JP2012052179A - 金属ナノ粒子の製造方法 - Google Patents

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Youn-Gyu Han
淵圭 韓
Masumi Asakawa
真澄 浅川
Susumu Aoyanagi
将 青柳
Maki Ogiso
真樹 小木曽
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Abstract

【課題】本発明は、複雑な化学処理や大量の化学薬品を使用せずに、低コストで簡単に、金属ナノ粒子を製造する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】炭素−炭素原子間に不飽和結合を有する化合物を、遷移金属イオンを含有する水溶液に混合することで簡単に金属ナノ粒子を製造することができ、特に、巨大分子構造に自己集合化する機能を有する、分子内に不飽和結合を有する両親媒性化合物を用いることにより、遷移金属イオンを還元した後、簡単な精製方法を用いて金属ナノ粒子と両親媒性化合物を分離することができるため、両親媒性化合物を簡単に再利用することができる
【選択図】図1

Description

本発明は、金属ナノ粒子の製造方法に関し、特に、不飽和炭化水素化合物を用いた金属ナノ粒子の製造方法に関する。
ナノ粒子は、表面原子数の割合の増加や電子構造の離散化等の変化によってバルクとは異なる性質を有しているため、近年、各種の材料に関する研究が盛んになされている。特に、金属ナノ粒子は、IC基板などの電気配線や電極などの次世代ナノデバイス材料、水素吸蔵などのエネルギー材料、燃料電池や有機反応等の触媒、化粧品や食品や医薬品への添加物、高密度磁気記憶媒体などへの用途が期待されている。したがって、ナノ粒子の合成費用低減やサイズ制御、溶媒への分散性を上げるための表面改質などが、実用化を図る上できわめて重要な課題である。
従来、ナノ粒子の製造方法には、反応させる場が液相である湿式法と、気相である乾式法とがある。また、材料をナノメートルのサイズまで小さくする粉砕法、原料となるイオンまたは錯体を還元剤または電気化学的に還元し、凝集させてナノ粒子化する凝集法または還元法、原料をそのまま、あるいは担体に担持させて加熱分解する熱分解法、ガス中蒸発法などの物理気相成長(PVD)法、レーザーで急速に蒸発させるレーザー蒸発法、気相中で化学反応を起こす化学気相成長(CVD)法などがある。
近年、逆ミセル法、ホットソープ法、又はポリオール法などにより、単分散金属ナノ粒子の合成が報告されるようになった(特許文献1)。逆ミセル法は、還元剤を含む逆ミセル溶液と、金属塩を含む逆ミセル溶液を混合することで金属ナノ粒子の合成を行うものである。ホットソープ法は、金属カルボニルを有機リンおよびリン酸溶液中で熱分解することで、球状又は円板状の金属ナノ粒子を得るものである(非特許文献1)。ポリオール法は、有機錯体を多価アルコールで還元することにより単分散ナノ粒子の合成を行うものである。
しかしながら、これらの方法は、生産費用が高いことや、ナノ粒子だけを生成することが難しい等の問題がある。たとえば、逆ミセル法は、多量の界面活性剤が要るため、除去すべき原料費用が高くなり、ホットソープ法は、熱分解のための高エネルギーにより生産費用が高くなる。
一方、たんぱく質由来の有機ナノチューブの内外表面及び膜内に遷移金属イオン層をもつ金属錯体タイプ有機ナノチューブから成る金属ナノ粒子が近来報告された(特許文献2)。この金属錯体タイプ有機ナノチューブは、これまでにない構造体で、化合物が比較的安く、製造方法も2つの溶液を混合するだけと非常に簡便である。しかし、この金属錯体タイプ有機ナノチューブからナノ粒子を製造するにはナノチューブ表面に存在する金属イオンを還元する必要があり、そのためには還元剤が必要である。また、大量合成するためには、必要とする金属イオン種によっては合成条件の調整が必要である。
特開2007−330874号公報 特開2004−250797号公報
Taeghwan Hyeon, Su Seong Lee, Jongnam Park, Yunhee Chung, and Hyon Bin Na、J.Am.Chem.Soc.,2001,123(51),12798-12801
前述のとおり、これまでの還元法では、原料となるイオンまたは錯体を、還元剤又はポリエチレングリコールなどのアルコールを用いて還元することが多かったが、複雑な化学処理や大量の化学薬品を必要とし、生産費用が高い、得られた金属ナノ粒子の精製が簡便ではない等の問題があった。
