JP2012062285A - 3−ハロアルキル−2−ヒドロキシピラジン誘導体類の製造方法 - Google Patents

3−ハロアルキル−2−ヒドロキシピラジン誘導体類の製造方法 Download PDF

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義広 松崎
Naoki Sawada
直樹 澤田
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Abstract

【課題】医薬・農薬等の中間体として有用な3−ハロアルキル−2−ヒドロキシピラジン誘導体類の工業的に有利な製造方法を提供すること。
【解決手段】下記一般式(2)
Figure 2012062285

(式中、Rはハロ(C−C)アルキル基を示す。)で表されるジヒドロピラジノン誘導体類を酸の存在下又は不存在下に酸化剤と反応させることを特徴とする、下記一般式(1)
Figure 2012062285

(式中、Rは前記に同じ。)で表されるヒドロキシピラジン誘導体類の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、医薬・農薬等の中間体として、特に農園芸用殺ダニ剤、殺菌剤の製造中間体として有用な3−ハロアルキル−2−ヒドロキシピラジン誘導体類の製造方法に関するものである。
3−ハロアルキル−2−ヒドロキシピラジン誘導体は、医薬・農薬等の中間体として、特に農園芸用殺ダニ剤(例えば、特許文献1を参照。)、殺菌剤(例えば、特許文献2を参照。)の中間体として有用である。
その製造方法として、トリフルオロアラニルアミドとグリオキサールとを反応させる方法(例えば、特許文献3を参照。)、トリフルオロピルビン酸エステル誘導体とエチレンジアミンとを反応させることにより、ジヒドロピラジノン誘導体に導き、その後有機塩基存在下で反応させることによりヒドロキシピラジン誘導体に変換する方法が報告されている(例えば、特許文献4を参照。)。
特開2006−008675号公報 国際公開第2007/072999号パンフレット 特開2009−242244号公報 国際公開第2010/055884号パンフレット
前記特許文献3及び4には、ヒドロキシピラジン誘導体類の製造方法が開示されている。しかしながら、何れの製造方法も反応時間が長く、また特許文献4に記載された製造方法では、スケールアップすると収率が低くなり、工業的に有利な製造方法とはいえない。本発明の課題は、医薬・農薬等の中間体として有用な一般式(1)で表される3−ハロアルキル−2−ヒドロキシピラジン誘導体類の工業的に有利な製造方法を提供することである。
前記課題を解決すべく本発明者等は鋭意研究を行った結果、一般式(2)で表されるジヒドロピラジノン誘導体類について、種々の酸化反応を用いることにより、有機塩基を使用しなくても一般式(1)で表される3−ハロアルキル−2−ヒドロキシピラジン誘導体類を効率よく製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、以下の発明に関する。
[1]下記一般式(2)
Figure 2012062285
(式中、Rはハロ(C−C)アルキル基を示す。)で表されるジヒドロピラジノン誘導体類を酸の存在下又は不存在下に酸化剤と反応させることを特徴とする、下記一般式(1)
Figure 2012062285
(式中、Rは前記に同じ。)で表されるヒドロキシピラジン誘導体類の製造方法。
[2]下記一般式(3)
Figure 2012062285
(式中、Rはハロ(C−C)アルキル基を示す。)で表されるヘミアミナール誘導体類を脱水することにより、下記一般式(2)
Figure 2012062285
(式中、Rは前記に同じ。)で表されるジヒドロピラジノン誘導体類に変換し、該ジヒドロピラジノン誘導体類(2)を酸の存在下又は不存在下に酸化剤と反応させることを特徴とする、下記一般式(1)
Figure 2012062285
(式中、Rは前記に同じ。)で表されるヒドロキシピラジン誘導体類の製造方法。
[3]下記一般式(3)
Figure 2012062285
(式中、Rはハロ(C−C)アルキル基を示す。)で表されるヘミアミナール誘導体類を酸存在下、酸化剤と反応させることを特徴とする、下記一般式(1)
Figure 2012062285
(式中、Rは前記に同じ。)で表されるヒドロキシピラジン誘導体類の製造方法。
[4]酸化剤が、過酸化水素又は過酸である前記[1]乃至[3]何れか一項に記載のヒドロキシピラジン誘導体類の製造方法。
[5]酸が、硫酸である前記[1]乃至[3]何れか一項に記載のヒドロキシピラジン誘導体類の製造方法。
[6]Rが、ハロ(C−C)アルキル基である前記[1]乃至[3]何れか一項に記載のヒドロキシピラジン誘導体類の製造方法。
[7]Rが、フルオロ(C−C)アルキル基である前記[1]乃至[3]何れか一項に記載のヒドロキシピラジン誘導体類の製造方法。
[8]Rが、トリフルオロメチル基である前記[1]乃至[3]何れか一項に記載のヒドロキシピラジン誘導体類の製造方法。
本発明によれば、工業的に入手容易な試薬を用い、短時間で、目的化合物を効率的且つ経済的に工業的規模で製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
前記一般式(1)〜(3)においてRで表される置換基としては、ハロ(C−C)アルキル基が良く、好ましくはハロ(C−C)アルキル基、更に好ましくはフルオロ(C−C)アルキル基、最も好ましくはトリフルオロメチル基である。本発明においてハロゲン原子とは、特に記載がない限り、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子のことを表す。
