JP2012065007A - スピーカ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スピーカアレイを用いて指向性を付与することができるスピーカ装置において、聴取位置の違いによる左右の音量バランスの違いを一般的なステレオ感に近づけつつ、ステレオ感が得られる範囲を広くすること。
【解決手段】本発明の実施形態におけるスピーカ装置1は、スピーカユニットが筐体の前面に複数設けられたスピーカアレイと、オーディオデータに対して信号処理を施して、複数のスピーカユニットの各々に対応して供給されるオーディオデータを生成する信号処理手段とを具備する。この信号処理の内容には、第1領域に設けられた複数のスピーカユニットから出力される一のチャンネルに基づく音の仮想的な出力位置となる仮想焦点を第1領域より後方側に設定するとともに、第2領域に設けられた複数のスピーカユニットから出力される他のチャンネルに基づく音の仮想焦点を第2領域より後方側に設定するための第1信号処理を含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、スピーカアレイを用いた技術に関する。
複数のスピーカユニットが並べられたスピーカアレイを有するスピーカ装置は、オーディオ信号に指向性を付与して出力することができる。このようなスピーカ装置は、指向性を付与して放音し、その音の焦点を壁面方向に向けることで、壁面反射を利用して聴取者に到達させ、聴取者にサラウンド感を与えることができる(例えば、特許文献1)。
特開2006−25153号公報
特許文献1に記載された技術によりサラウンド効果を実現すると、聴取者は、スピーカ装置が聴取者前方にのみ存在していても、左右、後方などさまざまな方向から音が到達するように感じる。そのため、聴取者は、臨場感のある状態で映画などの鑑賞を行うことができる。一方、このサラウンド効果が得られる場所は、壁反射を用いている関係から限られた範囲の場所であり、その場所を移動してしまうとサラウンド感が得られなくなる場合があった。映画の視聴ではなく、一般的なテレビ番組などの視聴においては、聴取者は、何か別の行動をしながら視聴する場合もある。このとき、聴取者は、サラウンド効果が得られる範囲から移動してしまうと、ステレオ感が得られないだけでなく、音質の変化により違和感を受ける場合もあった。
このテレビ番組などがステレオ(2ch)放送である場合に、スピーカ装置は、壁面反射を利用せず、音の焦点を聴取者の方向に向け、Lchの音が聴取者の左耳、Rchの音が聴取者の右耳に到達するようにすることも可能であるが、この場合であっても、聴取者の聴取エリアは狭いものとなってしまう。そのため、聴取者は、少し移動するだけでステレオ感が得られなくなるだけでなく、音質の変化により違和感を受ける場合もあった。また、Lchの音もRchの音も全てのスピーカユニットから放音されるため、聴取者は、各チャンネルの音像の分離感が少なく、そのことによってもステレオ感があまり得られないものでもあった。
ところで、指向性を付与することができるスピーカ装置は、前方(スピーカ装置から見て聴取者側)に広がるように放音することもできる。このとき、スピーカ装置は、音の仮想的な出力位置となる仮想的な焦点(以下、仮想焦点という)をスピーカ装置の後方側に位置させると、聴取者側へ放音範囲が広がることになる(図5参照)。一方、上述のように、Lchの音とRchの音とが全てのスピーカユニットから放音されるため、各チャンネルの音像の分離感が少ない。また、Rchの音は全体的に聴取者の左側に、Lchの音は全体的に聴取者の右側に広がるように出力されるため、例えば、聴取者は、スピーカ装置側を向いて左側に移動すると、左側に寄ったにもかかわらずLchの音よりRchの音が大きく聞こえるなど、左右の音量バランスに対して違和感を受ける場合があった。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、スピーカアレイを用いて指向性を付与することができるスピーカ装置において、聴取位置の違いによる左右の音量バランスの違いを一般的なステレオ感に近づけつつ、ステレオ感が得られる範囲を広くすることを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明は、供給されるオーディオデータに応じた音を出力するスピーカユニットが筐体の前面に複数設けられたスピーカアレイと、複数のチャンネルのオーディオデータを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された各チャンネルのオーディオデータに対して信号処理を施して、前記複数のスピーカユニットの各々に対応して前記供給されるオーディオデータを生成する信号処理手段と、前記信号処理手段における信号処理の内容を制御する制御手段とを具備し、前記制御手段によって制御される前記信号処理の内容には、前記前面の一部である第1領域に設けられた複数のスピーカユニットから一のチャンネルのオーディオデータに基づく音を出力させ、当該音の仮想的な出力位置となる第1仮想焦点を当該第1領域より前記筐体の後方側に設定するとともに、前記前面の一部であり当該第1領域とは異なる第2領域に設けられた複数のスピーカユニットから他のチャンネルのオーディオデータに基づく音を出力させ、当該音の仮想的な出力位置となる第2仮想焦点を当該第2領域より前記筐体の後方側に設定するための第1信号処理と、前記第1領域および前記第2領域を含む領域に設けられた複数のスピーカユニットから出力される音に指向性を付与するための第2信号処理とが含まれることを特徴とするスピーカ装置を提供する。
