JP2012057051A - 回路基板用熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

回路基板用熱硬化性樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】放熱性、及びドリル磨耗性、打ち抜き性等の加工性に優れる回路基板用熱硬化性樹脂組成物を提供し、並びに、それを用いた中間層プリプレグ、コンポジット積層板及びプリント配線板を提供すること。
【解決手段】本発明による熱硬化性樹脂組成物は、(A)エポキシ化合物、(B)硬化剤及び/又は(C)硬化触媒、(D)異方的形状の無機充填材、(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、並びに(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材を、少なくとも含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物、並びにそれを用いた中間層プリプレグ、コンポジット積層板及びプリント配線板に関する。
近年、発光ダイオード(以下LED)は、小型で発光効率が高いため、照明用の白熱電球や蛍光灯、車のヘッドライト、液晶バックライトの冷陰極管の代替光源として注目されている。
従来のLEDを使用した発光装置では、要求される発光輝度も小さかったため、従来の通電量、消費電力量で実用上大きな問題は生じていなかった。ところが、近年、LED発光装置の応用範囲が拡大されるにしたがい、消費電力量は1W以上、消費電流量も0.5A以上となり、これらを安定的に実現するLED発光装置が求められている。そのため、LED発光装置、これらに使用される部材の高放熱化及び高熱伝導化が重要な課題となっている。
また、車載用のECUなどに使用されるプリント配線板についても、小型化、高温環境下にさらされるエンジンルーム内配置、エンジン直載などのニーズから、やはり放熱性、高熱伝導性に優れた、信頼性に優れるプリント配線板が求められている。
例えば、特許文献1には、プリント配線板の高熱伝導率化手法として、プリント配線板を構成する積層板の絶縁層に、熱伝導率が20W/m・K以上の無機繊維織布及び/又は無機材料からなるフィラーを用いることについて記載されている。
また、例えば、特許文献2には、水酸化アルミニウム、ベーマイト粒子、アルミナといった特殊な無機充填材を所定の割合で配合することによって、熱伝導性とドリル加工性が向上することについて記載されている。
ところが、従来の技術では、アルミナのような熱伝導率が20W/m・K以上の無機充填材を含む積層板は、積層板自体の硬度が非常に高くなるため、ドリル磨耗性、打ち抜き性等の加工性が大きく低下し、プリント配線板を製造する上で大きな問題となっている。
また、積層板を構成する無機充填材の割合を増やすことによっても、プリント配線板の熱伝導率を高くすることができるが、ドリル磨耗性や打ち抜き性が低下し、機械的強度が低下する等の問題が未だに存在している。
特開2007−9089号公報 特開2010−774号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、放熱性、及びドリル磨耗性、打ち抜き性等の加工性に優れる回路基板用熱硬化性樹脂組成物を提供することを目的とし、並びに、それを用いた中間層プリプレグ、コンポジット積層板及びプリント配線板を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための手段は、以下の第(1)項〜第(11)項である。
(1)(A)エポキシ化合物、(B)硬化剤及び/又は(C)硬化触媒、(D)異方的形状の無機充填材、(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、並びに(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材を、少なくとも含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
(2)その(A)エポキシ化合物、その(B)硬化剤及び/又はその(C)硬化触媒、その(D)異方的形状の無機充填材、その(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、並びにその(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材の合計質量に対する、その(D)異方的形状の無機充填材、その(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、及びその(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材の合計質量の割合が0.50以上であることを特徴とする、第(1)項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(3)その(A)エポキシ化合物、その(B)硬化剤及び/又はその(C)硬化触媒、その(D)異方的形状の無機充填材、その(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、並びにその(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材の合計質量に対する、その(D)異方的形状の無機充填材の質量の割合が0.03以上、0.35以下であることを特徴とする、第(1)項又は第(2)項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(4)その(A)エポキシ化合物、その(B)硬化剤及び/又はその(C)硬化触媒、その(D)異方的形状の無機充填材、その(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、並びにその(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材の合計質量に対する、その(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材の質量の割合が0.10以上であることを特徴とする、第(1)項〜第(3)項のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(5)その(A)エポキシ化合物、その(B)硬化剤及び/又はその(C)硬化触媒、その(D)異方的形状の無機充填材、その(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、並びにその(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材の合計質量に対する、その(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材の質量の割合が0.20以上であることを特徴とする、第(1)項〜第(4)項のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(6)その(D)異方的形状の無機充填材、その(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、及びその(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材のモース硬度が、各々5以下であることを特徴とする、第(1