JP2012031284A - インク組成物、インクセット、インクジェット記録方法、印刷物、成形印刷物の製造方法、及び、成形印刷物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(成分A)アルミニウム金属顔料と、(成分B)ラジカル重合性化合物と、(成分C)光ラジカル重合開始剤と、を含有し、成分Bがラジカル重合性化合物中の単官能モノマー80〜99.9重量%と多官能モノマー0.1〜20重量%とからなることを特徴とするインク組成物。
【選択図】なし
Description
金属顔料を含有するインク組成物として、特許文献1及び2に記載されたインク組成物が挙げられる。
<1>(成分A)アルミニウム金属顔料と、(成分B)ラジカル重合性化合物と、(成分C)光ラジカル重合開始剤と、を含有し、成分Bがラジカル重合性化合物中の単官能モノマー80〜99.9重量%と多官能モノマー0.1〜20重量%とからなることを特徴とするインク組成物、
<2>インク組成物中における成分Aの含有量が0.5〜20重量%である、<1>に記載のインク組成物、
<3>前記単官能モノマーとして式(b−1)で表される化合物及び/又は式(b−2)で表される化合物を含有する、<1>又は<2>に記載のインク組成物、
<4>成分B中における前記式(b−1)で表される化合物及び式(b−2)で表される化合物の総含有量が5〜99.9重量%である、<3>に記載のインク組成物、
<5><1>〜<4>いずれか1つに記載のインク組成物と、成分A以外の着色剤を含有するインク組成物を少なくとも1つとを含むことを特徴とするインクセット、
<6><1>〜<4>いずれか1つに記載のインク組成物を吐出して被記録媒体上に画像を形成する画像形成工程、及び、吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化させて、前記被記録媒体上に硬化した画像を有する印刷物を得る硬化工程、を含むことを特徴とするインクジェット記録方法、
<7><6>に記載のインクジェット記録方法により得られた印刷物、
<8><1>〜<4>いずれか1つに記載のインク組成物を吐出して被記録媒体上に画像を形成する画像形成工程、吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化させて、前記被記録媒体上に硬化した画像を有する印刷物を得る硬化工程、及び、前記印刷物を成形加工する工程、を含むことを特徴とする成形印刷物の製造方法、
<9><8>に記載の成形印刷物の製造方法により得られた成形印刷物。
本発明のインク組成物は、インクジェット記録用として好ましく用いられ、(成分A)アルミニウム金属顔料と、(成分B)ラジカル重合性化合物と、(成分C)光ラジカル重合開始剤と、を含有し、成分Bがラジカル重合性化合物中の単官能モノマー80〜99.9重量%と多官能モノマー0.1〜20重量%とからなることを特徴とする。
なお、明細書中、数値範囲を表す「A〜B」の記載は、特に断りのない限り、「A以上B以下」と同義である。また、「(メタ)アクリレート」等の記載は、「メタクリレート及び/又はアクリレート」等と同義である。
本発明のインク組成物は、(成分A)アルミニウム金属顔料を含有する。
アルミニウム金属顔料として好適に使用できるアルミニウム粉としては、公知のいずれのアルミニウム粉を適宜選択して使用することができる。
アルミニウム粉は、いずれの製造方法により製造されたものでもよい。アルミニウム粉の製造方法としては、例えば、アルミニウム地金を展延しながら破砕加工する方法、アルミニウムを薄いフィルムに蒸着し、それを粉末にする方法、光輝性の良い箔を極めて精密に粉末にする方法等が例示できるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、添加するアルミニウム粉は、ペースト状又は粉体のいずれの形状であってもよい。ペースト状のアルミニウム粉としては、炭化水素系溶媒(例えばエチルアセテート)に分散され、ペースト状となっているものが例示される。
また、樹脂コーティングしたアルミニウム粉が例示でき、これにより密着性、耐薬品性、耐候性等が向上するので好ましい。一方、光沢性や隠蔽性には劣る傾向がある。
本発明において、体積平均粒子径は、レーザー回折・散乱方式粒度分布測定装置(商品名:マイクロトラックMT3300EX、日機装(株)製)などによって分散媒と同じ液体で希釈して測定することができる。
アルミニウム金属顔料の含有量が0.5重量%以上であると、良好な光輝感が得られるので好ましい。また、アルミニウム金属顔料の含有量が20重量%以下であると、インク組成物の安定性が良好であるので好ましい。
インク組成物は、例えば、ラジカル重合性化合物と、光ラジカル重合開始剤と、アルミニウム金属顔料と、必要に応じて各種添加剤を加えることで調製(インク化)することができる。
また、本発明において、インク組成物を調製する際に分散剤を使用することが好ましく、分散剤として酸性分散剤を使用することがより好ましい。
また、前記インク組成物は、まずアルミニウム金属顔料濃度の高い分散体を作製し、これに前記ラジカル重合性化合物や各種添加剤などを加え、希釈して調製することもできる。
ビーズ(分散メディア)としては、ガラスビーズ、ステンレスビーズ、アルミナビーズ、ジルコニアビーズ等が例示でき、これらの中でもビーズ(分散メディア)としてジルコニアビーズを使用することが好ましい。ジルコニアビーズは強度及び硬度に優れ、ビーズ(分散メディア)の切削粉の発生が少ないので好ましい。
本発明において、分散剤として酸性分散剤を使用することが好ましい。酸性分散剤とはブロック又はグラフト構造により少なくとも主鎖の片末端に、酸性顔料親水性基を有する高分子化合物である。酸性分散剤を使用すると、前記アルミニウム金属顔料の分散が速やかに行われ、安定な分散物が得られるので好ましい。
