JP2012066407A - ポリマー部材の製造方法、及びポリマー部材 - Google Patents

ポリマー部材の製造方法、及びポリマー部材 Download PDF

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Abstract

【課題】煩雑な工程を必要とせず、非含水性層と含水性層の密着性の確保が容易なポリマー部材の製造方法と、その製造方法により得られるポリマー部材を提供する。
【解決手段】水溶性モノマーを吸収可能な非含水性物質層(1)と、前記水溶性モノマーを含有する重合性組成物により形成された重合性組成物層(2)とを積層する工程Aと、重合性組成物層(2)中の前記水溶性モノマーの一部を非含水性物質層(1)に吸収させる工程Bと、重合性組成物層(2)中の前記水溶性モノマー及び非含水性物質層(1)中の前記水溶性モノマーを重合する工程Cとを有するポリマー部材(3)の製造方法とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、非含水性層と含水性層の積層構造を有するポリマー部材の製造方法、及びポリマー部材に関する。
非含水性層と含水性層を積層させた複合材料は、医学的、光学的、機械的、電気的など新しい機能を付加した材料として期待される。そのため、シートやフィルムなどにおいて、非含水性層と含水性層を積層させる方法が提案されている。例えば、特許文献1には、ポリマー接着剤が塗布された支持体上に親水性ポリマーの水溶液をキャストし、次いで親水性ポリマーを架橋してヒドロゲルを生成させて複合体を得た後、ヒドロゲルのベースポリマーとポリマー接着剤のベースポリマーを共重合するのに適した電離線に前記複合体を暴露させる、ヒドロゲルラミネートの製造方法が開示されている。また、特許文献2には、無機充填剤と水溶性ポリマーとを含有するハイドロゲル用プライマーを介して、ハイドロゲル層を基材等に固着させるハイドロゲルテープの製造方法が開示されている。
特開平6−315526号公報 特開平11−152426号公報
しかしながら、前記方法では、工程が煩雑になり、コスト高の原因となる上、製造条件によっては、非含水性層と含水性層との間の密着性の確保が困難となる場合があった。
そこで、本発明は、煩雑な工程を必要とせず、非含水性層と含水性層の密着性の確保が容易なポリマー部材の製造方法と、その製造方法により得られるポリマー部材を提供する。
本発明は、ポリマー部材の製造方法であって、
水溶性モノマーを吸収可能な非含水性物質層と、前記水溶性モノマーを含有する重合性組成物により形成された重合性組成物層とを積層する工程Aと、
前記重合性組成物層中の前記水溶性モノマーの一部を前記非含水性物質層に吸収させる工程Bと、
前記重合性組成物層中の前記水溶性モノマー及び前記非含水性物質層中の前記水溶性モノマーを重合する工程Cとを有するポリマー部材の製造方法に関する。
本発明のポリマー部材の製造方法によれば、重合性組成物層中の水溶性モノマー及び非含水性物質層中の水溶性モノマーを重合することにより、前記工程Cを行った後の重合性組成物層(以下、「含水性層」ともいう)と、前記工程Cを行った後の非含水性物質層(以下、「非含水性層」ともいう)の双方が水溶性モノマーの重合体を介して密着するため、煩雑な工程を必要とせずに非含水性層と含水性層の密着性の確保を容易に行うことができる。
本発明のポリマー部材の製造方法は、前記重合性組成物層に水を吸収させる工程を更に有していてもよい。あるいは、前記重合性組成物が水を更に含有していてもよい。これにより、例えば、創傷被覆材、冷却シート、化粧用シート等に好適な含水ポリマー部材を得ることができる。
前記非含水性物質層は、ポリマー層であることが好ましい。水溶性モノマーの重合体との相溶性が確保できるため、含水性層と非含水性層の密着性を向上させることができるからである。
前記工程Bを行う前の前記非含水性物質層は、前記水溶性モノマーの吸収率が1重量%以上であることが好ましい。含水性層と非含水性層の密着性を向上させることができるからである。
前記工程Aは、前記非含水性物質層上に前記重合性組成物を塗布する工程であることが好ましい。非含水性物質層と重合性組成物層との積層体を容易に形成できるからである。
本発明では、前記非含水性物質層がシート状であってもよい。得られるポリマー部材を創傷被覆材、冷却シート、化粧用シート等に好適な含水ポリマーシートとして使用することができるからである。また、工程Aとして、前記非含水性物質層上に前記重合性組成物を塗布する工程を採用する場合は、塗布工程を容易に行うことができる。
前記工程Cは、生産性の観点から、前記水溶性モノマーに活性エネルギー線を照射することにより前記水溶性モノマーを重合する工程であることが好ましい。
前記水溶性モノマーは、アクリル系モノマーであることが好ましい。重合速度が速く、生産性を向上させることができるからである。
前記非含水性物質層は、粘着剤組成物層であってもよい。得られるポリマー部材を創傷被覆材、冷却シート、化粧用シート等に好適な粘着性含水ポリマー部材として使用することができるからである。
本発明では、得られるポリマー部材がテープ状又はシート状の形態であってもよい。得られるポリマー部材を創傷被覆材、冷却シート、化粧用シート等に好適な含水ポリマーテープ又は含水ポリマーシートとして使用することができるからである。
また、本発明のポリマー部材は、上記本発明の製造方法により得られるポリマー部材である。本発明のポリマー部材によれば、上記と同様の理由により、煩雑な工程を必要とせずに非含水性層と含水性層の密着性の確保を容易に行うことができる。
A〜Cは、本発明のポリマー部材の製造方法の一例を示す工程別断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。参照する図1A〜Cは、本発明のポリマー部材の製造方法の一例を示す工程別断面図である。
