースペクトルを演算し、このパワースペクトルの前記被測定物の膜厚に起因するピークから、前記被測定物の屈折率差を算出するようにしたものである。別の装置で被測定物の屈折率を測定する必要がなくなる。
請求項3記載の発明は、
複屈折性を有する被測定物の膜厚を測定する膜厚測定装置において、
偏光された光を被測定物に照射し、この被測定物を透過した光を分光して分光スペクトルを生成して、この分光スペクトルから前記被測定物のリタデーションを測定するリタデーション測定部と、
前記リタデーション測定部が測定したリタデーションが入力され、この入力されたリタデーションおよび前記被測定物の屈折率差から、前記被測定物の膜厚を演算する膜厚演算部と、
を備えたものである。膜厚が厚い被測定物でも膜厚を測定できる。
請求項4記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
前記リタデーション測定部は、
被測定物に照射する白色光を出力する光源と、
前記光源の出力光を偏光すると共に、前記被測定物から戻ってきた光が入射される偏光板と、
前記被測定物から戻り、かつ前記偏光板を透過した光が入射され、この光の分光スペクトルを生成する分光部と、
前記分光部が生成した分光スペクトルが入力され、この分光スペクトルからリタデーションを演算して出力するリタデーション演算部と、
を備えたものである。検光板を省略できるので複雑な同期制御が必要なく、装置の構成を簡略化できる。
請求項5記載の発明は、請求項4に記載の発明において、
前記被測定物に対して、前記偏光板と反対側に配置された反射鏡を具備したものである。被測定物を透過した光の大部分を再度被測定物に戻すことができるので、正確な測定が可能になる。
請求項6記載の発明は、請求項4若しくは請求項5記載の発明において、
前記リタデーション演算部は、
前記分光スペクトルからパワースペクトルを演算し、このパワースペクトルの前記被測定物の膜厚に起因するピークから、前記被測定物の屈折率差を算出するようにしたものである。別の装置で被測定物の屈折率を測定する必要がなくなる。
本発明によれば以下のような効果がある。
請求項1、2、3、4、5、および6の発明によれば、偏光した光を被測定物に照射し、この被測定物から戻った光を分光して分光スペクトルを生成し、この分光スペクトルに基づいてリタデーションを演算して、このリタデーションと被測定物の屈折率差から膜厚を算出するようにした。
複屈折率性を有する被測定物でも、正確な膜厚を測定することができるという効果がある。また、光干渉式の膜厚測定装置で測定が困難な200μm以上の厚い膜厚を有する被測定物でも、正確な膜厚を測定することができるという効果もある。
また、リタデーション測定部として、偏光板で白色光を偏光して被測定物に照射し、被測定物から戻ってきた光を再度同じ偏光板に入射する構成を用いることにより、検光板を省略できる。このため、偏光板と検光板を同期して回転することが不要になるので、被測定物が移動するオンライン測定に用いても、装置の構成を簡単にすることができるという効果もある。
このため、装置の原価、故障率を低減でき、かつ偏光板と検光板の角度ずれが発生しないので、測定精度を高めることができるという効果もある。また、光が被測定物を2度透過するので、測定感度を高めることができるという効果もある。
さらに、分光スペクトルのパワースペクトルの膜厚に起因するピークから被測定物の屈折率差を算出することにより、別に屈折率を測定する手間を省くことができるという効果もある。
本発明の一実施例を示した構成図である。 図1の装置の動作を説明するための特性図である。 本発明の他の実施例の動作を説明するための特性図である。 従来の膜厚測定装置の構成図である。 従来のリタデーション測定装置の構成図である。
以下本発明を、図面を用いて詳細に説明する。本発明は複屈折性を有するフィルムを対象とし、このフィルムのリタデーションを測定し、このリタデーション値と別に測定したフィルムの屈折率差から、当該フィルムの膜厚を算出するものである。
図1は本発明に係る膜厚測定装置の一実施例を示した構成図である。図1において、膜厚測定装置は白色光を出力する光源30、光ファイバ31および36、光プローブ32、偏光板33、偏光板回転部34、反射鏡35、分光部37、リタデーション演算部38、および膜厚演算部39で構成される。40は膜厚を測定するフィルムである。
