JP2012089584A - 半導体レーザ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発光特性の劣化を抑制可能な半導体レーザ装置を目的とする。
【解決手段】 本発明の半導体レーザ装置は、複数の半導体レーザユニット10を積層してなる半導体レーザ装置において、個々の半導体レーザユニット10は、内部に流体通路が形成された板状の液体冷却式のヒートシンク1と、半導体レーザバーを含み、ヒートシンク1の一方面側に固定された半導体レーザモジュール2と、ヒートシンク1の他方面側における半導体レーザモジュール2に対向する位置に固定され、ヒートシンク1よりも小さな線膨張係数を有するモリブデン補強体3とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】 本発明の半導体レーザ装置は、複数の半導体レーザユニット10を積層してなる半導体レーザ装置において、個々の半導体レーザユニット10は、内部に流体通路が形成された板状の液体冷却式のヒートシンク1と、半導体レーザバーを含み、ヒートシンク1の一方面側に固定された半導体レーザモジュール2と、ヒートシンク1の他方面側における半導体レーザモジュール2に対向する位置に固定され、ヒートシンク1よりも小さな線膨張係数を有するモリブデン補強体3とを備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、ヒートシンクを備えた半導体レーザ装置に関する。
従来の半導体レーザ装置は、例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3に記載されている。
特許文献1には、半導体レーザバーの両面を金属製のサブマウントで挟んだ半導体レーザモジュールが開示されている。サブマウントの材料としては、Mo、W、Cu、Cu−W合金、Cu−Mo合金、SiC又はAlNを用いることができる。各サブマウントの厚みは、50〜200μmである。この半導体レーザ装置においては、半導体レーザモジュールは、液体冷却式ヒートシンクに取り付けられている。これにより、半導体レーザバーの反りを矯正することが可能である。
特許文献2には、ヒートシンクの上に半導体レーザバーを取り付けると共に、ヒートシンクにおける半導体レーザバーの取り付け面と同一の面上に、線膨張係数の小さな材料からなる補強部材を貼り付けた半導体レーザ装置が開示されている。補強部材の材料は、Cu、Al、Ni、W、Mo、Fe、Cr、Co及びBiのいずれかを含んでいる。
特許文献3には、液体冷却式ヒートシンクを樹脂層で被覆し、半導体レーザバーを取り付けた半導体レーザ装置が開示されている。この文献では、冷却効率を高めると共に、腐食や水漏れを防止可能な構造を開示している。
しかしながら、半導体レーザモジュールと高品質な液体冷却式ヒートシンクを組み合わせ、半導体レーザスタックを構成した場合、半導体レーザモジュール自体の反りは、サブマウントにより抑制されているはずなのに、半導体レーザモジュールからの発光点位置が、設計上の直線上から微妙に変位した曲線上に並び、目的の発光分布が得られなくなるという発光特性の劣化現象が観察された。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、発光特性の劣化を抑制可能な半導体レーザ装置を目的とする。
本願発明者らは、半導体レーザ装置の特性劣化の原因を鋭意検討した。線膨張係数の小さなCu−W合金を一対のサブマウントとして採用し、これらを用いて半導体レーザバーを挟持しているはずであるから、発光点位置は原則的に変更されないはずである。しかしながら、近年の高品質な液体冷却型ヒートシンクは、冷却効率が高く、且つ、小型化されているが、厚みが薄いために、これ自体が伸縮する際に厚み方向にも撓むことができる。この場合、本来は剛性の高いはずのレーザモジュールと、高品質ヒートシンクの線膨張係数の差から、両者の間に応力が発生し、ヒートシンクが厚み方向に撓んで変形する。本願発明者らは、発光点位置のずれが、かかる高性能なヒートシンクに起因して生じていることを発見した。
