JP2012105429A - 荷重分担装置及びこれを用いた鉄塔周辺の工事方法 - Google Patents

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一雅 安島
Hiromitsu Takagi
博光 高木
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鈴木  誠
Keita Nemoto
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Abstract

【課題】鉄塔周辺の工事に先立って鉄塔周辺に電気的に安全な領域を確保する際に、簡便な手法により鉄塔にかかる金属遮蔽付ケーブルの荷重を軽減することができ、無電圧領域の適用範囲を拡大することができる荷重分担装置を提供する。
【解決手段】鉄塔100を挟んで配置された架空送電線101の鉄塔側端部が碍子103を介して鉄塔100にそれぞれ支持された架空送電線路を含む鉄塔周辺の工事を行う際に、鉄塔100に加わる荷重Wを分担する荷重分担装置1において、架空送電線路の鉄塔100に隣接する位置に設置され、鉄塔100に加わる荷重を分担する仮設支柱2と、仮設支柱2と鉄塔100の腕金104との間に設置され、鉄塔100に加わる荷重Wの一部又は全部を仮設支柱側に分担させる荷重調整器3と、仮設支柱側に分担させる荷重を検出する荷重検出器4とを有するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄塔を挟んで配置された架空送電線の鉄塔側端部が碍子を介して鉄塔にそれぞれ支持された架空送電線路を含む鉄塔周辺の工事を行う際に、鉄塔に加わる荷重を分担する荷重分担装置及びこれを用いた鉄塔周辺の工事方法に関するものである。
近年、架空送電線路の老朽化や、市街地化の拡大による架空送電線と地上建造物との距離が近接する、いわゆる地上高不足などの理由から、架空送電線路を含む鉄塔周辺の工事、すなわち、補修工事(鉄塔建替・改造、電線張替、鉄塔の保守塗装作業、腕金の改造・交換など)が増加している。
従来、これらの補修工事を行う際は、補修工事に先立って鉄塔周辺に電気的に安全な領域、すなわち、作業安全スペースを確保しつつ停電期間を短縮するために、架空送電線路を仮鉄柱、仮鉄塔、仮腕金などに一時的に移設し、鉄塔から架空送電線路を離間させる仮工事が行われている。
しかし、この仮工事には、仮鉄塔などの建設・撤去や用地交渉などに多くの費用と時間が掛かるという問題がある。更に、都市部においては仮鉄塔などを建設するスペースが無く、仮工事ひいては補修工事が実施困難な場所も存在する。
そこで、本出願人は、気中終端部を有する金属遮蔽付ケーブル(移動用ケーブル)を架空送電線路のジャンパ線に利用し、金属遮蔽付ケーブルと架空送電線との接続部を鉄塔から十分に離間させることにより、仮鉄塔、仮鉄柱、仮腕金を用いなくとも鉄塔周辺に作業安全スペースを確保することができる仮工事工法を考案し、実用化している(例えば、特許文献1参照)。この工法は、一般的にCJ(ケーブルジャンパ)工法と呼ばれている。
本出願人が考案、実用化している仮工事工法を図6(a),(b)に示す。なお、図6(b)では、片側の架空送電線路を実線で示し、もう一方の架空送電線路は架空送電線のみを鎖線で示している(例えば、特許文献1、特許文献3)。
この仮工事工法では、図6(a),(b)に示すように、鉄塔100近傍の架空送電線101を絶縁被覆された金属遮蔽付ケーブル102でジャンパ化することにより、通電状態においても鉄塔建替などの作業を安全に施工することを可能にしたものである。
すなわち、この仮工事工法では、架空送電線101の鉄塔側端部に設けられた碍子(碍子装置)103を、鉄塔100の腕金104に連結された鋼撚線などの支持線105によって、鉄塔100から10m〜15m程度引き離し、鉄塔100を挟んで配置された架空送電線101間を、絶縁被覆された金属遮蔽付ケーブル102を用いて電気的に接続することで、鉄塔100周辺を無電圧化している。