本発明の目的は、こうした従来の課題を解決して、複雑な化学処理や大量の化学薬品を使用せずに、低コストで簡単に、金属ナノ粒子及び金属ナノ粒子の分散溶液を製造する新しい技術を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、通常は還元剤としては働かない、炭素−炭素原子間に不飽和結合を有する化合物(以下、「不飽和化合物」ということもある。)が、遷移金属イオンを金属に還元することを見出した。すなわち、不飽和化合物を、遷移金属イオンを含有する水溶液に混合することで簡単に金属ナノ粒子が製造されることを見出した。
また、特に、分子内に不飽和結合を有する両親媒性化合物を用いて製造された金属ナノ粒子は、水への分散性や酸化安定性に優れており、製造後の金属ナノ粒子の精製が簡単であることが判明した。
さらに、本発明者らは、金属ナノ粒子を製造するための材料として、様々な、二重結合を持つ鎖状の不飽和化合物を検討した結果、不飽和化合物の溶媒への親媒性の違いにより、水分散液又は油分散液が製造できることを見出した。すなわち、水分散性が良好な両親媒性の不飽和化合物は、還元剤及び水分散剤として働くので、還元された金属ナノ粒子は、優れた水分散性を示す。一方、水分散性が良くない両親媒性の不飽和炭化合物を用いて製造した金属ナノ粒子は、親水部が粒子表面に吸着して、疎水部で金属ナノ粒子表面を覆うことで疎水化するため、水へは分散せずに水面又は有機相に移動した。この現象を利用して、金属ナノ粒子の油分散液を製造することができる。
さらにまた、ベシクル、チューブ、プレート、繊維などの巨大分子構造に自己集合化する機能を有する、分子内に不飽和結合を有する両親媒性化合物は、遷移金属イオンを還元した後、簡単な精製方法を用いて金属ナノ粒子と両親媒性化合物を分離することができるため、両親媒性化合物を簡単に再利用することができることが判明した。
本発明はこれらの知見に基づいて完成に至ったものであり、本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1]炭素−炭素原子間に不飽和結合を有する化合物を、遷移金属塩の水溶液に混合することにより、金属ナノ粒子を得ることを特徴とする金属ナノ粒子の製造方法。
[2]前記の不飽和結合を有する化合物が、分子中に二重結合又は三重結合を1つ以上含有することを特徴とする上記[1]の金属ナノ粒子の製造方法。
[3]前記の不飽和結合を有する化合物が、直鎖状アルキル基、分枝状アルキル基、環状アルキル基又は芳香環を有することを特徴とする上記[1]又は[2]の金属ナノ粒子の製造方法。
[4]前記の不飽和結合を有する化合物が、炭素数が6〜25の脂肪酸、脂肪酸塩、脂肪酸クロリド又は脂肪酸アミンであることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかの金属ナノ粒子の製造方法。
[5]前記の不飽和結合を有する化合物が、分子中に親水基を持つ両親媒性化合物であることを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれかの金属ナノ粒子の製造方法。
[6]前記両親媒性化合物の親水部と疎水部のバランス(HLB値)が8〜19である、上記[4]の金属ナノ粒子の製造方法。
[7]前記両親媒性化合物が、炭素数が6〜25のアルキル基を有することを特徴とする上記[5]又は[6]の金属ナノ粒子の製造方法。
[8]前記両親媒性化合物が、自己集合化して中空繊維状有機ナノチューブを製造する化合物であることを特徴とする上記[5]〜[7]のいずれかの金属ナノ粒子の製造方法。
[9]前記両親媒性化合物が、下記の一般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれることを特徴とする上記[9]の金属ナノ粒子の製造方法。
(式中、G1は糖残基を表し、R1は炭素数6〜25の不飽和炭化水素基を表す。)
2−NHCO−R2 (2)
(式中、Gは糖のアノマー炭素原子に結合するヘミアセタール水酸基を除いた糖残基を表し、R2は炭素数が10〜25の不飽和炭化水素基を表す。)
3CO(NHCHCO)OH (3)
(式中、R3は炭素数6〜18の不飽和炭化水素基、mは1〜3の整数を表す。)
[10]上記[8]又は[9]の製造方法において、金属ナノ粒子の製造後、用いた両親媒性化合物を極性溶媒に溶かし、得られた溶液から再度自己集合化を行い、両親媒性化合物を回収、再利用することを特徴とする金属ナノ粒子の製造方法。
[11]上記[5]〜[9]のいずれか1項に記載の製造方法において、HLB値が8〜19である両親媒性化合物を用いることにより、製造された金属ナノ粒子を水に分散させることを特徴とする、金属ナノ粒子の水分散液の製造方法。
[12]上記[5]に記載の製造方法において、HLB値が1〜8未満である両親媒性化合物を用いることにより、製造された金属ナノ粒子を有機溶剤に分散させることを特徴とする、金属ナノ粒子の油分散液の製造方法。