)項〜第(5)項のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(7)その(D)異方的形状の無機充填材の平均粒子径が5μm以上50μm未満であることを特徴とする、第(1)項〜第(6)項のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(8)その(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材が、金属水酸化物又は金属酸化物であることを特徴とする、第(1)項〜第(7)項のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(9)その(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材が、金属水酸化物又は金属酸化物であることを特徴とする、第(1)項〜第(8)項のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(10)第(1)項〜第(9)項のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を繊維基材に含浸させて成る、中間層プリプレグ。
(11)少なくとも1枚の第(10)項に記載の中間層プリプレグの表裏両側の各々に、少なくとも1枚の表面層プリプレグを重ね合わせて成る、コンポジット積層板。
(12)第(11)項に記載のコンポジット積層板から形成される、プリント配線板。
本発明によれば、放熱性、及びドリル磨耗性、打ち抜き性等の加工性に優れる回路基板用熱硬化性樹脂組成物、並びに、それを用いた中間層プリプレグ、コンポジット積層板及びプリント配線板が提供される。
以下、本発明について更に詳しく説明をする。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、放熱性を有し、かつ、低熱膨張率を有する。本発明の中間層プリプレグは、本発明の熱硬化性樹脂組成物を繊維基材に含浸させて成り、本発明のコンポジット積層板は本発明の中間層プリプレグの表裏両側の各々に少なくとも1枚の表面層プリプレグを重ね合わせて成り、さらに、本発明のプリント配線板は本発明のコンポジット積層板から形成される。本発明のプリント配線板によって、高輝度で高寿命なLED発光装置、及び信頼性に優れるECU等の車載用部品を提供することができる。
(1)熱硬化性樹脂組成物
本発明による熱硬化性樹脂組成物は、(A)エポキシ化合物、(B)硬化剤及び/又は(C)硬化触媒、(D)異方的形状の無機充填材、(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、並びに(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材を少なくとも含んでなり、それらを含むことによって、本発明の熱硬化性樹脂組成物による硬化物は、放熱性、及びドリル磨耗性、打ち抜き性等の加工性に優れる。
ここで硬化物とは、熱硬化性樹脂組成物を構成する組成物中の硬化性成分が有する官能基の反応が実質的に完結した状態のものを意味し、例えば、示差走査熱量測定(DSC)装置により発熱量を測定することにより評価することができる。具体的には、この発熱量がほとんど検出されない状態を指すものである。硬化物を得る条件としては、例えば、120〜220℃で、30〜180分間処理することが好ましく、150〜180℃で、45〜120分間処理することがより好ましい。
(A)エポキシ化合物
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(A)エポキシ化合物は、1分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物である。したがって、本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(A)エポキシ化合物は、1分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有すれば、何ら制限を受けることはない。なお、(A)エポキシ化合物を、適宜、(A)「エポキシ樹脂」と称する場合がある。
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(A)エポキシ化合物は、上述のとおり、1分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物であれば、特に何ら制限を受けることはないが、本発明の硬化性樹脂組成物に含まれる(A)エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4’-シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4’-(1,4)-フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4’-(1,3-フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、キシリレン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタンノボラック型エポキシ樹脂、1,1,2,2−(テトラフェノール)エタンのグリシジルエーテル類、水添ビスA型エポキシ樹脂、3官能、又は4官能以以上のグリシジルアミン類、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂等のアリールアルキレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。それらを単独で用いてもよいし、それらの2種以上(例えば、異なる重量平均分子量を有する2種類以上)を組み合わせて用いてもよいし、又はそれらの1種類又は2種類以上と、それらのプレポリマーとを併用してもよい。これらの中で、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂が、高耐熱性を発現するために好ましく、また、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び脂環式エポキシ樹脂が、耐光性に優れる点で好ましい。
また、難燃性を発現させるために、本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(A)エポキシ樹脂をハロゲン化したものを使用してもよい。ハロゲン化されたエポキシ樹脂としては、臭素化率20%以上、重量平均分子量10000〜30000の臭素化エポキシ樹脂が好ましい。臭素化エポキシ樹脂としては、例えば、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールF型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらの中で臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。これらのハロゲン化されたエポキシ樹脂は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、絶縁信頼性を考慮した場合、本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(A)エポキシ樹脂は、ナトリウム、カリウム、鉄等のイオン性不純物の含有量が低いものが好ましく、また形成する絶縁層の厚みを超えるサイズの異物が存在しないものが好ましい。