酸性顔料親水基としてはカルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基が例示できる。
高分子としては、ポリ(メタ)アクリレート、ポリウレタン、ポリエステル又はこれらの変性物が例示できる。
このような分散剤は、上市されており、DISPERBYK−102、DISPERBYK−110、DISPERBYK−111、DISPERBYK−112、DISPERBYK−180(以上、ビックケミー社製)、Solsperse26000、Solsperse36000、Solsperse41000(以上、Lubrizol社製)が例示できる。また、分散剤は一種単独で使用することもできるし、二種以上を併用することもできる。
分散媒として用いられるラジカル重合性化合物の構造としては、エチレンオキサイド(EO)鎖、プロピレンオキサイド(PO)鎖、ベンゼン環が含まれているものが特に分散性を向上させるため好ましい。さらに重合性基を有するものが硬化性の観点で好ましい。
特に好ましい例としては、EO鎖を含む分散媒として、トリエチレングリコールジビニルエーテル(RAPI−CURE DVE−3、アイエスピー・ジャパン(株)製)、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート(EOEOEA)、及び、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(EOTMPTA)等が挙げられる。
PO鎖を含む分散媒として、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ポリプロピレングリコールジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート(NPGPODA)、ジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、及び、アルコキシ化テトラヒドロフルフリルアクリレート(CD611、サートマー社製)等が挙げられる。
ベンゼン環を含む分散媒として、フェノキシエチルアクリレート(PEA)、フェノキシエチルオキシエチルアクリレート(EBECRYL110、ダイセル・サイテック(株)性)等が挙げられる。
本発明のインク組成物は、(成分B)ラジカル重合性化合物を含有する。成分Bは、ラジカル重合性化合物中の単官能モノマー80〜99.9重量%と多官能モノマー0.1〜20重量%とからなる。
本発明のインク組成物は、ラジカル重合性化合物として、単官能モノマーを含有する。単官能モノマーは、成分Bの総重量の80〜99.9重量%を占める。
成分B中における単官能モノマーの含有量が80重量%未満であると、硬化膜の柔軟性が低下する。成分B中における単官能モノマーの含有量は、インク組成物の硬化性、硬化膜の柔軟性、及び、膜硬度の観点から、82〜98.0重量%が好ましい。
単官能モノマーとしては、式(b−1)で表される化合物、式(b−2)で表される化合物、及び、芳香族単官能モノマー等が好ましく挙げられる。
本発明のインク組成物は、好ましくは式(b−1)で表される化合物を含有する。式(b−1)で表される化合物を含有することにより、分散安定性が向上し、インク膜表面のアルミニウム比率が上がり、硬化性、及び、膜硬度が高い画像が得られるインク組成物が得られる。
Xは、単結合、アルキレン基、オキシアルキレン基若しくは前記オキシアルキレン基を2以上組み合わせた基、エステル結合、又は、これらを2以上組み合わせた基を表す。
前記アルキレン基は、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜8のアルキレン基がより好ましい。
オキシアルキレン基若しくは前記オキシアルキレン基を2以上組み合わせた基は、式(b−1)における(メタ)アクリロイルオキシ基の酸素原子にアルキレン基側が結合する基である。オキシアルキレン基に含まれるアルキレン基としては、直鎖又は分岐を有する炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、炭素数2又は3の直鎖又は分岐を有するアルキレン基がより好ましく、イソプロピレン基がさらに好ましい。オキシアルキレン基を2個以上組み合わせる場合には、10個以下が好ましく、5個以下がより好ましい。
X中に、エステル結合(−COO−又は−OCO−)を含む場合には、Xは、前記アルキレン基とエステル結合とを組み合わせた基であることが好ましい。すなわち、R2及びR3が結合する炭素原子に酸素原子が結合するオキシカルボニルアルキレン基であることが好ましい。
前記アルキル基としては、直鎖又は分岐を有する炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。
前記アルコキシ基としては、直鎖又は分岐を有する炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
前記アミノ基には、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基が含まれ、当該アルキル基は、直鎖又は分岐を有する炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。アミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基が好ましい。
アミノアルキル基に含まれるアミノ基は、前記アミノ基と同様である。すなわち、アミノアルキル基には、モノアルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基が含まれる。アミノアルキル基のアミノ基を除いたアルキル基の部分は、炭素数1〜3のアルキルが好ましい。アミノアルキル基としては、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、ジイソプロピルアミノメチル基が好ましい。
