JP2012046848A - 微細繊維状セルロースの製造方法 - Google Patents

微細繊維状セルロースの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】セルロース繊維を機械的に解繊することによって、繊維幅が2〜1000nmの微細繊維状セルロースを容易に得ることができる微細繊維状セルロースの製造方法を提供する。
【解決手段】木材チップを木粉化し、それを化学処理した後、微細化処理を経て最大繊維幅1000nm以下の微細繊維状セルロースを製造する方法において、化学処理工程に供せられる木粉の形状を、粒度・形状分布測定における個数での累積が50%となる点において、長径が10〜40μm、短径が5〜20μmとなるよう処理した後、脱脂処理、脱リグニン処理、脱ヘミセルロース処理の順に化学処理を行い、かつ脱リグニン処理が温度70〜99℃、pHが3を超え7以下で処理することを特徴とする微細繊維状セルロースの製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、最大繊維幅1000nm以下の微細繊維状セルロースを収率高く製造するための方法を提供することを目的とする。
近年、物質をナノメートルサイズの大きさにすることによりバルクや分子レベルとは異なる物性を得ることを目的としたナノテクノロジーが注目されている。一方で、石油資源の代替および環境意識の高まりから再生産可能な天然繊維の応用にも注目が集まっている。
天然繊維の中でもセルロース繊維、とりわけ木材由来のセルロース繊維(パルプ)は主に紙製品として幅広く使用されている。紙に使用されるセルロース繊維の幅は10〜50μmのものがほとんどである。このようなセルロース繊維から得られる紙(シート)は不透明であり、不透明であるが故に印刷用紙として幅広く利用されている。一方、セルロース繊維をレファイナーやニーダー、サンドグラインダーなどで処理(叩解、粉砕)し、セルロース繊維を微細化すると透明紙(グラシン紙等)が得られる。しかし、この透明紙の透明性は半透明レベルであり、光の透過性は高分子フィルムに比べると低く、曇り度合い(ヘーズ値)も大きい。
また、セルロース繊維は弾性率が高く、熱膨張率の低いセルロース結晶の集合体であり、セルロース繊維を樹脂と複合化することによって寸法安定性が高まるため、積層板などに利用されている。ただし、通常のセルロース繊維は結晶部分と非晶部分との集合体であり、筒状の空隙のある繊維のため寸法安定性には限界がある。
セルロース繊維を種々な方法で処理し、その繊維幅を50nm以下とした微細繊維状セルロースの水分散液は透明である。一方、微細繊維状セルロースシートは空隙を含むため白く乱反射し、不透明性が高くなるが、微細繊維状セルロースシートに樹脂を含浸すると空隙が埋まるため、透明なシートが得られる。微細繊維状セルロースシートの繊維は非常に剛直で、また、繊維幅が狭いため、通常のセルロースシート(紙)に比べると同質量において繊維の本数が飛躍的に多くなり、樹脂と複合化すると樹脂中で細い繊維がより均一かつ緻密に分散し、耐熱寸法安定性や強度が飛躍的に向上する。さらに、繊維が細いため透明性も高い。このような特性を有する微細繊維状セルロースの複合体は、有機ELや液晶ディスプレイ用のフレキシブル透明基板(曲げたり折ったりすることのできる透明基板)として非常に大きな期待が寄せられている。
ただし、微細繊維状セルロースを用いて樹脂で複合化し、透明基板が得られても、実際のデバイス化工程では、数回の加熱処理が必須である。加熱処理をすると、微細繊維状セルロースに残留する微量のリグニン、ヘミセルロースあるいはセルロースの還元末端基あるいは抽出成分が反応することによって着色するという問題があり、その指標としてYI値(Yellowing Index)が定められている。該着色を防止するために、予め微細繊維状セルロースを製造する工程で、残留する微量のリグニン、ヘミセルロースあるいはセルロースの還元末端基あるいは抽出成分を限りなく除去するか、またはそれらが少ない原料を選ぶことが、製造上求められている。