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(A)エポキシ樹脂の質量の割合(含有量)は、特に限定されないが、(A)エポキシ化合物、(B)硬化剤及び/又は(C)硬化触媒、(D)異方的形状の無機充填材、(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、並びに(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材の合計質量に対して、10質量%以上、50質量%以下であることが好ましく、20質量%以上、40質量%以下であることがより好ましい。(A)エポキシ樹脂の質量の割合(含有量)が下限値(10質量%)未満であると、実用上問題ないが、本発明による熱硬化性樹脂組成物の硬化性が低下する場合があるか、又は本発明による熱硬化性樹脂組成物を用いて形成される金属ベース基板、又はプリント配線板の耐湿性が低下する場合がある。また、上限値(50質量%)を超えると、実用上問題ないが、金属ベース基板又はプリント配線板の線熱膨張率が大きくなる場合があるか、又は耐熱性が低下する場合がある。
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(A)エポキシ樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、重量平均分子量1.0×102以上、2.0×104以下であることが好ましい。重量平均分子量が下限値(1.0×102)未満であると、実用上問題ないが、絶縁樹脂層の表面にタック性が生じる場合があり、上限値(2.0×104)を超えると半田耐熱性が低下する場合がある。(A)エポキシ樹脂の重量平均分子量を上述の範囲内とすることにより、タック性及び半田耐熱性の両方の特性のバランスについて優れたものとすることができ、さらに、相溶性も優れたものとすることが可能であるので外観性及び信頼性の向上につながることとなる。なお、(A)エポキシ樹脂の重量平均分子量は、例えばGPCで測定することができる。
150℃条件下で、ICI粘度計で測定して、本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(A)エポキシ樹脂の粘度が0.05〜3.5Pa・sであり、かつ、エポキシ樹脂のエポキシ当量が160〜320であることが好ましく、150℃条件下で、ICI粘度計で測定して、本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(A)エポキシ樹脂の粘度が0.07〜2.0Pa・sであり、かつ、エポキシ樹脂のエポキシ当量が180〜300であることがより好ましい。
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有されるエポキシ樹脂は、1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)硬化剤
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(B)硬化剤は、(A)エポキシ化合物、(D)異方的形状の無機充填材、(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、及び(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材と共に用いる化合物(樹脂)か、又は(A)エポキシ化合物、(C)硬化触媒、(D)異方的形状の無機充填材、(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、及び(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材と共に用いる化合物(樹脂)であって、本発明による熱硬化性樹脂組成物の硬さを増したり、硬化を早めたりするために添加される化合物(樹脂)であれば、特に限定されることはない。
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(B)硬化剤は、上述のとおり、特に限定されることはないが、例えば、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤等が挙げられる。アミン系硬化剤は少量でエポキシ樹脂を十分に硬化させることができ、樹脂の難燃性を発揮できるので好ましい。アミン系硬化剤は、融点100℃以上の常温で固形であり、有機溶媒に可溶で、エポキシ樹脂への溶解性が小さく、130℃以上の高温になって、エポキシ樹脂と速やかに反応するものが特に好ましい。具体的にはジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等が挙げられ、それらを単独で使用してもよいし、それらの2種類以上を組み合わせて使用してもよい。これらのアミン系硬化剤は溶媒に溶解させ、樹脂ワニス中に均一に分散される。エポキシ樹脂との相溶性が小さいので、溶媒を揮発、除去した場合、ミクロに樹脂中に分散され、常温〜100℃では反応が進行せず、従って保存安定性を良好に保ちながら均一なエポキシ樹脂硬化物を得ることができる。
フェノール系硬化剤としてはフェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ザイロック型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ポリビニルフェノール類等が挙げられ、それらを単独で使用してもよいし、それらの2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、複数のアミン系硬化剤とフェノール系硬化剤とを同時に使用してもよい。
150℃条件下で、ICI粘度計で測定して、フェノール系硬化剤の粘度が、0.05〜3.5Pa・sであり、かつ、フェノール性水酸基当量が95〜240であることが好ましく、150℃条件下で、ICI粘度計で測定して、フェノール系硬化剤の粘度が、0.07〜2.0Pa・sであり、かつ、フェノール性水酸基当量が100〜220であることがより好ましい。
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との当量比は特に制限されることはないが、それぞれの未反応分を少なくするため、エポキシ樹脂に対して硬化剤を0.3〜1.6当量の範囲に設定することが好ましく、0.4〜1.2当量の範囲に設定することがより好ましい。0.3〜1.6当量の範囲から外れた場合、実用上問題ないが、未反応分が多くなり信頼性が低下する場合がある。
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(B)硬化剤は、1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(C)硬化触媒
