JP2012046325A - エレベータ乗りかごの振動制御装置及び振動制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】エレベータ乗りかごに発生した低周波上下振動を、簡単で安価な構成により効果的に減衰させる。
【解決手段】エレベータ乗りかごの振動制御装置によれば、エレベータ乗りかご2に取付けられてこのエレベータ乗りかご2に対して上下振動することによりこのエレベータ乗りかご2に発生した低周波上下振動を吸収する動吸振器9と、動吸振器9のエレベータ乗りかご2に対する上下振動を規制する状態と上下振動を許容する状態とに切替え可能なストッパ機構13とを有し、エレベータ乗りかご2が停止し、及び、かご扉17が開放され、及び、エレベータ乗りかご2に低周波上下振動が発生した場合には、動吸振器9のエレベータ乗りかご2に対する上下振動を許容する状態にストッパ機構13を切り替える。
【選択図】図1
【解決手段】エレベータ乗りかごの振動制御装置によれば、エレベータ乗りかご2に取付けられてこのエレベータ乗りかご2に対して上下振動することによりこのエレベータ乗りかご2に発生した低周波上下振動を吸収する動吸振器9と、動吸振器9のエレベータ乗りかご2に対する上下振動を規制する状態と上下振動を許容する状態とに切替え可能なストッパ機構13とを有し、エレベータ乗りかご2が停止し、及び、かご扉17が開放され、及び、エレベータ乗りかご2に低周波上下振動が発生した場合には、動吸振器9のエレベータ乗りかご2に対する上下振動を許容する状態にストッパ機構13を切り替える。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、エレベータ乗りかごの振動制御装置及び振動制御方法に関する。
エレベータ昇降路内を昇降するエレベータ乗りかごの案内装置としては、エレベータ昇降路の内周部に沿って上下方向に設けられたガイドレールと、エレベータ乗りかごに設けられてガイドレールにスライド可能にガイドするローラとを備えたものが一般的である。このような案内装置を用いたエレベータは、ガイドレールとローラとの間の摩擦力が小さいため、エレベータ利用者がエレベータ乗りかごに乗り降りする際にエレベータ乗りかごが加振され、エレベータ乗りかごに低周波上下振動が発生しやすい。エレベータ乗りかごに発生した低周波上下振動は、ガイドレールとローラとの間の摩擦力が小さいために減衰しにくく、エレベータ乗りかご内のエレベータ利用者に対して不快感を与える。
このようなことから、エレベータ乗りかごに発生した低周波上下振動の減衰を促進させるようにした発明の一例として、下記特許文献1に記載されたものが知られている。
特許文献1に記載された発明では、エレベータ乗りかごの下部に上下動する動吸振体を取付け、エレベータ乗りかごに低周波上下振動が発生した場合にはアクチュエータを駆動させて動吸振体を上下動させ、発生した低周波上下振動を減衰させている。
しかし、このような発明では、動吸振体を上下動させるアクチュエータや、アクチュエータを駆動させるためのセンサ等の機構が必要であり、エレベータ乗りかごの振動制御装置が複雑になるとともにコストが高くなっている。
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的は、エレベータ乗りかごに発生した低周波上下振動を簡単で安価な構成により効果的に減衰させることである。
実施形態のエレベータ乗りかごの振動制御装置は、エレベータ乗りかごに取付けられてこのエレベータ乗りかごに対して上下振動することによりこのエレベータ乗りかごに発生した低周波上下振動を吸収する動吸振器と、前記エレベータ乗りかごに対する前記動吸振器の上下振動を規制する状態と上下振動を許容する状態とに切替え可能なストッパ機構と、前記エレベータ乗りかごが停止していることを検出する乗りかご停止検出部と、前記エレベータ乗りかごのかご扉が開放されていることを検出するかご扉開放検出部と、前記エレベータ乗りかごに低周波上下振動が発生していることを検出する低周波上下振動検出部とを有す。さらに、前記エレベータ乗りかごが停止し、及び、前記かご扉が開放され、及び、前記エレベータ乗りかごに低周波上下振動が発生した場合に、前記エレベータ乗りかごに対して前記動吸振器の上下振動を許容する状態に前記ストッパ機構を切り替える切替制御部を備える。
