JP2012030737A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量化しつつ、耐久性能を向上させた空気入りラジアルタイヤを提供する。
【解決手段】空気入りラジアルタイヤは、アラミド繊維束に下撚りを加えてなる少なくとも2本のアラミド下撚り糸とポリエステル繊維束に下撚りを加えてなる1本のポリエステル下撚り糸とを束ねて上撚りを加えてなる複合コードが、カーカス層の補強コードとして用いられる。この複合コードは、総繊度が2500〜6000dtexであり、かつ下記数式(1)で表される上撚り係数Kが1200〜2500である。ポリエステル繊維束の繊度は、複合コードの総繊度に対して20〜50%である。
K=T・(D/ρ+D/ρ1/2・・・(1)
Tは複合コードの上撚り数(回/10cm)、Dはアラミド繊維束の総繊度(dtex)、ρはアラミド繊維束の比重、Dはポリエステル繊維束の繊度(dtex)、ρはポリエステル繊維束の比重
【選択図】図1

Description

本発明は、2本のアラミド下撚り糸と1本のポリエステル下撚り糸とを束ねて上撚りをかけてなる複合コードをカーカス層の補強コードに用いた空気入りラジアルタイヤに関し、特に、軽量化しつつ、耐久性能を向上させた空気入りラジアルタイヤに関する。
近年、空気入りラジアルタイヤをより軽量化するためにカーカス層の補強コードに、アラミド繊維が用いられている。しかし、アラミド繊維単体をカーカス層の補強コードに用いた場合、耐久性が低下するという問題がある。そこで、カーカス層の補強コードに、アラミド繊維とナイロン繊維などの低弾性繊維とを撚り合わせた複合繊維コードが用いられている(特許文献1、2参照)。
特許文献1には、下撚りを施した1本の46ナイロン繊維ヤーンと2本のアラミド繊維ヤーンとを互いに撚り方向を逆にして撚り合わせた複合繊維コードをカーカス層に用いた空気入りラジアルタイヤが開示されている。
特許文献2には、カーカスコードに、アラミド繊維とポリエステル繊維との複合コードを用いた空気入りタイヤが開示されている。この特許文献2において、カーカスコードは、アラミド繊維からなる第1ストランドと、ポリエステル繊維からなる第2ストランドとを上撚りにて互いに撚り合わせた複合コードからなり、しかも第1ストランドは、下撚りしたアラミド繊維のフィラメント束の2本を中間撚りにて互いに撚り合わせて形成されるとともに、第2ストランドは、下撚りしたポリエステル繊維のフィラメント束の1本からなる。
特開2009−132324号公報 国際公開第2009/063913号
上述のように、空気入りラジアルタイヤの軽量化のために、特許文献1のようにアラミド繊維とナイロン繊維などの低弾性繊維とを撚り合わせた複合繊維コードを用いた場合、フラットスポット現象が生じやすいという問題がある。
特許文献2では、アラミド繊維とポリエステル繊維との複合コードを用いている。しかしながら、特許文献2の複合コードは、下撚りしたアラミド繊維のフィラメント束の2本を中間撚りにて互いに撚り合わせて形成された第1ストランドと、ポリエステル繊維からなる第2ストランドとを上撚りにて互いに撚り合わせて形成している。アラミド繊維には、より多くの撚りがかかり、アラミド繊維束からなる第1ストランドの使用量が増えるため、十分なタイヤの軽量化が得られない。また、コードの平坦性が失われ、加工時の取扱いが難しくなるという問題がある。
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、軽量化しつつ、耐久性能を向上させた空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、左右一対のビード部間に装架される、補強コードを備えたカーカス層を有し、前記カーカス層は、アラミド繊維束に下撚りを加えてなる少なくとも2本のアラミド下撚り糸とポリエステル繊維束に前記アラミド下撚り糸と同方向の下撚りを加えてなる1本のポリエステル下撚り糸とを束ねて前記下撚りとは逆方向の上撚りを加えてなる複合コードが、前記補強コードとして用いられ、前記複合コードは、総繊度が2500〜6000dtexであり、かつ下記数式(1)で表される上撚り係数Kが1200〜2500であり、前記ポリエステル繊維束の繊度は、前記複合コードの総繊度に対して20〜50%であることを特徴とする空気入りラジアルタイヤを提供するものである。
K=T・(D/ρ+D/ρ1/2・・・(1)
