JP2012033369A - 荷電ビーム装置及びパターンの傾斜角度測定方法 - Google Patents

荷電ビーム装置及びパターンの傾斜角度測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高感度でかつ測定誤差の小さい側壁角度を非破壊で算出可能な荷電ビーム装置を提供する。
【解決手段】本発明の荷電ビーム装置は、荷電ビームを試料に対して斜め入射させて得られたSEM画像により得られる生のSEM輝度値プロファイルを移動平均フィルタを用いて生のSEM輝度値プロファイル信号に含まれているノイズを除去した後、ノイズが除去されたSEM輝度値プロファイル信号を微分してその微分波形Pwの最大値Pwmaxと最小値Pwminとを取得し、最大値に対応する電子線の走査方向のピクセルの座標点と微分波形の最小値に対応する電子ビームの走査方向のピクセルの座標点との差に基づきピーク幅w4を求め、実際に測定により求めた側壁部の傾斜角度とピーク幅との関係に基づき得られた換算係数と、ピーク幅w4とに基づき側壁部の傾斜角度を求める。
【選択図】図11

Description

本発明は荷電ビーム装置及びパターンの傾斜角度測定方法に関する。
半導体素子の製造過程には、例えば、マスクのパターンを試料としての基板に転写する工程、ウェーハやレチクル等の基板上に形成されたパターンの寸法を測定する工程が含まれる。パターン寸法の測定は、通常、測長機能を備えた走査型電子顕微鏡である測長SEM(Scanning Electron Microscope)を用いてパターンのトップダウン画像を取得し、このトップダウン画像により配線幅やホール径などを測定している。
近年、このような2次元情報のみならず、パターンの側壁部の形状等の3次元情報も実際の製造工程において重要な評価項目となってきている。
そこで、例えば、試料台及びステージを機械的に傾斜させることなく、インラインでの評価に用いることが可能で高速かつ高精度の傾斜観察機能を有する荷電ビーム装置及びパターンの側壁部の傾斜角度を非破壊で測定可能なパターンの傾斜角度測定方法が提供されつつある(特許文献1参照)。
このものでは、SEM画像により得られたSEM輝度値プロファイル信号の側壁相当部分である山の裾の部分からの高さが20%のときのピクセルの横方向(電子線の走査方向)の座標点と山の裾の部分からの高さが80%のときの横方向(電子線の走査方向)の座標点との差(線幅)を意味するピクセル数を用いて、非破壊でマスクのパターンの側壁部の傾斜角度を算出している。
更に、試料のパターンの側壁部の傾斜頂部から傾斜裾部までのデータを微分して、側壁部の傾斜角度を求める技術も従来から知られている(特許文献2の図8、図9参照)。
特開2001−273861号公報 特許4057928号公報(図8、図9)
しかしながら、特許文献1に開示の側壁部の傾斜角度の測定方法では、SEM輝度値プロファイル信号の側壁相当部分の一部のピクセル数を利用して傾斜角度を求めるため、側壁部の傾斜角度を求めるのに十分なピクセル数を確保できず、言い換えると、SEM画像のうちの側壁部像の特定の狭い領域のピクセル数を用いて、非破壊で側壁部の傾斜角度を算出する測定方法であるため、測定感度が不足し、測定誤差を克服し難いという懸念がある。
また、特許文献2に開示の技術では、SEM輝度値プロファイル信号に含まれているノイズのため、測定誤差を克服し難いという懸念がある。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、本発明の目的は、従来よりもより一層多くのピクセル数を用いて高感度でかつ測定誤差の小さい側壁角度を非破壊で算出可能な荷電ビーム装置及びパターンの傾斜角度測定方法を提供すること、更には、SEM輝度値プロファイル信号に含まれているノイズを除去する際に生のSEM輝度値プロファイル信号のピークに対してノイズ除去処理後のSEM輝度値プロファイル信号のピークのずれが小さい荷電ビーム装置及びパターンの傾斜角度測定方法を提供することにある。
本発明に係る荷電ビーム装置は、荷電ビームを生成して検査対象である試料に照射する荷電ビーム出射手段と、前記荷電ビームを集束するコンデンサレンズと、前記荷電ビームを偏向させて前記試料上で走査する走査偏向器と、前記荷電ビームを前記試料面に結像させる対物レンズと、前記対物レンズと前記試料との間に設けられて前記荷電ビームを偏向してビーム軸に対して任意の傾斜角度を有するように前記荷電ビームを前記試料に対して斜めに入射させる傾斜観察用偏向器と、前記荷電ビームの照射により前記試料から発生した2次荷電粒子と前記試料により反射された反射荷電粒子との少なくとも一方の荷電粒子を検出する荷電粒子検出手段と、前記傾斜角度を制御する制御手段と、