形成される環状構造は、酸素原子を2個含む環の員数が6〜8の環状構造が好ましく、環の員数が6の環状構造がより好ましく、1,3−ジオキサン−5−イル基が特に好ましい。
本発明のインク組成物は、単官能モノマーとして好ましくは芳香族単官能モノマーを含有する。芳香族単官能モノマーと、上記式(b−1)で表される化合物、又は、式(b−2)で表される化合物とを併用することにより硬化性に優れたインク組成物が得られる。
芳香族単官能モノマーとしては、分子内に1つのラジカル重合性のエチレン性不飽和基と少なくとも1つの芳香族基を有するモノマーが好ましく、分子内に1つの(メタ)アクリロイルオキシ基又は(メタ)アクリルアミド基と、少なくとも1つの芳香族炭化水素基を有するモノマーがより好ましい。
芳香族単官能モノマーの具体例としては、特開2009−096985号公報の段落0048〜0063に記載された、芳香族単官能ラジカル重合性モノマーが好ましく挙げられる。中でも、芳香族単官能ラジカル重合性モノマーとしては、式(b−3)で表される化合物が好ましい。
X1は二価の連結基を表し、エーテル基(−O−)、エステル基(−C(O)O−若しくは−OC(O)−)、アミド基(−C(O)NR’−)、カルボニル基(−C(O)−)、イミノ基(−NR’−)、置換基を有していてもよい炭素数1〜15のアルキレン基、又は、これらを2以上組み合わせた二価の基であることが好ましい。なお、R’は水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状アルキル基、又は、炭素数6〜20のアリール基を表す。
式(b−3)中、X1のビニル基と結合する端部は、X1のカルボニル炭素とエチレン性不飽和基とが結合するエステル基又はアミド基であることが好ましく、より好ましくはエステル結合である。特に、H2C=C(R1)−C(O)O−の構造を有するものであることが好ましい。その場合、X1の他の部分は、単結合であっても、前記の基から任意に選択したものであってもよい。
R1及びX1を含む部分(H2C=C(R1)−X1−)は、芳香族炭化水素基Ar上の任意の位置で結合することができる。
また、着色剤との親和性を向上させるという観点から、X1の芳香族炭化水素基Arと結合する端部は、酸素原子であることが好ましく、エーテル性酸素原子であることがより好ましく、X1は、*−C(O)O(LO)q−又は*−C(O)NH(LO)q−であることが好ましい。ここで、*は、式(A2)のX1とエチレン性不飽和基との結合位置を示し、qは0〜10の整数であり、Lは炭素数2〜4のアルキレン基を表す。これらの中でも、X1は*−C(O)O(LO)q−であることが好ましく、qは0〜4の整数であることが好ましく、0〜2の整数であることがより好ましく、1又は2であることがさらに好ましい。(LO)qは、エチレンオキシド鎖又はプロピレンオキシド鎖であることが好ましい。
uは、0〜5の整数を表し、0であることが好ましい。
中でも本発明においては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、単環芳香族炭化水素基、すなわちフェニル基がより好ましい。
なお、式(b−3)における芳香族炭化水素基Arは、O、N、S等のヘテロ原子を含む芳香族複素環であってもよいが、ヘテロ原子を含まないことが好ましい。
本発明のインク組成物は、上記式(b−1)で表される化合物、式(b−2)で表される化合物、芳香族単官能モノマー以外のその他の単官能モノマーを含有していてもよい。その他の単官能モノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステル化合物が好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル化合物には、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態を持つものが含まれる。その他の(メタ)アクリル酸エステル化合物は、1種のみ用いてもよく、目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。
置換アミノ基の置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。その他の単官能モノマーとしては炭素数1〜5のアルキル基を有する置換アミノアルキル(メタ)アクリレートがより好ましく、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートが更に好ましい。
本発明のインク組成物は、ラジカル重合性化合物として、多官能モノマーを含有する。多官能モノマーは、成分Bの総重量の0.1〜20重量%を占める。
成分B中における多官能モノマーの含有量が20重量%を超えると、硬化膜の柔軟性、延伸性が低下する。成分B中における多官能モノマーの含有量は、硬化性、膜硬度、柔軟性の観点から、0.5〜19.9重量%が好ましく、2〜18重量%がより好ましい。
多官能モノマーが有する官能基数は、2〜6個が好ましく、2〜4個がより好ましく、2個が更に好ましい。
ビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、ヒドロキシエチルモノビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシノニルモノビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