実施形態のエレベータの乗りかごの振動制御方法は、エレベータ乗りかごが停止していることを検出する工程と、前記エレベータ乗りかごのかご扉が開放されていることを検出する工程と、前記エレベータ乗りかごに低周波上下振動が発生していることを検出する工程とを備える。さらに、前記エレベータ乗りかごが停止し、及び、前記かご扉が開放され、及び、前記エレベータ乗りかごに低周波上下振動が発生している場合に、前記エレベータ乗りかごに取付けられている動吸振器を前記エレベータ乗りかごに対して上下振動可能とすることにより前記エレベータ乗りかごに発生している低周波上下振動を吸収する工程を備える。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を図1ないし図3に基づいて説明する。図1に示すように、エレベータ1は、エレベータ昇降路(図示せず)内に配置されたエレベータ乗りかご2と釣合い錘3とを備え、これらのエレベータ乗りかご2と釣合い錘3とがメインロープ4を介して連結されている。エレベータ昇降路の上部には機械室(図示せず)が設けられ、機械室内には、巻上機5と、巻上機5に連結されて回転駆動されるメインシーブ6と、そらせシーブ7とが設けられている。これらのメインシーブ6とそらせシーブ7とには、メインロープ4が巻き掛けられている。
本発明の第1の実施の形態を図1ないし図3に基づいて説明する。図1に示すように、エレベータ1は、エレベータ昇降路(図示せず)内に配置されたエレベータ乗りかご2と釣合い錘3とを備え、これらのエレベータ乗りかご2と釣合い錘3とがメインロープ4を介して連結されている。エレベータ昇降路の上部には機械室(図示せず)が設けられ、機械室内には、巻上機5と、巻上機5に連結されて回転駆動されるメインシーブ6と、そらせシーブ7とが設けられている。これらのメインシーブ6とそらせシーブ7とには、メインロープ4が巻き掛けられている。
エレベータ乗りかご2の下部には、かご防振装置8と動吸振器9とが設けられている。動吸振器9は、エレベータ乗りかご2に対して上下振動することによりエレベータ乗りかご2に発生した低周波上下振動を吸収して減衰させる機能を有し、上下方向に伸縮可能なバネ10と、バネ10に並設された減衰器11と、錘12とにより構成されている。バネ10と減衰器11とは、上端側がエレベータ乗りかご2の下部に連結され、下端側が錘12に連結されている。
また、エレベータ乗りかご2と錘12との間には、ストッパ機構13が設けられている。ストッパ機構13は、エレベータ乗りかご2に対する動吸振器9の上下振動を規制する状態と、エレベータ乗りかご2に対する動吸振器9の上下振動を許容する状態とに切替え可能に設けられている。エレベータ乗りかご2が昇降動作等している場合には、ストッパ機構13はエレベータ乗りかご2に対する動吸振器9の上下振動を規制する状態に切替えられている。一方、後述するようにエレベータ乗りかご2に発生した低周波上下振動を吸
収して減衰させる場合に、ストッパ機構13はエレベータ乗りかご2に対する動吸振器9の上下振動を許容する状態に切替えられる。ストッパ機構13がエレベータ乗りかご2に対する動吸振器9の上下振動を規制する状態に切替えられている場合には、動吸振器9はエレベータ乗りかご2に対して上下振動せず、エレベータ乗りかご2と動吸振器9とは同じ間隔を維持して一体に昇降する。
収して減衰させる場合に、ストッパ機構13はエレベータ乗りかご2に対する動吸振器9の上下振動を許容する状態に切替えられる。ストッパ機構13がエレベータ乗りかご2に対する動吸振器9の上下振動を規制する状態に切替えられている場合には、動吸振器9はエレベータ乗りかご2に対して上下振動せず、エレベータ乗りかご2と動吸振器9とは同じ間隔を維持して一体に昇降する。
さらに、エレベータ1には、乗りかご停止検出部14と、かご扉開放検出部15と、低周波上下振動検出部である加速度検出部16とが設けられている。