前記『ハロ(C−C)アルキル基』とは、同一又は異なっても良い1以上のハロゲン原子で置換された炭素原子数1〜6の直鎖状又は分枝状のアルキル基を示し、炭素原子数1〜6の直鎖状又は分枝状のアルキル基としては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、i−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。また、前記『ハロ(C−C)アルキル基』とは、同一又は異なっても良い1以上のハロゲン原子で置換された炭素原子数1〜3の直鎖状又は分枝状のアルキル基を示し、前記『フルオロ(C−C)アルキル基』とは、1以上のフッ素原子で置換された炭素原子数1〜3の直鎖状又は分枝状のアルキル基を示す。炭素原子数1〜3の直線状又は分枝状のアルキル基としては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等が挙げられる。
本発明の一態様は以下のように図示される。
Figure 2012062285
(式中、Rは前記に同じ。)
即ち、本発明によると、前記一般式(3)で表されるヘミアミナール誘導体類を脱水し、前記一般式(2)で表されるジヒドロピラジノン誘導体類とし、当該ジヒドロピラジノン誘導体類を単離又は単離せずして酸化することにより、前記一般式(1)で表されるヒドロキシピラジン誘導体類を製造することができる。また、原料として使用する、前記一般式(3)で表されるヘミアミナール誘導体類及び前記一般式(2)で表されるジヒドロピラジノン誘導体類は、公知の方法により製造することができる(例えば、前記特許文献4を参照。)。
一般式(3)→ 一般式(2)
前記一般式(3)で表されるヘミアミナール誘導体類を脱水することにより前記一般式(2)で表されるジヒドロピラジノン誘導体類を製造することができる。該脱水反応は、特に限定されないが、例えば、酸の存在下、加熱することによって行うことができる。
前記酸としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸類、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のスルホン酸類、硫酸、塩酸等の無機酸、塩化鉄等のルイス酸等を用いることができ、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、硫酸が好ましく用いられる。これらの酸は、前記一般式(3)で表わされるヘミアミナール誘導体類に対し、0.001〜5モル当量の範囲で使用可能であり、0.01〜3モル当量の範囲が好ましい。
前記脱水反応には溶媒を使用できる。該溶媒としては、反応を阻害するものでなければよく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ヘプタン、へキサン、シクロヘキサン等鎖状又は環状の脂肪族炭化水素類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール等のアルコール類等の不活性溶媒を示すことができる。これらの不活性溶媒は単独もしくは2種以上を混合して使用することができる。
前記脱水反応における反応温度は、室温から使用される溶媒の沸点までの範囲内であればよい。脱水に要する時間は反応スケール等により一定ではないが、数分〜100時間の範囲で適宜選択すればよい。本反応は、空気中の酸素等の存在下でも進行するが、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気で反応させてもよい。また、反応を促進するために、生成してくる水を除くような操作・装置を使用することもできる。反応終了後、目的物である前記一般式(2)で表されるジヒドロピラジノン誘導体類は、常法により単離すれば良く、必要に応じて再結晶、カラムクロマトグラフィー等で精製することができる。また、単離せずに次の反応に使用することもできる。
一般式(2)→ 一般式(1)
前記一般式(2)で表されるジヒドロピラジノン誘導体類を不活性溶媒中、酸の存在下又は不存在下、酸化剤を用いて反応させることにより前記一般式(1)で表されるヒドロキシピラジン誘導体類を製造することができる。
前記不活性溶媒としては、本反応の進行を著しく阻害しないものであればよく、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の鎖状又は環状の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、キシレン、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等の鎖状又は環状エーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、Nーメチルピロリドン等のアミド類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール等のアルコール類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、及び水等の不活性溶媒を挙げることができ、これらの不活性溶媒は単独もしくは2種以上を混合して使用することができる。
前記酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸類、蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸等の有機酸類、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類等を使用することができ、特に硫酸が好ましく用いられる。これらの酸は、前記一般式(2)で表されるジヒドロピラジノン誘導体類に対して0.01モル当量から溶媒量の範囲で適宜選択して使用できるが、好ましくは0.1〜20モル当量の範囲であり、更に好ましくは0.5〜5モル当量の範囲である。