まず、図1Aに示すように、水溶性モノマーを吸収可能な非含水性物質層1上に、非含水性物質層1が吸収可能な水溶性モノマーを含有する重合性組成物を塗布して、重合性組成物層2を形成する。
非含水性物質層1は、例えば、非含水性物質層1を形成する組成物を含む塗工液を調製し、これを離型処理された基材フィルム上に、慣用のコーター等を用いて塗工することによって得られる。慣用のコーターとしては、コンマロールコーター、ダイロールコーター、グラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーターなどが例示できる。
上記塗工液の粘度は、塗布作業性の観点から、BH粘度計を用いて、No.5ローター、回転数10rpm、測定温度30℃の条件で測定された粘度として、5〜50Pa・sが好ましく、より好ましくは10〜40Pa・sである。粘度調整は、例えば、塗工液にアクリルゴム、ポリウレタン、増粘性添加剤などの各種ポリマーを配合したり、塗工液中のモノマーの一部を光照射や加熱などにより重合したりすることにより可能である。
重合性組成物層2の形成方法は、特に限定されないが、例えば、非含水性物質層1が吸収可能な水溶性モノマーを含有する重合性組成物を調製し、これを非含水性物質層1上に、慣用のコーター等を用いて塗工する方法が例示できる。前記重合性組成物中の水溶性モノマーの含有量は、例えば50〜100重量%程度である。前記重合性組成物の粘度は、塗布作業性の観点から、BH粘度計を用いて、No.5ローター、回転数10rpm、測定温度30℃の条件で測定された粘度として、5〜50Pa・sが好ましく、より好ましくは10〜40Pa・sである。粘度調整は、例えば、水溶性モノマーの含有量の制御により可能である。
続いて、重合性組成物層2中の水溶性モノマーの一部を非含水性物質層1に吸収させる(以下、「モノマー吸収工程」ともいう)。このモノマー吸収工程では、通常、非含水性物質層1が水溶性モノマーを吸収して、図1Bに示すように膨張する。
なお、非含水性物質層1の水溶性モノマーの吸収現象は、非含水性物質層1上に重合性組成物層2を積層した後、常温(例えば25℃程度)で放置するだけでも進行する。つまり、上述したモノマー吸収工程は、常温で0.1〜120分間程度、好ましくは常温で0.5〜60分間放置する工程であればよい。モノマー吸収工程を効率よく進行させるには、非含水性物質層1上に重合性組成物層2を積層した後、当該積層体を25℃を超えて100℃以下の温度で、1秒〜120分間加熱することが好ましい。
続いて、図1Cに示すように、重合性組成物層2中の水溶性モノマーを重合して、水溶性モノマーの重合体を含む含水性層20を形成すると共に、非含水性物質層1中の水溶性モノマーを重合して、水溶性モノマーの重合体を含む非含水性層10を形成し、ポリマー部材3が得られる。
非含水性物質層1は、水溶性モノマーを吸収し、かつ水を吸収しない物質からなり、例えば、天然ポリマーや合成ポリマーなどからなる。なかでも、重量平均分子量が3000以上の天然ポリマーや合成ポリマーが好適である。なお、本発明では、重量平均分子量が実質的に無限大といえる架橋ポリマーを用いる事が出来るため、重量平均分子量の上限は特にない。このような天然ポリマーの例としては、天然ゴムやタンパク質などが挙げられる。また合成ポリマーの例としては、アクリル系ポリマー、エポキシ樹脂、オキセタン系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。なかでも、水溶性モノマーとして後述するアクリル系モノマーを使用する場合は、非含水性層10と含水性層20との密着性の観点から、非含水性物質層1を形成するポリマーとしては、アクリル系ポリマーが好ましい。
非含水性物質層1が水溶性モノマーを吸収するか否かは、水溶性モノマーの吸収率(以下、モノマー吸収率ともいう)で判断することが可能である。前記モノマー吸収率は、非含水性物質層1を構成する非含水性物質0.1gを、25℃のモノマー液100g中に5分間浸漬し、取り出した後の非含水性物質の重量をWとし、前記浸漬後、130℃で1時間熱処理した後の非含水性物質の重量をWとしたときに、{(W−W)/W×100}で算出される。
本発明において、非含水性層10と含水性層20との密着性の観点から、モノマー吸収工程を行う前において、非含水性物質層1のモノマー吸収率が1重量%以上であることが好ましく、5重量%以上であることがより好ましい。また、非含水性物質層1の過剰な膨潤を防ぐ観点から、非含水性物質層1のモノマー吸収率が2000重量%以下であることが好ましく、1000重量%以下であることがより好ましい。非含水性物質層1のモノマー吸収率を上記範囲内に制御するには、モノマー吸収工程時の雰囲気温度、吸収時間、水溶性モノマーと非含水性物質との相溶性等を調整すればよい。
非含水性物質層1が水を吸収するか否かは、吸水率で判断することが可能である。前記吸水率は、非含水性物質層1を構成する非含水性物質0.1gを、25℃の水100g中に1時間浸漬し、取り出した後の非含水性物質の重量をWとし、前記浸漬後、130℃で3時間熱処理した後の非含水性物質の重量をWとしたときに、{(W−W)/W×100}で算出される。本発明では、非含水性物質の吸水率は1重量%未満が好ましい。なお、上記非含水性物質の吸水率は、通常、0.5重量%以上である。
含水性層20を構成する含水性物質は、上記の非含水性物質以外の物質である。本発明では、上記含水性物質は、上述した吸水率が1重量%以上の物質であることが好ましい。なお、上記含水性物質の吸水率の上限は、ポリマー部材として形状を保持できる限り特にない。
