JP2012105169A - 立体映像撮像装置および立体映像撮像方法 - Google Patents

立体映像撮像装置および立体映像撮像方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被写体と輻輳点との位置関係を瞬時に把握させる。
【解決手段】立体映像撮像装置100は、両眼視差を有する左眼用映像データと右眼用映像データとを生成する複数の撮像部106a、106bと、複数の撮像部から、複数の撮像部それぞれの光軸108a、108bが交差する輻輳点102までの距離である輻輳点距離を導出する輻輳点距離導出部174と、複数の撮像部から被写体104までの距離である被写体距離を導出する被写体距離導出部176と、輻輳点距離と被写体距離との差分値を導出する差分値導出部178と、左眼用映像データおよび右眼用映像データの少なくとも一方に差分値を示すデータを合成する表示制御部180と、左眼用映像データおよび右眼用映像データを併合して立体映像データを生成する映像併合部124と、立体映像データに基づく立体映像を表示する表示部128とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、映像中の被写体を立体的に存在するかのように知覚させる立体映像データを生成する立体映像撮像装置および立体映像撮像方法に関する。
一般に、デジタルビデオカメラ等の撮像装置には、ビューファインダ等の表示部が設けられている。この表示部には、撮像中の映像の他、撮像の補助となる補助情報を示す文字や指標も表示される。例えば、補助情報として、映像中の任意の2点間の実際の距離を表示する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。また、この補助情報の表示媒体は撮像装置の表示部に限られず、例えば、別筐体の表示装置を表示媒体とし、表示装置における透明なガラス部分に補助情報である撮像範囲を示す枠を表示し、ガラス越しに視認される風景のどの部分が撮像範囲であるか撮像者に把握させる技術が提案されている(例えば、特許文献2)。
ところで、近年、両眼視差を有する2つの映像を表示部に表示し、観察者に対して恰も被写体が立体的に存在するかのように知覚させる映像(立体映像)の技術が脚光を浴びている。このような立体映像を撮像する立体映像撮像装置の表示部にも、立体映像と共に補助情報を示す文字や指標を表示することができる。例えば、表示部に向けられた撮像者の視線を角膜反射光によって検出し、撮像中の映像が立体映像として認識できる範囲に含まれるか否かを示す補助情報を表示部に表示する技術が提案されている(例えば、特許文献3)。また、フォーカスレンズの位置と、ズームレンズの焦点距離と、レンズ鏡筒の基線長情報とに基づいて、2つのレンズそれぞれの光軸が交差する点である輻輳点と合焦位置とが一致するように、2つのレンズそれぞれの光軸が成す角である輻輳角を調整する立体映像撮像装置が提案されている(例えば、特許文献4)。
特開2005−142938号公報 特開2009−206584号公報 特開平11−168755号公報 特開平8−201940号公報
輻輳角は調整できるが、表示部が2D映像にしか対応していない立体映像撮像装置で立体映像の撮像を行った場合、撮像者は、2D映像にしか対応していない表示部の表示画面を視認しても、立体感の程度を把握することができないので、輻輳角(輻輳点の位置)をどう調整してよいか分からず、撮像範囲内のすべての物体が輻輳点より遠くに位置するように撮像してしまうことがある。このようにして撮像された映像を、観察者が、立体映像表示装置で観察した場合、表示画面より観察者側に結像される物体、すなわち、表示画面から飛び出して見える物体がないこととなり、立体感に乏しい映像となってしまう。
この場合、立体映像撮像装置に、立体映像に対応した表示部が設けられていれば、撮像者は、撮像時に立体映像の立体感を少なからず把握できたはずである。しかし、立体映像撮像装置自体の小型軽量化の要望から、立体映像撮像装置の表示部は、テレビジョン等、表示専用の表示装置に比べ表示画面のサイズが非常に小さく、表示部に表示される映像の視差も表示画面のサイズに比例して小さくなるので、表示部に表示された立体映像の立体感はやはり乏しいものになる。そのため、撮像者は、所望する立体感で立体映像を撮像できているか否か把握するのは困難であった。
ここで、特許文献1、2の技術を用いたとしても、このような立体映像の撮像に特有の問題は解消されない。また、特許文献3の技術では、撮像中の映像が、立体映像として認識できるか否かについては分かるが、その立体感の程度を把握することはできない。さらに、特許文献4に記載の立体映像撮像装置で撮像した場合、撮像時において、輻輳点が被写体の位置に追従するので、表示部に立体映像を表示したとしても、被写体が常に表示画面の位置で知覚されることとなり、立体感の程度を把握できないばかりか、被写体が表示画面から飛び出したり奥まったりする立体感を与えることすらできなかった。このように、従来の立体映像撮像装置では、撮像中の映像の立体感を定量的に把握する手段がなかった。
そこで本発明は、このような課題に鑑み、被写体と輻輳点との位置関係を瞬時に把握させることが可能な、立体映像撮像装置および立体映像撮像方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の立体映像撮像装置は、両眼視差を有する左眼用映像データと右眼用映像データとを生成する複数の撮像部と、複数の撮像部から、複数の撮像部それぞれの光軸が交差する輻輳点までの距離である輻輳点距離を導出する輻輳点距離導出部と、複数の撮像部から被写体までの距離である被写体距離を導出する被写体距離導出部と、輻輳点距離と被写体距離との差分値を導出する差分値導出部と、左眼用映像データおよび右眼用映像データの少なくとも一方に差分値を示すデータを合成する表示制御部と、差分値を示すデータが合成された、左眼用映像データおよび右眼用映像データを併合して立体映像データを生成する映像併合部と、立体映像データに基づく立体映像を表示する表示部とを備えることを特徴とする。
差分値を示すデータは、左眼用映像データまたは右眼用映像データのうち予め定められた一方の映像データにのみ合成されてもよい。
撮像者の利き眼を示す利き眼情報を記録する利き眼記録部をさらに備え、差分値を示すデータは、左眼用映像データまたは右眼用映像データのうち、利き眼情報で示される利き眼に対応する映像データにのみ合成されてもよい。
複数の撮像部それぞれの光軸が成す輻輳角の大きさを取得する輻輳角取得部をさらに備え、表示制御部は、さらに輻輳角の大きさを示すデータを左眼用映像データおよび右眼用映像データの少なくとも一方に合成してもよい。
上記課題を解決するために、本発明の他の立体映像撮像装置は、両眼視差を有する左眼用映像データと右眼用映像データとを生成する複数の撮像部と、複数の撮像部から、複数の撮像部それぞれの光軸が交差する輻輳点までの距離である輻輳点距離を導出する輻輳点距離導出部と、複数の撮像部から被写体までの距離である被写体距離を導出する被写体距離導出部と、輻輳点距離と被写体距離との差分値を導出する差分値導出部と、左眼用映像データまたは右眼用映像データのうち予め定められた一方の映像データに差分値を示すデータを合成する表示制御部と、差分値を示すデータが合成された一方の映像データに基づく2D映像を表示する表示部とを備えることを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の他の立体映像撮像装置は、両眼視差を有する左眼用映像データと右眼用映像データとを生成する複数の撮像部と、複数の撮像部から、複数の撮像部それぞれの光軸が交差する輻輳点までの距離である輻輳点距離を導出する輻輳点距離導出部と、複数の撮像部から被写体までの距離である被写体距離を導出する被写体距離導出部と、輻輳点距離と被写体距離との差分値を導出する差分値導出部と、差分値に基づいて、被写体から輻輳点までの距離の、所定の基準距離に対する相対量である第1相対量を示す指標を生成する指標生成部と、左眼用映像データおよび右眼用映像データの少なくとも一方に指標を示すデータを合成する表示制御部と、指標を示すデータが合成された、左眼用映像データおよび右眼用映像データを併合して立体映像データを生成する映像併合部と、立体映像データに基づく立体映像を表示する表示部とを備えることを特徴とする。
指標を示すデータは、左眼用映像データまたは右眼用映像データのうち予め定められた一方の映像データにのみ合成されてもよい。
撮像者の利き眼を示す利き眼情報を記録する利き眼記録部をさらに備え、指標を示すデータは、左眼用映像データまたは右眼用映像データのうち、利き眼情報で示される利き眼に対応する映像データにのみ合成されてもよい。
上記課題を解決するために、本発明の他の立体映像撮像装置は、両眼視差を有する左眼用映像データと右眼用映像データとを生成する複数の撮像部と、複数の撮像部から、複数の撮像部それぞれの光軸が交差する輻輳点までの距離である輻輳点距離を導出する輻輳点距離導出部と、複数の撮像部から被写体までの距離である被写体距離を導出する被写体距離導出部と、輻輳点距離と被写体距離との差分値を導出する差分値導出部と、差分値に基づいて、被写体から輻輳点までの距離の、所定の基準距離に対する相対量である第1相対量を示す指標を生成する指標生成部と、左眼用映像データまたは右眼用映像データのうち予め定められた一方の映像データに指標を示すデータを合成する表示制御部と、指標を示すデータが合成された一方の映像データに基づく2D映像を表示する表示部とを備えることを特徴とする。
指標生成部は、第1相対量の大きさに対応した大きさで指標を生成してもよい。
指標は、四角形で形成されてもよい。
指標生成部は、被写体から輻輳点までの距離が基準距離以上になると、四角形で形成された指標の縦方向または横方向の少なくとも一方の長さが、映像データに基づく映像の表示範囲の、一方に対応する方向の長さと等しくなるように指標を生成してもよい。
指標生成部は、被写体から輻輳点までの距離が基準距離以上になると、四角形で形成された指標の縦方向または横方向の少なくとも一方の長さが、表示部の表示画面の、一方に対応する方向の長さと等しくなるように指標を生成してもよい。
指標生成部は、指標に、複数の撮像部それぞれの光軸が成す輻輳角の、所定の基準角に対する相対量である第2相対量を示す表示態様を付加してもよい。
指標は、相似な2つの多角形で形成され、指標生成部は、2つの多角形の各頂点同士の結線の長さが第2相対量の大きさに対応した長さとなるように指標を生成してもよい。
基準距離は、複数の撮像部の水平画角を成す線のうち、他の撮像部側にある線同士が交差する点を通り光軸と垂直に交わる直線と、光軸との交点から輻輳点までの距離であってもよい。
指標生成部は、輻輳点距離と被写体距離とを比較し、どちらが大きいかに従って指標の表示態様を異ならせてもよい。
上記課題を解決するために、本発明の立体映像撮像方法は、両眼視差を有する左眼用映像データと右眼用映像データとを生成し、複数の撮像部から、複数の撮像部それぞれの光軸が交差する輻輳点までの距離である輻輳点距離を導出し、複数の撮像部から被写体までの距離である被写体距離を導出し、輻輳点距離と被写体距離との差分値を導出し、左眼用映像データおよび右眼用映像データの少なくとも一方に差分値を示すデータを合成し、差分値を示すデータを合成した、左眼用映像データおよび右眼用映像データを併合して立体映像データを生成し、立体映像データに基づく立体映像を表示することを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の他の立体映像撮像方法は、両眼視差を有する左眼用映像データと右眼用映像データとを生成し、複数の撮像部から、複数の撮像部それぞれの光軸が交差する輻輳点までの距離である輻輳点距離を導出し、複数の撮像部から被写体までの距離である被写体距離を導出し、輻輳点距離と被写体距離との差分値を導出し、左眼用映像データまたは右眼用映像データのうち予め定められた一方の映像データに差分値を示すデータを合成し、差分値を示すデータを合成した一方の映像データに基づく2D映像を表示することを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の他の立体映像撮像方法は、両眼視差を有する左眼用映像データと右眼用映像データとを生成し、複数の撮像部から、複数の撮像部それぞれの光軸が交差する輻輳点までの距離である輻輳点距離を導出し、複数の撮像部から被写体までの距離である被写体距離を導出し、輻輳点距離と被写体距離との差分値を導出し、差分値に基づいて、被写体から輻輳点までの距離の、所定の基準距離に対する相対量である第1相対量を示す指標を生成し、左眼用映像データおよび右眼用映像データの少なくとも一方に指標を示すデータを合成し、指標を示すデータを合成した、左眼用映像データおよび右眼用映像データを併合して立体映像データを生成し、立体映像データに基づく立体映像を表示することを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の他の立体映像撮像方法は、両眼視差を有する左眼用映像データと右眼用映像データとを生成し、複数の撮像部から、複数の撮像部それぞれの光軸が交差する輻輳点までの距離である輻輳点距離を導出し、複数の撮像部から被写体までの距離である被写体距離を導出し、輻輳点距離と被写体距離との差分値を導出し、差分値に基づいて、被写体から輻輳点までの距離の、所定の基準距離に対する相対量である第1相対量を示す指標を生成し、左眼用映像データまたは右眼用映像データのうち予め定められた一方の映像データに指標を示すデータを合成し、指標を示すデータを合成した一方の映像データに基づく2D映像を表示することを特徴とする。
