JP2012028288A - 電極活物質の製造方法、その製造方法によって製造された電極活物質ならびにその電極活物質を備えた非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】非水電解質二次電池の急速充電特性を向上させることが可能な電極活物質の製造方法、その製造方法によって製造された電極活物質ならびにその電極活物質を備えた非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】電極活物質は、スピネル型構造のチタン酸リチウムを含む電極活物質であって、平均比表面積が異なる少なくとも2種類の酸化チタン粉末を準備して、その酸化チタン粉末とリチウム化合物とを混合し、その混合物を焼成することにより製造される。
【選択図】なし
【解決手段】電極活物質は、スピネル型構造のチタン酸リチウムを含む電極活物質であって、平均比表面積が異なる少なくとも2種類の酸化チタン粉末を準備して、その酸化チタン粉末とリチウム化合物とを混合し、その混合物を焼成することにより製造される。
【選択図】なし
Description
本発明は、一般的には電極活物質の製造方法、その製造方法によって製造された電極活物質ならびにその電極活物質を備えた非水電解質二次電池に関し、特定的には、スピネル型構造のリチウムチタン複合酸化物を含む電極活物質の製造方法、その製造方法によって製造された電極活物質ならびにその電極活物質を備えた非水電解質二次電池に関する。
携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ等の携帯用電子機器の市場拡大に伴い、これら電子機器のコードレス電源としてエネルギー密度が大きく長寿命の二次電池が待望されている。そして、このような要求に応えるべく、リチウムイオン等のアルカリ金属イオンを荷電担体とし、その電荷授受に伴う電気化学反応を利用した二次電池が開発されている。その中でも、エネルギー密度の大きなリチウムイオン二次電池は広く普及している。
上記のリチウムイオン二次電池では、正極活物質としてコバルト酸リチウムやマンガン酸リチウム等のリチウム含有遷移金属酸化物が使用されている。また、負極活物質として、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な炭素材料が使用されている。炭素材料の中でも、天然黒鉛や人造黒鉛等の黒鉛は、放電電圧がリチウム金属に対して0.2Vと低く、黒鉛を負極活物質として用いた場合、放電電圧が3.6Vの電池が可能となる。しかしながら、炭素材料を負極に用いた場合、電池内部で短絡が発生すると、負極から正極に一気にリチウムイオンが流れ、温度が急上昇する恐れがある。
そこで、電池内部で短絡が生じても急激に電流が流れないチタン酸リチウム等のリチウムチタン複合酸化物が注目されている。リチウムチタン複合酸化物は、結晶格子の構造、サイズを変化させることなくリチウムイオンを吸蔵・放出できる材料であり、高信頼性の非水電解質二次電池の電極活物質として有力である。
例えば、特許第3502118号公報(以下、特許文献1という)では、負極が一般式LixTiyO4(0.8≦x≦1.4、1.6≦y≦2.2)で表されるチタン酸リチウムからなるリチウム二次電池が開示されている。また、特許文献1では、水酸化リチウムまたは炭酸リチウムと酸化チタンとを混合し、その混合物を焼成することによって、上記のリチウム二次電池の負極を製造する方法が開示されている。
特開2008‐130560号公報(以下、特許文献2という)では、Li1+xTi1-x-yMyO2+z(0.01≦x≦0.5、0≦y≦0.3、および−0.2≦z≦0.2であり、Mは、V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Zr等から選択される元素)で表されるリチウム二次電池用負極活物質とその製造方法が開示されている。
しかしながら、本発明者の知見によれば、特許文献1に記載されたチタン酸リチウム、または、特許文献2に記載されたリチウムチタン複合酸化物、を非水電解質二次電池の負極活物質に用いると、その非水電解質二次電池は、サイクル特性が良好であるが、急速充電特性が低いという問題がある。
そこで、本発明の目的は、非水電解質二次電池の急速充電特性を向上させることが可能な電極活物質の製造方法、その製造方法によって製造された電極活物質ならびにその電極活物質を備えた非水電解質二次電池を提供することである。