なお、本実施形態では、非含水性物質層1上に重合性組成物層2を積層させたが、本発明はこれに限定されず、重合性組成物層2上に非含水性物質層1を積層させてもよい。あるいは、予め重合性組成物からなるシートと、非含水性物質からなるシートを形成しておいて、これらのシート同士を貼り合わせてもよい。
また、本発明では、重合性組成物層2に水を吸収させる工程(以下、「含水工程」ともいう)を更に有していてもよい。重合性組成物層2に水を吸収させる方法は、特に限定されず、重合性組成物層2を水に浸漬する方法や、重合性組成物層2に対して水を噴霧する方法等が例示できる。重合性組成物層2の水の吸収量は、用途によって異なるが、例えば重合性組成物層2を構成する重合性組成物100重量部に対し20〜100重量部程度である。なお、含水工程は、水溶性モノマーの重合前に行っても良く、重合後に行っても良く、重合前及び重合後の双方で行っても良い。
また、本発明では、重合性組成物層2を形成する重合性組成物が水を更に含有していてもよい。この場合、重合性組成物層2の形成性の観点から、重合性組成物中の水の含有量は、1〜20重量%であることが好ましく、2〜15重量%であることがより好ましい。同様の観点から、重合性組成物中の水の含有量は、水溶性モノマー100重量部に対し、1〜20重量部であることが好ましく、2〜15重量部であることがより好ましい。なお、本発明では、重合性組成物層2を形成する重合性組成物が水を更に含有している場合でも、水溶性モノマーの重合前及び/又は重合後に含水工程を追加することができる。
ポリマー部材3の形状は、特に制限されず、例えばシート状やテープ状等の形態が例示できる。なお、非含水性物質として粘着剤組成物(感圧性接着剤組成物)を用いた場合、ポリマー部材3を粘着テープ又は粘着シート(以下、「テープ又はシート」を単に「テープ」あるいは「シート」と称する場合がある)として用いることができる。また、ポリマー部材3に公知の粘着剤(感圧性接着剤)、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、エポキシ系粘着剤などによる粘着剤層(感圧性接着剤層)を設けることでも、ポリマー部材3を粘着テープ又は粘着シートとして用いることができる。
ポリマー部材3がシート状である場合は、非含水性物質層1としてシート状のものを使用すればよい。また、ポリマー部材3は、ロール状に巻回された形態を有していてもよく、また、シートが積層された形態を有していてもよい。なお、ポリマー部材3は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の層(例えば、中間層、下塗り層など)を更に有していてもよい。
ポリマー部材3の表面は、カバーフィルム(図示せず)で保護されていてもよい。カバーフィルムは、剥離性を有していてもよいし、剥離性を有していなくてもよい。また、カバーフィルムは、平滑性を有していてもよいし、平滑性を有していなくてもよい。
なお、本発明において、光重合法により水溶性モノマーを重合する場合は、空気中の酸素により重合反応が阻害されることを防止するため、重合性組成物層2の表面をカバーフィルムで覆って、空気中の酸素を遮断することが好ましい。この場合、水溶性モノマーの光重合後において、カバーフィルムは、剥がされてもよいし、剥がされずにポリマー部材3の一部を構成していてもよい。
カバーフィルムとしては、酸素を透過し難い薄葉体が好ましく、特に、光重合反応を用いる場合は透明なものが好ましい。例えば慣用の剥離紙などを使用することができる。具体的なカバーフィルムとしては、例えば、離型処理剤(剥離処理剤)による離型処理層(剥離処理層)を少なくとも一方の表面に有する基材の他、フッ素系ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体等)からなる低接着性基材や、無極性ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂など)からなる低接着性基材などを用いることができる。なお、低接着性基材は、両面を離型面として利用することができる。一方、離型処理層を有する基材は、離型処理層の表面を離型面(離型処理面)として利用することができる。
カバーフィルムとして離型処理層を有する基材を使用する場合、カバーフィルム用基材としては、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム等)、ポリオレフィン系フィルム(ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等)、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、レーヨンフィルムなどのプラスチック系基材フィルム(合成樹脂フィルム)や、紙類(上質紙、和紙、クラフト紙、グラシン紙、合成紙、トップコート紙など)の他、これらを、ラミネートや共押し出しなどにより、複層化したもの(2〜3層の複合体)等が挙げられる。なかでも、カバーフィルム用基材としては、透明性の高いプラスチック系基材フィルム(特に、ポリエチレンテレフタレートフィルム)を好適に用いることができる。
上記離型処理剤としては、特に制限されず、例えば、シリコーン系離型処理剤、フッ素系離型処理剤、長鎖アルキル系離型処理剤などを用いることができる。離型処理剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。なお、離型処理剤により離型処理が施されたカバーフィルムは、例えば、公知の形成方法により形成される。カバーフィルムの厚みは、特に制限されないが、取り扱い易さと経済性の観点から、例えば、12〜250μm(好ましくは、20〜200μm)の範囲である。なお、カバーフィルムは単層体、積層体の何れの形態を有していてもよい。