木材内部においてセルロースは層構造となって、さらにリグニンやヘミセルロースといった成分と化学的に結合しているため、機械的な粉砕処理のみでは、樹脂と複合し、数時間の加熱処理を経た最終製品でのYI値が低く、かつ最大繊維幅1000nm以下の微細繊維状セルロースを得ることが困難となる。化学的あるいは生物学的処理と機械的粉砕処理とを組合せた方法が一般に使用されている。
化学処理の中で、セルロースやヘミセルロースをバインダーとして束ねているリグニンを除去する方法は、脱リグニン処理として知られており、例えば、特許文献1には、木材チップを常温で希苛性ソーダに浸漬させた後、希硝酸中でリグニンを選択的に部分酸化して変性し、希苛性ソーダ水溶液を用いて大気圧下で蒸解してパルプを製造する技術が開示されている。しかし、この方法は、高収率でパルプを製造しリグニンを回収する技術であり、微細繊維状セルロース用に供するとの記載はない。
パルプを軽度に加水分解し、濾過水洗後、乾燥、粉砕して一部非晶領域を含むセルロース微粒子の製造方法や精製パルプを塩酸または硫酸で加水分解して結晶領域のみを残して微粉化する技術(非特許文献1)も開示されている。しかしながら、塩酸や硫酸処理は、セルロースの非晶部分の加水分解が目的であり、脱リグニン処理を目的にしたものではない。さらに、微細化のレベルは充分ではなく、得られた微細繊維状セルロースの水系懸濁液の透明性も不十分である。
微細繊維状セルロースを得ることを目的にして、パルプなどの繊維状セルロースを酵素処理、酸処理、アルカリ処理、膨潤薬品処理を組み合わせて前処理した後、振動ミル粉砕機にて湿式粉砕する技術も開示されている(特許文献2)。しかし、これらの化学処理は、湿式粉砕処理の前処理を目的としたもので、処理条件の記載がなく、さらに、得られた微細繊維状セルロースの繊維幅が数十ミクロンであり、微細化のレベルが充分でない。
パルプやリンターなどを水中で含浸させ100〜150℃で処理し、叩解した後、微細化する方法(特許文献3)が開示されており、微細化段での負荷の低減のほかにリグニンやヘミセルロースの除去にも効果があるとしているが、対象がパルプであり、リグニンを多く含む木粉の脱リグニン処理ではなく、温度も高く、pHの記載もない。
パルプやリンターなどをpH8〜11、温度4〜40℃で2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシル(以後、TEMPOと略す。)と、共酸化剤として過酸化水素あるいは過有機酸などと一緒に処理する方法(特許文献4)が開示されているが、これはセルロースへのカルボキシル基の導入による繊維の分離が目的であり、リグニンの除去を目的にしているものではない。
更に、特許文献5には、無機酸を用い、pH2〜6、30〜120℃、時間も80℃で1.5〜6時間処理したパルプをTEMPO酸化する方法が開示されている。しかしながら、この酸処理は、該文献の〔0014〕段に記載されているようにTEMPO酸化の効率を上げるため、重金属の除去を目的としたものである。すなわち、本願発明のような木粉中のリグニンを除去する技術ではなく、木粉への応用について示唆もない。
繊維束を有するリグノセルロース物質からリグニンを除去するため次亜塩素酸ソーダで処理し、さらにペクチン処理のため蓚酸ソーダで処理し、その後、苛性ソーダで脱ヘミセルロース処理する方法(特許文献6)が開示されている。この方法は、該明細書の〔0033〕段に記載のように、常圧処理であることが利点であるが、この方法では実施例に記載のようなケナフなどの非木材繊維には好適であるが、木粉のようなリグニンを多く含む原材料の脱リグニン処理には適しておらず、さらに、脱リグニン工程での温度やpH条件の記載がない。
一方、木粉を原料として、それを脱脂処理し、亜塩素酸ナトリウムと酢酸で脱リグニン処理し、洗浄、脱ヘミセルロース処理した後、微細化処理して微細繊維状セルロースを製造する方法が提案されている(特許文献7)。しかしながら、どのような粒径あるいは形状の木粉が良いのかとの記載はない。
