JP2012047855A - 多層光配線用光入出力構造 - Google Patents

多層光配線用光入出力構造 Download PDF

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雅夫 木下
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Abstract

【課題】各層に対応した光結合構造を個別に設けたり、1つの光結合構造から各層へ光を分岐する光回路を別途設けたりする必要がなく、しかも、各層の回折格子において、それぞれ位相の揃った光を照射・回折させることで、効率の良い光結合を実現する多層光配線用光入出力構造を提供すること。
【解決手段】基板に垂直方向X1から入射する光ビーム10を基板面内方向に回折させる複数の回折格子結合器1−1、1−2が、基板の厚み方向X1に対して多段に積層されており、複数の回折格子結合器1−1、1−2によって回折された光を、各々の層光回路へと導く複数の光導波路を備え、隣り合う層の光回路における回折格子結合器の光路長1−1、1−2が、nλ/2(λは、前記隣り合う層の内、上層の光回路に導く光の真空中の波長、nは、自然数)に相当する多層光配線用光入出力構造。
【選択図】図1

Description

本発明は、微細な光導波路を有する平面光回路と、光ファイバなどの外部光学系との間での光入出力を実現する光入出力インターフェース構造に関し、特に多層の光回路にも対応可能な、面型の多層光配線用光入出力構造に関する。
LSIなどの半導体チップの内部或いはチップ間でのデータ通信を光で行う光配線が検討されている。
そのようなチップ内或いはチップ間光通信においては、チップの内外での光信号の受け渡しが必要となる。
このようなチップ内の光回路では微細な光導波路が使用されるため、チップ外の光ファイバなどとの光結合には通常高精度の位置合わせが必要となる。
そのため、比較的位置合わせ精度を緩和できる回折格子を用いた面型の光結合構造が提案されている(特許文献1、非特許文献1、非特許文献2、及び、図6を参照)。
これらの構造のものは、図6に示すように、光結合効率を向上させるために入射光26の入射側と反対側に反射器23を設け、回折格子21を透過した光を反射させて、この反射光を回折格子21と再結合させている。
なお、図6は、非特許文献1に開示される回折格子を用いた光結合構造を示しており、図6の符号22は、光ファイバを示し、図6の符号24は、光導波路を示し、図6の符号25は、集積回路を示している。
しかしながら、チップの高性能化や高速化に伴い、回路はより複雑化・高密度化してきており、光配線層も電気配線と同様に多層化の道を辿るものと考えられるが、そのような多層化された光配線層を構成する各層の光導波路に効果的に光を導く方法は未だ提案されていない。
US2004/0156589
F. V. Laere et al., IEEE J. lightwave Technol. 25, 151 (2007) B. Analui et al., IEEE J. Solid-State Circuits 41, 2945 (2006)
微細な光導波路を有する光回路へ、外部の光ファイバなどから光信号の入出力を行う回折格子結合型光入出力構造を用いて、多層化された光回路の各層の光導波路に光の入出力を行うためには、各層に対応した光入出力構造を個別に設けたり、また、1つの光入出力構造から、各層へ光を分配する光分波回路を別途設けたりする必要があるなどの課題があった。
そこで本発明においては、多層化された回折格子結合型光入出力構造により、同時に複数層の光導波路への光入出力を行える光入出力構造を提案しているが、各層の光回路間の距離を何ら制御することなく、単に複数の回折格子結合器を積層した場合には、上方より入射する光の位相と、下方の回折格子結合器で反射され、下方から入射する反射光の位相がランダムとなり、場合によっては逆位相で互いに打ち消しあい、導波路に導かれる光の強度が弱まるという課題があった。
また、多層化された回折格子結合器の下方には、光結合効率を高めるために反射器が設けられているが、回折格子結合器と反射器との距離を何らの制御することなく、単に複数の回折格子結合器を積層した場合、一の回折格子の上方より入射する光の位相と、下方の反射器により反射され下方から入射する反射光の位相がランダムとなり、場合によっては逆位相で互いに打ち消しあい、導波路に導かれる光の強度が弱まるという課題があった。