モノマー吸収工程前の非含水性物質層1の厚さは、取り扱い性の観点から、0.5〜2500μmが好ましく、より好ましくは1〜500μm、更に好ましくは5〜250μmである。モノマー吸収工程前の重合性組成物層2の厚さは、取り扱い性の観点から、0.5〜2500μmが好ましく、より好ましくは1〜500μm、更に好ましくは5〜250μmである。ポリマー部材3の全体の厚さは、取り扱い性の観点から、1〜5000μmが好ましく、より好ましくは10〜1000μm、更に好ましくは20〜500μmである。
水溶性モノマーの重合方法は、水溶性モノマーが重合・硬化され、ポリマー部材3が得られる限り、特に限定されず、光重合や熱重合等の方法を採用できる。その際の光源や熱源、照射エネルギーや熱エネルギー、照射方法や加熱方法、照射時間や加熱時間、照射や加熱の開始時期、照射や加熱の終了時期等についても、特に制限されることはない。
水溶性モノマーの重合を光重合で行う場合、光重合に用いる活性エネルギー線としては、例えば、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線や、紫外線などが挙げられ、特に、製造コストの観点から紫外線が好適である。活性エネルギー線の光源としては、例えばブラックライトランプ、ケミカルランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどが挙げられる。
また、水溶性モノマーの重合を加熱で行う場合、加熱方法としては、例えば、電熱ヒーターを用いた加熱方法、赤外線等の電磁波を用いた加熱方法などの公知の加熱方法を採用できる。
水溶性モノマーは、重合することにより含水性ポリマーが得られるモノマーである限り、ラジカル重合やカチオン重合などの反応機構を問わず、光エネルギーや熱エネルギーを利用して重合可能な化合物であればよい。このような水溶性モノマーは、例えば、アクリル系ポリマーを形成するアクリル系モノマー等のラジカル重合性モノマー;エポキシ系樹脂を形成するエポキシ系モノマー、オキセタン系樹脂を形成するオキセタン系モノマー、ビニルエーテル系樹脂を形成するビニルエーテル系モノマー等のカチオン重合性モノマー;ウレタン系樹脂を形成するポリイソシアネートとポリオールとの混合物;ポリエステル系樹脂を形成するポリカルボン酸とポリオールとの混合物等が挙げられる。なお、水溶性モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも、水溶性モノマーとしては、重合速度が速く、生産性に優位である点から、アクリル系モノマーが好適に用いられる。すなわち、本発明では、ポリマー部材3を構成するポリマーは、アクリル系ポリマーであることが好ましい。このように本発明では、水溶性モノマーとしてアクリル系モノマーが好適に用いられるため、重合性組成物層2を形成する重合性組成物としては、水溶性アクリル系重合性組成物が好ましい。
アクリル系モノマー(水溶性アクリル系モノマー)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー又はその無水物(例えば無水マレイン酸など);(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、ビニルアルコール、アリルアルコールなどの水酸基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどのアミノ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのグリシジル基含有モノマー;アクリロニトリルやメタクリロニトリルなどのシアノ基含有モノマー;N−ビニル−2−ピロリドン、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール等の複素環含有ビニル系モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;ビニルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルフォスフェートなどのリン酸基含有モノマー;シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミドなどのイミド基含有モノマー;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマーなどが挙げられる。
上記の中でも、水酸基含有モノマー又はアクリルアミド基含有モノマーが好適であり、アクリル酸ヒドロキシエチル、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミドが特に好適である。なお、上記の「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び/又は「メタクリル」を表し、他も同様である。水溶性アクリル系モノマーは単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。なお、上記水溶性アクリル系モノマーは、重合性組成物を硬化して得られる水溶性アクリル系ポリマーの主たるモノマー成分(モノマー主成分)として用いられているので、水溶性アクリル系モノマーのモノマー割合(モノマー成分中の含有量)は、例えば、水溶性アクリル系ポリマーを形成するモノマー成分全量に対して60重量%以上が好ましく、より好ましくは80重量%以上である。つまり、重合性組成物において、水溶性アクリル系モノマーは、モノマー成分全量に対して60重量%以上含まれることが好ましく、80重量%以上含まれることがより好ましい。