金属遮蔽付ケーブル102の両端に設けられたケーブルヘッド106は、碍子103に吊り下げられ、金属遮蔽付ケーブル102はハンガ107により支持線105に吊り下げられている。
こうして、通電状態においても鉄塔100周辺に作業安全スペースを確保することができ、鉄塔建替などの補修工事が可能になる。
特開2000−270454号公報 特開平6−38324号公報 特開2010−166640号公報
前述の気中終端部を有する金属遮蔽付ケーブル102を架空送電線路のジャンパ線として利用する工事方法では、金属遮蔽付ケーブル102を用いて鉄塔を挟んでジャンパ化するため、金属遮蔽付ケーブル102の荷重(長さによって異なるが約400kg〜500kg程度)が鉄塔の腕金に掛かることになる。
一方で、鉄塔の設計は年代時期によって異なり、メンテナンスが必要な比較的古い鉄塔は、荷重増に対する裕度が少なく、鉄塔の老朽化に基づく減肉が著しく、前記工事方法には適さないものである。
荷重に対する補強構造としては、例えば、架空送電線の張替え方法の一種である吊金車工法がある(例えば、特許文献2参照)。
この吊金車工法では、既設線と新設線を繋いで新設線を送りドラム(いわゆるドラム場)から送り出し、既設線を巻取ドラム(いわゆるエンジン場)に巻取り、腕金の先端付近に吊した吊金車を介して既設線と新設線を走行させる際に、この工法においても、既設線及び新設線の荷重が腕金に掛かってしまうため、これを補強する手段が採られている。
具体的には、図7に示すように、腕金104の先端と鉄塔100との間にワイヤ108を取り付け、ターンバックル若しくはレバーブロック109で締め付ける、支持点範囲を限定した補強方法が採られている。
この補強構造を前記工事方法に応用して、金属遮蔽付ケーブル102の荷重を補強することも考えられるが、この補強構造によっても、鉄塔自体に金属遮蔽付ケーブル102の荷重が掛かってしまうことになるため、荷重増に対する裕度が少ない老朽化した鉄塔などに対して十分に対応できるものではない。
そこで、本発明の目的は、鉄塔周辺の工事に先立って鉄塔周辺に電気的に安全な領域を確保する際に、簡便な手法により鉄塔にかかる金属遮蔽付ケーブルの荷重を軽減することができ、無電圧領域の適用範囲を拡大することができる荷重分担装置及びこれを用いた鉄塔周辺の工事方法を提供することにある。
この目的を達成するために創案された本発明は、鉄塔を挟んで配置された架空送電線の鉄塔側端部が碍子を介して前記鉄塔にそれぞれ支持された架空送電線路を含む鉄塔周辺の工事を行う際に、前記鉄塔に加わる荷重を分担する荷重分担装置において、前記架空送電線路の前記鉄塔に隣接する位置に設置され、前記鉄塔に加わる荷重を分担する仮設支柱と、前記仮設支柱と前記鉄塔の腕金との間に設置され、前記鉄塔に加わる荷重の一部又は全部を前記仮設支柱側に分担させる荷重調整器と、前記仮設支柱側に分担させる荷重を検出する荷重検出器とを有する荷重分担装置である。
前記仮設支柱は腕金部を有し、前記腕金部が前記鉄塔の前記腕金よりも高い位置に設けられると良い。
前記仮設支柱は腕金部を有し、前記腕金部が前記鉄塔の前記腕金よりも低い位置に設けられても良い。
また本発明は、鉄塔を挟んで配置された架空送電線の鉄塔側端部が碍子を介して前記鉄塔にそれぞれ支持された架空送電線路を含む鉄塔周辺の工事方法において、前記架空送電線路の前記鉄塔に隣接する位置に、前記鉄塔に加わる荷重を分担する仮設支柱を設置する工程と、前記碍子から前記架空送電線を外すと共に、前記架空送電線と前記碍子との間を、仮設碍子を有する支持ユニットで連結し、前記架空送電線を緊線状態で支持する工程と、前記仮設支柱と前記鉄塔の腕金との間に、前記鉄塔に加わる荷重の一部又は全部を前記仮設支柱側に分担させる荷重調整器と、前記仮設支柱側に分担させる荷重を検出する荷重検出器とを設置する工程と、前記鉄塔を挟んで配置され、前記支持ユニットによりそれぞれ緊線状態に支持された前記架空送電線間を、金属遮蔽付ケーブルを有するジャンパユニットを用いて電気的に接続する工程とを有し、これら工程の後に、鉄塔周辺の工事を行う鉄塔周辺の工事方法である。
