JP2012077123A - 接着剤樹脂組成物、その硬化物、及び接着剤フィルム - Google Patents
接着剤樹脂組成物、その硬化物、及び接着剤フィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012077123A JP2012077123A JP2010221315A JP2010221315A JP2012077123A JP 2012077123 A JP2012077123 A JP 2012077123A JP 2010221315 A JP2010221315 A JP 2010221315A JP 2010221315 A JP2010221315 A JP 2010221315A JP 2012077123 A JP2012077123 A JP 2012077123A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin composition
- average particle
- particle diameter
- adhesive
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Adhesive Tapes (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
Abstract
【解決手段】接着剤樹脂組成物は、エポキシ樹脂、水酸基当量が130〜200の範囲内の液状フェノールノボラックからなる硬化剤、硬化促進剤、フェノキシ樹脂及びアルミナ粉末を含有し、接着剤樹脂組成物を硬化させた硬化物中のアンモニウムイオンが50重量ppm以下である。アルミナ粉末は、最大粒子径が120μm以下であり、全アルミナ粉末中の結晶性の球状アルミナの割合が90重量%以上である。結晶性の球状アルミナは、i)平均粒子径D50が35〜50μm、[体積平均粒子径]/[個数平均粒子径]が1.2〜2.0の範囲内のものが30〜50重量%、ii)平均粒子径D50が5〜15μm、[体積平均粒子径]/[個数平均粒子径]が2.0〜3.5の範囲内のものが30〜50重量%、iii)平均粒子径D50が0.1〜2μmの範囲内のものが10〜30重量%である。
【選択図】なし
Description
(A):下記の成分(イ)〜(ニ)を含有するエポキシ系接着樹脂原料。
(イ)エポキシ樹脂、
(ロ)水酸基当量が130〜200の範囲内の液状フェノールノボラックからなる硬化剤、
(ハ)硬化促進剤、及び
(ニ)フェノキシ樹脂
(B):下記の条件a)〜c)を満足するアルミナ粉末。
a)最大粒子径が120μm以下であり、
b)全アルミナ粉末中の結晶性の球状アルミナの割合が90重量%以上であり、かつ、
c)前記結晶性の球状アルミナ粒子径分布が、以下のi)〜iii)の条件を満たすものである。
i)平均粒子径D50が35〜50μmであり、かつ[体積平均粒子径]/[個数平均粒子径]が1.2〜2.0の範囲内のものが結晶性の球状アルミナ中に30〜50重量%の範囲内で存在すること、
ii)平均粒子径D50が5〜15μmであり、かつ[体積平均粒子径]/[個数平均粒子径]が2.0〜3.5の範囲内のものが結晶性の球状アルミナ中に30〜50重量%の範囲内で存在すること、及び、
iii)平均粒子径D50が0.1〜2μmの範囲内のものが結晶性の球状アルミナ中に10〜30重量%の範囲内で存在すること。
(イ)成分のエポキシ樹脂は、接着剤樹脂組成物から絶縁性の接着剤層や接着剤フィルムを作製した場合に、十分な絶縁性、密着性、耐熱性、機械的強度、加工性等を付与する。この(イ)成分のエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂等の分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂を例示することができる。これらのエポキシ樹脂は1種又は2種以上を用いることができる。また、エポキシ樹脂の純度については、耐電圧特性、耐湿信頼性向上の観点からイオン性不純物や加水分解性塩素が少ないものであることが好ましい。更に、Bステージ状態の接着剤フィルムとした場合の割れを防止するという観点から、(イ)成分のエポキシ樹脂100重量部に対して、液状のエポキシ樹脂を好ましくは30重量部以上、より好ましくは50重量部以上配合することがよい。ここで、「液状」とは、25℃で流動性を有する液体であることを意味し、具体的には、粘度20000Pa・s以下の液体を意味する。(イ)成分のエポキシ樹脂として、液状のエポキシ樹脂を配合することにより、Bステージ状態の接着剤フィルムの軟化点を低下させ、表面の割れを抑制することができる。