また、別の好ましい態様において、前記第1領域は、前記複数のスピーカユニットのうち、前記筐体の長手方向における一端側に最も近いスピーカユニットが設けられた位置を含み、前記第2領域は、前記筐体の他端側に最も近いスピーカユニットが設けられた位置を含むことを特徴とする。
また、別の好ましい態様において、前記第1信号処理は、前記第1仮想焦点を当該第1領域の中央部における前記筐体の後方側に設定するとともに、前記第2仮想焦点を当該第2領域の中央部における前記筐体の後方側に設定する処理であることを特徴とする。
また、別の好ましい態様において、前記第1信号処理は、焦点位置を変更する指示に応じて、前記第1仮想焦点の位置および前記第2仮想焦点の位置を、同一方向に移動させる処理を含むことを特徴とする。
また、別の好ましい態様において、前記第1領域と前記第2領域とは重複した領域を有しないことを特徴とする。
本発明によれば、スピーカアレイを用いて指向性を付与することができるスピーカ装置において、聴取位置の違いによる左右の音量バランスの違いを一般的なステレオ感に近づけつつ、ステレオ感が得られる範囲を広くすることができる。
本発明の実施形態におけるスピーカ装置の構成を説明するブロック図である。 本発明の実施形態におけるスピーカ装置の外観を説明する図である。 本発明の実施形態における音響処理部における構成を説明する図である。 本発明の実施形態における放射音の到達範囲を説明する図である。 従来例における放射音の到達範囲を説明する図である。 本発明の変形例1と従来例とについて放射音の到達範囲を説明する図である。 本発明の変形例2と従来例とについて放射音の到達範囲を説明する図である。 本発明の変形例3と従来例とについて放射音の到達範囲を説明する図である。 本発明の変形例4における放射音の到達範囲および仮想焦点位置を説明する図である。 本発明の変形例5における放射音の到達範囲および仮想焦点位置を説明する図である。 本発明の変形例6における放射音の到達範囲および仮想焦点位置を説明する図である。 本発明の変形例7における放射音の到達範囲および仮想焦点位置を説明する図である。 本発明の変形例8におけるスピーカユニットの配置態様および放音部分を説明する図である。
<実施形態>
[全体構成]
図1は、本発明の実施形態におけるスピーカ装置1の構成を説明するブロック図である。スピーカ装置1は、制御部3、記憶部4、操作部5、インターフェイス6、および音響処理部10を有する。これらの各構成は、バスを介して接続されている。また、スピーカ装置1は、音響処理部10に接続された複数のスピーカユニットを有するスピーカアレイ部2を有する。スピーカ装置1は、音響処理部10においてオーディオデータに対して信号処理を施すことにより、スピーカアレイ部2から指向性を付与した音を出力する。また、スピーカ装置1は、音響処理部10においてオーディオデータに対して信号処理を施すことにより、スピーカアレイ部2の後方に仮想焦点を設定し、前方に放射状に広がる音を出力する。以下の説明において、スピーカアレイ部20から出力される音のうち、指向性が付与された音をビーム音といい、放射状に広がる音を放射音という。
制御部3は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを有する。制御部3は、記憶部4またはROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、バスを介してスピーカ装置1の各部を制御する。制御部3は、例えば、音響処理部10を制御して、音響処理部10において行われる各処理におけるパラメータ設定の制御などを行う制御手段としても機能する。
記憶部4が、不揮発性メモリなどの記憶手段であって、制御部3における制御において用いられる設定パラメータなどを記憶する。この設定パラメータには、放射音の仮想焦点の位置に応じて音響処理部10に設定されるパラメータが含まれている。また、この設定パラメータには、ビーム音が出力される方向に応じて音響処理部10に設定されるパラメータが含まれている。
また、スピーカ装置1から出力されたビーム音が、スピーカ装置1が設置された部屋の壁面に反射して聴取者の位置する受音点に到達するまでの時間、および受音点に到達させるためのビーム音の出力方向、スピーカ装置1からビーム音が直接受音点に到達するまでの時間、およびそのときのビーム音の出力方向などについてのビーム情報についても記憶部4に記憶されている。このビーム情報は、部屋に設置されたスピーカ装置1からビーム音を出力させ、出力方向を変化させながら、予め受音点に設置したマイクロフォンに入力された音を測定した結果から算出される。この測定は、例えば、スピーカ装置1の設置位置、設置する部屋、受音点など環境を変えたときに行うものであり、利用者による操作部5の操作により開始される。
操作部5は、音量レベルを調整するボリューム、設定変更を行う指示を入力するための操作ボタンなどの操作手段を有し、操作内容を示す情報を制御部3に出力する。
インターフェイス6は、外部からオーディオデータSinを取得するための入力端子などである。
続いて、複数のスピーカユニットを有するスピーカアレイ部2について、図2を用いて説明する。
[スピーカユニット配置]