本発明者は、従来技術の問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、チタン成分の原材料として平均比表面積が異なる少なくとも2種類の酸化チタン粉末を準備して、スピネル型構造のチタン酸リチウムを含む電極活物質を作製することにより、上記の目的を達成できることを見出した。この知見に基づいて、本発明に従った電極活物質の製造方法は、次のような特徴を備えている。
本発明に従った電極活物質の製造方法は、スピネル型構造のチタン酸リチウムを含む電極活物質の製造方法であって、以下の工程を備える。
(a)平均比表面積が異なる少なくとも2種類の酸化チタン粉末を準備する工程
(b)少なくとも、上記の酸化チタン粉末とリチウム化合物とを混合して混合物を得る混合工程
(c)上記の混合物を焼成する工程
本発明の電極活物質の製造方法において、上記の2種類の酸化チタン粉末の平均比表面積が2倍以上異なることが好ましい。
また、本発明の電極活物質の製造方法において、上記の2種類の酸化チタン粉末は、平均比表面積が20m2/g未満の第1の酸化チタン粉末と、平均比表面積が20m2/gを超える第2の酸化チタン粉末とを含むことが好ましい。
上記の混合工程において混合される上記のリチウム化合物が炭酸リチウムであることが好ましい。
本発明の電極活物質は、上記の製造方法によって製造されたものである。
本発明の非水電解質二次電池は、上記の電極活物質を含む電極を備えたものである。
本発明によれば、スピネル型構造のチタン酸リチウムを含む電極活物質において、非水電解質二次電池の急速充電特性を向上させることが可能な電極活物質を得ることができる。
本発明の電極活物質は、スピネル型構造のチタン酸リチウムを含む電極活物質であって、平均比表面積が異なる少なくとも2種類の酸化チタン粉末を準備して、この酸化チタン粉末とリチウム化合物とを混合し、その混合物を焼成することにより作製されたものであることを特徴としている。この特徴により、本発明の電極活物質は、急速充電特性(または高率充電特性)を向上させることが可能となる。
本発明の電極活物質において、上記の2種類の酸化チタン粉末の平均比表面積が2倍以上異なることが好ましい。この場合、急速充電特性をより向上させることが可能となる。
また、本発明の電極活物質において、上記の2種類の酸化チタン粉末は、平均比表面積が20m2/g未満の第1の酸化チタン粉末と、平均比表面積が20m2/gを超える第2の酸化チタン粉末とを含むことが好ましい。この場合、急速充電特性をより向上させることが可能となる。
なお、本発明の電極活物質に含まれるスピネル型構造のチタン酸リチウムとしては、Li4Ti5O12等を挙げることができる。チタン酸リチウムがリチウム、チタンおよび酸素以外の元素を含んでいてもよい。また、リチウム、チタンおよび酸素以外の元素が、スピネル型構造のチタン酸リチウム中に置換された化合物として含まれる場合もある。
上記のスピネル型構造のチタン酸リチウムの結晶構造は安定している。このため、充放電に伴うリチウムの吸蔵と放出によって結晶構造が崩壊し難い。これにより、本発明の電極活物質を含む電極を備えることにより、サイクル特性の良好な非水電解質二次電池を得ることが可能となる。
本発明の電極活物質の製造方法では、まず、平均比表面積が異なる少なくとも2種類の酸化チタン粉末を準備する。そして、少なくとも、上記の酸化チタン粉末とリチウム化合物とを混合して混合物を得る。この混合物を焼成することにより、電極活物質を作製する。上記の2種類の酸化チタン粉末の平均比表面積が2倍以上異なることが好ましい。また、上記の2種類の酸化チタン粉末は、平均比表面積が20m2/g未満の第1の酸化チタン粉末と、平均比表面積が20m2/gを超える第2の酸化チタン粉末とを含むことが好ましい。
本発明の一つの実施の形態として、上記の混合工程において混合される上記のリチウム化合物としては、リチウムの酸化物、炭酸塩、無機酸塩、有機酸塩、塩化物等が挙げられるが、具体的には、水酸化リチウム、炭酸リチウム等が挙げられる。特に、上記のリチウム化合物として炭酸リチウムを使用することが好ましい。
上記の混合工程における混合方法、混合条件および上記の焼成工程における焼成方法、焼成条件は、非水電解質二次電池の要求特性や生産性等を考慮し、任意に設定することができる。
次に、本発明の電極活物質を負極活物質に用いた場合の非水電解質二次電池の製造方法の一例を以下で詳細に説明する。
まず、負極を形成する。例えば、負極活物質を導電助剤、および結合剤と共に混合し、有機溶剤または水を加えて負極活物質スラリーとし、この負極活物質スラリーを電極集電体上に任意の塗工方法で塗工し、乾燥することにより負極を形成する。
