JP2012097191A - 水性インク - Google Patents

水性インク Download PDF

Info

Publication number
JP2012097191A
JP2012097191A JP2010245959A JP2010245959A JP2012097191A JP 2012097191 A JP2012097191 A JP 2012097191A JP 2010245959 A JP2010245959 A JP 2010245959A JP 2010245959 A JP2010245959 A JP 2010245959A JP 2012097191 A JP2012097191 A JP 2012097191A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
ink
ultraviolet curable
curable resin
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010245959A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuta Shiokawa
悠太 塩川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mimaki Engineering Co Ltd
Original Assignee
Mimaki Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mimaki Engineering Co Ltd filed Critical Mimaki Engineering Co Ltd
Priority to JP2010245959A priority Critical patent/JP2012097191A/ja
Publication of JP2012097191A publication Critical patent/JP2012097191A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】
塗膜性能に優れるインク塗膜を形成することが可能な、水性インクを提供すること。
【解決手段】
光重合性モノマー及び光重合性オリゴマーから選ばれる少なくとも一種の光重合性化合物と、光重合開始剤と、紫外線硬化型樹脂を分散質として含むエマルションと、を配合してなる水性インク。
【選択図】なし

Description

本発明は、水性インクに関する。
従来、紫外線硬化型の水性インクとして様々なものが知られており、例えば、特許文献1には、ビニル基を1分子内に2個以上有する紫外線硬化型ビニル化合物と重合開始剤と有機溶剤と水からなり、粘度が10cPs以下であることを特徴とするインクジェット用水性インクが開示されている。
特開2003−301130号公報
ところで、紫外線硬化型の水性インクとしては、水性インクを印刷対象に塗布して硬化させた際に形成されるインク塗膜が、耐水性、耐有機溶剤性、耐擦過性等の塗膜性能に優れることが好ましい。しかしながら、従来の紫外線硬化型の水性インクでは、十分な塗膜性能が得られているとはいえなかった。
そこで本発明は、塗膜性能に優れるインク塗膜を形成することが可能な、水性インクを提供することを目的とする。
すなわち本発明は、光重合性モノマー及び光重合性オリゴマーから選ばれる少なくとも一種の光重合性化合物と、光重合開始剤と、紫外線硬化型樹脂を分散質として含むエマルションと、を配合してなる水性インクを提供する。
このような水性インクによれば、上記光重合性化合物と上記エマルションとの併用により、良好な塗膜性能を有するインク塗膜が形成される。そのため、本発明に係る水性インクを用いて印刷された印刷画像は、堅牢性に優れたものとなる。
また、従来、インク組成物には、印刷対象に対するインクの濡れ性と浸透性とを向上させるために、浸透剤が用いられている。そして、浸透剤としては、1,2−アルカンジオール、アセチレングリコール等の有機溶剤が多く用いられている。しかしながら、このような有機溶剤は、いわゆる揮発性有機化合物(VOC)と称されるものであり、印刷後に揮発して周辺環境を悪化させるという問題がある。これに対して、本発明の水性インクにおいては、例えば、上記光重合性化合物として水溶性のものを選択することで、有機溶剤を用いずとも印刷対象に対する良好な濡れ性及び浸透性を得ることができる。
ここで、従来のインク組成物において、浸透剤に代えて水溶性の光重合性モノマー等を用いた場合には、インク塗膜の硬化後の耐水性(耐水擦過性)が悪化するという問題が発生する。これに対して、本発明の水性インクにおいては、例えば、上記光重合性化合物として水溶性のものを選択した場合であっても、上記紫外線硬化型樹脂として疎水性樹脂を選択することでインク塗膜の耐水性を向上させることができる。
以上の理由から、本発明において、上記光重合性化合物は、水溶性の化合物であることが好ましい。また、上記紫外線硬化型樹脂は、疎水性樹脂であることが好ましい。
なお、通常、水性インクに疎水性樹脂を配合しても十分に分散せず、不均一なインク塗膜が形成される。これに対して、本発明においては、紫外線硬化型樹脂をエマルション化して配合しているため、均一に紫外線硬化型樹脂が分散し、均一なインク塗膜を形成できる。また、エマルション化して配合しているため、インク塗膜に所望の耐水性を付与するために十分な量の疎水性樹脂を配合することができる。