(ロ)成分の硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化させる目的で配合されるものであり、接着剤樹脂組成物から絶縁性の接着剤層や接着剤フィルムを作製した場合に、十分な絶縁性、密着性、耐熱性、機械的強度等を付与する。本発明では、硬化剤は、水酸基当量が130〜200の範囲内の液状フェノールノボラックのみから構成される。フェノールノボラックは、例えば硬化時の熱処理において加熱されてもアンモニウムイオンを遊離させることがないため、硬化剤としてフェノールノボラックのみを用いることによって、接着剤樹脂組成物を硬化させた硬化物中のアンモニウムイオンの量を容易に50重量ppm以下に抑えることができる。
本発明の接着剤樹脂組成物において、(ハ)成分の硬化促進剤は、エポキシ樹脂に十分な硬化反応速度、耐熱性、機械強度等を与える観点から配合される。硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール化合物、有機ホスフィン類、アミン類等を挙げることができ、具体的には、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4―メチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s-トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスフォニウム・テトラフェニルボレート、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)等を例示することができる。また、これらをマイクロカプセル化したものを用いることができる。これらの硬化促進剤は1種又は2種以上を用いることができる。上記硬化促進剤の中でも、硬化物中のアンモニウムイオンの含有量を低減する観点から、イミダゾール化合物や有機ホスフィン類を用いることが好ましい。
(ニ)成分のフェノキシ樹脂は、接着剤樹脂組成物から絶縁性の接着剤層や接着剤フィルムを作製した際の可とう性を向上させる成分である。フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂、ビスフェノールAF型フェノキシ樹脂、ビスフェノールS型フェノキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、臭素化ビスフェノールF型フェノキシ樹脂、リン含有フェノキシ樹脂等が挙げられる。使用するフェノキシ樹脂の重量平均分子量は、例えば10,000〜200,000の範囲内が好ましく、20,000〜100,000の範囲内がより好ましい。フェノキシ樹脂の重量平均分子量が10,000より小さい場合には、エポキシ樹脂組成物の耐熱性、機械的強度、可とう性の低下を招き、200,000より大きいと有機溶剤への溶解性や、エポキシ樹脂、硬化剤との相溶性の低下を招くことに加えて、ワニスとした場合の粘度、または接着剤フィルムとした場合の溶融粘度が増大して、絶縁性の接着剤層としての加工性や接着性が低下したり、表面状態が悪くなったりする。尚、ここでの重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)測定によるポリスチレン換算の値である。
本発明の接着剤樹脂組成物に配合される(B)成分のアルミナ粉末は、以下のa)〜c)の特徴を有している。
i)平均粒子径D50が35〜50μmであり、かつ[体積平均粒子径]/[個数平均粒子径]が1.2〜2.0の範囲内のものが30〜50重量%の範囲内で存在する。
ii)平均粒子径D50が5〜15μmであり、かつ[体積平均粒子径]/[個数平均粒子径]が2.0〜3.5の範囲内のものが30〜50重量%の範囲内で存在する。
iii)平均粒子径D50が0.1〜2μmの範囲内のものが10〜30重量%の範囲内で存在する。
また、本発明における接着剤樹脂組成物には、接着剤フィルム又は接着剤フィルム付き銅箔とした際のフィルム支持性向上や絶縁性の接着剤層としての低弾性化を図る観点から、必要に応じて、ゴム成分を添加することができる。このようなゴム成分としては、例えばポリブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、変性アクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリルゴム等が挙げられる。これらのゴムは1種又は2種以上を用いることができる。使用するゴムの重量平均分子量は、例えば10,000〜1,000,000、好ましくは20,000〜500,000とすることができる。ここで、重量平均分子量は、GPC測定によるポリスチレン換算の値である。ゴム成分の重量平均分子量が10,000より小さいと、硬化物(接着剤層)の耐熱性、機械的強度、可とう性の低下を招くことがあり、また、硬化前段階でのフィルム支持性の低下を招く場合もある。重量平均分子量が1,000,000より大きいと、有機溶剤への溶解性、エポキシ樹脂、硬化剤との相溶性が低下し、作業性の低下を招くことがあり、また、ワニスとした場合の粘度、または接着剤フィルムとした場合の溶融粘度が増大して、絶縁性の接着剤層としての加工性、接着性が低下したり、表面状態が悪くなったりする。また、ゴム成分として用いるゴムの純度については、耐電圧特性、耐湿信頼性向上の観点から、イオン性不純物の少ないものがよい。