さらにまた、各層の回折格子結合器のライン部とスペース部の位置関係に何ら工夫を施すことなく、単に複数の回折格子結合器を積層した場合、複数層の回折格子結合器を入射光が通過していく間に波面が乱れて、下層の回折格子結合器においては理想的な動作が得られずに、回折によって効果的に光信号を導波路に導くことが難しくなる。
また最下部の反射器に入射光が到達する頃には、波面が完全に乱れてしまい、効果的な反射光が得られず、各層回折格子結合器はの下方からの反射光を殆ど利用することができず、高い結合効率が得られないという課題があった。
そこで本発明は、それら従来の問題を解決するものであって、すなわち本発明の目的は、各層の光回路に対応した光入出力構造を個別に設けたり、1つの光入出力構造から各層の光回路へ光を分配する光分波器を別途設けたりする必要がなく、しかも、各層の光回路に結合する光の強度を、各層の光回路間の距離を制御することにより、また、各層の回折格子結合器と反射器との距離を制御することにより、更には層の回折格子結合器のライン部とスペース部の位置関係を制御することによって下層に向かう入射光の波面の乱れを抑制することで、各層の回折格子結合器において効果的に入射光を光回路に導くことができ、それぞれの層の光導波路に効率良く光を分配して導くことができる多層光配線構造を提供することである。
さらにまた、単純に同じ回折格子結合器を多層積層するだけの多層光配線用光入出力構造においては、入射光は回折格子結合器を上層から下層へと通過するたびに光結合によって光出力が減少していくため、下層の回折格子結合器によって取り出される光出力は小さくなっていく。
そこで本発明では、各層の光回路に分配する光量を、光回路の位置の上層下層に関わらずに自由に設定できるような構造も提供することにある。
さらにまた、単純に同じ周期の回折格子結合器を多層積層するだけの多層光配線用光入出力構造においては、回折される光の波長はどの層においても同じであるから、層ごとに別々の光信号をやり取りすることはできない。
そこで本発明では、各層の光回路に分配する光信号を、層ごとに異なる信号をやり取りできるような構造も提供することにある。
本発明の多層光配線用光入出力構造は、基板に垂直方向から入射する光ビームを基板面内方向に回折させる複数の回折格子結合器が、基板の厚み方向に対して多段に積層されており、前記複数の回折格子結合器によって回折された光を、各々の層光回路へと導く複数の光導波路を備え、隣り合う層の光回路における回折格子結合器の光路長が、nλ/2(λは、前記隣り合う層の内、上層の光回路に導く光の真空中の波長、nは、自然数)に相当することにより、前述した課題を解決したものである。
本発明の多層光配線用光入出力構造は、基板に垂直方向から入射する光ビームを基板面内方向に回折させる複数の回折格子結合器が、基板の厚み方向に対して多段に積層されており、前記複数の回折格子結合器によって回折された光を、各々の層光回路へと導く複数の光導波路と、前記複数の回折格子結合器の最下部に配置され、前記複数の回折格子結合器を透過した入射光を反射し、前記複数の回折格子結合器の内の少なくとも1つに入射光を再結合させる反射器を備え、前記反射器と前記再結合させる回折格子結合器との間の光路長が、(n+1/2)λ/2(λは、前記再結合させる回折格子の光回路に導く光の真空中の波長、nは、自然数)に相当することにより、前述した課題を解決したものである。
本発明の多層光配線用光入出力構造は、基板に垂直方向から入射する光ビームを基板面内方向に回折させる複数の回折格子結合器が、基板の厚み方向に対して多段に積層されており、前記複数の回折格子結合器によって回折された光を、各々の層光回路へと導く複数の光導波路を備え、前記複数の回折格子結合器の内、回折格子の周期が同じ回折格子結合器が少なくとも2つ以上あり、前記同一周期の複数の回折格子のライン部の位置とスペース部の位置関係が、上下の層間でずれていることにより、前述した課題を解決したものである。
本発明の多層光配線用光入出力構造は、前記同一周期の複数の回折格子のライン部の位置とスペース部の位置関係が、上下の層間で、前記光の入射方向から見て互いに重ならないように少しずつずらして配置されていることにより、前述した課題を解決したものである。
本発明の多層光配線用光入出力構造は、前記同一周期の複数の回折格子結合器のライン部とスペース部の幅を、回折周期を一定に保ちながら各層間で変化を持たせることにより、各層の光導波路に結合する光の量を制御することにより、前述した課題を解決したものである。