本発明において、上記紫外線硬化型樹脂は、再エマルション化可能な樹脂であることが好ましい。このような紫外線硬化型樹脂を用いた場合、例えば、インクジェットプリンタのヘッドノズル内で水性インクが乾燥して紫外線硬化型樹脂が付着してしまったとき、再度水性インクをヘッドノズルに流通させると、紫外線硬化型樹脂が再エマルション化して水性インクとして排出される。したがって、このような水性インクによれば、ノズル等の詰まりを十分に抑制することができる。
本発明において、上記紫外線硬化型樹脂は、ポリウレタンアクリレートであることが好ましい。このような水性インクによれば、耐水性、堅牢性に一層優れたインク塗膜を形成することができる。
本発明によれば、塗膜性能に優れるインク塗膜を形成することが可能な、水性インクを提供することができる。
本発明の水性インクの好適な実施形態について以下に説明する。なお、本明細書中、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリロイル」等の記載は、それぞれ「アクリレート及び/又はメタアクリレート」、「アクリル及び/又はメタアクリル」、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」を意味する。
本実施形態に係る水性インクは、光重合性モノマー及び光重合性オリゴマーから選ばれる少なくとも一種の光重合性化合物と、光重合開始剤と、紫外線硬化型樹脂を分散質として含むエマルションと、を配合してなる水性インクである。
光重合開始剤は、光によりラジカルを発生して、上記光重合性化合物と紫外線硬化型樹脂との重合反応を生じさせ得るものである。光重合開始剤としては、ベンゾフェノン系光重合開始剤、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤等が挙げられ、これらのうちアルキルフェノン系光重合開始剤が好ましい。
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、o−メチルベンゾイルベンゾエート、4−メチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド等が挙げられる。
アルキルフェノン系光重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンジルケタール類;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン類;2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等のα−アミノアルキルフェノン類;等が挙げられ、これらのうち、α−ヒドロキシアルキルフェノン類が好ましい。
アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
チタノセン系光重合開始剤としては、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等が挙げられる。
オキシムエステル系光重合開始剤としては、1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](又は「2−(ベンゾイルオキシイミノ)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1−オクタノン」ともいう)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、Irgacure 651、Irgacure 184、Darocur 1173、Irgacure 2959、Irgacure 127、Irgacure 907、Irgacure 369、Irgacure 379、Darocur TPO、Irgacure 819、Irgacure 784、Irgacure OXE 01、Irgacure OXE 02(いずれも、BASF ジャパン社製、商品名)を用いることができる。
光重合性化合物は、光重合性モノマー及び光重合性オリゴマーから選ばれる少なくとも一種の化合物であり、光重合開始剤から生じるラジカルにより紫外線硬化型樹脂と共に重合して、水性インクを硬化させる。なお、本明細書中、「光重合性モノマー」は、光重合性の官能基を少なくとも一つ有するモノマーを意味し、分子内にオリゴマー部分又はポリマー部分を有するものであってもよい(例えば、ポリエチレングリコールジアクリレート等)。また、「光重合性オリゴマー」は、上記光重合性モノマーが2〜100個重合してなる、光重合性を有する官能基を少なくとも一つ有するオリゴマーである。
光重合性モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン類;塩化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリル酸エステル等の(メタ)アクリロイル基を有する化合物;等が挙げられ、これらのうち、(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましい。光重合性モノマーが(メタ)アクリロイル基を有する化合物であると、インク塗膜の塗膜性能が一層良好になる。
(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、単官能、すなわち(メタ)アクリロイル基を一つ有する化合物が挙げられる。このような化合物としては、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等のアルキルアクリレート;ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルアクリレート;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルフォリン等のアクリルアミド類;等が挙げられる。