本発明に従えば、複雑な化学処理や大量の化学薬品を使用せずに、金、銀、白金、銅、亜鉛、コバルト、などの重金属の金属ナノ粒子、及び金属ナノ粒子の水・油分散溶液を得ることが出来る。そして、得られた粒子は、様々な金属、合金及び半導体の合成にも応用できる。さらに、廃水に溶解している遷移金属イオンを金属ナノ粒子として還元できるので環境浄化への応用も期待できる。さらに、本発明において、自己集合化機能を有する、分子内に不飽和結合を有する両親媒性化合物を用いた場合は、簡便に再利用が可能であるため、金属ナノ粒子の生産費用を大幅に節減できる。
本発明の概念図 実施例5、比較例3、実施例1〜4、及び比較例1、2の、反応終了後の反応液の写真 実施例6〜14の、反応終了後の反応液の写真 応用例1、2の写真 実施例5、15〜21で得られた金属ナノ粒子の電子顕微鏡写真であり、(a)実施例5:PdCl、(b)実施例15:Pd(OAc)、(c)実施例16:PdSO、(d)実施例17:CuCl、(e)実施例18:AuCl、(f)実施例19:AgNO、(g)実施例20:KPtCl、(h)実施例21:NiCl、(i)実施例22:RhCl 実施例5で用いた化合物(14)と実施例5で得られた金属ナノ粒子のXRD
本発明は、遷移金属イオンを金属に還元する不飽和結合を有する化合物を用いた金属ナノ粒子の製造方法、及び分子内に不飽和結合を有する自己集合性両親媒性化合物を用いた金属ナノ粒子の製造方法、並びに該両親媒性化合物を簡便に再利用することのできる精製方法を提供するものである。
図1は、本発明を説明するための概念図である。
図に示すように、本発明は、炭素−炭素原子間に不飽和結合を有する化合物を、遷移金属塩の水溶液に添加することで、複雑な化学処理や大量の化学薬品を使用せずに、金属イオンを還元して、金属ナノ粒子を製造することを特徴とするものである。
特に、不飽和結合を有する化合物として、チューブ、板状、ロッドなどの自己集合体を形成する機能を有する両親媒性分子を用いる場合は、遷移金属イオンを金属ナノ粒子に還元し、生成した金属ナノ粒子は溶液中に凝集、又は自己集合体の表面に吸着、或は自己集合体を構成する両親媒性分子膜の層間に閉じ込められるので、金属ナノ粒子の製造後、該両親媒性分子を極性溶媒に溶かし、得られた溶液から再度自己集合化を行うことにより回収、再利用が可能となる。
本発明において粒子を製造するための材料として用いる炭素−炭素原子間に不飽和結合を有する化合物(不飽和化合物)は、金属イオンを還元する機能を有している。
本発明において用いる不飽和化合物は、室温で固体又は液体のいずれでもよく、化学式C2nで表わされる炭素−炭素二重結合を1つ以上持つ不飽和炭化水素や、C2n―6の芳香族炭化水素、環状アルケン、並びにこれらにハロゲン、アルコール、エーテル、エステル、金属塩、スルホン酸エステル、スルホン酸塩、リン酸エステル、リン酸塩などの構造を持つ化合物の総称である。
上記の不飽和化合物の中で、親水基A、疎水基Bの両方を分子内に持ち、一般式A−B又はB−A−B′又はA−B−A′で表される両親媒性化合物を用いると金属ナノ粒子の水分散液又は油分散液を製造することができる。
A、A′の親水部は、イオン性及び非イオン性官能基を持つ比較的炭素鎖が短い炭化水素基である。
例えば、イオン性の親水部としては、−OM、−COOM、−SOM、−SOM、−P(O)(OM)などで表されるものであり、ここで、Mは、水素又はナトリウム、カリウム、及びリチウムのようなアルカリ金属塩、アンモニウム、アルカノールアンモニウム、アルカリ土類金属である。
非イオン性の親水部としては、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン酢酸脂肪酸エステル、脂肪酸エステル、単糖又はオリゴ糖の脂肪酸エステル、高級アルコールのエトキシレート、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンなどがある。
Bの疎水部は、炭素数が3〜25の不飽和炭化水素基であるが、好ましくは炭素数が6〜20のものである。
また、本発明において、親水基、疎水基の両方を分子内に持つ両親媒性化合物は、親水部A、A′と疎水部Bを繋ぐ連結基を有していてもよく、このような連結基としては、エポキシ基、カルボキシル基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、水酸基、1級若しくは2級のアミノ基、及びチオール基が必要に応じて単独又は組み合わせて用いられる。
両親媒性化合物は、分子内の親水部と疎水部のバランス(HLB値)を計算することができ、この値から分子の応用範囲が予想できる。HLB値は0〜20の値を取り、0に近いほど親油性が高く20に近いほど親水性が高くなる。したがって、HLB値が1から8未満の両親媒性化合物は、金属ナノ粒子の油分散液に適用可能であり、HLB値が8〜19の両親媒性化合物は、金属ナノ粒子の水分散液に適用可能だが、油分散剤と水分散剤を組み合わせて使うことも出来る。