上記のように、繊維状セルロースを微細化する技術が種々開示されているが、工業的なレベルで収率の高い微細繊維状セルロースを得る方法、すなわち化学処理後、微細化処理を行う微細繊維状セルロースの製造方法において、セルロースの劣化を抑え、比較的マイルドな条件で脱リグニン処理を行なう際に、いかなる形状の木粉を用いるべきかの指針およびそのような木粉を製造する方法の提供が望まれている。
山口章「セルロースの微粉化・ミクロフィブリル化」紙パルプ技術タイムス28巻9号5頁以下(1985年)
特開2009−167554号公報 特開平6−10288号公報 特開2010−115574号公報 特開2008−1728号公報 特開2009−243014号公報 特許第4306373号公報 特開2008−24788号公報
本発明の目的は、最大繊維幅1000nm以下の微細繊維状セルロースを簡便な方法で、しかもセルロースの劣化の少ない方法で収率を高く製造するための微細繊維状セルロースの製造方法を提供することである。
特許文献には、原料となる木粉の形状と木粉の脱リグニンとの関係を記載あるいは特定したものはない。この点について、本願発明者らは、多角的に検討したところ、木粉の脱リグニンの方法としてどのような条件を採用するかによって、木粉の最適な形状が異なることを知得した。
すなわち、化学処理の工程において、100℃以下の温度、pHが3を超え7以下の条件で脱リグニン処理をすると、pH3以下での処理に比べて、セルロース鎖の加水分解は抑制されるものの、脱リグニン性はやや劣るという欠点を有している。そこで、該条件下で種々の形状の木粉について検討し、木粉の形状(長径、短径、アスペクト比)を特定の範囲に制御すれば、それらの問題が解決できることがわかり、本発明を完成させるに至った。
本発明は、以下の各発明を包含する。
(1)木材チップを木粉化し、それを化学処理した後、微細化処理を経て最大繊維幅1000nm以下の微細繊維状セルロースを製造する方法であって、化学処理工程に供せられる木粉の形状を粒度・形状分布測定における個数での累積が50%となる点において、長径が10〜40μm、短径が5〜20μmとなるよう処理した後、脱脂処理、脱リグニン処理、脱ヘミセルロース処理の順に化学処理を行い、かつ脱リグニン処理が温度70〜99℃、pHが3を超え7以下で処理する微細繊維状セルロースの製造方法。
(2)前記木粉のアスペクト比が1〜3となるように処理する(1)に記載の微細繊維状セルロースの製造方法。
(3)木材チップを粗粉砕し、その後分級することなく、粉砕媒体を用いない衝撃方式で微粉砕した木粉を前記化学処理に供する(1)または(2)に記載の微細繊維状セルロースの製造方法。
(4)前記木粉の製造に用いられる木材チップの含水率が7%以下である(1)〜(3)のいずれか1項に記載の微細繊維状セルロースの製造方法。
(5)前記脱リグニン処理において、無水酢酸と過酸化水素、酢酸と過酸化水素と触媒量の硫酸、あるいは亜塩素酸と酢酸の組み合わせの中から選択される少なくとも1種類を用いる(1)〜(4)のいずれか1項に記載の微細繊維状セルロースの製造方法。
本発明は、比較的マイルドな条件でも微細繊維状セルロースを効率的に製造することができる方法を提供するものである。
すなわち、木粉を化学処理、微細化処理して微細繊維状セルロースを高収率に得る方法において、木粉の形状を高温・低pHの酸性条件の場合よりも小さく、しかも長細くすることで、100℃を超えない温度でも酸性条件の場合と同程度に脱リグニン反応が効果的に進行し、セルロースとリグニンとの結合が弱められ、それによって、微細なフィブリル間、さらには結晶領域を構成するミクロフィブリル間の結合力が低下して、後続の機械的処理によりパルプを容易に微細化できるため収率が高くなるものと考えられる。しかも、この条件では木粉中のセルロース分子は加水分解を受けことが少なくなるため、劣化の少ない微細繊維状セルロースが得られる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明においては、セルロース繊維を微細化するに当たり、繊維原料として植物由来のセルロース、動物由来のセルロース、バクテリア由来のセルロース等が挙げられ、中でも、入手し易く、安価である木材系原料を木粉化して使用する。該木粉としては針葉樹(国産のベイマツ、エゾマツ、トドマツ、アカマツ、カラマツ等、外国産のブラックスプルース、ホワイトスプルース、ダグラスファー、ウェスターンヘムロック、サウザーンパイン、ジャックパイン等)の木粉、広葉樹(国産のドノノキ、シナノキ、セン、ポプラ、カバ等、外国産のアスペン、コットンウッド、ブラックウィロー、イエローポプラ、イエローバーチ、ユーカリ等)の木粉などが挙げられ、なかでもベイマツやユーカリが好ましい。特にユーカリの植林木由来の原料は、材の均一性が高いので好ましい実施態様である。