また、重合性組成物には、重合性モノマーとして、疎水性の共重合性モノマー(以下、疎水性モノマーともいう)が用いられていてもよい。水溶性アクリル系重合性組成物に、疎水性モノマーを用いることにより、例えば、保水性を向上させたり、ポリマー層の凝集力を高めたりすることができる。疎水性モノマーは単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
疎水性モノマーとしては、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル又は多官能性モノマーを好適に用いることができる。アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、炭素数が2〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、より好ましくはアルキル基の炭素数が2〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。また、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、環状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルのいずれも好適に用いることができる。
直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸へキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどのアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。環状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えばシクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使用量としては、得られるポリマー部材3の目的、用途によって適宜調整することができるが、例えば水溶性アクリル系重合性組成物では、保水性の観点から、モノマー成分全量に対して30重量%以下が好ましく、好ましくは20重量%以下である。
多官能性モノマーとしては、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、N,N−メチレンビスアクリルアミドなどが挙げられる。多官能性モノマーの使用量としては、得られるポリマー部材3の目的、用途によって適宜調整することができるが、例えば水溶性アクリル系重合性組成物では、得られるポリマーの凝集力を適正な範囲に制御する観点から、モノマー成分全量に対して2重量%以下(例えば、0.01〜2重量%の範囲)であることが好ましく、より好ましくは0.02〜1重量%の範囲である。
重合性組成物層2は、熱重合開始剤や光重合開始剤(光開始剤)等の重合開始剤を更に含むことができる。本発明では、生産性の観点から、熱重合開始剤や光重合開始剤等の重合開始剤を用いた熱や活性エネルギー線による硬化反応を利用することが好ましい。
光重合開始剤としては、特に制限されず、例えばベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤などを用いることができる。光重合開始剤は単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
具体的には、ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[例えば、商品名「イルガキュア184」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)など]、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−(t−ブチル)ジクロロアセトフェノンなどが挙げられる。α−ケトール系光重合開始剤としては、例えば、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オンなどが挙げられる。芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、例えば、2−ナフタレンスルホニルクロリドなどが挙げられる。光活性オキシム系光重合開始剤としては、例えば、1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシムなどが挙げられる。ベンゾイン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインなどが挙げられる。ベンジル系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルなどが挙げられる。ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが挙げられる。ケタール系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン[例えば、商品名「イルガキュア651」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)など]等が挙げられる。アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、例えば、商品名「ルシリンTPO」(BASF社製)などが挙げられる。チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントンなどが挙げられる。
光重合開始剤の使用量としては、特に制限されないが、例えば、全モノマー成分100重量部に対して0.01〜5重量部(好ましくは0.05〜3重量部)の範囲内である。