本発明のインク組成物は、(成分C)光ラジカル重合開始剤(以下、「重合開始剤」ともいう。)を含有する。重合開始剤は、前記活性放射線等の外部エネルギーを吸収して重合開始種を生成する化合物である。本発明に用いることができる重合開始剤としては、芳香族ケトン類、アシルホスフィン化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、及び、炭素ハロゲン結合を有する化合物等が挙げられる。これらの重合開始剤の具体例としては、特開2008−208190号公報、特開2009−096985号公報に記載の重合開始剤が挙げられる。重合開始剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも重合開始剤としては、アシルホスフィン化合物、芳香族ケトン類が好ましい。芳香族ケトン類としては、チオキサントン化合物が好ましい。アシルホスフィン化合物とチオキサントン化合物とを併用することが特に好ましい。
アシルホスフィン化合物としては、特開2009−096985号公報の段落0080〜0098に記載のアシルホスフィンオキサイド化合物が好ましく挙げられ、中でも、化合物の構造中に式(c−1)又は式(c−2)で表される構造を有するものが好ましい。
中でも、式(c−3)で表されるモノアシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(Darocur TPO:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、Lucirin TPO:BASF社製)が好ましい。
中でも、式(c−4)で表されるビスアシルホスフィンオキサイド化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(IRGACURE819、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)が好ましい。
チオキサントン化合物は、式(c−5)で表される化合物であることが好ましい。
R1〜R8は、それぞれ隣接する2つが互いに連結して環を形成していてもよい。これらが環を形成する場合の環構造としては、5又は6員環の脂肪族環、芳香族環などが挙げられ、炭素原子以外の元素を含む複素環であってもよく、また、形成された環同士がさらに組み合わさって2核環、例えば、縮合環を形成していてもよい。これらの環構造は置換基をさらに有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシ基及びスルホ基が挙げられる。形成された環構造が複素環である場合のヘテロ原子の例としては、N、O、及びSを挙げることができる。
これらの中でも、入手容易性や硬化性の観点から、2−イソプロピルチオキサントン、及び、4−イソプロピルチオキサントンがより好ましい。
アシルホスフィン化合物とチオキサントン化合物とを併用する場合、アシルホスフィン化合物:チオキサントン化合物の重量比で、好ましくは99:1〜1:99、より好ましくは90:10〜50:50、さらに好ましくは80:20〜50:50の範囲である。
本発明のインク組成物は、成分Aのアルミニウム金属顔料の他に、(成分D)成分A以外の着色剤を含有していてもよい。アルミニウム金属顔料と成分A以外の着色剤とを併用することで、金属光沢画像に様々なカラーバリエーションを持たせることができる。
着色剤としては、特に制限はないが、耐候性に優れ、色再現性に富んだ顔料及び油溶性染料が好ましく、溶解性染料等の公知の着色剤から任意に選択して使用できる。着色剤は、活性放射線による硬化反応の感度を低下させないという観点から、重合禁止剤として機能しない化合物を選択することが好ましい。
本発明に使用できる顔料としては、特に限定されるわけではないが、例えばカラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。赤又はマゼンタ顔料としては、Pigment Red 3,5,19,22,31,38,42,43,48:1,48:2,48:3,48:4,48:5,49:1,53:1,57:1,57:2,58:4,63:1,81,81:1,81:2,81:3,81:4,88,104,108,112,122,123,144,146,149,166,168,169,170,177,178,179,184,185,208,216,226,257、Pigment Violet 3,19,23,29,30,37,50,88、Pigment Orange 13,16,20,36、青又はシアン顔料としては、Pigment Blue 1,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17−1,22,27,28,29,36,60、緑顔料としては、Pigment Green 7,26,36,50、黄顔料としては、Pigment Yellow 1,3,12,13,14,17,34,35,37,55,74,81,83,93,94,95,97,108,109,110,120,137,138,139,153,154,155,157,166,167,168,180,185,193、黒顔料としては、Pigment Black 7,28,26などが目的に応じて使用できる。
酸化チタンは、特に限定されず、白色顔料として使用されている公知の酸化チタンから適宜選択して使用することができる。ルチル型二酸化チタン及びアナターゼ型二酸化チタンのいずれも使用することができるが、触媒活性能が低く、経時安定性に優れる点から、ルチル型二酸化チタンが好ましく使用される。
酸化チタンは上市されており、例えば、Tipaque CR60−2、Tipaque A−220(いずれも、石原産業(株)製)や、KRONOS1001、1014、1071、1074、1075、1077、1078、1080、1171、2044、2047、2056、2063、2080、2081、2084、2087、2160、2190、2211、2220、2222、2225、2230、2233、2257、2300、2310、2450、2500、3000、3025(いずれも、KRONOS社製)等が例示できる。
