JP2012087204A - 樹脂硬化物、硬化性組成物、及び樹脂硬化物の製造方法 - Google Patents

樹脂硬化物、硬化性組成物、及び樹脂硬化物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】無機粒子を含有していながら高い透明性を有し、歯科用材料として好適な樹脂硬化物を提供する。
【解決手段】樹脂硬化物は、フッ素を含まないアクリル系重合体から構成されている母相と、フッ素を含むアクリル系重合体から構成されている被覆相と、無機粒子とを備える。前記母相中に前記被覆相と前記無機粒子とが分散している。前記無機粒子全体のうち少なくとも一部と前記母相との間に前記被覆相が介在している。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂硬化物、樹脂硬化物の製造のために用いられる硬化性組成物、及び樹脂硬化物の製造方法に関する。
歯科医療用のクラウンやインレー等の歯冠材料や補綴材料、プロビジョナル・レストレーション、インプラント治療における上部構造体等が作製されるために用いられる材料(歯科用材料)として、シリカ(二酸化ケイ素)などの無機粒子、(メタ)アクリレート系の重合性単量体、重合開始剤等を含有する組成物が硬化することで得られる樹脂硬化物が、広く使用されている。
このような樹脂硬化物には、天然歯に代替するために、審美性、強度、耐久性などが求められており、そのための種々の材料が提案されている。
例えば特許文献1には、平均粒径0.01〜0.04μmの無機質充填剤を20〜70重量%含有し、或いは更に平均粒径0.1〜5μmのガラス粉末を1〜40重量%含有するアクリル系レジン重合体からなる歯科医療用レジン材料に切削加工が施されることで、インレー、クラウンなどの歯科医療用補綴物が得られることが開示されている。
特開平10−323353号公報
しかし、特許文献1に記載されているような従来の歯科医療用補綴物の透明性は不充分であった。これは、歯科医療用補綴物中のアクリル系レジン重合体とガラス粉末との界面で光が屈折するためであると考えられる。特に歯科医療用補綴物の強度向上のために大粒径のガラス粒子が大量に用いられる場合には、透明性が大きく損なわれてしまう。
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、無機粒子を含有していながら高い透明性を有し、歯科用材料として好適な樹脂硬化物、この樹脂硬化物の製造のために用いられる硬化性組成物、及び樹脂硬化物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る樹脂硬化物は、フッ素を含まないアクリル系重合体から構成されている母相と、フッ素を含むアクリル系重合体から構成されている被覆相と、無機粒子とを備え、前記母相中に前記被覆相と前記無機粒子とが分散しており、前記無機粒子全体のうち少なくとも一部と前記母相との間に前記被覆相が介在している。
本発明に係る樹脂硬化物においては、前記無機粒子全体中に、平均粒径が0.2〜50μmの範囲にある第一の無機粒子と、平均粒径が0.005〜0.1μmの範囲にある第二の無機粒子とが含まれていることが好ましい。
本発明に係る樹脂硬化物においては、前記無機粒子が球状であることが好ましい。
本発明に係る樹脂硬化物は、歯科用材料であることが好ましい。
本発明に係る硬化性組成物は、フッ素を含まないアクリル系重合性モノマーと、複合粒子とを含有し、前記複合粒子が、無機粒子と、この無機粒子の表面を覆う被覆物とを備え、前記被覆物がフッ素を含むアクリル系重合体から構成されている。
本発明に係る第一の樹脂硬化物の製造方法は、
フッ素を含むアクリル系重合性モノマーと、フッ素を含まないアクリル系重合性モノマーと、無機粒子とを含有する中間組成物を調製する工程、
前記中間組成物を硬化させ、それにより得られる中間硬化物を粉砕することで、複合粒子を作製する工程、
フッ素を含まないアクリル系重合性モノマーと、前記複合粒子とを含有する硬化性組成物を調製する工程、及び
前記硬化性組成物を硬化させる工程を含む。
本発明に係る第二の樹脂硬化物の製造方法は、
フッ素を含むアクリル系重合性モノマーと、フッ素を含まないアクリル系重合性モノマーと、平均粒径が0.2〜50μmの範囲にある第一の無機粒子とを含有する中間組成物を調製する工程、
前記中間組成物を硬化させ、それにより得られる中間硬化物を粉砕することで、複合粒子を作製する工程、
フッ素を含まないアクリル系重合性モノマーと、前記複合粒子と、平均粒径が0.005〜0.1μmの範囲にある第二の無機粒子とを含有する硬化性組成物を調製する工程、及び