フィルム40は被測定物に相当する。また、光源30、光ファイバ31および36、光プローブ32、偏光板33、偏光板回転部34、反射鏡35、分光部37、リタデーション演算部38でリタデーション測定部を構成している。
偏光板33、フィルム40、反射鏡35はこの順番に配置される。また、偏光板33は入射光に対して斜めになるように配置される。この偏光板33は偏光板回転部34で回転される。偏光板33を斜めに配置すると、偏光板33の表面で反射された光は左方向に反射され、光プローブ32に入射しないので、測定のS/N比を改善することができる。
光源30の白色出力光は光ファイバ31によって導光され、光プローブ32に入力される。光プローブ32は、入力された光を偏光板33に向かって出射する。この光は、偏光板33、フィルム40を透過して反射鏡35で反射され、再びフィルム40、偏光板33を透過して光プローブ32に入射される。
すなわち、光プローブ32には、フィルム40から戻った光が入射される。また、偏光板33は入射した光を偏光して、フィルム40に照射する。
光プローブ32に入射されたフィルム40を透過した光は光ファイバ36によって導光され、分光部37に入射される。分光部37は入射された光を分光、電気信号に変換し、反射分光スペクトルを生成する。この反射分光スペクトルは、分光スペクトルに相当する。
分光部37が生成した反射分光スペクトルはリタデーション演算部38に入力される。リタデーション演算部38は、入力された反射分光スペクトルからフィルム40のリタデーションを算出する。
リタデーション演算部38は、入力された反射分光スペクトルをフーリエ変換してパワースペクトルを演算し、このパワースペクトルのピークの位置からリタデーションを算出する。
フィルム40に入射される光と、反射鏡35で反射されてフィルム40を透過した光は干渉し、リタデーションに起因する干渉縞を生じる。このため、反射分光スペクトルのパワースペクトルにはこの干渉縞に起因するピークが表れる。このピークの位置(波長)がリタデーション値になる。
リタデーションに起因する干渉縞の振幅は、フィルム40に入射される光の偏光方向によって変化する。フィルム40に入射する光の偏光方向は、偏光板33の光軸を回転することによって、変化させることができる。
フィルム40に入射する光の偏光の方向は、偏光板33を回転してその光軸の角度を変えることにより、変化させることができる。偏光板33の光軸とフィルム40の光軸がなす角度が0または90度のときは干渉縞の振幅が0になり、45度のときに最大になる。リタデーション演算部38は、偏光板回転部34を制御して、干渉縞の振幅、すなわちパワースペクトルのピーク高さが最大になる位置、あるいは並行ニコル状態と直交ニコル状態の中間状態で測定に十分な高さのピークが発生する位置に偏光板33の光軸を調整する。
なお、偏光板回転部34は、光プローブ32が出射する光の光軸と平行な軸を中心として偏光板33を回転してもよく、また偏光板33の法線方向を軸として回転してもよい。
リタデーション演算部38が算出したリタデーション値は膜厚演算部39に入力される。また、膜厚演算部39には、フィルム40の屈折率が入力される。この屈折率は、フィルム40と同じ特性を有するフィルムの一部を切り取り、屈折率計で測定しておく。
フィルム40は複屈折性を有しているので、フィルム40の光軸に平行な入射光に対する屈折率と、光軸に垂直な入射光に対する屈折率が異なる。膜厚演算部39には、この2つの屈折率を入力する。
膜厚演算部39は、リタデーション演算部38から入力されたフィルム40のリタデーションと別に入力されたフィルム40の屈折率から、フィルム40の膜厚を算出して出力する。
前記(1)式で説明したように、リタデーション値は屈折率差と膜厚の積で表される。膜厚演算部39は、入力された2つの屈折率から屈折率差δnを演算し、下記(2)式によってフィルム40の膜厚を算出する。
フィルム40の膜厚=(リタデーション値)/δn ・・・・・・ (2)
なお、膜厚演算部39に屈折率差δnを入力するようにしてもよい。
次に、図2を用いて本発明をより詳細に説明する。図2(A)は分光部37が作成した反射分光スペクトルであり、横軸は波長、縦軸は振幅である。この波長分光スペクトルには、干渉縞に対応した周期性が認められる。