本発明によれば、鉄塔周辺の工事に先立って鉄塔周辺に電気的に安全な領域を確保する際に、簡便な手法により鉄塔にかかる金属遮蔽付ケーブルの荷重を軽減することができ、無電圧領域の適用範囲を拡大することができる。
本発明の実施の形態に係る荷重分担装置を示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る荷重分担装置を示す平面図である。 本発明の変形例に係る荷重分担装置を示す側面図である。 鉄塔周辺の工事を行う前の状態(既設状態)における、鉄塔周辺の架空送電線路の一例を示す図である。 鉄塔周辺の工事(本工事)前に、鉄塔周辺に電気的に安全な作業領域を確保するための工事(仮工事)を行った後の架空送電線路の状態を示す図である。 金属遮蔽付ケーブルを架空送電線路のジャンパ線として利用する工事方法を説明する図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図である。 腕金に掛かる荷重に対する補強方法を説明する図である。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の好適な実施の形態に係る荷重分担装置を示す側面図であり、図2は、その平面図である。なお、図1の紙面方向には、金属遮蔽付ケーブル102が鉄塔を跨ぐようにして掛け渡されており、この点は従来技術と同様であり、図6と同一の符号を付して説明を省略する。
図1,2に示すように、実施の形態に係る荷重分担装置1は、鉄塔100を挟んで配置された架空送電線101の鉄塔側端部が碍子を介して鉄塔100にそれぞれ支持された架空送電線路を含む鉄塔周辺の工事を行う際に、鉄塔100に加わる荷重Wを分担するためのものであり、金属遮蔽付ケーブル102を掛け渡す前に予め設置しておくものである。
より具体的には、荷重分担装置1は、架空送電線路の鉄塔100に隣接する位置に設置され、鉄塔100に加わる荷重Wを分担する仮設支柱(支持物)2と、仮設支柱2と鉄塔100の腕金104との間に設置され、鉄塔100に加わる荷重Wの一部又は全部を仮設支柱側に分担させる荷重調整器3と、仮設支柱側に分担させる荷重を検出する荷重検出器4とを有する。
仮設支柱2は腕金部5を有し、腕金部5が鉄塔100の腕金104よりも高い位置に設けられる。この仮設支柱2は、鉄塔100の腕金104に掛かる垂直荷重の負荷に関して鉄塔100とは独立して分担するものである。
仮設支柱2の材質は、例えば、鋼材、繊維強化プラスチック(FRP;Fiber Reinforced Plastics)、炭素繊維強化プラスチック(CFRP;Carbon Fiber Reinforced Plastics)、銅のようなものを使用することができる。特に、FRPやCFRPを選択することで、仮設支柱2の軽量化を図ることが可能である。
仮設支柱2の形状も特に限定されるものではなく、例えば、トラス形状の鋼材や、鉄製のパイプ形状のものであっても良い。また、仮設支柱2の寸法は、鉄塔100の種類に応じて可変であるが、例えば、高さ約40〜50m、奥行30cm、幅30cm程度のものが使用可能である。
更に、仮設支柱2の本数は特に限定されるものではなく、例えば、3相の腕金104に対して、それぞれ対応した3本の仮設支柱2で支持することも可能であり、また図1,2のように、3相の腕金104に対して、1本の仮設支柱2で支持することも可能である。また、仮設支柱2は、必要に応じて支持材6によって鉄塔100と接合して鉄塔100により支えられる構造であっても良い。
荷重調整器3と荷重検出器4は、仮設支柱2の腕金部5とその下方に位置する鉄塔100の腕金104との間に設置される。荷重調整器3としては、例えば、レバーブロックなどを使用することができる。また、荷重検出器4としては、例えば、株式会社チルコーポレーション製のダイナホールを使用することができる。
荷重調整器3は、腕金104の先端付近に取り付けたワイヤ7の他端にチェーン8を介して取り付けられると共に、荷重検出器4を介して腕金部5に取り付けられる。