前記硬化性組成物を硬化させる工程を含む。
本発明に係る樹脂硬化物の製造方法においては、前記複合粒子の最大粒径が250μm以下であることが好ましい。
本発明によれば、無機粒子を含有していながら高い透明性を有し、歯科用材料として好適な樹脂硬化物が得られる。
本実施形態による樹脂硬化物は、母相と、被覆相と、無機粒子とを備える。被覆相と無機粒子とは、母相中に分散しており、且つ無機粒子全体のうちの少なくとも一部と母相との間に被覆相が介在している。
母相はフッ素を含まないアクリル系重合体から構成される。フッ素を含まないアクリル系重合体としては、適宜のフッ素を含まないアクリル系重合性モノマーの重合体が挙げられる。フッ素を含まないアクリル系重合性モノマーとしては、一般に歯科医療用途に用いられている(メタ)アクリレート系モノマー、ウレタン(メタ)アクリレート系モノマー、ビスフェノールA骨格を含む(メタ)アクリレート系モノマーなどの公知の化合物が挙げられる。フッ素を含まないアクリル系重合性モノマーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ(フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレート)−ヘキサメチレンジウレタン、ジ−2−メタクリロキシエチル−2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジウレタン(UDMA)、2,2−ビス(4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン(Bis−GMA)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の化合物が挙げられる。これらの化合物のうち、一種のみが用いられても、複数種が併用されてもよい。
無機粒子(無機充填材)は、歯科用材料として使用され得る適宜の無機材料からなる粒子であってよい。無機粒子の具体例としては、シリカ粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、並びにアルミナとジルコニアのうち少なくとも一方がシリカと複合してなる複合セラミックからなる粒子が挙げられる。
樹脂硬化物中の無機粒子全体の含有量は特に制限されないが、樹脂硬化物の機械的強度を充分に向上する観点からは樹脂硬化物全量に対して20質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であれば更に好ましく、60質量%以上であれば最も好ましい。この含有量は、樹脂硬化物中の無機粒子の分散性を向上する観点からは、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下が更に好ましい。
樹脂硬化物中の無機粒子全体中には、平均粒径が0.2〜50μmの範囲にある第一の無機粒子が含まれていることが好ましい。樹脂硬化物にこのような第一の無機粒子が含まれていると、樹脂硬化物の曲げ強度等の機械的強度が特に高くなる。第一の無機粒子の平均粒径が0.2μm以上であることで樹脂硬化物の機械的強度が特に高くなり、この平均粒径が50μm以下であることで樹脂硬化物の高い加工性が確保される。樹脂硬化物の機械的強度の向上のためには第一の無機粒子の平均粒径がさらに0.3μm以上であることが好ましく、特に0.4μm以上であることが好ましい。樹脂硬化物の加工性向上のためには第一の無機粒子の平均粒径がさらに30μm以下であることが好ましく、20μm以下が特に好ましい。
樹脂硬化物中の無機粒子全体中には、平均粒径が0.005〜0.1μmの範囲にある第二の無機粒子が含まれていることも好ましい。樹脂硬化物の機械的強度の向上のためには無機粒子の粒径は第一の無機粒子のように大きい方がより好ましいが、第二の無機粒子の平均粒径が0.005μm以上であることで、第二の無機粒子によっても樹脂硬化物の機械的強度は高くなる。第二の無機粒子の平均粒径が0.005μm以上であると第二の無機粒子の凝集が抑制されることで、第二の無機粒子が母相中に分散しやすくなるという利点もある。更に第二の無機粒子の平均粒径が0.1μm以下であると第二の無機粒子の粒径が光の波長に比して小さくなるため、第二の無機粒子が樹脂硬化物の透明性に与える影響は小さい。このため、樹脂硬化物に第二の無機粒子が含まれていると、樹脂硬化物の透明性が損なわれることなく樹脂硬化物の機械的強度が高くなる。樹脂硬化物の機械的強度向上のためには第二の無機粒子の平均粒径はさらに0.01μm以上であることが好ましく、特に0.015μm以上であることが好ましい。樹脂硬化物の透明性の向上のためには第二の無機粒子の平均粒径は0.08μm以下であることがさらに好ましく、0.07μm以下が特に好ましい。