以上説明したように本発明では、被写体と輻輳点との位置関係を瞬時に把握させることが可能となる。
立体映像撮像装置の輻輳点と被写体との相対的な位置と、立体感の関係を説明するための説明図である。 立体映像撮像装置の輻輳点と被写体との相対的な位置と、立体感の関係を説明するための説明図である。 立体映像撮像装置の概略的な構成を示した機能ブロック図である。 輻輳点距離と被写体距離との差分値を示す文字列、および輻輳角の大きさを示す文字列の表示例を示した説明図である。 指標の表示例を説明するための説明図である。 指標生成部で生成される指標の一例を説明するための説明図である。 近接位置を説明するための説明図である。 近接距離の導出処理を説明するための説明図である。 被写体距離を説明するための説明図である。 輻輳点距離よりも被写体距離が短い場合における平面図形の大きさを説明するための説明図である。 輻輳点距離よりも被写体距離が長い場合における平面図形の大きさを説明するための説明図である。 平面図形を重畳する位置を説明するための説明図である。 平面図形と被写体の画像が重なることによる問題を説明するための説明図である。 指標の重畳処理の例を示す説明図である。 立体映像撮像方法の処理の流れを示すフローチャートである。 立体映像撮像方法の処理の流れを示すフローチャートである。 立体映像撮像方法の処理の流れを示すフローチャートである。 立体映像撮像方法の処理の流れを示すフローチャートである。 立体映像撮像方法の処理の流れを示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
本実施形態において、撮像者は、立体映像撮像装置を用いて立体映像または2D映像を撮像する者を示し、観察者は、その撮像された立体映像や2D映像を、立体映像表示装置を通じて観察する者を示す。また、本実施形態中で単に「近い」または「遠い」といった表現が用いられている場合、撮像者または観察者から近いまたは遠いことを示す。さらに、実施形態中で用いられる立体映像データや2D映像データを総称して映像データという場合や、立体映像や2D映像を総称して映像という場合もある。
また、本実施形態においては、立体映像撮像装置が2つの撮像部を有する場合を例示しているが、撮像部の数はかかる場合に限定されず、例えば3つ以上といったように任意の数で構成することができる。撮像は、撮像部を通じて映像データを生成することを言い、記録は、取得した映像データを符号化して映像記録部に記録することを言う。また、画角は、各撮像部における撮像可能な範囲を角度で表したものであり、2つの撮像部それぞれの光軸を含む面における画角を水平画角とする。
図1および図2は、立体映像撮像装置100の輻輳点102と被写体104との相対的な位置と、立体感の関係を説明するための説明図である。ここでは、立体映像撮像装置100に設けられた例えば2つの撮像部106a、106bが所定間隔離れており、撮像部106a、106bそれぞれの光軸108a、108bが同一平面上で交差している。特に、図1(a)は、立体映像撮像装置100の撮像部106a、106bそれぞれの光軸108a、108bが交差する点である輻輳点102に、背景となる木110が位置し、輻輳点102より立体映像撮像装置100側に被写体104が位置する状態の上面視を示し、図1(b)は、図1(a)の状態で、立体映像撮像装置100が生成した左眼用映像データに基づく左眼用映像および右眼用映像データに基づく右眼用映像を示し、図1(c)は、その左眼用映像データおよび右眼用映像データを併合した立体映像データに基づく立体映像を立体映像表示装置112に表示した場合を示す。
図1(a)に示す位置関係で撮像を行った場合、図1(b)に示すように、左眼用映像と右眼用映像において、輻輳点102にある木110には視差が生じず、輻輳点102より立体映像撮像装置100に近い位置にある被写体104には視差が生じる。そのため、図1(c)のように立体映像表示装置112に立体映像を表示し、図1(c)に示す位置で観察者がその立体映像を観察した場合、木110は立体映像表示装置112の表示画面114上に結像し、被写体104は表示画面114より観察者側の点116の位置で結像することとなり、観察者は、恰も被写体104が表示画面114から飛び出しているように知覚する。このような立体映像中の被写体104や木110といった被撮像物の立体感は、被撮像物と輻輳点102との相対的な位置関係によって変化する。被撮像物と輻輳点102との相対的な位置関係の他の例について図2を用いて説明する。
図2(a)は、輻輳点102より遠方に被写体104と木110の両被撮像物が位置する状態の上面視を示し、図2(b)は、図2(a)の状態で、立体映像撮像装置100が生成した左眼用映像データに基づく左眼用映像および右眼用映像データに基づく右眼用映像を示し、図2(c)は、立体映像を立体映像表示装置112に表示した場合を示す。図2(a)に示すように、撮像範囲内のすべての被撮像物(ここでは被写体104と木110)が輻輳点102より、撮像者側から見て遠くに位置している状態で立体映像を撮像し、図2(c)に示すように、撮像した立体映像を立体映像表示装置112に表示すると、図2(c)に示す位置で観察者が立体映像表示装置112に表示された立体映像を観察した場合、表示画面114より観察者側に結像する被撮像物はなく、黒丸で示したように、すべて奥まって知覚され、立体感が乏しい映像となってしまう。
このように、撮像者は、被写体104と輻輳点102との相対的な位置関係を把握した上で撮像を行わないと、より効果的な立体映像を撮像することができない。しかし、従来の立体映像撮像装置では、被写体104と輻輳点102との位置関係を把握する手段がなく、撮像者は、所望する立体感のある映像を適切に撮像できているか否かを確認するのは困難であった。
また、携帯性を有する小型の立体映像撮像装置100では、立体映像撮像装置100に設けられた表示部の表示画面の大きさが非常に小さいため、撮像された立体映像が比較的小さく表示され、立体映像中の視差も小さくなってしまう。このように視差が小さくなると、撮像者は、立体映像における立体感の程度を把握し難くなり、被写体104と輻輳点102との位置関係を推測することが難しくなる。
さらに、立体映像撮像装置100における、立体映像を表示可能な表示部の表示画面と、撮像者の両眼との位置関係は非常に限定的であり、一度、表示画面から眼を離してしまうと、再度観察するとき、撮像者は眼の位置を変えながら最適な観察位置を探さなければならなかった。このため、輻輳点102の位置の判断に至るまでには時間を要することになり、とっさの撮像に対応することができないといった問題があった。そこで、以下の実施形態では、被写体104と輻輳点102との位置関係を瞬時に把握させることが可能な立体映像撮像装置100を提案する。
(第1の実施形態:立体映像撮像装置100)
図3は、立体映像撮像装置100の概略的な構成を示した機能ブロック図である。図3に示すように、立体映像撮像装置100は、撮像部106(図3中、106a、106bで示す。)と、操作部120と、映像処理部122と、映像併合部124と、映像圧縮部126と、表示部128と、外部出力部130と、映像記録部132と、利き眼記録部134と、中央制御部136とを含んで構成される。ここでは、立体映像撮像装置100としてビデオカメラを挙げて説明するが、デジタルスチルカメラ、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistant)等、様々な電子機器を採用することができる。
ここで、撮像部106a、106bは、図1(a)および図2(a)に示したように、それぞれの光軸108a、108bが交わるように配置される。
また、撮像部106a、106bは、それぞれ、焦点調整に用いられるフォーカスレンズ150(図3中、150a、150bで示す。)と、露光調整に用いられる絞り(アイリス)152(図3中、152a、152bで示す。)と、撮像対象の拡大および縮小が可能なズームレンズ154(図3中、154a、154bで示す。)と、各レンズを通じて入射した光を光電変換し映像データにA/D変換する撮像素子156(図3中、156a、156bで示す。)と、フォーカスレンズ150、絞り152、ズームレンズ154および撮像素子156を駆動させる駆動回路158(図3中、158a、158bで示す。)とを含んで構成される。撮像部106a、106bは、映像中の被写体を立体的に存在するかのように知覚させるための、両眼視差を有する左眼用映像データと右眼用映像データとを生成する。左眼用映像データおよび右眼用映像データは、動画および静止画のいずれの映像としても生成可能である。
操作部120は、レリーズスイッチを含む操作キー、十字キー、ジョイスティック、後述する表示部128の表示画面に配されたタッチパネル等で構成され、撮像または記録の開始や停止、撮像部106a、106bそれぞれの光軸108a、108bが成す角である輻輳角の大きさの設定、利き眼情報の設定、および各種設定変更等、撮像者による操作入力を受け付ける。利き眼情報については後に詳述する。
映像処理部122は、撮像部106で生成された左眼用映像データおよび右眼用映像データに対して、R(Red)G(Green)B(Blue)処理(映像データからRGBデータへの変換、γ補正、色補正等)、エンハンス処理、ノイズ低減処理、ホワイトバランス調整処理等の映像処理を行う。
そして、映像処理部122は、後述する表示制御部180の制御指令に応じて、映像処理を行った、左眼用映像データおよび右眼用映像データの両映像データを映像併合部124に出力したり、映像処理を行った、左眼用映像データまたは右眼用映像データのうち予め定められた一方の映像データである2D映像データを、映像圧縮部126、表示部128、または、外部出力部130に出力したりする。
映像併合部124は、映像処理部122から出力された左眼用映像データおよび右眼用映像データを、サイドバイサイド方式、トップアンドボトム方式等の、立体映像における所定の収録方式で併合して立体映像データを生成し、映像圧縮部126、表示部128、または、外部出力部130に出力する。
映像圧縮部126は、後述する記録制御部182の制御指令に応じ、映像併合部124で併合された立体映像データを、H.264などの既存の様々な符号化方式で符号化して立体映像符号化データを生成し、映像記録部132に記録させる。また、映像圧縮部126は、記録制御部182の制御指令に応じ、映像処理部122から出力された2D映像データを既存の様々な符号化方式で符号化して2D映像符号化データを生成し、映像記録部132に記録させる。
さらに、映像圧縮部126は、表示制御部180の制御指令に応じ、映像記録部132に記録された立体映像符号化データを復号して立体映像データを生成し、表示部128または外部出力部130に出力する。また、映像圧縮部126は、表示制御部180の制御指令に応じ、映像記録部132に記録された2D映像符号化データを復号して2D映像データを生成し、表示部128または外部出力部130に出力する。
表示部128は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成される。例えば、表示部128をラインバイライン方式に対応させる場合、表示部128は、その表示画面の偏光特性が表示ラインの1ライン毎に異なるように形成される。このとき、表示部128は、表示制御部180の制御指令に応じ、映像併合部124または映像圧縮部126が出力した立体映像データに基づいて立体映像を表示し、または、映像処理部122または映像圧縮部126が出力した2D映像データに基づいて2D映像を表示する。
具体的に、表示部128は、入力された映像データが、例えば、サイドバイサイド方式で併合された立体映像データであれば、その立体映像データを、ラインバイライン方式に変換し、例えば、右眼用映像データに基づく右眼用映像を奇数ラインに表示し、左眼用映像データに基づく左眼用映像を、奇数ラインとは偏光特性の異なる偶数ラインに表示することで、立体映像データに基づく立体映像を表示する。撮像者は、表示部128に表示された立体映像を、左右で偏光特性が異なる眼鏡を通じて視認することで、映像中の被写体を立体的に存在するかのように知覚する。また、例えば、フレームシーケンシャル方式に対応した表示部128の場合、撮像者は、立体映像データのフレーム周期と同期して開閉するシャッタ式の眼鏡を通じて、映像中の被写体を立体的に存在するかのように知覚する。また、入力された映像データが2D映像データであれば、表示部128は2D映像データに基づく2D映像を表示し、撮像者は、裸眼でその2D映像を視認することができる。
さらに、表示部128は、操作部120と連動した撮像状態、例えば、立体映像符号化データまたは2D映像符号化データを映像記録部132に記録可能な残り時間(映像記録部132の記録可能な残り容量)、表示中の映像の残り再生時間、バッテリの残量等を示す補助情報をOSD(On-Screen Display)として表示する。
外部出力部130は、表示制御部180の制御指令に応じて、立体映像データまたは2D映像データのいずれかを選択し、例えば、立体映像撮像装置100に接続された立体映像表示装置112に出力する。立体映像表示装置112は、表示部128と同様、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等で構成され、立体映像データに基づく立体映像または2D映像データに基づく2D映像を表示する。