本実施の形態においては、仮設支柱2の腕金部5が鉄塔100の腕金104よりも高い位置に設けられるものとしたが、図3に示すように、仮設支柱2の腕金部5が鉄塔100の腕金104よりも低い位置に設けられても良い。この場合、荷重調整器3としては、例えば、ジャッキを用い、荷重検出器4を介して鉄塔100の腕金104を押し上げるように構成すると良い。
この形態では、前述のように鉄塔100の腕金104が仮設支柱2の腕金部5に吊下されるのではなく、腕金104が押し上げられる状態となり、鉄塔100の腕金104に掛かる荷重Wが仮設支柱側に分担されることとなり、前述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
次に、荷重分担装置1を用いた鉄塔周辺の工事方法を説明する。
図4は、鉄塔周辺の工事を行う前の状態(既設状態)における、鉄塔周辺の架空送電線路の一例を示す図である。
図4に示すように、鉄塔100を挟んで配置された架空送電線101の鉄塔側端部にある圧縮型引留クランプ110が、碍子(碍子連装置)111を介して鉄塔100の腕金104にそれぞれ支持されている。鉄塔両側の圧縮型引留クランプ110,110のジャンパ用端子112,112間は、ジャンパ線113により接続されている。
図5は、鉄塔周辺の工事、すなわち、鉄塔の保守塗装、碍子の塗装、碍子の交換、腕金の改造・交換、その他、鉄塔の建替・改造、送電線の張替などの工事(本工事)を行うに先立って、鉄塔周辺に電気的に安全な作業領域を確保するための工事(仮工事)を行った後の架空送電線路の状態を示す図である。図5では、鉄塔100(図5では省略)の一方の側の架空送電線路だけを図示しているが、図4に示すように鉄塔100の両側に鉄塔100の中心線に対して対称的に架空送電線路が配置される。図5において、碍子111は、図4に示す鉄塔周辺の工事前の、鉄塔100の腕金104に連結された既設の碍子111であり、架空送電線101も図4に示す既設の架空送電線101である。
既設の碍子111と、鉄塔100から離れた部位(後述する楔形引留クランプ120の取付部位)の架空送電線101との間には、これらを連結して前記部位より鉄塔100から離れる側の架空送電線101を緊線状態で支持する仮設碍子(長幹碍子)114を有する支持ユニット115が設けられている。なお、仮設碍子114の形状は、図5に示されるものに限定されるものではなく、既設の碍子111と同様の形状のものを使用することができる。
既設の碍子111から外された圧縮型引留クランプ110を含む前記部位より鉄塔側の架空送電線101の部分は、支持ユニット115により緊線状態にある架空送電線側へと引き戻されて、固定部材としての固定金具116、アルミバインド線117により、緊線状態にある架空送電線101に固定されている。
また、鉄塔100を挟んで配置され、支持ユニット115によりそれぞれ緊線状態に支持された架空送電線101,101間を、電気的に接続する金属遮蔽付ケーブル102としてのCJ−CVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)を有するジャンパユニット118が設けられている。
支持ユニット115は、中央に仮設碍子114を有し、鉄塔側には既設の碍子111端部に連結される地線用耐張クランプ119を、また鉄塔100と離れる送電線側には架空送電線101に取り付けられる楔形引留クランプ120を備えている。
仮設碍子114の鉄塔側端部には、落雷による仮設碍子114の損傷を防止するためのアークホーン121が設けられ、アークホーン121には、ホーン取付金具122、平行クレビス123、三角リンク124及び平行クレビス123を介して、圧縮クランプ125が設けられている。圧縮クランプ125と地線用耐張クランプ119との間には、接地線として亜鉛メッキ鋼撚線126が架け渡され、亜鉛メッキ鋼撚線126は更に地線用耐張クランプ119を経由して鉄塔100に接地されている。
仮設碍子114の鉄塔100と離れる送電線側の端部には、例えば、アークホーン121が設けられ、アークホーン121には、特殊一枚リンク127、平行クレビス123、平行クレビスリンク128、一枚リンク129、Y型金具130及び一枚リンク129のような、適正な架線金具連を介して、楔形引留クランプ120が設けられている。