前記荷電粒子検出手段により検出した荷電粒子に基づきSEM画像を構築するSEM画像構築手段と、前記SEM画像から電子線の走査方向のSEM輝度値プロファイル信号を各走査に対応して構築するSEM輝度値プロファイル構築手段と、前記SEM輝度値プロファイル構築手段により得られた生のSEM輝度値プロファイル信号を移動平均フィルタを用いて平均化処理することにより前記生のSEM輝度値プロファイル信号に含まれているノイズを除去するノイズ除去手段と、前記ノイズ除去手段によりノイズが除去されたSEM輝度値プロファイル信号を微分処理して微分波形を取得する微分処理手段と、前記微分波形の最大値に対応する電子線の走査方向のピクセルの座標点と前記微分波形の最小値に対応する電子線の走査方向のピクセルの座標点との差に基づきピーク幅を求めるピーク幅演算手段と、実際に測定により求めた側壁部の傾斜角度とピーク幅との関係に基づき得られた換算係数を記憶する記憶手段と、前記ピーク幅と前記換算係数とに基づき前記側壁部の傾斜角度を演算する傾斜角度演算手段とを備えていることを特徴とする。
本発明に係るパターンの傾斜角度測定方法は、荷電ビームを生成して検査対象である試料に照射する荷電ビーム出射手段と、前記荷電ビームを集束するコンデンサレンズと、前記荷電ビームを偏向させて前記試料上で走査する走査偏向器と、前記荷電ビームを前記試料面に結像させる対物レンズと、前記対物レンズと前記試料との間に設けられて前記荷電ビームを偏向してビーム軸に対して任意の傾斜角度を有するように前記荷電ビームを前記試料に対して斜めに入射させる傾斜観察用偏向器と、前記荷電ビームの照射により前記試料から発生した2次荷電粒子と前記試料により反射された反射荷電粒子との少なくとも一方の荷電粒子を検出する荷電粒子検出手段と、前記傾斜角度を制御する制御手段とを備えた荷電ビーム装置を用いて前記パターンの側壁部の傾斜角度を測定する傾斜角度測定方法であって、
前記荷電ビームを前記試料に照射する照射工程と、前記走査偏向器により前記荷電ビームを前記試料面で結像させる結像工程と、前記荷電ビームを偏向して前記試料に対して斜めに入射させる斜入射工程と、前記荷電ビームの照射により前記試料から発生した2次荷電粒子と前記試料により反射された反射荷電粒子との少なくとも一方の荷電粒子を検出する荷電粒子検出工程と、前記荷電粒子検出工程により検出した荷電粒子に基づきSEM画像を構築するSEM画像構築工程と、前記SEM画像から電子線の走査方向のSEM輝度値プロファイル信号を各走査に対応して構築するSEM輝度値プロファイル構築工程と、前記SEM輝度値プロファイル構築工程により得られた生のSEM輝度値プロファイル信号を移動平均フィルタを用いて平均化処理することにより前記生のSEM輝度値プロファイル信号に含まれているノイズを除去するノイズ除去工程と、前記ノイズ除去工程によりノイズが除去されたSEM輝度値プロファイル信号を微分処理して微分波形を取得する微分処理工程と、前記微分波形の最大値に対応する電子線の走査方向のピクセルの座標点と前記微分波形の最小値に対応する電子線の走査方向のピクセルの座標点との差に基づきピーク幅を求めるピーク幅演算工程と、実際に測定により求めた側壁部の傾斜角度とピーク幅との関係に基づき得られた換算係数と前記ピーク幅とに基づき前記側壁部の傾斜角度を演算する傾斜角度演算工程とを含むことを特徴とする。
すなわち、荷電ビームを試料に対して斜め入射させてSEM画像を取得する工程と、
前記工程により得られたSEM画像により得られる生のSEM輝度値プロファイルを移動平均フィルタを用いて生のSEM輝度値プロファイル信号に含まれているノイズを除去するノイズ除去工程と、
前記ノイズ除去後のSEM輝度値プロファイル信号を微分してその微分波形の最大値と最小値とを取得し、最大値に対応する電子ビームの走査方向のピクセルの座標点と微分波形の最小値に対応する電子線の走査方向のピクセルの座標点との差に基づきピーク幅を求める工程と、
実際に測定により求めた側壁部の傾斜角度とピーク幅との関係に基づき得られた換算係数とピーク幅とに基づき側壁部の傾斜角度を求める工程とを含むことを特徴とする。
移動平均フィルタはゼロ位相デジタルフィルタ処理関数であるのが望ましい。
本発明によれば、従来よりもより一層多くのピクセル数を用いて高感度でかつばらつき測定誤差の小さい側壁角度を非破壊で算出可能な荷電ビーム装置及びパターンの傾斜角度測定方法を提供でき、更には、生のSEM輝度値プロファイル信号に含まれているノイズを除去する際にこの生のSEM輝度値プロファイル信号のピークに対してノイズ除去処理後のSEM輝度値プロファイル信号のピークのずれが小さい荷電ビーム装置及びパターンの傾斜角度測定方法を提供できる。
図1は本発明に係る荷電粒子装置の概略図である。 図2は図1に示す傾斜観察用静電偏向器の概略図であり、(a)はその傾斜観察用静電偏向器の平面図であり、(b)は傾斜観察用静電偏向器の縦断面図である。 図3は図2に示す傾斜観察用静電偏向器の動作を説明するための等電位線を示す説明図である。 図4は図2に示す傾斜観察用静電偏向器の電極に印加する電圧と電子ビームの偏向角度との関係を示すグラフである。 図5は図1に示す試料Sに形成されたパターンの傾斜観察方法の手順を示すフローチャートである。 図6は図5に示す手順により得られたパターンの傾斜画像(SEM画像)の一例を示す説明図である。 