本発明の多層光配線用光入出力構造は、前記同一周期の各回折格子結合器における回折格子のライン幅は、より上層の回折格子のライン幅の方が、より下層の回折格子のライン幅より狭いことにより、前述した課題を解決したものである。
本発明の多層光配線用光入出力構造は、基板に垂直方向から入射する光ビームを基板面内方向に回折させる複数の回折格子結合器が、基板の厚み方向に対して多段に積層されており、前記複数の回折格子結合器によって回折された光を、各々の層光回路へと導く複数の光導波路を備え、前記複数の回折格子結合器の回折格子の周期を各層間で異ならせることにより、異なる波長の光を用いて、回折格子の周期に対応する波長帯の光のみを回折させることによって、各層の光回路の間で独立に光信号の入出力を行うことができることにより、前述した課題を解決したものである。
本発明の多層光配線用光入出力構造によれば、上層の回折格子結合器の下に、下層の回折格子結合器を配置することで、上層の回折格子結合器を透過した光を下層の回折格子結合器で受けることができるので、1つの光ファイバからの光を上下に配置された多層の光回路に同時に入出射させることができる。
また、隣り合う層の光回路における回折格子結合器の光路長を、nλ/2(λは、前記隣り合う層の内、上層の光回路に導く光の真空中の波長、nは、自然数)に相当するように設定することにより、一の回折格子結合器の上方より入射する光の位相と、下方の回折格子結合器により反射され下方から入射する光との位相を合わせることにより、高効率で光入出射が可能となる。
また、反射器と再結合させる回折格子結合器との間の光路長を、(n+1/2)λ/2(λは、前記再結合させる回折格子の光回路に導く光の真空中の波長、nは、自然数)に相当するように設定することにより、回折格子結合器の上方より入射する光の位相と、下方の反射器により反射され下方から入射する光との位相を合わせることにより、高効率で光入出射が可能となる。
また、複数の回折格子結合器のライン部のスペース部の位置関係をずらして設定することにより、下層に届く入射光の波面の乱れを抑制することができ、下層の回折格子結合器においても十分な回折効率を得ることができる。
また、複数の回折格子のライン部の位置をピッチ方向に調整することで、一の回折格子結合器により回折された回折光の位相と、他の回折格子結合器により回折された回折光との間で位相の調整を図ることができる。
また、同一周期の複数の回折格子結合器のライン部とスペース部の幅を、回折周期を一定に保ちながら各層間で変化を持たせることにより、各層の光導波路に結合する光の量を制御することができる。
また、より上層の回折格子のライン幅の方がより下層の回折格子のライン幅より狭くなるように設定することにより、上層の回折格子結合器の回折効率を下げるとともに、上層の回折格子結合器の回折効率を上げることが可能であるため、上層の回折光と下層の回折光の強さを均等にすることができ、垂直方向から入射された光を上層の光回路と下層の光回路とに均等に分配することができる。
また、複数の回折格子結合器の回折格子の周期を各層間で異なるものとすることにより、異なる波長を含む入射光に対して、各層の回折格子結合器の周期に対応する波長の光のみを回折させることによって、各層の光回路の間で独立に光信号の入出力を行うことができる。
従って、波長多重化された入射光を用いれば、各層の光回路間で独立に光信号のやり取りができる。
本発明の第1実施例としての多層光配線用光入出力構造の概略図である。 本発明の第2実施例としての多層光配線用光入出力構造の概略図である。 上層と下層の回折格子結合器の結合光量を異ならせた第2実施例の変形例を示す概略図である。 本発明の第3実施例としての多層光配線用光入出力構造の概略図である。 異なる波長の光を用いて、回折格子の周期に対応する波長帯の光のみを回折させる本発明の変形例を示す概略図である。 従来の光結合構造を示す概略図である。
以下に、本発明の多層光配線用光入出力構造について、図面に基づいて好適な実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施例としての多層光配線用光入出力構造の概略図である。