次に、正極を形成する。例えば、正極活物質を導電助剤、および結合剤と共に混合し、有機溶剤または水を加えて正極活物質スラリーとし、この正極活物質スラリーを電極集電体上に任意の塗工方法で塗工し、乾燥することにより正極を形成する。
本発明において、正極活物質は特に限定されるものではなく、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム等のリチウム化合物、マンガンとニッケルに加えて場合によってはアルミニウム等を含有するリチウム遷移金属複合酸化物等を使用することができる。
本発明において結合剤は特に限定されるものではなく、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンオキサイド、カルボキシメチルセルロース等の各種樹脂を使用することができる。
また、有機溶剤についても、特に限定されるものではなく、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N‐メチル‐2‐ピロリドン、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、γ‐ブチロラクトン等の塩基性溶媒、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ニトロベンゼン、アセトン等の非水溶媒、メタノール、エタノール等のプロトン性溶媒等を使用することができる。また、有機溶剤の種類、有機化合物と有機溶剤との配合比、添加剤の種類とその添加量等は、二次電池の要求特性や生産性等を考慮し、任意に設定することができる。
次いで、図1に示すように、上記で得られた正極14を電解質に含浸させることにより、この正極14に電解質を染み込ませた後、正極端子を兼ねたケース11の底部中央の正極集電体上に正極14を載置する。その後、電解質を含浸させたセパレータ16を正極14上に積層し、さらに負極15と集電板17を順次積層し、内部空間に電解質を注入する。そして、集電板17上に金属製のばね部材18を載置すると共に、ガスケット13を周縁に配し、かしめ機等で負極端子を兼ねた封口板12をケース11に固着して外装封止することによってコイン型非水電解質二次電池1が作製される。
なお、電解質は、正極14と対向電極である負極15との間に介在して両電極間の荷電担体輸送を行う。このような電解質としては、室温で10-5〜10-1S/cmのイオン伝導度を有するものを使用することができる。例えば、電解質塩を有機溶剤に溶解させた電解液を使用することができる。ここで、電解質塩としては、例えば、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiCF3SO3、Li(CF3SO2)2N、Li(C2F5SO2)2N、Li(CF3SO2)3C、Li(C2F5SO2)3C等を使用することができる。
上記の有機溶剤としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ‐ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N‐メチル‐2‐ピロリドン等を使用することができる。
また、電解質には、固体電解質を使用してもよい。固体電解質に用いられる高分子化合物としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン‐ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン‐エチレン共重合体、フッ化ビニリデン‐モノフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン‐トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン‐テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン‐ヘキサフルオロプロピレン‐テトラフルオロエチレン三元共重合体等のフッ化ビニリデン系重合体、アクリロニトリル‐メチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル‐メチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル‐エチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル‐エチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル‐メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル‐アクリル酸共重合体、アクリロニトリル‐ビニルアセテート共重合体等のアクリルニトリル系重合体、さらにはポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイド‐プロピレンオキサイド共重合体、およびこれらのアクリレート体やメタクリレート体の重合体等を挙げることができる。