平均粒径は、レーザー回折・散乱法により測定されるD50(体積の累積が全累積体積の50%となる中位粒径)である。
樹脂硬化物中の無機粒子全体中には、特に第一の無機粒子と第二の無機粒子とが共に含まれていることが好ましい。この場合、第一の無機粒子によって樹脂硬化物の機械的強度が向上すると共に、第二の無機粒子によって樹脂硬化物の機械的強度が更に高くなり、しかも第二の無機粒子によって樹脂硬化物の透明性が高くなる。母相中に第一の無機粒子と第二の無機粒子とが分散していると、第二の無機粒子の影響によって母相の屈折率が見かけ上小さくなり、それにより母相と第一の無機粒子との屈折率差が小さくなると考えられ、このことが樹脂硬化物の透明性の更なる向上に寄与すると考えられる。これにより、樹脂硬化物の機械的強度と透明性とが非常に高くなる。
更に、無機粒子全体中に特に第一の無機粒子と第二の無機粒子とが共に含まれていると、樹脂硬化物の表面のツヤが失われにくくなると共に、樹脂硬化物に着色が生じにくくなる。これは、樹脂硬化物から粒径の大きい無機粒子が脱落する頻度が少なくなり、このため樹脂硬化物の表面に凹凸が生じにくくなって樹脂硬化物の表面が荒れにくくなるためであると考えられる。すなわち、樹脂硬化物の表面が荒れていると樹脂硬化物の表面に汚れが溜まり易くなって着色が生じやすくなるが、樹脂硬化物の表面が荒れにくいと汚れが溜まりにくくなり、更にツヤが失われにくくなる。更に、樹脂硬化物の表面が荒れているとその表面積が大きくなってしまい、実際の表面積あたりの汚れの付着量に対して見かけ上の表面積あたりの汚れの付着量が多くなってしまって着色が生じやすくなってしまうが、樹脂硬化物の表面が荒れにくいとそのようなことがなくなるものである。
無機粒子全体中における第一の無機粒子と第二の無機粒子の割合は特に制限されないが、樹脂硬化物全体に対して、第一の無機粒子は20質量%以上90質量%以下であることが好ましく、さらに40質量%以上、85質量%以下であることが好ましい。第二の無機粒子は樹脂硬化物全体に対して1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、2質量%以上、25質量%以下が更に好ましい。
無機粒子の形状は球状であることが好ましい。この場合、樹脂硬化物の表面の平滑性が高くなり、樹脂硬化物が口腔内に固定される場合に樹脂硬化物によって口腔が傷つけられにくくなると共に、樹脂硬化物と噛み合う対合歯が摩耗しにくくなる。更に、樹脂硬化物の表面の平滑性が高くなることで樹脂硬化物が着色されにくくなる。更に、樹脂硬化物にドリルビットなどの切削用工具による切削加工が施される場合には、切削用工具の摩耗が抑制される。更に、後述するように硬化性組成物から樹脂硬化物が形成される場合には、硬化性組成物の流動性が高くなり、これにより硬化性組成物の成形性が高くなる。
球状の無機粒子の形状は、表面がほぼ曲面から形成されていれば、厳密な球体でなくてもよいが、無機粒子の真球度は0.95以上であることが好ましい。この真球度は0.96以上であればより好ましく、0.97以上であれば更に好ましい。無機粒子の真球度の測定にあたっては、まず無機粒子全体中から任意に選択される50個の粒子の顕微鏡画像が撮影される。この顕微鏡画像に現れる各粒子の投影断面の面積及びこの断面の周囲長から、〔粒子投影断面の面積と同じ面積の真円の円周長〕/〔粒子投影断面の周囲長の測定値〕の値が導出される。50個の粒子についてそれぞれ導出される値の平均値が無機粒子の真球度である。
無機粒子にはカップリング剤による表面処理が施されていていることが好ましい。この場合、一般に歯科医療用として用いられているカップリング剤が使用されることが好ましい。カップリング剤としては、例えばγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどの公知のカップリング剤が挙げられる。
被覆相はフッ素を含むアクリル系重合体から構成される。フッ素を含むアクリル系重合体としては、適宜のフッ素を含まないアクリル系重合性モノマーとフッ素を含むアクリル系重合性モノマーとの共重合体が挙げられる。フッ素を含まないアクリル系重合性モノマーとしては、上記母相に関する説明において挙げられている化合物と同じ化合物が挙げられる。フッ素を含むアクリル系重合性モノマーとしては、特に限定されないが、トリフロロエチルメタクリレート、パーフロロオクチルエチルメタクリレート、トリフロロエチルアクリレート、テトラフロロプロピルメタクリレート、オクタフロロペンチルアクリレート、オクタフロロペンチルメタクリレート、へプタデカフロロデシルアクリレート、へプタデカフロロデシルメタクリレート等が挙げられる。これらの化合物のうち、一種のみが用いられても二種以上が併用されてもよい。