映像記録部132は、立体映像撮像装置100と一体的に形成された、RAM、EEPROM、フラッシュメモリ、HDD等の記録媒体であり、立体映像符号化データまたは2D映像符号化データを記録する。
また、映像記録部132として、立体映像撮像装置100から着脱可能な、DVD(Digital Versatile Disc)やBD(Blu-ray Disc)といった光ディスク媒体や、磁気テープ、磁気ディスクといった磁気媒体、フラッシュメモリ、ポータブルHDD等の外部記録媒体を適用してもよい。
利き眼記録部134は、EEPROM、不揮発性RAM、フラッシュメモリ、HDD等の記録媒体であり、撮像者の利き眼を示す利き眼情報を記録する。
中央制御部136は、中央処理装置(CPU)(図示せず)、中央制御部136を動作するためのプログラム等を格納したROM(図示せず)、一時的なデータ保存およびワークエリアとして利用されるRAM(図示せず)等を含む半導体集積回路により、立体映像撮像装置100全体を管理および制御する。また、本実施形態において、中央制御部136は、撮像制御部170、輻輳角取得部172、輻輳点距離導出部174、被写体距離導出部176、差分値導出部178、表示制御部180、記録制御部182、指標生成部184としても機能する。
撮像制御部170は、焦点調整、輻輳角調整、ズーム倍率調整、露光調整等を行う。具体的に、撮像制御部170は、撮像を制御するための制御指令を撮像部106の駆動回路158に伝達し、駆動回路158は、撮像制御部170からの制御指令に従って、例えば、コントラストが最も高くなる性質を利用したコントラスト方式を用い、被写体が合焦する(フォーカスが合う)ようにフォーカスレンズ150の位置を調整する。
また、撮像制御部170は、撮像部106a、106bそれぞれの光軸108a、108bが成す輻輳角の大きさが、操作部120を通じた撮像者の操作入力で指定された輻輳角の大きさとなるように、駆動回路158を制御する。さらに、撮像制御部170は、光学ズームの倍率が、操作部120を通じた撮像者の操作入力で指定された拡大率または縮小率となるように、駆動回路158を制御する。
輻輳角取得部172は、撮像制御部170が制御する駆動回路158から輻輳角の大きさを示す輻輳角情報を取得する。
輻輳点距離導出部174は、輻輳角取得部172が取得した輻輳角情報に基づいて、撮像部106a、106bから輻輳点までの距離である輻輳点距離を導出する。ここでは、撮像部106aから輻輳点までの距離と、撮像部106bから輻輳点までの距離が等しくなるので、いずれか一方の距離を輻輳点距離とすればよいが、両方の距離の平均値を輻輳点距離としてもよい。また、駆動回路158を通じて輻輳角の大きさを変更する構成を採用していない場合(輻輳角が固定されている場合)、輻輳点距離は、固定された輻輳角の大きさから一意に求められるので、予め中央制御部136のROMに記録しておくことができる。この場合、輻輳点距離導出部174は、中央制御部136のROMから輻輳点距離を参照する。
被写体距離導出部176は、撮像部106から被写体までの距離である被写体距離を導出する。例えば、被写体距離導出部176は、駆動回路158を通じてフォーカスレンズ150の位置を示す位置情報を取得し、フォーカスレンズ150の位置と合焦距離(撮像部106から合焦している位置である合焦位置までの距離)とを対応付けたテーブルを参照して合焦距離を求め、その合焦距離を被写体距離とする。
また、被写体距離の導出手段としては、フォーカスレンズ150の位置を用いる場合に限定されず、例えば、被写体距離導出部176としてレーザ発光部とレーザ受光部を備え、被写体距離導出部176は、レーザ発光部を通じて、被写体にレーザ光を照射すると共に、レーザ受光部で反射光を受光し、レーザ光の反射に費やす時間(TOF:Time Of Flight)を測定して被写体距離を導出してもよい。また、レーザ光の代わりに赤外線、音波、超音波、または電磁波等を用いることもできる。
さらに、被写体距離導出部176は、撮像部106a、106bが生成した左眼用映像データと右眼用映像データとから、映像データに含まれる被写体の映像上の視差を導出し、その視差に基づいて被写体距離を求めてもよい。
差分値導出部178は、輻輳点距離と被写体距離との差分値を導出する。本実施形態において、輻輳点距離と被写体距離との差分値は、被写体距離から輻輳点距離を減算した値とする。すなわち、被写体が輻輳点よりも遠くに位置する場合、輻輳点距離と被写体距離との差分値は正の値となり、被写体が輻輳点よりも近くに位置する場合、輻輳点距離と被写体距離との差分値は負の値となる。
表示制御部180は、操作部120を通じた撮像者の操作入力に応じて、映像併合部124で併合された立体映像データもしくは映像圧縮部126で復号された立体映像データに基づく立体映像、または、映像処理部122から出力された2D映像データもしくは映像圧縮部126で復号された2D映像データに基づく2D映像を表示部128に表示させる。
さらに、表示制御部180は、補助情報を表示部128に表示させる。例えば、表示制御部180は、補助情報として、差分値導出部178が導出した、輻輳点距離と被写体距離との差分値を示す文字列(数字列を含む)を映像と共に表示部128に表示させる。具体的に、立体映像を表示する場合、表示制御部180は、例えば、左眼用映像データおよび右眼用映像データそれぞれに、輻輳点距離と被写体距離との差分値を示すデータを、左眼用映像と右眼用映像とにおいて所定の視差を有するように、または視差0となるように合成する。映像併合部124は、差分値を示すデータが合成された、左眼用映像データおよび右眼用映像データを併合して立体映像データを生成する。そして、表示部128は、輻輳点距離と被写体距離との差分値を示す文字列が重畳された立体映像を表示する。また、2D映像を表示する場合、表示制御部180は、輻輳点距離と被写体距離との差分値を示すデータを2D映像データに合成する。そして、表示部128は、輻輳点距離と被写体距離との差分値を示す文字列が重畳された2D映像を表示する。
図4は、輻輳点距離と被写体距離との差分値を示す文字列200、および輻輳角の大きさを示す文字列202の表示例を示した説明図である。特に、図4(a)は、輻輳点距離と被写体距離との差分値を示す文字列200に関する表示例を、図4(b)は、輻輳点距離と被写体距離との差分値を示す文字列200、および輻輳角の大きさを示す文字列202に関する表示例を示す。
図4(a)の例において、表示制御部180は、輻輳点距離と被写体距離との差分値を示すデータを、例えば、左眼用映像データおよび右眼用映像データに、左眼用映像と右眼用映像とにおいて視差が0となるように合成する。そして、表示制御部180は、差分値を示すデータが合成された左眼用映像データおよび右眼用映像データを併合した立体映像データに基づく立体映像を表示部128に表示させる。したがって、表示部128には、立体映像と共に、差分値を示す文字列200が表示される。図4(a)では、理解を容易にするため、仮に、左眼用映像データに基づく左眼用映像および右眼用映像データに基づく右眼用映像を並置して表している。撮像者は、差分値を示す文字列200を確認することで、被写体104と輻輳点の位置関係、すなわち、被写体104等の立体感を定量的に把握しながら立体映像を撮像することができる。このとき、表示部128が比較的小型であったとしても、撮像者は、差分値を示す文字列200を数値として把握するので、立体映像の立体感を定量的に把握できることに変わりはない。
また、表示制御部180は、輻輳点距離と被写体距離との差分値を示す文字列200に加えて、または代えて、輻輳角の大きさを示す文字列202を表示部128に表示させてもよい。
図4(b)の例では、輻輳点距離と被写体距離との差分値を示すデータと輻輳角の大きさを示すデータとを、例えば、左眼用映像データおよび右眼用映像データに、左眼用映像と右眼用映像とにおいて視差が0となるように合成している。そして、表示制御部180は、差分値を示すデータおよび輻輳角の大きさを示すデータが合成された左眼用映像データおよび右眼用映像データを併合した立体映像データに基づく立体映像を表示部128に表示させる。したがって、表示部128には、立体映像と共に、差分値を示す文字列200と輻輳角の大きさを示す文字列202とが表示される。図4(b)でも、理解を容易にするため、左眼用映像データに基づく左眼用映像および右眼用映像データに基づく右眼用映像を並置して表している。こうして、撮像者は、被写体104と輻輳点の位置関係に加えて、輻輳角の大きさも定量的に把握しながら、例えば、操作部120を通じて輻輳角の大きさを調整し、撮像者が所望する輻輳角の大きさで立体映像を撮像することができる。
記録制御部182は、操作部120を通じた撮像者の操作入力に応じて、立体映像符号化データまたは2D映像符号化データを映像記録部132に記録させる。また、記録制御部182は、操作部120を通じて撮像者が入力した利き眼情報を利き眼記録部134に記録させる。
指標生成部184は、差分値導出部178で導出された差分値に基づいて、被写体から輻輳点までの距離の、所定の基準距離に対する相対量である第1相対量を示す指標を生成する。基準距離は撮像状態に応じて定まる基準となる距離であり、その導出方法は後に詳述する。具体的に、指標生成部184は、指標の態様(指標が重畳される映像上の位置、指標を構成する線種、色等)を決定し、その指標を示すデータを表示制御部180に送信する。立体映像を表示部128に表示させる場合、表示制御部180は、例えば、左眼用映像データおよび右眼用映像データそれぞれに対し、左眼用映像と右眼用映像とにおいて所定の視差を有するように、または視差が0となるように、指標生成部184から受信した指標を示すデータを合成する。また、2D映像を表示させる場合、表示制御部180は、2D映像データに指標を示すデータを合成する。そして、表示制御部180は、指標を示すデータが合成された、左眼用映像データおよび右眼用映像データを併合した立体映像データに基づく立体映像、または、指標を示すデータが合成された2D映像データに基づく2D映像を表示部128に表示させる。
図5は、指標204の表示例を説明するための説明図である。図5では、立体映像データに指標を示すデータを合成する場合について説明する。立体映像データに指標を示すデータを合成する場合、例えば、左眼用映像データおよび右眼用映像データそれぞれに同じ指標を示すデータを合成することができるが、説明の便宜のため、ここでは、一方の映像データである右眼用映像データに指標を示すデータを合成する例を挙げている。したがって、図5には、右眼用映像データに基づく右眼用映像と、右眼用映像に重畳された指標204とが示されている。図5(a)、(b)、(c)、(d)は、撮像者のいる撮像位置を変えずに、輻輳角の大きさのみを順次大きくし、輻輳点が撮像者に近づいた場合の指標204の変化を示している。このとき指標生成部184は、第1相対量の大きさに比例した大きさで星形の指標204を生成するとする。
輻輳点が被写体104よりも遠くに位置しているとき、指標204は、図5(a)に示すように、第1相対量の大きさに比例して大きな星形となり、かつ、輻輳点が被写体104より遠くに位置するので、その旨を示す黒の塗り潰しで表される。そして、撮像者が操作部120を通じて輻輳角の大きさを調節し、輻輳点を撮像者に近づけると、それに伴って第1相対量が小さくなるので、指標204も、図5(b)に示すように小さくなる。輻輳点が被写体104より近くなった時点で、図5(c)に示すように、輻輳点が被写体104より近くなったことを示すべく、指標204の黒の塗り潰しが白抜きに変化する。さらに輻輳点を撮像者に近づけると、今度は、第1相対量が大きくなるので、指標204は、図5(d)に示すように、第1相対量の大きさに比例して大きな星形となる。
このように、指標生成部184は、輻輳点距離と被写体距離との差分値を第1相対量に変換して、第1相対量の大きさに対応した大きさの指標204を生成する。かかる構成により、撮像者は、被写体104から輻輳点までの距離とその方向(輻輳点が被写体104より撮像者に近いか遠いか)を直感的に把握することができる。そのため、撮像者は、指標204を通じて撮像中の被写体104の立体感の程度を把握し、自身の移動や輻輳角の大きさの調整によって被写体104の立体感を調整することができる。ここでは、指標204として星形を示す図形を例に挙げたが、かかる場合に限定されず、他の様々な図形を用いることができる。
また、指標生成部184は、第1相対量に基づく指標に、輻輳角の、任意に設定された基準角に対する相対量である第2相対量を示す表示態様、例えば、第2相対量に対応した他の図形や表示色等を付加することもできる。かかる構成により、撮像者は、被写体104から輻輳点までの距離のみならず、輻輳角も直感的に把握することができる。
また、上述した第1相対量を導出する際に用いる基準距離は、輻輳点から、光軸108a、108b上の撮像者側にある任意の近接位置までの距離とすることができる。以下では、近接位置を定義し、近接位置に基づいて指標生成部184で生成される指標の一例を説明する。
図6は、指標生成部184で生成される指標の一例を説明するための説明図である。特に、図6(a)は、撮像部106aの光学位置から輻輳点102までの位置関係を示し、図6(b)は、図6(a)における図形220を示し、図6(c)は、図形220を光学位置側から見た場合に平面的に捉えられる平面図形220aを指標とし、その指標を示すデータを例えば右眼用映像データに合成した場合の右眼用映像を示す。ここでは、撮像部106aに関して例示しているが、以下の図6(a)〜(c)における説明は撮像部106bについても適用できる。