また、酸化チタンは、必要に応じて表面処理を行ってもよい。具体的には、例えば、シリカ、アルミナ、亜鉛、ジルコニア、有機物処理が行われ、処理方法によって耐候性や親油水性が異なる。本発明においてはアルミナ、亜鉛、ジルコニア、塩基性有機物処理されたものが好ましい。
分散染料の好ましい具体例としては、C.I.ディスパースイエロー 5,42,54,64,79,82,83,93,99,100,119,122,124,126,160,184:1,186,198,199,201,204,224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ 13,29,31:1,33,49,54,55,66,73,118,119及び163;C.I.ディスパーズレッド 54,60,72,73,86,88,91,92,93,111,126,127,134,135,143,145,152,153,154,159,164,167:1,177,181,204,206,207,221,239,240,258,277,278,283,311,323,343,348,356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット 33;C.I.ディスパーズブルー 56,60,73,87,113,128,143,148,154,158,165,165:1,165:2,176,183,185,197,198,201,214,224,225,257,266,267,287,354,358,365及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン 6:1及び9;等が挙げられる。
本発明において、溶剤が硬化画像に残留する場合の耐溶剤性の劣化、及び、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound:揮発性有機化合物)の問題を避けるためにも、着色剤は、重合性化合物のような分散媒体に予め添加して、配合することが好ましい。なお、分散適性の観点のみを考慮した場合、着色剤の添加に使用する重合性化合物は、最も粘度の低いモノマーを選択することが好ましい。着色剤はインク組成物の使用目的に応じて、1種又は2種以上を適宜選択して用いればよい。
インク組成物中における着色剤の含有量は、色、及び使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の重量に対し、0.01〜30重量%であることが好ましい。
本発明のインク組成物は、分散剤を含有することが好ましい。特に顔料を使用する場合において、顔料をインク組成物中に安定に分散させるため、分散剤を含有することが好ましい。分散剤としては、高分子分散剤が好ましい。
インク組成物中における分散剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の重量に対し、0.05〜15重量%であることが好ましい。
本発明に用いることができるインク組成物には、長時間安定した吐出性を付与するため、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
本発明のインク組成物には、その他の成分として、特開2009−096985号公報に記載の増感剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、溶剤、高分子化合物、塩基性化合物等を添加してもよい。
本発明においては、吐出性を考慮し、インク組成物の25℃における粘度が40mPa・s以下であることが好ましい。より好ましくは5〜40mPa・s、さらに好ましくは7〜30mPa・sである。また、吐出温度(好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃)における粘度が、3〜15mPa・sであることが好ましく、3〜13mPa・sであることがより好ましい。本発明のインク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク組成物の浸透を回避し、未硬化モノマーの低減が可能となる。さらにインク組成物の液滴着弾時のインク滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善される。
本発明のインクセットは、本発明のインク組成物と、成分A以外の着色剤を含有するインク組成物を少なくとも1つとを含むことを特徴とする。
成分A以外の着色剤を含有するインク組成物としては、公知のラジカル重合性インク組成物を用いることができ、限定されないが、成分Aを除いて本発明のインク組成物と同様な成分を含むインク組成物が好ましい。また、成分A以外の着色剤として、成分Dの着色剤を好ましく用いることができる。
また、本発明のインクセットは、本発明のインクジェット記録方法に好適に用いることができる。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインク組成物を吐出して被記録媒体上に画像を形成する画像形成工程(以下、(a)工程ともいう。)、及び、吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化させて、前記被記録媒体上に硬化した画像を有する印刷物を得る硬化工程(以下、(b)工程ともいう。)、を含むことを特徴とする。
本発明の印刷物は本発明のインクジェット記録方法により得られたことを特徴とする。
本発明において、被記録媒体としては、特に限定されず、公知の被記録媒体を使用することができ、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、ポリ塩化ビニル、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。また、本発明における被記録媒体として、非吸収性被記録媒体を好適に使用することができる。