本発明の第1実施例である多層光配線用光入出力構造は、二層の光配線用の光入出力構造であり、図1に示すように、光回路面に対して垂直方向(入射方向)X1から照射された入射光(光ビーム)10を回折する回折格子結合器1−1、及び、回折格子結合器1−1で回折した回折光11−1を導くコア2−1からなる上層の光回路と、回折格子結合器1−1の下部に配置されて回折格子結合器1−1を透過した入射光10を回折する回折格子結合器1−2、及び、回折格子結合器1−2で回折した回折光11−2を導くコア2−2からなる下層の光回路と、回折格子結合器1−1、1−2及びコア2−1、2−2の周囲を覆うクラッド3と、回折格子結合器1−1及び1−2を透過した入射光10を反射する反射器4とを備えている。
ベースとなる光導波路としては、コア2−1、2−2及びクラッド3共に、SiO2からなるシリカ系光導波路であってもよく、コア2−1、2−2がSi、クラッド3がSiO2からなるシリコン系光導波路であっても構わない。
当然シリコン系光導波路の場合は、動作波長はSiによる光の吸収の無い波長1μm以上に限られる。
各回折格子結合器1−1、1−2は、図1に示すように、所定ピッチPで並列する複数のライン部1−1a、1−2aと、ライン部1−1a、1−2a間に位置する複数のスペース部1−1b、1−2bとから構成されている。
一般に、回折格子結合器1−1、1−2のライン部1−1a、1−2aは、光導波路のコア2−1、2−2と同じ屈折率の高い材料で形成され、回折格子結合器1−1、1−2のスペース部1−1b、1−2bは、光導波路のクラッド3と同じ屈折率の低い材料で形成されている。
なお、本発明で言うところのピッチ(格子ピッチ)Pとは、図1等に示すように、回折格子結合器1−1、1−2のライン部1−1a、1−2aのピッチ方向X2における中央位置から、当該ライン部1−1a、1−2aにピッチ方向X2に隣接するライン部1−1a、1−2aのピッチ方向X2における中央位置までの寸法を意味している。
また、回折格子結合器1−1、1−2に入射する光の一部は、回折格子結合器1−1、1−2と結合せずに透過して出てくるが、屈折率の高いライン部1−1a、1−2aよりも、屈折率の低いスペース部1−1b、1−2bのほうがスリットのように通過しやすいため、スペース部1−1b、1−2bからより多くの光量が透過して出てくる。
また、スペース部1−1b、1−2bを透過した光と、ライン部1−1a、1−2aを透過した光では、屈折率の違いにより位相差を生じ、波面が乱れることがある。
本実施例では、図1に示すように、回折格子結合器1−1の複数のライン部1−1a間におけるピッチPと、回折格子結合器1−2の複数のライン部1−2a間におけるピッチPとは、同じ寸法で設定されている。
また、回折格子結合器1−1のライン部1−1aのピッチ方向X2におけるライン幅W1と、回折格子結合器1−2のライン部1−2aのピッチ方向X2におけるライン幅W2とは、同じ寸法で設定されている。
また、ライン幅W1及びライン幅W2は、ピッチPの半分の寸法で設定されている。
そして、回折格子結合器1−1のライン部1−1aのピッチ方向(光導波路の長手方向)X2における位置と、回折格子結合器1−2のライン部1−2aのピッチ方向X2における位置とは、図1に示すように、ピッチ方向X2にピッチPの半分の長さ分だけ互いにずらして配置され、すなわち、回折格子結合器1−1のライン部1−1aと回折格子結合器1−2のライン部1−2aとは、入射方向X1に互いに重ならないように配置されている。
そのため、回折格子結合器1−1のスペース部1−1bを透過した入射光10は、回折格子結合器1−2のライン部1−2aで強く結合できるので、光を効率的に利用することができる。
また、図1に示すように、回折格子結合器1−1のライン部1−1aを透過した光は、回折格子結合器1−2ではスペース部1−2bを通り、回折格子結合器1−1のスペース部1−1bを透過した光は、回折格子結合器1−2ではライン部1−2aを通る。
そのため、回折格子結合器1−1と回折格子結合器1−2を透過した光は、屈折率の違いにより生じる位相差を打消し合い、波面が揃うため、反射器4により反射されて回折格子結合器1−2に再度結合する際には、波面が揃うことになる。
また、回折格子結合器1−1を透過した入射光10の一部は、回折格子結合器1−2で反射されて回折格子結合器1−1に戻るが、同様に、屈折率の違いにより生じる位相差を打消し合い、波面が揃うため、回折格子結合器1−1に再結合する際には、波面が揃うことになる。