本発明において使用可能である植林木由来のユーカリはグロブラス、グランディス、カマルドレンシス、ペリータ、サリグナ、ダニアイ、ナイテンス、カマルドレンシスとユーロフィラとのハイブリッド等から選択される少なくとも1種の材が挙げられる。
本発明において用いられる木材チップは、通常パルプ製造に用いられる、例えばベイマツまたはユーカリチップを含水率が7%以下になるように天日干しあるいは強制的に乾燥機で乾燥させた後、粉砕処理工程でチップを粉砕し、木粉を製造する。チップの粒径分布には特に限定はないが、厚みは2mm〜8mmのものが、木粉化しやすいので好適に使用される。チップの含水率が7%を超えると、最終的に得られる微細繊維状セルロースの結晶化度が大幅に低下するので、好ましくない。
本発明における木粉製造においては、粗粉砕機にはシュレッダー、カッターミルなどのせん断式粉砕機、ジュークラッシャーやコーンクラッシャーなどの圧縮式粉砕機、インパクトクラッシャーなどの衝撃式粉砕機、あるいはロールミル、スタンプミル、エッジランナー、ロッドミルなどの中砕機の中から、最終の用途やコストの点から適宜選択することができる。ここでは、特に粒径・形状を整える必要はなく、したがってスクリーンを用いることなく粉砕しても、問題はない。
粗粉砕後、分級することなく該木粉を微粉砕処理するが、微粉砕処理には自生粉砕機、竪型ローラーミル、高速回転ミル、分級機内蔵型高速回転ミル、容器駆動媒体ミル、媒体攪拌式ミル、気流式粉砕機、圧密せん断ミルおよびコロイドミルなどがあるが、SUS製などからなるボールやロッドなどの媒体を用いないで粉体化する衝撃方式が好ましく、中でも槙野製作所(株)製のDDミルを使用することが好ましい。DDミルでは、一次の微粉砕および二次の微粉砕での適切なスクリーン径を選択して、粉砕時間を変えることで各種形状の木粉を得ることができるが、通常0.8mmφから1.2mmφの径のスクリーンが好適に用いられる。粉砕機出のところでサンプリングを行ない、本発明で特定する範囲内の粒径・形状に入っていない場合には、さらに細かなスクリーン径を選択することによって滞留時間を長くして対処することが必要である。また、微粉砕処理を二段で行なっても構わない。それでも所望の粒径・形状が得られない場合には、スクリーンあるいは篩い分けを行い、粗い成分あるいは細かすぎる成分を除去しても構わない。
本発明における木粉の形状(粒度分布)は、上記のように粉砕時間や木粉濃度、媒体の種類(材質、形状、大きさ)などの粉砕条件を適宜変更することで調製できるが、該木粉の形状は粒度・形状分布測定装置(セイシン企業社製:商品名「PITA−1」)を用い、水を分散媒として木粉の長径、短径、アスペクト比(=長径/短径)及びその個数を計測する。
本発明において用いられる木粉の粒度分布は、個数での累積が50%となる点において、長径が10〜40μm、より好ましく17〜35μmであり、短径が5〜20μm、より好ましくは10〜15μmである。長径および短径がこれよりも大きい場合には、pHが3以下の酸性水溶液ほど脱リグニン性が高くないので、脱リグニン反応が進まず、そのため収率の低下が大きくなる。逆に長径および短径がこれよりも小さい場合には、脱リグニン反応は進むが、同時にセルロースの加水分解も進むので、セルロース分子の重合度の低下により粘度や強度も低下してしまう。
また、長径と短径の比で表されるアスペクト比は1〜3となるように処理することが好ましく、より好ましくは1.5〜2.1である。このアスペクト比についでも、上記と同様なことが言えるので、適切な範囲が存在する。
本発明においては微細繊維状セルロースを得るためには、上記木粉を少なくとも脱脂工程、脱リグニン工程、脱ヘミセルロース工程を経て処理する必要がある。