本発明で用いることのできるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、活性放射線源を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、本発明のインク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク組成物供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1〜100pL、より好ましくは3〜42pL、さらに好ましくは8〜30pLのマルチサイズドットを、好ましくは320×320〜4,000×4,000dpi、より好ましくは400×400〜1,600×1,600dpi、さらに好ましくは720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
ノズルの開口部の形状は円形、楕円形、多角形等が挙げられる。ノズルの開口部の形状が円でない場合には、開口部の直径は、開口部の面積に相当する円の直径を意味する。
被記録媒体上に吐出されたインク組成物は、活性放射線を照射することによって硬化する。これは、本発明のインク組成物に含まれる重合開始剤が活性放射線の照射により分解して、ラジカルなどの重合開始種を発生し、その開始種の機能に重合性化合物の重合反応が、生起、促進されるためである。このとき、インク組成物において重合開始剤と共に増感剤が存在すると、系中の増感剤が活性放射線を吸収して励起状態となり、重合開始剤と接触することによって重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を活性放射線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。さらに一層短い波長が必要とされる場合、LEDとして、米国特許番号第6,084,250号明細書に開示されている、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性放射線を放出し得るLEDが例示できる。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で好ましい活性放射線源はUV−LEDであり、特に好ましくは350〜420nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
また、本発明のインクジェット記録方法においては、インク組成物を吐出した後0.01〜10秒の間に、2,000mW/cm2以下の露光面照度で活性放射線を照射し、前記インク組成物を硬化させることが好ましい。
活性放射線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インク組成物の吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性放射線の照射は、インク組成物の着弾後、一定時間(好ましくは0.01〜0.5秒、より好ましくは0.01〜0.3秒、さらに好ましくは0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク組成物の着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、被記録媒体に着弾したインク組成物が硬化前に滲むことを防止するこが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインク組成物が浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えることができるので好ましい。
さらに、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。国際公開第99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明のインクジェット記録方法に適用することができる。
本発明の成形印刷物の製造方法は、本発明のインク組成物を吐出して被記録媒体上に画像を形成する画像形成工程(以下、(a)工程ともいう。)、吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化させて、前記被記録媒体上に硬化した画像を有する印刷物を得る硬化工程(以下、(b)工程ともいう。)、及び、前記印刷物を成形加工する工程(以下、(c)工程ともいう。)、を含むことを特徴とする。
また、本発明の成形印刷物は、前記成形印刷物の製造方法により得られたことを特徴とする。
本発明の成形印刷物の製造方法に用いることができる被記録媒体は、特に限定はなく、成形加工に適した公知の被記録媒体を用いることができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、オレフィン系熱化塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、テレフタル酸−イソフタル酸−エチレングリコール共重合体、テレフタル酸−エチレングリコール−1,4シクロヘキサンジメタノール共重合体、ポリエステル系熱化塑性エラストマー等のポリエステル樹脂、ナイロン6、ナイロン9、ナイロン6,6等のポリアミド樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ三フッ化ビニリデン、エチレン−四フッ化エチレン共重合体、ポリ四フッ化エチレン等のフッ素系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート樹脂等を例示できる。