ここで、回折格子結合器1−1と回折格子結合器1−2との光路長L1を、nλ/2(λは、隣り合う層の内、上層の光回路に導く光の真空中の波長、nは、自然数)に相当するように設定することで、入射光10の一部が、回折格子結合器1−1を透過し、回折格子結合器1−2で反射されて回折格子結合器1−1に再結合する際には、波面が揃うだけでなく、入射光10と同相となるので、入射光10が最初に回折格子結合器1−1で回折された回折光と、回折格子結合器1−1に再結合した回折光とは強め合う。
また、ここで、回折格子結合器1−2と反射器4との光路長L2を、(n+1/2)λ/2(λは、再結合させる回折格子の光回路に導く光の真空中の波長、nは、自然数)に相当するように設定することで、入射光10の一部が、回折格子結合器1−1及び回折格子結合器1−2を透過し、反射器4で反射され回折格子結合器1−2で再結合する際には、波面が揃うだけでなく、入射光10の一部が回折格子結合器1−2に最初に入射する際と同相となるので、入射光10の一部が最初に回折格子結合器1−2で回折された回折光と、回折格子結合器1−2に再結合した回折光とは強め合う。
また、上記例では、回折格子結合器1−1、1−2のスペース部1−1b、1−2bは、完全にコア2−1、2−2の材質がない状態としたが、ライン部1−1a、1−2aより厚みの薄い状態としても良く、その場合も、同様に光学的距離で考えればよいことは明らかである。
以上の構成により、上層の回折格子結合器1−1と下層の回折格子結合器1−2のライン部1−1a、1−2aの幅が回折格子周期の半分で、また、互いのライン部1−1a、1−2aの位置関係が、回折格子周期の半分だけずれて配置されている場合には、垂直方向X1から入射された光を上層の光回路と下層の光回路とで、効果的に利用できるような光入出力構造を提供できる。
また、上層の回折格子結合器1−1を透過し下層の回折格子結合器1−2で反射された光や、上層の回折格子結合器1−1及び下層の回折格子結合器1−2を透過し反射器4で反射された光の波面が揃うだけでなく、また、回折格子結合器1−1、1−2と再結合する際の回折光と、最初の回折光とが同相となり、出力を強めることができるので、効率的な光入出力構造を提供できる。
尚、上層の回折格子結合器1−1のライン部1−1aとスペース部1−1bの位置と、下層にある回折格子結合器1−2のライン部1−2aとスペース部1−2bの位置により、各々の層の光導波路に導く光波の位相関係が決まるため、互いの位置関係を任意にずらすことにより、各々の層の光導波路に導く光波の位相関係を任意に調整することができる。
従って、ある入射光10に対して、上層にある回折格子結合器1−1によって回折されて光導波路に導かれた光と、下層にある回折格子結合器1−2によって回折されて光導波路に導かれた光との位相関係を、同相にすることも、逆相にすることも、或いはπ/2だけずらすことも、各層間での回折格子結合器1−1、1−2のライン部1−1a、1−2aとスペース部1−1b、1−2bの位置関係によって自由に制御できる。
従って、各層の光を最終的に合波して1本の光導波路に導くような場合は、同相になるようにずらせばよい。
また、1つの場所で上下の光回路に光を供給できるので、小さな光入出力構造を提供でき、コネクタなども安価にできる。
また、上記説明では、入力側の光入出力構造として説明したが、出力側の光入出力構造として使用してもなんら問題はなく、同様に効率的な出力を得ることができる。
つぎに、本発明の第2実施例である多層光配線用光入出力構造について、図2に基づいて説明する。
ここで、本発明の第2実施例である多層光配線用光入出力構造の回折格子結合器の具体的設計や回折格子結合器間の配置関係など以外の構成は、前述した第1実施例の多層光配線用光入出力構造と全く同じであるため、第1実施例の多層光配線用光入出力構造との間の相違点のみを説明する。
第2実施例の多層光配線用光入出力構造は、図2に示すように、図1に示す第1実施例の多層光配線用光入出力構造とほぼ同様の構成であるが、上層の回折格子結合器1−1のライン幅W1に比べて、下層の回折格子結合器1−2のライン幅W2を広くしている。
この場合も、ライン幅W1とライン幅W2の和を図1の例と同様に回折格子結合器1−1、1−2のピッチPと等しくしているため、上層の回折格子結合器1−1のライン部1−1aのピッチ方向X2における中央位置と、下層の回折格子結合器1−2のライン部1−2aのピッチ方向X2における中央位置とを、ピッチPの半分の寸法だけピッチ方向X2にずらすことで、上層の回折格子結合器1−1のライン部1−1aと下層の回折格子結合器1−2のライン部1−2aの位置が、入射方向X1に重ならないようになっている。