また、本発明の接着剤樹脂組成物には、ボイド低減や平滑性向上等の観点から、必要に応じて、例えば、フッ素系、シリコーン系等の消泡剤、レベリング剤等を添加することができる。また、金属基板、銅配線等の部材との密着性向上の観点から、例えば、シランカップリング剤、熱可塑性オリゴマー等の密着性付与剤を添加することができる。さらに、本発明の接着剤樹脂組成物には、(E)成分のアルミナ粉末以外の充填剤として、必要に応じて、アルミナ以外の無機充填剤、有機充填剤を添加してもよい。無機充填剤としては、例えばシリカ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等を挙げることができる。また、有機充填剤としては、例えば、シリコンパウダー、ナイロンパウダー、アクリロニトリル−ブタジエン系架橋ゴム等を挙げることができる。これらの充填剤については、その1種又は2種以上を用いることができる。また、本発明の接着剤樹脂組成物には、必要に応じて、フタロシアニン・グリーン、フタロシアニン・ブルー、カーボンブラック等の着色剤を配合することができる。
本発明の接着剤樹脂組成物は、上記の必須成分および任意成分を混合することにより調製できる。この場合、溶剤を含むワニスの形態とすることが好ましい。すなわち、本発明の接着剤樹脂組成物は、所定の溶剤、例えばN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等のアミド系溶剤、1−メトキシ−2−プロパノ−ル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤等の1種又は2種以上を混合したものに溶解又は分散させてワニスを形成するようにしてもよい。(ロ)成分の硬化剤、(ハ)成分の硬化促進剤、(B)成分のアルミナ粉末、さらに必要により添加される任意成分の中で無機充填剤、有機充填剤、着色剤等については、溶剤中に均一分散していれば、必ずしも溶剤に溶解していなくてもよい。
本発明においては、上記ワニスを支持材としてのベースフィルム上に塗布し、乾燥させることでBステージ状態の接着剤フィルムを形成することができる。また、上記ワニスを銅箔上に塗布し、乾燥させることによって接着剤フィルム付き銅箔を形成することもできる。ここで、接着剤フィルムの厚みは特に限定されるものではないが、例えば100〜300μmの範囲内とすることができる。Bステージ状態の接着剤フィルム(接着剤フィルム付き銅箔)は、折り曲げた場合に表面に割れ(クラック)が発生すると製品としての価値が損なわれる。このようなBステージ状態での表面割れは、常温で固体の樹脂成分を多く配合することによって発生しやすくなる。しかし、本発明の接着剤フィルム(接着剤フィルム付き銅箔)では、硬化剤として水酸基当量が130〜200の範囲内の液状フェノールノボラックのみを使用することによって、Bステージ状態での柔軟性、可とう性が向上し、表面割れを防止することができる。これは、硬化剤として用いるフェノールノボラックの水酸基当量が130〜200の範囲内であるため液状となり、Bステージ状態での軟化点を低下させることで、これがBステージ樹脂に柔軟性・可とう性を付与するためであると考えられる。
本発明の硬化物は、例えば、接着剤樹脂組成物から上記Bステージ状態の接着剤フィルム(又は接着剤フィルム付き銅箔)を調製した後、例えば150℃〜250℃の範囲内の温度に加熱して硬化させることによって製造できる。このようにして得られる硬化物は、アンモニウムイオン(NH4 +)の含有量が抑制されたものである。すなわち、本発明の硬化物中のアンモニウムイオンの含有量は、50重量ppm以下であり、25重量ppm以下であることがより好ましい。アンモニウムイオンを50重量ppm以下に抑制することによって、硬化物を金属配線と接触する接着剤層として使用した場合でも、金属イオンの発生を誘発することがなく、接着不良や絶縁不良の原因となるマイグレーションを効果的に抑制できる。