本発明において該脱脂工程では、炭酸塩、アルコール、アルコール−ベンゼンの1:2混合溶液であるアルベン、ベンゼン、脂肪酸のトリグリセリドを分解する酵素であるリパーゼなどを適宜用いることができ、常温で、攪拌しながら、あるいは高温高圧で処理する方法等が挙げられるが、薬剤としては安価で、かつ有機溶媒ではなく、さらに圧力容器を用いないで簡便に使用でき、しかも脱脂効率が高いという理由で炭酸ナトリウムを用いる方法が好ましい。
脱脂工程における炭酸ナトリウムは水溶液として使用するが、水溶液の炭酸ナトリウムの濃度は0.1質量%〜10質量%が好ましい。炭酸ナトリウムの濃度が0.1質量%未満であると脱脂効率が低下して好ましくない。一方、濃度が10質量%を超えると脱脂効果が飽和し、経済的にも必要性に乏しい。
木粉100質量部に対する炭酸ナトリウム水溶液の添加量(固形分)は、1質量部〜10質量部が好ましい。添加量が1質量部未満になると生産性が低下し、好ましくない。10質量部を超えると脱脂効率が低下し、好ましくない。
温度は40℃〜99℃が好ましく、40℃未満になると脱脂効率が極端に悪くなり、好ましくない。一方、100℃を超えると微細繊維化が困難となり、好ましくない。
脱リグニン工程において用いる脱リグニン溶液としては、無水酢酸と過酸化水素による過酢酸溶液、酢酸と過酸化水素と触媒量の硫酸による過酢酸溶液(平衡過酢酸溶液)、あるいは亜塩素酸と酢酸 (Wise法溶液)のうちのいずれか1種類を用いて行なうことが好ましい。中でも無水過酢酸と過酸化水素を用いる系は、過酢酸の生成が早いので、実機の処理では好適に使用される。亜塩素酸と酢酸を用いる場合には、反応途中での塩素の発生や排水中に有機塩素化合物が排出されるので、それらに対する対策が必要であり、実機への適用には、安全性を配慮する必要がある。
脱脂された木粉に対する脱リグニン溶液の割合は0.1%〜50%が好ましい。木粉を処理する際の温度は70℃以上、99℃以下が好ましく、85℃〜98℃がさらに好ましく、90℃〜95℃が特に好ましい。温度が70℃未満であると脱リグニン処理の効率が低下し、色が着いた状態となり、好ましくない。一方、99℃を超えると微細繊維化が困難となり、好ましくない。
本発明において、脱リグニン溶液のpHは3を超え7以下にする必要があるが、該条件を満足させるために、上記の脱リグニン溶液にアルカリ金属塩あるいはアルカリ土類金属塩の中から少なくとも一種類の塩基性の水溶液を加えても構わない。特に前記平衡過酢酸を使用する場合には、触媒量の硫酸により反応pHが3以下になる場合があるので、注意が必要である。使用する具体的な塩基性薬品としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムあるいは炭酸カリウムは比較的容易に用いることができるので、好ましい。pHが3以下であると脱リグニン反応が進むと同時に、セルロースの劣化が進むので、好ましくない。逆にpHが7以上であると脱リグニン反応の効率が低下するので、好ましくない。
本発明においては脱リグニン処理の後に、脱ヘミセルロース処理を行なうが、この処理ではアルカリを使用するので、脱リグニンされたフラグメントを除去するにも都合がよい。脱ヘミセルロース化する方法としては、アルカリ金属の水酸化物の水溶液を用いて、室温で一晩浸漬処理したり、該水溶液中で攪拌しながら高温で短時間処理したり、該水溶液中に圧力下で攪拌しながら高温高圧下で処理する方法などが挙げられる。用いる薬品としては安価で、常温常圧で使用でき、しかも脱ヘミセルロースの効率が高いという理由で水酸化カリウムが最も好ましい。
水酸化カリウム溶液の濃度は1質量%〜20質量%が好ましい。濃度が1質量%未満であると脱ヘミセルロース反応の効率が低下して、好ましくない。一方、濃度が20質量%を超えると、セルロースがマーセル化してしまい、その結果、微細繊維状セルロースの収率が低下して、好ましくない。脱リグニン処理された木粉に対する水酸化カリウム溶液の添加率は、1質量%〜10質量%が好ましい。添加率が1質量%未満になると生産性が低下し、好ましくない。10質量%を超えると脱脂効率が低下し、好ましくない。
