JP2012076693A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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圭亮 泉谷
Yorinobu Kanayama
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Abstract

【課題】モータの電力消費を限界以下に抑えるとともに、トルク詰まりなどの違和感が出ないように、電力消費率に応じて、モータへの制御量を変化させる。
【解決手段】操舵補助モータの消費電力を算出又は推定し、前記操舵補助モータの消費電力と所定の電力制限値との比に基づいて電力消費率Prateを算出し、算出された電力消費率Prateが1に近づくほど、モータ電流指令値Iq*を予め低下させる。
【選択図】図6

Description

本発明は、操舵手段とそれを補助する操舵補助モータとを含む電動パワーステアリング装置に関するものである。
電動パワーステアリング装置に使用される操舵補助モータ(以下単に「モータ」という)は、モータの回転に合わせてステータ巻線に電流を通電することによってモータトルクが制御される。このモータの回転速度(回転速度とも言う)とモータトルクとの関係を本明細書では「モータ出力特性」という。
モータ出力特性には、当該モータを駆動する電源の電力限界があり、この電源の電力限界に基づいてモータの電力を制限することによって、電源からの引き出し電流が一定以下に抑えられ、モータ又はECUが過電流や過熱によって故障しないようにされる。モータ出力特性と電源電力限界との関係を図9に示す。グラフの縦軸はモータトルク、横軸は回転速度を示す。
通常の設計では、モータ出力特性の中であって、電源電力限界を超えない範囲において目標出力が設定され、モータの回転はその目標出力となるように制御される。
また図10に示すように、ブラシレスモータの制御において、同じ電圧でも、モータ回転速度を高速側へ広げられる技術として、d軸電流が負になるように制御する弱め界磁制御がある。
特開2009-46005号公報 特開2009-22074号公報
ところで、据え切りで急操舵を行った場合など、一時的に電源の電力限界を超える電力が必要になることがある。この場合、電源の電力限界のためにモータの出力が制限され、いわゆるアシスト切れが発生して、操舵トルクが増加し、引っ掛かり感などの違和感が発生するという問題があった。
この問題は、特に弱め界磁制御が作動するような高速回転(ハンドル急操舵)領域において顕著になると考えられる。
そこで本発明の目的は、モータの電力消費を限界以下に抑えつつ、トルク詰まりなどの違和感が出ないように、電力消費率に応じて、モータへの制御量を変化させるように設計された電動パワーステアリング装置を提供することである。
前記の目的を達成するための本発明の電動パワーステアリング装置は、操舵補助力を発生するための操舵補助モータと、前記操舵補助モータを駆動するインバータ駆動回路と、前記インバータ駆動回路に駆動電力を供給する電源と、前記電源の消費電力を算出又は推定する消費電力推定手段と、算出又は推定された前記消費電力と所定の電力制限値との比から電力消費率を算出する電力消費率算出手段と、前記電力消費率算出手段によって算出された電力消費率に応じて、モータ制御量を変化させることにより前記操舵補助モータを制御する電力制御手段とを備える。
この構成であれば、算出された電力消費率が大きくて、モータの消費電力が電源の限界に近い場合、モータ制御量として、既定のモータ制御量よりも低くなる方向に変化した値を適用することができる。このため、電力消費率が急激に増大して、本来ならばモータ制御量の急減な低下が起こる場合に、この現象を避けることができる。よってトルク詰まりなどの違和感が出なくなる。
前記モータ制御量は、前記電力制御手段により設定されるモータ電流指令値であってもよく、この場合、前記電力制御手段は、前記電力消費率に応じて、前記操舵補助モータに供給する前記モータ電流指令値に制限を加える。
さらに、前記モータ電流指令値に対して、当該モータ電流指令値と前記操舵補助モータの出力限界を表わす電流制限値との差に応じた補正を行ってもよい。
前記モータ制御量は、前記電力制御手段により設定される、弱め界磁制御量であってもよく、この場合前記電力制御手段は、前記電力消費率に応じて、前記操舵補助モータに供給するd軸電流指令値に制限を加える。