また、(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、多官能、すなわち(メタ)アクリロイル基を二つ以上有する化合物が挙げられる。このような化合物としては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルキルジオールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、(メタ)アクリルアミド類、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましく、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリン、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートがより好ましい。
光重合性オリゴマーとしては、上記光重合性モノマーが2〜100個重合してなる化合物が挙げられる。
従来、インク組成物には、印刷対象に対するインクの濡れ性と浸透性とを向上させるために、浸透剤が用いられている。そして、浸透剤としては、1,2−アルカンジオール、アセチレングリコール等の有機溶剤が多く用いられている。しかしながら、このような有機溶剤は、いわゆる揮発性有機化合物(VOC)と称されるものであり、印刷後に揮発して周辺環境を悪化させるという問題があった。
これに対して、本実施形態に係る水性インクにおいて、光重合性化合物として水溶性の化合物を用いると、浸透剤を用いることなく印刷対象に対する濡れ性及び浸透性を十分に得ることができる。
なお、従来のインク組成物において、浸透剤に代えて水溶性の光重合性モノマー等を用いた場合には、インク塗膜の硬化後の耐水性(耐水擦過性)が悪化するという問題が発生する。これに対して、本実施形態に係る水性インクにおいては、光重合性化合物として水溶性のものを選択した場合であっても、上記紫外線硬化型樹脂として疎水性樹脂を選択することでインク塗膜の耐水性を向上させることができる。
すなわち、本実施形態に係る水性インクにおいては、水溶性の光重合性化合物と、疎水性の紫外線硬化型樹脂を分散質として含むエマルションと、を併用することにより、浸透剤の使用を抑制しつつ十分な濡れ性及び浸透性が得られるため、VOCレスの水性インクを実現することができる。なお、光重合性化合物は、紫外線照射により硬化されるため、上述のようなVOCを含有させた場合と異なり、その染み出しや揮発が十分に抑制される。なお、VOCレスの水性インクを得る際には、水性インクの他の成分としてVOCを含まないものを選択する。
水溶性の光重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸;ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルアクリレート;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルフォリン等のアクリルアミド類;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;などが挙げられる。また、水溶性の光重合性オリゴマーとしては、上記水溶性の光重合性モノマーが2〜100個重合してなる化合物が挙げられる。
これらのうち、(メタ)アクリルアミド類及びポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種が、印刷対象に対擦る濡れ性及び浸透性が一層良好に得られることから好ましい。
光重合性モノマーとしては、分子量が50〜600であるものが好ましい。なお、光重合性モノマーがポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリマー部分を有するものである場合には、重量平均分子量が上記範囲内であることが好ましい。このような光重合性モノマーによれば、塗膜性能に一層優れるインク塗膜を得ることができる。また、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの重量平均分子量が上記範囲であると、水性インクの印刷対象に対する濡れ性及び浸透性が一層良好となり、VOCレスの水性インクとしてより好適なものとなる。
また、光重合性モノマーの分子量は、50〜250とすることもできる。また、光重合性モノマーがポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリマー部分を有するものである場合には、光重合性モノマーの重量平均分子量は、400〜600とすることもできる。このような光重合性モノマーを含有する水性インクによれば、より良好な塗膜性能を有するインク塗膜を形成することができる。
水性インクにおける光重合性化合物の合計含有量は、水性インクの全量基準で、5〜20質量%であることが好ましく、10〜15質量%であることがより好ましい。
本実施形態に係る水性インクに配合されるエマルション(以下、場合により「紫外線硬化型樹脂エマルション」と称する。)は、紫外線硬化型樹脂を分散質として含み、水性溶媒を分散媒として含む。なお、「エマルション」とは一般に、液体に、該液体とは溶け合わない液状物質がコロイド状となって分散したものをいう。本実施形態において、好ましくは上記液状物質は紫外線硬化型樹脂であり、上記液体は水である。