水酸化カリウム水溶液の温度は1℃〜40℃が好ましく、4℃〜36℃がさらに好ましく、8℃〜32℃が特に好ましい。温度が1℃未満になると脱ヘミセルロースの効率が悪くなり、好ましくない。温度が40℃を超えると微細繊維化しにくくなるので、好ましくない。
上記脱ヘミセルロース処理した木粉は水に分散され、水性懸濁液として微細化処理に供される。該水性懸濁液の濃度としては0.1質量%〜7質量%であることが好ましく、0.3〜5質量%であることがより好ましい。濃度が0.1質量%未満であると生産性が低下して、好ましくない。一方、濃度が7質量%を超えると、粉砕処理中に粘度が上昇し過ぎ、取扱いが非常に困難になるおそれがある。
本発明において、繊維状セルロースの微細化方法には特に制限はないが、高速解繊機、グラインダー(石臼型粉砕機)、高圧ホモジナイザーや超高圧ホモジナイザー、高圧衝突型粉砕機、ボールミル、ディスク型リファイナー、コニカルリファイナー、二軸混錬機(二軸押出機)、振動ミル、高速回転下でのホモミキサー、超音波分散機、ビーターなどの機械的作用を利用する湿式粉砕でセルロース系繊維を細くする方法が好ましい。なかでも、高速解繊機、石臼粉砕、高圧ホモジナイザー、あるいはボールミル処理は微細な繊維が効率的に得られるため、特に好ましい。また、TEMPO酸化、オゾン処理、酵素処理などの化学的処理を施してから微細化してもかまわない。
本発明により得られる微細繊維状セルロースは、通常製紙用途で用いるパルプ繊維よりもはるかに細いセルロース繊維あるいは棒状粒子である。微細繊維状セルロースは結晶部分を含むセルロース分子の集合体であり、その結晶構造はI型(平行鎖)である。微細繊維状セルロースの幅は電子顕微鏡で観察して1nm〜1000nmが好ましく、より好ましくは2nm〜500nm、さらに好ましくは4nm〜100nmである。繊維の幅が1nm未満であると、セルロース分子として水に溶解しているため、微細繊維としての物性(強度や剛性、寸法安定性)が発現しなくなる。1000nmを超えると微細繊維とは言えず、通常のパルプに含まれる繊維にすぎないため、微細繊維としての物性(強度や剛性、寸法安定性)が得られない。特に、微細繊維状セルロースに透明性が求められる用途であると、微細繊維の幅は、50nm以下が好ましい。これらの微細繊維状セルロースに高分子樹脂を配合して得られる複合材料は密度が高く、緻密な構造体となるために強度が高く、セルロース結晶に由来した高い弾性率が得られることに加え、可視光の散乱が少ないため高い透明性も得られる。
ここで、微細繊維状セルロースがI型結晶構造をとっていることは、グラファイトで単色化したCuKα(λ=1.5418Å)を用いた広角X線回折写真より得られる回折プロファイルにおいて、2θ=14〜17°付近と2θ=22〜23°付近の2箇所の位置に典型的なピークをもつことから同定することができる。また、微細繊維状セルロースの電子顕微鏡観察による繊維幅の測定は以下のようにして行う。濃度0.05〜0.1質量%の微細繊維状セルロースの水系懸濁液を調製し、該懸濁液を親水化処理したカーボン膜被覆グリッド上にキャストしてTEM観察用試料とする。幅の広い繊維を含む場合には、ガラス上にキャストした表面のSEM像を観察してもよい。構成する繊維の幅に応じて5000倍、10000倍あるいは50000倍のいずれかの倍率で電子顕微鏡画像による観察を行う。この際、得られた画像内に縦横任意の画像幅の軸を想定した場合に少なくとも軸に対し、20本以上の繊維が軸と交差するような試料および観察条件(倍率等)とする。この条件を満足する観察画像に対し、1枚の画像当たり縦横2本ずつの無作為な軸を引き、軸に交錯する繊維の繊維幅を目視で読み取っていく。こうして最低3枚の重なっていない表面部分の画像を電子顕微鏡で観察し、各々2つの軸の交錯する繊維の繊維幅の値を読み取る(最低20本×2×3=120本の繊維幅)。
微細繊維の繊維長は1μm〜1000μmが好ましく、5μm〜800μmがさらに好ましく、10μm〜600μmが特に好ましい。繊維長が1μm未満になると、微細繊維シートを形成し難くなる。1000μmを超えると微細繊維のスラリー粘度が非常に高くなり、扱いづらくなる。
