JP2012097872A - 軸受用保持器 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐摩耗性及び耐摺動性を維持・向上させると共に、トルク損失の割合を低減させることを可能にする低コストの軸受用保持器を提供する。
【解決手段】相手部材に沿って配列された複数の転動体を1つずつ回転可能に保持する複数のポケットを有し、これら各転動体と共に相手部材に沿って公転する軸受用保持器であって、当該保持器には、その表面全体のうち、少なくとも相手部材及び各転動体に対向する部位に表面硬化処理が施されており、表面硬化処理において、保持器の該当部位には、スズ或いはスズを含有する金属材料をコーティングして、厚さ1〜20μmの範囲の被膜が形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、相手部材との間で生じる発熱及び摩耗を低減させると共に、トルク損失を低減させることを可能にする軸受用保持器に関する。
従来、例えば自動車のオートマチックトランスミッション(AT)やトルクコンバータをはじめ部材相互が相対回転する部分には、各種の軸受が適用されている。その一例として、例えば特許文献1には、主にアキシアル荷重(或いは、アキシアル荷重及びラジアル荷重の双方の荷重)を支えて回転するスラストころ軸受が開示されている。
特許文献1のスラストころ軸受において、保持器には、相手部材(例えば、内外輪)と摺接する部分に、例えばダイヤモンドライクカーボン被膜材又はセラミック系被膜材によるコーティングが施されている。これにより、当該保持器と相手部材との間で生じる発熱及び摩耗等の低減が図られている。
特開2006−189133号公報
ところで、上記した特許文献1の軸受を含めた各種の軸受では、軸受回転中にトルク損失が生ずることが知られている。ここで、トルク損失を引き起こす要因の割合としては、保持器と転動体との転がり抵抗が60%、保持器と潤滑剤との攪拌抵抗が20%、保持器と相手部材(例えば、内外輪)との摩擦抵抗が20%程度と考えられている。
そこで、耐摩耗性及び耐摺動性を維持・向上させると共に、上記したトルク損失の割合を軽減することを可能にする軸受用保持器の開発が要望されている。具体的には、保持器に対して表面硬化処理を施すことで、保持器と転動体との転がり抵抗、並びに、保持器と相手部材(例えば、内外輪)との摩擦抵抗を軽減し、これら各抵抗によるトルク損失を引き起こす要因の割合(合計:80%)を軽減することが要望されている。この場合、表面硬化処理では、耐摩耗性及び耐摺動性を維持・向上させつつ、低コスト化を図ることも要望されている。
本発明は、このような要望に応えるためになされており、その目的は、耐摩耗性及び耐摺動性を維持・向上させると共に、トルク損失の割合を低減させることを可能にする低コストの軸受用保持器を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明は、相手部材に沿って配列された複数の転動体を1つずつ回転可能に保持する複数のポケットを有し、これら各転動体と共に相手部材に沿って公転する軸受用保持器であって、当該保持器には、その表面全体のうち、少なくとも相手部材及び各転動体に対向する部位に表面硬化処理が施されており、表面硬化処理において、保持器の該当部位には、スズ或いはスズを含有する金属材料をコーティングして、厚さ1〜20μmの範囲の被膜が形成されている。
本発明において、上記した軸受用保持器は、スラスト軸受或いはラジアル軸受に適用され、複数の転動体を回転可能に保持する。
本発明によれば、耐摩耗性及び耐摺動性を維持・向上させると共に、トルク損失の割合を低減させることを可能にする低コストの軸受用保持器を実現することができる。
(a)は、本発明の一実施形態に係るスラスト軸受用保持器の配置構成を一部拡大して示す断面図、(b)は、本発明の一実施形態に係るスラスト軸受用保持器の他の配置構成を一部拡大して示す断面図。 (a)は、図1に示されたスラスト軸受用保持器の全体構成を示す斜視図、(b)は、同図(a)に示されたスラスト軸受用保持器の一方のレースの構成を一部拡大して示す斜視図、(c)は、同図(a)に示されたスラスト軸受用保持器の他方のレースの構成を一部拡大して示す斜視図。 スズ(Sn)をコーティングした保持器を適用した軸受と、スズ被膜が無い保持器を適用した軸受とにおいて、その回転数と動トルク値との関係を示す図。