図7は従来のパターンの側壁部の傾斜角度の測定方法の説明図であって、(a)は実際に試料Sにフォーカスドビームを照射して得られたパターンの拡大断面像を示し、(b)は傾斜観察法により得られたパターンの傾斜画像の部分拡大図を示し、(c)は(b)に示す傾斜画像の電子線走査方向のSEM輝度値プロファイルを示し、(d)は(c)に示すSEM輝度値プロファイルの拡大図を示す。 図8は本発明に係るパターンの側壁部の傾斜角度を測定する手順を説明するためのフローチャートである。 図9は図7(d)に示すSEM輝度値プロファイル信号に対応する生のSEM輝度値プロファイル信号を示す図である。 図10はノイズ除去処理後のSEM輝度値プロファイル信号を示す図であって、(a)は生のSEM輝度値プロファイル信号にゼロ位相デジタルフィルタ関数を用いて5点移動平均処理を行うことにより得られたSEM輝度値プロファイル信号を示す図であり、(b)は生のSEM輝度値プロファイル信号にゼロ位相デジタルフィルタ関数を用いて10点移動平均処理を行うことにより得られたSEM輝度値プロファイル信号を示す図であり、(c)は生のSEM輝度値プロファイル信号にゼロ位相デジタルフィルタ関数を用いて15点移動平均処理を行うことにより得られたSEM輝度値プロファイル信号を示す図である。 図11はノイズ処理後のSEM輝度値プロファイル信号の微分処理の説明図であって、(a)はノイズ処理後のSEM輝度値プロファイル信号の拡大図であり、(b)は(a)に示すノイズ処理後のSEM輝度値プロファイル信号の微分波形図である。 図12はパターンの側壁部の傾斜角度と微分波形により得られたピーク幅との相関関係を示す説明図であって、(a)は破壊検査によりパターンを断面して実際に測定して得た側壁部の傾斜角度とピーク幅との相関関係を示すグラフであり、(b)は破壊検査によりパターンを断面して実際に測定して得た側壁部の傾斜角度とピーク幅から計算により求めた側壁部の傾斜角度との相関関係を示すグラフである。 図13は試料Sに形成された角柱型パターンの電子ビームの走査方向を示す説明図である。
図1は、本発明に係る荷電ビーム装置の実施例を示す概略図である。
この図1において、10は荷電ビーム装置を示している。ここでは、この荷電ビーム装置は、試料に形成されたマスクのパターンを検査するマスク検査装置であり、このマスク検査装置には、荷電ビーム描画装置、マスクを成形加工するFIB(フォーカスドイオンビーム)装置や、試料のパターンを検査する走査型電子顕微鏡等を用いることができる。
この荷電ビーム装置10は、電子銃部と電子光学系とステージと2次電子画像取得部と制御部とを備える。電子銃部は荷電ビームを生成して検査対象である試料に照射する荷電ビーム出射手段として機能する。
符号42はステージである。このステージ42は、水平方向に移動可能な機構を有する。そのステージ42の上面には試料Sが載置される。試料Sには、ここでは、図1に示すように、3本の台形(テーパ)状のマスクパターンPS1、PS2、PS3が形成されているが、これに限定されるものではなく、逆台形状のマスクパターンであってもよい。なお、その図1において、符号PS1L、PS2L、PS3Lは、各マスクパターンPS1、PS2、PS3の左側壁部を示し、符号PS1R、PS2R、PS3Rは、各マスクパターンPS1、PS2、PS3の右側壁部を示す。
ステージ42は、任意の方向に水平移動可能な機構を有する。このステージ42は電源43に接続され、これにより、試料Sに任意の電圧を印加する。これにより、試料Sの上方に減速電界が形成される。
電子銃部は、電子銃12と引出し電極14と加速電極16とを含む。電子銃12は、電圧の印加を受けて電子を放出する。引出し電極14は、電圧の印加によりこの放出された電子(放出電子)を引出す。加速電極16は、加速電圧の印加により、引出された放出電子を加速させ、電子ビーム6として電子光学系に入射させる。
電子光学系は、コンデンサレンズ22、走査偏向器26、対物レンズ28、傾斜観察用偏向器32を含む。コンデンサレンズ22は、加速電極16を通過した電子ビーム6を集束し、その集束された電子ビーム6は絞り24を通過する。
走査偏向器26は、後述する走査偏向制御部56から櫛状信号ACa〜ACdを受けて、絞り24を通過した電子ビーム6を走査偏向する。対物レンズ28は、走査された一次電子ビーム6を集束して試料Sの上面に結像させる。
傾斜観察用偏向器32は対物レンズ28と試料Sとの間に設けられている。この実施例では、傾斜観察用偏向器32は静電型の偏向器である。傾斜観察用偏向器32の詳細な構成および動作については後述する。
2次電子画像取得部は、2次電子検出器82と画像処理部84とモニタ86とを有する。電子ビーム6が試料Sに照射されると、試料Sの表面から2次電子および反射電子(以下、2次電子等という)が発生する。2次電子検出器82は荷電ビームの照射により試料Sから発生した2次荷電粒子と試料Sにより反射された反射荷電粒子との少なくとも一方の荷電粒子を検出する荷電粒子検出手段として機能する。
発生した2次電子等は試料Sと対物レンズ28との間に形成された減速電界によって加速されながら対物レンズ28の内部を通過した後に2次電子検出器82に引き込まれる。2次電子検出器82に検出された2次電子等は、画像処理部84により電気信号に変換・増幅されてモニタ86に供給される。モニタ86には、試料12表面の状態を表す2次電子画像が表示される。