図6(a)において、光学位置は、撮像部106aの撮像素子156aの位置を示す。近接位置は、光軸108a上を光学位置から輻輳点102側に、例えば、任意の近接距離Lmin離れた位置である。ここでは、近接位置から輻輳点102までの距離を基準距離とする。近接面222は、近接位置における撮像部106aの撮像範囲である。合焦位置は、被写体104にフォーカスレンズのフォーカスが合ったときの被写体104の位置であり、光学位置から合焦位置までの距離L1が上述した被写体距離に相当する(以下、被写体距離L1とする。)。また、光学位置から輻輳点102までの距離L0が上述した輻輳点距離に相当する(以下、輻輳点距離L0とする。)。
図6(a)に示す図形220は、指標を生成する元となる仮想の多面体であり、近接面222の4つの頂点224と輻輳点102とを結ぶ4本の直線226と合焦位置における光軸108aに垂直な面228との交点(図6(b)における点F1〜F4)と、4本の直線226と合焦位置から距離Ltだけ光学位置に近い点における光軸108aに垂直な面230との交点(図6(b)における点R1〜R4)とをそれぞれ結線して成る図形である。ここで、距離Ltは、所定の長さが予め設定されている。ただし、立体映像または2D映像に重畳する指標は、図6(c)に示すように、図6(a)に示した図形220を光学位置側から見て平面的に捉えられる平面図形220aである。以下の説明では、指標として、平面図形220aを用いる場合、指標の文言に代えて単に平面図形220aと言う場合もある。
図形220において、図6(b)に示す点F1〜点F4が成す四角形(図6(c)の平面図形220aにおける内側の四角形232bに相当)の大きさは合焦位置が輻輳点102に近いほど小さくなり、合焦位置が輻輳点102と等しくなると点F1〜点F4は1つに重なる。逆に、合焦位置が輻輳点102から遠いほど大きくなり、近接位置では近接面222と等しい大きさになる。すなわち、点F1〜点F4が成す四角形の大きさは、合焦位置から輻輳点102までの距離(輻輳点距離L0と被写体距離L1との差分値)に比例することとなる。
また、点R1と点F1、点R2と点F2、点R3と点F3、点R4と点F4を結ぶ4つの結線は、図6(a)に示すように、光軸108aに対して傾斜を有する。ここで、輻輳角が大きくなると、近接面222の縦横の幅に対して輻輳点102から近接位置までの距離が相対的に短くなり、直線226の光軸108aに対する傾斜角が大きくなる。それに伴って、4つの結線の傾斜角も大きくなる。このように傾斜角が大きくなると、点F1〜点F4が成す四角形(図6(c)の平面図形220aにおける内側の四角形232bに相当)と、点R1〜点R4が成す四角形(図6(c)の平面図形220aにおける外側の四角形232aに相当)との面積差が大きくなり、距離Ltが固定値であれば、図形220の4つの結線が長くなるので、それを平面的に捉えた図6(c)の平面図形220aにおいても4つの結線232cは長くなる。つまり、この平面図形220aの結線232cの長さは輻輳角の大きさを示すこととなる。
指標生成部184は、図6(a)の位置関係に準じて、図6(c)に示す平面図形220aを生成する。そして表示制御部180は、この平面図形220aを指標とし、指標を示すデータを立体映像データに合成し、立体映像データに基づく立体映像を表示部128に表示させる。こうして、撮像者は、被写体104(合焦位置)から輻輳点102までの距離および輻輳角の大きさを直感的に把握できる。
上述した近接面222を定める近接位置は、任意の位置に設定できるが、特に、以下のように設定するとよい。
図7は、近接位置を説明するための説明図である。図7において、撮像部106a、106bの水平画角はβであり、撮像部106a、106bの光軸108a、108bは輻輳角αで交わっているものとする。
図7において、左眼用映像データに基づく左眼用映像には、撮像部106aの水平画角βで決まる撮像範囲の左端にある被写体240aの右半分と、撮像部106aの撮像範囲の中央にある被写体240bと、撮像部106aの撮像範囲の右端にある被写体240cの左半分が映っている。一方、右眼用映像データに基づく右眼用映像には、被写体240a、240bは映らず、撮像部106bの撮像範囲の左端にある被写体240cの右半分のみが映っている。
一般に、映像中の被写体を立体映像として結像させるためには、左眼用映像と右眼用映像に同じ被写体が映り込んでいる必要があるので、図7における被写体240bにフォーカスを合わせて撮像を行っても、被写体240cの一部しか立体映像として結像されない。つまり、被写体240cよりも近くに被写体があっても、立体映像として結像することができないということになる。したがって、撮像者は、被写体240cの位置よりも遠くに被写体が位置するように撮像しなければならない。つまり、被写体240cの位置が、立体映像として結像できなくなる限界位置となる。
ところが、撮像部106a、106bの光学ズームの倍率を変化すると、それに伴って、撮像部106a、106bの水平画角βも変化し、撮像部106aの水平画角βを成す線のうち図7中右側の線と撮像部106bの水平画角βを成す線のうち図7中左側の線との交点の位置(被写体240cの位置)、すなわち、上述した立体映像として結像できなくなる限界位置も変化することとなる。このように、光学ズームの倍率によって限界位置も変化するため、撮像者は被写体との距離をどの程度にして撮像すれば所望する立体映像を得ることができるのか定量的な判断ができない。
そこで、本実施形態においては、上述した、立体映像として結像できなくなる限界位置を図6で示した近接位置とすることで、被写体の位置と近接位置(限界位置)との関係を撮像者に明示することが可能となる。限界位置を近接位置としたとき、基準距離は、撮像部106a、106bの水平画角βを成す線のうち、他の撮像部106b、106a側にある線同士が交差する点(図7における被写体240cの位置)を通り、光軸108a、108bと垂直に交わる直線(例えば、被写体240aの位置と被写体240cの位置を通る直線)と、光軸108a、108bとの交点から、輻輳点102までの距離となる。
図6で説明したように、近接位置では、指標として用いられる平面図形220aの点F1〜点F4が成す四角形の大きさと、近接面222の大きさは等しくなるので、撮像者は、任意の合焦位置における平面図形220aの点F1〜点F4が成す四角形の大きさと近接面222の大きさとを比較することで、合焦位置にいる被写体と近接位置との位置関係を把握できる。
このとき、近接面222で撮像される映像が、表示部128の表示画面の縦横全幅に渡って表示されるようにすると、表示部128の表示画面の大きさが近接面222の大きさを表すことになるので、撮像者は、表示画面上に表示された平面図形220aの点F1〜点F4が成す四角形の大きさと表示画面の大きさとを比較することによって、被写体と近接位置との位置関係を把握できるようになる。
こうして、撮像者は、被写体から輻輳点102までの距離を直感的に把握できるのみならず、さらに、立体映像として結像できなくなる限界位置を容易に把握することが可能となる。
続いて、かかる近接位置を規定する近接距離Lminの導出処理について説明する。また、以下の説明では、指標として、図6で説明した平面図形220aを用いることとし、指標と平面図形220aとを同義に扱っている。
図8は、近接距離Lminの導出処理を説明するための説明図である。図8において、点Aは、輻輳点102であり、点Bは、撮像部106aの水平画角βを成す線のうち右側の線と撮像部106bの水平画角βを成す線のうち左側の線との交点であり、点Dは、点Bを通り光軸108aと垂直に交わる直線と光軸108aとの交点であり、点Cは、同直線と撮像部106aの水平画角βを成す線のうち左側の線との交点であり、撮像部106a、106bの間の距離をLc、撮像部106aと、撮像部106bとの中間点を点Cc、輻輳角の大きさをα、撮像部106a、106bの水平画角をβとする。点Bと点Ccを通る直線250aと、撮像部106aの水平画角βを成す線のうち図8中右側の線250bとが成す角をγとすると、γは式1で表わされる。
γ=(α+β)/2 …(式1)
撮像部106aと点Bの間の距離をLbとすると、以下の式2が成立する。
sinγ=Lc/(2・Lb) …(式2)
式1と式2から式3が成立する。
Lb=Lc/[2・sin{(α+β)/2}] …(式3)
撮像部106aから近接位置までの距離(撮像部106aから点Dまでの距離)である近接距離をLminとすると式4が成立する。
cos(β/2)=Lmin/Lb …(式4)
式3と式4から、近接距離Lminは、以下の式5で導出される。
Lmin=Lc・cos(β/2)/[2・sin{(α+β)/2}]…(式5)
図9は、被写体距離(合焦距離)L1を説明するための説明図である。図9を用いて、撮像部106a、106bの合焦位置について説明を行う。図9に示すように撮像部106a、106bから等距離の位置(点Ccと輻輳点102とを通る直線250a上の任意の点)に被写体240dがない場合、撮像部106aの合焦位置と撮像部106bの合焦位置とは異なることとなる。このとき、左右の撮像部106a、106bのいずれか一方の合焦位置に基づいて平面図形220aを生成すると、被写体240dの位置によっては被写体距離に誤差が生じてしまう。
そこで、被写体距離導出部176は、撮像部106aによる被写体距離Ll1と、撮像部106bによる被写体距離Lr1との平均値を被写体距離L1とする。かかる構成により、撮像部106a、106bの間の被写体距離の誤差の影響を抑制することができる。また、被写体距離Ll1と被写体距離Lr1との差分が無視できる(許容できる)状態であれば、いずれか一方を被写体距離L1とすることも可能である。
続いて、上述した近接距離Lmin、被写体距離L1を用いて、指標として用いられる平面図形220aの大きさを導出する処理について説明する。
図10は、輻輳点距離L0よりも被写体距離L1が短い(輻輳点102が被写体より遠い)場合における平面図形220aの大きさを説明するための説明図である。図10において、点Aは輻輳点102であり、点B〜Dは図8の点B〜Dに相当し、輻輳点距離をL0、被写体距離をL1、被写体距離L1より所定の距離Ltだけ短い距離をL2、近接距離をLmin、撮像部106a、106bの間の距離をLc、点Bと点Cの間の距離をDmax、輻輳角をα、撮像部106a、106bの水平画角をβとする。
また、点Cと点A(輻輳点102)とを結ぶ直線250c上の被写体距離L1にある点を点F1、直線250c上の距離L2にある点を点R1、点Bと点Aとを結ぶ直線250a上の被写体距離L1にある点を点F2、直線250a上の距離L2にある点を点R2、点F1から点F2までの距離をD1、点R1から点R2までの距離をD2とする。また、被写体距離L1は、図9を用いて説明したように、撮像部106aによる被写体距離Ll1と、撮像部106bによる被写体距離Lr1との平均値であり、近接位置までの近接距離Lminは上述した式5で求められる。図10中、面220bを形成する4つの点(F1、F2、R1、R2)は、図6(b)における図形220の同一の符号の点に相当する。
平面図形220aの大きさを導出するために、まず、距離D1、D2を導出する。図10に示すように、△ACBと△A(F1)(F2)は相似関係にあるので、以下の式6が成立する。
(L0−Lmin):(L0−L1)=Dmax:D1 …(式6)
よって、距離D1は以下の式7で導出される。
D1={Dmax・(L0−L1)}/(L0−Lmin) …(式7)
ただし、式6において、輻輳点距離L0は輻輳角αと撮像部106a、106bの間の距離Lcによって決まるものであり、輻輳点距離導出部174は、以下の式8を用いて輻輳点距離L0を導出する。
L0=Lc/{2・sin(α/2)} …(式8)
同様に、△ACBと△A(R1)(R2)は相似関係にあるので、以下の式9が成立する。
(L0−Lmin):(L0−L2)=Dmax:D2 …(式9)
よって、距離D2は以下の式10となる。
D2={Dmax・(L0−L2)}/(L0−Lmin) …(式10)
L2=L1−Ltであるので、D2は、以下の式11で導出される。
D2={Dmax・(L0−L1+Lt)}/(L0−Lmin) …(式11)
図11は、輻輳点距離L0よりも被写体距離L1が長い(輻輳点102が被写体より近い)場合における平面図形220aの大きさを説明するための説明図である。図11において、被写体距離L1より所定の距離Ltだけ長い距離をL2、点Cと点Aとを通る直線250c上の被写体距離L1にある点を点F1、直線250c上の距離L2にある点を点R1、点Bと点Aを通る直線250a上の被写体距離L1にある点を点F2、直線250a上の距離L2にある点を点R2とする。また、点A〜Dは図10の点A〜Dに相当し、輻輳点距離L0、被写体距離L1、近接距離Lmin、撮像部106a、106bの間の距離Lcについては、図10と同様の値とする。
図10と同様、△ACBと△A(F1)(F2)は相似関係にあるので、以下の式12が成立する。
(L0−Lmin):(L1−L0)=Dmax:D1 …(式12)
よって、距離D1は以下の式13で導出される。
D1={Dmax・(L1−L0)}/(L0−Lmin) …(式13)
同様に、△ACBと△A(R1)(R2)は相似関係にあるので、以下の式14が成立する。
(L0−Lmin):(L2−L0)=Dmax:D2 …(式14)
よって、距離D2は以下の式15となる。
D2={Dmax・(L2−L0)}/(L0−Lmin) …(式15)