ただし、Tは前記複合コードの上撚り数(回/10cm)、Dは前記アラミド繊維束の総繊度(dtex)、ρは前記アラミド繊維束の比重、Dは前記ポリエステル繊維束の繊度(dtex)、ρは前記ポリエステル繊維束の比重
この場合、前記複合コードは、前記ポリエステル下撚り糸の下撚り数が、前記アラミド下撚り糸の下撚り数よりも小さく、かつ前記ポリエステル下撚り糸の下撚り数が、前記アラミド下撚り糸の下撚り数の15〜90%であることが好ましい。
また、前記カーカス層は、1層構成であることが好ましい。
本発明の空気入りラジアルタイヤによれば、上記構成により、軽量化しつつ、コードの耐疲労性を向上させることができ、走行距離が長くなる等の耐久性能を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る空気入りラジアルタイヤの断面形状を示す断面図である。 本発明の実施形態の空気入りラジアルタイヤのカーカス層に用いられる複合コードの一例を示す断面図である。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の空気入りラジアルタイヤを詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る空気入りラジアルタイヤの断面形状を示す断面図である。
図1に示す空気入りラジアルタイヤ(以下、単にタイヤという)10は、トレッド部12と、ショルダー部14と、サイドウォール部16と、ビード部18とを主な構成部分として有する。
なお、以下の説明において、図1中に矢印で示すように、タイヤ幅方向とは、タイヤの回転軸(図示せず)と平行な方向をいい、タイヤ径方向とは、回転軸と直交する方向をいう。また、タイヤ周方向とは、回転軸を回転の中心となる軸として回転する方向をいう。さらに、タイヤ内側とは、タイヤ径方向において図1中タイヤの下側、すなわちタイヤに所定の内圧を与える空洞領域Rに面するタイヤ内面側をいい、タイヤ外側とは、図1中タイヤの上側、すなわち、タイヤ内周面と反対側の、ユーザが視認できるタイヤ外面側をいう。
タイヤ10は、カーカス層20と、ベルト層22と、ベルト補助補強層24と、サイド補強層26と、ビードコア28と、ビードフィラー30と、トレッドゴム層32と、サイドウォールゴム層34と、リムクッションゴム層36と、インナーライナゴム38層とを主に有する。
トレッド部12には、タイヤ外側のトレッド面12aを構成する陸部12bと、トレッド面12aに形成されるトレッド溝12cとが設けられ、陸部12bは、トレッド溝12cによって区画される。トレッド溝12cは、タイヤ周方向に連続して形成される主溝とタイヤ幅方向に延在する複数のラグ溝(図示せず)を有する。トレッド面12aには、トレッド溝12cと陸部12bとによりトレッドパターンが形成される。
カーカス層20は、タイヤ幅方向に、トレッド部12に対応する部分から、ショルダー部14及びサイドウォール部16に対応する部分を経てビード部18まで延在してタイヤの骨格をなすものである。
カーカス層20は、後述する複合コードからなる補強コードを一定間隔で一方向に向かって、例えば、タイヤ幅方向に向かって配列し、コードコーティングゴムで被覆した構成である。カーカス層20は、後述する左右一対のビードコア28にタイヤ内側からタイヤ外側に折り返され、サイドウォール部16の領域で端部Aを成しており、ビードコア28を境とする本体部20aと折り返し部20bとから構成されている。すなわち、本実施形態においては、カーカス層20が1層、左右一対のビード部18間に装架されている。
カーカス層20のコードコーティングゴムとしては、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)から選ばれた1種類又は複数種類のゴムが好ましく用いられる。また、これらのゴムを窒素、酸素、フッ素、塩素、ケイ素、リン、又は硫黄などの元素を含む官能基、例えば、アミン、アミド、ヒドロキシル、エステル、ケトン、シロキシ、若しくはアルキルシリルなどにより末端変性したもの、又はエポキシにより末端変性したものを用いることができる。
これらゴムに配合するカーボンブラックとしては、例えば、ヨウ素吸着量が20〜100(g/kg)、好ましくは20〜50(g/kg)であり、DBP吸収量が50〜135(cm/100g)、好ましくは50〜100(cm/100g)であり、かつCTAB吸着比表面積が30〜90(m/g)、好ましくは30〜45(m/g)であるものが用いられる。
また、使用する硫黄の量は、例えば、ゴム100質量部に対して1.5〜4.0質量部であり、好ましくは2.0〜3.0質量部である。