上述の問題を解決するため、本発明に係る半導体レーザ装置は、複数の半導体レーザユニットを積層してなる半導体レーザ装置において、個々の半導体レーザユニットは、内部に流体通路が形成された板状の液体冷却式のヒートシンクと、半導体レーザバーを含み、前記ヒートシンクの一方面側に固定された半導体レーザモジュールと、前記ヒートシンクの他方面側における前記半導体レーザモジュールに対向する位置に固定され、ヒートシンクよりも小さな線膨張係数を有する厚みが0.1〜0.5mmのモリブデン補強体と、を備え、1つの前記半導体レーザユニットにおける前記モリブデン補強体の一方面は、自身の半導体レーザユニットの前記ヒートシンクに固定され、他方面は、別の半導体レーザユニットの前記半導体レーザモジュールに固定されていることを特徴とする。
本発明の半導体レーザによれば、液体冷却式ヒートシンクは高性能であるが、上述のように、厚みが薄い場合には、レーザモジュール(半導体レーザバー+サブマウント)との線膨張係数の差により、湾曲する傾向がある。しかしながら、レーザモジュールを積層した上で、レーザモジュールとは逆側に、線膨張係数の小さなモリブデン補強体を固定することで、全体の剛性が著しく向上することが判明した。特に、全ての半導体レーザユニットを積層した上で、要素間に熱的に溶融する接着層を有する場合には、各要素間に接着層を配置した上で、同時に熱をかけてこれらを固定する場合、全体の剛性が著しく向上する。したがって、本発明の半導体レーザ装置によれば、ヒートシンクの湾曲が抑制され、発光点位置の変位が抑制され、発光特性の劣化を抑制することができる。
なお、モリブデン補強体とは、モリブデンを主成分(重量パーセント80%以上)とする補強体のことであるが、若干の不純物が混入していても同様の効果が得られる。
本発明の半導体レーザ装置によれば、発光特性の劣化を抑制することができる。
以下、実施の形態に係る半導体レーザ装置について説明する。なお、同一要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1は、複数の半導体レーザユニット10を積層してなる半導体レーザ装置の斜視図、図2は、半導体レーザ装置を矢印II方向から見た側面図、図3は半導体レーザ装置を矢印III方向から見た正面図である。
この半導体レーザ装置は、いわゆる半導体レーザスタックであり、複数の半導体レーザユニット10をZ軸に沿って積層してなる。同図では、3つの半導体レーザユニット10を積層した例を示しているが、2又は4以上の半導体レーザユニット10を積層することもできる。
個々の半導体レーザユニット10は、その詳細構造が図4以降に示されているが、ヒートシンク1と、半導体レーザモジュール2と、モリブデンからなる補強体3を含んでおり、半導体レーザユニット10間には、内部に流体通路を有するスペーサ4を備えている。
ヒートシンク1は、内部に流体通路が形成された板状の液体冷却式のヒートシンクであり、単体では厚み方向に湾曲することができる剛性を有している。半導体レーザモジュール2は、中央に半導体レーザバー2bを含んでおり、ヒートシンク1の上面(一方面)側に固定されている。補強体3は、ヒートシンク1の下面(他方面)側における半導体レーザモジュール2に対向する位置に固定されているが、ヒートシンク1よりも小さな線膨張係数を有している。個々の補強体3の厚みは、0.1〜0.5mmである。各ユニット10は、モリブデンで補強され湾曲が抑制されているが、これのユニット10を積層して加圧している。なお、ユニット10同士はハンダでは接合せず、上からの加圧によって、接触している。
1つのヒートシンク1の温度に応じた伸縮量は、低線膨張係数を有する補強体3によって制限されているので、ヒートシンク1自身が歪みにくいという利点がある。したがって、このヒートシンク1の歪みに起因して、半導体レーザユニット2が湾曲することが抑制される。もちろん、特に、上下方向の両端部以外に位置する半導体レーザユニット10(例:中央の半導体レーザユニット)に着目すると、半導体レーザモジュール2に対しては、伸縮が抑制された下部のヒートシンク1と、上部の補強体3が接触することになるため、半導体レーザモジュール2自身の湾曲は著しく抑制される。