また、これらの高分子化合物に電解液を含ませてゲル状にしたものを電解質として使用してもよい。あるいは電解質塩を含有させた高分子化合物のみをそのまま電解質に使用してもよい。なお、電解質として、Li2S‐P2S5系、Li2S‐B2S3系、Li2S‐SiS2系に代表される硫化物ガラス、ぺロブスカイト構造を有する酸化物、ナシコン構造を有する酸化物等の無機固体電解質を用いてもよい。
上記の実施の形態では、コイン型二次電池について説明したが、電池形状は特に限定されるものでないのはいうまでもなく、円筒型、角型、シート型等にも適用できる。また、外装方法も特に限定されず、金属ケース、モールド樹脂、アルミニウムラミネートフィルム等を使用してもよい。
また、上記の実施の形態では、本発明の電極活物質を負極に使用したが、正極にも適用可能である。
さらに、上記の実施の形態では、電極活物質を非水電解質二次電池に使用した場合について述べたが、一次電池にも使用することが可能である。
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は一例であり、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
以下、スピネル型構造のチタン酸リチウムを主成分として含む電極活物質を作製し、それを用いたコイン型非水電解質二次電池の実施例1〜3と比較例1〜3について説明する。
(電極活物質の作製)
スピネル型構造のチタン酸リチウム(Li4Ti5O12)を主成分として含む電極活物質の作製を以下の方法で行った。
まず、チタン酸リチウムのチタン成分の原料として、平均比表面積が異なる2種類の酸化チタン(TiO2)粉末を準備した。具体的には、平均比表面積が10.8m2/gの第1の酸化チタン粉末と、平均比表面積が31.7m2/gの第2の酸化チタン粉末とを準備した。ここで、平均比表面積の測定方法はBET法を採用した。
次に、所定の比率で混合された、平均比表面積が異なる2種類の酸化チタン粉末と、炭酸リチウム(Li2CO3)粉末とを、それぞれ、リチウム(Li)とチタン(Ti)のモル比率が4.05:5になるように秤量し、直径が5mmのアルミナボールを用いたボールミルによって、溶媒として水を用いて湿式で、混合してスラリーを得た。このスラリーを噴霧乾燥することにより得られた乾燥粉末を大気中で焼成して、Li4Ti5O12をを主成分として含む電極活物質を作製した。
なお、実施例1〜3と比較例1〜3において、平均比表面積(SSA)が異なる2種類の酸化チタン粉末の混合比率は、チタン(Ti)モル比で、表1に示すように設定した。また、実施例1〜3と比較例1〜3において、上記の乾燥粉末の焼成条件(焼成温度と時間)は、表1に示すように設定した。
(非水電解質二次電池の作製)
得られた各電極活物質を用いて、図1に示すようなコイン型非水電解質二次電池を作製した。
図1に示すように、コイン型非水電解質二次電池1は、正極端子を兼ねたケース11と、負極端子を兼ねた封口板12と、ケース11と封口板12とを絶縁するガスケット13と、正極14と、負極15と、正極14と負極15との間に介在したセパレータ16と、負極15の上に配置された集電板17と、集電板17と封口板12との間に配置されたばね部材18とから構成され、ケース11の内部には電解液が充填されている。
上記で作製された各電極活物質を用いて、図1に示されたコイン型非水電解質二次電池1の正極14を作製して、実施例1〜3と比較例1〜3の非水電解質二次電池用電極活物質としての作用効果を検証した。
具体的には、上記で作製された電極活物質とアセチレンブラックとポリフッ化ビニリデンとを88:6:6の質量比率になるように秤量し、混合して電極合剤を作製した。この電極合剤を溶媒(N‐メチル‐2‐ピロリドン)中に分散させて電極スラリーを作製した。この電極スラリーを厚みが20μmのアルミニウム箔の表面上に6mg/cm2の塗布量で塗布して140℃の温度で乾燥させた後、1トン/cm2の圧力でプレスした後に直径12mmの円板に打ち抜くことにより、電極シートを作製した。この電極シートを図1に示されたコイン型非水電解質二次電池1の正極14として用いた。負極15には、直径が15.5mmの金属リチウム箔からなる円板を用いた。この負極15に集電板17を張り合わせた。セパレータ16には、直径が16mmの円板状のポリエチレン多孔膜を用いた。電解液としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを体積比3:7で混合した溶媒に、溶媒1リットル当たり1モルの六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を混合したものを用いた。このようにして、直径が20mm、厚みが3.2mmのコイン型非水電解質二次電池1を作製した。