下層の回折格子結合器1−2では、上層の回折格子結合器1−1で回折しきれずに透過した光を利用しているため、上層の回折格子結合器1−1の回折効率と下層の回折格子結合器1−2の回折効率を同じにすると、上層での回折光11−1のほうが、下層の回折光11−2に比べ大きくなる。
そこで、上層の回折格子結合器1−1のライン幅W1と下層の回折格子結合器1−2のライン幅W2を調節して、それぞれの回折格子結合器の回折効率を変えることにより、図2に示すように、上層と下層の回折格子結合器1−1、1−2の結合光量を等しくすることもできるし、図3に示すように、敢えて異なるようにする、すなわち、下層の回折格子結合器1−2の結合光量を上層の回折格子結合器1−1の結合光量より大きくすることもできる。
例えば、図2に示すように、上層の回折格子結合器1−1のライン幅W1を狭くして回折効率を下げ、反対に下層の回折格子結合器1−2のライン幅W2を広くして回折効率を高くすることで、上層の回折光11−1と下層の回折光11−2の強さを均等にすることもできるので、多層光配線の利用がしやすくなる。
以上の構成により、上層の回折格子結合器1−1のライン幅W1と下層の回折格子結合器1−2のライン幅W2を調節して、上層の回折格子結合器1−1と下層の回折格子結合器1−2の結合光量を等しくすることもできるし、敢えて異なるようにすることもできる。
例えば、上層の回折格子結合器1−1のライン幅W1に比べ、下層の回折格子結合器1−2のライン幅W2を広くして回折効率を高めることができるので、図1に示す第1実施例の多層光配線用光入出力構造の効果に加えて、垂直方向X1から入射された光を上層の光回路と下層の光回路とに均等に分配することができる多層光配線用光入出力構造を提供できる。
つぎに、本発明の第3実施例である多層光配線用光入出力構造について、図4に基づいて説明する。
ここで、本発明の第3実施例である多層光配線用光入出力構造の回折格子結合器の設置数や回折格子結合器の具体的設計や回折格子結合器間の配置関係など以外の構成は、前述した第1実施例の多層光配線用光入出力構造と全く同じであるため、第1実施例の多層光配線用光入出力構造との間の相違点のみを説明する。
図4に示す第3実施例の多層光配線用光入出力構造は、三層の光配線用の光結合構造であり、上層の光回路、中層の光回路、下層の光回路に光を導く3つの回折格子結合器1−1、1−2、1−3を有し、これら回折格子結合器1−1、1−2、1−3のライン部1−1a、1−2a、1−3aの各ライン幅W1、W2、W3の合計は、図1及び図2に示す実施例と同様に、回折格子結合器1−1、1−2、1−3のピッチPと同等である。
また、各層の回折格子結合器1−1、1−2、1−3のライン幅W1、W2、W3を上層から下層に向かって順次広くすると共に、各ライン部1−1a、1−2a、1−3aのピッチ方向X2の位置を、ピッチ方向X2にずらすことにより、上層、中層、下層の各ライン部1−1a、1−2a、1−3aの位置が入射方向X1に重ならないようになっている。
したがって、入射光10を、各回折格子結合器1−1、1−2、1−3によって、それぞれのコア2−1、2−2、2−3に、均等の強さの回折光11−1、11−2、11−3として効率的に分配することができる。
上記の第3実施例では、三層の光配線としたが、各ライン幅の関係と各ラインのピッチ方向の位置を同様に設定すれば、更なる多層の光配線にも適用が可能となる。
以上の構成により、上層の回折格子結合器1−1(1−2)のライン幅W1(W2)に比べ、より下層の回折格子結合器1−2(1−3)のライン幅W2(W3)を順次広くしていくと共に、各ライン部1−1a、1−2a、1−3aのピッチ方向X2の位置が入射方向X1に重ならないように順次ずらしているので、垂直方向X1から入射された入射光10を各光配線層に効率的に、また、均等の光量を分配することができる多層光配線用光入出力構造を提供できる。
なお、上述した図1乃至図4に示す実施例の説明に於いて、光は単一波長として説明したが、図5に示すように、複数の波長を用いて、それぞれの波長に対応した回折格子周期を有する複数の回折格子結合器1−1、1−2、1−3を組み合わせることにより、異なる波長10−1、10−2、10−3を含み波長多重化された入射光10を、その波長に対応する異なる層の光回路に、異なる波長の回折光11−1、11−2、11−3として導くような多層光配線用光入出力構造も実現できる。