図2(B)はリタデーション演算部38が算出したパワースペクトルであり、横軸は周波数、縦軸は強度である。41はリタデーションに起因するピークである。リタデーション演算部は入力された反射分光スペクトルをフーリエ変換してパワースペクトルを演算し、このパワースペクトルを検索してリタデーションに起因するピーク41を求め、このピークの位置(波長)からリタデーション値を算出する。
次に、図3に基づいて本発明の他の実施例を示す。図1と図4の膜厚測定装置は、光プローブから光を被測定試料に照射し、その反射光の干渉縞に起因するパワースペクトルのピークを検出する点で類似している。従って、フィルム40の膜厚がそれほど厚くない場合には、図4の膜厚測定装置と同様に、フィルム40の表面と裏面から反射した光が干渉した、フィルム40の膜厚に起因する干渉縞が表れる。この実施例は、この膜厚に起因する干渉縞を用いて、屈折率差δnを算出するようにしたものである。
図3に、このような場合のパワースペクトルの例を示す。なお、横軸は光学波長、縦軸は強度である。なお、光学膜厚は物理膜厚と屈折率の積である。
図3において、42はフィルム40のリタデーションに起因するピーク、43、44はフィルム40の膜厚に起因するピークである。フィルム40は複屈折性を有しており、屈折率が2つあるので、膜厚に起因するピークは43と44の2つに分離する。
ピーク43の位置から求めた光学膜厚をT1、ピーク44の位置から求めた光学膜厚をT2、フィルムの膜厚をdとすると、屈折率差δnは下記(3)式から得られる。
δn=(T2−T1)/d ・・・・・・・ (3)
このようにすると、図1の構成で屈折率差δnを測定することができるので、別に屈折率計を用いてフィルム40の屈折率を測定する必要がないという利点がある。屈折率差δnと膜厚は別々に測定してもよく、1つのパワースペクトルを用いて同時に測定してもよい。
特に、フィルム製造装置においてオンラインで連続測定する場合は、前回測定した膜厚dを用いて前記(3)式から屈折率差δnを算出し、このδnとリタデーション値を用い、前記(2)式から膜厚を測定すればよい。膜厚は急激には変化しないので、直前の膜厚を用いることにより、屈折率差δnを正確に算出することができる。
図4に示した膜厚測定装置は、被測定試料の厚さが厚くなると光学膜厚が大きくなって干渉が発生せず、測定が不可能になることがあった。また、複屈折性を有する試料ではパワースペクトルのピークが双峰性になるので、正確な膜厚を測定することができなかった。
本発明ではリタデーションを測定し、このリタデーションから膜厚を算出するようにした。通常屈折率差は屈折率より小さいので、屈折率差と膜厚の積であるリタデーションは屈折率と膜厚の積である光学膜厚より小さな値になる。このため、図4の膜厚測定装置ではピークを検出できない200μmを越える膜厚の試料でもリタデーションに起因するピークを検出することができ、膜厚を正確に測定できるという利点がある。
また、リタデーションに起因するピークは単峰性なので、ピークの位置を正確に算出することができる。このため、複屈折性を有するフィルムの膜厚を正確に測定することができるという利点もある。
また、図5のリタデーション測定装置はフィルム23の両側に偏光板21と検光板24を配置して、これらの板を同期して回転しなければならないので、フィルム23が移動し、かつ回転できないオンライン測定では装置が複雑になってしまうという欠点があった。
図1の膜厚測定装置は偏光板33とフィルム40を透過した光を反射鏡35で反射させ、再度フィルム40と偏光板33を透過させる構成とした。偏光板33で検光板を兼ねることができるので、フィルム40の片側に偏光板33を配置するだけでリタデーションを測定することができる。このため、装置の構成を大幅に簡略化することができる。
また、図1実施例ではフィルム40の透過光を反射鏡35で反射させ、再度フィルム40を透過させる構成とした。光はフィルム40を2度透過するので、図5のリタデーション測定装置に比べてリタデーション値を2倍に拡大して測定することができる。このため、正確なリタデーション値が得られ、膜厚をより正確に測定することができるという利点もある。