画像処理部84はその検出された2次電子等の荷電粒子に基づきSEM画像を構築するSEM画像構築手段として機能する。
制御部は、制御コンピュータ2と走査偏向制御部56と傾斜観察用偏向制御部62とを備える。制御コンピュータ2は、装置全体を統括制御する。走査偏向制御部56は、走査偏向器26に接続され、制御コンピュータ2から供給される指令信号に基づいて櫛状信号ACa〜ACdを設定して、それぞれ走査偏向器26に供給する。
傾斜観察用偏向制御部62は、傾斜観察用偏向器32に接続され、制御コンピュータ2からの制御信号に基づいて傾斜観察用の直流電圧DC1を設定し、傾斜観察用偏向器32に印加する。なお、符号DC0は直流電圧が印加されていない状態を示している。制御コンピュータ2は荷電ビームの傾斜角度を制御する制御手段としても機能する。
図2は、傾斜観察用偏向器32の概略図であり、(a)は底面図、(b)は正面図である。荷電ビーム装置10では、対物レンズ28と試料Sとの距離は一般的に非常に狭く数mm程度である。この実施例では、対物レンズ28と試料Sとの距離は2.5mmである。従って、傾斜観察用偏向器32は小型かつ簡易な構成とされている。
その傾斜観察用偏向器32は、本体112と、スリーブ116と、4個の電極114とを備え、本体112とスリーブ116の上面が対物レンズ28の下極の下面に接するように取付けられている。なお、ここでは、電極114の極数は4極であるが、これに限るものではなく、例えば、8極でも良い。
本体112は、円環状の本体部112aと、本体部112の下面周縁部に形成された4つの突起部112bとを含み、この実施例では、本体部112aと突起部112bは絶縁材料で一体形成される。突起部112bは、ビーム軸を中心に同心円をなすように本体部112aの外周縁から外側へ突出するように配置される。
突起部112bの周面および底面にはそれぞれ金メッキが施され、この金メッキ部により電極114が構成される。各電極114は配線によりそれぞれの傾斜観察用偏向制御部62に接続され、電圧の印加を受けられるようになっている。
電極114に印加される電圧は、数kVの値であるため、電極114と対物レンズ28の下極との間で放電が発生するおそれがある。そこで、この実施例では、絶縁材料を用いて既述の構造を採用することより十分な縁面距離(図2のDEa+DEbを参照)を確保している。
スリーブ116は、本体112の内周面に取付けられ、本体部112aと中心を共通にする円筒形状をなし、その底部は本体部112aの底面から試料S側に突出するように形成される。この形状・配置により、対物レンズ28の下極底面から電子ビーム6が試料面に入射する直前の領域まで電界シールドが形成される。その結果、電子ビーム6のレンズ収差等の電子光学特性の低下を防止することができる。
電子ビーム6の偏向角度および偏向方向は、各傾斜観察用偏向制御部62の設定値により制御される。この実施例では、傾斜観察用偏向器32は、静電型偏向器であるので、電極114に印加する直流電圧成分で制御が可能となる。
対向する2個の電極114にそれぞれ異なる直流電圧を印加すると、電極114間および電極114の下側に不均一な電界が形成され、一方向にのみ偏向角度を変えることにより、電子ビーム6を傾斜させることが可能である。
図3は、対向する2個の電極114に、それぞれ0Vと+3.0kVを印加した条件で、数値計算により算出した等電位線の一例である。対物レンズ28と試料Sとの間隔は2.5mm、試料Sへの入射電圧は0.4kV、試料電圧は0Vである。この図3から分るように、3.0kVを印加した電極114の周辺には電界が形成され、スリーブ116の下側では、電界が電子ビーム6の軌道の方へ張り出している。
このような不均一な電界により、鉛直下向きの電子ビーム6はその軌道を曲げられ、電圧を印加した電極114の方向に引き寄せられる。この結果、電子ビーム6は、対物レンズ28で与えられた力により集束しながら、試料Sに対して約20°の偏向角度をもって入射する。このように傾斜した電子ビーム6の照射により、モニタ86に映し出される2次電子画像は、試料Sを20°だけ傾斜させた画像となる。
図4は、電極電圧を0Vから4kVまで変えたときの電子ビーム6の偏向角度を示している。同図中、○印間を結ぶ線は試料電圧=0V、△印間を結ぶ線は試料電圧=−2.6kV(電子ビーム6=+3.0kV)の場合の偏向角度を示している。
この図4から、電極114に印加する直流電圧により電子ビーム6の偏向角度が直線的に変化していることがわかる。
このことから、電極電圧、電子ビーム6のエネルギー及び試料電圧が既知ならば、偏向角度は計算または実験により求められることがわかる。なお、この図4から、減速電界の発生の有無に関わらず、傾斜観察が可能であることも分る。
その図3、図4では、説明の簡略化のため、2個の対向する電極114について説明したが、4個の電極114にそれぞれ異なる直流電圧を印加すると、任意の方向について偏向角度を変えることができる。