前記酸化剤としては、過酸化水素、過ほう酸ナトリウム4水和物、過炭酸ナトリウム、尿素・過酸化水素付加物等の過酸化水素誘導体類、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類、例えば2KHSO・KHSO・KSO等で示される無機酸化剤類、過酢酸、トリフルオロ過酢酸、m−CPBA等の有機過酸類等が良く、好ましくは、過酸化水素、過ほう酸ナトリウム4水和物、過炭酸ナトリウム、尿素・過酸化水素付加物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、2KHSO・KHSO・KSO、又はトリフルオロ過酢酸、更に好ましくは、過酸化水素、過ほう酸ナトリウム4水和物、過炭酸ナトリウム、尿素・過酸化水素付加物、2KHSO・KHSO・KSO、又はトリフルオロ過酢酸、最も好ましくは過酸化水素が良い。また、過酢酸、トリフルオロ過酢酸は、不安定なため、系内で過酸化水素と酢酸又はトリフルオロ酢酸から調整したものを使用することができる。これら酸化剤は、前記一般式(2)で表されるジヒドロピラジノン誘導体類に対して0.1から20モル当量の範囲で適宜選択することができるが、好ましくは0.3〜10モル当量の範囲であり、更に好ましくは0.5〜3モル当量の範囲である。
反応温度は−30℃から使用する不活性溶媒の還流温度までの範囲で適宜選択すればよいが、好ましくは0〜50℃の範囲から選ばれる。反応時間は反応規模、反応温度等により変化し、一定ではないが数分〜100時間の範囲で適宜選択すればよい。
また本反応は、空気中の酸素等の存在下でも進行するが、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気で行ってもよい。
反応終了後、目的物である前記一般式(1)で表わされるヒドロキシピラジン誘導体類は、反応系から常法により単離すれば良く、必要に応じて再結晶、カラムクロマトグラフィー、蒸留等で精製することができる。
一般式(3)→ 一般式(1)
また、前記一般式(1)で表されるヒドロキシピラジン誘導体類は、前記一般式(3)で表されるヘミアミナール誘導体類を不活性溶媒中、酸存在下で酸化剤と反応させることにより、ワンポットで製造することができる。使用する不活性溶媒、酸、及び酸化剤は、上記(3)→(2)、及び(2)→(1)の反応に関して記載した条件と同じ方法で製造することができる。
本願発明の製造方法により得られる3−ハロアルキル−2−ヒドロキシピラジン誘導体類は、例えば参考例に示した方法等により、容易に3−ハロアルキルピラジンー2−イルカルボン酸エステル誘導体類に誘導され、更にアミド化することにより農園芸用殺ダニ剤(例えば、特許文献1を参照)、殺菌剤(例えば、特許文献2を参照)等有用な化合物を製造することができる。
以下に本発明の代表的な実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(合成例1:ヘミアミナール誘導体類の合成)
エチレンジアミン(20.0g,333mmol)のトルエン溶液(60ml)に、氷冷下、トリフルオロピルビン酸エチル(56.6g,333mmol)を22〜29℃で0.6時間かけて滴下し、その後20〜25℃で2時間攪拌した。析出した結晶を濾取し、トルエンにて洗浄した後、風乾し、3−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロピラジン−2(1H)−オンを黄色固体として得た。
収量:60.1g
収率:98%
融点:117−119℃
(実施例1:ジヒドロピラジノン誘導体類の合成)
前記合成例1で合成した3−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロピラジン−2(1H)−オン(10.9g)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(0.7g,0.37mmol)をトルエン溶液(100ml)に加え、3時間共沸脱水した。その後室温に冷却し、不溶物をセライト濾過して濾液を濃縮した。析出した結晶を濾取し、t−ブチルメチルエーテル/n−ヘキサンの混合溶媒にて洗浄した後、風乾し、3−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロピラジン−2(1H)−オンを黄色固体として得た。
収量:10.9g
収率:93%
物性:H−NMR [CDCl/TMSδ値(ppm)]
3.56(2H,m),4.04(2H,m),6.7(1H,brs)
融点:98−99℃
(実施例2:ヒドロキシピラジン誘導体類の合成1)
97%硫酸(0.73g,7.23mmol)のメタノール溶液(0.40ml)に、氷冷下、3−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロピラジン−2(1H)−オン(0.40g,2.41mmol)を加え、さらに35%過酸化水素(0.26g,2.65mmol)を加え、20〜25℃で3時間攪拌し、2−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチルピラジン溶液を得た。該溶液を液体クロマトグラフィーにて分析した結果、2−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチルピラジンの収率は90%であった。