図2は、本発明の実施形態におけるスピーカ装置1の外観を説明する図である。この例においては、スピーカ装置1は概ね直方体の筐体100を有している。図2に示すように、スピーカ装置1は、スピーカアレイ部2を構成する複数のスピーカユニット20−1、20−2、・・・、20−14を有している。スピーカユニット20−1、20−2、・・・、20−14は、略無指向性のスピーカユニットであり、スピーカ装置1の筐体100の前面100Fに、筐体100の長手方向(水平面内)に沿って並んで設けられている。前面100Fは、筐体100を構成する面のうち、スピーカ装置1から見て、主に聴取者が位置する方向である前方側に位置する面をいう。
スピーカアレイ部2は、スピーカユニット20−1、20−2、・・・、20−14から音を出力することにより、水平面内に含まれる特定の方向に向かってビーム音を出力することができる。ビーム音は、スピーカアレイ部2の前方かつ水平面内に音の焦点が設定されたものであってもよいし、水平面内において平行ビーム音となるような、焦点が設定されていないものであってもよい。また、スピーカアレイ部2は、水平面内のスピーカアレイ部2の後方に仮想焦点が設定された放射音を出力することもできる。続いて、音響処理部10の構成について図3を用いて説明する。
[音響処理部10の構成]
図3は、本発明の実施形態における音響処理部10における構成を説明する図である。音響処理部10は、イコライザ部(EQ)11、信号処理部(DirC)12、加算部13、D/A部14および増幅部15を有する。イコライザ部11および信号処理部12は、インターフェイス6から入力されるオーディオデータSinに含まれる最大チャンネル数に応じて設けられ、この例においては、C(センタ)ch、FL(フロントL)ch、FR(フロントR)ch、SL(サラウンドL)ch、SR(サラウンドR)chの5chに対応するように構成されているものとする。なお、サブウーファなどから出力するチャンネルを含めた5.1chとしてもよいが、この例においては5chであるものとして説明する。
以下、オーディオデータSinのうち、FLchに対応するオーディオデータについては、オーディオデータFLといった記載により説明する。また、イコライザ部11のうち、例えば、FLchに対応するものはイコライザ部11−FLといった記載により説明する。
イコライザ部11は、イコライザ部11−C、11−FL、11−FR、11−SL、11−SRを有する。イコライザ部11は、入力されたオーディオデータに対して、制御部3により予め設定された周波数特性を付与して出力する。
インターフェイス6に入力されるオーディオデータSinについては、この例においては、インターフェイス6から入力されるオーディオデータSinとしては、上記の5chで構成される場合、またはステレオ2ch(Lch、Rch)で構成される場合があるものとする。
インターフェイス6から入力されるオーディオデータSinが5chである場合には、制御部3の制御により、オーディオデータC、FL、FR、SL、SRが、それぞれに対応するイコライザ部11−C、11−FL、11−FR、11−SL、11−SRに入力される。
また、インターフェイス6から入力されるオーディオデータSinが2chである場合には、制御部3の制御により、オーディオデータLがイコライザ部11−FLに、オーディオデータRがイコライザ部11−FRに入力される。他のイコライザ部11−C、11−SL、11−SRにはオーディオデータは入力されない。
信号処理部12は、信号処理部12−C、12−FL、12−FR、12−SL、12−SRを有する。信号処理部12−C、12−FL、12−FR、12−SL、12−SRは、それぞれに対応するイコライザ部11−C、11−FL、11−FR、11−SL、11−SRからオーディオデータが入力される。信号処理部12−C、12−FL、12−FR、12−SL、12−SRは、それぞれ入力されたオーディオデータに対して、制御部3から制御された内容で遅延、レベル調整などを行う信号処理を施して、各スピーカユニット20−1、20−2、・・・、20−14に対応して供給すべきオーディオデータを生成し、生成したオーディオデータをそれぞれ対応するスピーカユニット20−1、20−2、・・・、20−14が接続される信号ラインに供給する。
信号処理の内容としては、スピーカアレイ部2から放射音を出力するための第1信号処理、スピーカアレイ部2からビーム音を出力するための第2信号処理がある。この例においては、信号処理部12は、インターフェイス6に入力されるオーディオデータSinのチャンネル数が2chである場合に、第1信号処理が施されるように制御部3によって制御され、チャンネル数が5chである場合に、第2信号処理が施されるように制御部3によって制御される。
第1信号処理は、オーディオデータSinのチャンネル数が2chのときに用いられる処理であるから、信号処理部12−FL、12−FRを使用した信号処理であり、他の信号処理部12−C、12−SL、12−SRについてはオーディオデータの入力がなされないため使用しない。
信号処理部12−FLは、前面100Fの一部である領域(以下、Lch前面領域LPという(図2、図4参照))に設けられた複数のスピーカユニット20−1、20−2、・・・、20−7に対応するオーディオデータを、イコライザ部11−FLから入力されるオーディオデータLに対して信号処理を施すことにより生成する。信号処理部12−FLは、このスピーカユニット20−1、20−2、・・・、20−7からの放音により放射音が出力され、その放射音の仮想焦点(以下、Lch仮想焦点LGという(図4参照))がLch前面領域LPより筐体100の後方側に位置するように、信号処理のパラメータが設定される。