上記アクリル系樹脂は、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、エチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体等の樹脂を単体又は2種以上の混合物で用いることができる。
中でも、加飾印刷が容易なことや仕上がり成形物の諸耐性が優れている点でポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート樹脂やポリカーボネート樹脂に他樹脂をブレンドした樹脂のシートが好ましく用いられ、ポリカーボネート樹脂又ポリカーボネート樹脂に他樹脂をブレンドした樹脂のシートが好ましい。また、被記録媒体は、1種又は2種以上の樹脂シートを積層した積層体であってもよい。
画像は、透明シートの裏面側(真空成形において金型に接する側)に施されるのが一般的であるが、その反対面にも画像が形成されてもよい。また場合によっては、前記反対面にのみ画像を形成することもでき、この場合には基材となる熱可塑性樹脂シートは透明である必要はない。
アルミニウム金属顔料(ROTOVARIO 500 022、アルミフレーク顔料ペースト、エカルト社製) 50重量部(固形分)
2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート 40重量部
ソルスパース36000(Lubrizol社製) 10重量部
上記の成分をボールミルにより、直径0.2mmのジルコンビーズを使用して20時間分散し、金属顔料ミルベースを得た。
この際、アルミニウム金属顔料の体積平均粒子径をレーザ回折・散乱方式粒度分布測定装置(商品名:マイクロトラックMT3300EX、日機装(株)製)によって測定した結果、0.25μmであった。
・シアン顔料;IRGALITE BLUE GLVO(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・マゼンタ顔料;CINQUASIA MAGENTA RT−355D(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・イエロー顔料;NOVOPERM YELLOW H2G(クラリアント社製)
・ブラック顔料;SPECIAL BLACK 250(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・ホワイト顔料;アルミナ処理酸化チタン
(単官能モノマー)
・EOEOEA(2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート
(分散剤)
・SOLSPERSE2000(Lubrizol社製)
・SOLSPERSE32000(Lubrizol社製)
・SOLSPERSE5000(Lubrizol社製)
・SOLSPERSE36000(Lubrizol社製)
<インク組成物の作製方法>
表2に記載の素材を混合、撹拌することで、実施例1〜17、及び、比較例1及び2のインク組成物を得た。なお、表中の数値は各成分の配合量(重量部)を表す。
次に、ピエゾ型インクジェットノズルを有するインクジェット記録装置を用いて、被記録媒体への記録を行った。インク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッド(ノズルの開口部の直径25μm)から成り、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までを断熱及び加温を行った。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近にそれぞれ設け、ノズル部分が常に40℃±2℃となるよう、温度制御を行った。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、1〜10plのマルチサイズドットを4,800×4,800dpiの解像度で射出できるよう駆動した。着弾後はUV光を露光面照度700mW/cm2に集光し、被記録媒体上にインク組成物が着弾した0.1秒後に照射が始まるよう露光系、主走査速度及び射出周波数を調整した。また、露光時間を可変とし、露光エネルギーを照射した。紫外線ランプには、HAN250NLハイキュア水銀ランプ((株)ジーエス・ユアサ コーポレーション製)を使用した。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。被記録媒体として、エステルフィルムE5000(膜厚125μm、東洋紡績(株)製)を用いた。
(硬化性の評価)
前記インクジェット記録方法に従い、平均膜厚が12μmのベタ画像の描画を行い、紫外線照射後の画像面において、粘着感の無くなる露光エネルギー量(mJ/cm2)を硬化感度と定義した。数値が小さいものほど高感度であることを表す。
また、硬化感度は以下の基準で評価した。
5・・・3,500mJ/cm2未満
4・・・3,500mJ/cm2以上4,000mJ/cm2未満
3・・・4,000mJ/cm2以上4,500mJ/cm2未満
2・・・4,500mJ/cm2以上5,000mJ/cm2未満
1・・・5,000mJ/cm2以上
基準3〜5の範囲であれば、実用上の問題を生じない。
各インク組成物で最も低エネルギーで粘着性がなくなる露光量で、前記インクジェット記録方法に従い、透明基材(エステルフィルムE5000)に対し平均膜厚が4μmのベタ画像の描画を行い、その画像を23℃、相対湿度60%の条件下で1日保管した後に画面中央部分を手で180°に折り曲げて硬化膜の割れの有無を観察し、次のように評価した。
5・・・20回以上で硬化膜に割れが生じる。
4・・・15回以上20回未満で硬化膜に割れが生じる。
3・・・10回以上15回未満で硬化膜に割れが生じる。