次に、本発明の接着剤樹脂組成物を用いて金属ベース回路基板を製造する方法の一例について説明する。ここでは、アルミニウム基板を用いたアルミニウムベース回路基板を例示する。まず、接着剤樹脂組成物から上記の接着剤フィルム付き銅箔を得た後、この接着剤フィルム付き銅箔を、アルミニウム基板の上にバッチ式真空プレスを用いて、例えば、温度150〜250℃、圧力1.0〜30MPaの条件で接着する。この際、アルミニウム基板面に接着剤フィルム面を接触させ、支持材としての銅箔を上面とした状態で加熱、加圧して、エポキシ樹脂を硬化させることにより、アルミニウム基板に貼り付ける。このようにして、接着剤フィルムを絶縁性の接着剤層として、銅箔層とアルミニウム基板との間に介在させた積層体を得ることができる。次に、エッチングによって所定箇所の銅箔を除去することにより回路配線を形成し、最終的にアルミニウムベース回路基板を得ることができる。なお、アルミニウム基板の厚さについては、特に制限はないが、一般的には例えば0.5〜3.0mmとすることができる。
従来、エポキシ樹脂組成物において潜在性硬化剤として多用されてきたジシアンジアミドは、例えば実使用時の素子の発熱によって分子中の−NH2基が遊離し、アンモニウムイオンを発生させやすい性質を有している。そのため、エポキシ樹脂組成物の硬化剤としてジシアンジアミドを用いて回路基板や電子部品の接着剤層を形成した場合、ジシアンジアミドから生成したアンモニウムイオンが接着剤層中に残留する。アンモニウムイオンは、製品の使用過程で陰イオン(例えば、硫酸イオンSO4 2−)と接触する機会があると、陰イオンとアンモニウム塩を形成して接着剤層中に陰イオンを取り込む。このようにアンモニウム塩の形態で接着剤層中に取り込まれた陰イオンは、高温高湿が繰返されるような使用環境で少しずつ遊離し、金属配線からの金属イオンの発生を誘発し、絶縁不良の原因となるマイグレーションを引き起こすものと考えられる。
ワニス粘度は、得られた接着剤樹脂組成物のワニスを、B型粘度計4号ローターを使用し、23℃、6rpmで粘度を測定した場合の測定値(Pa・s)とする。
ワニスの沈降は、400gの接着剤樹脂組成物のワニスを、500ml三角フラスコ中、23℃で7日間放置し、三角フラスコの底におけるアルミナ粉末の沈降物の有無を確認し、高さが10mm以上の沈降物がある場合を「有」と評価し、10mm未満を「無」と評価した。但し、10mm未満の場合でも、沈殿物が固く、撹拌によっても元の状態に戻らない場合も「有」と判定した。
Bステージの接着剤フィルムを、圧縮プレス成型機にて180℃、1時間加熱硬化させ、硬化物を得た。この硬化物を粉砕したもの1gを、50ccの純水中で加圧しながら加熱温度121℃で20時間抽出した。抽出水をDIONEX社製イオンクロマト測定装置DX−300により処理してアンモニウムイオン濃度を測定した。アンモニウムイオンの含有量は、硬化物に対するアンモニウムイオンの重量分率(重量ppm)とした。
接着剤樹脂組成物のワニスを、ナイフコーターにてPETフィルム上に、乾燥後の厚みが100μmとなるように塗工し、塗工面が均一な場合を「良」と評価し、スジ又はムラ等の外観欠陥を生じる場合を「不良」と評価した。
所定量のBステージの接着剤フィルムを用いて、圧縮プレス成形機にて180℃で10分加熱し、プレスから取り出した後、さらに乾燥機中にて180℃で50分加熱することにより、直径50mm、厚さ5mmの円盤状試験片を得た。この試験片を、英弘精機製熱伝導率測定装置HC−110を用いて、定常法により熱伝導率(W/m・K)を測定した。
ピール強度は、Bステージの接着剤フィルムを銅箔に重ね合わせ、バッチ式真空プレスを用いて、圧力10MPa、最高温度180℃で1時間維持の温度プロファイルにおいて、厚さ1.5mmのアルミニウム基板にプレスし、硬化させた。その際、アルミニウム基板面に接着剤フィルム面を接触させ、銅箔を上面とした状態で加圧してアルミニウム基板に貼り付けた。そして、JIS C 6481(引きはがし強さ)に基づいて試験を実施した。すなわち、前記の通りに作製した試験片を前記規格に基づいた形状に切り取り、テンシロン試験機(オリエンテック製RTA−250)を用いて、銅箔を90度方向に速度50mm/分の条件にて引っ張ることにより、90度銅箔ピール強度(kN/m)を測定した。
Bステージの接着剤フィルムを、直径5mmの丸棒に沿わせて180°曲げたときに、フィルムの表面に異常がない場合を「なし」と評価し、クラックの発生が確認された場合を「割れ」と評価した。
試験基板として、Bステージの接着剤フィルムの両面に銅箔に重ね合わせ、バッチ式真空プレスを用いて、圧力10MPa、最高温度180℃で1時間維持の温度プロファイルにおいて熱圧着し、両面銅箔の積層板を作製した。この積層板の片面に、線幅200ミクロン、間隔200ミクロンの碁盤目パターンをエッチングにより形成した。この積層板を2cm角に切断したのち、上下の銅箔部分にバイアス印加用配線を取り付けた。この試験基板を、122℃、2気圧、湿度100%のプレッシャークッカーテスター中で直流50Vの電圧印加を72時間行った。初期の抵抗値を基準として、試験後の抵抗値が20%以上低下した場合を「不良」と評価し、試験後の抵抗値の低下が20%未満の場合を「良」と評価した。