さらに、上記の不飽和結合を有する化合物の中でも、炭素鎖が6〜25、好ましくは11〜19の不飽和炭化水素基を持つ両親媒性化合物は、常温で結晶性を持つ固体になり、ベシクル、チューブ、プレート、繊維などの巨大分子構造に自己集合化する機能を持つ。これらの結晶性両親媒性物質を用いると、金属ナノ粒子の製造後、溶媒に溶かして再結晶するなどの簡単な精製法で、結晶性両親媒性の回収ができ、還元反応に再利用が可能である。
結晶性両親媒性物質の種類はたくさんあるが、本発明者らが既に特許を得ている以下の一般式(1)〜(3)で表される化合物が例として挙げられる。
(式中、G1は糖残基を表し、R1は炭素数6〜25の不飽和炭化水素基を表す。)で表わされる構造を有するO−グリコシド型糖脂質(特許第4052553号)。
2−NHCO−R2 (2)
(式中、Gは糖のアノマー炭素原子に結合するヘミアセタール水酸基を除いた糖残基を表し、R2は炭素数が10〜25の不飽和炭化水素基を表す。)で表わされるN−グリコシド型糖脂質(特許第3664401号参照)。
3CO(NHCHCO)OH (3)
(式中、R3は炭素数6〜18の不飽和炭化水素基、mは1〜3の整数を表す。)で表わされるペプチド脂質と遷移金属とから成る化合物(特許3699086号)。
上記式(1)、(2)中のG、Gの糖としては、例えば、グルコース、ガラクトース、マルトース、ラクトース、セロビオース、及びキトビオースが挙げられ、好ましくはグルコピラノースである。この糖は単糖又はオリゴ糖、好ましくは単糖である。この糖残基はD、L型、ラセミ体のいずれであってもよいが、天然由来のものは通常D型である。さらに、アルドピラノシル基においては、アノマー炭素原子は不斉炭素原子であるので、α−アノマー及びβ−アノマーが存在するが、α−アノマー及びβ−アノマー及びそれらの混合物のいずれであってもよい。とくにGがD−グルコピラノシル基、D−ガラクトピラノシル基、特にD−グルコピラノシル基であるものが、原料の入手の点で容易で製造しやすいので好適である。
また、式(1)、(2)、(3)中の、R、R、Rは、不飽和炭化水素基であり、好ましくは不飽和結合として3個以下の二重結合を含む。また、炭素数は6〜39であり、好ましくは11〜19、より好ましくは17である。このような炭化水素基としては、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘネイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、及びオクタコシル基などに不飽和結合としてモノエン、ジエン又はトリエン部分などを含むものが挙げられる。
次に、このような両親媒性化合物を用いてチューブなどの構造を持つ自己集合体に製造する方法について述べる。
両親媒性化合物を予め水相に溶解させる等により、両親媒性化合物を含む、水相及び油相からなり油/水界面が安定な平面を形成している2相溶媒を用意すると、界面活性を有する両親媒性化合物は、その油/水界面で自己集合する。これら2相は、油相の比重が水相の比重よりも小さい場合、又は油相の比重が水相の比重よりも大きい場合のいずれでもよい。これら2相の界面に安定な平面、即ち水平面が形成されていることが必要である。
水相には、蒸留水、精製水、超純水等の水、エタノール、酢酸、アセトニトリル、アセトン、ジメチルスルホキシドなどの極性溶媒、各種塩溶液、リン酸などから成るpH緩衝溶液等を用いることができる。
油は、広範囲の有機物を使用できるが、常温において液体であり、極性が十分に低く、かつ水と混和しにくい溶媒であることを要する。例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、2,2−ジメチルブタン、四塩化炭素などが挙げられる。この油として、界面活性有機化合物の炭化水素鎖部分と類似構造を持つ長鎖炭化水素(例えば、テトラデカン、ペンタデカンなど)は好ましくない。これらは集合化に時間がかかり、油水界面に自己集合体が形成するという効果が顕著でない場合がある。
本発明では、複雑な化学処理や大量の化学薬品を使用せずに、両親媒性化合物及び遷移金属イオンを水相に添加して常温、常圧下で攪拌するだけで金属ナノ粒子を得ることができる。利用できる水相は、蒸留水、精製水、超純水等の水、エタノール、酢酸、アセトニトリル、アセトン、ジメチルスルホキシドなどの極性溶媒、各種塩溶液、リン酸などから成るpH緩衝溶液等を用いることができるが、好ましくは水又はアルコール、水とアルコールの混合溶液が用いられる。反応時間は金属イオンの種類、濃度、反応温度により異なり、数分から何日かかかる場合がある。