フッ素を含むアクリル系重合体を構成するフッ素を含まないアクリル系重合性モノマーとフッ素を含むアクリル系重合性モノマーとの割合は、被覆相に要求される屈折率の程度に応じて適宜調整されるが、例えば前者対後者の質量比が99:1〜70:30の範囲とされる。
被覆相がフッ素を含むアクリル系重合体から構成されるため、被覆相の屈折率は、フッ素を含まないアクリル系重合体から構成される母相の屈折率よりも小さくなり、これにより母相、被覆相、及び無機粒子の屈折率が、この順番に順次小さくなる。このため、無機粒子と母相との間に被覆相が介在すると、樹脂硬化物内の屈折率差の大きい異相間の界面が少なくなり、これにより樹脂硬化物の透明性が高くなる。
更に、樹脂硬化物中にフッ素を含むアクリル系重合体から構成される被覆相が含まれてはいるが、母相はフッ素を含まないアクリル系重合体から構成されているため、樹脂硬化物は天然歯、金属製の土台などに接着されやすくなる。これは、フッ素を含まないアクリル系重合体が、フッ素を含むアクリル系重合体と比べて、天然歯、金属製の土台などに接着されやすいためである。このため樹脂硬化物は天然歯、金属製の土台などに対して強固に接着され得る。
樹脂硬化物中の無機粒子全体のうち少なくとも一部の無機粒子には被覆相が接触し、且つ被覆相と接触している無機粒子の表面の少なくとも一部が被覆相で覆われている。これにより樹脂硬化物内の屈折率差の大きい異相間の界面が少なくなって、樹脂硬化物の透明性が高くなる。特に樹脂硬化物中の全ての無機粒子に被覆相が接触していることが好ましい。被覆相と接触している無機粒子の表面全体が全て被覆相で覆われていることも好ましい。これらの場合、樹脂硬化物の透明性が特に高くなる。
無機粒子全体中に第一の無機粒子と第二の無機粒子とが共に含まれる場合には、平均粒径がより大きい第一の無機粒子の方が、樹脂硬化物の透明性により大きな影響を及ぼす。このため、第一の無機粒子と母相との間に被覆相が介在していることが好ましい。この場合、第一の無機粒子によって樹脂硬化物の機械的強度が高くなると共に、樹脂硬化物の透明性が高くなる。第一の無機粒子全体のうち少なくとも一部の第一の無機粒子には被覆相が接触し、且つ被覆相と接触している第一の無機粒子の表面の少なくとも一部が被覆相で覆われている。これにより樹脂硬化物内の屈折率差の大きい異相間の界面が少なくなって、樹脂硬化物の透明性が高くなる。特に全ての第一の無機粒子に被覆相が接触していることが好ましい。被覆相と接触している第一の無機粒子の表面全体が全て被覆相で覆われていることも好ましい。第二の無機粒子と母相との間には被覆相が介在していてもよく、介在していなくてもよい。第二の無機粒子と母相との間に被覆相が介在していなくても、上述のとおり第二の無機粒子によって樹脂硬化物の透明性が向上する。
樹脂硬化物中の被覆相の含有量は特に制限されないが、樹脂硬化物中の屈折率差の大きい異相間の界面を充分に低減する観点からは樹脂硬化物全体に対して1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であれば更に好ましい。また、この含有量は、樹脂硬化物の高い接着性を確保する観点並びにフッ素を含むアクリル系重合体の量を抑制して低コスト化を達成する観点からは、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であれば更に好ましい。
樹脂硬化物の製造方法の一例について説明する。
まず、フッ素を含むアクリル系重合性モノマーと、フッ素を含まないアクリル系重合性モノマーと、無機粒子とを含有する中間組成物が調製される。
中間組成物中のフッ素を含むアクリル系重合性モノマーとフッ素を含まないアクリル系重合性モノマーは、被覆相の原料であり、両者の割合は被覆相を構成するフッ素を含むアクリル系重合性モノマーとフッ素を含まないアクリル系重合性モノマーとの割合と一致するように調整される。
中間組成物中の無機粒子の割合は、樹脂硬化物中の被覆相と無機粒子との割合に応じて決定される。樹脂硬化物中の無機粒子全体が第一の無機粒子と第二の無機粒子とを含む場合には、中間組成物は無機粒子全体のうち第一の無機粒子のみを含有し、第二の無機粒子を含有しなくてもよい。中間組成物に配合される無機粒子には、予めカップリング剤による表面処理が施されていていることが好ましい。