なお、カーカス層20については、後に更に詳細に説明する。
ベルト層22は、タイヤ周方向に貼り付けられ、カーカス層20を補強するための補強層である。このベルト層22は、トレッド部12に対応する部分に設けられ、内側ベルト層22a及び外側ベルト層22bを有する。
本実施形態においては、内側ベルト層22a及び外側ベルト層22bは、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、その補強コードが層間で互いに交差するように配置されている。内側ベルト層22a及び外側ベルト層22bは、補強コードが、例えば、スチールコードであり、コードコーティングゴムで被覆して構成されている。
内側ベルト層22a及び外側ベルト層22bは、補強コードのタイヤ周方向に対するコード角度が、例えば、24〜35°であり、好ましくは27〜33°である。これにより、高速耐久性を向上させることができる。
ベルト層22の内側ベルト層22a及び外側ベルト層22bは、いずれも補強コードがスチールコードであることに限定されるものではなく、いずれか一方のみにスチールベルトを適用しても良いし、少なくとも一方を、ポリエステル、ナイロン、芳香族ポリアミド等からなる有機繊維コード等からなる従来公知の補強コードとしても良い。
タイヤ10には、ベルト層22の最上層である外側ベルト層22b上に、ベルト層22の補強を行うベルト補助補強層24がタイヤ周方向に配置されている。
このベルト補助補強層24は、補強コードとして、例えば、有機繊維コードが、タイヤ周方向に螺旋状に配置されており、これらの有機繊維コードがコードコーティングゴムで被覆して構成されている。
ベルト補助補強層24は、図1に示すように、例えば、ベルト層22の端部βだけを覆うように設けられている。図示例のベルト補助補強層24は、いわゆるエッジカバーと呼ばれるものである。
なお、ベルト補助補強層24は、図1に示すものに限定されるものではない。例えば、ベルト層22をタイヤ幅方向に端から端まで覆う構成、いわゆるフルカバーと呼ばれるものでもよい。さらには、ベルト補助補強層24は、フルカバーを複数積層した構成でもよく、エッジショルダーと、フルカバーとを組み合わせた構成でもよい。
ベルト補助補強層24において、有機繊維コードとして、例えば、ナイロン66(ポリヘキサメチレンアジパミド)繊維、アラミド繊維、アラミド繊維とナイロン66繊維とからなる複合繊維(アラミド/ナイロン66ハイブリッドコード)、PEN繊維、POK(脂肪族ポリケトン)繊維、耐熱PET繊維、およびレーヨン繊維等が用いられる。
ビード部18には、カーカス層20を折り返し、タイヤ10をホイールに固定するために機能するビードコア28と、ビードコア28に接するようにビードフィラー30が設けられている。そのため、ビードコア28及びにビードフィラー30は、カーカス層20の本体部20aと折り返し部20bとで挟み込まれている。
また、ビード部18には、タイヤ周方向に対して傾斜する補強コードを含むサイド補強層26が埋設されている。
本実施形態においては、サイド補強層26は、ビード部18では、カーカス層20の本体部20aとビードフィラー30との間に、サイドウォール部16では、カーカス層20の本体部20aと折り返し部20bとの間に配置され、ビードコア28から折り返し部20bの端部Aよりもタイヤ径方向に沿って,ショルダー部14側の端部Bまで延在している。
なお、サイド補強層26の他端部Cは、カーカス層20の本体部20aとビードフィラー6との間の、ビードコア28近傍に存在する。なお、サイド補強層26は、ビード部18では、カーカス層20の折り返し部20bとビードコア28及び/又はビードフィラー30との間に、サイドウォール部16では、本体部20aと折り返し部20bとの間に配置されていても良いし、ビード部18では、折り返し部20bのタイヤ幅方向外側に、サイドウォール部16では、本体部20aの外側に配置されていても良い。さらに、これらを組み合わせて配置しても良い。
サイド補強層26は、スチールコードからなる補強コードを一定間隔でタイヤ周方向に対して傾斜した方向に向かって配列し、コードコーティングゴムで被覆して構成されている。このサイド補強層26の補強コードは、スチールコード以外にも、例えば、ポリエステル、ナイロンもしくは芳香族ポリアミド等からなる有機繊維コード等が用いられる。