反応時間を短くするために、加温するか、或いは、補助還元剤を添加することもできる。このような補助還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH)、水素化ジイソブチルアルミニウム ((i−Bu)AlH)、水素化シアノホウ素ナトリウム(NaBHCN)、水素化ホウ素リチウム(LiBH)、水素化トリエチルホウ素リチウム(LiBHEt)、ボラン錯体(BHL)、トリエチルシラン(EtSiH)、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム ((Sodium Bis(2-methoxyethoxy)Aluminium Hydride;Red-Al)、水素化ホウ素ニッケル(Ni(BH))、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム (BaBH(OAc))、水素化ホウ素亜鉛(Zn(BH))などの通常の還元剤が用いられる。
利用できる遷移金属は、21Scから30Znまで、39Yから48Cdまで、57Laから80Hgまで、及び89Ac以上の金属をいう。これらを単品で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよいが、単品を用いることが好ましい。この遷移金属元素は、好ましくは21Scから30Znまで、39Yから48Cdまで、及び57Laから80Hgまでのいずれかであり、より好ましくはマンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、銀、パラジウム、金、又は白金である。そして、水相に加える金属イオンは金属前駆体として、水中で遷移金属イオンとなるような前駆体であればどのような構造のものを用いてもよい。最も簡便であるのは遷移金属の塩であり、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸などの遷移金属塩を用いることができる。
本発明において、金属イオンと両親媒性分子のモル比は水溶液中で攪拌が出来る濃度であればいいが、好ましくは1:0.01〜1:100である。
以下、本発明について、実施例及び比較例を用いて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〈使用した化合物〉
不飽和化合物による還元効果を確認するために、オレイン酸(化合物(1))、オレイルクロリド(化合物(2))、オレイルアミン(化合物(3))、オレイン酸ナトリウム(化合物(4))、ステアロイルクロリド(化合物(5))、グルコース(化合物(6))を用いて試験を行った。さらに、両親媒性分子ではないが様々な不飽和炭化水素の還元効果を試すために、trans-2-ヘキセン-1-オール(化合物(7))、シンナミルアルコール(化合物(8))、ベンジルアルコール(化合物(9))、ジフェニルメタン(化合物(10)、シクロヘキセン(化合物(11))、α-ピネン(化合物(12))、トリエチルシリルアセチレン(化合物(13))を用いて試験を行った。
各化合物の分子構造は下記のとおりである。
〈使用した両親媒性化合物〉
実施例に、以下の結晶性両親媒性化合物である化合物(14)〜(16)を用いた。
・1−アミノグルコピラノシドとオレイン酸がアミド結合により連結した次式で表される化合物

・グルコシドの1−アミノグルコピラノシドとカルダノールが結合により連結した次式で表される化合物
・グリシルグリシンと脂肪酸が結合した次式で表される化合物
比較例では、下記の化合物(17)を用いた。
・化合物(14)と類似な両親媒性化合物で、不飽和のオレイン酸の代わりに飽和のラウリン酸が疎水基である次式で表される化合物。
(実施例1:オレイン酸(化合物(1))を用いたパラジウムナノ粒子の作製)
6mlのフラスコに塩化パラジウム(II)0.0225mmol、オレイン酸0.0225mmolをはかり取り、蒸留水4mlを加えて攪拌した。数分後、黒いパラジウムが水面に浮くことを確認した(図2の上段左から第3番目の写真参照)。この塊は水へ分散出来なかった。
(実施例2:オレイルクロリド(化合物(2))を用いたパラジウムナノ粒子の作製)
6mlのフラスコに塩化パラジウム(II)0.0225mmol、オレイルクロリド0.0225mmolをはかり取り、蒸留水4mlを加えて攪拌した。数分後、黒いパラジウムが水面に浮くことを確認した(図2の上段左から第4番目の写真参照)。この塊は水へ分散出来なかった。
(実施例3:オレイルアミン(化合物(3))を用いたパラジウムナノ粒子の作製)
6mlのフラスコに塩化パラジウム(II)0.0225mmol、オレイルアミン0.0225mmolをはかり取り、蒸留水4mlを加えて攪拌した。数分後、オレイルアミンが硬化してフラスコに付着し、部分的に濃いブラウンのパラジウムの塊が見えた(図2の下段左から第1番目の写真参照)。