中間組成物は、重合開始剤を含有することが好ましい。重合開始剤としては、一般に歯科医療用途に用いられている加熱重合開始剤、光重合開始剤などの公知の重合開始剤が挙げられる。重合開始剤の具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイドなどの加熱重合開始剤、カンファーキノン、ベンゾイン、ベンゾフェノンなどの光重合開始剤などが挙げられる。これらの化合物のうち、一種のみが用いられても、二種以上が併用されてもよい。
上記成分が混合されることで、中間組成物が調製される。
中間組成物が適宜の形状に成形されてから硬化させられることで、中間硬化物が形成される。中間組成物は、その硬化特性に応じた適宜の手法により硬化させられる。例えば中間組成物が熱重合開始剤を含有する場合には中間組成物は加熱されることで硬化させられ、中間組成物が光重合開始剤を含有する場合には中間組成物は紫外線等のエネルギー線が照射されることで硬化させられる。この中間硬化物は、フッ素を含むアクリル系重合体中に無機粒子が分散している構造を有する。このフッ素を含むアクリル系重合体は、中間組成物中のフッ素を含むアクリル系重合性モノマーとフッ素を含まないアクリル系重合性モノマーとが共重合することで形成される。
この中間硬化物が粉砕されることで、複合粒子が得られる。この複合粒子は、無機粒子と、アクリル系重合体で構成されている被覆物とを備える。複合粒子全体中の少なくとも一部の無機粒子には被覆物が接触し、且つ被覆物が接触している無機粒子の表面の少なくとも一部が被覆物で覆われている。特に複合粒子全体中の全ての無機粒子に被覆物が接触していることが好ましい。また、被覆物が接触している無機粒子の表面全体が全て被覆物で覆われていることが好ましい。複合粒子全体中には、無機粒子と接触していない被覆物が含まれていてもよい。複数個の無機粒子が一つの被覆物に接触していてもよい。複合粒子の粒径は特に制限されないが、複合粒子の最大粒径は250μm以下であることが好ましい。すなわち複合粒子が目開き250μm以下の篩いを通過する粒径を有することが好ましい。この場合、樹脂硬化物中の無機粒子及び被覆相の分散性が非常に良好になる。
続いて、フッ素を含まないアクリル系重合性モノマーと複合粒子とを含有する硬化性組成物が調製される。
硬化性組成物中のフッ素を含まないアクリル系重合性モノマーは、母相の原料である。硬化性組成物中のフッ素を含まないアクリル系重合性モノマーと複合粒子との割合は、樹脂硬化物中の母相、被覆相及び無機粒子の割合に応じて決定される。
硬化性組成物中には、複合粒子中の無機粒子とは異なる無機粒子が配合されてもよい。樹脂硬化物中の無機粒子全体が第一の無機粒子と第二の無機粒子とを含む場合において、中間組成物が無機粒子全体のうち第一の無機粒子のみを含有する場合は、硬化性組成物に第二の無機粒子が配合される。成形用材料に配合される無機粒子には、予めカップリング剤による表面処理が施されていていることが好ましい。
硬化性組成物は、中間組成物の場合と同様に、重合開始剤を含有することが好ましい。更に、硬化性組成物は、必要に応じて、溶剤、重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、抗菌剤、フッ素徐放剤、着色顔料、その他の従来公知の添加剤などを含有してもよい。特に歯科医療用途の硬化性組成物に含有される添加剤としては、一般に歯科医療用に用いられている適宜の化合物が用いられる。
上記成分が混合されることで、硬化性組成物が調製される。硬化性組成物の無機粒子全体の含有量は特に制限されないが、樹脂硬化物の機械的強度を充分に向上する観点からは硬化性組成物中の固形分全量に対して20質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であれば更に好ましく、60質量%以上であれば最も好ましい。この含有量は、樹脂硬化物中の無機粒子の分散性を向上する観点からは、95質量%以下であることが好ましい。硬化性組成物中の被覆相の含有量は特に制限されないが、樹脂硬化物中の屈折率差の大きい異相間の界面を充分に低減する観点からは樹脂硬化物全体に対して1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であれば更に好ましい。また、この含有量は、樹脂硬化物の高い接着性を確保する観点並びにフッ素を含むアクリル系重合体の量を抑制して低コスト化を達成する観点からは、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であれば更に好ましい。硬化性組成物中の固形分とは、硬化性組成物から樹脂硬化物が形成される過程において揮発などにより硬化性組成物或いは樹脂硬化物から除去される物質を除いた成分(不揮発分)のことである。