2・・・5回以上10回未満で硬化膜に割れが生じる。
1・・・5回未満で硬化膜に割れが生じる。
基準3〜5の範囲であれば、実用上の問題を生じない。
各インク組成物で過剰な露光量(30,000mJ/cm2)で、前記インクジェット記録方法に従い、透明基材(ポリカーボネート)に対し平均膜厚が12μmのベタ画像の描画を行い、その画像を25℃でJIS K5600−5−4に沿って鉛筆硬度測定を行った。
8・・・4H以上
7・・・3H
6・・・2H
5・・・H
4・・・F
3・・・HB
2・・・B
1・・・2B以下
基準4〜8の範囲であれば、実用上の問題を生じない。
各インク組成物で過剰な露光量(15,000mJ/cm2)で、前記インクジェット記録方法に従い、透明基材(ポリカーボネート)に対し平均膜厚が12μmのベタ画像の描画を行い、どの画像を下記目視によって評価した。
5・・・水平な画像の鉛直方向の真上から観察してメタリック調と判断可能
4・・・画像を鉛直方向の真上から観察して水平から30度傾けた時点でメタリック調と判断可能
3・・・画像を鉛直方向の真上から観察して水平から60度傾けた時点でメタリック調と判断可能
2・・・画像を鉛直方向の真上から観察して水平から90度傾けた時点でメタリック調と判断可能
1・・・ほぼ灰色
基準3〜5の範囲であれば、実用上の問題を生じない。
(単官能モノマー)
・PEA;2−フェノキシエチルアクリレート(下記化合物、SR339、SARTOMER社製)
・Viscoat#150;下記化合物(大阪有機化学工業(株)製)
・CTFA;サイクリックトリメチロールプロパンフォーマルアクリレート下記化合物
・NVC;N−ビニルカプロラクタム(V−CAP、アイエスピー・ジャパン(株)製)
(多官能モノマー)
・NPGPODA;プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート(下記化合物)
・Irg 819;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(IRGACURE 819、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・ITX;2−イソプロピルチオキサントンと4−イソプロピルチオキサントンとの混合物(FIRSTCURE ITX、ALBEMARLE社製)
表3に記載の素材を混合、撹拌することで、実験例1〜5に示すイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、ホワイトのインク組成物を得た。
実施例1〜17に記載の金属顔料を含むいずれか1つのインク組成物と、実験例1〜5のインク組成物とを組み合わせて実施例18〜34のインクセットを作製した。
前記インクジェット画像記録において、実施例1〜17のインク組成物についてはピエゾ型のインクジェットヘッド(ノズルの開口部の直径25μm)を用いて吐出し、実験例1〜5のインク組成物についてはピエゾ型のインクジェットヘッド(ノズルの開口部の直径20μm)を用いて吐出した以外は、同様な条件で画像を形成した。
実施例1〜17のインク組成物を含む多色のインクセットを用いた場合においても、硬化性、柔軟性、膜硬度、金属光沢性に優れた画像が得られた。
真空成形装置フォーミング300X(成光産業(株)製)を用い真空成形を行った。上記インクジェット記録方法にて、被記録媒体をパンライトシートPC−1151(帝人化成(株)製)とする以外は、実施例1と同様の条件にて、印刷物を作成した。
支持体の温度が90℃になるようにヒータの温度を設定し、真空テーブルの中心に図1に示す木製型を設置し真空成形を行った。成形された印刷物にひび割れ、白抜けが生じていないか、目視で観察を行った。また、真空成形加工後に表面の傷つきの有無を目視で観察した。ひび割れ、白抜けが全く見られなかった。
Claims (9)
- (成分A)アルミニウム金属顔料と、
(成分B)ラジカル重合性化合物と、
(成分C)光ラジカル重合開始剤と、を含有し、
成分Bがラジカル重合性化合物中の単官能モノマー80〜99.9重量%と多官能モノマー0.1〜20重量%とからなることを特徴とする
インク組成物。 - インク組成物中における成分Aの含有量が0.5〜20重量%である、請求項1に記載のインク組成物。
- 前記単官能モノマーとして式(b−1)で表される化合物及び/又は式(b−2)で表される化合物を含有する、請求項1又は2に記載のインク組成物。
- 成分B中における前記式(b−1)で表される化合物及び式(b−2)で表される化合物の総含有量が5〜99.9重量%である、請求項3に記載のインク組成物。
- 請求項1〜4いずれか1つに記載のインク組成物と、成分A以外の着色剤を含有するインク組成物を少なくとも1つとを含むことを特徴とするインクセット。
- 請求項1〜4いずれか1つに記載のインク組成物を吐出して被記録媒体上に画像を形成する画像形成工程、及び、
吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化させて、前記被記録媒体上に硬化した画像を有する印刷物を得る硬化工程、を含むことを特徴とする
インクジェット記録方法。 - 請求項6に記載のインクジェット記録方法により得られた印刷物。
- 請求項1〜4いずれか1つに記載のインク組成物を吐出して被記録媒体上に画像を形成する画像形成工程、
吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化させて、前記被記録媒体上に硬化した画像を有する印刷物を得る硬化工程、及び、
前記印刷物を成形加工する工程、を含むことを特徴とする
成形印刷物の製造方法。 - 請求項8に記載の成形印刷物の製造方法により得られた成形印刷物。
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