以下、本発明の一実施形態に係る軸受用保持器について説明する。
本実施形態では、相手部材に沿って配列された複数の転動体を1つずつ回転可能に保持する複数のポケットを有し、これら各転動体と共に相手部材に沿って公転する軸受用保持器を想定する。ここで、軸受用保持器は、スラスト軸受或いはラジアル軸受に適用され、複数の転動体を回転可能に保持する。この場合、転動体としては、ころ又は玉を適用することができるが、ここでは一例として、ころを適用したスラストころ軸受用保持器を想定する。
また、スラストころ軸受用保持器の仕様の一例としては、図1(a)に示すように、相対回転可能に対向配置された中空円環状の一対のレース2,4(軌道盤ともいう)相互間に当該保持器6を組み込む第1仕様形態と、図1(b)に示すように、例えば自動車のオートマチックトランスミッション(AT)などに設けられた各種の回転部材8に当該保持器6を直接組み込む第2仕様形態とを想定することができる。
ここで、図1(a)の第1仕様形態において、相手部材としては一対のレース2,4となり、一方、図1(b)の第2仕様形態において、相手部材としては回転部材8となるが、以下では、第1仕様形態に係る一対のレース2,4相互間に組み込まれたスラストころ軸受用保持器6について説明する。
この場合、第2仕様形態に係るスラストころ軸受用保持器6(図1(b))は、第1仕様形態に係るスラストころ軸受用保持器6(図1(a))と同様の構成を有しているため、後述する第1仕様形態に係るスラストころ軸受用保持器6の各構成に付された参照符号を、第2仕様形態に係るスラストころ軸受用保持器6の各構成に付すことにより、当該第2仕様形態に係るスラストころ軸受用保持器6についての説明は省略する。
図1(a)及び図2(a)〜(c)に示すように、第1仕様形態に係るスラストころ軸受用保持器6は、一対のレース2,4相互間に構成された中空円環状の軸受内部空間に沿って配列された複数の転動体(ころ)10を1つずつ回転可能に保持しながら、これら各転動体(ころ)10と共に軸受内部空間に沿って公転する。なお、図面では一例として、一対のレース2,4において、図中向って左側のレースを内側レース(内側軌道盤)2と称し、一方、図中向って右側のレースを外側レース(外側軌道盤)4と称する。
転動体10としての「ころ」は、例えば、その直径が小さく、長さが直径の3〜10倍という細長いものを適用する。また、保持器6としては、複数の転動体(ころ)10を軸受内部空間に沿って1つずつ回転可能に保持できるものであれば、その種類(形状、形式など)は問わないが、ここでは一例として、径寸法の異なる断面L字状の第1及び第2中空円環部材6a,6bを2つ用意し、これら中空円環部材6a,6bを互いに被せ合わせて一体化させた保持器6を適用する。
ここで、第1中空円環部材6aは、中空円板状の第1円環部本体60と、第1円環部本体60の径方向両側から当該第1円環部本体60に対して垂直方向に立ち上げられ、かつ互いに平行に対向して周方向に沿って連続した一対の第1フランジ部60fとを備えて構成されている。また、第1円環部本体60には、矩形状に開口された複数の第1ポケット構成部60pが周方向に沿って所定間隔(例えば、等間隔)で形成されている。
一方、第2中空円環部材6bは、中空円板状の第2円環部本体62と、第2円環部本体62の径方向両側から当該第2円環部本体62に対して垂直方向に立ち上げられ、かつ互いに平行に対向して周方向に沿って連続した一対の第2フランジ部62fとを備えて構成されている。また、第2円環部本体62には、矩形状に開口された複数の第2ポケット構成部62pが周方向に沿って所定間隔(例えば、等間隔)で形成されている。なお、第1ポケット構成部60pの数と第2ポケット構成部62pの数とは、互いに同一に設定されている。