両端の半導体レーザユニット10に着目すると、自身のヒートシンク1には、下部の補強体3との熱膨張係数差に起因する応力と、上部のレーザモジュール2との熱膨張係数差に起因する応力が同一方向且つ、同等の大きさでかかるため、全体としては、応力が相殺される構造になっている。したがって、両端の半導体レーザモジュール10においても、ヒートシンク1の湾曲に起因する湾曲が抑制される。
また、半導体レーザユニット10を積層する場合において、自身の補強体3と、その下に位置するサブマウント2cとの間に、導電性の接着層を介在させてもよいが、本例では、これらは接触しているものとする。このような接着層の材料は、その他の接着層t1等の材料と同一である。接着層の両側に位置する要素は、冷却時の歪みを少なくするという観点から、これらを積層した後に同時に熱をかけて固定することが好ましい。もちろん、各ユニット10をそれぞれ接着層t1、t2、t3、t5を用いて固定して完成させた後、ユニット10同士を、接着層を介して接着することも可能である。
スペーサ4は、半導体レーザユニット10間に介在しているが、これは金属又は絶縁体からなる。Cuなどの金属からなる場合にはヒートシンク1との接着層に絶縁材料を用いれば半導体レーザユニット10間の短絡を防止することができるが、ガラスやセラミックなどの絶縁体からなる場合には、接着層の材料に制限はない。本例では、スペーサ4は、シリコーン樹脂(ゴム)からなり、ヒートシンクとの間に、接着層は介在していない。
半導体レーザスタックを駆動する場合には、上部の電極であるサブマウント2cと、下部の電極であるサブマウント2aとの間に駆動電流を供給すればよい。各サブマウントは、補強体3を介して電気的に接続されているので、原理的にはスタック全体における最上部のサブマウント2cと、最下部のサブマウント2aとの間に駆動電圧を印加すれば、これらの間に位置する半導体レーザバー2bに全て電流が供給され、各半導体レーザバー2bにおける二次元状の発光点から、−X方向に向けて複数のレーザ光が出射される。
各ヒートシンク1は、厚み方向に延びた2つの貫通孔1c2,1c3を有しており、これはスペーサ4の貫通孔42,43にそれぞれ連通している。最下部の貫通孔1c3から矢印W1に沿って導入した冷却媒体は(図2参照)、矢印W2及びW1で示すように、ヒートシンク1内の流体通路及びスペーサ4の貫通孔43を通って、最上部のヒートシンク1及び貫通孔1c3内に抜けることができ、また、ヒートシンク1の内部の流体通路を通って、貫通孔1c2内に抜けることができる。最上部の貫通孔1c2から矢印W3に沿って導入した冷却媒体は、多くはこれに連通した貫通孔群を通って、最下部の貫通孔1c2に抜けることができる。
また、必要に応じて、貫通孔1c2,1c3、42、43をそれぞれ囲むように、ヒートシンク1の上下面や、スペーサ4の上面にOリングR2,R3を配置し(図2参照)、これに接触する部材間のシール性を高めることとすることが好ましい。
次に、個々の半導体レーザユニット10の構造について説明する。
図4は、半導体レーザユニットの斜視図、図5は、半導体レーザユニットを矢印V方向から見た側面図、図6は半導体レーザユニットを矢印VI方向から見た正面図である。
この半導体レーザユニットは、ヒートシンク1と、ヒートシンク1に固定されたレーザモジュール2と、ヒートシンク1におけるレーザモジュール2に対向する位置に固定された補強体3と、ヒートシンク1の上面に配置され、上からの圧力で動かないように固定されたスペーサ4とを備えている。スペーサ4は、内部に水等の冷却媒体を導入する場合のシール材としての機能も有しており、必要に応じて部材4に設けられた開口42,43の周囲にOリングなどを配置する。
ヒートシンク1は、内部に流体通路が形成された板状の液体冷却式のヒートシンクである。また、ヒートシンク1の厚みZ1は3mm以下であるため、単体では、厚み方向に湾曲することを許容している。ヒートシンク1の詳細構造は、後述の図9に示されている。
レーザモジュール2は、第1サブマウント2aと、第2サブマウント2cとの間に、半導体レーザバー2bを挟んでいる。第1サブマウント2aは、接着層t1を介して、ヒートシンク1の上面に固定されており、且つ、接着層t2を介して、半導体レーザバー2bに固定されている。また、半導体レーザバー2は、接着層t3を介して、第2サブマウント2cに固定されている。すなわち、半導体レーザバー2bの一方面には第1サブマウント2aが固着され、半導体レーザバー2bの他方面には第2サブマウント2cが固着されている。なお、それぞれのサブマウント2b,2cを構成する材料の線膨張係数(熱膨張係数)は、ヒートシンク1の線膨張係数よりも小さく、又は、形状は板状(直方体)である。