紫外線硬化型樹脂は、水等の水性溶媒中に分散して、O/W型(水中油滴型)エマルションを形成することが好ましい。
紫外線硬化型樹脂は、ポリウレタンアクリレートであることが好ましく、疎水性のポリウレタンアクリレートがより好ましい。紫外線硬化型樹脂としてポリウレタンアクリレートを含有することで、上記水溶性の光重合性化合物との組み合わせによる効果(水性インクの印刷対象に対する濡れ性及び浸透性と、インク塗膜の耐水性及び堅牢性との両立)が一層顕著に奏される。
ポリウレタンアクリレートは、例えば、ポリイソシアネート化合物と、ポリオール化合物と、水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物とのウレタン化反応により得ることができる。
ポリイソシアネート化合物としては、メチレンジフェニルジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートの水素化物、ヘキサメチレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネートの多量体、ジアニシジンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリイソシアネートフェニルチオホスフェート、リジンジイソシアネートメチルエステル、リジントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、イソプロピリデンビス−4−シクロヘキシルイソシアネート、トリレンジイソシアネートの2量体、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。
また、ポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、オリゴエチレングリコール、チオジグリコール、1,2−プロピレンオキシドから調整されるジグリコール又はポリグリコール、プロピレングリコール、ジブチレングリコール、トリブチレングリコール、テトラブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジへキシレンエーテルグリコール、トリへキシレンエーテルグリコール、テトラへキシレンエーテルグリコール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセロール、並びに以上の化合物とエチレンオキシド又はプロピレンオキシドとの反応生成物、等の脂肪族又は脂環式ジオール;p−キシレングリコール等の芳香族ジオール;が挙げられる。
さらに、水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシブチルフタレート等が挙げられる。
疎水性のポリウレタンアクリレートとしては、脂肪族ポリウレタンアクリレートが好適に用いられる。ここで、脂肪族ポリウレタンアクリレートとは、分子内に芳香族環を有しないポリウレタンアクリレートを示す。
紫外線硬化型樹脂としては、再エマルション化可能なものであることが好ましい。この場合には、例えば、インクジェットプリンタのヘッドノズル内で水性インクが乾燥して紫外線硬化型樹脂が付着してしまったとき、再度水性インクをヘッドノズルに流通させると、その紫外線硬化型樹脂は再エマルション化して水性インクとして排出される。したがって、このような水性インクによれば、ノズル等の詰まりを十分に抑制することができる。再エマルション化可能な紫外線硬化型樹脂としては、例えば、脂肪族ポリウレタンアクリレートが挙げられる。
紫外線硬化型樹脂の重量平均分子量は、1000以上であることが好ましい。このような水性インクによれば、より良好な塗膜性能を有するインク塗膜を形成することができる。
本実施形態に係る水性インクにおいては、紫外線硬化型樹脂の含有量と光重合性化合物の含有量との比を、適宜調整することによって必要に応じた塗膜性能を得ることができる。なお、水性インク中の紫外線硬化型樹脂の含有量と光重合性化合物の含有量との比は、紫外線硬化型樹脂エマルションの配合量と光重合性化合物の配合量との比を調整することにより、適宜調整することができる。
インク塗膜の耐水性を一層向上させる観点からは、紫外線硬化型樹脂の含有量は、光重合性化合物及び紫外線硬化型樹脂の合計量を基準として、5質量%以上であることが好ましく、18質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましい。
また、インク塗膜の耐有機溶剤性を一層向上させる観点からは、紫外線硬化型樹脂の含有量は、光重合性化合物及び紫外線硬化型樹脂の合計量を基準として、15質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましい。
さらに、インク塗膜の耐擦過性を一層向上させる観点からは、紫外線硬化型樹脂の含有量は、光重合性化合物及び紫外線硬化型樹脂の合計量を基準として、5〜90質量%であることが好ましく、15〜70質量%であることがより好ましく、18〜60質量%であることがさらに好ましい。
本実施形態に係る水性インクにおいては、紫外線硬化型樹脂の含有量と光重合性化合物の含有量との比を適宜調整することによって、水性インクの粘度を調整することもできる。
例えば、低粘度の水性インクを得る観点からは、紫外線硬化型樹脂の含有量は、光重合性化合物及び紫外線硬化型樹脂の合計量を基準として、80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましい。