熱重合開始剤としては、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4'−アゾビス−4−シアノバレリアン酸、アゾビスイソバレロニトリル、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2'−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2'−アゾビス(N,N'−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライドなどのアゾ系重合開始剤;ジベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルマレエートなどの過酸化物系重合開始剤;レドックス系重合開始剤等を使用することができる。
レドックス系重合開始剤としては、有機過酸化物/バナジウム化合物の組み合わせ、有機過酸化物/ジメチルアニリンの組み合わせ、又は、ナフテン酸金属塩/ブチルアルデヒド、アニリン若しくはアセチルブチロラクトンの組み合わせ等が挙げられる。レドックス系重合開始剤を熱重合開始剤として用いれば、常温で重合させることが可能である。
熱重合開始剤の使用量としては、特に制限されず、熱重合開始剤として利用可能な範囲であればよい。
以下、本発明の実施例について比較例と併せて説明するが、本発明は下記の実施例に限定して解釈されるものではない。
(カバーフィルム)
カバーフィルムは、片面がシリコーン系離型剤により離型処理された、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「MRN38」、三菱化学ポリエステルフィルム社製)を用いた。
(基材フィルム)
基材フィルムは、片面がシリコーン系離型剤により離型処理された、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「MRF38」、三菱化学ポリエステルフィルム社製)を用いた。
(水溶性モノマー吸収性シートAの作製)
シクロヘキシルアクリレート:100重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部、及び光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部を、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管及び冷却管を備えた4つ口のセパラブルフラスコ中で均一になるまで攪拌した後、窒素ガスによりバブリングを1時間行って溶存酸素を除去した。その後、ブラックライトランプにより紫外線をフラスコ外側より照射して重合し、適度な粘度になった時点でランプを消灯し、窒素吹き込みを停止して、一部が重合した部分重合組成物(重合率7%)を得た。得られた部分重合組成物:100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合した光重合性シロップ組成物を、上記基材フィルムの離型処理された面に、硬化後の厚さが100μmとなるように塗布し、光重合性シロップ組成物層を形成した。そして、該層上に、上記カバーフィルムの離型処理された面を貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm)を両面から同時に5分間照射し、該層を硬化させて水溶性モノマー吸収層(非含水性物質層)を形成し、水溶性モノマー吸収層がカバーフィルムで保護された水溶性モノマー吸収性シートAを得た。得られた水溶性モノマー吸収層をサンプリングして、後述する光重合性組成物Aに使用されたモノマーの吸収率を測定したところ、該水溶性モノマー吸収層のモノマー吸収率は1200重量%であった。なお、上記部分重合組成物の重合率は、重量変化法(130℃で2時間乾燥処理し、処理前後の重量変化から算出する方法)により測定した。後述する水溶性モノマー吸収性シートB,Cの場合も同様である。
(水溶性モノマー吸収性シートBの作製)
2−エチルヘキシルアクリレート:90重量部、アクリル酸:10重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部、及び光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部を、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管及び冷却管を備えた4つ口のセパラブルフラスコ中で均一になるまで攪拌した後、窒素ガスによりバブリングを1時間行って溶存酸素を除去した。その後、ブラックライトランプにより紫外線をフラスコ外側より照射して重合し、適度な粘度になった時点でランプを消灯し、窒素吹き込みを停止して、一部が重合した部分重合組成物(重合率7%)を得た。得られた部分重合組成物:100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合した光重合性シロップ組成物を、上記基材フィルムの離型処理された面に、硬化後の厚さが100μmとなるように塗布し、光重合性シロップ組成物層を形成した。そして、該層上に、上記カバーフィルムの離型処理された面を貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm)を両面から同時に5分間照射し、該層を硬化させて水溶性モノマー吸収層(非含水性物質層)を形成し、水溶性モノマー吸収層がカバーフィルムで保護された水溶性モノマー吸収性シートBを得た。得られた水溶性モノマー吸収層をサンプリングして、後述する光重合性組成物Bに使用されたモノマーの吸収率を測定したところ、該水溶性モノマー吸収層のモノマー吸収率は1200重量%であった。
(水溶性モノマー吸収性シートCの作製)