これにより、任意の傾斜画像を得ることができる。試料Sの3次元情報を得る必要から傾斜観察用偏向器32には、走査偏向器26の偏向角度(0.2°程度)と比較して非常に大きな偏向角度(1°以上)が必要となる。なお、図1では紙面左側の電極114に印加される電圧が0Vであるが、これに限ることなく、電極相互間に電位差さえ発生すれば、電子ビーム6の軌道を曲げることは可能である。
図5は、図1に示す荷電ビーム装置10を用いて2次電子画像を取得するための手順を示すフローチャートである。
まず、加速電圧や出射電流など、電子ビーム6の照射条件を設定する(ステップS1)。次に、走査偏向器26の制御値を設定する(ステップS2)。これらの設定は、制御コンピュータ2に設定値を入力することにより行う。
次に、ステップS3に移行して、傾斜画像を取得するか否かを判断し、傾斜画像を取得しない場合、荷電ビーム装置10は、従来通り、電子ビーム6を走査偏向して試料Sに対して電子ビーム6を垂直に入射させ(ステップS8)、これにより2次電子画像を取得し(ステップS9)、トップダウン画像がモニタ86に出力される(ステップS10)。
傾斜画像を取得する場合(ステップS3)、観察する傾斜角度を制御コンピュータ2から入力する(ステップS4)。これにより、制御コンピュータ2は、電子ビーム6の入力照射条件や試料印加電圧等から目標傾斜角度に電子ビーム6を傾斜する直流電圧を計算した後、傾斜観察用偏向制御部62へ制御信号を供給する(ステップS5)。
傾斜観察用偏向制御部62は、その制御信号に基づいて直流電圧の電圧値を設定する。この直流電圧が傾斜観察用偏向器32の静電電極114に印加される(ステップS6)。この結果、既述の通り電子ビーム6が対物レンズ28の電界により走査偏向されながら、傾斜観察用偏向器32が形成する不均一な電界により偏向されて、電子ビーム6が試料Sに対して斜めに入射する(ステップS7)。
その後、電子ビーム6の入射により試料Sから発生した2次電子等を2次電子検出器82で取り込むことにより2次電子画像を取得し(ステップS9)、モニタ86に傾斜画像を表示させる(ステップS10)。
この電子ビーム6の試料Sの台形状マスクパターンへの斜め入射により発生した2次電子を取り込むことにより、台形状マスクパターンの左側壁部、右側壁部の傾斜画像(SEM画像)が得られる。
図6は図1に示すように電子ビームを曲げた状態で、試料Sを走査したときに得られる傾斜画像(SEM画像)を示し、この図6において、符号PS1’、PS2’、PS3’はそれぞれマスクパターンPS1、PS2、PS3に対応するパターン像、符号PS1L’、PS2L’、PS3L’は、各マスクパターンPS1、PS2、PS3の左側壁部に対応する左側壁部像を示し、符号PS1R’、PS2R’、PS3R’は、各マスクパターンPS1、PS2、PS3の右側壁部に対応する右側壁部像をそれぞれ示している。
ところで、このマスクパターンPS1、PS2、PS3の管理のために、側壁部PS1L、PS2L、PS3L、PS1R、PS2R、PS3Rの傾斜角度を測定することが必要となる。
図7(a)は、台形状のマスクパターンPS1の左側壁部相当部分PS1L”(図6参照)の断面SEM画像又はTEM画像であり、その図7(a)において、横軸は電子ビームの走査方向、縦軸は台形状マスクパターンの試料基準面(山の裾に相当)Sgからの高さを示し、符号w1は左側壁部の線幅、符号θ1は側壁部の傾斜角度を示している。
側壁部の傾斜角θ1は試料基準面Sgから台形状マスクパターンの頂部Smまでの高さの差hを線幅w1によって除すことにより求められる。この傾斜角θ1を求める手法は、破壊測定である。
従来、この台形状マスクパターンの左側壁部、右側壁部の傾斜角度を測定するのに、以下に説明する非破壊測定手法により行っていた。
図7(b)ないし図7(d)は、その従来の台形状マスクパターンの傾斜角度の非破壊測定手法の説明図であって、(b)は左側壁部PS1Lの傾斜画像(SEM画像)であり、傾斜画像(SEM画像)は横方向画素(X方向画素)と縦方向画素(Y方向画素)とによって構築される。
その図7(b)において、縦方向は台形状マスクパターンが延びる方向に対応し、横方向は台形状マスクパターンの配列方向(電子ビーム走査方向)に対応しており、2次電子の取得量が多い画素(ピクセル)は輝度が高く白で表現され、2次電子の取得量が少ない画素(ピクセル)は輝度が低く灰色(網点で表している)で表現され、符号w3は左側壁部像のX方向の線幅を示している。
ここでは、X方向の画素の個数をM個、Y方向の画素の個数をN個とし、横方向にi番目、縦方向にj番目の走査線に対応する画素をGijで表すことにする。
図7(c)はその2次電子により得られたSEM輝度値プロファイル信号Proである。このSEM輝度値プロファイル信号は、j番目の行におけるX方向の各画素(i=1からi=mまで)の輝度に基づき画像構築した輝度値プロファイル信号Proを例示的に示し、この輝度分布は、第1番目から第N番目までの各走査線に対応してそれぞれ構築され、ここでは、この輝度値プロファイル信号ProはN枚である。図7(d)はその図7(c)に示すSEM輝度値プロファイル信号Proの拡大図である。