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(C)硬化触媒は、(A)エポキシ化合物、(D)異方的形状の無機充填材、(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、及び(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材と共に用いる化合物(樹脂)か、又は(A)エポキシ化合物、(B)硬化剤、(D)異方的形状の無機充填材、(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、及び(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材と共に用いる化合物(樹脂)であって、熱硬化性樹脂組成物の硬さを増したり、硬化を早めたりするために添加される化合物(樹脂)であれば、特に限定されることはないが、例えば、イミダゾール系化合物、下記一般式(1)で表されるホウ素塩(適宜、「特定ホウ素塩」と称する)等が挙げられる。
Figure 2012057051
その式中、X1、X2、X3及びX4は、各々独立に、水素又は炭素数1から12の置換若しくは無置換の炭化水素基であり、Y+は1価の陽イオンである。
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(C)硬化触媒は、1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(C)硬化触媒の質量の割合(含有量)は、(A)エポキシ化合物、(B)硬化剤及び/又は(C)硬化触媒の合計質量に対して、0質量%〜10質量%であることが好ましく、0.01質量%〜5質量%であることがより好ましい。
上記のように、(C)硬化触媒を適切に含有させることにより、本発明による熱硬化性樹脂組成物は、効果的に密着性と耐熱性を発現させることができる。(C)硬化触媒の含有量が10質量%超であると、実用上問題ないが、絶縁信頼性が低下する場合があるか、ピール強度が低下する場合がある。
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(C)硬化触媒は、イミダゾール系化合物及び/又は特定ホウ素塩であることが好ましい。
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有されるイミダゾール系化合物は、特に何ら制限を受けることはないが、例えば、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾール、2,3−ジヒドロー1H−ピロロ(1,2−a)ベンズイミダゾール等が挙げられる。
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有されるイミダゾール系化合物は、1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される特定ホウ素塩は、下記の一般式(1)で表される4級のホウ素塩である。
Figure 2012057051
その式中、X1、X2、X3及びX4は、各々独立に、水素又は炭素数1から12の置換若しくは無置換の炭化水素基であり、Y+は1価の陽イオンである。
一般式(1)で表される化合物中のX1〜X4のうち少なくとも3つが置換又は無置換の芳香族炭素基であることが好ましく、X1〜X4の全てが置換又は無置換の芳香族炭素基であることがより好ましい。
一般式(1)で表される化合物中のY+は1価の陽イオンであれば、特に限定されることはないが、置換又は無置換の4級アンモニウムイオン、置換又は無置換のホスホニウムイオンが好ましい。
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される特定ホウ素塩は、上述の一般式(1)で表すことができれば、特に何ら制限を受けることはないが、例えば、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ−p−トリルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(p−エチルフェニル)ボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(p−エトキシフェニル)ボレート、テトラフェニルホスホニウムn−ブチルトリフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4−フルオロフェニル)ボレート、ベンジルトリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリ(p−トリル)フェニルホスホニウムテトラ(p−トリル)ボレート、テトラn−ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、n−ブチルトリフェニルn−ブチルトリフェニルボレート、フェナシルトリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、ジアザビシクロウンデセニウムテトラフェニルボレート、ピリジニウムテトラフェニルボレート、2-エチル-4-メチルイミダゾリウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムビス(ナフタレン−2,3−ジオキシ)フェニルシリケート等が挙げられる。
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される特定ホウ素塩は、1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機充填材
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される無機充填材は、(D)異方的形状の無機充填材と、(E)等方的形状の無機充填材とから成る。(E)等方的形状の無機充填材は、平均粒子径が異なる少なくとも2種の等方的形状の無機充填材から構成され、平均粒子径が大きい方は、(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材であり、好ましくは、(E3)7μm以上20μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材であり、平均粒子径が小さい方は、(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材であり、好ましくは、(E4)1μm以上3μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材である。
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される無機充填材の含有量、すなわち、(D)異方的形状の無機充填材、(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、及び(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材の合計質量の割合は、(A)エポキシ化合物、(B)硬化剤及び/又は(C)硬化触媒、(D)異方的形状の無機充填材、(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、並びに(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材の合計質量に対して、放熱性、熱伝導率、線膨張係数の点から、0.50以上であることが好ましく、0.55以上であることがより好ましく、0.60以上であることが更に好ましい。
(D)異方的形状の無機充填材
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(D)異方的形状の無機充填材は、異方的形状の無機充填材であれば、特に何ら制限を受けることはない。ここで、無機充填材における異方的形状とは、物質の特性及び形状が方向によって異なるものを意味し、異方的形状としては、例えば、特に限定されることはないが、楕円状、層状、板状、鱗片状、繊維状等が挙げられる。
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(D)異方的形状の無機充填材の質量の割合(含有量)は、(A)エポキシ化合物、(B)硬化剤及び/又は(C)硬化触媒、(D)異方的形状の無機充填材、(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、並びに(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材の合計質量に対して、熱伝率の点から、0.03以上0.35以下であることが好ましく、0.04以上0.3以下であることがより好ましい。(D)異方的形状の無機充填材の質量の割合が0.03未満であると、実用上問題ないが熱伝導率が十分でないとういう弊害が生じる場合がある。また0.35以上の場合、実用上問題ないが、中間層プリプレグの成形性を損なう場合がある。
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(D)異方的形状の無機充填材の平均粒子径は、特に限定されることはないが、5μm以上50μm未満であることが好ましく、10μm以上40μm未満であることがより好ましい。(D)異方的形状の無機充填材の平均粒子径が下限値(5μm)未満であると、実用上問題ないが、プリプレグ製造の際の硬化性樹脂組成物からなるワニスの流動性が低下し、プリプレグの生産性が低下する場合があり、上限値(50μm)を超えると、プリプレグ製造の際の硬化性樹脂組成物からなるワニスの無機充填材の沈降分離による不均一化が生じ、プリプレグの歩留まり、生産性が低下する場合がある。なお、平均粒子径とは、一般的にはレーザー回折法で測定されたメディアン径(D50)である。実際には、製造メーカが公表しているものを、平均粒子径の値とすることができる。
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(D)異方的形状の無機充填材は、特に限定されることはないが、例えば、タルク、マイカ、カオリナイト、イライト、セリサイト、モンモリロナイト、窒化ホウ素、板状ベーマイト、板状アルミナ等が挙げられる。それらの中の1種類を単独で用いてもよいし、同一材質の異なる粒径、同一材質で異なる形状、異なる材質等の2種類以上の異方的形状の無機充填材を組み合わせて用いてもよい。
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(D)異方的形状の無機充填材のモース硬度は5以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましい。
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(D)異方的形状の無機充填材は、1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、及び(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、及び(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材は、等方的形状の無機充填材であれば、特に何ら制限を受けることはない。ここで、無機充填材における等方的形状とは、物質の特性及び形状が方向によって区別ができないものを意味し、等方的形状としては、例えば、特に限定されることはないが、真球状、球状、略球状、破砕状等が挙げられる。
本発明による熱硬化性樹脂組成物に(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、及び(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材が含有されることによって、プリプレグ製造の際の硬化性樹脂組成物からなる樹脂ワニスの流動性を高めることができ、プリプレグの生産性が向上する。また該プリプレグを積層加圧加熱成型する際、プリプレグ中の硬化性樹脂の流動性が高くなることで、積層板のボイド発生確率が低減し、積層板の生産性が向上する。
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材の質量の割合(含有量)は、(A)エポキシ化合物、(B)硬化剤及び/又は(C)硬化触媒、(D)異方的形状の無機充填材、(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、並びに(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材の合計質量に対して、樹脂の流動性の点から、0.10以上であることが好ましく、0.2以上であることがより好ましい。(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材の質量の割合が上記下限値(0.10)未満であると、実用上問題ないが樹脂の流動性が低下するという弊害が生じる場合がある。
また、本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材の質量の割合(含有量)は、(A)エポキシ化合物、(B)硬化剤及び/又は(C)硬化触媒、(D)異方的形状の無機充填材、(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、並びに(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材の合計質量に対して、充填性の点から、0.20以上であることが好ましく、0.3以上であることがより好ましい。(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材の質量の割合が上記下限値(0.20)未満であると、実用上問題ないが充填性低下による、熱伝導性の低下とういう弊害が生じる場合がある。
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、及び(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材についての平均粒子径の定義及び測定法は上述のとおりである。
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、及び(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材は、金属水酸化物又は金属酸化物であることが好ましく、金属水酸化物であることがより好ましい。本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、及び(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材が金属水酸化物である場合、含有Na濃度がNa2O換算で0.4質量%以下であると、金属水酸化物の熱分解温度が高くなり、そのため積層板の半田耐熱性が向上し、またプリント配線板にした場合、電気配線間の電気絶縁性が向上するので好ましい。
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される、(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、及び(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材は、特に限定されることはないが、例えば、溶融シリカ、結晶性シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、ベーマイト、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、炭化ボロン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。それらの中の1種類を単独で用いてもよいし、同一材質の異なる粒径、同一材質で異なる形状、異なる材質等の2種類以上の無機充填材を組み合わせて用いてもよい。高熱伝導率の点からアルミナ、水酸化アルミニウム、ベーマイトであることが好ましく、加工性の点から水酸化アルミニウムであることがより好ましい。
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、及び前記(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材のモース硬度が5以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましい。
本発明による熱硬化性樹脂組成物に含有される(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、及び(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材は、1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明による熱硬化性樹脂組成物は、本発明の目的を逸脱しない範囲内で、例えば、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂など、また、硬化促進剤、難燃剤、カップリング剤、界面活性剤、UV吸収剤、酸化防止剤、着色剤、可撓化剤等を添加してもよい。
(2)中間層プリプレグ
本発明による中間層プリプレグは、本発明の熱硬化性樹脂組成物を繊維基材に含浸させて成るものであり、含浸後、熱処理をして生産される。
本発明の中間層プリプレグに用いられる繊維基材としては特に限定されないが、ガラス織布、ガラス不織布、紙、アラミド、ポリエステル、芳香族ポリエステル、フッ素樹脂等の合成繊維等から成る織布及び不織布、金属繊維、カーボン繊維、鉱物繊維等からなる織布、不織布、マット類等を用いてもよい。これらの基材を単独で使用してもよいし、組み合わせて使用してもよい。本発明の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂ワニスの含浸性および耐熱性を考慮すると、ガラス不織布が好ましい。ここで用いられるガラス不織布の坪量としては、例えば、30〜150g/m2のものを好適に用いることができる。
本発明の中間層プリプレグを生産するために、本発明の熱硬化性樹脂組成物を繊維基材に含浸させる方法は、例えば繊維基材を樹脂ワニス(熱硬化性樹脂組成物)に浸漬する方法、各種コーターによる塗布する方法、スプレーによる吹き付ける方法等が挙げられる。これらの中でも、基材を樹脂ワニス(熱硬化性樹脂組成物)に浸漬する方法が好ましい。これにより、繊維基材に対する熱硬化性樹脂組成物の含浸性を向上させることができる。なお、繊維基材を樹脂ワニス(熱硬化性樹脂組成物)に浸漬する場合、通常の含浸塗布設備を使用することができる。
樹脂ワニスは、本発明の熱硬化性樹脂組成物に対して良好な溶解性を示す溶媒に溶解することが好ましいが、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。良好な溶解性を示す溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、アルコール類、グリコール類、トルエン、キシレン等が挙げられる。樹脂ワニスの固形分は、特に限定されないが、熱硬化性樹脂組成物の固形分40〜95質量%が好ましく、50〜90質量%がよい好ましい。これにより、樹脂ワニスの基材への含浸性を向上できる。繊維基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸させ、所定温度、例えば90〜180℃で乾燥させることにより中間層プリプレグを得ることが出来る。
(3)コンポジット積層板
本発明によるコンポジット積層板は、本発明の中間層プリプレグの表裏両側の各々に、少なくとも1枚の表面層プリプレグを重ね合わせて成るものであり、加熱加圧成形して硬化させることによって生産される。これにより、熱伝導性、放熱性、耐熱性、機械強度に優れたコンポジット積層板を得ることができる。ここで用いられる表面層プリプレグとしては、表面層プリプレグの繊維基材に、表面層プリプレグの熱硬化性樹脂組成物を含浸・乾燥(熱処理)させたものを好適に用いることができる。
表面層プリプレグ用の繊維基材としては、例えば、ガラス繊維織布、ガラス不織布等のガラス繊維基材、ガラス以外の無機化合物を成分とする織布又は不織布等の無機繊維基材、ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂等の有機繊維で構成される有機繊維基材等が挙げられる。これらの中でも、線膨張係数が小さく、低価格であり、機械的強度が大きく、吸湿性を抑えられることから、ガラス繊維基材が好ましく、中でも、本発明のコンポジット積層板に充分な機械的強度を付与できることから、ガラス繊維織布がより好ましい。ここで用いられるガラス繊維織布の坪量としては、例えば、50〜250g/m2のものを好適に用いることができる。
また、表面層プリプレグ用の熱硬化性樹脂組成物としては、熱硬化性樹脂を含有するものを好適に用いることができる。ここで熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂等が挙げられる。ここで、各々の熱硬化性樹脂、及び、併用される硬化剤としては、本発明の中間層プリプレグに用いられる熱硬化性樹脂組成物において述べたものを同様に適用してもよい。
また、表面層プリプレグ用の熱硬化性樹脂組成物には、このほか、熱可塑性樹脂、可塑剤、顔料、表面処理剤、無機充填材などを含有することができる。例えば、表面層材料用の硬化性樹脂組成物に無機充填材を含有させると、積層板に耐トラッキング性を付与することができる。
表面層プリプレグ用の熱硬化性樹脂組成物を繊維基材に含浸させる方法としては、例えば、熱硬化性樹脂組成物に繊維基材を浸漬する方法、スプレー等の噴霧装置を用いて硬化性樹脂組成物を繊維基材に塗布する方法、コンマコーター、ナイフコーターなどの各種コーター装置を用いて、熱硬化性樹脂組成物を繊維基材に塗工する方法等が挙げられる。上記方法は、熱硬化性樹脂組成物や繊維基材の性状、繊維基材に含浸させる硬化性樹脂組成物の量などにより、適宜選択することができる。
繊維基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸させた後、これを熱処理することにより、熱硬化性樹脂組成物の調製時に溶媒を用いた場合はこれを乾燥除去して、取り扱い性が良好な表面層プリプレグとすることができる。また、必要に応じて、熱硬化性樹脂成分の硬化反応を中途まで進行させ、コンポジット積層板製造時の樹脂流動性を調整することができる。熱処理する条件としては、例えば、120〜200℃で、1〜10分間実施することができる。