硬化性組成物が適宜の形状に成形されてから硬化させられることで、樹脂硬化物が形成される。硬化性組成物は、その硬化特性に応じた適宜の手法により硬化させられる。例えば硬化性組成物が熱重合開始剤を含有する場合には硬化性組成物は加熱されることで硬化させられ、硬化性組成物が光重合開始剤を含有する場合には硬化性組成物は紫外線等のエネルギー線が照射されることで硬化させられる。硬化性組成物が硬化する過程においては、硬化性組成物中のフッ素を含まないアクリル系重合性モノマーが重合することで、フッ素を含まないアクリル系重合体から構成される母相が形成される。この母相中に複合粒子が分散し、この複合粒子における被覆物が被覆相となり、この被覆相は母相と化学的に結合する。これにより、樹脂硬化物が得られる。
樹脂硬化物は、上記のとおり機械的強度が高いため高い耐久性を有し、しかも透明性が高いため高い審美性を有する。このため、樹脂硬化物は歯科用材料として好ましく用いられる。この樹脂硬化物は、切削加工用として好適である。
硬化性組成物は、特に歯科用材料として好適である。この場合、硬化性組成物は例えば角柱状、円柱状、角板状、円板状あるいは義歯、インレー、クラウンなどの補綴物形状などの適宜の形状に形成される。角柱状、円柱状、角板状、円板状などの形状を有する樹脂硬化物はCAD/CAM装置によって切削加工されるなどして、例えば義歯、インレー、クラウンなどの歯科医療用補綴物が作製される。樹脂硬化物がCAD/CAM装置によって切削加工されると、手作業の場合と比べて、均一な歯科医療用補綴物が得られる。また、口腔内に固定されている歯科医療用補綴物に部分的に欠けるなどの不具合が発生した場合には、CADデータに基づいて歯科医療用補綴物を修復・再生することが容易となる。更に、口腔内に固定されている歯科医療用補綴物に欠けが生じてもそれが微小な場合には、その欠けが歯科治療に常用されているペースト状のレジンなどの歯科用レジン材料で埋められることで、容易に修復される。この場合、歯科医療用補綴物と歯科用レジン材料が共にレジン材料であるから両者の接着性は良好となる。
以下、特に硬化性組成物が歯科用材料である場合の樹脂硬化物の形成方法について説明する。
硬化性組成物に、その組成に応じた光が照射され、若しくは加熱され、或いは光が照射されると共に加熱されることによって、硬化性組成物が重合硬化する。これにより、歯科用材料が得られる。
例えば硬化性組成物が加熱重合型の開始剤を含有する場合には、成形型と、蓋とが準備される。成形型はキャビティを備える。キャビティの形状は、例えば角柱状、円柱状、角板状、円板状、あるいは義歯、インレー、クラウンなどの歯科医療用補綴物の形状などに形成される。成形型のキャビティに硬化性組成物が充填された後、このキャビティ内が減圧されて硬化性組成物から気泡が除去される。次に、この成形型に蓋が取着されてキャビティが閉塞された状態で硬化性組成物が加圧下又は常圧下で加熱されることで重合硬化する。これにより、歯科用材料が得られる。重合硬化時の加圧力や加熱温度は、必要に応じて経時的に変動してもよい。
硬化性組成物が光重合型の開始剤を含有する場合には、例えばまず光を透過させることができる部分を有する成形型と、蓋とが準備される。成形型はキャビティを備える。キャビティの形状は、例えば角柱状、円柱状、角板状、円板状、あるいは義歯、インレー、クラウンなどの歯科医療用補綴物の形状などに形成される。この成形型のキャビティに硬化性組成物が充填された後、このキャビティ内が減圧されて硬化性組成物から気泡が除去される。次に、この成形型に蓋が取り付けられてキャビティが閉塞された状態で、硬化性組成物に加圧下又は常圧下で光が照射される。これにより硬化性組成物が重合硬化し、歯科用材料が得られる。重合硬化時には、必要に応じて光照射後の硬化性組成物に後硬化処理として加熱処理が施されてもよい。
光を透過させることができる部分を有する成形型及び蓋の材質としては、特に制限されないが、例えばステンレス、テフロン(登録商標)、シリコーン、ガラス、PET、ポリカーボネートなどが挙げられる。成形型及び蓋の表面には離型剤を付着させるなどの処理が施されることが好ましい。
硬化性組成物は上記のように歯科用材料を形成するために好適であるが、封止材料、接着剤、積層板形成材料等の電子材料用途にも適用され得る。
[複合粒子の作製]