乗りかご停止検出部14は、エレベータ乗りかご2が各階床のエレベータ乗り場等で停止していることを検出する検出部であり、例えば、メインシーブ6の回転を検出する検出装置が用いられている。
かご扉開放検出部15は、エレベータ乗りかご2のかご扉17が開放されていることを検出する検出部であり、例えば、エレベータ乗りかご2のかご扉17の上部側に設置されている。
加速度検出部16は、エレベータ乗りかご2に設けられてこのエレベータ乗りかご2に作用する加速度を検出する。検出した加速度の値により、エレベータ乗りかご2に低周波上下振動が発生したか否かが後述する運転制御部18で判断される。
ストッパ機構13には、切替制御部としての機能を有する運転制御部18が接続されている。運転制御部18は、ストッパ機構13に対し、エレベータ乗りかご2に対する動吸振器9の上下振動を規制する状態と、エレベータ乗りかご2に対する動吸振器9の上下振動を許容する状態とに切替える信号を出力することにより切替制御部として機能する。さらに、運転制御部18は、巻上機5に対するエレベータ乗りかご2の昇降制御信号や、かご扉開閉駆動部19に対するかご扉17の開閉制御信号等を出力する。
運転制御部18には、図2に示すように、巻上機5や、かご扉開閉駆動部19の他、ストッパ機構13と、乗りかご停止検出部14と、かご扉開放検出部15と、加速度検出部16とが接続されている。
運転制御部18に対し、乗りかご停止検出部14からエレベータ乗りかご2が停止している旨の信号が入力され、及び、かご扉開放検出部15からかご扉17が開放されている旨の信号が入力され、及び、加速度検出部16からの検出結果に基づいてエレベータ乗りかご2に低周波上下振動が発生していると判断された場合に、運転制御部18からストッパ機構13に対して切替信号が出力され、ストッパ機構13がエレベータ乗りかご2に対する動吸振器9の上下振動を許容する状態に切替えられる。
したがって、エレベータ乗りかご2が或る階床に停止し、エレベータ利用者がエレベータ乗りかご2に乗り降りするためにかご扉17が開放され、エレベータ利用者の乗り降りに伴ってエレベータ乗りかご2に低周波上下振動が発生した場合には、ストッパ機構13がエレベータ乗りかご2に対する動吸振器9の上下振動を許容する状態に切替えられる。これにより、動吸振器9がエレベータ乗りかご2に対して上下振動し、エレベータ乗りかご2に発生している低周波上下振動が吸収され、減衰される。
一方、エレベータ乗りかご2が昇降している場合等には、ストッパ機構13はエレベータ乗りかご2に対する動吸振器9の上下振動を規制する状態に切替えられている。このため、動吸振器9はエレベータ乗りかご2に対して上下振動せず、エレベータ乗りかご2と動吸振器9とは同じ間隔を維持して一体に昇降する。
本実施の形態において、動吸振器9を構成するバネ10と減衰器11と錘12とは、エレベータ乗りかご2の停止位置と積載質量の状態とが代表的な条件において、エレベータ利用者の乗り降りにより加振されて発生した低周波上下振動を最も良く吸収して減衰するように調整されているものとする。例えば、昇降行程の中間地点の高さにエレベータ乗りかご2が停止し、かつ、エレベータ乗りかご2内のエレベータ利用者等による質量が許容積載質量の50%の状態で発生する低周波上下振動を基本に考えると、バネ10のバネ定数と減衰器11の減衰比と錘12の質量との値を以下のように求めることができる。
動吸振器9において、バネ10のバネ定数を“ka”、減衰器11の粘性減衰定数を“ca”、錘12の質量を“ma”、エレベータ乗りかご2の質量と積載質量との総和を“ms”、“ms”と“ma”との質量比を“μ”、減衰器11の減衰比を“ζa”とすると、“ma”と“ζa”とは、それぞれ次式で求められる。
ここで、エレベータ乗りかご2の質量と積載質量の総和“ms”とメインロープ4のバネ定数“ks”とにより構成される系の不減衰固有角振動数“Ωs”と、動吸振器9の不減衰固有角振動数“Ωa”とはそれぞれ以下の式で得られる。
これらの不減衰固有角振動数比“ν”を次式の如く定義する。
動吸振器9の設計においては、定常的な振動が外力として印加される場合の動吸振器9の最適パラメータは定点理論による最適設計法により、次式(6)及び(7)の如く与えられる。