本発明のコンポジット積層板の機械強度、加工性を考慮した場合、本発明の中間層プリプレグが1枚であるときは、本発明の中間層プリプレグの表裏両側にガラス織布からなる表面層プリプレグを積層し、さらにその表裏両側、又は表面若しくは裏面に金属箔あるいはフィルムを重ねてよい。また、本発明の中間層プリプレグの2枚以上を積層する場合は、積層した中間層プリプレグの最外層の表裏両側にガラス織布からなる表面層プリプレグを積層し、さらにその表裏両側、又は表面若しくは裏面に金属箔あるいはフィルムを重ねてもよい。
金属箔は、特に限定されないが、例えば、銅及び/又は銅系合金、アルミ及び/又はアルミ系合金、鉄及び/又は鉄系合金、銀及び/又は銀系合金、金及び金系合金、亜鉛及び亜鉛系合金、ニッケル及びニッケル系合金、錫及び錫系合金等が挙げられる。
フィルムは、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂等の耐熱性を有した熱可塑性樹脂フィルムが挙げられる。
フィルム又は金属箔の厚みは、コンポジット積層板を製造する際の取り扱い性の観点から、10〜70μmであることが好ましい。
本発明のコンポジット積層板は、異方的形状の無機充填材を含むので、加熱加圧成形する際、異方的形状の無機充填材の長軸が積層板と平行に配向する傾向がある。すなわちコンポジット積層板の熱伝導率は、コンポジット積層板の厚み方向よりも面内方向へ大きくなり、LEDなどの発熱素子を搭載した場合、放熱性が向上する。コンポジット積層板面内の熱伝導率とコンポジット積層板厚み方向の熱伝導率の比が1.1以上でかつ、それぞれの熱伝導率が0.5W/m・K以上であることが、プリント配線板としての放熱性をより向上することから好ましい。
(4)プリント配線板
本発明のプリント配線板は、コンポジット積層板を、回路加工してなるプリント配線板である。コンポジット積層板の片面のみに回路が形成されている片面板、両面に回路が形成されている両面板、この他に、コアと呼ばれる内層プリント配線板上にプリプレグあるいはビルドアップ材と呼ばれるフィルム付き絶縁樹脂シート、又は銅箔付き絶縁樹脂シートが積層された多層板であってもよい。本発明の中間層プリプレグ及びコンポジット積層板は、内層プリント配線板、又は内層プリント配線板上のプリプレグとして使用することもできる。
本発明のプリント配線板は、ドリル加工、レーザー加工によりスルーホールを形成し、めっき、金属ペースト等で両面の電気的接続をとることもできる。
回路加工の方法としては、表層の金属箔をエッチングにより回路形成を行ってもよいし、金属メッキにより絶縁樹脂層間の接続を図り、エッチングにより外層回路パターン形成してもよい。
さらに最外層には、回路形成後、ソルダーレジストを形成してもよい。ソルダーレジストの形成方法は、特に限定されないが、例えば、ドライフィルムタイプのソルダーレジストを積層(ラミネート)し、露光、および現像により形成する方法、または液状レジストを印刷したものを露光、および現像により形成する方法によりなされる。このような方法により本発明のプリント配線板を製造することができる。
以下、本発明をより具体的に説明するための実施例を提供する。なお、本発明は、その目的及び主旨を逸脱しない範囲で以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例において用いた原材料は以下のとおりである。
(A)エポキシ樹脂
(1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピクロン850、DIC社製)
(2)フェノールノボラック型エポキシ樹脂(JER152、JER社製)
(B)硬化剤
(1)アミン系硬化剤、ジシアンジアミド(関東化学社製)
(2)フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製 A−1082)
(C)硬化触媒
(1)フェニルメチルイミダゾール(四国化成社製)
(D)異方的形状の無機充填材
(1)タルクA(D50=19μm、モース硬度=1)(日本タルク社製)
(2)タルクB(D50=4μm、モース硬度=1)(富士タルク社製)
(3)窒化ホウ素(D50=12μm、モース硬度=2)(ESK Ceramics 社製)
(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材
(1)水酸化アルミニウム(D50=1.1μm、モース硬度=2、Na量0.29%)(CL310、住友化学製)
(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材
(1)水酸化アルミニウム(D50=1.1μm、モース硬度=2、Na量0.29%)(H42I、昭和電工社製)
(2)ベーマイト(D50=3μm、モース硬度=4)(河合石灰工業社製)
(3)酸化マグネシウム(D50=2μm、モース硬度=5.5)(協和化学工業社製)
(4)アルミナ(D50=2μm、モース硬度=9)(日本軽金属社製)
<実施例1>
(1)樹脂ワニスの調製
(A)エポキシ樹脂として、70質量部のビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピクロン850、DIC社製)及び28質量部のフェノールノボラック型エポキシ樹脂(JER152、JER社製)、(B)アミン系硬化剤として、2質量部のジシアンジアミド(関東化学社製)、(D)異方的形状の無機充填材として、47質量部のタルクA(日本タルク社製)、(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材として、36.5質量部の水酸化アルミニウム(CL310、住友化学製)、(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材として、36.5質量部の水酸化アルミニウム(H42I、昭和電工社製)、並びに(C)硬化触媒として、0.1質量部のイミダゾールをジメチルホルムアミドに溶解・混合させた。次いで、高速撹拌装置を用い撹拌して樹脂ワニスを調製した。
(2)中間層プリプレグの作製
上記で作製した樹脂ワニスをガラス不織布(厚さ800μm、日本バイリーン社製)に含浸し、150℃の加熱炉で3分間乾燥して、中間層プリプレグ中のワニス固形分が約100質量%の中間層プリプレグを得た。
(3)表面層プリプレグの作製
臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート5047、JER社製)85質量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エピクロンN−690、DIC社製) 15質量郎、ジシアンジアミド2質量部、硬化触媒0.1質量部をジメチルホルムアミドに溶解・混合させた。次いで、高速撹拌装置を用い撹拌して樹脂ワニスを調整した。次にこの樹脂ワニスをガラス織布(厚さ180μm、日東紡社製)に含浸し、150℃の加熱炉で3分間乾燥して、プリプレグ中のワニス固形分が約50質量%の表面層プリプレグを得た。
(4)コンポジット積層板の作製
中間層プリプレグ1枚の両面に、前記表面層プリプレグを上下に、1枚づつ積層し、さらにその上下に1枚ずつ35μmの銅箔(日本電解社製)を重ねて、圧力3MPa、温度150℃以上で1時間加熱加圧成形し、厚さ1.0mmの積層板を得た。
<実施例2〜7及び比較例1〜5>