接着剤樹脂組成物、及び接着剤フィルムを作製するために使用した原料とその略号は以下の通りである。
(イ)エポキシ樹脂
エポキシ樹脂(1):ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成製YD128、エポキシ当量189、液状)
エポキシ樹脂(2):ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成製YDF−170、エポキシ当量170、液状)
エポキシ樹脂(3):o−クレゾールノボラックエポキシ樹脂(日本化薬製EOCN−1020−55、エポキシ当量200、軟化点55℃)
硬化剤(1):明和化成製、MEH−8000H(水酸基当量141、液状)
硬化剤(2):明和化成製、MEH−8005(水酸基当量135、液状)
硬化剤(3):群栄化学工業製、PSM−4324(水酸基当量105、軟化点100℃固形)
硬化剤(4):群栄化学工業製、PSM−4261(水酸基当量105、軟化点80℃固形)
硬化剤(5):ジシアンアミド(水酸基当量21)
硬化促進剤(1):2−エチル−4−メチルイミダゾール
フェノキシ樹脂(1):ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成製YP−50)
フェノキシ樹脂(2):ビスフェノールAF型フェノキシ樹脂(東都化成製YP−70)
アルミナ粉末(1):
球状、結晶性、最大粒子径;100μm、平均粒子径D50;45μm、体積平均粒子径MV;49μm、個数平均粒子径MN;38μm、MV/MN;1.3
アルミナ粉末(2):
球状、結晶性、最大粒子径;68μm、平均粒子径D50;11μm、体積平均粒子径MV;12μm、個数平均粒子径MN;4.3μm、MV/MN;2.8
アルミナ粉末(3):
球状、結晶性、最大粒子径;7μm、平均粒子径D50;0.4μm、体積平均粒子径MV;0.7μm、個数平均粒子径MN;0.1μm、MV/MN;6.7
Claims (4)
- 下記の成分(A)及び(B)を含有する接着剤樹脂組成物であって、接着剤樹脂組成物を硬化させた硬化物中のアンモニウムイオンが50重量ppm以下である接着剤樹脂組成物。
(A):下記の成分(イ)〜(ニ)を含有するエポキシ系接着樹脂原料。
(イ)エポキシ樹脂、
(ロ)水酸基当量が130〜200の範囲内の液状フェノールノボラックからなる硬化剤、
(ハ)硬化促進剤、及び
(ニ)フェノキシ樹脂
(B):下記の条件a)〜c)を満足するアルミナ粉末。
a)最大粒子径が120μm以下であり、
b)全アルミナ粉末中の結晶性の球状アルミナの割合が90重量%以上であり、かつ、
c)前記結晶性の球状アルミナ粒子径分布が、以下のi)〜iii)の条件を満たすものである。
i)平均粒子径D50が35〜50μmであり、かつ[体積平均粒子径]/[個数平均粒子径]が1.2〜2.0の範囲内のものが結晶性の球状アルミナ中に30〜50重量%の範囲内で存在すること、
ii)平均粒子径D50が5〜15μmであり、かつ[体積平均粒子径]/[個数平均粒子径]が2.0〜3.5の範囲内のものが結晶性の球状アルミナ中に30〜50重量%の範囲内で存在すること、及び、
iii)平均粒子径D50が0.1〜2μmの範囲内のものが結晶性の球状アルミナ中に10〜30重量%の範囲内で存在すること。 - (B)成分の含有量は、接着剤樹脂組成物の固形分100重量部に対して、86〜95重量部の範囲内である請求項1に記載の接着剤樹脂組成物。
- 請求項1に記載の接着剤樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
- 請求項1に記載の接着剤樹脂組成物を半硬化状態でフィルム状に成形してなる接着剤フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010221315A JP5622267B2 (ja) | 2010-09-30 | 2010-09-30 | 接着剤樹脂組成物、その硬化物、及び接着剤フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010221315A JP5622267B2 (ja) | 2010-09-30 | 2010-09-30 | 接着剤樹脂組成物、その硬化物、及び接着剤フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012077123A true JP2012077123A (ja) | 2012-04-19 |
JP5622267B2 JP5622267B2 (ja) | 2014-11-12 |
Family
ID=46237753