ところで、エレベータ乗りかご2が停止中に、エレベータ乗りかご2に発生する固有振動数は、エレベータ乗りかご2の位置、すなわちメインロープ4のバネ定数“ks”とエレベータ乗りかご2の質量と積載質量の総和“ms”との関係により決定され、一般的なエレベータの機器構成においては数Hz前後である。本実施の形態においては、動吸振器9はエレベータ利用者の乗り降りに起因する加振、すなわちステップ入力により発生した低周波上下振動を素早く吸収して減衰させることが目的である。
動吸振器9において、ステップ入力により発生した低周波上下振動を効果的に減衰させる最適パラメータは、上記式(6)と式(7)で得られる関係とは異なっている場合が多いことから、数値計算や実験結果などから得られた値が用いられる。エレベータ乗りかご2が停止中にステップ状の入力が印加された際の振動を素早く吸収して減衰させることを目的に、不減衰固有角振動数比“ν”と減衰比“ζa”との値を取るように動吸振器9の設計を行い、走行中に受ける外乱による定常的な強制加振により振動に対しては、ストッパ機構13により動吸振器9を無効とすることを特徴としている。そして、このストッパ機構13を設けることにより、エレベータ乗りかご2が停止中に発生する低周波上下振動に対してのみストッパ機構13を制御して動吸振器9を有効とし、エレベータ乗りかご2の低周波上下振動を効果的に減衰させることが可能となる。
エレベータ乗りかご2に発生した低周波上下振動を減衰させる制御について、図3のフローチャートに基づいて説明する。
運転制御部18において、乗りかご停止検出部14から入力された信号に基づいてエレベータ乗りかご2が停止しているか否かが判断される(ステップS1)。メインシーブ6が回転していない場合には、エレベータ乗りかご2が停止していると判断される。
ステップS1においてエレベータ乗りかご2が停止していると判断された場合には、かご扉開放検出部15から入力された信号に基づいてかご扉17が開放されているか否かが判断される(ステップS2)。
ステップS2においてかご扉17が開放されていると判断された場合には、加速度検出部16から入力された信号に基づき、エレベータ乗りかご2に低周波上下振動が発生しているか否かが判断される(ステップS3)。
ステップS3においてエレベータ乗りかご2に低周波上下振動が発生していると判断された場合には、運転制御部18からストッパ機構13に制御信号が出力され、ストッパ機
構13が有効な状態、すなわちエレベータ乗りかご2に対して動吸振器9の上下振動を許容する状態に切替えられる(ステップS4)。ストッパ機構13が有効な状態に切替えられることにより、動吸振器9がエレベータ乗りかご2に対して上下振動可能となり、動吸振器9がエレベータ乗りかご2に対して上下振動することによりエレベータ乗りかご2の低周波上下振動の減衰が開始される。
構13が有効な状態、すなわちエレベータ乗りかご2に対して動吸振器9の上下振動を許容する状態に切替えられる(ステップS4)。ストッパ機構13が有効な状態に切替えられることにより、動吸振器9がエレベータ乗りかご2に対して上下振動可能となり、動吸振器9がエレベータ乗りかご2に対して上下振動することによりエレベータ乗りかご2の低周波上下振動の減衰が開始される。
ステップS4においてストッパ機構13が有効な状態に切替えられた後は、ステップS1〜S3の少なくともいずれかにおいて“NO”となったか否かが判断される(ステップS5)。
ステップS5において、ステップS1〜S3の少なくともいずれかで“NO”になったと判断された場合には、運転制御部18からストッパ機構13に制御信号が出力され、ストッパ機構13が無効な状態、すなわちエレベータ乗りかご2に対して動吸振器9の上下振動を規制する状態に切替えられる(ステップS6)。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態を図4に基づいて説明する。なお、本実施の形態及び以下に説明する他の実施の形態において、第1の実施の形態で説明した構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付け、重複する説明は省略する。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態を図4に基づいて説明する。なお、本実施の形態及び以下に説明する他の実施の形態において、第1の実施の形態で説明した構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付け、重複する説明は省略する。