サイド補強層26は、タイヤ10のサイド(側面)、すなわち、ビード部18及び/又はサイドウォール部16の補強を行うことができれば、ビード部18及び/又はサイドウォール部16の全部又は一部のみに設けられるものであってもよく、端部の位置も、限定されるものではない。例えば、サイド補強層26の端部をショルダー部14のベルト層22と接する領域まで延在させて、ビード部18及びサイドウォール部16の全部に対して設けられても良いし、ビード部18のみ、又はサイドウォール部16のみに対して設けられても良いし、例えば、ビード部18とサイドウォール部16とに分割するなど、複数に分割して設けられていても良い。
さらに、サイド補強層26を設ける領域を補強コードの種類に応じて変えても良い。例えば、サイド補強層26の補強コードとして、従来公知のスチールコードを用いる場合には、ビードフィラー30とカーカス層20の折り返し部20bとの間にサイド補強層26を配置するのが好ましく、有機繊維コードを用いる場合には、ビードコア28及びビードフィラー30を包み込むようにサイド補強層26を配置するのが好ましい。
タイヤ10は、この他にゴム材として、トレッド部12を構成するトレッドゴム層32と、サイドウォール部16を構成するサイドウォールゴム層34、リムクッションゴム層36、及びタイヤ内周面に設けられるインナーライナゴム層38を有する。
次に、カーカス層20について詳細に説明する。
本実施形態において、カーカス層20は、補強コードとして、図2に示す構成の複合コード40が用いられている。この複合コード40は、例えば、2本のアラミド下撚り糸42と、1本のポリエステル下撚り糸44とにより構成されるものである。
なお、複合コード40において、アラミド下撚り糸42は、図示例では2本であるが、少なくとも2本あればよく、3本以上であってもよい。
アラミド下撚り糸42は、アラミド繊維束に、下撚り方向tに下撚りを加えて形成されたものでる。
ポリエステル下撚り糸44は、ポリエステル繊維束に、アラミド下撚り糸42と同方向の下撚り方向tに下撚りを加えて形成されたものでる。
複合コード40は、これらの2本のアラミド下撚り糸42と、1本のポリエステル下撚り糸44とを束ねて、アラミド繊維束およびポリエステル繊維束に加えた下撚り方向tとは、逆方向である上撚り方向tに上撚りを加えて形成されたものである。
なお、アラミド繊維には、例えば、芳香族ポリアミド繊維が用いられる。ポリエステル繊維には、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維が用いられる。
複合コード40において繊度とは、ポリエステル繊維束(ポリエステル下撚り糸44)の繊度Dと、アラミド繊維束(アラミド下撚り糸42)の総繊度Dとの合計である総繊度Dのことである。
なお、複合コード40では、ポリエステル下撚り糸44(ポリエステル繊維束)を1本しか用いていない。このため、ポリエステル下撚り糸44(ポリエステル繊維束)の繊度は、単に繊度Dとする。
一方、アラミド下撚り糸42(アラミド繊維束)は、図示例では2本であるが、少なくとも2本用いられる。このため、アラミド下撚り糸42(アラミド繊維束)の繊度は、各アラミド下撚り糸42(アラミド繊維束)の繊度の合計である総繊度Dとする。
複合コード40は、総繊度Dが2500〜6000dtexであり、かつ下記数式(1)で表される上撚り係数Kが1200〜2500である。
K=T・(D/ρ+D/ρ1/2・・・(1)
ただし、Tは複合コードの上撚り数(回/10cm)であり、Dはアラミド繊維束(アラミド下撚り糸42)の総繊度(dtex)であり、ρはアラミド繊維束の比重であり、Dはポリエステル下撚り糸44(ポリエステル繊維束)の繊度(dtex)であり、ρはポリエステル繊維束の比重である。
複合コード40において、総繊度Dが2500dtex未満では、複合コードの強度が低下するため耐外傷性が低下する。
一方、複合コード40において、総繊度Dが6000dtexを超えると、複合コードのコード径が増大するため、タイヤの軽量化を阻害する。
また、複合コード40において、上撚り係数Kが1200未満では、耐疲労性が悪化して、タイヤの耐久性が低下する。
一方、複合コード40において、上撚り係数Kが2500を超えると、カーカス層20にプライブレークが発生しやすくなり、タイヤの強度が大幅に低下する。
複合コード40において、ポリエステル繊維束の繊度Dは、複合コード40の総繊度Dに対して20〜50%である。すなわち、0.2D≦D≦0.5Dである。
ポリエステル繊維束の繊度Dが、複合コード40の総繊度Dに対して20%未満であると、すなわち、D<0.2Dでは、アラミド繊維の量が相対的に多くなるため、複合コードの引張弾性率が高くなり、複合コードの耐疲労性が悪化する。