繊維長は、TEMやSEM、AFMの画像解析より求めることができる。本発明で言う繊維長は、繊維の30%以上を占める繊維長である。
本発明による微細繊維の軸比は100〜10000の範囲であることが好ましい。軸比が100未満であると微細繊維シートを形成し難くなるおそれがある。また、幅が太くなり、微細繊維の特徴が発現しなくなるおそれがある。軸比が10000を超えるとスラリー粘度が高くなり、好ましくない。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、例中の部及び%は特に断らない限り、それぞれ質量部及び質量%を示す。
<実施例1>
〔チップの処理〕
パルプの製造に供するベイマツチップを、チップ厚み分級装置で、厚みが8mmパスで2mmオン分のチップに分級した後、天日でチップの含水率(水分量/水分を含むチップ全量の質量)を約7%に調節し、木粉化の試料とした。
〔木粉化処理(粗粉砕と微粉砕)〕
上記チップを、槙野産業社製の粗粉砕機(ハンマークラッシャー:「HC−400」)を用いて、粗粉砕した。それを分級することなく、槙野産業社製のDDミル(スクリーン 0.8mmφ、DD−3型)で一次微粉砕した後、さらにDDミル(スクリーン 0.2mmφ、DD−3型)で二次微粉砕し、所定の粒径・形状になるように粉砕した。
〔木粉の形状の測定〕
室温で0.02〜0.03gの上記木粉を蒸留水20mlに懸濁させた後、(株)セイシン企業製の粒度・形状分布測定器である商品名:「PITA−1」を用いて、CCDカメラで、一試料で5000本の画像を取り込み(所要時間15〜30分)、個数での累積が50%となる点において、長径、短径およびアスペクト比を求めた。
〔脱脂処理〕
前記木粉(BD30g)を2%炭酸ナトリウム水溶液中で攪拌しながら90℃で5時間処理した。処理後の木粉を10倍量の蒸留水で洗浄し、ブフナーで脱水した後、蒸留水を加えて濃度を調整した。
〔脱リグニン処理〕
脱脂処理した木粉を1.8Lの水に懸濁させ、攪拌しながら2.4mLの酢酸を加え、続いて12gの亜塩素酸ナトリウムを加え、80℃、1時間処理した。その時のpHは4.0であった。この操作を5回繰り返して反応させた後、処理後の木粉を約10倍量の蒸留水で洗浄し、ブフナーで脱水した後、蒸留水を加えて濃度を調整した。
〔脱ヘミセルロース処理〕
スラリー状の脱リグニン処理した木粉(BD30g)に5%水酸化カリウム水溶液を用いて、室温で24時間浸漬し処理した。10倍量の蒸留水で洗浄し、ブフナーで脱水し、蒸留水を加えて0.5%のパルプ懸濁液を作製した。
〔微細化処理と収率測定〕
上記の懸濁液を、高速解繊機(エムテクニック社製「クレアミックス」)で21,500回転、30分間解繊し(微細化処理)、微細繊維状セルロース水系懸濁液を得、この上澄み液濃度を測定した。得られた微細繊維状セルロース懸濁液について遠心分離機(コクサン社製「H−200NR」)を用いて約12,000Gで10分間処理し、上澄み液濃度を測定し、以下のような計算から収率を求めた。
収率(%)=(遠心分離後の上澄み液の濃度)÷(微細化処理後のスラリー濃度)×100
遠心分離して得た上澄み液中の繊維を電子顕微鏡で観察し、繊維幅を測定した。さらに遠心分離して得られた上澄み液を孔径0.45μmのメンブレンフィルター上で吸引ろ過し、80g/mのシートを作製した。その結果を表1に示す。
〔サンプルの粘度から重合度の測定〕
シートの一部から0.04g程度サンプルを採取し、105℃で充分乾燥させた後秤量し、水を加えて懸濁させる。その後、銅エチレンジアミンを用いるTAPPI T230om−99に準じて粘度を測定し、それを重合度に換算した。
<実施例2>
脱リグニン工程で、無水酢酸と30%過酸化水素を液量として1:1に混合して調整し、この脱リグニン溶液を、脱脂処理後の木粉(BD30g)に対して過酸化水素当量で4.5%に相当する1.5Lを加え、90℃で1時間処理した以外は、実施例1と同様の方法で行なった。その結果を表1に示す。
<実施例3>