第2の実施の形態の基本的な構成は、第1の実施の形態と同じである。第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、エレベータ乗りかご2Aの構造と、動吸振器9Aの構造である。
エレベータ乗りかご2Aは、かご枠21とこのかご枠21内に設けられたかご室22とを備えている。
動吸振器9Aは、かご枠21とかご室22との間に連結されたバネ10及び減衰器11と、錘として機能するかご枠21とにより構成されている。
かご枠21とかご室22との間には、ストッパ機構13が設けられている。
このような構成において、この第2の実施の形態においても、エレベータ乗りかご2Aが或る階床で停止し、かご扉17が開放され、エレベータ乗りかご2Aの低周波上下振動が発生した場合には、ストッパ機構13が有効な状態に切替えられ、エレベータ乗りかご2Aに発生した低周波上下振動が減衰される。
また、この第2の実施の形態では、かご枠21を動吸振器9Aの錘として利用しているため、動吸振器9Aの錘を別個に設ける必要がなくなる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態を図5ないし図7に基づいて説明する。第3の実施の形態の基本的な構成は第1の実施の形態と同じであり、異なる点は、動吸振器9Bの構造である。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態を図5ないし図7に基づいて説明する。第3の実施の形態の基本的な構成は第1の実施の形態と同じであり、異なる点は、動吸振器9Bの構造である。
動吸振器9Bは、バネ10と、バネ10に並設された減衰器である可変減衰器11Bと、錘12とにより構成されている。可変減衰器11Bは、エレベータ乗りかご2の停止位置やエレベータ乗りかご2内の積載質量等に応じて減衰比が可変可能であり、例えば、可変減衰器11B内の粘弾性体の温度を可変することにより減衰比を可変することができる。
エレベータ乗りかご2には、可変減衰器11Bの減衰比を可変させる機器として、減衰
比調整器31が設けられている。この減衰比調整器31は、図6に示すように運転制御部18に接続され、運転制御部18からの制御により可変減衰器11Bの減衰比を可変させる。
比調整器31が設けられている。この減衰比調整器31は、図6に示すように運転制御部18に接続され、運転制御部18からの制御により可変減衰器11Bの減衰比を可変させる。
エレベータ乗りかご2の下部には、エレベータ乗りかご2内の積載質量を検出する秤32が設けられ、この秤32は運転制御部18に接続されている。
エレベータ乗りかご2に発生した低周波上下振動を減衰させる制御について、図7のフローチャートに基づいて説明する。
運転制御部18において、乗りかご停止検出部14から入力された信号に基づいてエレベータ乗りかご2が停止しているか否かが判断される(ステップS11)。メインシーブ6が回転していない場合には、エレベータ乗りかご2が停止していると判断される。
ステップS11においてエレベータ乗りかご2が停止していると判断された場合には、かご扉開放検出部15から入力された信号に基づいてかご扉17が開放されているか否かが判断される(ステップS12)。
ここで、エレベータ乗りかご2が任意の位置に停止中の場合、エレベータ乗りかご2と巻上機5との間のメインロープ4のバネ定数“ks”と、エレベータ乗りかご2の質量と積載質量との総和“ms”との関係により、エレベータ乗りかご2とメインロープ4との乗りかご系全体の不減衰固有角振動数“Ωs”が変化する。すなわち、エレベータ乗りかご2の質量とエレベータ乗りかご2内の積載質量との総和“ms”と、メインロープ4のバネ定数“ks”が変化することから、不減衰固有角振動数“Ωs”も変化する。