L2=L1+Ltであるので、D2は、以下の式16で導出される。
D2={Dmax・(−L0+L1+Lt)}/(L0−Lmin) …(式16)
上述したように、撮像者は、指標として用いられる平面図形220aの点F1〜点F4が成す四角形の大きさを表示部128の表示画面と比較することで、被写体から輻輳点102までの距離を把握し、平面図形220aの点F1〜点F4が成す四角形の大きさと平面図形220aの点R1〜点R4が成す四角形の大きさとの比率によって輻輳角の大きさを把握する。したがって、撮像者が表示部128の表示画面を通じて平面図形220aの大きさを適切に把握できるように、指標生成部184は、導出された距離D1、D2を表示画面の画素数に変換しなければならない。続いて、距離D1、D2を、平面図形220aの横幅および縦幅の画素数に変換する処理、および平面図形220aを重畳する表示画面上の位置を導出する処理について説明する。
図12は、平面図形220aを重畳する位置を説明するための説明図である。平面図形220aを形成する8つの点(F1〜F4、R1〜R4)は、図6(b)における同一の符号の点に相当する。図12において、点F1〜F4、R1〜R4は、平面図形220aの表示画面の表示位置を示すために便宜的に黒丸を用いて示しているが、実際に点F1〜F4、R1〜R4の位置に黒丸が表示されるわけではない。
図6を用いて説明したように、被写体が近接位置にある場合、平面図形220aの点F1〜点F4が成す四角形232bの大きさが近接面222の大きさと等しくなる。ここでは、近接面222を表示部128の表示画面の縦横全幅に対応付けているので、被写体が近接位置にある場合、平面図形220aの点F1〜点F4が成す四角形232bの大きさが、表示部128の表示画面の大きさと等しくなる。つまり、近接位置での距離Dmaxが表示画面を基準とした水平方向(図12に示すX軸方向)の画素数に相当することになる。そのため、表示部128の表示画面のX軸方向の画素数をNxとすると、距離D1に相当するX軸方向の画素数Nx1は、D1とDmaxの比によって、以下の式17で表わされる。
Nx1=(D1/Dmax)・Nx …(式17)
被写体距離L1が輻輳点距離L0より短い場合、式7と式17によって、以下の式18が導かれる。
Nx1=Nx・(L0−L1)/(L0−Lmin) …(式18)
被写体距離L1が輻輳点距離L0より長い場合、式13と式17によって、以下の式19が導かれる。
Nx1=Nx・(L1−L0)/(L0−Lmin) …(式19)
同様に、距離D2に相当するX軸方向の画素数Nx2は、D2とDmaxの比によって、以下の式20で導出される。
Nx2=(D2/Dmax)・Nx …(式20)
被写体距離L1が輻輳点距離L0より短い場合、式11と式20によって、以下の式21が導かれる。
Nx2=Nx・(L0−L1+Lt)/(L0−Lmin) …(式21)
被写体距離L1が輻輳点距離L0より長い場合、式16と式20によって、以下の式22が導かれる。
Nx2=Nx・(−L0+L1+Lt)/(L0−Lmin) …(式22)
表示画面を基準とした垂直方向(図12に示すY軸方向)に関しても、表示画面を基準とした水平方向と同様、距離D1に相当するY軸方向の画素数Ny1は、表示部128の表示画面のY軸方向の画素数をNyとすると、被写体距離L1が輻輳点距離L0より短い場合、以下の式23で導出される。
Ny1=Ny・(L0−L1)/(L0−Lmin) …(式23)
また、画素数Ny1は、被写体距離L1が輻輳点距離L0より長い場合、以下の式24で導出される。
Ny1=Ny・(L1−L0)/(L0−Lmin) …(式24)
距離D2に相当するY軸方向の画素数Ny2は、被写体距離L1が輻輳点距離L0より短い場合、以下の式25で導出される。
Ny2=Ny・(L0−L1+Lt)/(L0−Lmin) …(式25)
また、画素数Ny2は、被写体距離L1が輻輳点距離L0より長い場合、以下の式26で導出される。
Ny2=Ny・(−L0+L1+Lt)/(L0−Lmin) …(式26)
このような画素数への変換式を用いることで、被写体が近接位置にある場合に、平面図形220aの点F1〜点F4を成す四角形232bの大きさが表示部128の表示画面の大きさと等しくなり、撮像者は、立体映像として結像できなくなる限界位置を容易に把握することができる。また、近接位置と輻輳点との間における被写体の位置(合焦位置)に応じて、四角形232bの大きさがリニアに変化するので、撮像者は、被写体と近接位置との位置関係を容易に把握することが可能となる。
ここでは、平面図形220aの縦方向の長さと横方向の長さの比率(以下、単に縦横比という。)が表示部128の表示画面の縦横比と等しくなる例を挙げて説明したが、本実施形態の目的を達成するためには、被写体が近接位置にある場合に、四角形で形成された平面図形220aの縦方向または横方向の少なくとも一方の長さが表示画面の一方の長さと等しくなるようにすればよい。したがって、指標生成部184は、被写体が近接位置にある場合、四角形で形成された平面図形220aの縦方向または横方向の少なくとも一方の長さが、表示部128の表示画面の、一方に対応する(同じ)方向の長さと等しくなるように平面図形220aを生成してもよい。
このように、近接面で撮像される映像を表示部128の表示画面の縦横全幅に渡って表示されるように構成した場合において、被写体が近接位置にある場合に、平面図形220aの縦方向または横方向の少なくとも一方の長さが、表示部128の表示画面の、一方に対応する方向の長さと等しくなるようにしさえすれば、撮像者は、表示画面上に表示された平面図形220aの一方の大きさ(長さ)と表示画面の大きさ(長さ)とを比較することによって、被写体と近接位置との位置関係や、立体映像として結像できなくなる限界位置を容易に把握することができる。
また、指標生成部184は、被写体が近接位置にある場合に、四角形で形成された、平面図形220aの縦方向または横方向の少なくとも一方の長さが、映像データに基づく映像の表示部128上の表示範囲の、一方に対応する方向の長さと等しくなるように平面図形220aを生成してもよい。この場合、表示部128の表示画面の画素数の代わりに、上記映像データに基づく映像が表示されている範囲の画素数をNx、NyとしてNx1、Ny1、Nx2、Ny2の導出を行う。
例えば、立体映像撮像装置100がHD(High Definition、アスペクト比16:9)規格に対応していたとしても、SD(Standard Definition、アスペクト比4:3)規格に対応した立体映像表示装置112で観察したい等、立体映像符号化データをSD規格で記録したい場合がある。この場合、表示部128は、記録されるSD規格による立体映像符号化データの撮像範囲を撮像者に示すために、HD規格に対応した表示部128にSD規格の立体映像を表示する。また、表示部128は、HD規格とSD規格との縦横比の相違から生じる左右両端の撮像映像が表示されない部分に黒の表示色を表示する。このとき、仮に、平面図形220aの縦横比を表示部128の表示画面の縦横比と等しくすると、被写体が近接位置にある場合に、表示部128上で平面図形220aが立体映像からはみ出してしまう。そこで、指標生成部184は、被写体が近接位置にある場合に、平面図形220aの縦方向または横方向の少なくとも一方の長さが、映像データに基づく映像の表示範囲の、一方に対応する方向の長さと等しくなるように平面図形220aを生成する。
こうして、撮像者は、平面図形220aの一方の大きさ(長さ)と、表示部128に表示された、映像データに基づく映像の表示範囲の大きさとを比較することによって、被写体と近接位置との位置関係や、立体映像として結像できなくなる限界位置を容易に把握することができる。
続いて、平面図形220aの8つの点(F1〜F4、R1〜R4)の表示部128上の表示位置の導出について説明する。
図12において、表示位置(Xc,Yc)は表示部128の表示画面の略中央に位置する点であり、括弧内はその点の座標を画素数で示している。点F1〜点F4の表示位置(X11,Y11)、(X12,Y12)、(X13,Y13)、(X14,Y14)は、上述した平面図形220aのX軸方向の画素数Nx1、Y軸方向の画素数Ny1を用いて、以下の式27〜式34で導出される。
X11=Xc−Nx1・1/2 …(式27)
Y11=Yc−Ny1・1/2 …(式28)
X12=Xc+Nx1・1/2 …(式29)
Y12=Yc−Ny1・1/2 …(式30)
X13=Xc−Nx1・1/2 …(式31)
Y13=Yc+Ny1・1/2 …(式32)
X14=Xc+Nx1・1/2 …(式33)
Y14=Yc+Ny1・1/2 …(式34)
同様に、点R1〜点R4の表示位置(X21,Y21)、(X22,Y22)、(X23,Y23)、(X24,Y24)は、上述した平面図形220aのX軸方向の画素数Nx2、Y軸方向の画素数Ny2を用いて、以下の式35〜式42で導出される。
X21=Xc−Nx2・1/2 …(式35)
Y21=Yc−Ny2・1/2 …(式36)
X22=Xc+Nx2・1/2 …(式37)
Y22=Yc−Ny2・1/2 …(式38)
X23=Xc−Nx2・1/2 …(式39)
Y23=Yc+Ny2・1/2 …(式40)
X24=Xc+Nx2・1/2 …(式41)
Y24=Yc+Ny2・1/2 …(式42)
指標生成部184は、導出した点F1〜点F4の表示位置と点R1〜点R4の表示位置とを図12のように結線し、平面図形220aを生成する。
続いて、平面図形220aと被写体104とが映像上で重なる場合に生じ得る問題について説明する。
図13は、平面図形220aと被写体104の画像が重なることによる問題を説明するための説明図である。特に、図13(a)は、平面図形220aを左眼用映像と右眼用映像の両方に重畳した場合を示し、図13(b)は、平面図形220aを右眼用映像のみに重畳した場合を示す。
図13(a)において、左眼用映像と右眼用映像における被写体104の視差は、左眼用映像と右眼用映像における平面図形220aの視差より大きい。そのため、被写体104の結像位置は、平面図形220aの結像位置よりも、撮像者に近くなる。
しかし、平面図形220aを左眼用映像と右眼用映像の両方に重畳すると、図13(a)のように、左眼用映像と右眼用映像の被写体の一部が平面図形220aに置換された状態となるため、表示部128に表示された立体映像において、被写体104の一部を平面図形220aが隠す(覆う)こととなる。人間は重なって表示される2つの物体について、視認できる物体が手前に位置し、その視認できる物体に置換されたことによって視認できなくなっている物体が奥に位置すると判断する。この場合、結像位置に関しては、被写体104が平面図形220aより手前に知覚されるにも拘わらず、映像の重なり方次第では平面図形220aが被写体104より手前にあるように見え、撮像者は、平面図形220aと被写体104の前後関係を判断できないため、正常な立体映像を知覚できない。
そこで、表示制御部180は、輻輳点距離L0と被写体距離L1との差分値を示すデータ、輻輳角の大きさを示すデータ、平面図形220a等の指標を示すデータを、左眼用映像データまたは右眼用映像データのいずれか一方の映像データにのみ合成する(差分値を示す文字列、輻輳角の大きさを示す文字列、指標を、左眼用映像または右眼用映像のいずれか一方の映像にのみ重畳する。)。例えば、図13(b)の例では、平面図形220aを右眼用映像にのみ重畳させた場合の左眼用映像と右眼用映像とが示されている。
このように一方の映像にのみ指標や、差分値を示す文字列、輻輳角の大きさを示す文字列を重畳すれば、これら指標等の結像点は生成されない。その結果、上述した結像位置と映像の重なり方の関係の不一致が起きず、撮像者は、正常な立体映像を知覚できる。
また、人間は、利き眼で視認対象に焦点を合わせ、もう一方の眼は漠然と背景を捉えているため、利き眼側の映像データに指標を示すデータ等を合成することが望ましい。この場合、表示制御部180は、予め、撮像者が操作入力によって利き眼記録部134に記録した、撮像者の利き眼を示す利き眼情報に基づいて、左眼用映像データまたは右眼用映像データのうち、利き眼に対応する映像データにのみ、輻輳点距離L0と被写体距離L1との差分値を示すデータ、輻輳角の大きさを示すデータ、または、平面図形220a等の指標を示すデータを合成する。かかる構成により、表示制御部180は、立体映像の結像関係に影響を与えることなく指標等を表示することができ、撮像者は、立体映像を知覚しつつ、正常に指標等を視認することができる。
また、指標生成部184は、輻輳点距離L0と被写体距離L1とを比較し、どちらが大きいかに従って指標の表示態様を異ならせてもよい。指標生成部184は、例えば、指標として用いられる平面図形220aの線の太さや色を異ならせて、輻輳点距離L0と被写体距離L1のどちらが大きいかを表す。
図14は、指標の重畳処理の例を示す説明図である。図14では、理解を容易にするため、2D映像に指標を重畳する例を挙げているが、勿論、立体映像に指標を重畳する場合にも適用できる。したがって、ここでは、2Dであるか立体であるかに限定せず、単に映像データや映像といった表現を用いている。ここでも、指標として図6で説明した平面図形220aを用いることとし、指標と平面図形220aとを同義に扱っている。また、図14(a)〜(i)の外枠は、表示部128の表示画面を示している。