一方、ポリエステル繊維束の繊度Dが、複合コード40の総繊度Dに対して50%を超えると、すなわち、0.5D<Dでは、アラミド繊維の量が相対的に少なくなるため、複合コードの強度が低下する。
また、複合コード40は、ポリエステル下撚り糸44の下撚り数Tが、アラミド下撚り糸42の下撚り数Tよりも小さく、かつポリエステル下撚り糸44の下撚り数Tが、アラミド下撚り糸42の下撚り数Tの15〜90%であることが好ましい。すなわち、ポリエステル下撚り糸44の下撚り数Tは、0.15T<T<0.9T(0.15<T/T<0.9)であることが好ましい。
ポリエステル下撚り糸44の下撚り数Tが、アラミド下撚り糸42の下撚り数Tよりも大きい場合、すなわち、T<Tである場合、複合コードの耐疲労性を十分向上させることができず、タイヤ耐久性能の向上効果が少ない。
また、ポリエステル下撚り糸44の下撚り数Tが、アラミド下撚り糸42の下撚り数Tの15%未満である場合、すなわちT<0.15Tでは、ポリエステル下撚り糸44を構成するポリエステル繊維束がバラけやすくなる。いわゆる、フィラメントバラケが発生しやすくなる。このため、複合コード40の加工性が悪化する。
一方、ポリエステル下撚り糸44の下撚り数Tが、アラミド下撚り糸42の下撚り数Tの90%を超える場合、すなわち、0.90T<Tでは、複合コードの耐疲労性を十分に向上させることができない。
なお、本実施形態のタイヤ10において、カーカス層20は、2層以上では軽量化の効果が少ないため、軽量化の観点から、1層構造(1プライ)であることが好ましい。
本実施形態においては、アラミド繊維束に下撚りを加えて形成されたアラミド下撚り糸42を2本、ポリエステル繊維束にアラミド下撚り糸42と同方向の下撚りを加えて形成されたポリエステル下撚り糸44を1本、束ねて、アラミド繊維束およびポリエステル繊維束に加えた下撚りとは、逆方向の上撚りを加えて形成された複合コードをカーカス層20の補強コードに用いることにより、複合コードの耐疲労性を向上させることができる。また、この複合コードを用いることにより、カーカス層20を1層構造としても、十分な強度および耐疲労性を確保できる。これにより、タイヤを軽量化することができる。このように、本実施形態の複合コード40をカーカス層20に用いることにより、タイヤを軽量化しつつ、複合コードの耐疲労性を向上させて走行距離が長くなる等の耐久性能を向上させることができる。
本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。以上、本発明の空気入りラジアルタイヤについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良又は変更をしてもよいのはもちろんである。
以下、本発明の空気入りラジアルタイヤの実施例について、具体的に説明する。
本実施例においては、下記表1、2に示す構成の実施例1〜実施例4および比較例1〜比較例5のタイヤを作製し、各タイヤについて、耐久性能を評価するとともにタイヤ質量を測定した。耐久性能およびタイヤ質量の結果を下記表1、2に示す。なお、各タイヤのタイヤサイズは275/45R19である。
下記表1、2の「コード素材」の欄には、カーカス層の複合コードの素材を示す。
下記表1、2の「コード構造」の欄において、「1670dtex×2+1100dtex×1」は、繊度が1670dtexのアラミド繊維束からなるアラミド下撚糸を2本、繊度が1100dtexのポリエステル繊維束からなるポリエステル下撚糸を1本束ねたものであることを示す。また、「1840dtex/3」は、繊度が1840dtexのレーヨン糸を3本撚ったものであることを示す。「1670dtex/3」は、1670dtexのアラミド繊維糸を3本撚ったものであることを示す。
本実施例において、耐久性能は、以下のようにして測定したものである。
まず、実施例1〜実施例4および比較例1〜比較例5の各タイヤを、リムサイズが19×9JJのリムに組み込み、試験内圧120kPaでインフレートさせる。その後、各タイヤについて、ドラム表面が平滑な鋼性で、かつ直径1707mmのドラム試験機を用い、周辺温度を38±3℃に制御し、各タイヤに荷重9.6kNを与え、速度80km/hの条件で走行試験を行い、タイヤが破壊するまでドラム走行を続けた。
なお、下記表1、2に示す「耐久性能」の欄の数値は、比較例1を100とする指数で示しており、この数値が大きいほど耐久性能が優れていることを示す。