この場合、第1中空円環部材6aの一対の第1フランジ部60fと、第2中空円環部材6bの一対の第2フランジ部62fとを相互に重ね合わせ、かつ第1ポケット構成部60pと第2ポケット構成部62pとを互いに正対(対向)させることで、第1及び第2ポケット構成部60p,62p相互間に1つのポケット6pが構成される。これにより、当該保持器6には、周方向に沿って所定間隔(例えば、等間隔)で複数のポケット6pが構成され、各転動体(ころ)10は、各ポケット6pに1つずつ回転可能に保持される。
なお、図面では一例として、第1及び第2中空円環部材6a,6bを互いに被せ合わせて一体化させた保持器6において、一対の第1フランジ部60fが一対の第2フランジ部62fの外側に配置構成される場合を示したが、これとは逆に、一対の第1フランジ部60fが一対の第2フランジ部62fの内側に配置構成されるようにしてもよい。以下、一対の第1フランジ部60fが一対の第2フランジ部62fの外側に配置構成された保持器6が、一対のレース2,4相互間(内側レース2と外側レース4との間)に組み込まれている場合を想定して説明を続ける。
まず、内側レース2は、中空円板状の内側レース本体部2aと、内側レース本体部2aの内周縁から連続し、軸受内部空間(保持器6)を覆うように外側レース4に向けて延出した内側リップ部2bとを有している。内側レース本体部2aには、特に参照符号は付さないが、その内周面(外側レース4に対向する対向面)に、周方向に沿って連続した内側軌道面(複数の転動体(ころ)10が転動する面)が形成されている。また、内側リップ部2bの延出端には、その一部を軸受内部空間(保持器6)に向けて折り曲げて一体成形された内側係止片2tが周方向に沿って所定間隔で設けられている。
一方、外側レース4は、中空円板状の外側レース本体部4aと、外側レース本体部4aの外周縁から連続し、軸受内部空間(保持器6)を覆うように内側レース2に向けて延出した外側リップ部4bとを有している。外側レース本体部4aには、特に参照符号は付さないが、その内周面(内側レース2に対向する対向面)に、周方向に沿って連続した外側軌道面(複数の転動体(ころ)10が転動する面)が形成されている。また、外側リップ部4bの延出端には、その一部を軸受内部空間(保持器6)に向けて折り曲げて一体成形された外側係止片4tが周方向に沿って所定間隔で設けられている。
このようなスラストころ軸受(スラストニードル軸受ともいう)では、内側レース2と外側レース4との間に転動体(ころ)10を保持器6で保持しつつ組み立てた状態において、上記した内側係止片2t及び外側係止片4tが、保持器6に一部係合する(具体的には、保持器6を両側から抱きかかえるように係合する)ことにより、その軸受構成(内側レース2、外側レース4、保持器6、各転動体(ころ)10)は、互いに分離すること無く一体化し、組み立てた状態(非分離状態、バレ止めされた状態)に維持される。
そして、スラストころ軸受を相対回転する部材(図示しない)相互間に組み込んだ状態において、保持器6で保持された複数の転動体(ころ)10は、内側レース2と外側レース4との間に沿って接触しつつ回転可能となる。この状態で、双方の部材が相対回転し、これに伴って内側レース2と外側レース4とが相対回転すると、複数の転動体(ころ)10が、内側レース2と外側レース4との間に沿って転動することで、保持器6は、各転動体(ころ)10と共に相手部材(即ち、一対のレース2,4)に沿って公転する。
ところで、第1仕様形態に係る保持器6には、上記したような当該保持器6の公転中において、その耐摩耗性及び耐摺動性を維持・向上させると共に、トルク損失の割合を低減させるための技術思想が施されている。即ち、当該保持器6には、その表面全体のうち、少なくとも相手部材(一対のレース2,4)及び各転動体(ころ)10に対向する部位に表面硬化処理が施されている。
保持器6が、相手部材(一対のレース2,4)及び各転動体(ころ)10に対向する部位としては、例えば、内側レース2の内側レース本体部2aに対向する第1中空円環部材6a(第1円環部本体60)の外表面60s、内側レース2の内側リップ部2bに対向する第1中空円環部材6a(一方の第1フランジ部60f)の内径面60r、外側レース4の外側レース本体部4aに対向する第2中空円環部材6b(第2円環部本体62)の外表面62s、外側レース4の外側リップ部4bに対向する第1中空円環部材6a(他方の第1フランジ部60f)の外径面60t、及び、各転動体(ころ)10を1つずつ回転可能に保持する各ポケット6pを構成する第1及び第2ポケット構成部60p,62pの矩形状の開口面60h,62hなどを想定することができる。