サブマウント2a,2cの構成材料としては、Mo、W、Cu、Cu−W合金、Cu−Mo合金、SiC又はAlNを用いることができ、各サブマウントの厚みは、50〜200μmとすることができる。
補強体3は、板状のモリブデン(Mo)からなり、ヒートシンク1における第1サブマウントの取り付け面とは反対側の面の、第1サブマウント2aに対向する位置に、接着層t5を介して、固定されている。補強体3の構成材料は、ヒートシンク1よりも小さな線膨張係数を有しており、また、サブマウントと異なり、厚みが0.1〜0.5mmの範囲にある。なお、モリブデン補強体3とは、モリブデンを主成分(重量パーセント80%以上)とする補強体のことであるが、若干の不純物が混入していても同様の効果が得られる。
ここで、サブマウントは、Cu−W合金を用いることが好ましく、補強体3モリブデンを用いることが好ましい。その理由としては、1つには、伸縮時においてヒートシンク1に与える応力を相殺する効果があることであるが、その他に、以下の効果があるからである。すなわち、Cu−W合金は熱伝導がよく、また半導体レーザバーと膨張率が近いため、半導体レーザバーのサブマウントとしては好都合である。また、サブマウントには、電極としての要素も必要なため、電気的導通を行わせるたにも、これは金属材料から構成される。
XYZ三次元直交座標系を設定し、発光点の整列方向をY軸(レーザバーの長手方向)とし、レーザバー2bの厚み方向をZ軸とし、レーザ光の出射方向がX軸に平行であるとすると、各構成要素の例示寸法(好適範囲)は、以下の通りである。
(1)ヒートシンク1の寸法
X方向長X1:30mm(10mm〜30mm)
Y方向長Y1(本例では=Y3):12mm(10mm〜12mm)
Z方向長Z1:1.1mm(1mm〜3mm)
(2)半導体レーザモジュール2の寸法
X方向長X2:2mm(1mm〜5mm)
Y方向長Y2(本例では=Y3):10mm(5mm〜12mm)
Z方向長Z2:450μm(300μm〜600μm)
サブマウント2aの厚みZ3a:150μm(100μm〜300μm)
サブマウント2aのX方向長=X2
サブマウント2aのY方向長=Y2(=Y3)
サブマウント2cの厚みZ3c:150μm(100μm〜300μm)
サブマウント2cのX方向長=X2
サブマウント2cのY方向長=Y2(=Y3)
半導体レーザバー2bの厚みZ3c:140μm(100μm〜150μm)
半導体レーザバー2bのX方向長X2b:2mm(1mm〜5mm)
(1)ヒートシンク1の寸法
X方向長X1:30mm(10mm〜30mm)
Y方向長Y1(本例では=Y3):12mm(10mm〜12mm)
Z方向長Z1:1.1mm(1mm〜3mm)
(2)半導体レーザモジュール2の寸法
X方向長X2:2mm(1mm〜5mm)
Y方向長Y2(本例では=Y3):10mm(5mm〜12mm)
Z方向長Z2:450μm(300μm〜600μm)
サブマウント2aの厚みZ3a:150μm(100μm〜300μm)
サブマウント2aのX方向長=X2
サブマウント2aのY方向長=Y2(=Y3)
サブマウント2cの厚みZ3c:150μm(100μm〜300μm)
サブマウント2cのX方向長=X2
サブマウント2cのY方向長=Y2(=Y3)
半導体レーザバー2bの厚みZ3c:140μm(100μm〜150μm)
半導体レーザバー2bのX方向長X2b:2mm(1mm〜5mm)
なお、本例では、X2b<X2である。これはサブマウントに電力供給線を取り付けるための領域を確保するためである。
半導体レーザバー2bのY方向長Y2b=Y2(=Y3)
(3)補強体3の寸法
X方向長X3:2mm(1mm〜5mm)
Y方向長Y3:10mm(5mm〜12mm)
Z方向長Z3:150μm(100μm〜500μm)
半導体レーザバー2bのY方向長Y2b=Y2(=Y3)
(3)補強体3の寸法
X方向長X3:2mm(1mm〜5mm)
Y方向長Y3:10mm(5mm〜12mm)
Z方向長Z3:150μm(100μm〜500μm)