楔形引留クランプ120を通過し楔形引留クランプ120よりも鉄塔側に既設されていた架空送電線101は、支持ユニット115により緊線状態にある架空送電線側へと引き戻され、固定金具116により、緊線状態にある架空送電線101に固定され、また架空送電線101の鉄塔側端部にある圧縮型引留クランプ110は、アルミバインド線117により、緊線状態にある架空送電線101に固定されている。ここで、緊線状態とは、送電線を送電するに資する適正な張力で緊張した状態にあることをいう。
ジャンパユニット118は、金属遮蔽付ケーブル102と、金属遮蔽付ケーブル102の両端に設けられた終端接続部としてのケーブルヘッド106と、ケーブルヘッド106の送電線側端部と緊線状態にある架空送電線101との間を接続するジャンパ線131とを備えている。
金属遮蔽付ケーブル102は、例えば、中心導体(可撓撚線導体(外径26.0mm)と、中心導体の周囲を覆う絶縁体(内部半導電層と外部半導電層とからなり、厚さ13.0mm)と、絶縁体の周囲を覆う編組構造遮蔽層(軟銅線編組シース(厚さ4.0mm))とを有し、編組構造遮蔽層の外周に押さえテープを巻き付けたケーブル(全ケーブル外径66mm)である。なお、このケーブル構造は一例にすぎず、また前記厚さ、外径は使用環境に応じて適宜変更される。
ジャンパ線131の送電線側端部は、PGクランプ132により架空送電線101に電気的に接続されている。ジャンパ線131としては、特に限定するものではなく、裸線、絶縁被覆線、又は遮蔽層付ケーブルのいずれであっても良い。架空送電線101には、アルミ線、鋼心アルミ撚線などが用いられる。
ケーブルヘッド106は、支持部材としてのターンバックル133とケーブルヘッド固定金具134とにより、支持ユニット115の仮設碍子114の下方に仮設碍子114とほぼ並行に吊り下げられている。
ケーブルヘッド106には、一般的な電力設備に使用されている77kV用気中磁器碍子ケーブルヘッド(例えば、重量約200kg)や、軽量で取り扱い性の良い77kV移動用モールドケーブルヘッドなどが用いられる。
金属遮蔽付ケーブル102の金属遮蔽層(図示せず)に電気的に接続された接地線135の端部は、ボルトコネクタ136により、亜鉛メッキ鋼撚線126に接続されている。亜鉛メッキ鋼撚線126は、途中、地線用耐張クランプ119に固定され、鉄塔100へと接地されている。
さて、本実施の形態に係る鉄塔周辺の工事方法は、架空送電線路の鉄塔100に隣接する位置に、鉄塔100に加わる荷重Wを分担する仮設支柱2を予め設置する工程Aと、碍子103から架空送電線101を外すと共に、架空送電線101と碍子103との間を、仮設碍子114を有する支持ユニット115で連結し、架空送電線101を緊線状態で支持する工程Bと、仮設支柱2と鉄塔100の腕金104との間に荷重調整器3と荷重検出器4とを設置する工程Cと、鉄塔100を挟んで配置され、支持ユニット115によりそれぞれ緊線状態に支持された架空送電線101,101間を、金属遮蔽付ケーブル102を有するジャンパユニット118を用いて電気的に接続する工程Dとを有し、これら工程A〜Dの後に、鉄塔周辺の工事を行う方法である。
工程Aの時点では、図4に示したように、架空送電線101の鉄塔側端部の圧縮型引留クランプ110が、碍子111に取り付けられて鉄塔100の腕金104に支持され、鉄塔両側の圧縮型引留クランプ110,110間にはジャンパ線113が接続されている。
工程Bにおいては、地線用耐張クランプ119を既設の碍子111に取り付け、楔形引留クランプ120を既設の架空送電線101に取り付ける。このとき、架空送電線101を鉄塔側に引き寄せるなどして、既設の碍子111を基準に、支持ユニット115の全長よりも既設の架空送電線101の方が長くなるような位置に楔形引留クランプ120を取り付ける。これにより、楔形引留クランプ120よりも鉄塔100から離れる側の架空送電線101が、支持ユニット115によって緊線状態で支持される。また、亜鉛メッキ鋼撚線126を鉄塔100に接続する。