図14中、特に、図14(a)は、輻輳点より近くにある被写体104を撮像している場合を示し、図14(b)は、輻輳点より遠くにある被写体104を撮像している場合を示し、図14(c)は、輻輳点にある被写体104を撮像している場合を示し、図14(d)は、近接位置にある被写体104を撮像している場合を示し、図14(e)は、輻輳点から(L0−Lmin)の距離だけ撮像者から遠くにある被写体104を撮像している場合を示し、図14(f)は、輻輳点より近くにある被写体104を、図14(a)のときより輻輳角を大きくして撮像している場合を示し、図14(g)は、輻輳点より近くにある被写体104を撮像し、表示画面の一部の範囲に、撮像された映像を表示する場合を示し、図14(h)および図14(i)は、近接位置にある被写体104を撮像し、図14(g)と同様、表示画面の一部の範囲に、撮像された映像を表示する場合を示す。
図14(a)のように、被写体104が輻輳点より近くに位置する場合、指標生成部184は、平面図形220aのうち、外側の四角形232aの線種には太線を用い、内側の四角形232bの線種には細線を用いる。また、指標生成部184は、外側の四角形232aの色を、内側の四角形232bの色、および結線232cの色(いずれも表示色1)よりも濃い色(表示色2)とし、恰も内側の四角形232bと結線232cとが外側の四角形232aの背後に隠れているように見せる。さらに、四角形232a、232b同士の頂点を結ぶ結線232cを外側の四角形232aの頂点から内側の四角形232bの頂点に向けて細くして楔形の線を形成する。このような表示態様によって、撮像者は、内側の四角形232bが、外側の四角形232aよりも遠方にあるように知覚し、平面図形220aから多面体(図6における図形220)を想起し易い。
撮像者は、多面体の図形220のイメージを想起することで、輻輳点が被写体104より遠くにあることを瞬時に把握することが可能となる。また、上述したように、内側の四角形232bは、被写体104から輻輳点までの距離に応じた大きさを持つので、撮像者はこの四角形232bの大きさに従って、被写体104から輻輳点までの距離を直感的に把握することが可能となる。
また、平面図形220aと共に、表示制御部180は、上述した差分値を示す文字列200を表示部128に表示させてもよい。このとき、表示制御部180は差分値を示す文字列200に正負の符号を付けてもよい。例えば、上述した図4(a)と同様、被写体104が輻輳点より近くに位置するとき、表示制御部180は、差分値を示す文字列200に負(マイナス)の符号を付ける。逆に被写体104が輻輳点より遠くにあるとき、表示制御部180は、差分値を示す文字列200に正(プラス)の符号を付ける。図14(a)の例では、撮像者は、マイナス符号を付した差分値を示す文字列200を通じて被写体104が輻輳点より1m近くに位置することを瞬時かつ定量的に把握することができる。ここでは、指標としての平面図形220aと共に差分値を示す文字列200を表示する例を示しているが、輻輳角の大きさを示す文字列202も表示できることは言うまでもない。
図14(b)のように、被写体104が輻輳点より遠くに位置する場合、指標生成部184は、平面図形220aのうち、外側の四角形232aの線種には細線を用い、内側の四角形232bの線種には太線を用いる。また、外側の四角形232a、内側の四角形232b、結線232cを1色(表示色3)のみで表示する。さらに、結線232cを外側の四角形232aの頂点から内側の四角形232bの頂点に向けて太くする。
このような表示態様によって、撮像者は、内側の四角形232bが、外側の四角形232aよりも近くにあるように知覚し、平面図形220aから多面体(図6における図形220)を想起し易い。さらに、指標生成部184は、被写体104が輻輳点より近くにある図14(a)の場合と異なる色(表示色3)を用いて平面図形220aを生成することによって、平面図形220aの方向性、すなわち、平面図形220aの元となる図6で説明した図形220における、光軸108aに垂直な断面の面積の大きさが減少する方向が撮像者側に向いているのか、撮像者と反対の方向を向いているのかを表すことができる。
撮像者は、多面体の図形220のイメージを想起することで、輻輳点が被写体104より近くにあることを瞬時に把握することが可能となる。また、内側の四角形232bは、被写体104から輻輳点までの距離に応じた大きさを持つので、撮像者はこの四角形の大きさに従って、被写体104から輻輳点までの距離を直感的に把握することが可能となる。
また、図14(b)の例において、被写体104は輻輳点より遠くにあるので、表示制御部180はプラス符号を付した差分値を示す文字列200を表示部128に表示させ、撮像者は、差分値を示す文字列200を通じて被写体104が輻輳点より1m遠くに位置することを瞬時かつ定量的に把握することができる。
図14(c)に示すように、輻輳点にある被写体104を撮像している場合、指標生成部184は、平面図形220aの内側の四角形232bを構成する4つの点を重ね、1つの点として平面図形220aを生成する。また、指標生成部184は、結線232cを外側の四角形232aからこの点に向けて細くすることで、撮像者は、平面図形220aから、外側の四角形232aを底面とする四角錐を想起する。また、指標生成部184は、結線232cを外側の四角形232aの色(表示色2)より淡い色(表示色1)とし、恰も結線232cが外側の四角形232aの背後に隠れているようにすることで、平面図形220aの方向性を表すことができる。
また、図14(c)の例においては、被写体104が輻輳点にあるので、表示制御部180はプラスマイナスの符号を付した差分値を示す文字列200を表示部128に表示させ、撮像者は、差分値を示す文字列200を通じて被写体104が輻輳点にあることを瞬時に把握することができる。
近接面で撮像される映像を表示部128の表示画面の縦横全幅に渡って表示されるように構成している場合において、図14(d)に示すように、近接位置にある被写体104を撮像すると、指標生成部184は、平面図形220aの内側の四角形232bが表示部128の表示画面の縦横全幅に渡って表示されるように平面図形220aを生成し、平面図形220aの外側の四角形232aと結線232cとを形成しない。このとき、指標生成部184は、平面図形220aの内側の四角形232bの色を表示色1とする。こうして、撮像者は、被写体104が近接位置にあることを瞬時に把握することができる。
また、図14(d)の例において、被写体104は輻輳点より近くにあるので、表示制御部180はマイナスの符号を付した差分値を示す文字列200を表示部128に表示させ、撮像者は、差分値を示す文字列200を通じて被写体104が輻輳点より4m近くにあることを瞬時に把握することができる。
近接面で撮像される映像を表示部128の表示画面の縦横全幅に渡って表示されるように構成している場合において、図14(e)に示すように、輻輳点から(L0−Lmin)の距離だけ遠くにある被写体104を撮像すると、指標生成部184は、図14(d)と同様、平面図形220aの内側の四角形232bが表示部128の表示画面の縦横全幅に渡って表示されるように平面図形220aを生成し、外側の四角形232aと結線232cとを形成しない。ここで、輻輳点から(L0−Lmin)の距離だけ遠い位置とは、輻輳点を中心として近接位置と対称となる位置である。このとき、指標生成部184は、平面図形220aの内側の四角形232bの色を表示色3とする。指標生成部184は、被写体104が輻輳点より近くにある場合と異なる表示色3を用いて内側の四角形232bを生成することによって、平面図形220aの方向性を表すことができる。こうして、撮像者は、被写体104が輻輳点より(L0−Lmin)だけ遠い距離にあることを把握することができる。
このように平面図形220aの表示態様を変える構成により、撮像者は、平面図形220aの形状に基づいて、輻輳点が被写体104より遠いのか近いのかを瞬時に把握することができる。
また、図14(e)の例において、被写体104は輻輳点より遠くにあるので、表示制御部180はプラスの符号を付した差分値を示す文字列200を表示部128に表示させ、撮像者は、差分値を示す文字列200を通じて被写体104が輻輳点より4m遠くにあることを瞬時に把握することができる。
図14(f)に示すように、輻輳点より近くにある被写体104を撮像している場合であって、図14(a)のときより輻輳角を大きくして、かつ、平面図形220aの内側の四角形232bの大きさが図14(a)と等しくなる位置に、被写体104がくるように撮像している場合(内側の四角形232bの大きさが等しくなるように撮像しているので、輻輳角が大きい図14(f)における撮像者から被写体104までの距離は、図14(a)における撮像者から被写体104までの距離より短くなる。)、図6を用いて説明したように輻輳角が大きくなると外側の四角形232aと内側の四角形232bの面積差が大きくなる。したがって、指標生成部184は、図14(a)で示した平面図形220aと比較して外側の四角形232aが大きくなるように平面図形220aを生成し、結果的に、外側の四角形232aと内側の四角形232bとの頂点を結ぶ結線232cが長くなる。撮像者は、平面図形220aの内側の四角形232bと外側の四角形232aの大きさの差によって、輻輳角の大きさを直感的に把握することができる。
表示画面の一部の範囲に、撮像された映像を表示する場合、すなわち、表示部128の表示画面のすべての画素を使用しない場合(図14(g)〜(i)中、使用しない範囲にはクロスハッチングを施している。)において、図14(g)に示すように、図14(a)同様、輻輳点より近くにある被写体104を撮像すると、指標生成部184は、映像データに基づく映像の表示範囲の縦横の比率と、平面図形220aの縦横の比率が等しくなるように平面図形220aを生成する。ここでは、表示部128に表示されている撮像された映像の表示範囲全体を使って平面図形220aが表示されるので、撮像者は、平面図形220aの僅かな大きさの変化も把握し易くなる。
図14(g)同様、表示画面の一部の範囲に、撮像された映像を表示する場合において、図14(h)に示すように、近接位置にある被写体104を撮像すると、指標生成部184は、平面図形220aの内側の四角形232bを映像データに基づく映像の表示範囲の縦横全幅に渡る大きさに生成し、撮像された映像の表示範囲の縦横全幅に渡って平面図形220aの内側の四角形232bを表示させる。こうして、表示画面の一部の範囲に、撮像された映像を表示する場合であっても、撮像者は、被写体104が近接位置にあることを瞬時に把握することができる。
図14(h)と同様、表示画面の一部の範囲に、撮像された映像を表示する場合において、図14(i)に示すように、近接位置にある被写体104を撮像した場合に、指標生成部184は、平面図形220aの内側の四角形232bのうち、少なくとも横方向の線分に関して、表示部128の映像の表示範囲の横方向の全幅に渡って表示されるように平面図形220aを生成してもよい。このように、平面図形220aの少なくとも一方の大きさを変化させただけでも、撮像者は、表示画面上に表示された平面図形220aの一方の大きさと、撮像された映像の表示範囲の大きさとを比較することによって、被写体104と近接位置との位置関係や、立体映像として結像できなくなる限界位置を容易に把握することができる。
本実施形態では、指標の形状を四角形としたが、かかる場合に限定されず、四角形以外の多角形、直線、曲線、楕円を含む円、文字、記号等であってもよい。例えば、指標は、相似な2つの多角形で形成され、指標生成部184は、2つの多角形の各頂点同士の結線の長さが第2相対量の大きさに対応した長さとなるように指標を生成する。また、輻輳点距離L0と被写体距離L1との大小関係によって、異なる色の指標を表示する場合を例に挙げたが、かかる場合に限定されず、指標生成部184は、模様、形状、大きさ、質感、光沢、透明度などの表示形態を変えて指標を生成してもよい。
上述したように、指標等を表示部128に表示させる構成により、撮像者は、被写体104と輻輳点との位置関係および輻輳角の大きさを瞬時に把握することが可能となる。
(立体映像撮像方法)
さらに、上述した立体映像撮像装置100を用いた立体映像撮像方法も提供される。図15〜図19は、立体映像撮像方法の処理の流れを示すフローチャートである。ここでも、指標として図6で説明した平面図形220aを用いることとし、指標と平面図形220aとを同義に扱う。
図15に示す処理を開始すると、撮像部106a、106bは、左眼用映像データと右眼用映像データを生成し(S302)、指標生成部184は、撮像部106a、106bに指示した光学ズームの倍率から水平画角βを導出し、水平画角βと、駆動回路158から得られる輻輳角の大きさαと、撮像部106a、106bの間の距離Lcとを用い、撮像部106から近接位置までの近接距離Lminを式5より導出する(S304)。
輻輳点距離導出部174は、輻輳角の大きさαと撮像部106a、106bの間の距離Lcとを用い、撮像部106から輻輳点までの距離L0を式8より導出する(S306)。被写体距離導出部176は、撮像部106a、106bのフォーカスレンズ150a、150bの合焦位置を取得し、撮像部106aから被写体までの距離Ll1と、撮像部106bから被写体までの距離Lr1を導出する(S308)。そして、被写体距離導出部176は、被写体距離Ll1とLr1の平均値L1を導出し、その平均値を改めて被写体距離L1とする(S310)。
続いて、差分値導出部178は、被写体距離L1と輻輳点距離L0との差分値Ldを導出する(S312)。指標生成部184は、上記で求めた各値を用いて、合焦位置での距離D1と、合焦位置から距離Ltだけ離れた位置での距離D2とを求めるための距離導出処理を行う(S314)。距離導出ステップS314については、図16を用いて後に詳述する。