また、図1と図4の膜厚測定装置は、偏光板33を除いてほぼ同じ構成を有している。従って、膜厚を測定するフィルム40の予想膜厚が薄いとき、あるいは複屈折性を有しないときは、偏光板33を移動させて光プローブ32の出射光の光軸から外して図4従来例と同様の原理で膜厚を測定し、予想膜厚が厚いとき、複屈折性を有するときは偏光板33を図1の位置に戻してリタデーションを測定し、このリタデーション値から膜厚を算出するようにすると、膜厚の測定範囲を大幅に拡大することができる。
なお、反射鏡35を省略することもできる。この場合フィルム40の裏面から反射した反射光によって干渉が発生し、ピーク41が生じる。但し、通常フィルム40の裏面の反射率は低いために干渉信号の強度が弱くなり、ピーク41の高さは低くなるという欠点がある。
また、一軸延伸フィルム等予め複屈折の軸の角度が予想できる場合には、偏光板33を最適な位置に固定してもよい。このようにすると、偏光板33を回転する機構(偏光板回転部34)が不要になる。
また、偏光板33の表面から反射した反射光が測定に影響することがない場合には、偏光板33をフィルム40と平行に配置することもできる。
また、リタデーションを測定する部分は、図5従来例のように被測定フィルムの両側に偏光板と検光板を配置する構成であってもよい。このような構成はオンライン測定には不適であるが、試料を切り取って測定するオフライン測定では支障がない。また、偏光板、検光板を固定し、被測定フィルムを回転させる構成であってもよい。
さらに、これらの実施例では反射分光スペクトルをフーリエ変換してパワースペクトルを算出し、このパワースペクトルのピーク位置からリタデーションを算出したが、これに限定されることはなく、他の手法でリタデーションを算出してもよい。
30 光源
31、36 光ファイバ
32 光プローブ
33 偏光板
34 偏光板回転部
35 反射鏡
37 分光部
38 リタデーション演算部
39 膜厚演算部
40 フィルム
41〜44 パワースペクトルのピーク

Claims (6)

  1. 複屈折性を有する被測定物の膜厚を測定する膜厚測定方法において、
    偏光された光を被測定物に照射し、この被測定物を透過した光を分光して分光スペクトルを生成して、この分光スペクトルからリタデーションを測定する工程と、
    前記測定したリタデーション、および被測定物の屈折率差から、この被測定物の膜厚を演算する工程と、
    を具備したことを特徴とする膜厚測定方法。
  2. 前記分光スペクトルからパワースペクトルを演算し、このパワースペクトルの前記被測定物の膜厚に起因するピークから、前記被測定物の屈折率差を算出するようにしたことを特徴とする請求項1記載の膜厚測定方法。
  3. 複屈折性を有する被測定物の膜厚を測定する膜厚測定装置において、
    偏光された光を被測定物に照射し、この被測定物を透過した光を分光して分光スペクトルを生成して、この分光スペクトルから前記被測定物のリタデーションを測定するリタデーション測定部と、
    前記リタデーション測定部が測定したリタデーションが入力され、この入力されたリタデーションおよび前記被測定物の屈折率差から、前記被測定物の膜厚を演算する膜厚演算部と、
    を備えたことを特徴とする膜厚測定装置。
  4. 前記リタデーション測定部は、
    被測定物に照射する白色光を出力する光源と、
    前記光源の出力光を偏光すると共に、前記被測定物から戻ってきた光が入射される偏光板と、
    前記被測定物から戻り、かつ前記偏光板を透過した光が入射され、この光の分光スペクトルを生成する分光部と、
    前記分光部が生成した分光スペクトルが入力され、この分光スペクトルからリタデーションを演算して出力するリタデーション演算部と、
    を備えたことを特徴とする請求項3記載の膜厚測定装置。
  5. 前記被測定物に対して、前記偏光板と反対側に配置された反射鏡を具備したことを特徴とする請求項4記載の膜厚測定装置。
  6. 前記リタデーション演算部は、
    前記分光スペクトルからパワースペクトルを演算し、このパワースペクトルの前記被測定物の膜厚に起因するピークから、前記被測定物の屈折率差を算出するようにしたことを特徴とする請求項4若しくは請求項5記載の膜厚測定装置。
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