信号処理部12−FRは、前面100Fの一部の領域(以下、Rch前面領域RPという(図2、図4参照))に設けられた複数のスピーカユニット20−8、20−9、・・・、20−14に対応するオーディオデータを、イコライザ部11−FRから入力されるオーディオデータRに対して信号処理を施すことにより生成する。信号処理部12−FRは、このスピーカユニット20−8、20−9、・・・、20−14からの放音により放射音が出力され、その放射音の仮想焦点(以下、Rch仮想焦点RGという(図4参照))がRch前面領域RPより筐体100の後方側に位置するように、信号処理のパラメータが設定される。
これらのパラメータは、記憶部4に記憶されたパラメータを参照して制御部3によって決定される。
第2信号処理は、信号処理部12−C、12−FL、12−FR、12−SL、12−SRを使用する信号処理である。
信号処理部12−FLは、Lch前面領域LPおよびRch前面領域RPを含む領域、すなわち前面100Fに設けられたスピーカユニット20−1、20−2、・・・、20−14に対応するオーディオデータを、イコライザ部11−FLから入力されるオーディオデータFLに対して信号処理を施すことにより生成する。信号処理部12−FLは、このスピーカユニット20−1、20−2、・・・、20−14からの放音によりビーム音が出力されるように、信号処理のパラメータが設定される。このビーム音の指向方向は、記憶部4に記憶されたビーム情報に応じて決定される。この例においては、聴取者の左側の壁面を反射して到達するように指向方向が決定される。
他の信号処理部12−C、12−FR、12−SL、12−SRについても、信号処理部12−FLと同様に、スピーカユニット20−1、20−2、・・・、20−14に対応するオーディオデータを、イコライザ部11から入力されるオーディオデータに対して信号処理を施すことにより生成する。そして、スピーカユニット20−1、20−2、・・・、20−14からそれぞれのチャンネルに対応して出力されるビーム音の指向方向は、記憶部4に記憶されたビーム情報に応じて決定される。
信号処理部12−C、12−FL、12−FR、12−SL、12−SRに設定されるパラメータは、記憶部4に記憶されたパラメータを参照して制御部3によって決定される。
加算部13は、加算部13−1、13−2、・・・、13−14を有する。加算部13−1は、指向性制御部12−SL、12−FL、12−C、12−FR、12−SRからスピーカユニット20−1に対応する信号ラインに供給されたオーディオ信号を加算する。加算部13−2、13−3、・・・、13−14についても同様に、スピーカユニット20−2、20−3、・・・、20−14のそれぞれに対応する信号ラインに供給されたオーディオデータをそれぞれ加算する。
D/A部14は、D/A部14−1、14−2、・・・、14−14を有する。D/A部14−1、14−2、・・・、14−14は、加算部13−1、13−2、・・・、13−14において加算されたオーディオデータをデジタルアナログ変換し、変換して得られるオーディオ信号を出力する。
増幅部15は、増幅部15−1、15−2、・・・、15−14を有する。増幅部15−1、15−2、・・・、15−14は、D/A部14−1、14−2、・・・、14−14から出力されるオーディオ信号を増幅し、スピーカユニット20−1、20−2、・・・、20−14に出力して放音させる。上述したように、スピーカアレイ部2から出力される音は、信号処理部12において第1信号処理が施された場合には放射音として出力され、第2信号処理が施された場合にはビーム音として出力される。以上が音響処理部10の構成についての説明である。
続いて、信号処理部12において第1信号処理が施された場合に出力される放射音について、図4を用いて説明する。
[放射音の範囲]
図4は、本発明の実施形態における放射音の到達範囲を説明する図である。図4(a)に示すように、オーディオデータLに基づく音は、スピーカユニット20−1、20−2、・・・20−7から放射音として出力される。この放射音のLch仮想焦点LGは、前面100Fの一部であるLch前面領域LPの中央部における筐体100の後方側(矢印AR1方向)に設定される。Lch前面領域LPの中央部とは、Lch前面領域LPのうちスピーカユニットが並べられた方向の略中心部分であり、この例においては、中央に設けられたスピーカユニット20−4の部分となる。このようにLch仮想焦点LGが設定されているため、オーディオデータLに基づく放射音は、概ねLch放射領域LAに広がって出力される。
一方、オーディオデータRに基づく音は、スピーカユニット20−8、20−9、・・・20−14から放射音として出力される。この放射音のRch仮想焦点RGは、前面100Fの一部であるRch前面領域RPの中央部における筐体100の後方側(矢印AR1方向)に設定される。Rch前面領域RPの中央部とは、Rch前面領域RPのうちスピーカユニットが並べられた方向の略中心部分であり、この例においては、中央に設けられたスピーカユニット20−11の部分となる。このようにRch仮想焦点RGが設定されているため、オーディオデータRに基づく放射音は、概ねRch放射領域RAに広がって出力される。