運転制御部18は、秤32で検出したエレベータ乗りかご2内の積載質量と、エレベータ乗りかご2の停止位置とにより、その状態における乗りかご系全体の不減衰固有角振動数を演算する(ステップS13)。なお、エレベータ乗りかご2の停止位置情報は、例えば、メインシーブ6の回転状態を検出している乗りかご停止検出部14の検出結果に基づいて得ることができる。
さらに、運転制御部18は、ステップS13で演算した不減衰固有角振動数に応じ、低周波上下振動を最も効果的に減衰させることができる可変減衰器11Bの減衰比“ζa”が得られるように、可変減衰器11Bの粘性減衰定数“ca_cal”を決定する(ステップS14)。
この状態で加速度検出部16によりエレベータ乗りかご2に作用する加速度を測定し(ステップS15)、低周波上下振動が発生したか否かを判断する(ステップS16)。
低周波上下振動が発生している場合には、実際の振動状態に基づく粘性減衰定数“ca”を算出し、この値を“ca_act”と置く(ステップS17)。
さらに、この値“ca_act”と予め演算してある値“ca_cal”との比較を行い、両者の差が小さくなるように可変減衰器11Bの粘性減衰定数“ca”を微調整する(ステップS18)。
その後、運転制御部18からストッパ機構13に制御信号が出力され、ストッパ機構13が有効状態に切替えられる(ステップS19)。これにより、動吸振器9Bのエレベータ乗りかご2に対する上下振動が許容され、動吸振器9Bの上下振動に伴ってエレベータ乗りかご2の低周波上下振動が減衰される。
ステップS19においてストッパ機構13が有効状態に切替えられた後は、ステップS11、S12、S16の少なくともいずれかにおいて“NO”となったか否かが判断される(ステップS20)。
ステップS20において、ステップS11、S12、S16の少なくともいずれかで“NO”になったと判断された場合には、運転制御部18からストッパ機構13に制御信号が出力され、ストッパ機構13が無効な状態、すなわちエレベータ乗りかご2に対して動吸振器9Bの上下振動を規制する状態に切替えられる(ステップS21)。
本実施の形態において、エレベータ乗りかご2の加速度の検出を、加速度検出装置16に代えて、エレベータ乗りかご2内の積載質量を検出する秤32を用いてもよい。
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態を図8のフローチャートに基づいて説明する。
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態を図8のフローチャートに基づいて説明する。
第4の実施の形態の基本的構成は第1の実施の形態と同じであり、異なる点は、エレベータ乗りかご2に発生した低周波上下振動の継続時間を計測する継続時間計測部(図示せず)を設け、継続時間が設定時間を超えたか否かを判断し(ステップS7)、継続時間が設定時間を超えた場合にストッパ機構13を有効状態に切替えるようにした(ステップS4)点である。
したがって、エレベータ乗りかご2に低周波上下振動が発生した場合において、発生した低周波上下振動が設定時間内で減衰した場合には、ストッパ機構13を有効な状態に切替えないことになる。例えば、いたずらなどの加振によりエレベータ乗りかご2に低周波上下振動が発生し、その低周波上下振動が設定時間内で減衰した場合等である。
2 エレベータ乗りかご
2A エレベータ乗りかご
9 動吸振器
9A 動吸振器
10 バネ
11 減衰器
11A 減衰器
11B 可変減衰器
12 錘
13 ストッパ機構
14 乗りかご停止検出部
15 かご扉解放検出部
16 低周波上下振動検出部(加速度検出部)
17 かご扉
18 切替制御部(運転制御部)
21 かご枠
22 かご室
31 減衰比調整器
2A エレベータ乗りかご
9 動吸振器
9A 動吸振器
10 バネ
11 減衰器
11A 減衰器
11B 可変減衰器
12 錘
13 ストッパ機構
14 乗りかご停止検出部