前記モータ制御量は前記操舵補助モータに供給される昇圧電圧であってもよく、この場合前記電力制御手段は、前記電力消費率に応じて、前記昇圧電圧に制限を加える。
前記消費電力推定手段は、インバータ駆動回路の消費電力を検出してもよく、インバータ駆動回路に電源を供給する電源の電圧と電流を検出してもよく、モータの回転速度を演算し、これとモータトルク又はモータ電流との積に基づいて、消費電力を検出してもよい。
電動パワーステアリング装置の電気的構成と制御機能を説明するためのブロック図である。 モータの構成を説明するための図解図である。 電力消費率Prateと、電力消費率ゲインPrateGainとの関係を示すグラフである。 電力消費率演算部37、補正部22の動作を示すフローチャートである。 図4の変形例を示す部分フローチャートである。 電力消費率Prateと、d軸電流指令値Id*との関係を示すグラフである。 変形例に係る電動パワーステアリング装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。 電力消費率Prateと、昇圧電圧Vboostとの関係を示すグラフである。 モータ出力特性と、電源電力限界とを重畳して描いたグラフである。 弱め界磁制御のありなしでモータ出力特性の違いを示したグラフである。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電動パワーステアリング装置(車両用操舵装置の一例)の電気的構成と制御機能を説明するためのブロック図である。
この電動パワーステアリング装置は、車両を操向するための操作部材としてのステアリングホイール10に加えられる操舵トルクTを検出するトルクセンサ1と、車両の舵取り機構2に減速機構8を介して操舵補助力を与えるモータ3(操舵補助モータ)と、モータ3を駆動するための電源30と、モータ3の回転角(電気角)を検出するための回転角センサ(例えばモータレゾルバ)5と、モータ3を駆動制御するモータ制御装置6と、当該電動パワーステアリング装置が搭載された車両の速度を検出する車速センサ7とを備えている。前記モータ制御装置6に、前述の回転角センサ5、トルクセンサ1及び車速センサ7が接続されている。
モータ制御装置6は、トルクセンサ1が検出する操舵トルク及び車速センサ7が検出する車速に応じて、インバータ駆動回路12を通してモータ3を駆動することによって、操舵状況及び車速に応じた適切な操舵補助を実現する。
モータ3は、この実施形態では、三相モータであり、図2に図解的に示すように、界磁としてのロータ50と、このロータ50に対向するステータ55に配置されたU相、V相及びW相のステータ巻線51,52,53とを備えている。モータ3は、ロータの外部にステータを対向配置したインナーロータ型のものであってもよいし、筒状のロータの内部にステータを対向配置したアウターロータ型のものであってもよい。
各相のステータ巻線51,52,53の方向にU軸、V軸及びW軸をとった三相固定座標(UVW座標系)を定義する。また、ロータ50の磁極方向にd軸(磁極軸)をとり、ロータ50の回転平面内においてd軸と直角な方向にq軸(トルク軸)をとった二相回転座標系(d−q座標系)を定義する。
d−q座標系は、ロータ50とともに回転する回転座標系である。d−q座標系では、q軸電流のみがロータ50のトルク発生に寄与するので、d軸電流を零又は負の値とし、q軸電流を所望のトルクに応じて制御すればよい。ロータ50の回転角θは、U軸に対するd軸の回転角である。d−q座標系は、ロータ角θに従う実回転座標系である。このロータ角θを用いることによって、UVW座標系とd−q座標系との間での座標変換を行うことができる。
図1に戻り、モータ制御装置6は、電流検出部13及びインバータ駆動回路12を有する。
電流検出部13は、モータ3のステータ巻線51,52,53(図2参照)を流れる電流を検出する。より具体的には、電流検出部13は、三相(U相、V相及びW相)のステータ巻線51,52,53における相電流をそれぞれ検出する電流検出器を有する。
モータ制御装置6の、電流検出部13、インバータ駆動回路12以外の部分は、CPU及びメモリ(ROM及びRAMなど)を備えるマイクロコンピュータで構成されており、所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理部として機能する。
この複数の機能処理部には、目標モータトルク生成部20と、電流指令値生成部21と、補正部22と、電流偏差演算回路23と、PI(比例積分)制御部24と、dq/UVW変換部25と、PWM(Pulse Width Modulation)制御部26と、UVW/dq変換部27と、回転角演算部31と、電力消費率演算部37とが含まれている。