(実施例3:ヒドロキシピラジン誘導体類の合成2)
3−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロピラジン−2(1H)−オン(0.40g, 2.41mmol) のジメチルアセトアミド溶液(4.00ml)に、2KHSO・KHSO・KSO(0.89g,1.45mmol)を加え、20〜25℃で3時間攪拌し、2−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチルピラジン溶液を得た。該溶液を液体クロマトグラフィーにて分析した結果、2−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチルピラジンの収率は66%であった。
(実施例4:ヒドロキシピラジン誘導体類の合成3)
3−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロピラジン−2(1H)−オン(0.40g,2.41mmol)のトリフルオロ酢酸溶液(4.00ml)に、炭酸二ナトリウム/過酸化水素(0.38g,3.62mmol)を加え、20〜25℃で4時間攪拌し、2−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチルピラジン溶液を得た。該溶液を液体クロマトグラフィーにて分析した結果、2−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチルピラジンの収率は86%であった。
(実施例5〜16:ヒドロキシピラジン誘導体類の合成4〜15)
上記実施例1〜4と同様にし、一部を第1表に記載の条件等に変更してヒドロキシピラジン誘導体類を合成した。変更した条件及び得られた結果を第1表に示す。
Figure 2012062285
(実施例17:ヒドロキシピラジン誘導体類の合成16)
97%硫酸(0.73g,7.23mmol)のメタノール溶液(0.40ml)に、氷冷下、3−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロピラジン−2(1H)−オン(0.44g,2.41mmol)を加え、さらに35%過酸化水素(0.26g,2.66mmol)を加え、20〜25℃で3時間攪拌し、2−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチルピラジンを得た。該溶液を液体クロマトグラフィーにて分析した結果、2−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチルピラジンの収率は89%であった。
(実施例18.ヒドロキシピラジン誘導体類の合成17)
98%硫酸(18.0g,180.9mmol)の水溶液(10.0ml)に、氷冷下、3−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロピラジン−2(1H)−オン(11.1g,60.3mmol)を加えた。次に、氷冷下、30%過酸化水素(7.33g,65.1mmol)を15〜20℃で1時間かけて滴下し、その後20〜25℃で3時間攪拌した。さらに、氷冷下、35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(8.91g)を15〜20℃で0.5時間かけて滴下し、その後20%水酸化ナトリウム水溶液(60.0g)を20〜25℃で0.5時間かけて滴下し、反応溶液を得た。該反応溶液を酢酸エチルで抽出し(25ml×3回)、得られた有機層を濃縮して、黄色固体として2−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチルピラジンを得た。
収量:8.9g
収率:90%
融点:138−140℃
(比較例1:ヒドロキシピラジン誘導体類の合成18)
2−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチルピラジンの製造
特許文献4の実施例5の条件(55℃、16時間)に従って、20gの3−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロピラジン−2(1H)−オンを用いて反応を行ったが、収率は40%未満であった。
(参考例1:2−クロロ−3−トリフルオロメチルピラジンの合成)
90%フェニルホスホン酸ジクロリド(145g、699mmol)に2−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチルピラジン(61.4g、374mmol)を加え、155℃の油浴上で1.5時間撹拌した。反応液を50℃まで冷却しメチル−t−ブチルエーテル200mlで希釈して、200mlの氷水に注いだ。これを炭酸水素ナトリウム50gに注ぎ、セライトを敷いたブフナーロートで吸引ろ過した。ろ液を分液ロートに移して水層を除き、水洗し、続いて飽和食塩水で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、セライトとシリカゲルを敷いたブフナーロートで吸引ろ過した。得られた残渣をt−ブチルメチルエーテル900mlで洗浄した。得られた濾液と洗液を合わせて40℃の温水浴上、150mmHgにて濃縮し、褐色の油状物68gを得た。ガスクロマトグラフィーで定量分析した結果、この油状物は2−クロロ−3−トリフルオロメチルピラジン(54g、297mmol)とt−ブチルメチルエーテル14gから成っていた。
収率:80%(2−クロロ−3−トリフルオロメチルピラジン)
物性:H−NMR [DMSO−d/TMSδ値(ppm)]
8.62(2H,d)