また、タイヤ質量については、実施例1〜実施例4および比較例1〜比較例5の各タイヤの質量を、はかりを用いて測定した。なお、下記表1、2に示す「タイヤ質量」の欄の数値は、比較例1を100とする指数で示しており、この数値が小さいほど軽量であることを示す。
Figure 2012030737
Figure 2012030737
上記表1に示すように、実施例1は、T/Tが好ましい範囲から外れるものの、複合コードの耐疲労性が高く耐久性が優れていた。しかも、比較例1に比して、タイヤ質量が小さく軽量化できた。
実施例2は、T/Tも好ましい範囲にあり、複合コードの耐疲労性が更に高く、実施例1よりも耐久性が優れていた。しかも、比較例1に比して、タイヤ質量が小さく軽量化できた。
実施例3は、T/Tも好ましい範囲にあり、複合コードの耐疲労性が更に高く、実施例1よりも耐久性が優れていた。しかも、比較例1に比して、タイヤ質量が小さく軽量化できた。
実施例4は、T/Tも好ましい範囲にあり、複合コードの耐疲労性が更に高く、実施例1よりも耐久性が優れていた。しかも、比較例1に比して、タイヤ質量が小さく軽量化できた。
一方、比較例1は、評価の基準としたものであって、カーカス層が2層構造であり、かつレーヨンを補強コードに用いたものである。比較例1は、実施例1〜4のいずれよりも耐久性が悪く、しかもタイヤ質量が大きく、タイヤが重い。
比較例2は、カーカス層にアラミド繊維だけを補強コードを用いたものである。比較例2は、タイヤ質量は実施例1、2と同程度であるものの、補強コードがアラミド繊維だけであるため耐久性が実施例1〜4に比して著しく悪い。
比較例3は、タイヤ質量は実施例1、2と同程度であるものの、上撚り係数Kが小さく、本発明の範囲を外れており、複合コードの耐疲労性が低くなり、耐久性が実施例1〜4に比して著しく悪い。
比較例4は、タイヤ質量は実施例1、2と同程度であるものの、上撚り係数Kが大きく、本発明の範囲を外れており、プライブレークが発生しやすくなり、タイヤの強度が大幅に低下し、耐久性が実施例1〜4に比して悪い。
比較例5は、タイヤ質量は実施例1、2と同程度であるものの、ポリエステル繊維の量が本発明の範囲を外れている。このため、比較例5は、アラミド繊維の量が少なく複合コードの強度が低下し、耐久性が実施例1〜4に比して悪い。
10 空気入りラジアルタイヤ(タイヤ)
12 トレッド部
14 ショルダー部
16 サイドウォール部
18 ビード部
20 カーカス層
22 ベルト層
22a 内側ベルト層
22b 外側ベルト層
24 ベルト補助補強層
26 サイド補強層
28 ビードコア
30 ビードフィラー
32 トレッドゴム層
34 サイドウォールゴム層
36 リムクッションゴム層
38 インナーライナゴム層
40 複合コード
42 アラミド下撚り糸
44 ポリエステル下撚り糸

Claims (3)

  1. 左右一対のビード部間に装架される、補強コードを備えたカーカス層を有し、
    前記カーカス層は、アラミド繊維束に下撚りを加えてなる少なくとも2本のアラミド下撚り糸とポリエステル繊維束に前記アラミド下撚り糸と同方向の下撚りを加えてなる1本のポリエステル下撚り糸とを束ねて前記下撚りとは逆方向の上撚りを加えてなる複合コードが、前記補強コードとして用いられ、
    前記複合コードは、総繊度が2500〜6000dtexであり、かつ下記数式(1)で表される上撚り係数Kが1200〜2500であり、
    前記ポリエステル繊維束の繊度は、前記複合コードの総繊度に対して20〜50%であることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
    K=T・(D/ρ+D/ρ1/2・・・(1)
    ただし、Tは前記複合コードの上撚り数(回/10cm)、Dは前記アラミド繊維束の総繊度(dtex)、ρは前記アラミド繊維束の比重、Dは前記ポリエステル繊維束の繊度(dtex)、ρは前記ポリエステル繊維束の比重
  2. 前記複合コードは、前記ポリエステル下撚り糸の下撚り数が、前記アラミド下撚り糸の下撚り数よりも小さく、かつ前記ポリエステル下撚り糸の下撚り数が、前記アラミド下撚り糸の下撚り数の15〜90%である請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記カーカス層は、1層構成である請求項1又は2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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