このようにしてLch仮想焦点LGおよびRch仮想焦点RGが位置するように設定されているため、これらの仮想焦点間距離SWは、スピーカユニット20−4からスピーカユニット20−11までの距離と概ね一致する。
図4(b)は、Lch放射領域LA、Rch放射領域RAについて、図4(a)に示す範囲より広範囲を示す図である。聴取者2000は、スピーカ装置1の前方に位置している。この聴取者2000の位置が含まれる領域L+Rは、Lch放射領域LAとRch放射領域RAとが重なっている領域であり、聴取者2000にステレオ感を与えることができる領域である。一方、聴取者2000は、ステレオ装置1の方向を向いた状態で左側に移動(以下、単に左側に移動といった場合にはステレオ装置1の方向を向いた状態であり、右側も同様である)しRch放射領域RAから外れると、Rchの音が大きく減衰し、Lchの音を強く聴取することになるためステレオ感が失われる。聴取者2000は、反対側に移動した場合にはRchの音を強く聴取することになりステレオ感が失われる。すなわち、聴取者2000にステレオ感を与える領域は、領域L+Rとなる。
また、聴取者2000は、領域L+Rの範囲内であっても、左側の領域Lに近い部分に移動していくと、Lchの音に比べRchの音が小さく聞こえるようになり、右側の領域Rに近い部分に移動していくと、Rchの音に比べLchの音が小さく聞こえるようになる。これは、Lch用、Rch用のスピーカを用いてステレオ感を得る場合と同様な現象であるから、聴取者2000は、スピーカ装置1からの音を聴取するときに、移動しながらであっても、違和感の少ないステレオ感を得られる。
この例においては、Lch放射領域LAは、Lch仮想焦点LGから前面100Fの法線方向(スピーカ装置1の正面方向)に延びる線に対して、左右対称に広がる形状となる。これは、Lch仮想焦点LGはLch前面領域LPの中央部後方に設けられることにより実現される。Rch放射領域RAについても同様である。
さらに、Lch仮想焦点LGとRch仮想焦点RGとの中点から前面100Fの法線方向に延びる線に対して、Lch放射領域LAとRch放射領域RAとが対称の関係となっている。これは、Lch前面領域LPとRch前面領域RPとの大きさが同じであること、Lch前面領域LPの中央部とRch前面領域RPの中央部との中点から前面100Fの法線方向に延びる線に対して、Lch仮想焦点LGとRch仮想焦点RGとが対称の関係になっていることにより実現される。
このような関係にある場合に、聴取者2000は、特に良好なステレオ感が得られる。
なお、Lch仮想焦点LGのLch前面領域LPからの距離は、Lch放射領域LAの広さ(広がり角度)に応じて設定され、Lch放射領域LAを広くするほど短いものとすればよい。ただし、Lch仮想焦点LGのLch前面領域LPからの距離が短すぎると、音質の悪化を招く場合があり、また、長すぎるとLch放射領域LAの広がりが少なくなりすぎるため、予め決められた範囲内で制御されるようにするとよい。そのため、この予め決められた範囲は、Lch前面領域LPの大きさが大きいほど、Lch前面領域LPから離れた範囲となるように決められていてもよい。すなわち、Lch放射領域LAの広がり角度が予め決められた範囲内で制御されるようになっていればよい。Rch仮想焦点RGについても同様であるが、Lch仮想焦点LGのLch前面領域LPからの距離と、Rch仮想焦点RGのRch前面領域RPからの距離とは同じでなくてもよい。すなわち、上述した対称関係は、特に良好なステレオ感を得るためのものであり、違和感の少ないステレオ感が得られる構成であれば、必ずしも上記関係を満たさない構成となってもよい。
[従来方式との対比]
続いて、スピーカ装置1において、スピーカアレイ部2のスピーカユニット20−1、20−2、・・・20−14全てを用いて、オーディオデータLに基づく放射音およびオーディオデータRに基づく放射音のそれぞれを出力する場合を従来例として、図5を用いて説明する。
図5は、従来例における放射音の到達範囲を説明する図である。図5に示すLch仮想焦点LG、Rch仮想焦点RG、および仮想焦点間距離SWは、図4に示す場合と同じパラメータであるものとする。図5(a)に示すように、オーディオデータLに基づく音およびオーディオデータRに基づく音は、それぞれスピーカユニット20−1、20−2、・・・20−14全てから出力される。すなわち、Lch前面領域LPとRch前面領域RPとが一致している状態である。
そのため、Lch放射領域LAおよびRch放射領域RAは、図4に示す場合とは異なる範囲となる。すなわち、図5(b)に示すように、Lch放射領域LAは、図4に示す場合より聴取者2000の右側に広がった範囲であり、Rch放射領域RAは、図4に示す場合より聴取者2000の左側に広がった範囲となる。そのため、聴取者2000が左側に移動していくと、図4に示す場合とは異なり、Rchの音に比べLchの音が小さく聞こえるようになり、さらに移動すると、Rchの音を強く聴取することになる。すなわち、Lch用、Rch用のスピーカを用いてステレオ感を得る場合とは異なる現象であるから、聴取者2000は、スピーカ装置1からの音を聴取するときに移動すると、違和感を覚えることとなる。