(実施例4:オレイン酸ナトリウム(化合物(4))を用いたパラジウムナノ粒子の作製)
6mlのフラスコに塩化パラジウム(II)0.0225mmol、オレイン酸ナトリウム0.0225mmolをはかり取り、蒸留水4mlを加えて攪拌した。数時間後、黒いパラジウムが沈殿することを確認した。水へは旨く分散出来なかった(図2の下段左から第2番目の写真参照)。
(比較例1:ステアロイルクロリド(化合物(5))を用いたパラジウムナノ粒子の作製)
6mlのフラスコに塩化パラジウム(II)0.0225mmol、ステアロイルクロリド0.0225mmolをはかり取り、蒸留水4mlを加えて攪拌した。3日間攪拌後でも反応液はブラウン色のままだった(図2の下段左から第3番目の写真参照)。
(比較例2:グルコース(化合物(6))を用いたパラジウムナノ粒子の作製)
6mlのフラスコに塩化パラジウム(II)0.0225mmol、グルコース0.0225mmolをはかり取り、蒸留水4mlを加えて攪拌した。1日後、溶液の色が濃いブラウンになり、少量の黒いパラジウムの沈殿物が確認できた。一ヶ月後、黒いパラジウムの沈殿物の量の増加はなかった。(図2の下段左から第4番目の写真参照)。
(実施例5:化合物(14)を用いたパラジウムナノ粒子の作製)
10mLのフラスコに塩化パラジウム(II)1mmol、上記化合物(1)1mmolをはかり取り、蒸留水10mLを加えて攪拌した。反応液はブラウンから黒い色に変えた(図2の上段左から第1番目の写真参照)。1日間攪拌後、パラジウムの水分散液が得られた。電子顕微鏡の観察(図5(a)参照)や、XRD測定(図6参照)よりパラジウムの金属ナノ粒子が生成されたことが確認できた。
(実施例6:化合物(15)を用いたパラジウムナノ粒子の作製)
6mLのフラスコに塩化パラジウム(II)0.0225mmol、上記両親媒性化合物(2)0.0225mmolをはかり取り、蒸留水4mLを加えて攪拌した。3日間攪拌後、パラジウムの水分散液が得られた。(図3の上段左から第1番目の写真参照)。
(実施例7:化合物(16)を用いたパラジウムナノ粒子の作製)
6mLのフラスコに塩化パラジウム(II)0.0225mmol、上記両親媒性化合物(3)0.0225mmolをはかり取り、蒸留水4mLを加えて攪拌した。3日間攪拌後、パラジウムの水分散液が得られた。(図3の上段左から第2番目の写真参照)。
(比較例3:飽和脂肪酸由来両親媒性分子(化合物(17))の効果)
6mLのフラスコに塩化パラジウム(II)0.0225mmol、上記両親媒性化合物(4)0.0225mmolをはかり取り、蒸留水4mLを加えて攪拌した。3日間攪拌後でも反応液はブラウン色のままだった(図2の上段左から第2番目の写真参照)。電子顕微鏡の観察や、XRD測定からはパラジウムの何の情報も見つからなかった。
上記の実施例1〜7及び比較例1〜3の結果から明らかなように、不飽和炭化水素は金属イオンを金属に還元させる。特に、両親媒性の化合物(14)を用いた場合(実施例6)、金属イオンから金属への還元と共にナノ粒子の水分散液も得られることができる。それに対して、不飽和脂肪酸や不飽和脂肪族アミンや不飽和脂肪酸石けんは、金属を生成するが、凝集物になり水への分散性が低かった。
また、還元力があるとよく知られているグルコース(化合物(10)、比較例2参照)は、化合物(14)と比べて還元力が著しく低かった。さらに、分散剤として知られている両親媒性化合物でも、飽和脂肪酸から成る両親媒性化合物(17)は還元力がなかった。
(実施例8:trans-2-ヘキセン-1-オール(化合物(7))を用いたパラジウムナノ粒子の作製)
6mLのフラスコに塩化パラジウム(II)0.0225mmol、trans-2-ヘキセン-1-オール0.0225mmolをはかり取り、蒸留水4mLを加えて攪拌した。数分後、溶液の色が黒く変わったし、数時間後、黒いパラジウムが沈殿することを確認した。(図3の上段左から第3番目の写真参照)。
(実施例9:シンナミルアルコール(化合物(8))を用いたパラジウムナノ粒子の作製)
6mLのフラスコに塩化パラジウム(II)0.0225mmol、シンナミルアルコール0.0225mmolをはかり取り、蒸留水4mLを加えて攪拌した。数分後、溶液の色が黒く変わったし、数時間後、黒いパラジウムが沈殿することを確認した。(図3の上段左から第4番目の写真参照)。
(実施例10:ベンジルアルコール(化合物(9))を用いたパラジウムナノ粒子の作製)
6mLのフラスコに塩化パラジウム(II)0.0225mmol、ベンジルアルコール0.0225mmolをはかり取り、蒸留水4mLを加えて攪拌した。数時間後、溶液に黒色のパラジウムの沈殿が確認できた。(図3の下段左から第1番目の写真参照)。
(実施例11:シクロヘキセン(化合物(10))を用いたパラジウムナノ粒子の作製)