また、複数の波長の回折格子結合器を用いる場合には、互いのライン部やスペース部の影響を極力抑えるために、回折格子結合器の向きを変えて、回折方向を変えることは有効な手段である。
特に、2つの波長を用いる場合には、互いの回折格子結合器の向きを直交させて回折方向を90度異なる方向にするのは、有効な手段である。
特に、2つの波長の差が少ない場合には、互いの回折格子結合器の向きを直交させて回折方向を90度異なる方向にすることは、必須の条件ともなる。
1−1、1−2、1−3 ・・・ 回折格子結合器
1−1a、1−2a、1−3a ・・・ ライン部
1−1b、1−2b、1−3b ・・・ スペース部
2−1、2−2、2−3 ・・・ コア
3 ・・・ クラッド
4 ・・・ 反射器
10 ・・・ 入射光
11−1、11−2、11−3 ・・・ 回折光
W1、W2、W3 ・・・ ライン幅
L1、L2、L3 ・・・ 光路長
X1 ・・・ 入射方向(垂直方向、基板の厚み方向)
X2 ・・・ ピッチ方向(光導波路の長手方向)

Claims (7)

  1. 基板に垂直方向から入射する光ビームを基板面内方向に回折させる複数の回折格子結合器が、基板の厚み方向に対して多段に積層されており、前記複数の回折格子結合器によって回折された光を、各々の層光回路へと導く複数の光導波路を備え、
    隣り合う層の光回路における回折格子結合器の光路長が、nλ/2(λは、前記隣り合う層の内、上層の光回路に導く光の真空中の波長、nは、自然数)に相当することを特徴とする多層光配線用光入出力構造。
  2. 基板に垂直方向から入射する光ビームを基板面内方向に回折させる複数の回折格子結合器が、基板の厚み方向に対して多段に積層されており、前記複数の回折格子結合器によって回折された光を、各々の層光回路へと導く複数の光導波路と、前記複数の回折格子結合器の最下部に配置され、前記複数の回折格子結合器を透過した入射光を反射し、前記複数の回折格子結合器の内の少なくとも1つに入射光を再結合させる反射器を備え、
    前記反射器と前記再結合させる回折格子結合器との間の光路長が、(n+1/2)λ/2(λは、前記再結合させる回折格子の光回路に導く光の真空中の波長、nは、自然数)に相当することを特徴とする多層光配線用光入出力構造。
  3. 基板に垂直方向から入射する光ビームを基板面内方向に回折させる複数の回折格子結合器が、基板の厚み方向に対して多段に積層されており、前記複数の回折格子結合器によって回折された光を、各々の層光回路へと導く複数の光導波路を備え、
    前記複数の回折格子結合器の内、回折格子の周期が同じ回折格子結合器が少なくとも2つ以上あり、前記同一周期の複数の回折格子のライン部の位置とスペース部の位置関係が、上下の層間でずれていることを特徴とする多層光配線用光入出力構造。
  4. 前記同一周期の複数の回折格子のライン部の位置とスペース部の位置関係が、上下の層間で、前記光の入射方向から見て互いに重ならないように少しずつずらして配置されていることを特徴とする請求項3に記載の多層光配線用光入出力構造。
  5. 前記同一周期の複数の回折格子結合器のライン部とスペース部の幅を、回折周期を一定に保ちながら各層間で変化を持たせることにより、各層の光導波路に結合する光の量を制御することを特徴とする請求項3に記載の多層光配線用光入出力構造。
  6. 前記同一周期の各回折格子結合器における回折格子のライン幅は、より上層の回折格子のライン幅の方が、より下層の回折格子のライン幅より狭いことを特徴とする講求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の多層光配線用光入出力構造。
  7. 基板に垂直方向から入射する光ビームを基板面内方向に回折させる複数の回折格子結合器が、基板の厚み方向に対して多段に積層されており、前記複数の回折格子結合器によって回折された光を、各々の層光回路へと導く複数の光導波路を備え、前記複数の回折格子結合器の回折格子の周期を各層間で異ならせることにより、異なる波長の光を用いて、回折格子の周期に対応する波長帯の光のみを回折させることによって、各層の光回路の間で独立に光信号の入出力を行うことができることを特徴とする多層光配線用光入出力構造。
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