表面硬化処理において、保持器6の該当部位には、スズ(Sn)或いはスズを含有する金属材料をコーティングして、厚さ1〜20μmの範囲の被膜が形成されている。なお、被膜の形成方法としては、例えばメッキ、塗装など既存の方法を適用することができる。要するに、厚さ1〜20μmの範囲の被膜を形成することができる方法であればよい。なお、スズを含有する金属材料において、当該スズの含有量は、当該保持器6の使用環境や使用目的に応じて設定されるため、ここでは特に限定しない。要するに、その耐摩耗性及び耐摺動性を維持・向上させると共に、トルク損失の割合を低減させることができる程度のスズが含有されていればよい。
この場合、保持器6(第1及び第2中空円環部材6a,6b)の表面全体に、上記したような表面硬化処理を施してもよい。なお、第2仕様形態に係るスラストころ軸受用保持器6(図1(b))では、相手部材(回転部材8)及び各転動体(ころ)10に対向する部位として、例えば、回転部材8に対向する第2中空円環部材6b(第2円環部本体62)の外表面62s、回転部材8に対向する第1中空円環部材6a(他方の第1フランジ部60f)の外径面60t、及び、各転動体(ころ)10を1つずつ回転可能に保持する各ポケット6pを構成する第1及び第2ポケット構成部60p,62pの矩形状の開口面60h,62hなどを想定することができる。
ここで、第1仕様形態に係る保持器6を適用したスラストころ軸受において、当該保持器6(第1及び第2中空円環部材6a,6b)の表面全体、又は、上記した該当部位に、例えばスズ(Sn)をコーティングした場合における動トルク値、並びに、スズ被膜の状態変化の測定を行った。かかる測定では、2種類のスラストころ軸受を各複数用意し、当該各軸受に対する荷重を700N(ニュートン)、特殊な摩擦調整剤などを含んだ特殊な潤滑油(ATFオイル)を80℃に維持しつつ1分間に50mL(ミリリットル)の割合[50mL/min]で軸受内に充填しながら、当該軸受(レース2,4相互)の回転数を1分間に1000〜9000回転[rpm]までに変化させた際の測定結果を得た。
2種類のスラストころ軸受(第1及び第2の軸受)において、第1の軸受としては、軸受外径を75mm、軸受内径を58mm、軸受幅を4.6mmとし、直径が3mmで長さが3.6mmの転動体(ころ)10をレース2,4相互間に47本組み込んで、これら各転動体(ころ)10を第1仕様形態に係る保持器6で保持したものを5つ((1)−1〜5)用意した。一方、第2の軸受としては、軸受外径を75mm、軸受内径を58mm、軸受幅を4.6mmとし、直径2mmで長さ3.6mmの転動体(ころ)10をレース2,4相互間に34本組み込んで、これら各転動体(ころ)10を第1仕様形態に係る保持器6で保持したものを5つ((2)−1〜5)用意した。
そして、これら第1及び第2の軸受を実施形態((1)−1〜3、(2)−1〜3)と、比較形態((1)−4,5、(2)−4,5)とに分け、比較形態においては、保持器6にスズ被膜をコーティングしないもの((1)−4、(2)−4)と、厚さ30μmのスズ被膜をコーティングしたもの((1)−5、(2)−5)とした。また、実施形態においては、保持器6に厚さ1〜20μmの範囲でスズ被膜をコーティングした(下記の表1参照)。なお、表1には一例として、実施形態((1)−1〜3)では、スズ被膜の厚さを2,5,10μmに設定した場合、また、実施形態((2)−1〜3)では、スズ被膜の厚さを1,5,20μmに設定した場合が示されている。
Figure 2012097872
以上、本実施形態に係る測定結果によれば、保持器6の表面全体、又は、上記した該当部位にスズ(Sn)をコーティングした場合における軸受の動トルク値[N・m]を、スズ被膜が無い場合における軸受の動トルク値[N・m]に比べて大幅に低減させることができることが確認された。この場合、スズ被膜の厚さを1〜20μmの範囲に設定することで、厚さ30μmのスズ被膜をコーティングしたものよりも、その動トルク値を大幅に低減させることができることが確認された。