以上のようにして作製されたコイン型非水電解質二次電池1を用いて充放電特性を評価した。1時間で充電または放電が終了する電流値を1Cとしたときに、25℃の恒温槽で、0.2Cの電流値、1.0〜3.0Vの電圧範囲で3サイクル充放電させた後に、3.0Vの定電圧で2時間放電してから、0.2Cの電流値で1.0Vまで充電を行い、0.2Cの電流値での充電容量(0.2C充電容量)を測定した。
また、25℃の恒温槽で、0.2Cの電流値、1.0〜3.0Vの電圧範囲で3サイクル充放電させた後に、3.0Vの定電圧で2時間放電してから、5Cの電流値で1.0Vまで充電を行い、5Cの電流値での充電容量(5C充電容量)を測定した。
なお、ここで、上述したように1Cは1時間で充電または放電が終了する電流値であり、0.2Cは5時間で充電または放電が終了する電流値であり、5Cは12分で充電または放電が終了する電流値である。
なお、この検証実験では、スピネル型構造のチタン酸リチウムを主成分として含む電極活物質が正極14の電極活物質として用いられた実施例1〜3と比較例1〜3のコイン型非水電解質二次電池1では、正極14の電極活物質へのリチウム挿入によって電位が下降することを充電、各電極活物質からのリチウム脱離によって電位が上昇することを放電と定義する。
実施例1〜3と比較例1〜3のコイン型非水電解質二次電池1の電池特性の測定結果を表1に「0.2C充電容量」、「5C充電容量」および「5C/0.2C充電容量比」として示す。
表1から、平均比表面積が異なる2種類の酸化チタン粉末を用いて作製された電極活物質を用いた実施例1〜3のコイン型非水電解質二次電池1では、1種類の酸化チタン粉末を用いて作製された電極活物質を用いた比較例1〜3のコイン型非水電解質二次電池1に比べて、5C充電容量が高い値であり、また5C/0.2C充電容量比が高い値であることがわかる。したがって、平均比表面積が異なる2種類の酸化チタン粉末を用いて作製された電極活物質を用いることにより、電極活物質の単位重量当たりの充電容量を向上させることが可能となり、急速充電特性に優れた電極活物質を得ることができる。
今回開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は以上の実施の形態と実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものであることが意図される。
本発明の電極活物質を用いることにより、非水電解質二次電池の急速充電特性を向上させることができるので、非水電解質二次電池の製造に有用である。
1:コイン型非水電解質二次電池、11:ケース、12:封口板、13:ガスケット、14:正極、15:負極、16:セパレータ、17:集電板、18:ばね部材。
Claims (6)
- スピネル型構造のチタン酸リチウムを含む電極活物質の製造方法であって、
平均比表面積が異なる少なくとも2種類の酸化チタン粉末を準備する工程と、
少なくとも、前記酸化チタン粉末とリチウム化合物とを混合して混合物を得る混合工程と、
前記混合物を焼成する工程とを備えた、電極活物質の製造方法。 - 前記2種類の酸化チタン粉末の平均比表面積が2倍以上異なる、請求項1に記載の電極活物質の製造方法。
- 前記2種類の酸化チタン粉末は、平均比表面積が20m2/g未満の第1の酸化チタン粉末と、平均比表面積が20m2/gを超える第2の酸化チタン粉末とを含む、請求項1または請求項2に記載の電極活物質の製造方法。
- 前記混合工程において混合される前記リチウム化合物が炭酸リチウムである、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の電極活物質の製造方法。
- 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の製造方法によって製造された電極活物質。
- 請求項5に記載の電極活物質を含む電極を備えた、非水電解質二次電池。
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