回転角演算部31は、回転角センサ5の出力信号に基づいて、モータ3のロータ50の回転角(電気角。以下、「回転角θ」という。)を演算するものである。この回転角θが座標変換用の変換角θとして出力される。
目標モータトルク生成部20は、トルクセンサ1により検出される操舵トルク(検出操舵トルク)と、車速センサ7により検出される車速とに基づいて目標モータトルクT *を生成する。具体的には、目標モータトルク生成部20は、車速毎に予め設定された検出操舵トルクに対する目標モータトルクT *の関係に基づいて、検出された車速及び操舵トルクに応じた目標モータトルクT *を生成する。
検出操舵トルクは、例えば左方向への操舵のためのトルクが正の値にとられ、右方向への操舵のためのトルクが負の値にとられている。また、目標モータトルクT *は、モータ3から左方向操舵のための操舵補助力を発生させるべきときには正の値とされ、モータ3から右方向操舵のための操舵補助力を発生させるべきときには負の値とされる。
目標モータトルク生成部20によって生成された目標モータトルクT *は、電流指令値生成部21に与えられる。
電流指令値生成部21は、d−q座標系の座標軸に流すべき電流を電流指令値として生成するものである。具体的には、d軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*を生成する。さらに具体的には、電流指令値生成部21は、q軸電流指令値Iq*を有意値とする一方で、d軸電流指令値Id*を零又は負の値とする(負の値にするのは弱め界磁制御を行う場合である)。より具体的には、電流指令値生成部21は、目標モータトルク生成部20によって生成された目標モータトルクT *を、モータ3のトルク定数Kで除算することによって、q軸電流指令値Iq*を求める。このq軸電流指令値を本明細書では「モータ電流指令値」と言うことがある。電流指令値生成部21によって生成されたq軸電流指令値Iq*とd軸電流指令値Id*は、補正部22を経て、電流偏差演算回路23に与えられる。
電流検出部13は、インバータ駆動回路12におけるモータ3のU相電流I、V相電流I、W相電流I(以下、これらを総称するときには「三相検出電流IUVW」という。)を検出する。電流検出部13によって検出された三相検出電流IUVWは、UVW/dq変換部27に与えられる。
UVW/dq変換部27は、三相検出電流IUVWを、二相回転座標系(d−q座標系)上でのd軸電流Id及びq軸電流Iq(以下、これらを総称するときには「二相検出電流Id,Iq」という。)に座標変換する。この座標変換には、回転角演算部31によって得られた変換角θが用いられる。
電力消費率演算部37は、UVW/dq変換部27によって得られる二相検出電流Id,Iq及び電源30からインバータ駆動回路12に供給される電圧Vdqに基づいて、インバータ駆動回路12の消費電力Pinvを求める。このインバータ駆動回路12の消費電力Pinvは、電源(バッテリ)30の消費電力に相当する値である。
Pinv=VdId+VqIq・・・(1)
電力消費率演算部37は、インバータ電力制限値Pinv_limを設定する。インバータ電力制限値Pinv_limは、インバータ駆動回路12の消費電力の最大制限値であり、これを超えると電源に過大な負荷がかかる。電力消費率演算部37は、さらにインバータ電力制限値Pinv_limと消費電力Pinvとに基づいて、電力消費率Prateを求める。
Prate=Pinv/Pinv_lim・・・(2)
この電力消費率Prateは、現時点のインバータ駆動回路12の消費電力が、インバータ電力制限値Pinv_limと比べてどのくらいの割合になっているかを示す値である。Pinv_limは、0=<Pinv_lim=<1の範囲に入る。
補正部22は、電力消費率Prateに基づいて、電力消費率ゲインPrateGainを設定する。これは、電力消費率Prateの関数として求められる値である。電力消費率ゲインPrateGainの関数形の具体例を、図3に示す。同図によれば、A,Bを0から1までの範囲にある定数として、電力消費率Prateが1からAまでであれば、電力消費率ゲインPrateGainは1である。電力消費率PrateがAを超えると、電力消費率ゲインPrateGainは1から低下していく。電力消費率Prateが1に達すると、電力消費率ゲインPrateGainはBとなる。このように、“A”は、電力消費率ゲインPrateGainが1を維持するための電力消費率Prateの上限値であり、“B”は電力消費率Prateが最大値1になったときの電力消費率ゲインPrateGainの値である。