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010221315A Expired - Fee Related JP5622267B2 (ja) | 2010-09-30 | 2010-09-30 | 接着剤樹脂組成物、その硬化物、及び接着剤フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5622267B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012092297A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-05-17 | Nippon Steel Chem Co Ltd | 接着剤樹脂組成物、その硬化物、及び接着剤フィルム |
WO2013099771A1 (ja) * | 2011-12-29 | 2013-07-04 | 住友ベークライト株式会社 | プリプレグ、回路基板および半導体装置 |
WO2016125664A1 (ja) * | 2015-02-05 | 2016-08-11 | 味の素株式会社 | 樹脂組成物 |
JPWO2017191801A1 (ja) * | 2016-05-06 | 2019-03-07 | Dic株式会社 | 樹脂組成物、成形体、積層体及び接着剤 |
KR20190127770A (ko) | 2017-03-30 | 2019-11-13 | 아지노모토 가부시키가이샤 | 페이스트상 수지 조성물 |
KR20230129931A (ko) | 2022-03-02 | 2023-09-11 | 아지노모토 가부시키가이샤 | 경화성 조성물 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08332696A (ja) * | 1995-06-06 | 1996-12-17 | Hitachi Chem Co Ltd | 絶縁接着材料付き金属体及びその製造方法 |
JP2004269616A (ja) * | 2003-03-06 | 2004-09-30 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 樹脂組成物およびそれを用いたフレキシブルプリント配線板用カバーレイ |
JP2007246861A (ja) * | 2006-03-20 | 2007-09-27 | Nippon Steel Chem Co Ltd | 樹脂組成物、並びにこの樹脂組成物を用いて得たワニス、フィルム状接着剤及びフィルム状接着剤付き銅箔 |
-
2010
- 2010-09-30 JP JP2010221315A patent/JP5622267B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08332696A (ja) * | 1995-06-06 | 1996-12-17 | Hitachi Chem Co Ltd | 絶縁接着材料付き金属体及びその製造方法 |
JP2004269616A (ja) * | 2003-03-06 | 2004-09-30 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 樹脂組成物およびそれを用いたフレキシブルプリント配線板用カバーレイ |
JP2007246861A (ja) * | 2006-03-20 | 2007-09-27 | Nippon Steel Chem Co Ltd | 樹脂組成物、並びにこの樹脂組成物を用いて得たワニス、フィルム状接着剤及びフィルム状接着剤付き銅箔 |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012092297A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-05-17 | Nippon Steel Chem Co Ltd | 接着剤樹脂組成物、その硬化物、及び接着剤フィルム |
WO2013099771A1 (ja) * | 2011-12-29 | 2013-07-04 | 住友ベークライト株式会社 | プリプレグ、回路基板および半導体装置 |
WO2016125664A1 (ja) * | 2015-02-05 | 2016-08-11 | 味の素株式会社 | 樹脂組成物 |
JPWO2016125664A1 (ja) * | 2015-02-05 | 2017-11-16 | 味の素株式会社 | 樹脂組成物 |
TWI696657B (zh) * | 2015-02-05 | 2020-06-21 | 日商味之素股份有限公司 | 樹脂組成物 |
JPWO2017191801A1 (ja) * | 2016-05-06 | 2019-03-07 | Dic株式会社 | 樹脂組成物、成形体、積層体及び接着剤 |