脱リグニン工程で、市販の平衡過酢酸(酢酸と過酸化水素を混合し、触媒量の硫酸を添加)を、脱脂処理後の原料(BD30g)に対して過酸化水素当量で4.5%に相当する脱リグニン溶液を1.5Lを加え、90℃で1時間処理した以外は、実施例1と同様の方法で行なった。その結果を表1に示す。
<実施例4>
材種としては樹齢8年の植林木ユーカリ(含水率6.5%)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で行なった。その結果を表1に示す。
<実施例5>
材種としては樹齢8年の植林木ユーカリを用いた以外は、実施例2と同様の方法で行なった。その結果を表1に示す。
<比較例1>
ベイマツ木粉の形状が、長径が60μm、短径が15μm、アスペクト比が4.0以外は、実施例1と同様にして微細繊維状セルロース水系懸濁液を得た。その結果を表1に示す。
<比較例2>
含水率が30%の樹齢8年の植林木ユーカリを、中央化工機社製のCDミルで木粉化した以外は、実施例2と同様にして、微細繊維状セルロース水系懸濁液を得た。その結果を表1に示す。
<比較例3>
脱リグニン工程で、硫酸を加えてpHを1.5として行なった以外は、実施例3と同様にして微細繊維状セルロース水系懸濁液を得た。その結果を表1に示す。
<比較例4>
樹齢8年の植林木ユーカリを用いて、脱リグニン処理の温度を120℃で行なった以外は、実施例5と同様にして、微細繊維状セルロース水系懸濁液を得た。その結果を表1に示す。
Figure 2012046848
表1から明らかなように、ベイマツまたはユーカリの木粉の形状が最適範囲になるように、含水率と微粉砕機を選択することによって、その後の70℃から99℃の温度で、かつpHが3を超え7以下の条件で脱リグニン処理を含む化学処理を行なった後、微細化処理を経ることによって、最大繊維幅は1000nm以下で、微細化処理工程での収率が80%以上の微細繊維状セルロースが、二つの異なる材種の差異にかかわらず得られ、また重合度も高く、セルロースの劣化が少ないことがわかる。一方、両材種ともに、木粉の形状が特許請求の範囲を外れると、この系での収率が低下し、重合度も低下することがわかる。
本発明により、微細化処理工程での収率が高く、最大繊維幅1000nm以下の微細繊維状セルロースを簡便な方法により効率的に製造することが可能となる。この微細繊維状セルロースに高分子樹脂を含浸させることにより、透明な複合材料が得られ、有機ELや液晶ディスプレイ用のフレキシブル透明基板として有用である。

Claims (5)

  1. 木材チップを木粉化し、それを化学処理した後、微細化処理を経て最大繊維幅1000nm以下の微細繊維状セルロースを製造する方法であって、化学処理工程に供せられる木粉の形状を、粒度・形状分布測定における個数での累積が50%となる点において、長径が10〜40μm、短径が5〜20μmとなるよう処理した後、脱脂処理、脱リグニン処理、脱ヘミセルロース処理の順に化学処理を行い、かつ脱リグニン処理が温度70〜99℃、pHが3を超え7以下で処理することを特徴とする微細繊維状セルロースの製造方法。
  2. 前記木粉のアスペクト比が1〜3となるように処理することを特徴とする請求項1に記載の微細繊維状セルロースの製造方法。
  3. 木材チップを粗粉砕し、その後分級することなく、砕粉砕媒体を用いない衝撃方式で微粉砕した木粉を前記化学処理に供することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の微細繊維状セルロースの製造方法。
  4. 前記木粉の製造に用いられる木材チップの含水率が7%以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の微細繊維状セルロースの製造方法。
  5. 前記脱リグニン処理において、無水酢酸と過酸化水素、酢酸と過酸化水素と触媒量の硫酸、あるいは亜塩素酸と酢酸の組み合わせの中から選択される少なくとも1種類を用いることを特徴する請求項1〜4のいずれか1項に記載の微細繊維状セルロースの製造方法。
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