補正部22は、この電力消費率ゲインPrateGainを用いて、q軸電流指令値Iq*を補正する。補正後のq軸電流指令値Iq*を“Iq*′”と表記すると、
Iq*′=Iq*×PrateGain・・・(3)
である。
さらに補正部22は、モータ3の消費電流がモータ保護のための電流制限値を超えないように、q軸電流制限値Iq_limを設定する。q軸電流制限値Iq_limは、ブラシレスモータの場合、インバータ電力制限値Pinv_limを用いて、
Iq_lim=(Pinv_lim−Vd *×Id*)/Vq *・・・(4)
で求められる。補正部22は、q軸電流指令値Iq*′がIq_lim以下であればq軸電流指令値Iq*′をそのまま出力するが、もしq軸電流指令値Iq*′がIq_limを超えた場合、q軸電流指令値Iq*′をIq_limまで低減して出力する。
なおブラシ付きモータの場合は、インバータ消費電力Pinvを前記(1)式に代えて、
Pinv=VmIm・・・(1a)
(Vm:モータ電圧、Im:モータ電流)を用いて算出する。補正後のq軸電流指令値Im *′を、前記(3)式に代えて、
m *′=Im *×PrateGain・・・(3a)
で算出する。モータ電流制限値Im_limを、前記(4)式に代えて、
m_lim=Pinv_lim/Vm・・・(4a)
で算出する。このように、ブラシレスモータと同様に、モータ電圧、モータ電流によって電力制限ができる。
図4は、電力消費率演算部37及び補正部22の動作を示すフローチャートである。
電力消費率演算部37は、前記(1)式を用いてインバータ消費電力Pinvを求め(ステップS1)、前記(2)式を用いて電力消費率Prateを演算し(ステップS2)、図4に例示するマップを用いて電力消費率ゲインPrateGain(ステップS3)を設定する。
補正部22は、前記(3)式を用いて、電流指令値生成部21から取得して(ステップS4)、q軸電流指令値Iq*に、この電力消費率ゲインPrateGainを適用して補正後のq軸電流指令値Iq*′を求める(ステップS5)。さらに前記(4)式を用いてq軸電流制限値Iq_limを算出する(ステップS6)。補正部22は、補正後のq軸電流指令値Iq*′とq軸電流制限値Iq_limとを絶対値どうし比較し、q軸電流指令値Iq*′がq軸電流制限値Iq_limよりも大きければ(ステップS7のYes)、q軸電流指令値Iq*′を、q軸電流制限値Iq_limと同じ値になるように書き換える(ステップS8)。q軸電流指令値Iq*′がq軸電流制限値Iq_lim以下であれば(ステップS7のNo)、q軸電流指令値Iq*′を書き換えないでそのまま使う。そしてこのq軸電流指令値Iq*′を電流偏差演算回路23に提供する。
電流偏差演算回路23は、q軸電流指令値Iq*′及びd軸電流指令値Id*と、UVW/dq変換部27から与えられる二相検出電流Iq,Idとの偏差を演算する。これらの偏差は、PI制御部24に与えられる。
PI制御部24は、偏差演算部23によって演算された電流偏差に対するPI演算を行なうことにより、モータ3に印加すべき二相指示電圧Vdq *(d軸指示電圧V *及びq軸指示電圧V *)を生成する。この二相指示電圧Vdq *は、dq/UVW変換部25に与えられる。
dq/UVW変換部25は、二相指示電圧Vdq *を三相指示電圧VUVW *に変換する。この座標変換には、回転角演算部31によって得られた変換角θが用いられる。三相指示電圧VUVW *は、U相指示電圧V *、V相指示電圧V *及びW相指示電圧V *からなる。この三相指示電圧VUVW *は、PWM制御部26に与えられる。
PWM制御部26は、U相指示電圧V *、V相指示電圧V *及びW相指示電圧V *にそれぞれ対応するデューティのU相PWM制御信号、V相PWM制御信号及びW相PWM制御信号を生成し、インバータ駆動回路12に供給する。
インバータ駆動回路12は、U相、V相及びW相に対応した三相コンバータ回路からなる。このインバータ回路を構成するパワー素子が、PWM制御部26から与えられるPWM制御信号によって制御されることにより、三相指示電圧VUVW *に相当する電圧がモータ3の各相のステータ巻線51,52,53に印加されることになる。