6mLのフラスコに塩化パラジウム(II)0.0225mmol、シクロヘキセン0.0225mmolをはかり取り、蒸留水4mLを加えて攪拌した。数時間後、溶液に黒色のパラジウムの沈殿が確認できた。(図3の下段左から第2番目の写真参照)。
(実施例12:ジフェニルメタン(化合物(11))を用いたパラジウムナノ粒子の作製)
6mLのフラスコに塩化パラジウム(II)0.0225mmol、ジフェニルメタン0.0225mmolをはかり取り、蒸留水4mLを加えて攪拌した。1日後、少量の黒色パラジウムの沈殿が確認できた。(図3の下段左から第3番目の写真参照)。
(実施例13:α-ピネン(化合物(12))を用いたパラジウムナノ粒子の作製)
6mLのフラスコに塩化パラジウム(II)0.0225mmol、α-ピネン0.0225mmolをはかり取り、蒸留水4mLを加えて攪拌した。数時間後、溶液に黒色のパラジウムの沈殿が確認できた。(図3の下段左から第4番目の写真参照)。
(実施例14:トリエチルシリルアセチレン(化合物(13))を用いたパラジウムナノ粒子の作製)
6mLのフラスコに塩化パラジウム(II)0.0225mmol、トリエチルシリルアセチレン0.0225mmolをはかり取り、蒸留水4mLを加えて攪拌した。数分後、溶液の色が黒く変わったし、数時間後、黒いパラジウムが沈殿することを確認した。(図3の下段左から第5番目の写真参照)。
上記の実施例8〜14の結果から明らかなように、芳香族や環状の不飽和炭化水素によりも金属イオンが金属に還元される。そして、三重結合を持つ化合物も還元効果を持つことが分かる。しかし、両親媒性分子ではない不飽和炭化水素を用いた場合、生成された金属粒子は水のなかでは分散せず、沈降するので安定な水分散溶液を得ることは混乱である。そして、ほとんどの不飽和炭化水素が還元力を持つが、還元速度は芳香族よりは環状アルケンが、環状アルケンよりは直鎖又は分枝アルケンの方が早い。
(応用例1:オレイン酸(化合物(1))を用いたパラジウムナノ粒子の油分散液の作製)
実施例1で用いたオレイン酸はHLB値が1なので、水分散が出来ず沈降したが、オレイン酸は油分散剤として働けるので、実施例1の水溶液に油相を加えると水相から油相への相転移を起こすことができる。そこで、本応用例では、実施例1の水溶液にシクロヘキサン1mlをはかり取り混合した。混合後、水相に存在した黒いパラジウムがシクロヘキサンの相に移動した(図4の左側の写真参照)。
(応用例2:ベンジルアルコール(化合物(9))を用いたパラジウムナノ粒子の油分散液の作製)
実施例10で用いたベンジルアルコールはHLB値が約5なので、ナノ粒子が水で分散出来ず沈降したが、ベンジルアルコールは油分散剤として働けるので、実施例10の水溶液に油相を加えると水相から油相への相転移を起こすことができる。そこで、本応用例では、実施例10の水溶液にシクロヘキサン1mlをはかり取り混合した。混合後、水相に存在した黒いパラジウムがシクロヘキサンの相に移動した(図4の右側の写真参照)。
上記の応用例1、2の結果から明らかなように、HLB値が小さい両親媒性分子からなる金属ナノ粒子を有機溶媒と混合することで、簡単に有機溶媒の分散液を得ることができる。
(実施例15:パラジウムナノ粒子の作製)
10mLのフラスコに酢酸パラジウム(II)1mmol、上記両親媒性分子(14)1mmolをはかり取り、蒸留水10mLを加えて攪拌した。反応液はブラウンから黒い色に変えた。1日間攪拌後、パラジウムの水分散液が得られた。電子顕微鏡の観察(図5(b)参照)からパラジウムの金属ナノ粒子が生成されたことが確認できた。
(実施例16:パラジウムナノ粒子の作製)
10mLのフラスコに硫酸パラジウム(II)1mmol、上記両親媒性分子(14)1mmolをはかり取り、蒸留水10mLを加えて攪拌した。反応液はブラウンから黒い色に変えた。1日間攪拌後、パラジウムの水分散液が得られた。電子顕微鏡の観察(図5(c)参照)からパラジウムの金属ナノ粒子が生成されたことが確認できた。
(実施例17:銅ナノ粒子の作製)
10mLのフラスコに塩化銅(II)1mmol、上記両親媒性分子(14)1mmolをはかり取り、蒸留水10mLを加えて攪拌した。反応液は薄い青色から少し濃い青色に変えた。3日間攪拌後、銅の水分散液が得られた。電子顕微鏡の観察(図5(d)参照)から銅ナノ粒子が生成されたことが確認できた。
(実施例18:金ナノ粒子の作製)
10mLのフラスコに塩化金(I)1mmol、上記両親媒性分子(14)1mmolをはかり取り、蒸留水10mLを加えて攪拌した。反応液は黄色から紫色に変えた。3日間攪拌後、金の水分散液が得られた。電子顕微鏡の観察(図5(e)参照)より金ナノ粒子が生成されたことが確認できた(図5)。
(実施例19:銀ナノ粒子の作製)
10mLのフラスコに硝酸銀1mmol、上記両親媒性分子(14)1mmolをはかり取り、蒸留水10mLを加えて攪拌した。反応液は無色から淡いグレイ色に変えた。3日間攪拌後、銀の水分散液が得られた。電子顕微鏡の観察(図5(f)参照)より銀ナノ粒子が生成されたことが確認できた。