なお、接着層t1、t2、t3、t5は、全て半田材料からなり、それぞれ厚みZtを有する。接着層としてはSnAgCu又はAuSnを用いることができるが、t2,t3ではAuSnを用い、t1,t5ではSnAgCuを用いることができる。厚みZtの例示寸法は10μmであり、なお、スペーサ4がセラミック等の絶縁体からなる場合には、樹脂層は半田材料などの接着層をヒートシンクとの間に介在させることができるが、本例では、スペーサ4としては、シリコーン樹脂(ゴム)を使用しており、絶縁性とシール材の役目を有している。好適範囲は3〜20μmである。上述の数値範囲の効果について、説明すると、数値範囲が3〜20μmの場合には、ハンダがはみ出さず、全体に行渡り、均一に接合できるという効果がある。
ここで、液体冷却式のヒートシンク1、第1サブマウント2a、半導体レーザバー2b、第2サブマウント2c、及びモリブデン補強体3の物理量は、半導体レーザバーの湾曲がほぼ無くなるように調整する。
図7は、半導体レーザユニットの分解斜視図である。
ヒートシンク1は、冷却媒体を導入するための開口(貫通孔)1c2,1c3を有しているが、これはスペーサ4の開口(貫通孔)42,43に連通している。スペーサ4は必要に応じて設けられるものであり、冷却媒体に対するシール機能を有しているが、半導体レーザスタックの場合には、最上部にレーザユニット上にスペーサ4を設け、これを外部装置に組み込む場合のスペーサとしても機能させることもできる。
ヒートシンク1の上面側に、レーザモジュール2を、接着層を介して配置し、裏面側に、補強体3を接着層を介して配置した後に、これらにZ軸方向に沿った熱と圧力を同時にかけ、しかる後、室温まで冷却することで、これらを固定する。接着層が溶ける程度の温度でよい。必要に応じて、スペーサ4を、接着層を介して、ヒートシンク1の上面上に配置し、これに同様の熱と圧力をかけて、固定する。この固定においては、全ての半導体レーザユニット10の構成要素を積み重ねたのち、同時に行うことができる。この場合には、固定工程において同時に全ての応力が各要素に加わるため、各要素の歪みが少なくなるという利点がある。すなわち、各要素3,1,2a,2b,2c,4間に接着層を配置した上で、同時に熱をかけてこれらを固定する場合、全体の剛性が著しく向上する。もちろん、個々のユニット10ごとに、接着を行い、完成したユニット10間にスペーサ4を介在させて、これらに圧力をかけるのみで、接着剤を用いずに固定することができる。湾曲しているユニット10がスタックされると、隙間が生まれ、水漏れや導通不良が起こりやすいが、湾曲が抑えられたユニット10であればスタックが容易で、上記のような不良が発生しにくいという利点がある。
図8は、半導体レーザバーの斜視図である。
レーザバー2bは、Y軸の直線上に沿って配列された複数の発光点2b2を有している。レーザバー2bは化合物半導体基板2b1からなるものであり、発光点2b2の位置には、活性層が存在しており、その両側には、クラッド層が位置している。化合物半導体の材料としては、GaN、AlGaAs、GaN、AlGaN或いはこれらにInを含んだ混晶が知られている。本例では、レーザバー2bは、GaAsを主成分とし、活性層には更にInが含まれ、その両側に位置するクラッド層にはAlが更に含まれているものとする。なお、GaAsとCu−W合金は、熱膨張係数が近いので、サブマウント/レーザバー間の応力は小さい。
ここで、高性能な液体冷却式のヒートシンク1について説明しておく。
図9は、液体冷却式のヒートシンクの分解斜視図である。
ヒートシンク1は、3枚の金属製(本例ではCu)の板状部材1a1,1b1、1c1を積層して固定してなる。
最下部の板状部材1a1は、2つの開口(貫通孔)1a2,1a3と、上側の板状部材1b1の下面と共に流体流路を構成する凹部1a4を有している。凹部1a4は、開口1a3に連続している。
中央の板状部材1b1は、2つの開口(貫通孔)1b2,1b3と、流体流路を構成する複数の貫通孔1b4を有している。貫通孔1b4は、凹部1a4に対向する位置に、位置している。
上部の板状部材1c1は、2つの開口(貫通孔)1c2,1c3と、下側の板状部材1b1の上面と共に流体流路を構成する凹部1c4を有している。凹部1c4は、開口1c2に連続しており、開口1c3には連続していない。
冷却媒体が下方から上方に向かう矢印W1に沿ってヒートシンク1内に導入されると、これは、連通した開口群1a3、1b3、1c3を通って、上部に抜けることもできるし、矢印W2で示されるように、凹部1a4、貫通孔1b4、凹部1c4で規定される流体流路を通って、開口1c2に至ることもできる。開口1c2から矢印W3に沿ってヒートシンク1内に導入された冷却媒体は、連通した開口群1c2、1b2、1a2を通って、下方に抜けることもできる。なお、板状部材は、Cuなどの金属からなるが、その表面は、樹脂層により被覆されており、腐食が防止されている。
図10は、ヒートシンクの幅方向寸法を大きくした半導体レーザユニットの正面図である。
上述の説明では、ヒートシンク1のY方向長Y1は、補強体3のY方向長Y3に一致していたが、これは同図に示すように、Y3よりも大きくてもよい。また、ヒートシンク1のX方向長を上記実施形態のものよりも大きくしてもよい。この場合においても、上記実施形態と同様の効果がある。
図11は、比較例となる半導体レーザユニットの正面図である。
比較例では、図6に示した実施形態の半導体レーザユニットにおいて、補強体3の取り付け位置を、ヒートシンク1の上面の両側に変更して補強体3Zとしたものである。比較例におけるその他の構造は、図6に示したものと同一である。
上述の水冷ヒートシンクなどの液体冷却式ヒートシンクは高性能であるが、厚みが薄い場合には、レーザモジュール2との線膨張係数の差により、湾曲する傾向がある。
比較例の場合、ヒートシンク1の冷却時において、矢印F1方向に縮小する力が働くが、半導体レーザモジュール2は、線膨張係数がヒートシンク1よりも小さく、これには矢印F2方向に縮小する力働く。すなわち、線膨張係数の差により、上に凸に変形する傾向がある。もちろん、補強体3Zが固定されているため、ヒートシンク1の伸縮は、若干緩和されるが、全体的な変形は抑制することができない。
一方、図6に示した実施形態のように、レーザモジュール2とは逆側に、線膨張係数の小さなモリブデン補強体3を固定することで、ヒートシンク1に対して、レーザモジュール2側からの応力(矢印F2に示される力)によって湾曲しようとする力と、補強体3側からの応力(矢印F3に示される力)によって湾曲しようとする力とか相殺される傾向となる。また、補強体3をヒートシンク1に取り付けることで、全体の剛性も向上しており、同時接着を行うスタック構造を採用することで、半導体レーザバーの上下両面方向からこれにかかる応力が小さくなるようにされている。したがって、実施形態の半導体レーザユニット10をスタックした半導体レーザ装置によれば、ヒートシンク1の湾曲が抑制され、発光点位置の変位が抑制され、発光特性の劣化を抑制することができる。
また、上述の構造の場合、ヒートシンク1の変形が抑制されるので、ヒートシンク1からの水漏れを抑制することができる。また、レーザへの電力供給線(レーザ駆動時には、半導体レーザバーの上下サブマウント間に電力が供給される)をサブマウントに取り付けた場合、この供給線が外れるのを抑制することができる。また、レンズを半導体レーザユニットの前面に配置する場合、発光点位置がずれないので、高い制度の製品を製造することができる。
10・・・半導体レーザユニット、1・・・ヒートシンク、2・・・半導体レーザモジュール、3・・・モリブデン補強体。
Claims (1)
- 複数の半導体レーザユニットを積層してなる半導体レーザ装置において、
個々の半導体レーザユニットは、
内部に流体通路が形成された板状の液体冷却式のヒートシンクと、
半導体レーザバーを含み、前記ヒートシンクの一方面側に固定された半導体レーザモジュールと、
前記ヒートシンクの他方面側における前記半導体レーザモジュールに対向する位置に固定され、ヒートシンクよりも小さな線膨張係数を有する厚みが0.1〜0.5mmのモリブデン補強体と、
を備え、
1つの前記半導体レーザユニットにおける前記モリブデン補強体の一方面は、自身の半導体レーザユニットの前記ヒートシンクに固定され、他方面は、別の半導体レーザユニットの前記半導体レーザモジュールに固定されている
ことを特徴とする半導体レーザ装置。
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