指標生成部184は、表示部128に表示されている映像のX軸方向の画素数NxとY軸方向の画素数Nyを導出する(S316)。ここで、映像が表示部128の表示画面の縦横全幅に渡って表示されている場合には表示画面の画素数からNx、Nyを求めればよい。そして、指標生成部184は、距離D1に相当する、表示部128に表示されている映像のX軸方向の画素数Nx1を式18または式19より導出し、Y軸方向の画素数Ny1を式23または式24より導出する。また、距離D2に相当する、表示部128に表示されている映像のX軸方向の画素数Nx2を式21または式22より導出し、Y軸方向の画素数Ny2を式25または式26より導出する(S318)。
続いて、指標生成部184は、指標としての平面図形220aの内側の四角形232bを構成する点F1〜点F4の表示位置(X11,Y11)、(X12,Y12)、(X13,Y13)、(X14,Y14)を式27〜34より導出する(S320)。そして、指標生成部184は、指標としての平面図形220aの外側の四角形232aを構成する点R1〜点R4の表示位置(X21,Y21)、(X22,Y22)、(X23,Y23)、(X24,Y24)を式35〜42より導出する(S322)。
表示制御部180は、立体映像の表示が選択されているか否かを判定し(S324)、立体映像の表示が選択されている場合(S324におけるYES)、利き眼記録部134から利き眼情報を読み出し(S326)、平面図形220aを示すデータの合成対象として、左眼用映像データまたは右眼用映像データのうち利き眼に対応する映像データを選択する(S328)。また、立体映像の表示が選択されていない場合、すなわち、2D映像の表示が選択されている場合(S324におけるNO)、表示制御部180は、平面図形220aを示すデータの合成対象として、2D映像データを選択する(S330)。
表示制御部180は、輻輳点距離L0と被写体距離L1との差分値Ldを示すデータを、平面図形220aを示すデータの合成対象として選択された映像データに合成する(S332)。差分値Ldは、差分値Ldを示す文字列として符号付きで表示されるので、撮像者はこの差分値Ldを示す文字列を通じて、被写体と輻輳点との前後関係を瞬時に把握することができる。また、ここでは差分値Ldを示すデータを合成する例を挙げているが輻輳角の大きさを示すデータを合成することも可能である。指標生成部184は、点F1〜点F4の表示位置(X11,Y11)、(X12,Y12)、(X13,Y13)、(X14,Y14)を結線するための合成処理Aを行い、合成対象として選択された映像データに、生成された、平面図形220aにおける点F1〜点F4が成す内側の四角形232bを示すデータを合成する(S334)。合成処理Aについては、図17を用いて後述する。
指標生成部184は、合焦位置での距離D1が近接位置での距離Dmaxと等しいか否かを判定し(S336)、距離D1が距離Dmaxと等しくない場合(S336におけるNO)、合成処理B(S338)および合成処理Cを行い(S340)、表示制御部180は、合成対象として選択された映像データに、生成された、平面図形220aにおける点R1〜点R4が成す外側の四角形232aおよび結線232cを示すデータを合成する。合成処理Bについては図18を用い、合成処理Cについては図19を用いて、後に詳述する。
距離D1が距離Dmaxと等しい場合(S336におけるYES)、平面図形220aにおける点F1〜点F4が成す内側の四角形232bの大きさが、表示部128に表示されている映像の大きさと等しくなっており、平面図形220aにおける点R1〜点R4が成す外側の四角形232aおよび結線232cを映像内に表示できないため、指標生成部184は合成処理Bおよび合成処理Cを行わない。ただし、距離D1が距離Dmaxと等しい場合に、平面図形220aの内側の四角形232bのうち、縦方向または横方向の少なくとも一方に関して、映像の表示範囲の大きさと等しくなるように構成した場合、他方に関して合成処理Bおよび合成処理Cを行ってもよい。
立体映像の表示が選択されている場合(S342におけるYES)、表示制御部180は、利き眼に対応する映像データに差分値を示すデータおよび平面図形220aを示すデータが合成された立体映像データに基づく立体映像を表示部128に表示させる(S344)。また、立体映像の表示が選択されていない場合、すなわち、2D映像の表示が選択されている場合(S342におけるNO)、表示制御部180は、差分値を示すデータおよび平面図形220aを示すデータが合成された2D映像データに基づく2D映像を表示部128に表示させる(S346)。そして、映像データ生成ステップS302に戻る。
ここで、撮像者が、表示部128に表示された平面図形220aや映像を視認しながら、任意のタイミングで映像の記録を指示すると、記録制御部182は、映像圧縮部126が所定の符号化方式で符号化した立体映像符号化データまたは2D映像符号化データを映像記録部132に記録させる。
続いて、図16を用いて、距離導出ステップS314について説明する。指標生成部184は、被写体距離L1が輻輳点距離L0以下か否かを判定し(S350)、被写体距離L1が輻輳点距離L0以下である場合(S350におけるYES)、すなわち被写体が輻輳点より近くに位置する場合、距離D1を式7により導出する(ステップS352)。被写体距離L1が輻輳点距離L0より大きい場合(S350におけるNO)、すなわち被写体が輻輳点より遠くにある場合、指標生成部184は、距離D1を式13により導出する(S354)。
指標生成部184は、距離導出ステップS352またはS354で導出した距離D1が距離Dmaxより大きいか否かを判定し(S356)、大きい場合(S356におけるYES)、距離D1にDmaxの値を代入する(S358)。距離D1が距離Dmax以下である場合(S356におけるNO)、代入ステップS358は行わない。
合焦位置での距離D1が近接位置での距離Dmaxと等しい場合、平面図形220aの点F1〜点F4が成す内側の四角形232bは表示部128に表示されている映像の表示範囲の大きさと等しくなるように表示されている。したがって、合焦位置での距離D1が、近接位置での距離Dmaxより大きくなるような位置に被写体がある場合、例えば、被写体が近接位置より近くにある場合などには平面図形220aの内側の四角形232bの大きさが表示部128に表示されている映像の表示範囲を超えることとなってしまう。このような場合でも、上述した代入ステップS358によって、距離D1が距離Dmax以上とならないようにし、平面図形220aの内側の四角形232bを、表示部128に表示されている映像の表示範囲の大きさと等しくしている。
続いて、指標生成部184は、被写体距離L1が輻輳点距離L0以下か否かを判定し(S360)、被写体距離L1が輻輳点距離L0以下である場合(S360におけるYES)、すなわち被写体が輻輳点より近くにいる場合、距離D2を式11により導出する(S362)。被写体距離L1が輻輳点距離L0より大きい場合(S360におけるNO)、すなわち被写体が輻輳点より遠くにいる場合には、指標生成部184は、距離D2を式16により導出する(S364)。
そして、指標生成部184は、距離D2が距離Dmaxより大きいか否かを判定し(S366)、大きい場合(S366におけるYES)、距離D2にDmaxの値を代入する(S368)。距離D2が近接位置での距離Dmax以下である場合(S366におけるNO)、代入ステップS368は行わない。
ここでも、距離D2が、近接位置での距離Dmaxより大きくなるような位置に被写体がいる場合などには、平面図形220aの外側の四角形232aの大きさが表示部128に表示されている映像の範囲を超えることとなってしまう。このような場合でも、上述した代入ステップS368によって、距離D2が距離Dmax以上とならないようにし、平面図形220aの外側の四角形232aを、表示部128に表示されている映像の大きさと等しくしている。
続いて、図17を用いて、合成処理AステップS334について説明する。合成処理Aは、平面図形220aの点F1〜点F4で構成される内側の四角形232bを生成するための処理である。指標生成部184は、被写体距離L1が輻輳点距離L0以下か否かを判定し(S380)、被写体距離L1が輻輳点距離L0以下である場合(S380におけるYES)、すなわち被写体が輻輳点より近くにある場合、表示色1を選択し(ステップS382)、線種として細線を選択する(ステップS384)。
被写体距離L1が輻輳点距離L0より大きい場合(S380におけるNO)、すなわち被写体が輻輳点より遠くにある場合、指標生成部184は、表示色3を選択し(S386)、線種として太線を選択する(S388)。
上記の表示色選択ステップS382またはS386の処理は、被写体が輻輳点より近くにあるのか遠くにあるのかを撮像者に直感的に把握させるための処理であり、被写体が輻輳点より近くにある場合と遠くにある場合とで平面図形220aの内側の四角形232bの表示色を変えることにより、撮像者に対して輻輳点に対する被写体の位置を直感的に把握させることができる。
また、線種選択ステップS384またはS388は、平面図形220aをより立体的に見せるための処理であり、平面図形220aの内側の四角形232bと外側の四角形232aとの線の太さを異ならせることで、撮像者に対して平面図形220aの向きを直感的に把握させることができる。撮像者は、平面図形220aが撮像者と反対側に向いているように見えれば(平面図形220aの元となる図6で説明した図形220における、光軸108aに垂直な断面の面積の大きさが撮像者から遠くになるに連れ減少していれば)、被写体が輻輳点より近くにあると把握でき、平面図形220aが撮像者側に向いているように見えれば(平面図形220aの元となる図6で説明した図形220における、光軸108aに垂直な断面の面積の大きさが撮像者から遠くになるに連れ増加していれば)、被写体が輻輳点より遠くにあることを把握できる。
指標生成部184は、表示色選択ステップS382またはS386で選択した表示色、および線種選択ステップS384またはS388で選択した線種を用いて、点F1、F2間を結線し(S390)、点F3、F4間を結線し(S392)、点F1、F3間を結線し(S394)、点F2、F4間を結線し(S396)、平面図形220aの内側の四角形232bを生成する。
このとき、立体映像の表示が選択されていれば、表示制御部180は、このように生成された平面図形220aの内側の四角形232bを示すデータを、利き眼情報読み出しステップS326にて利き眼記録部134から読み出した利き眼情報に基づいて、撮像者の利き眼に対応する映像データに合成する。
続いて、図18を用いて、合成処理BステップS338について説明する。合成処理Bは、平面図形220aの点R1〜点R4で構成される外側の四角形232aを表示するための処理である。指標生成部184は、被写体距離L1が輻輳点距離L0以下か否かを判定し(S400)、被写体距離L1が輻輳点距離L0以下である場合(S400におけるYES)、すなわち被写体が輻輳点より近くにある場合、表示色1よりも濃い表示色2を選択し(S402)、線種として太線を選択する(S404)。被写体距離L1が輻輳点距離L0より大きい場合(S400におけるNO)、すなわち被写体が輻輳点より遠くにある場合、指標生成部184は、表示色3を選択し(S406)、線種として細線を選択する(S408)。
上記の表示色選択ステップS402またはS406の処理は、被写体が輻輳点より近くにあるのか遠くにあるのかを撮像者に直感的に把握させるための処理であり、被写体が輻輳点より近くにある場合と遠くにある場合とで平面図形220aの外側の四角形232aの表示色を変えることにより、撮像者に対して輻輳点に対する被写体の位置を直感的に把握させることができる。
また、線種選択ステップS404またはS408は、平面図形220aをより立体的に見せるための処理であり、平面図形220aの内側の四角形232bと外側の四角形232aとの線の太さを異ならせることで、撮像者に対して平面図形220aの向きを直感的に把握させることができる。撮像者は、平面図形220aが撮像者と反対側に向いているように見えれば、被写体が輻輳点より近くにあると把握でき、平面図形220aが撮像者側に向いているように見えれば、被写体が輻輳点より遠くにあることを把握できる。
指標生成部184は、表示色選択ステップS402またはS406で選択した表示色、および線種選択ステップS404またはS408で選択した線種を用いて、点R1、R2間を結線し(S410)、点R3、R4間を結線し(S412)、点R1、R3間を結線し(S414)、点R2、R4間を結線し(S416)、平面図形220aの外側の四角形232aを生成する。
このとき、立体映像の表示が選択されていれば、表示制御部180は、このように生成された平面図形220aの外側の四角形232aを示すデータを、利き眼情報読み出しステップS326にて利き眼記録部134から読み出した利き眼情報に基づいて、撮像者の利き眼に対応する映像データに合成する。
続いて、図19を用いて、合成処理CステップS340について説明する。合成処理Cは、平面図形220aの点F1〜F4で構成される内側の四角形232bと、点R1〜R4で構成される外側の四角形232aとの結線232cを生成するための処理である。