(実施例20:白金ナノ粒子の作製)
10mLのフラスコに塩化第一白金酸カリウム1mmol、上記両親媒性分子(14)1mmolをはかり取り、蒸留水10mLを加えて攪拌した。反応液は不透明なオレンジ色から透明なレッドブラウン色に変えた。3日間攪拌後、白金の水分散液が得られた。電子顕微鏡の観察(図5(g)参照)より白金ナノ粒子が生成されたことが確認できた。
(実施例21:ニッケルナノ粒子の作製)
10mLのフラスコに塩化ニッケル(II)1mmol、上記両親媒性分子(14)1mmolをはかり取り、蒸留水10mLを加えて攪拌した。反応液は最初の薄青色が少し濃く変えた。3日間攪拌後、ニッケルの水分散液が得られた。電子顕微鏡の観察(図5(h)参照)よりロジウムナノ粒子が生成されたことが確認できた。
(実施例22:ロジウムナノ粒子の作製)
10mLのフラスコに塩化ロジウム(III)1mmol、上記両親媒性分子(14)1mmolをはかり取り、蒸留水10mLを加えて攪拌した。反応液は赤色からレッドオレンジ色に変えた。3日間攪拌後、ロジウムの水分散液が得られた。電子顕微鏡の観察(図5(i)参照)よりロジウムナノ粒子が生成されたことが確認できた。

Claims (12)

  1. 炭素−炭素原子間に不飽和結合を有する化合物を、遷移金属塩の水溶液に混合することにより、金属ナノ粒子を得ることを特徴とする金属ナノ粒子の製造方法。
  2. 前記の不飽和結合を有する化合物が、分子中に二重結合又は三重結合を1つ以上含有することを特徴とする請求項1に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
  3. 前記の不飽和結合を有する化合物が、直鎖状アルキル基、分枝状アルキル基、環状アルキル基又は芳香環を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
  4. 前記の不飽和結合を有する化合物が、炭素数が6〜25の脂肪酸、脂肪酸塩、脂肪酸クロリド又は脂肪酸アミンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
  5. 前記の不飽和結合を有する化合物が、分子中に親水基を持つ両親媒性化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
  6. 前記両親媒性化合物の親水部と疎水部のバランス(HLB値)が8〜19である、請求項4に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
  7. 前記両親媒性化合物が、炭素数が6〜25のアルキル基を有することを特徴とする請求項5又は6に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
  8. 前記両親媒性化合物が、自己集合化して中空繊維状有機ナノチューブを製造する化合物であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
  9. 前記両親媒性化合物が、下記の一般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれることを特徴とする請求項9に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
    (式中、G1は糖残基を表し、R1は炭素数6〜25の不飽和炭化水素基を表す。)
    2−NHCO−R2 (2)
    (式中、Gは糖のアノマー炭素原子に結合するヘミアセタール水酸基を除いた糖残基を表し、R2は炭素数が10〜25の不飽和炭化水素基を表す。)
    3CO(NHCHCO)OH (3)
    (式中、R3は炭素数6〜18の不飽和炭化水素基、mは1〜3の整数を表す。)
  10. 請求項8又は9に記載の製造方法において、金属ナノ粒子の製造後、用いた両親媒性化合物を極性溶媒に溶かし、得られた溶液から再度自己集合化を行い、両親媒性化合物を回収、再利用することを特徴とする金属ナノ粒子の製造方法。
  11. 請求項5〜9のいずれか1項に記載の製造方法において、HLB値が8〜19である両親媒性化合物を用いることにより、製造された金属ナノ粒子を水に分散させることを特徴とする、金属ナノ粒子の水分散液の製造方法。
  12. 請求項5に記載の製造方法において、HLB値が1〜8未満である両親媒性化合物を用いることにより、製造された金属ナノ粒子を有機溶剤に分散させることを特徴とする、金属ナノ粒子の油分散液の製造方法。
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