(参考例2:3−トリフルオロメチルピラジン−2−カルボン酸メチルの合成)
アルゴンガスで置換させた2Lのオートクレーブに66.5g(366mmol)の2−クロロ−3−トリフルオロメチルピラジン、370mlのメタノール、40.7g(403mmol)のトリエチルアミン、1.16g(2.7mmol)の1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン及び0.95g(1.4mmol)のジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)を加えた。反応容器内をアルゴンガスで2回、一酸化炭素ガスで2回置換した後、一酸化炭素ガスを初圧20kg/cmで充填し、120℃で2時間反応させた。室温に戻し触媒を濾過し、濾液を濃縮した。残渣をt−ブチル−メチルエーテルで抽出し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。無機物を濾過した後、濃縮した残渣を減圧蒸留し、3−トリフルオロメチルピラジン−2−カルボン酸メチル54.5gを得た。
収率:72%
物性:沸点74−75℃/2.5−2.8mmHg
物性:H−NMR[CDCl/TMSδ値(ppm)]
8.85(1H,d),8.82(1H,d),4.05(3H,s)
物性:19F−NMR[CDCl/TMSδ値(ppm)]
65.7(s)
(参考例3:3−トリフルオロメチルピラジン−2−カルボン酸の合成)
3−トリフルオロメチルピラジン−2−カルボン酸メチル700mg(3.4mmol)をエタノール−水(1:1,10ml)に溶解し、水酸化カリウム300mgを加え1時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、残渣を水で希釈後、酢酸エチルで洗浄した。水層を塩酸で酸性にし、酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、目的化合物である3−トリフルオロメチルピラジン−2−カルボン酸を409mg、結晶として得た。
収率:63%
物性:融点130−134℃
(参考例4:N−{3−イソブチル−4−[2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}−3−トリフルオロメチルピラジン−2−カルボン酸アミドの合成)
3−トリフルオロメチル−2−ピラジンカルボン酸192mg(1ミリモル)、3−イソブチル−4−[2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]アニリン199mg(1mmol)、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージド255mg(1mmol)及びトリエチルアミン303mg(3mmol)をテトラヒドロフラン10mlに溶解し、2時間加熱還流した。反応液を酢酸エチルで希釈後、水洗した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて分離精製することにより目的化合物であるN−{3−イソブチル−4−[2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}−3−トリフルオロメチルピラジン−2−カルボン酸アミド293mgをペーストとして得た。
収率:62%
物性:n1.4825(27.7℃)

Claims (8)

  1. 下記一般式(2)
    Figure 2012062285
    (式中、Rはハロ(C−C)アルキル基を示す。)で表されるジヒドロピラジノン誘導体類を酸の存在下又は不存在下に酸化剤と反応させることを特徴とする、下記一般式(1)
    Figure 2012062285
    (式中、Rは前記に同じ。)で表されるヒドロキシピラジン誘導体類の製造方法。
  2. 下記一般式(3)
    Figure 2012062285
    (式中、Rはハロ(C−C)アルキル基を示す。)で表されるヘミアミナール誘導体類を脱水することにより、下記一般式(2)
    Figure 2012062285
    (式中、Rは前記に同じ。)で表されるジヒドロピラジノン誘導体類に変換し、該ジヒドロピラジノン誘導体類(2)を酸の存在下又は不存在下に酸化剤と反応させることを特徴とする、下記一般式(1)
    Figure 2012062285
    (式中、Rは前記に同じ。)で表されるヒドロキシピラジン誘導体類の製造方法。
  3. 下記一般式(3)
    Figure 2012062285
    (式中、Rはハロ(C−C)アルキル基を示す。)で表されるヘミアミナール誘導体類を酸存在下、酸化剤と反応させることを特徴とする、下記一般式(1)
    Figure 2012062285
    (式中、Rは前記に同じ。)で表されるヒドロキシピラジン誘導体類の製造方法。
  4. 酸化剤が、過酸化水素又は過酸である請求項1乃至3何れか一項に記載のヒドロキシピラジン誘導体類の製造方法。
  5. 酸が、硫酸である請求項1乃至3何れか一項に記載のヒドロキシピラジン誘導体類の製造方法。
  6. が、ハロ(C−C)アルキル基である請求項1乃至3何れか一項に記載のヒドロキシピラジン誘導体類の製造方法。
  7. が、フルオロ(C−C)アルキル基である請求項1乃至3何れか一項に記載のヒドロキシピラジン誘導体類の製造方法。
  8. が、トリフルオロメチル基である請求項1乃至3何れか一項に記載のヒドロキシピラジン誘導体類の製造方法。
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