しがたって、例えば、塗膜性能に一層優れる低粘度の水性インクを得る観点からは、紫外線硬化型樹脂の含有量は、光重合性化合物及び紫外線硬化型樹脂の合計量を基準として、5〜80質量%であることが好ましく、15〜70質量%であることがより好ましく、18〜60質量%であることがさらに好ましい。また、30〜60質量%とすることもできる。
紫外線硬化型樹脂を分散質として含むエマルションとしては、例えば、UCECOAT 7177、UCECOAT 7660、UCECOAT 7655(いずれもダイセルサイテック社製、商品名)などを用いることができる。
本実施形態に係る水性インクは、上記以外の成分として、必要に応じて顔料、染料、分散体、表面調整剤等を含有していてもよい。
顔料としては、カーボンブラック、Pigment Blue 15:4、Pigment Yellow 74、Pigment Yellow 155、Pigment Red 122、等が挙げられる。
分散体としては、自己分散タイプの分散体、樹脂分散タイプの分散体等を、必要に応じて用いることができる。自己分散タイプの分散体としては、CAB−O−JET(キャボット社製、商品名)シリーズ等が挙げられる。
表面調整剤としては、例えば、サーフィノール465(エアープロダクツジャパン社製、商品名)、BYK−333(ビックケミー社製、商品名)等が挙げられる。
また、本実施形態に係る水性インクは、上述したように浸透剤、乾燥防止剤等を含有しない態様とすることもできるが、これらを含有していてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜7、比較例1〜2)
光重合性モノマーとしてポリエチレングリコールジアクリレート(重量平均分子量508)、紫外線硬化型樹脂エマルションとしてUCECOAT 7177(脂肪族ポリウレタンアクリレートを分散質、水を分散媒とするエマルション。ダイセルサイテック社製、商品名、脂肪族ポリウレタンアクリレート含有量:40質量%)、着色剤としてCAB−O−JET250C、光重合開始剤としてIRGACURE2959、表面調整剤としてサーフィノール465、水性媒体として水を用い、これらの成分を表1に記載の含有量比(質量比)となるように混合し、実施例1〜7、比較例1〜2の水性インクを得た。
Figure 2012097191
得られた各水性インクについて、下記評価方法により、耐水性、耐エタノール性、耐擦過性及び密着性を評価した。評価結果を表2に示す。また、各水性インクの粘度と、光重合性モノマーの含有量C及び紫外線硬化型樹脂の含有量Cの比C:Cを、それぞれ表2に示す。
[耐水性評価]
測定対象の水性インクをPET基材(帝人社製、テイジンテトロン U292W)に滴下し、バーコータ(安田精機製作所製、バーコータ ROD No.4)を使用して塗布及び硬化して、インク塗膜を形成した。得られたインク塗膜に水を滴下して、綿棒にて荷重をかけて擦ることにより、ラビング試験を行った。荷重を段階的に変化させ、塗膜が剥げて基材が見えた点を上限荷重として6段階(1が上限荷重が低い、すなわち耐水性が低いことを示し、6が上限荷重が高い、すなわち耐水性が高いことを示す。なお、上限荷重が1g以上であるときの評価を2、上限荷重が10g以上であるときの評価を4、上限荷重が50g以上であるときの評価を6とした。また、水の滴下によってインク塗膜が液状となり、評価不能となったものは、評価を0とした。)で評価した。
[耐エタノール性評価]
上記耐水性評価と同様にしてインク塗膜を形成し、得られたインク塗膜にエタノールを滴下して、耐水性評価と同様にしてラビング試験を行い、耐エタノール性を6段階で評価した。各段階における上限荷重は、耐水性評価と同様である。
[耐擦過性評価]
上記耐水性評価と同様にしてインク塗膜を形成し、得られたインク塗膜を、消しゴムにて荷重をかけて擦ることにより、耐擦過性試験を行った。荷重を段階的に変化させ、塗膜が剥げて基材が見えた点を上限荷重として6段階で評価した。各段階における上限荷重は、耐水性評価と同様である。
[密着性評価]
上記耐水性評価と同様にしてインク塗膜を形成した。得られたインク塗膜について、JIS K5400(ISO2409):クロスカットテープ剥離試験に従って、密着性の評価を行い、10段階(1が密着性が最も低いことを示し、10が密着性が最も高いことを示す。)で評価した。
Figure 2012097191
なお、比較例2のインクでは、光重合開始剤が十分に溶解せず、均一なインク塗膜が形成されないという問題があった。また、比較例2のインクでは、インクヘッドのノズル近傍で水分の揮発により、インクが乾燥して粘度上昇が起こり、吐出不良を招く場合があった。
(実施例8〜10、比較例3〜4)
光重合性モノマーとしてアクリロイルモルフォリンを用いたこと以外は実施例1と同様の成分を用い、表3に記載の含有量比(質量比)となるように混合し、実施例8〜10、比較例3〜4の水性インクを得た。
Figure 2012097191
得られた各水性インクについて、上記評価方法により、耐水性、耐エタノール性、耐擦過性及び密着性を評価した。評価結果を表4に示す。また、各水性インクにおける光重合性モノマーの含有量C及び紫外線硬化型樹脂の含有量Cの比C:Cを、表4に示す。
Figure 2012097191
なお、比較例4のインクでは、光重合開始剤が十分に溶解せず、均一なインク塗膜が形成されないという問題があった。また、比較例4のインクでは、インクヘッドのノズル近傍で水分の揮発により、インクが乾燥して粘度上昇が起こり、吐出不良を招く場合があった。