このように、聴取者2000は、スピーカアレイ部2を構成するスピーカユニット20−1、20−2、・・・20−14全てからの音を聴取することになり、ステレオ感があまり感じられないだけでなく、移動していく方向と強く聴取される音とが異なることによる違和感を覚えることになる。
一方、上述したように、本発明の実施形態における第1信号処理により、Lch前面領域LPとRch前面領域RPとを異なる領域として、放射音が出力されることにより、聴取者2000は、移動しながらであっても、違和感の少ないステレオ感を得られることになる。
<変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は以下のように、さまざまな態様で実施可能である。
[変形例1]
上述した実施形態においては、Lch仮想焦点LGは、前面100Fの一部であるLch前面領域LPの中央部における筐体100の後方側に設定されていたが、中央部からずれた位置であってもよい。Rch仮想焦点RGについても同様である。この例においては、仮想焦点間距離SWが、実施形態における場合に比べて短い場合について、図6を用いて従来例と比較して説明する。
図6は、本発明の変形例1と従来例とについて放射音の到達範囲を説明する図である。図6(a)は、本発明の変形例1における放射音の到達範囲を説明する図、図6(b)は、従来例における放射音の到達範囲を説明する図である。
変形例1における場合は、仮想焦点間距離SWが短くなることにより、ステレオ感が得られる領域L+Rの範囲が狭くなっている一方、従来例の場合は、領域L+Rの範囲が広くなっている。一方、上述したように、変形例1においてはオーディオデータLに基づく音およびオーディオデータRに基づく音が、分離された領域から出力される一方、従来例は、それぞれが全てのスピーカユニット20−1、20−2、・・・20−14から出力される。そのため、従来例においては、領域L+Rが広がったとしても、仮想焦点間距離SWが短くなったことにより、さらにステレオ感が得られにくい結果となるが、変形例1では、オーディオデータLに基づく音とオーディオデータRに基づく音の方向感が保たれステレオ感が得られなくなるということは少ない。
[変形例2]
変形例1に続いて、仮想焦点間距離SWが、実施形態における場合に比べて長い場合について、図7を用いて従来例と比較して説明する。
図7は、本発明の変形例2と従来例とについて放射音の到達範囲を説明する図である。図7(a)は、本発明の変形例2における放射音の到達範囲を説明する図、図7(b)は、従来例における放射音の到達範囲を説明する図である。
従来例の場合には、仮想焦点間距離SWが広がることによっては、ステレオ感が得られない領域Lおよび領域Rの範囲が広がるだけであり、仮想焦点間距離SWが広がる前の状態からステレオ感が改善される要素はない。
変形例2の場合においては、聴取者2000がスピーカ装置1から離れると、聴取者2000が左側、右側に移動したときの状態が、従来例の場合に近い(例えば、左側に移動しているにもかかわらずRchが大きく聞こえる)ものとなるが、聴取者2000がスピーカ装置1に近い状態であれば、このような現象は生じず、実施形態における関係と同じものとなる。このように聴取者2000がスピーカ装置1に近い場合には、仮想焦点間距離SWが広がることにより、聴取者2000は音像の分離感が強くなるため、よりステレオ感が得られることになる。
[変形例3]
上述した実施形態においては、Lch仮想焦点LGは、前面100Fの一部であるLch前面領域LPの中央部における筐体100の後方側に設定されていたが、Lch仮想焦点LGおよびRch仮想焦点位置RGを、それぞれ同じ方向に移動させることができる構成としてもよい。このとき、仮想焦点間距離SWを一定に保つようにしてもよい。このようにLch仮想焦点LGおよびRch仮想焦点位置RGを移動させる制御は、操作部5へを介して入力された利用者からの指示に応じて行われるようにすればよい。
以下、仮想焦点間距離SWを一定に保ちつつ、Lch仮想焦点LGおよびRch仮想焦点位置RGを左側(矢印AR2方向)に移動させた場合について、図8を用いて従来例と比較して説明する。
図8は、本発明の変形例3と従来例とについて放射音の到達範囲を説明する図である。変形例3においては、Lch仮想焦点LGおよびRch仮想焦点位置RGを移動させる前に比べて、領域L+Rが全体的に右側(AR3方向)に移動するが、領域L、領域Rおよび領域L+Rの相対的な位置関係は変わらない。したがって、変形例3の場合においても、実施形態における場合と同様な効果が得られる。
従来例の場合においても、Lch仮想焦点LGおよびRch仮想焦点位置RGを移動させる前に比べて、領域L、領域Rおよび領域L+Rの相対的な位置関係は変わらない。したがって、従来例の場合には、ステレオ感が改善されることはない。
[変形例4]
上述した実施形態においては、Lch前面領域LPとRch前面領域RPとが重複しないようになっていたが、一部が重複するように構成されていてもよい。
図9は、本発明の変形例4における放射音の到達範囲および仮想焦点位置を説明する図である。図9に示すように、この例においては、Lch前面領域LPは、スピーカユニット20−1、20−2、・・・20−8を含む領域として規定され、Rch前面領域RPは、スピーカユニット20−7、20−8、・・・20−14を含む領域として規定されている。すなわち、スピーカユニット20−7、20−8が設けられた範囲が重複した部分である。