実施例2〜7及び比較例1〜5における中間層プリプレグを、下記に示す表1の組成にしたがって実施例1と全く同様な方法で作製し、そして実施例1と全く同様な方法で、実施例2〜7及び比較例1〜5の各々で用いられる表面層プリプレグを作製し、その後、実施例2〜7及び比較例1〜5における中間層プリプレグと表面層プリプレグとをそれぞれ積層して、実施例2〜7及び比較例1〜5におけるコンポジット積層板を作製した。
(評価方法)
<半田耐熱性の測定>
コンポジット積層板より50mm×50mmのサンプルピースを切り出し、片面及びもう片面の1/2の銅箔をエッチングし除去した。125℃のプレッシャークッカーで2時間処理した後、260℃の半田槽に120秒浮かべ、ふくれ・はがれの有無を確認した。
<熱伝導率の測定>
コンポジット積層板の銅箔をエッチングで全面除去し、レーザーフラッシュ法(NETZSCH社製LFA447)により、厚み方向の熱拡散係数を測定した。次に水中置換法で絶縁体硬化物の比重を測定し、さらにDSC法(PERKIN−ELMER社製DSC7)で比熱を測定し、これらの物性値より熱伝導率を算出した。積層板の面内方向の熱伝導率は、装置(NETZSCH社製LFA447)に付属の治具を用い、厚み方向と同様に測定した。
<ドリル加工性の評価>
厚さ1mmのコンポジット積層板を、0.5mmのドリル刃を用い、10000回転、3m/分で、5000回穴を開けた後の、刃先の状態を評価した。評価は以下のとおりである。
不良:刃先が丸まってしまい、ドリル刃の再生困難
良好:刃先が十分残っており、再研磨によるドリル刃の再生が可能
<中間層プリプレグの外観評価>
目視により、中間層プリプレグ表面の状態を評価した。評価は以下のとおりである。
不良:中間層プリプレグの流れ方向に、無機成分と樹脂成分の分離、あるいは中間層プリプレグの厚みムラにより、スジ状物が100mm以上見られる。
良好:上記スジ状物が見られない。
(評価結果)
下記の表1から、明らかなように実施例1〜7は、比較例1〜5に比べ、熱伝導率が1W/m・K以上と高く、またドリル加工性も良好であることがわかった。これに反し、無機充填材の総量が少ない比較例1では熱伝導率が低く、(D)異方的形状の無機充填材の割合が多い比較例2では成形性が悪く、無機充填材が、(D)異方的形状の無機充填材及び(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材のみの組み合わせからなる比較例3及び比較例4では半田耐熱性が悪く、(D)異方的形状の無機充填材を含まない比較例5では、熱伝導率が低い結果となった。
Figure 2012057051

Claims (12)

  1. (A)エポキシ化合物、(B)硬化剤及び/又は(C)硬化触媒、(D)異方的形状の無機充填材、(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、並びに(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材を、少なくとも含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記(A)エポキシ化合物、前記(B)硬化剤及び/又は前記(C)硬化触媒、前記(D)異方的形状の無機充填材、前記(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、並びに前記(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材の合計質量に対する、前記(D)異方的形状の無機充填材、前記(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、及び前記(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材の合計質量の割合が0.50以上であることを特徴とする、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 前記(A)エポキシ化合物、前記(B)硬化剤及び/又は前記(C)硬化触媒、前記(D)異方的形状の無機充填材、前記(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、並びに前記(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材の合計質量に対する、前記(D)異方的形状の無機充填材の質量の割合が0.03以上、0.35以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 前記(A)エポキシ化合物、前記(B)硬化剤及び/又は前記(C)硬化触媒、前記(D)異方的形状の無機充填材、前記(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、並びに前記(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材の合計質量に対する、前記(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材の質量の割合が0.10以上であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 前記(A)エポキシ化合物、前記(B)硬化剤及び/又は前記(C)硬化触媒、前記(D)異方的形状の無機充填材、前記(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、並びに前記(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材の合計質量に対する、前記(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材の質量の割合が0.20以上であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 前記(D)異方的形状の無機充填材、前記(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材、及び前記(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材のモース硬度が、各々5以下であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 前記(D)異方的形状の無機充填材の平均粒子径が5μm以上50μm未満であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  8. 前記(E1)5μm以上50μm以下の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材が、金属水酸化物又は金属酸化物であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  9. 前記(E2)0.5μm以上5μm未満の平均粒子径を有する等方的形状の無機充填材が、金属水酸化物又は金属酸化物であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を繊維基材に含浸させて成る、中間層プリプレグ。
  11. 少なくとも1枚の請求項10に記載の中間層プリプレグの表裏両側の各々に、少なくとも1枚の表面層プリプレグを重ね合わせて成る、コンポジット積層板。
  12. 請求項11に記載のコンポジット積層板から形成される、プリント配線板。
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