実施例1〜13、並びに比較例2,3では、下記表1〜3の「複合粒子」の「組成」の欄に示される成分を配合し、更に攪拌混合することで、中間組成物を得た。この中間組成物を加熱することで硬化させることで、中間硬化物を得た。この中間硬化物を粉砕し、更に表1〜3に示される目開きの篩いで篩い分けすることにより、複合粒子を得た。
[硬化性樹脂の調製、並びに樹脂硬化物の作製]
実施例1〜13及び比較例1〜4では、下記表1〜3の「硬化性組成物の組成」の欄に示される成分を配合し、更に攪拌混合することで、硬化性組成物を得た。
実施例1,2,4〜13、並びに比較例1〜4では、硬化性組成物をステンレス製の成形型(キャビティサイズ50mm×40mm×5mm、50mm×40mm×2mmと50mm×40mm×1mmの3種類)に充填し、キャビティ内の硬化性組成物を減圧脱泡した後、この成形型にステンレス製の蓋を取り付けた。この状態で硬化性組成物を80℃で1時間加熱し、続けて120℃で1時間加熱することで硬化性組成物を硬化させた。これにより、樹脂硬化物を得た。
実施例3では、ガラス板とステンレス製の枠から作製された成形型(キャビティサイズ50mm×40mm×5mm、50mm×40mm×2mmと50mm×40mm×1mmの3種類)に硬化性樹脂を充填し、キャビティ内の硬化性組成物を減圧脱泡した後、この成形型にガラス製の蓋を取り付けた。この状態で歯科医療用光重合装置から波長365nm、強度100mW/cmの紫外光を、成形型の片側のガラス面を介して硬化性樹脂に向けて、5分間照射し、続いて同じ条件で紫外光を成形型の反対側のガラス面を介して硬化性樹脂に向けて5分間照射した。これにより硬化性組成物を硬化させ、樹脂硬化物を得た。
[評価試験]
実施例及び比較例で得られた樹脂硬化物に対して、次の評価試験をおこなった。その結果は表1〜3に示されている。
(屈折率の測定)
母相;硬化性組成物から無機粒子及び複合粒子を除いた組成を有する組成物を調製し、この組成物を硬化させて硬化物を得た。この硬化物の屈折率をJIS K7142「プラスチックの屈折率測定方法」のうち、A法(アッベ屈折計を用いる測定法)により求めた。
被覆相;中間組成物から無機粒子を除いた組成を有する組成物を調製し、この組成物を硬化させて硬化物を得た。この硬化物の屈折率をJIS K7142「プラスチックの屈折率測定方法」のうち、A法(アッベ屈折計を用いる測定法)により求めた。
無機粒子:無機粒子の屈折率を、JIS K7142「プラスチックの屈折率測定方法」のうち、B法(顕微鏡を用いる液浸法(ベッケ線法))により求めた。
(接着性評価試験)
樹脂硬化物から、10mm×10mm×5mmの寸法の試験片を切り出し、この試験片の表面を#600の耐水研磨紙で研磨した。円棒状のステンレス棒(SUS304製、直径6mm、長さ20mm)の先端面における直径3mmの領域(接着面)に接着剤(実施例2における硬化性組成物)を塗布し、更にこの接着面に試験片を押し当てた。この状態で接着剤を80℃で1時間加熱し、続けて120℃で1時間加熱することで、試験片をステンレス棒に接着した。
この試験片が接着しているステンレス棒に対して、クロスヘッドスピード1mm/分の条件で引張り試験機による引っ張り試験をおこなうことで、接着面での試験片とステンレス棒との間の破断強度を測定した。この試験を5回おこない、得られた破断強度の値の平均値を、接着性の指標とした。
(曲げ強さ試験(常態))
樹脂硬化物から、25mm×2mm×2mmの寸法の試験片を切り出した。この試験片の破断時の強度を、曲げ試験機を用いて、クロスヘッドスピード毎分1mmの条件で測定した。5個の試験片について同じ試験をおこない、得られた破断時の強度の平均値を、曲げ強さの指標とした。この値は樹脂硬化物の強度の代表値となる。
(曲げ強さ試験(水浸漬後))
樹脂硬化物から、25mm×2mm×2mmの寸法の試験片を切り出した。この試験片をまず37℃の水中に24時間浸漬した。次にこの試験片の破断時の強度を、曲げ試験機を用いて、クロスヘッドスピード毎分1mmの条件で測定した。5個の試験片について同じ試験をおこない、得られた破断時の強度の平均値を、曲げ強さの指標とした。この値は硬化物の耐久性の代表値となる。
(透明性試験)
樹脂硬化物から、13mm×13mm×1mmの寸法の試験片を切り出した。この試験片に、厚みが0.8mmになるまでバフ研磨を施した。この試験片の全光線透過率を、ヘイズメータで測定した。空気層の全光線透過率は100%とした。3個の試験片について同じ試験をおこない、得られた値の平均値を透明性の指標とした。この値は硬化物の審美性の代表値となる。
Figure 2012087204