この場合においては、Lch前面領域LPの中央部は、概ねスピーカユニット20−4、20−5の間の部分となる。良好なステレオ感を得るためには、実施形態のように左右の放音領域を対称形にすることが好ましいため、この部分の筐体100の後方側にLch仮想焦点LGが設定される。Rch前面領域RPの中央部は、概ねスピーカユニット20−10、20−11の間の部分となる。
このようにすると、実施形態の場合に比べて、Lch放射領域LAおよびRch放射領域RAが広がり、仮想焦点間距離SWが短くなる。
[変形例5]
上述した実施形態においては、Lch前面領域LPとRch前面領域RPとのいずれにも含まれないスピーカユニットは存在しなかったが、存在するようにしてもよい。
図10は、本発明の変形例5における放射音の到達範囲および仮想焦点位置を説明する図である。図10に示すように、この例においては、Lch前面領域LPは、スピーカユニット20−1、20−2、・・・20−6を含む領域として規定され、Rch前面領域RPは、スピーカユニット20−9、20−10、・・・20−14を含む領域として規定されている。すなわち、スピーカユニット20−7、20−8は、Lch前面領域LPとRch前面領域RPとに含まれない範囲に存在することとなり、オーディオデータL、Rに基づく音を出力しない。
この場合においては、Lch前面領域LPの中央部は、概ねスピーカユニット20−3、20−4の間の部分となる。そのため、この部分の筐体100の後方側にLch仮想焦点LGが設定される。Rch前面領域RPの中央部は、概ねスピーカユニット20−11、20−12の間の部分となる。
このようにすると、実施形態の場合に比べて、Lch放射領域LAおよびRch放射領域RAが狭くなり、仮想焦点間距離SWが長くなる。
なお、Lch前面領域LPは、筐体100の長手方向の一端側に最も近いスピーカユニット20−1を含む領域であり、Rch前面領域RPは、筐体100の他端側に最も近いスピーカユニット20−14を含む領域であったが、これを含まない範囲であってもよい。例えば、Lch前面領域LPは、スピーカユニット20−2、20−3、・・・20−7を含む領域としてもよい。
実施形態、変形例4、変形例5に示すように、Lch前面領域LPとRch前面領域RPとはそれぞれ複数のスピーカユニットを含み、互いに異なる領域であればよい。
[変形例6]
上述した実施形態においては、信号処理部12において第1信号処理を施すのは、入力されるオーディオデータSinが2chである場合であったが、それ以上のチャンネル数であってもよい。例えば、さらにCchを含む3chである場合には、Cchに対応する放射音を出力するようにしてもよい。
図11は、本発明の変形例6における放射音の到達範囲および仮想焦点位置を説明する図である。図11に示すように、この例においては、Lch前面領域LP、Rch前面領域RPに追加して、Cch前面領域CPが存在する。Lch前面領域LPは、スピーカユニット20−1、20−2、・・・20−5を含む領域、Cch前面領域CPは、スピーカユニット20−6、20−7、・・・20−9を含む領域、Rch前面領域RPは、スピーカユニット20−10、20−11、・・・、20−14を含む領域である。
Cchに対応するオーディオデータCは、イコライザ部11−Cに入力されるように制御部3に制御され、信号処理部12−Cに出力される。進行処理部12−Cには、Cch仮想焦点CGが、他の仮想焦点と同様、Cch前面領域CPの中央部における筐体100の後方側になるように、制御部3によって設定される。このようにして、Cchに対応する放射音は、Cch放射領域CAに出力される。
なお、図11に示す例においては、Cch仮想焦点CGは、Lch仮想焦点LG、Rch仮想焦点RGよりも前面100Fに近い位置に存在する。これは、オーディオデータCに基づく音が出力されるスピーカユニットの数が少ないものの、Cch放射領域CAの広がり角度が、Lch放射領域LAおよびRch放射領域RAの広がり角度と一致するように構成したことによる。広がり角度を一致させることで3つの仮想焦点に定位する音源から聴取者への伝達特性が似通ったものとなり違和感のない聴取エリアが広がるため本願の効果がより著しくなる。広がり角度を一致させない場合には、Cch仮想焦点CGの位置と、Lch仮想焦点LG、Rch仮想焦点RGとの位置関係は、上述の関係に限られない。
[変形例7]
上述した実施形態においては、入力されるオーディオデータSinが5chの場合には、信号処理部12においては、第2信号処理が施されるようになっていたが、一部のチャンネルに対しては第1信号処理が施されるようにしてもよい。例えば、FLchおよびFRchについては、第1信号処理が施されるようにしてもよい。すなわち、スピーカ装置1は、スピーカアレイ部2から放射音とビーム音とを同期間に出力するようにしてもよい。
図12は、本発明の変形例7における放射音の到達範囲および仮想焦点位置を説明する図である。この例においては、信号処理部12は、Cch、FLch(Lch)およびFRch(Rch)については第1信号処理を施し、SLchおよびSRchについては第2信号処理を施している。図12においては、LchおよびRchの放射音、およびSRchのビーム音について記載し、他のチャンネルの音については省略している。図12に示すように、オーディオデータSRに基づく音は、スピーカユニット20−1、20−2、・・・、20−14から出力されることにより、ビーム音として出力される。このSRchのビーム音は、領域SRAに出力され、焦点SRGを有する。このビーム音は、部屋の壁面などを反射して聴取者に到達するように、指向方向、焦点位置が制御部3によって制御される。