テトラヒドロフルフリルアクリレート:100重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部、及び光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部を、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管及び冷却管を備えた4つ口のセパラブルフラスコ中で均一になるまで攪拌した後、窒素ガスによりバブリングを1時間行って溶存酸素を除去した。その後、ブラックライトランプにより紫外線をフラスコ外側より照射して重合し、適度な粘度になった時点でランプを消灯し、窒素吹き込みを停止して、一部が重合した部分重合組成物(重合率7%)を得た。得られた部分重合組成物:100重量部に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.1重量部を均一に混合した光重合性シロップ組成物を、上記基材フィルムの離型処理された面に、硬化後の厚さが100μmとなるように塗布し、光重合性シロップ組成物層を形成した。そして、該層上に、上記カバーフィルムの離型処理された面を貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm)を両面から同時に5分間照射し、該層を硬化させて水溶性モノマー吸収層(非含水性物質層)を形成し、水溶性モノマー吸収層がカバーフィルムで保護された水溶性モノマー吸収性シートCを得た。得られた水溶性モノマー吸収層をサンプリングして、後述する光重合性組成物Cに使用されたモノマーの吸収率を測定したところ、該水溶性モノマー吸収層のモノマー吸収率は600重量%であった。
(光重合性組成物Aの調製)
N,N−ジエチルアクリルアミド:100重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.5重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.5重量部、及びN,N−メチレンビスアクリルアミド:0.5重量部を均一に混合し、光重合性組成物Aを得た。
(光重合性組成物Bの調製)
N,N−ジメチルアクリルアミド:100重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.5重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.5重量部、及びN,N−メチレンビスアクリルアミド:0.5重量部を均一に混合し、光重合性組成物Bを得た。
(光重合性組成物Cの調製)
2−ヒドロキシエチルアクリレート:100重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.5重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.5重量部、及びN,N−メチレンビスアクリルアミド:0.5重量部を均一に混合し、光重合性組成物Cを得た。
(光重合性組成物Dの調製)
N,N−ジエチルアクリルアミド:100重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.5重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.5重量部、N,N−メチレンビスアクリルアミド:0.5重量部、及び水:100重量部を均一に混合し、光重合性組成物Dを得た。
(光重合性組成物Eの調製)
N,N−ジメチルアクリルアミド:100重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.5重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.5重量部、N,N−メチレンビスアクリルアミド:0.5重量部、及び水:100重量部を均一に混合し、光重合性組成物Eを得た。
(光重合性組成物Fの調製)
2−ヒドロキシエチルアクリレート:100重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.5重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.5重量部、N,N−メチレンビスアクリルアミド:0.5重量部、及び水:100重量部を均一に混合し、光重合性組成物Fを得た。
(実施例1)
カバーフィルムを剥がして水溶性モノマー吸収層を露出させた水溶性モノマー吸収性シートAの露出面に、光重合性組成物Aを塗布して光重合性組成物層(厚さ:500μm)を形成した。25℃で1分間放置(モノマー吸収工程)後、該層上に、上記カバーフィルムの離型処理された面を貼り合わせ、ブラックライトを用いてカバーフィルム側から紫外線(照度:5mW/cm)を10分間照射し、該層を硬化させて、光重合硬化層(含水性層)を形成し、ポリマーシートを得た。次に、該ポリマーシートを蒸留水に1分間浸漬(含水処理)した後、余分な水分を除去し、実施例1のポリマー部材を得た。
(実施例2)
水溶性モノマー吸収性シートAの代わりに水溶性モノマー吸収性シートBを用い、光重合性組成物Aの代わりに光重合性組成物Bを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で実施例2のポリマー部材を得た。
(実施例3)
水溶性モノマー吸収性シートAの代わりに水溶性モノマー吸収性シートCを用い、光重合性組成物Aの代わりに光重合性組成物Cを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で実施例3のポリマー部材を得た。
(実施例4)