Figure 2012087204
Figure 2012087204
表1〜3に示されている成分の詳細は次のとおりである。
*1;球状溶融シリカ、平均粒径0.6μm、真球度0.98。
*2;球状溶融シリカ、平均粒径1.5μm、真球度0.98。
*3;球状溶融シリカ、平均粒径0.3μm、真球度0.98。
*4;球状溶融シリカ、平均粒径48μm、真球度0.96。
*5;球状溶融シリカ、平均粒径0.050μm、真球度0.99。
*6;球状溶融シリカ、平均粒径0.015μm、真球度0.99。
*7;球状溶融シリカ、平均粒径0.007μm、真球度0.99。
*8;球状溶融シリカ、平均粒径0.080μm、真球度0.99。
*9;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン。
*10;トリエチレングリコールジメタクリレート。
*11;ジ(フェニルグリシジルエーテルアクリレート)−ヘキサメチレンジウレタン。
*12;トリフロロエチルメタクリレート。
*13;パーフロロオクチルエチルメタクリレート。
*14;ベンゾイルパーオキサイド。
*15;トリメチロールプロパントリメタクリレート。
無機粒子の平均粒径は、株式会社堀場製作所製の型番LA−920を用いてレーザー回折・散乱法により測定することにより得られた無機粒子のD50(体積の累積が全累積体積の50%となる中位粒径)である。測定にあたり、イオン交換水へ超音波を印加しながらこのイオン交換水に無機粒子を分散させ、これにより得られた分散液の透過率が80〜90%である状態で平均粒径を測定した。測定に際し、相対屈折率は用いなかった。
無機粒子の真球度の測定にあたっては、まず無機粒子をキーエンス社製のリアルサーフェースビュー顕微鏡(型番VF−7800)で観察し、これにより得られた画像から、任意の50個の粒子について、粒子投影断面の面積(画像に現れる見かけ上の面積)及びこの粒子投影断面の周囲長(画像に現れる見かけ上の周囲長)を測定した。次いで、〔粒子投影断面の面積と同じ面積の真円の円周長〕/〔粒子投影断面の周囲長の測定値〕の値を、50個の粒子につきそれぞれ導出し、得られた値の平均値を、真球度とした。

Claims (8)

  1. フッ素を含まないアクリル系重合体から構成されている母相と、フッ素を含むアクリル系重合体から構成されている被覆相と、無機粒子とを備え、前記母相中に前記被覆相と前記無機粒子とが分散しており、前記無機粒子全体のうち少なくとも一部と前記母相との間に前記被覆相が介在している樹脂硬化物。
  2. 前記無機粒子全体中に、平均粒径が0.2〜50μmの範囲にある第一の無機粒子と、平均粒径が0.005〜0.1μmの範囲にある第二の無機粒子とが含まれている請求項1に記載の樹脂硬化物。
  3. 前記無機粒子が球状である請求項1又は2に記載の樹脂硬化物。
  4. 歯科用材料である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂硬化物。
  5. フッ素を含まないアクリル系重合性モノマーと、複合粒子とを含有し、前記複合粒子が、無機粒子と、この無機粒子の表面を覆う被覆物とを備え、前記被覆物がフッ素を含むアクリル系重合体から構成されている硬化性組成物。
  6. フッ素を含むアクリル系重合性モノマーと、フッ素を含まないアクリル系重合性モノマーと、無機粒子とを含有する中間組成物を調製する工程、
    前記中間組成物を硬化させ、それにより得られる中間硬化物を粉砕することで、複合粒子を作製する工程、
    フッ素を含まないアクリル系重合性モノマーと、前記複合粒子とを含有する硬化性組成物を調製する工程、及び
    前記硬化性組成物を硬化させる工程を含む樹脂硬化物の製造方法。
  7. フッ素を含むアクリル系重合性モノマーと、フッ素を含まないアクリル系重合性モノマーと、平均粒径が0.2〜50μmの範囲にある第一の無機粒子とを含有する中間組成物を調製する工程、
    前記中間組成物を硬化させ、それにより得られる中間硬化物を粉砕することで、複合粒子を作製する工程、
    フッ素を含まないアクリル系重合性モノマーと、前記複合粒子と、平均粒径が0.005〜0.1μmの範囲にある第二の無機粒子とを含有する硬化性組成物を調製する工程、及び
    前記硬化性組成物を硬化させる工程を含む樹脂硬化物の製造方法。
  8. 前記複合粒子の最大粒径が250μm以下である請求項6又は7に記載の樹脂硬化物の製造方法。
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