指標生成部184は、被写体距離L1が輻輳点距離L0以下か否かを判定し(S430)、被写体距離L1が輻輳点距離L0以下である場合(S430におけるYES)、すなわち被写体が輻輳点より近くにある場合、表示色1を選択し(S432)、線種として、外側の四角形232aの頂点から内側の四角形232bの頂点に向けて細くなる線(楔形線)を選択する(S434)。被写体距離L1が輻輳点距離L0より大きい場合(S430におけるNO)、すなわち被写体が輻輳点より遠くにある場合、指標生成部184は、表示色3を選択し(S436)、線種として、内側の四角形232bの頂点から外側の四角形232aの頂点に向けて細くなる線(楔形線)を選択する(S438)。
上記の表示色選択ステップS432またはS436の処理は、被写体が輻輳点より近くにあるのか遠くにあるのかを撮像者に直感的に把握させるための処理であり、被写体が輻輳点より近くにある場合と遠くにある場合とで結線232cの表示色を変えることにより、撮像者に対して輻輳点に対する被写体の位置を直感的に把握させることができる。
また、線種選択ステップS434またはS438は、平面図形220aをより立体的に見せるための処理であり、平面図形220aの内側の四角形232bと外側の四角形232aとを、方向性を有する楔形の線で結ぶことで、撮像者に対して平面図形220aの向きを直感的に把握させることができる。撮像者は、平面図形220aが撮像者と反対側に向いているように見えれば、被写体が輻輳点より近くにあると把握でき、平面図形220aが撮像者側に向いているように見えれば、被写体が輻輳点より遠くにあることを把握できる。
指標生成部184は、表示色選択ステップS432またはS436で選択した表示色、および線種選択ステップS434またはS438で選択した線種を用いて、点F1、R1間を結線し(S440)、点F2、R2間を結線し(S442)、点F3、R3間を結線し(S444)、点F4、R4間を結線し(S446)、平面図形220aの結線232cを生成する。
このとき、立体映像の表示が選択されていれば、表示制御部180は、このように生成された結線232cを示すデータを、利き眼情報読み出しステップS326にて利き眼記録部134から読み出した利き眼情報に基づいて、撮像者の利き眼に対応する映像データに合成する。
表示色選択ステップS382、S386、S402、S406、S432、S436および線種選択ステップS384、S388、S404、S408、S434、S438の処理によって、指標生成部184は、平面図形220aの表示態様を変化させ、被写体が輻輳点より近くにあるのか遠くにあるのかを撮像者に直感的に把握させることができる。
上述したように、立体映像撮像装置100を用いた立体映像撮像方法によれば、被写体と輻輳点との位置関係を瞬時に把握させることが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
なお、本明細書の立体映像撮像方法における各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
本発明は、映像中の被写体を立体的に存在するかのように知覚させる立体映像データを生成する立体映像撮像装置および立体映像撮像方法に利用することができる。
100 …立体映像撮像装置
102 …輻輳点
104 …被写体
106(106a、106b) …撮像部
108a、108b …光軸
124 …映像併合部
128 …表示部
134 …利き眼記録部
172 …輻輳角取得部
174 …輻輳点距離導出部
176 …被写体距離導出部
178 …差分値導出部
180 …表示制御部
184 …指標生成部

Claims (21)

  1. 両眼視差を有する左眼用映像データと右眼用映像データとを生成する複数の撮像部と、
    前記複数の撮像部から、前記複数の撮像部それぞれの光軸が交差する輻輳点までの距離である輻輳点距離を導出する輻輳点距離導出部と、
    前記複数の撮像部から被写体までの距離である被写体距離を導出する被写体距離導出部と、
    前記輻輳点距離と前記被写体距離との差分値を導出する差分値導出部と、
    前記左眼用映像データおよび前記右眼用映像データの少なくとも一方に前記差分値を示すデータを合成する表示制御部と、
    前記差分値を示すデータが合成された、前記左眼用映像データおよび前記右眼用映像データを併合して立体映像データを生成する映像併合部と、
    前記立体映像データに基づく立体映像を表示する表示部と、
    を備えることを特徴とする立体映像撮像装置。
  2. 前記差分値を示すデータは、前記左眼用映像データまたは前記右眼用映像データのうち予め定められた一方の映像データにのみ合成されることを特徴とする請求項1に記載の立体映像撮像装置。
  3. 撮像者の利き眼を示す利き眼情報を記録する利き眼記録部をさらに備え、
    前記差分値を示すデータは、前記左眼用映像データまたは右眼用映像データのうち、前記利き眼情報で示される利き眼に対応する映像データにのみ合成されることを特徴とする請求項2に記載の立体映像撮像装置。
  4. 前記複数の撮像部それぞれの光軸が成す輻輳角の大きさを取得する輻輳角取得部をさらに備え、
    前記表示制御部は、さらに前記輻輳角の大きさを示すデータを前記左眼用映像データおよび前記右眼用映像データの少なくとも一方に合成することを特徴とする請求項1に記載の立体映像撮像装置。
  5. 両眼視差を有する左眼用映像データと右眼用映像データとを生成する複数の撮像部と、
    前記複数の撮像部から、前記複数の撮像部それぞれの光軸が交差する輻輳点までの距離である輻輳点距離を導出する輻輳点距離導出部と、
    前記複数の撮像部から被写体までの距離である被写体距離を導出する被写体距離導出部と、
    前記輻輳点距離と前記被写体距離との差分値を導出する差分値導出部と、
    前記左眼用映像データまたは前記右眼用映像データのうち予め定められた一方の映像データに前記差分値を示すデータを合成する表示制御部と、
    前記差分値を示すデータが合成された一方の映像データに基づく2D映像を表示する表示部と、
    を備えることを特徴とする立体映像撮像装置。
  6. 両眼視差を有する左眼用映像データと右眼用映像データとを生成する複数の撮像部と、
    前記複数の撮像部から、前記複数の撮像部それぞれの光軸が交差する輻輳点までの距離である輻輳点距離を導出する輻輳点距離導出部と、
    前記複数の撮像部から被写体までの距離である被写体距離を導出する被写体距離導出部と、
    前記輻輳点距離と前記被写体距離との差分値を導出する差分値導出部と、
    前記差分値に基づいて、被写体から輻輳点までの距離の、所定の基準距離に対する相対量である第1相対量を示す指標を生成する指標生成部と、
    前記左眼用映像データおよび前記右眼用映像データの少なくとも一方に前記指標を示すデータを合成する表示制御部と、
    前記指標を示すデータが合成された、前記左眼用映像データおよび前記右眼用映像データを併合して立体映像データを生成する映像併合部と、
    前記立体映像データに基づく立体映像を表示する表示部と、
    を備えることを特徴とする立体映像撮像装置。
  7. 前記指標を示すデータは、前記左眼用映像データまたは前記右眼用映像データのうち予め定められた一方の映像データにのみ合成されることを特徴とする請求項6に記載の立体映像撮像装置。
  8. 撮像者の利き眼を示す利き眼情報を記録する利き眼記録部をさらに備え、
    前記指標を示すデータは、前記左眼用映像データまたは右眼用映像データのうち、前記利き眼情報で示される利き眼に対応する映像データにのみ合成されることを特徴とする請求項7に記載の立体映像撮像装置。
  9. 両眼視差を有する左眼用映像データと右眼用映像データとを生成する複数の撮像部と、
    前記複数の撮像部から、前記複数の撮像部それぞれの光軸が交差する輻輳点までの距離である輻輳点距離を導出する輻輳点距離導出部と、
    前記複数の撮像部から被写体までの距離である被写体距離を導出する被写体距離導出部と、
    前記輻輳点距離と前記被写体距離との差分値を導出する差分値導出部と、
    前記差分値に基づいて、被写体から輻輳点までの距離の、所定の基準距離に対する相対量である第1相対量を示す指標を生成する指標生成部と、
    前記左眼用映像データまたは前記右眼用映像データのうち予め定められた一方の映像データに前記指標を示すデータを合成する表示制御部と、
    前記指標を示すデータが合成された一方の映像データに基づく2D映像を表示する表示部と、
    を備えることを特徴とする立体映像撮像装置。
  10. 前記指標生成部は、前記第1相対量の大きさに対応した大きさで前記指標を生成することを特徴とする請求項6から9のいずれか1項に記載の立体映像撮像装置。
  11. 前記指標は、四角形で形成されることを特徴とする請求項6から10のいずれか1項に記載の立体映像撮像装置。
  12. 前記指標生成部は、前記被写体から前記輻輳点までの距離が前記基準距離以上になると、四角形で形成された前記指標の縦方向または横方向の少なくとも一方の長さが、映像データに基づく映像の表示範囲の、前記一方に対応する方向の長さと等しくなるように前記指標を生成することを特徴とする請求項11に記載の立体映像撮像装置。
  13. 前記指標生成部は、前記被写体から前記輻輳点までの距離が前記基準距離以上になると、四角形で形成された前記指標の縦方向または横方向の少なくとも一方の長さが、前記表示部の表示画面の、前記一方に対応する方向の長さと等しくなるように前記指標を生成することを特徴とする請求項11に記載の立体映像撮像装置。
  14. 前記指標生成部は、前記指標に、前記複数の撮像部それぞれの光軸が成す輻輳角の、所定の基準角に対する相対量である第2相対量を示す表示態様を付加することを特徴とする請求項6から10のいずれか1項に記載の立体映像撮像装置。
  15. 前記指標は、相似な2つの多角形で形成され、前記指標生成部は、前記2つの多角形の各頂点同士の結線の長さが前記第2相対量の大きさに対応した長さとなるように前記指標を生成することを特徴とする請求項14に記載の立体映像撮像装置。
  16. 前記基準距離は、前記複数の撮像部の水平画角を成す線のうち、他の撮像部側にある線同士が交差する点を通り前記光軸と垂直に交わる直線と、前記光軸との交点から前記輻輳点までの距離であることを特徴とする請求項6から15のいずれか1項に記載の立体映像撮像装置。
  17. 前記指標生成部は、前記輻輳点距離と前記被写体距離とを比較し、どちらが大きいかに従って前記指標の表示態様を異ならせることを特徴とする請求項6から16のいずれか1項に記載の立体映像撮像装置。
  18. 両眼視差を有する左眼用映像データと右眼用映像データとを生成し、
    複数の撮像部から、前記複数の撮像部それぞれの光軸が交差する輻輳点までの距離である輻輳点距離を導出し、
    前記複数の撮像部から被写体までの距離である被写体距離を導出し、
    前記輻輳点距離と前記被写体距離との差分値を導出し、
    前記左眼用映像データおよび前記右眼用映像データの少なくとも一方に前記差分値を示すデータを合成し、
    前記差分値を示すデータを合成した、前記左眼用映像データおよび前記右眼用映像データを併合して立体映像データを生成し、
    前記立体映像データに基づく立体映像を表示することを特徴とする立体映像撮像方法。
  19. 両眼視差を有する左眼用映像データと右眼用映像データとを生成し、
    複数の撮像部から、前記複数の撮像部それぞれの光軸が交差する輻輳点までの距離である輻輳点距離を導出し、
    前記複数の撮像部から被写体までの距離である被写体距離を導出し、
    前記輻輳点距離と前記被写体距離との差分値を導出し、
    前記左眼用映像データまたは前記右眼用映像データのうち予め定められた一方の映像データに前記差分値を示すデータを合成し、
    前記差分値を示すデータを合成した一方の映像データに基づく2D映像を表示することを特徴とする立体映像撮像方法。
  20. 両眼視差を有する左眼用映像データと右眼用映像データとを生成し、
    複数の撮像部から、前記複数の撮像部それぞれの光軸が交差する輻輳点までの距離である輻輳点距離を導出し、
    前記複数の撮像部から被写体までの距離である被写体距離を導出し、
    前記輻輳点距離と前記被写体距離との差分値を導出し、
    前記差分値に基づいて、被写体から輻輳点までの距離の、所定の基準距離に対する相対量である第1相対量を示す指標を生成し、
    前記左眼用映像データおよび前記右眼用映像データの少なくとも一方に前記指標を示すデータを合成し、
    前記指標を示すデータを合成した、前記左眼用映像データおよび前記右眼用映像データを併合して立体映像データを生成し、
    前記立体映像データに基づく立体映像を表示することを特徴とする立体映像撮像方法。
  21. 両眼視差を有する左眼用映像データと右眼用映像データとを生成し、
    複数の撮像部から、前記複数の撮像部それぞれの光軸が交差する輻輳点までの距離である輻輳点距離を導出し、
    前記複数の撮像部から被写体までの距離である被写体距離を導出し、
    前記輻輳点距離と前記被写体距離との差分値を導出し、
    前記差分値に基づいて、被写体から輻輳点までの距離の、所定の基準距離に対する相対量である第1相対量を示す指標を生成し、
    前記左眼用映像データまたは前記右眼用映像データのうち予め定められた一方の映像データに前記指標を示すデータを合成し、
    前記指標を示すデータを合成した一方の映像データに基づく2D映像を表示することを特徴とする立体映像撮像方法。
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