[変形例8]
上述した実施形態においては、スピーカアレイ部2を構成する複数のスピーカユニット20−1、20−2、・・・20−14は、1列に並んで線状に配置されていたが、2列以上に並んで面上に配置されてもよい。
図13は、変形例8におけるスピーカユニットの配置態様および放音部分を説明する図である。図13に示すように、スピーカアレイ部2Aは、5列に並んで面状に配置されたスピーカユニット20Aを有する。このようにスピーカユニットが設けられた場合には、Lch前面領域LPおよびRch前面領域Rpの形状は、それぞれ、図13に示すように、多角形(この例の場合は六角形)であってもよいし、円形であってもよい。このような形状のLch前面領域LPの中央部は、概ね重心の部分とすればよく、この部分の筐体後方側にLch仮想焦点LGを設ければよい。Rchについても同様である。
[変形例9]
上述した実施形態において、入力されるオーディオデータSinが5chの場合には、信号処理部12においては、第2信号処理が施されるようになっていたが、適宜ミキシング処理を施してチャンネル数を減らし、第1信号処理が施されるようにしてもよいし、一部のチャンネルに第1信号処理が施されるようにする場合には、残りのチャンネルには第2信号処理が施されるようにすればよい。
これとは逆に、入力されるオーディオデータSinが2chの場合には、適宜チャンネル拡張処理によりチャンネル数を増加させ、信号処理部12において第2信号処理が施されるようにしてもよい。この場合にも、一部のチャンネルについて第1信号処理を施すようにしてもよい。
[変形例10]
上述した実施形態における制御プログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供し得る。また、スピーカ装置1は、制御プログラムをネットワーク経由でダウンロードしてもよい。
1…スピーカ装置、2,2A…スピーカアレイ部、3…制御部、4…記憶部、5…操作部、6…インターフェイス、10…音響処理部、11,11−C,11−FL,11−FR,11−SL,11−SR…イコライザ部、12,12−C,12−FL,12−FR,12−SL,12−SR…信号処理部、13,13−1,13−2,・・・13−14…加算部、14,14−1,14−2,・・・14−14…D/A部、15,15−1,15−2,・・・15−14…増幅部、20−1,20−2,・・・,20−14,20A…スピーカユニット、2000…聴取者

Claims (5)

  1. 供給されるオーディオデータに応じた音を出力するスピーカユニットが筐体の前面に複数設けられたスピーカアレイと、
    複数のチャンネルのオーディオデータを取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された各チャンネルのオーディオデータに対して信号処理を施して、前記複数のスピーカユニットの各々に対応して前記供給されるオーディオデータを生成する信号処理手段と、
    前記信号処理手段における信号処理の内容を制御する制御手段と
    を具備し、
    前記制御手段によって制御される前記信号処理の内容には、
    前記前面の一部である第1領域に設けられた複数のスピーカユニットから一のチャンネルのオーディオデータに基づく音を出力させ、当該音の仮想的な出力位置となる第1仮想焦点を当該第1領域より前記筐体の後方側に設定するとともに、前記前面の一部であり当該第1領域とは異なる第2領域に設けられた複数のスピーカユニットから他のチャンネルのオーディオデータに基づく音を出力させ、当該音の仮想的な出力位置となる第2仮想焦点を当該第2領域より前記筐体の後方側に設定するための第1信号処理と、
    前記第1領域および前記第2領域を含む領域に設けられた複数のスピーカユニットから出力される音に指向性を付与するための第2信号処理と
    が含まれる
    ことを特徴とするスピーカ装置。
  2. 前記第1領域は、前記複数のスピーカユニットのうち、前記筐体の長手方向における一端側に最も近いスピーカユニットが設けられた位置を含み、
    前記第2領域は、前記筐体の他端側に最も近いスピーカユニットが設けられた位置を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
  3. 前記第1信号処理は、前記第1仮想焦点を当該第1領域の中央部における前記筐体の後方側に設定するとともに、前記第2仮想焦点を当該第2領域の中央部における前記筐体の後方側に設定する処理である
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスピーカ装置。
  4. 前記第1信号処理は、焦点位置を変更する指示に応じて、前記第1仮想焦点の位置および前記第2仮想焦点の位置を、同一方向に移動させる処理を含む
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のスピーカ装置。
  5. 前記第1領域と前記第2領域とは重複した領域を有しない
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のスピーカ装置。
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