従来、この図7(d)に拡大して示すように、非破壊的に側壁部の傾斜角度を求めるために、SEM輝度プロファイル信号Proの山の裾の部分から20%の点と80%の点とを求め、この両点の横方向の線幅w2を側壁部の角度に換算して傾斜角θ2を求めていた。
というのは、線幅w2が大きいと、側壁部の傾斜角θ2は小さく、線幅w2が小さいと傾斜角θ2は大きいという関係があるからである。
また、SEM輝度プロファイル信号Proの山の裾の部分から20%の点と80%の点とを求め、この部分の線幅w2を用いて傾斜角θ2を求めていたのは、この20%の点から80%の点までの傾斜部の信号が非常に安定していたからである。なお、線幅w1、w2、w3は画素数(ピクセル数)に対応している。
ところが、この非破壊の側壁部の傾斜角の測定手法では、側壁部の一部のピクセル数のみを利用して傾斜角度を求めるため、傾斜角度を求めるのに十分なピクセル数(画素数)w3を確保できず、すなわち、側壁部の特定の狭い領域のみのピクセル数(画素数)w2を用いて傾斜角度を算出する手法を採用しているため、測定感度が不足し、測定誤差を克服し難いという懸念がある。
そこで、この実施例では、以下に説明する測定手法により側壁部の傾斜角度を算出する。
図8に示すように、制御コンピュータ2は、側壁角度演算モードに入ると、側壁角演算を開始する。
まず、0度画像、傾斜画像を取得する(ステップS21)。ここで、0度画像とは、電子ビーム6を垂直に入射したときに得られるトップダウン画像である(図5のステップS8参照)。
ついで、図7の(c)、(d)に示すように、画像データから生のSEM輝度値プロファイル信号Proを抽出する(ステップS22)。
制御コンピュータ2は、SEM画像から電子線の走査方向の生のSEM輝度値プロファイル信号Proを各走査に対応して構築するSEM輝度値プロファイル構築手段としての役割も果たす。
ついで、j個のSEM輝度値プロファイル信号Proについて、図9に示すように、最大ピーク位置Peを探索する(ステップS23)。ついで、図9に示すようにこの最大ピーク位置Peの前側の数十ピクセルから後側の数十ピクセル分までの範囲Wの画像データを「探索範囲」分だけ抽出する(ステップS24)。
というのは、データ個数が多いと、その分演算に負荷がかかり、演算速度が遅くなるからである。生のSEM輝度値プロファイル信号Proには、図9に示すように、ノイズ成分が含まれている。そこで、生のSEM輝度値プロファイル信号Proに含まれているノイズ成分を除去する処理を行う(ステップS25)。このノイズ成分を除去するのに移動平均フィルタ処理を実行する。
また、制御コンピュータ2は、SEM輝度値プロファイル構築手段により得られた生のSEM輝度値プロファイル信号Proを移動平均フィルタを用いて平均化処理することにより生のSEM輝度値プロファイル信号Proに含まれているノイズを除去するノイズ除去手段として機能する。
移動平均フィルタ処理を行うと、ノイズ成分を除去できるが、ピークPeがなまりかつピークPeの大きさが小さくなり、しかも、ピークPeの位置が電子ビームの走査方向(X方向)にずれることになる。SEM画像上のピークPeの位置と移動平均処理後のSEM輝度値プロファイルPro’のピークPeの位置とがずれると、SEM画像解析に支障をきたすので、この実施例では、この移動平均フィルタ処理にはゼロ位相デジタルフィルタ処理関数を用いる。
図10はそのゼロ位相デジタルフィルタ処理関数を用いて生の輝度値プロファイル信号Proのノイズ除去を行った後の輝度値プロファイル信号Pro’を示し、(a)は5点移動平均後の輝度値プロファイル信号Pro’であり、(b)は10点移動平均後の輝度値プロファイル信号Pro’であり、(c)は15点移動平均後の輝度値プロファイル信号Pro’である。
一般に、p点移動平均とは、i番目の画素(ピクセル)Giについて、GiからGi+pまでのp個のX方向の画素(ピクセル)の各輝度の和をpで除すことを意味し、図10(a)、(b)、(c)に示す輝度値プロファイルは画素Gi(i=1からmまで)の各画素について移動平均処理を行うことによって得られたものである。図11(a)はこのようにして得られたノイズ除去後の輝度値プロファイル信号Pro’の拡大図を示している。
ついで、このノイズ除去後の輝度値プロファイル信号Pro’を微分処理する(ステップS26)。図11(b)は図11(a)に示す輝度値プロファイル信号Pro’を微分処理した微分プロファイル信号(微分波形)Pwを示している。その図11(b)において、符号Pwmaxは微分プロファイルPwの最大値を示し、符号Pwminは微分プロファイルPwの最小値を示している。
すなわち、制御コンピュータ2は、ノイズが除去されたSEM輝度値プロファイル信号を微分処理して微分波形を取得する微分処理手段として機能する。
次に、この微分プロファイルProに基づき、微分プロファイルPwの最大値Pwmaxに対応するX方向の画素位置(走査方向のピクセルの座標点)、最小値Pwminに対応するX方向の画素位置(走査方向のピクセルの座標点)を探索する。この探索には、公知の手法を用いる。