既設の架空送電線101に取り付けられた圧縮型引留クランプ110を既設の碍子111から取り外す。このとき、支持ユニット115によって楔形引留クランプ120よりも鉄塔100から離れる側の架空送電線101が緊線状態で支持されており、碍子111の端部に取り付けられた圧縮型引留クランプ110から楔形引留クランプ120までの架空送電線101が緩んだ状態となっているため、圧縮型引留クランプ110を碍子111から容易に取り外すことができる。
工程Cにおいては、荷重調整器3を操作することによりワイヤ7を緊線状態とし、荷重検出器4の荷重表示画面を見ながら所望の張力に達していることを確認した時点で、荷重調整器3の操作を止め、荷重分担装置1を用いて鉄塔100に掛かる荷重Wを分担させる。
工程Dにおいては、先ず、支持ユニット115の仮設碍子114の両端に、ケーブルヘッド固定金具134とターンバックル133を用いて、ケーブルヘッド106を吊り下げる。この構造であれば、金属遮蔽付ケーブル102が短いものであるため、特に支持線を設けず、ハンガを別途必要としない。ターンバックル133は、その長さが調節可能なので、仮設碍子114に対するケーブルヘッド106の端子部の上下位置を調節できる。また、金属遮蔽付ケーブル102の金属遮蔽層に電気的に接続された接地線135を、ボルトコネクタ136により、支持ユニット115の亜鉛メッキ鋼撚線126に接続する。
次いで、既設の架空送電線101にジャンパユニット118を接続する。具体的には、ジャンパ線131の一端を、PGクランプ132を用いて、既設の緊線状態にある架空送電線101に取り付ける(図示省略の反対側も同様)。これにより、鉄塔100を挟んで両側の架空送電線101がジャンパユニット118によって電気的に接続された状態になる。その後に、図4に示した鉄塔100を跨いで取り付けられている既設のジャンパ線113を取り外す。
圧縮型引留クランプ110から楔形引留クランプ120までの、取り外した架空送電線101は、切断・廃棄することなく、支持ユニット115によって緊線状態で支持された架空送電線側へと折り返すように曲げて引き回し、PGクランプなどの複数の固定金具116を用いて、緊線状態の架空送電線101に固定する。
緊線状態で支持された架空送電線側へと折り返すように曲げられる、鉄塔100から取り外された架空送電線101の最小曲げ半径(許容曲げ半径)は電線外径の8倍以上とするのが良い。これは、架空送電線101を折り曲げる際に、架空送電線101の電線素線に折れ、曲り、笑い(電線素線の撚りが戻って、撚りに隙間が生じる)等が生じないようにするためであり、このようにすることで既設の架空送電線101はダメージを受けることなく、復旧に際して工事前と同じように使用できる。複数の固定金具116による架空送電線101同士の固定箇所の間隔は、2m以内とするのが良い。これは、1箇所の固定が外れた場合にも、他の架空送電線101等との離隔を確保できるからである。
また、取り外した架空送電線101の端部の圧縮型引留クランプ110は、アルミバインド線117を用いて緊線状態の架空送電線101に固定する。
以上説明した工程A〜Dにより、鉄塔100の腕金104が仮設支柱2の腕金部5に吊下された状態となり、金属遮蔽付ケーブル102の荷重Wの全部を鉄塔100自体だけに掛けるのではなく、仮設支柱2の方にも分担させることができる。よって、金属遮蔽付ケーブル102として長さが比較的長いものを使用しても、その荷重Wを鉄塔100だけに掛けることなく、鉄塔100への荷重負荷を軽減することができるので、鉄塔工事における無電圧領域の適用範囲の拡大のニーズにも対応することができる。
なお、上記実施の形態に係る鉄塔周辺の工事方法においては、架空送電線路の鉄塔に隣接する位置に仮設支柱を設置した後に、架空送電線と碍子との間を仮設碍子を有する支持ユニットで連結する方法を説明したが、これに限定されるものではなく、架空送電線と碍子との間に仮設碍子を有する支持ユニットで連結した後に、架空送電線路の鉄塔に隣接する位置に仮設支柱を設置することで対応することもできる。