このような構成において、ステアリングホイール10に操舵トルクが加えられると、これがトルクセンサ1によって検出される。そして、トルクセンサ1によって検出された操舵トルク及び車速センサ7によって検出された車速に応じた目標モータトルクT *が目標モータトルク生成部20によって生成される。そして、この目標モータトルクT *に応じた電流指令値Id*,Iq*が電流指令値生成部21によって生成される。
補正部22は、電流指令値生成部21から取得したq軸電流指令値Iq*に、電力消費率ゲインPrateGainを適用して補正後のq軸電流指令値Iq*′を得るとともに、当該q軸電流指令値Iq*′がq軸電流制限値Iq_limを超えるようであれば、q軸電流制限値Iq_lim以下になるように、q軸電流指令値Iq*を低減して出力する。
このモータ電流指令値Id*,Iq*と二相検出電流Id,Iqとの偏差が電流偏差演算回路23によって求められ、この偏差を零に導くようにPI制御部24によるPI演算が行なわれ、この演算結果に対応した二相指示電圧Vdq *がPI制御部24から出力される。この二相指示電圧Vdq *は、dq/UVW変換部25によって、三相指示電圧VUVW *に変換される。
そして、PWM制御部26の働きによって、その三相指示電圧VUVW *に応じたデューティ比でインバータ駆動回路12が動作することによって、モータ3が駆動され、最終的な電流指令値Id*,Iq*に対応したモータトルク(アシストトルク)が舵取り機構2に与えられることになる。こうして、操舵トルク及び車速に応じて操舵補助を行うことができるとともに、急操舵時にトルク詰まりなどの違和感が出ないように、電力消費率に応じて、モータへの駆動電力を適正に抑えることができる。
上の実施形態において、「q軸電流指令値Iq*′がq軸電流制限値Iq_limよりも大きければ(ステップS7のYes)、q軸電流指令値Iq*′を、q軸電流制限値Iq_limと同じ値になるように書き換える(ステップS8)」と説明したが、次のような変形も可能である。この変形例に係る制御の主要部を、図5に示す。
図5では、図4のステップS6に続いて、補正部22は、補正後のq軸電流指令値Iq*′とq軸電流制限値Iq_limとを絶対値どうし比較し、q軸電流指令値Iq*′がq軸電流制限値Iq_limよりも大きければ(ステップS7のYes)、q軸電流指令値Iq*′とq軸電流制限値Iq_limとの差ΔIq*=Iq*′−Iq_limを求める(ステップS8a)。そしてこの差ΔIq*にゲインb(0≦b≦1)をかけて、Iq*′から引いて(ステップS8b)、値(Iq*′−b×ΔIq*)を求める。この値をIq*′と置き、図4のステップS9に進む。
前記ゲインbは、0から1までの値をとる定数である。もしb=1であれば、図4のステップS8と変わりないことになる。
この図5のステップS8a,S8bのように補正後のq軸電流指令値Iq*′とq軸電流制限値Iq_limとの差に応じて、q軸電流指令値Iq*′を補正する。これは、q軸電流指令値Iq*′を制御に使用すると、制御の応答遅れによりq軸電流指令値Iq*′がq軸電流制限値Iq_limを超えるおそれがあるからである。
次に、本発明の他の実施形態に係るモータ制御装置を適用した電動パワーステアリング装置を説明する。いままでの実施形態では、前記(2)式を用いて電力消費率Prateを算出し、この電力消費率Prateに基づいて、図3の関数形を使って、電力消費率ゲインPrateGainを設定し、この電力消費率ゲインPrateGainを用いて、q軸電流指令値Iq*を補正していた。
しかし弱め界磁制御を行っている場合、電力消費率ゲインPrateGainを設定することに代えて、あるいは設定するとともに、図6に示すように電力消費率PrateがC(0≦C≦1)から1に近づくほど、d軸電流指令値Id*を、負の一定値(Id1*)から0に近づくように制御することも可能である。この制御により、電力消費率の高い領域で、弱め界磁制御量を減らして、モータの出力トルクを低下させ、急操舵時にトルク詰まりなどの違和感が出ないようにすることができる。
また、この電動パワーステアリング装置において、電源30の電圧を昇圧する昇圧回路28が設けられているときは、電力消費率Prateが1に近づくほど、その昇圧電圧Vboostを低下させるという制御も採用することができる。
図7は、電動パワーステアリング装置の電気的構成を説明するためのブロック図であり、図1と異なるところは、電力消費率演算部37の出力信号である電力消費率Prateに応じて昇圧回路28の昇圧電圧が変化することである。昇圧回路28は、図8に示すように、電力消費率PrateがD(0≦D≦1)から1に近づくほど、昇圧電圧Vboostを低下させる(V1→V2)。これにより、電力消費率の高い領域で、モータ電圧を低下させることにより、モータの出力トルクを低下させ、急操舵時にトルク詰まりなどの違和感が出ないようにすることができる。