ついで、この微分プロファイルPwの最大値Pwmaxに対応するX方向の画素位置(走査方向のピクセルの座標点)と微分プロファイルPwの最小値Pwminに対応するX方向の画素位置(走査方向のピクセルの座標点)とに基づき走査線方向のピーク幅(ピクセル数)w4を求める(ステップS27)。
すなわち、制御コンピュータ2は、微分波形の最大値に対応する電子ビームの走査方向のピクセルの座標点と微分波形の最小値に対応する電子ビームの走査方向のピクセルの座標点との差に基づきピーク幅w4を求めるピーク幅演算手段として機能する。
このピーク幅(ピクセル数)w4は、図7(c)に示す線幅(ピクセル数)w2よりも大きく、より多くのピクセル数を含んでいる。というのは、微分プロファイルPwのピーク波形部の立ち上がり側と立ち下がりとの両側を利用しているからである。
このピーク幅w4を所定本数の走査線について求め、その各走査線毎に得られたピーク幅w4の和をその本数で除すことによって、ピーク幅W4の平均値を求める(ステップS28)。
ついで、下記の式に基づいて、ピーク幅w4から側壁部の傾斜角度を演算する(ステップS29)。
θ=ax+b (1)
ここで、θは側壁部の傾斜角度であり、aは換算係数としてのスロープ(傾斜係数)、bは換算係数としてのインターセプト値(切片)、xはピーク幅w4を意味する。
スロープa、bは図7(a)に示す破壊測定により実際に測定した傾斜角度θ1と図11(b)に示すピーク幅w4との相関関係データを集め、蓄積することによって決定される。
ここで、このスロープ値a、インターセプト値bを、左側壁部PSL、右側壁部PSRのそれぞれについて求める。
左側壁部PSLに対応するスロープ値aL、インターセプト値bL、右側壁部PSRに対応するスロープ値aR、インターセプト値bRをそれぞれ求めて、換算係数を記憶部2’にあらかじめ記憶保存しておく。
すなわち、制御コンピュータ2は、測定により得られたピーク幅w4と記憶手段2’に記憶されている換算係数a、bとに基づき側壁部の傾斜角度θを演算する傾斜角度演算手段として機能する。
図12(a)はその実際の傾斜角度θ1とピーク幅w4との相関図を示し、図12(b)はその実際の傾斜角度θ1と(1)に示す式を用いて求めた側壁角度θとの相関図を示している。
その図12(a)、(b)において、「●」印はパターンAの右側壁部の実際の傾斜角度(実測値)θ1とピーク幅W4との相関関係を示し、「▲」印はパターンAの左側壁部の実際の傾斜角度(実測値)θ1とピーク幅W4との相関関係を示し、「○」印はパターンBの右側壁部の実際の傾斜角度(実測値)θ1とピーク幅W4との相関関係を示し、「△」印はパターンBの左側壁部の実際の傾斜角度(実測値)θ1とピーク幅W4との相関関係を示している。
この実施例では、右側壁部の換算係数と左側壁部の換算係数とを個別に求めて、(1)式の変数xにピーク幅w4を代入して、演算により側壁部の傾斜角度を求めているので、左側壁部と右側壁部とのオフセット成分を除去可能であり、この図12(a)、図12(b)から明らかなように、ピーク幅w4を用いて(1)式を用いて演算により求めた傾斜角度θと実際の傾斜角度θ1との相関関係は良好であり、非破壊検査により誤差の少ない傾斜角度を求めることができる。
なお、この実施例では、左右の側壁部の傾斜角度を求めることにしたが、図13に示すように、角柱型のマスクパターンの場合には、上下左右方向の側壁部の傾斜角度を求めるために、左右方向の傾斜角度のスロープ値aL、aR、インターセプト値bL、bRに加えて、上下方向の側壁部の傾斜角度を求めるために、上下方向の傾斜角度のスロープ値aU、aD、インターセプト値bU、bDをそれぞれ求めて、記憶部2’に記憶させておく構成とすることもできる。
なお、図1に示す荷電ビーム装置10の傾斜観察用偏向器32の電極114の個数は用途に応じて変更可能であり、傾斜方向が1方向のみで十分である場合は電極114は最低1個で良く、また、任意の方向からの傾斜画像が必要な場合は電極114は4個以上必要となる。
この実施例では、傾斜観察用偏向器32として、高速偏向とリニアリティに優れた静電偏向器と電極を使用しているが、磁界偏向器とコイルの組み合わせでも電子ビーム6の軌道を曲げて傾斜観察できることは勿論である。
Pw…微分プロファイル(微分波形)
Pwmax…最大値
Pwmin…最小値
w4…ピーク幅

Claims (5)

  1. 荷電ビームを生成して検査対象である試料に照射する荷電ビーム出射手段と、
    前記荷電ビームを集束するコンデンサレンズと、
    前記荷電ビームを偏向させて前記試料上で走査する走査偏向器と、
    前記荷電ビームを前記試料面に結像させる対物レンズと、
    前記対物レンズと前記試料との間に設けられて前記荷電ビームを偏向してビーム軸に対して任意の傾斜角度を有するように前記荷電ビームを前記試料に対して斜めに入射させる傾斜観察用偏向器と、
    前記荷電ビームの照射により前記試料から発生した2次荷電粒子と前記試料により反射された反射荷電粒子との少なくとも一方の荷電粒子を検出する荷電粒子検出手段と、
    前記傾斜角度を制御する制御手段とを備え、