Claims (5)

  1. 光重合性モノマー及び光重合性オリゴマーから選ばれる少なくとも一種の光重合性化合物と、
    光重合開始剤と、
    紫外線硬化型樹脂を分散質として含むエマルションと、
    を配合してなる水性インク。
  2. 前記光重合性化合物が水溶性の化合物である、請求項1に記載の水性インク。
  3. 前記紫外線硬化型樹脂が疎水性樹脂である、請求項1又は2に記載の水性インク。
  4. 前記紫外線硬化型樹脂が再エマルション化可能な樹脂である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性インク。
  5. 前記紫外線硬化型樹脂がポリウレタンアクリレートである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の水性インク。
JP2010245959A 2010-11-02 2010-11-02 水性インク Pending JP2012097191A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010245959A JP2012097191A (ja) 2010-11-02 2010-11-02 水性インク

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010245959A JP2012097191A (ja) 2010-11-02 2010-11-02 水性インク

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012097191A true JP2012097191A (ja) 2012-05-24

Family

ID=46389470

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010245959A Pending JP2012097191A (ja) 2010-11-02 2010-11-02 水性インク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012097191A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104263062A (zh) * 2014-09-03 2015-01-07 安徽雅美油墨有限公司 一种高吸附耐磨水性环保光固化印铁油墨
CN104312265A (zh) * 2014-11-11 2015-01-28 合肥皖为电气设备工程有限责任公司 一种环保型醇溶耐黄变塑料印刷油墨及其制作方法
JP2020094102A (ja) * 2018-12-11 2020-06-18 サカタインクス株式会社 電子線硬化型水性インキジェットインキ組成物
WO2021141596A1 (en) 2020-01-10 2021-07-15 Kao Corporation Aqueous energy curable inkjet inks
WO2021141597A1 (en) 2020-01-10 2021-07-15 Kao Corporation Aqueous energy curable inkjet inks