15 かご扉解放検出部
16 低周波上下振動検出部(加速度検出部)
17 かご扉
18 切替制御部(運転制御部)
21 かご枠
22 かご室
31 減衰比調整器
Claims (5)
- エレベータ乗りかごに取付けられてこのエレベータ乗りかごに対して上下振動することによりこのエレベータ乗りかごに発生した低周波上下振動を吸収する動吸振器と、
前記エレベータ乗りかごに対する前記動吸振器の上下振動を規制する状態と上下振動を許容する状態とに切替え可能なストッパ機構と、
前記エレベータ乗りかごが停止していることを検出する乗りかご停止検出部と、
前記エレベータ乗りかごのかご扉が開放されていることを検出するかご扉開放検出部と、
前記エレベータ乗りかごに低周波上下振動が発生していることを検出する低周波上下振動検出部と、
前記エレベータ乗りかごが停止し、及び、前記かご扉が開放され、及び、前記エレベータ乗りかごに低周波上下振動が発生した場合に、前記エレベータ乗りかごに対して前記動吸振器の上下振動を許容する状態に前記ストッパ機構を切り替える切替制御部と、
を備えることを特徴とするエレベータ乗りかごの振動制御装置。 - 前記エレベータ乗りかごは、かご枠とこのかご枠内に設けられたかご室とを備え、
前記動吸振器は、前記かご枠と前記かご室との間に連結されたバネ及び減衰器と、錘として機能する前記かご枠とにより構成されていことを特徴とする請求項1記載のエレベータの乗りかごの振動制御装置。 - 前記動吸振器は、減衰器として減衰比を可変可能な可変減衰器を有し、
前記低周波上下振動検出部で検出した低周波上下振動に応じて前記可変減衰器の減衰比を可変させる減衰比調整器を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のエレベータ乗りかごの振動制御装置。 - 前記エレベータ乗りかごに発生した低周波上下振動の継続時間を計測する継続時間計測部を設け、
前記継続時間計測部による計測時間が設定時間を超えた場合に、前記エレベータ乗りかごに対して前記動吸振器の上下振動を許容する状態に前記切替制御部を切り替えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のエレベータ乗りかごの振動制御装置。 - エレベータ乗りかごが停止していることを検出する工程と、
前記エレベータ乗りかごのかご扉が開放されていることを検出する工程と、
前記エレベータ乗りかごに低周波上下振動が発生していることを検出する工程と、
前記エレベータ乗りかごが停止し、及び、前記かご扉が開放され、及び、前記エレベータ乗りかごに低周波上下振動が発生している場合に、前記エレベータ乗りかごに取付けられている動吸振器を前記エレベータ乗りかごに対して上下振動可能とすることにより前記エレベータ乗りかごに発生している低周波上下振動を吸収する工程と、
を備えることを特徴とするエレベータ乗りかごの振動制御方法。
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JP2010190471A JP2012046325A (ja) | 2010-08-27 | 2010-08-27 | エレベータ乗りかごの振動制御装置及び振動制御方法 |
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CN105883552A (zh) * | 2016-06-28 | 2016-08-24 | 爱默生电梯有限公司 | 一种带弹簧踏板的电梯轿厢 |
JP2018112257A (ja) * | 2017-01-12 | 2018-07-19 | 株式会社神戸製鋼所 | 動吸振器及びその設計方法 |
JP2020179997A (ja) * | 2019-04-26 | 2020-11-05 | 株式会社日立ビルシステム | かご状態検出方法、および、かご状態検出装置 |
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2010
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