光重合性組成物Aの代わりに光重合性組成物Dを用いたことと、含水処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で実施例4のポリマー部材を得た。
(実施例5)
水溶性モノマー吸収性シートAの代わりに水溶性モノマー吸収性シートBを用い、光重合性組成物Aの代わりに光重合性組成物Eを用いたことと、含水処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で実施例5のポリマー部材を得た。
(実施例6)
水溶性モノマー吸収性シートAの代わりに水溶性モノマー吸収性シートCを用い、光重合性組成物Aの代わりに光重合性組成物Fを用いたことと、含水処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で実施例6のポリマー部材を得た。
(実施例7)
光重合性組成物Aの代わりに光重合性組成物Dを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で実施例7のポリマー部材を得た。
(比較例1)
厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「ルミラーS10」、東レ社製)に光重合性組成物Aを塗布して光重合性組成物層(厚さ:500μm)を形成した。25℃で1分間放置後、該層上に、上記カバーフィルムの離型処理された面を貼り合わせ、ブラックライトを用いてカバーフィルム側から紫外線(照度:5mW/cm)を10分間照射し、該層を硬化させて、光重合硬化層(含水性層)を形成し、ポリマーシートを得た。次に、該ポリマーシートを蒸留水に1分間浸漬(含水処理)した後、余分な水分を除去し、比較例1のポリマー部材を得た。なお、上記ポリエチレンテレフタレートフィルムは、光重合性組成物A〜Fに使用されたモノマーの吸収率が、いずれも0重量%であった。
(比較例2)
光重合性組成物Aの代わりに光重合性組成物Bを用いたこと以外は、比較例1と同様の方法で比較例2のポリマー部材を得た。
(比較例3)
光重合性組成物Aの代わりに光重合性組成物Cを用いたこと以外は、比較例1と同様の方法で比較例3のポリマー部材を得た。
(比較例4)
光重合性組成物Aの代わりに光重合性組成物Dを用いたことと、含水処理を行わなかったこと以外は、比較例1と同様の方法で比較例4のポリマー部材を得た。
(比較例5)
光重合性組成物Aの代わりに光重合性組成物Eを用いたことと、含水処理を行わなかったこと以外は、比較例1と同様の方法で比較例5のポリマー部材を得た。
(比較例6)
光重合性組成物Aの代わりに光重合性組成物Fを用いたことと、含水処理を行わなかったこと以外は、比較例1と同様の方法で比較例6のポリマー部材を得た。
上記実施例及び比較例のポリマー部材について、下記に示す方法で密着性の評価を行った。
(密着性の評価方法及び結果)
得られた各ポリマー部材を、幅2cm×長さ5cmに切断した後、カバーフィルムを剥がして光重合硬化層(含水性層)を露出させて、該光重合硬化層を両面テープにてアルミ板に固定した。次いで、室温(23℃)下、光重合硬化層(含水性層)と、水溶性モノマー吸収層又はポリエチレンテレフタレートフィルム(非含水性層)とを、引張速度50mm/minの条件で90度剥離し、界面の剥離状況を確認した。その結果、実施例では、いずれも界面が凝集破壊したが、比較例では、いずれも界面破壊により剥離した。この結果から、本発明によれば、非含水性層と含水性層の密着性を容易に確保できることが確認された。
1 非含水性物質層
2 重合性組成物層
3 ポリマー部材
10 非含水性層
20 含水性層

Claims (12)

  1. ポリマー部材の製造方法であって、
    水溶性モノマーを吸収可能な非含水性物質層と、前記水溶性モノマーを含有する重合性組成物により形成された重合性組成物層とを積層する工程Aと、
    前記重合性組成物層中の前記水溶性モノマーの一部を前記非含水性物質層に吸収させる工程Bと、
    前記重合性組成物層中の前記水溶性モノマー及び前記非含水性物質層中の前記水溶性モノマーを重合する工程Cとを有するポリマー部材の製造方法。
  2. 前記重合性組成物層に水を吸収させる工程を更に有する請求項1記載のポリマー部材の製造方法。
  3. 前記重合性組成物は、水を更に含有する請求項1又は2記載のポリマー部材の製造方法。
  4. 前記非含水性物質層は、ポリマー層である請求項1〜3の何れか1項記載のポリマー部材の製造方法。
  5. 前記工程Bを行う前の前記非含水性物質層は、前記水溶性モノマーの吸収率が1重量%以上である請求項1〜4の何れか1項記載のポリマー部材の製造方法。
  6. 前記工程Aは、前記非含水性物質層上に前記重合性組成物を塗布する工程である請求項1〜5の何れか1項記載のポリマー部材の製造方法。
  7. 前記非含水性物質層は、シート状である請求項1〜6の何れか1項記載のポリマー部材の製造方法。
  8. 前記工程Cは、前記水溶性モノマーに活性エネルギー線を照射することにより前記水溶性モノマーを重合する工程である請求項1〜7の何れか1項記載のポリマー部材の製造方法。
  9. 前記水溶性モノマーは、アクリル系モノマーである請求項1〜8の何れか1項記載のポリマー部材の製造方法。
  10. 前記非含水性物質層は、粘着剤組成物層である請求項1〜9の何れか1項記載のポリマー部材の製造方法。
  11. 得られるポリマー部材がテープ状又はシート状の形態である請求項1〜10の何れか1項記載のポリマー部材の製造方法。
  12. 請求項1〜11の何れか1項記載のポリマー部材の製造方法により得られるポリマー部材。
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