また、いままでの実施形態では、電源(バッテリ)30の消費電力を推定するために、インバータ駆動回路12の消費電力Pinvを求めていた(前記(1)式)。しかし、電源(バッテリ)30の電圧と電流を直接検出して、電源(バッテリ)30の消費電力を求める構成としても良い。
さらに回転角演算部31から出力されるモータ3のロータ50の回転角θを用いて(例えば微分演算して)、モータの回転速度を演算し、これとモータ電流Imとの積に基づいて、電源(バッテリ)30の消費電力を推定してもよい。
いままでに示した図3、図6、図8で、電力消費率ゲイン、弱め界磁電流、昇圧電圧が直線状に変化する例を示したが、本発明の補正部22や昇圧回路28の制御はこれに限定されるものではない。例えば、電力消費率Prateの範囲0〜1において曲線状に変化してもよい(二次曲線、指数曲線、正弦波曲線など)。また図3、図6、図8に示した電力消費率ゲイン、弱め界磁電流、昇圧電圧の関数形をメモリに記憶して利用する代わりに、あらかじめ各電力消費率Prateに対応する値をこのメモリ内のテーブルに書き込んで、それを利用しても良い。
また高速走行中の緊急回避時には、q軸電流指令値、昇圧電圧、弱め界磁制御量を制限しないように、車速が大きいときは、これらの制御量を制限しないようにする設定も可能である。また、q軸電流指令値、昇圧電圧、弱め界磁制御の各制御を組み合わせることも可能である。
3…操舵補助モータ,12…インバータ駆動回路、22…補正部、30…電源、37…電力消費率演算部

Claims (9)

  1. 操舵補助力を発生するための操舵補助モータと、
    前記操舵補助モータを駆動するインバータ駆動回路と、
    前記インバータ駆動回路に駆動電力を供給する電源と、
    前記電源の消費電力を算出又は推定する消費電力推定手段と、
    算出又は推定された前記消費電力と所定の電力制限値との比から電力消費率を算出する電力消費率算出手段と、
    前記電力消費率算出手段によって算出された電力消費率に応じて、モータ制御量を変化させることにより前記操舵補助モータを制御する電力制御手段とを備える、電動パワーステアリング装置。
  2. 前記モータ制御量は、前記電力制御手段により設定されるモータ電流指令値であり、
    前記電力制御手段は、前記電力消費率に応じて、前記操舵補助モータに供給する前記モータ電流指令値に制限を加える、請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記電力制御手段は、前記電力消費率に応じて電力消費率ゲインを設定し、この電力消費率ゲインをq軸電流指令値に乗算するものである、請求項2記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記電力制御手段は、前記電力消費率ゲインが乗算されたq軸電流指令値に対して、当該q軸電流指令値と前記操舵補助モータの出力限界を表わすq軸電流制限値との差に応じた補正をさらに行う、請求項3記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記モータ制御量は、前記電力制御手段により設定される、弱め界磁制御量であり、
    前記電力制御手段は、前記電力消費率に応じて、前記操舵補助モータに供給するd軸電流指令値に制限を加える、請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記モータ制御量は前記操舵補助モータに供給される昇圧電圧であり、前記電力制御手段は、前記電力消費率に応じて、前記昇圧電圧に制限を加える、請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 前記消費電力推定手段は、インバータ駆動回路の消費電力を検出する、請求項1から請求項6の何れかに記載の電動パワーステアリング装置。
  8. 前記消費電力推定手段は、インバータ駆動回路に電源を供給する電源の電圧と電流を検出して、消費電力を求める、請求項1から請求項6の何れかに記載の電動パワーステアリング装置。
  9. 前記消費電力推定手段は、モータの回転速度を演算し、これとモータトルク又はモータ電流との積に基づいて、消費電力を求める、請求項1から請求項6の何れかに記載の電動パワーステアリング装置。
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