    前記荷電粒子検出手段により検出した荷電粒子に基づきSEM画像を構築するSEM画像構築手段と、
    前記SEM画像から電子線の走査方向のSEM輝度値プロファイル信号を各走査に対応して構築するSEM輝度値プロファイル構築手段と、
    前記SEM輝度値プロファイル構築手段により得られた生のSEM輝度値プロファイル信号を移動平均フィルタを用いて平均化処理することにより前記生のSEM輝度値プロファイル信号に含まれているノイズを除去するノイズ除去手段と、
    前記ノイズ除去手段によりノイズが除去されたSEM輝度値プロファイル信号を微分処理して微分波形を取得する微分処理手段と、
    前記微分波形の最大値に対応する電子ビームの走査方向のピクセルの座標点と前記微分波形の最小値に対応する電子ビームの走査方向のピクセルの座標点との差に基づきピーク幅を求めるピーク幅演算手段と、
    実際に測定により求めた側壁部の傾斜角度とピーク幅との関係に基づき得られた換算係数を記憶する記憶手段と、
    前記ピーク幅と前記換算係数とに基づき前記側壁部の傾斜角度を演算する傾斜角度演算手段とを備えていることを特徴とする荷電ビーム装置。
  2. 前記移動平均フィルタはゼロ位相デジタルフィルタ処理関数であることを特徴とする請求項1に記載の荷電ビーム装置。
  3. 荷電ビームを生成して検査対象である試料に照射する荷電ビーム出射手段と、前記荷電ビームを集束するコンデンサレンズと、前記荷電ビームを偏向させて前記試料上で走査する走査偏向器と、前記荷電ビームを前記試料面に結像させる対物レンズと、前記対物レンズと前記試料との間に設けられて前記荷電ビームを偏向してビーム軸に対して任意の傾斜角度を有するように前記荷電ビームを前記試料に対して斜めに入射させる傾斜観察用偏向器と、前記荷電ビームの照射により前記試料から発生した2次荷電粒子と前記試料により反射された反射荷電粒子との少なくとも一方の荷電粒子を検出する荷電粒子検出手段と、前記傾斜角度を制御する制御手段とを備えた荷電ビーム装置を用いて前記パターンの側壁部の傾斜角度を測定する傾斜角度測定方法であって、
    前記荷電ビームを前記試料に照射する照射工程と、
    前記走査偏向器により前記荷電ビームを前記試料面で結像させる結像工程と、
    前記荷電ビームを偏向して前記試料に対して斜めに入射させる斜入射工程と、
    前記荷電ビームの照射により前記試料から発生した2次荷電粒子と前記試料により反射された反射荷電粒子との少なくとも一方の荷電粒子を検出する荷電粒子検出工程と、
    前記荷電粒子検出工程により検出した荷電粒子に基づきSEM画像を構築するSEM画像構築工程と、
    前記SEM画像から電子ビームの走査方向のSEM輝度値プロファイルを各走査に対応して構築するSEM輝度値プロファイル構築工程と、
    前記SEM輝度値プロファイル構築工程により得られた生のSEM輝度値プロファイル信号を移動平均フィルタを用いて平均化処理することにより前記生のSEM輝度値プロファイル信号に含まれているノイズを除去するノイズ除去工程と、
    前記ノイズ除去工程によりノイズが除去されたSEM輝度値プロファイル信号を微分処理して微分波形を取得する微分処理工程と、
    前記微分波形の最大値に対応する電子線の走査方向のピクセルの座標点と前記微分波形の最小値に対応する電子線の走査方向のピクセルの座標点との差に基づきピーク幅を求めるピーク幅演算工程と、
    実際に測定により求めた側壁部の傾斜角度とピーク幅との関係に基づき得られた換算係数と前記ピーク幅とに基づき前記側壁部の傾斜角度を演算する傾斜角度演算工程とを含むことを特徴とするパターンの傾斜角度測定方法。
  4. 前記移動平均フィルタはゼロ位相デジタルフィルタ処理関数であることを特徴とする請求項3に記載のパターンの傾斜角度測定方法。
  5. 荷電ビームを試料に対して斜め入射させてSEM画像を取得する工程と、
    前記工程により得られたSEM画像により得られる生のSEM輝度値プロファイルを移動平均フィルタを用いて生のSEM輝度値プロファイル信号に含まれているノイズを除去するノイズ除去工程と、
    前記ノイズ除去後のSEM輝度値プロファイル信号を微分してその微分波形の最大値と最小値とを取得し、最大値に対応する電子ビームの走査方向のピクセルの座標点と微分波形の最小値に対応する電子線の走査方向のピクセルの座標点との差に基づきピーク幅を求める工程と、
    実際に測定により求めた側壁部の傾斜角度とピーク幅との関係に基づき得られた換算係数とピーク幅とに基づき側壁部の傾斜角度を求める工程と、
    を含むことを特徴とするパターンの傾斜角度測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017135040A (ja) * 2016-01-29 2017-08-03 株式会社日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子線装置

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