この作業(仮工事)が終わると、鉄塔周辺には電気的に安全な作業領域が確保されるので、鉄塔100の保守塗装作業、碍子111の塗装、碍子111の交換、腕金104の改造・交換などの実体的な作業(本工事)を開始する。
この本工事作業が終わると、前記仮工事の手順を逆に遡って作業することで、元の状態に戻す。例えば、以下の通りである。
固定金具116、アルミバインド線117を除去して、折り返して固定した架空送電線101を緊線状態の架空送電線101から取り外す。
その後、鉄塔100を跨いで圧縮型引留クランプ110,110間に、既設のジャンパ線113を取り付ける。
そして、緊線状態の架空送電線101からジャンパユニット118のジャンパ線131を取り外し、支持ユニット115からジャンパユニット118を取り外す。
次いで、既設の碍子111及び架空送電線101から支持ユニット115を取り外しながら、取り外した既設の圧縮型引留クランプ110を既設の碍子111の端部に取り付ける。
最後に、仮設支柱2、荷重調整器3及び荷重検出器4等を撤去することにより、荷重分担装置1を取り外す。これにより、鉄塔周辺の工事が完了する。
このように、本発明によれば、鉄塔周辺の工事に先立って鉄塔周辺に電気的に安全な領域を確保する際に、簡便な手法により鉄塔にかかる金属遮蔽付ケーブルの荷重を軽減することができ、無電圧領域の適用範囲を拡大することができる。
なお、本発明は、延線時のアーム補強や、懸垂鉄塔の電線仮あずけ工法にも適用することが可能である。
なお、本発明は、上記実施の形態に係る鉄塔周辺の工事方法では、鉄塔から取り外された架空送電線の先端を折り返して、緊線状態の架空送電線に固定する方法を説明したが、これに限定されるものではなく、余分な架空送電線を切断除去して、後に切断した距離分に相当する新たな送電線を取り付ける方法を採用することもできる。
1 荷重分担装置
2 仮設支柱
3 荷重調整器
4 荷重検出器
5 腕金部
W 鉄塔に加わる荷重

Claims (4)

  1. 鉄塔を挟んで配置された架空送電線の鉄塔側端部が碍子を介して前記鉄塔にそれぞれ支持された架空送電線路を含む鉄塔周辺の工事を行う際に、前記鉄塔に加わる荷重を分担する荷重分担装置において、
    前記架空送電線路の前記鉄塔に隣接する位置に設置され、前記鉄塔に加わる荷重を分担する仮設支柱と、
    前記仮設支柱と前記鉄塔の腕金との間に設置され、前記鉄塔に加わる荷重の一部又は全部を前記仮設支柱側に分担させる荷重調整器と、
    前記仮設支柱側に分担させる荷重を検出する荷重検出器とを有することを特徴とする荷重分担装置。
  2. 前記仮設支柱は腕金部を有し、前記腕金部が前記鉄塔の前記腕金よりも高い位置に設けられる請求項1に記載の荷重分担装置。
  3. 前記仮設支柱は腕金部を有し、前記腕金部が前記鉄塔の前記腕金よりも低い位置に設けられる請求項1に記載の荷重分担装置。
  4. 鉄塔を挟んで配置された架空送電線の鉄塔側端部が碍子を介して前記鉄塔にそれぞれ支持された架空送電線路を含む鉄塔周辺の工事方法において、
    前記架空送電線路の前記鉄塔に隣接する位置に、前記鉄塔に加わる荷重を分担する仮設支柱を設置する工程と、
    前記碍子から前記架空送電線を外すと共に、前記架空送電線と前記碍子との間を、仮設碍子を有する支持ユニットで連結し、前記架空送電線を緊線状態で支持する工程と、
    前記仮設支柱と前記鉄塔の腕金との間に、前記鉄塔に加わる荷重の一部又は全部を前記仮設支柱側に分担させる荷重調整器と、前記仮設支柱側に分担させる荷重を検出する荷重検出器とを設置する工程と、
    前記鉄塔を挟んで配置され、前記支持ユニットによりそれぞれ緊線状態に支持された前記架空送電線間を、金属遮蔽付ケーブルを有するジャンパユニットを用いて電気的に接続する工程とを有し、
    これら工程の後に、鉄塔周辺の工事を行うことを特徴とする鉄塔周辺の工事方法。
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