図3には一例として、厚さ2μmでスズ(Sn)をコーティングした保持器6を適用した軸受((1)−1)と、厚さ5μmでスズ(Sn)をコーティングした保持器6を適用した軸受((2)−2)と、スズ被膜が無い保持器6を適用した軸受((1)−4、(2)−4)とにおいて、その回転数と動トルク値との関係が示されている。
これによれば、軸受回転数2000[rpm]時において、スズ被膜有り軸受((1)−1、(2)−2)の動トルク値は、0.05〜0.07[N・m]の範囲となり、スズ被膜無し軸受((1)−4、(2)−4)の動トルク値0.10〜0.15[N・m]に比べて大幅に低くなっている。これにより、上記した表1の測定結果が裏付けられることとなる。
これにより、上記したような表面硬化処理を保持器6に施すことで、従来一般的に用いられている表面硬化材(例えば、ダイヤモンドライクカーボン被膜材、セラミック系被膜材)と同様に、その耐摩耗性及び耐摺動性を維持・向上させることができ、その結果、当該保持器6と相手部材(一対のレース2,4)との間で生じる発熱及び摩耗等の低減を図ることができる。
更に、上記したような表面硬化処理を保持器6に施すことで、保持器6と複数の転動体(ころ)10との転がり抵抗、並びに、保持器6と相手部材(一対のレース2,4、回転部材8)との摩擦抵抗を軽減し、これら各抵抗によるトルク損失の割合を大幅に軽減することができる。
具体的に説明すると、トルク損失を引き起こす要因の割合としては、保持器6と複数の転動体(ころ)10との転がり抵抗が60%、保持器6と潤滑剤との攪拌抵抗が20%、保持器6と相手部材(一対のレース2,4、回転部材8)との摩擦抵抗が20%程度と考えられているが、上記したような表面硬化処理を保持器6に施すことで、少なくとも、転がり抵抗(60%)と摩擦抵抗(20%)との合計80%に亘るトルク損失の割合を軽減することができる。
また、上記したような表面硬化処理では、従来一般的に用いられている表面硬化材(例えば、ダイヤモンドライクカーボン被膜材、セラミック系被膜材)に比べて、低価格なスズ(Sn)或いはスズを含有する金属材料を用いることができるため、低コストで軸受用保持器6を実現することができる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、以下の変形例に係る技術思想も本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、上記した実施形態では、スラストころ軸受用保持器6を想定して説明したが、これに代えて、ラジアル軸受用保持器に対して、上記したような表面硬化処理を施しても同様の作用効果を実現することができる。この場合、転動体としては、ころ又は玉を適用することが可能であり、当該転動体の種類に応じた保持器が構成される。
また、上記した実施形態では、第1及び第2中空円環部材6a,6bを互いに被せ合わせて一体化させた保持器6を想定したが、これに限定されることはなく、例えば第1中空円環部材6a又は第2中空円環部材6bのいずれか一方から成る1枚保持器6とし、当該保持器6に対して、上記したような表面硬化処理を施しても同様の作用効果を実現することができる。
2,4 レース(相手部材)
6 保持器
6p ポケット
8 回転部材(相手部材)
10 転動体(ころ)

Claims (2)

  1. 相手部材に沿って配列された複数の転動体を1つずつ回転可能に保持する複数のポケットを有し、これら各転動体と共に相手部材に沿って公転する軸受用保持器であって、
    当該保持器には、その表面全体のうち、少なくとも相手部材及び各転動体に対向する部位に表面硬化処理が施されており、
    表面硬化処理において、保持器の該当部位には、スズ或いはスズを含有する金属材料をコーティングして、厚さ1〜20μmの範囲の被膜が形成されていることを特徴とする軸受用保持器。
  2. 請求項1に記載の軸受用保持器は、スラスト軸受或いはラジアル軸受に適用され、複数の転動体を回転可能に保持することを特徴とする軸受用保持器。
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