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10219158A (ja) * 1997-01-31 1998-08-18 Teikoku Ink Seizo Kk 高性能インクジェット印刷用水性インク
JP2005023299A (ja) * 2003-04-15 2005-01-27 Aprion Digital Ltd 紫外線硬化型湿潤剤を含む水性のインクジェット用インク

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10219158A (ja) * 1997-01-31 1998-08-18 Teikoku Ink Seizo Kk 高性能インクジェット印刷用水性インク
JP2005023299A (ja) * 2003-04-15 2005-01-27 Aprion Digital Ltd 紫外線硬化型湿潤剤を含む水性のインクジェット用インク

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104263062A (zh) * 2014-09-03 2015-01-07 安徽雅美油墨有限公司 一种高吸附耐磨水性环保光固化印铁油墨
CN104312265A (zh) * 2014-11-11 2015-01-28 合肥皖为电气设备工程有限责任公司 一种环保型醇溶耐黄变塑料印刷油墨及其制作方法
JP2020094102A (ja) * 2018-12-11 2020-06-18 サカタインクス株式会社 電子線硬化型水性インキジェットインキ組成物
JP7283895B2 (ja) 2018-12-11 2023-05-30 サカタインクス株式会社 電子線硬化型水性インキジェットインキ組成物
WO2021141596A1 (en) 2020-01-10 2021-07-15 Kao Corporation Aqueous energy curable inkjet inks
WO2021141597A1 (en) 2020-01-10 2021-07-15 Kao Corporation Aqueous energy curable inkjet inks
CN114929812A (zh) * 2020-01-10 2022-08-19 花王株式会社 水性可能量固化喷墨油墨

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7893127B2 (en) Radiation curable and jettable ink compositions
CN107922762B (zh) 基于可辐射固化聚氨酯的粘合剂分散体
JP4899430B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ
CN113736316B (zh) 可uv固化的喷墨油墨
US20090099277A1 (en) Radiation curable and jettable ink compositions
EP3778802B1 (en) Photocurable ink composition for inkjet printing
JP4993151B2 (ja) 紫外線硬化型ジェットインク組成物
US11111403B2 (en) Aqueous electron beam curable compositions comprising poly(alkoxylaes)
JP2012097191A (ja) 水性インク
JP6628760B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物
WO2009133760A1 (ja) 活性エネルギー線硬化型水性樹脂組成物、活性エネルギー線硬化型塗料、硬化塗膜の形成方法及び物品
JP2010144149A (ja) 光硬化型インクジェット印刷用インク組成物
JP2008056771A (ja) 印刷用光硬化型インク組成物
JP6844105B2 (ja) 硬化型組成物
JP4872157B2 (ja) 紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物およびこれを用いるカラー画像の形成方法
JP7342329B2 (ja) 電子線硬化型印刷インキ組成物及び電子線硬化型オーバープリントニス組成物
US10655032B2 (en) Ink jet recording method
JP4806965B2 (ja) 帯電防止塗膜の形成方法
EP4198097A1 (en) Image forming method and active energy ray-curable composition set
EP3608375B1 (en) Ink composition, production method therefor, and image formation method
JP2007023059A (ja) インキ組成物
JP7446871B2 (ja) 紫外線硬化型インクジェットクリアインク組成物
JP6965868B2 (ja) 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物用帯電防止剤、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、硬化物及びフィルム
CN114938652A (zh) 水性可能量固化喷墨油墨
RU2795217C2 (ru) Радиационно-отверждаемые композиции

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20120611

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130528

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140507

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140930