JP7167441B2 (ja) | 2016-05-06 | 2022-11-09 | Dic株式会社 | 樹脂組成物、成形体、積層体及び接着剤 |
KR20190127770A (ko) | 2017-03-30 | 2019-11-13 | 아지노모토 가부시키가이샤 | 페이스트상 수지 조성물 |
KR20230129931A (ko) | 2022-03-02 | 2023-09-11 | 아지노모토 가부시키가이샤 | 경화성 조성물 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5622267B2 (ja) | 2014-11-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5761639B2 (ja) | 接着剤樹脂組成物、その硬化物、及び接着剤フィルム | |
JP4890063B2 (ja) | 樹脂組成物、並びにこの樹脂組成物を用いて得たワニス、フィルム状接着剤及びフィルム状接着剤付き銅箔 | |
JP2013189625A (ja) | 高熱伝導性樹脂硬化物、高熱伝導性半硬化樹脂フィルム及び高熱伝導性樹脂組成物 | |
JP4962156B2 (ja) | 導電性接着剤 | |
WO2015045846A1 (ja) | 半導体チップ封止用熱硬化性樹脂シート及び半導体パッケージの製造方法 | |
JP5622267B2 (ja) | 接着剤樹脂組成物、その硬化物、及び接着剤フィルム | |
JP2018138634A (ja) | 樹脂組成物および該樹脂組成物を用いた半導体装置 | |
WO2017014238A1 (ja) | 熱伝導性樹脂組成物、熱伝導性シートおよび半導体装置 | |
JP2014193965A (ja) | 高熱伝導性樹脂組成物、高熱伝導性半硬化樹脂フィルム及び高熱伝導性樹脂硬化物 | |
TWI543312B (zh) | Method for manufacturing parts for laminated bodies and power semiconductor modules | |
WO2016060088A1 (ja) | 半導体デバイス用層間充填剤組成物及び半導体デバイスの製造法 | |
WO2015115481A1 (ja) | 熱伝導性シートおよび半導体装置 | |
JP4780041B2 (ja) | 半導体用樹脂ペースト及び半導体装置 | |
JP5767916B2 (ja) | 電気絶縁性樹脂組成物および金属基板 | |
JP5157938B2 (ja) | ダイボンディング用樹脂ペースト、該樹脂ペーストを用いた半導体装置の製造方法、および該製造方法により得られる半導体装置 | |
JP6508384B2 (ja) | 熱伝導性シートおよび半導体装置 | |
JP2017188667A (ja) | 絶縁材料及び電子部品 | |
JP2014189701A (ja) | 高熱伝導性樹脂硬化物、高熱伝導性半硬化樹脂フィルム及び高熱伝導性樹脂組成物 | |
CN106133900B (zh) | 导热片和半导体装置 | |
JP2017022265A (ja) | 金属回路基板及びその製造方法 | |
JP6106389B2 (ja) | 先設置型半導体封止用フィルム | |
JP5767540B2 (ja) | エピスルフィド樹脂材料であるbステージフィルム、多層基板及び積層フィルム | |
JP2015193704A (ja) | 高熱伝導セラミックス粉末含有樹脂組成物、その硬化物 | |
JP2017101140A (ja) | 樹脂組成物および該樹脂組成物からなる層を有する半導体装置 | |
JP2020169230A (ja) | 熱伝導性シート |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130220 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140123 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140304 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140507 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140917 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140918 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5622267 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |