JP2012027490A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】現像残膜率が高くかつ高感度であり、さらに高い伸度及び高い保存安定性を有する感光性樹脂組成物の提供。
【解決手段】本発明に係る感光性樹脂組成物は、主鎖に(チオ)エステル構造を有するポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリイミド前駆体、及びフェノール基含有ポリイミドからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルカリ可溶性重合体とナフトキノンジアジド化合物とを含む感光性樹脂組成物であって、所定条件下で得られるアルカリ可溶性重合体の屈折率(nr1)が1.570〜1.650の範囲にあり、さらに、所定条件下で得られる感光性樹脂組成物の屈折率(nr2)と、前記アルカリ可溶性重合体の屈折率(nr1)とが、以下の条件:
{1−アルカリ可溶性重合体の屈折率(nr1)/感光性樹脂組成物の屈折率(nr2)}×100=1.0〜3.0(%)
を満たすものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体装置の表面保護膜、及び層間絶縁膜として使用される耐熱性樹脂の前駆体となる感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物を用いた耐熱性を有する硬化レリーフパターンの製造方法、並びに該硬化レリーフパターンを有してなる半導体装置に関する。
半導体装置の表面保護膜、及び層間絶縁膜には、優れた耐熱性、電気特性、及び機械特性などを併せ持つポリイミド樹脂が広く用いられている。このポリイミド樹脂は、今日、感光性ポリイミド前駆体組成物の形で提供されることが多い。
ところで、この感光性ポリイミド前駆体組成物は、その現像工程においては、現像液としてN−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶剤を用いる必要があり、近年の環境問題の高まりなどから、脱有機溶剤対策が求められてきている。これを受け、最近になって、フォトレジストと同様に、アルカリ性水溶液で現像可能な耐熱性感光性樹脂材料の提案が各種なされている。
中でも、硬化後に耐熱性樹脂となるアルカリ性水溶液可溶性のヒドロキシポリアミド樹脂、例えばポリベンズオキサゾール(以下、「PBO」ともいう。)前駆体を、ナフトキノンジアジド化合物などの光酸発生剤と混合したPBO前駆体組成物を感光性樹脂組成物として用いる方法が、以下の特許文献1、2に開示されている。
この感光性樹脂組成物の現像メカニズムは、未露光部のナフトキノンジアジド化合物及びPBO前駆体がアルカリ性水溶液への溶解速度が小さいのに対し、露光することにより該感光性ジアゾキノン化合物がインデンカルボン酸化合物に化学変化して露光部のアルカリ性水溶液への溶解速度が大きくなることを利用したものである。この露光部と未露光部の間の現像液に対する溶解速度の差を利用し、未露光部からなるレリーフパターンの作成が可能となる。
上述のPBO前駆体組成物は、露光及びアルカリ性水溶液による現像でポジ型レリーフパターンの形成が可能である。さらに熱により、オキサゾール環が生成し、硬化後のPBO膜はポリイミド膜と同等の熱硬化膜特性を有するようになる。
同様に、アルカリ現像が可能なポリアミド酸、及びポリアミド酸エステルとナフトキノンジアジド化合物からなる感光性樹脂組成物が、以下の特許文献3、4、5に開示されている。
また、アルカリ現像が可能なフェノール性水酸基含有溶剤可溶性ポリイミド(以下、「可溶性PI」ともいう。)とナフトキノンジアジド化合物からなる感光性樹脂組成物が、以下の特許文献6に提案されている。
更に、エステル結合を含有したPBO前駆体ポリマーとナフトキノンジアジド化合物からなる感光性樹脂組成物が、以下の特許文献7に提案されており、エステル結合を含有したPI前駆体ポリマーとナフトキノンジアジド化合物からなる感光性樹脂組成物が、特許文献8、9、10に提案されている。
特公平01−046862号公報 特開昭63−096162号公報 特開昭52−013315号公報 特開平02−181149号公報 特開2004−334089号公報 国際公開第07/029614号パンフレット 特開2007−171945号公報 特開2007−140319号公報 特開2007−314583号公報 特開2007−314614号公報
前記特許文献1〜10に記載される従来技術は、以下の問題点があるため改善の余地がある。
従来のアルカリ性水溶液で現像可能な耐熱性感光性樹脂材料を用いた半導体素子の表面保護膜及び層間絶縁膜は、ポリマー骨格のi線(365nm)透過性に関して、感度が低いため、工業上の生産性を低下させてしまう。
特許文献1〜4、及び特許文献6に記載された発明においては、現像残膜率を80〜85%程度と低くすることで、工業的な生産において実用可能な感度としているが、微細加工が進行している現在では、パターンとパターンの間隔が短くなってきており、現像残膜率を80〜85%と低くした場合、開口した露光部に隣接する未露光部では、未露光部の溶解速度が小さいとはいえ現像時に膜の上部からだけでなく側面からも現像されるため、パターン形状が細くなり過ぎ、半導体装置の製造工程において、半導体パッケージの信頼性を低下させてしまう。
特許文献5には、ポリイミド前駆体自体のアルカリ溶解性を非常に低くすることで、現像残膜率を高くする方法が提案されているが、その感度は低い。
特許文献7には、エステル基を導入したポリアミド樹脂が提案されているが、樹脂中の2価の連結有機基の全てが芳香族構造を有するため、i線(365nm)透過性が低く、感度評価についても従来技術と同程度の値である。
特許文献8、9、10にエステル基を導入したポリイミド前駆体樹脂が提案されている。
特許文献8では、特許文献7と同様に、樹脂中の2価の連結有機基の全てが芳香族構造を有するため、i線(365nm)透過性が低く、感度が低い。
特許文献9では、樹脂中の2価の連結有機基に脂環式構造を導入することで樹脂自体の透明性は高くなっており、更に特定の嵩高い構造とエステル基を用いることで、ポリイミド前駆体のアルカリ溶解性を制御しているが、感度評価におけるデータの開示はない。また、ポリイミド前駆体のカルボキシル基とジアゾナフトキノンとの相互作用は、ヒドロキシポリアミド樹脂のフェノール基とジアゾナフトキノンとの相互作用と比較した場合、pKaの違いから、アルカリ溶解抑止効果は低く、高透明性であれば高感度であるということには必ずしもならない。更に、ポリイミド前駆体はカルボキシル基が保護基で封止されていない場合、室温においてもイミド化が進行し易く、ワニスの保存安定性が悪くなるという問題もある。
特許文献10では、特許文献7と同様に、樹脂中の2価の連結有機基の全てが芳香族構造を有するため、i線(365nm)透過性が低く、更に伸度が低い。伸度が低い場合、サーマルサイクル試験(TCT)などの昇温降温を繰り返す試験により、バッファー層に亀裂が生じる等の問題が生じ、信頼性を低下させてしまう。
このように、従来技術の感光性樹脂組成物はいずれも、フォトレジストのように未露光部をほとんど溶解させずに(この現象を現像残膜率が高いと言い、本発明では現像残膜率95〜100%を現像残膜率が高いと定義する)現像することは困難であり、組成を調整することで現像が可能となった場合であっても非常に高い露光量が必要となる(これは低感度であると言う)ため、感光性樹脂材料として、必要な熱機械特性や保存安定性を有し、現像残膜率が高く、かつ高感度な樹脂組成物は未だ提供されていない。
かかる状況下、本発明が解決しようとする課題は、脂環式構造又は脂肪族構造とエステル結合の両方を含有するヒドロキシポリアミド樹脂を用いることで、現像残膜率が高くかつ高感度であり、さらに高い伸度及び高い保存安定性を有する感光性樹脂組成物、該組成物を用いた硬化レリーフパターンの製造方法、並びに該硬化レリーフパターンを有してなる半導体装置及び発光装置を提供することである。
本発明者は、上記した従来技術の問題に鑑みて、鋭意検討し実験を重ねた結果、特定の構造を有するヒドロキシポリアミド樹脂とすることで、上記の課題を解決する重合体、及び感光性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]下記一般式(1):
Figure 2012027490
{式中、Z1、Z2及びZ3は、それぞれ独立に、2価の有機基であり、Z1、Z2及びZ3のうち少なくとも1つは、脂環式構造又は脂肪族構造を有し、そしてm1は、0又は1の整数である。}で表される構造及び下記一般式(2):
Figure 2012027490
{式中、Z1、Z2及びZ3は、それぞれ独立に、2価の有機基であり、Z1、Z2及びZ3のうち少なくとも1つは、脂環式構造又は脂肪族構造を有し、そしてm1は、0又は1の整数である。}で表される構造からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造を有するヒドロキシポリアミド樹脂(A)、及び光酸発生剤(B)を含む感光性樹脂組成物。
[2]前記ヒドロキシポリアミド樹脂(A)が、下記一般式(3):
Figure 2012027490
{式中、X1及び、Y1は少なくとも2個の炭素原子を有する2〜4価の有機基であり、R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、m2は、1〜1000の整数であり、n1は、1又は2の整数であり、n2〜n4は、それぞれ独立に0〜2の整数であり、そして式中のY1(OR1n2(COOR3n4で表される構造のうち少なくとも1つは、前記一般式(1)若しくは下記一般式(4):
Figure 2012027490
(式中、Y2は、少なくとも2個の炭素原子を有する2〜4価の有機基であり、Z1は、2価の有機基であり、Y2及びZ1のうち少なくとも1つは、脂環式構造又は脂肪族構造を有し、R4、及びR5は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、m3は、1〜100の整数であり、そしてn5及びn6は、それぞれ独立に0〜2の整数である。)又は前記一般式(2)若しくは下記一般式(5):
Figure 2012027490
(式中、Y2は、少なくとも2個の炭素原子を有する2〜4価の有機基であり、Z1は、2価の有機基であり、Y2及びZ1のうち少なくとも1つは、脂環式構造又は脂肪族構造を有し、R4、及びR5は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、m3は、1〜100の整数であり、そしてn5及びn6は、それぞれ独立に0〜2の整数である。)で表される構造である。}で表される構造を有する、前記[1]に記載の感光性樹脂組成物。
[3]前記光酸発生剤(B)が、ナフトキノンジアジド化合物であり、該ナフトキノンジアジド化合物の含有量は、前記ヒドロキシポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、1〜50質量部であり、そして前記感光性樹脂組成物は、前記ヒドロキシポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、アルカリ水溶液に対する溶解性を促進する化合物(C)1〜100質量部をさらに含む、前記[1]又は[2]に記載の感光性樹脂組成物。
[4]前記アルカリ水溶液に対する溶解性を促進する化合物(C)が、フェノール性水酸基、カルボキシル基、及びスルホニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を含有する化合物である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[5]前記ヒドロキシポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、熱により架橋反応を起こす化合物(D)1〜50質量部をさらに含む、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[6]前記熱により架橋反応を起こす化合物(D)が、エポキシ化合物、オキセタン化合物、メラミン化合物、アルケニル化合物、下記一般式(6):
Figure 2012027490
{式中、R6は、水素原子、又はメチル基、エチル基、n−プロピル基、及びイソプロピル基からなる群より選ばれる1価の基であり、R7は、水素原子、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜10のアルキル基、アルコキシ基、エステル基、及びウレタン基からなる群より選ばれる少なくとも1つの1価の有機基であり、n7は、1〜5の整数であり、n8は、0〜4の整数であり、ここで、n7+n8=5であり、m4は、1〜4の整数であり、Z4は、m4=1のとき、CH2OR6又はR7であり、m4=2〜4のとき、単結合又は2〜4価の有機基であり、ここで、CH2OR6、及びR7が複数存在する場合、R6及びR7は、互いに同一でも異なっていてもよい。}で表される構造を有する化合物、下記一般式(7):
Figure 2012027490
{式中、R8及びR9は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素原子数1〜10の炭化水素基及びR10CO−(ここで、R10は、炭素原子数1〜10の炭化水素基である。)からなる群から選ばれる基である。}で表される構造を有する化合物、及び下記一般式(8):
Figure 2012027490
{式中、D1は、炭素原子数1〜6のアルキル基、アルケニル基、及び架橋し得る有機基からなる群より選ばれる官能基であり、M1は、−CH2−、−O−、及び−S−からなる群から選ばれる基であり、Z5は2価の有機基であり、n9は、0〜4の整数であり、D1が複数ある場合、複数のD1は同じでも異なっていてもよい。}で表される構造を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[7]前記ヒドロキシポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、熱により酸を発生する化合物(E)0.1〜30質量部をさらに含む、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[8]以下の工程:
(1)前記[1]〜[7]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層を基板上に形成する工程、
(2)露光する工程、
(3)現像する工程、
(4)得られたレリーフパターンを加熱処理する工程、
を含む、硬化レリーフパターンの製造方法。
[9]前記[8]に記載の方法により製造された硬化レリーフパターン。
[10]半導体素子と、該半導体素子の上部に設けられた硬化膜とを備え、該硬化膜は、前記[9]に記載の硬化レリーフパターンであることを特徴とする半導体装置。
[11]表示体素子と、該表示体素子の上部に設けられた硬化膜とを備え、該硬化膜は、前記[9]に記載の硬化レリーフパターンであることを特徴とする表示体装置。
[12]主鎖に(チオ)エステル構造を有するポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリイミド前駆体、及びフェノール基含有ポリイミドからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルカリ可溶性重合体とナフトキノンジアジド化合物とを含む感光性樹脂組成物であって、
(i)下記工程(a)、(b)、及び(c):
(a)前記アルカリ可溶性重合体を樹脂固形分35質量%の濃度でγ-ブチロラクトンに溶解させて、アルカリ可溶性重合体の溶液を作製する;
(b)前記(a)で作製したアルカリ可溶性重合体の溶液を6インチシリコンウェハー上に塗布し、125℃180秒間のプリベークを行い、接触式膜厚測定器を使用して測定する時の膜厚が10μm±0.2μmである膜を形成し;及び
(c)非接触式膜厚測定器を用いて、プリベーク後の膜を任意の屈折率nf1で測定して得られた膜厚をTf1とし、前記(b)における接触式膜厚測定器で測定して得られた膜厚をTr1とする時に求められる、真の屈折率nr1を以下の式:
r1=nf1×Tf1/Tr1
により求める;
を順に行って得られた前記アルカリ可溶性重合体の屈折率(nr1)は1.570〜1.650の範囲にあり、
(ii)下記(a’)、(b’)、及び(c’):
(a’)前記アルカリ可溶性重合体100質量部を樹脂固形分35質量%の濃度でγ-ブチロラクトンに溶解させ、さらに前記ナフトキノンジアジド化合物15質量部を溶解させて、感光性樹脂組成物の溶液を作製する;
(b’)前記(a’)で作製した感光性樹脂組成物の溶液を6インチシリコンウェハー上に塗布し、125℃180秒間のプリベークを行い、接触式膜厚測定器を使用して測定する時の膜厚が10μm±0.2μmである膜を形成し;及び
(c’)非接触式膜厚測定器を用いて、プリベーク後の膜を任意の屈折率nf2で測定して得られた膜厚をTf2とし、前記(b’)における接触式膜厚測定器で測定して得られた膜厚をTr2とする時に求められる、真の屈折率nr2を以下の式:
r2=nf2×Tf2/Tr2
により求める;
を順に行って得られた前記感光性樹脂組成物の屈折率(nr2)と、前記アルカリ可溶性重合体の屈折率(nr1)とが、以下の条件:
{1−アルカリ可溶性重合体の屈折率(nr1)/感光性樹脂組成物の屈折率(nr2)}×100=1.0〜3.0(%)
を満たす前記感光性樹脂組成物。
本発明によれば、現像残膜率が高くかつ高感度であり、また高い伸度及び高い保存安定性を有する感光性樹脂組成物、該ポジ型感光性樹脂組成物を用いた硬化レリーフパターンの製造方法、並びに該硬化レリーフパターンを有してなる半導体装置又は発光装置が提供される。
ヒドロキシポリアミド樹脂(A)P−1の13C−NMR図。 ヒドロキシポリアミド樹脂(A)P−2の13C−NMR図。 ヒドロキシポリアミド樹脂(A)P−3の13C−NMR図。 ヒドロキシポリアミド樹脂(A)P−4の13C−NMR図。 ヒドロキシポリアミド樹脂(A)P−5の13C−NMR図。
<感光性樹脂組成物>
以下、本発明に係るヒドロキシポリアミド樹脂、及びそれを含む感光性樹脂組成物を構成する各成分について、詳細に説明する。
ヒドロキシポリアミド樹脂(A)
本発明の感光性樹脂組成物に用いるヒドロキシポリアミド樹脂(A)は、下記一般式(1):
Figure 2012027490
{式中、Z1、Z2及びZ3は、それぞれ独立に、2価の有機基であり、Z1、Z2及びZ3のうち少なくとも1つは、脂環式構造又は脂肪族構造を有し、そしてm1は、0又は1の整数である。}で表される構造及び下記一般式(2):
Figure 2012027490
{式中、Z1、Z2及びZ3は、それぞれ独立に、2価の有機基であり、Z1、Z2及びZ3のうち少なくとも1つは、脂環式構造又は脂肪族構造を有し、そしてm1は、0又は1の整数である。}で表される構造からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造を有する。
本明細書中、上記一般式(1)で表される構造を「エステル基含有構造」といい、上記一般式(2)で表される構造を「チオエステル基含有構造」ともいい、これらをまとめて「(チオ)エステル基含有構造」ともいう。Z1、Z2及びZ3構造のうち少なくとも1つは、脂環式構造又は脂肪族構造である。
ヒドロキシポリアミド樹脂(A)は、上記(チオ)エステル基含有構造に加え、多価カルボン酸及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種のカルボン酸化合物と多価アミノ化合物とから合成される構造を有する。
ここで、多価カルボン酸及びその誘導体としては、ジカルボン酸、トリカルボン酸、これらの酸クロリド化合物、酸無水物化合物等が挙げられる。また、多価アミノ化合物としては、少なくともアミノ基を2つ有する化合物、具体的には、ジアミノ安息香酸、ジアミノフェノール、ビス(アミノフェノール)等のジアミンが挙げられる。これら化合物は、置換されていてもよい。
すなわち、ヒドロキシポリアミド樹脂(A)は、ジカルボン酸、トリカルボン酸及びその誘導体とビス(アミノフェノール)から誘導され、アミド結合のオルト位にフェノール基を有するPBO前駆体であるポリアミド、並びにジカルボン酸、トリカルボン酸及びその誘導体とジアミノフェノールから誘導され、フェノール基を有するポリアミドから選ばれる構造と;前記した(チオ)エステル基含有構造とを;有することが好ましい。
まず、(チオ)エステル基含有構造について説明する。
ヒドロキシポリアミド樹脂(A)は、その樹脂骨格中に脂環式又は脂肪族構造を有することで、i線(365nm)に対する高い透明性を実現し、これは感度の向上につながり、更に弾性率を低下させる(全芳香族構造の場合はポリマー骨格が剛直となり弾性率が高くなる)ことができるため、高伸度となる。また、(チオ)エステル基含有構造を有することで、相対的にアミド結合の割合が減少し、該アミド結合に由来する水素結合によるヒドロキシポリアミド樹脂(A)の凝集が抑制されるため、保存安定性が高くなる(溶剤へ溶解し易くなり、ゲル化が抑制される)。
本発明に係るヒドロキシポリアミド樹脂(A)は、現像残膜率が高いという効果を奏する。この理由は定かではないが、本発明者は以下のように理由を推定している。脂環式構造又は脂肪族構造と(チオ)エステル基含有構造との両者を有することで、樹脂同士の相互作用がほどよく低下(芳香族構造の場合は芳香族同士でπ-πスタッキング効果があると考えられるため、その場合と比較して相対的に低下)するため、一般的なアルカリ現像に使用されるアルカリ現像液(2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)に対して、適度なアルカリ溶解性となる。一方、感光性樹脂組成物{ヒドロキシポリアミド(A)、及び光酸発生剤(B)}としたときには、(チオ)エステル基含有構造の疎水性が発揮されてアルカリ現像液自体が組成物へ浸透し難くなる結果、ヒドロキシポリアミド(A)と光酸発生剤(B)との溶解抑止力が保持されやすい環境となり、アルカリ現像液に対するアルカリ溶解性が非常に低下する。
ヒドロキシポリアミド樹脂の樹脂骨格として、脂環式構造又は脂肪族構造ではなく、芳香族構造のみを有するポリヒドロキシアミドを用いた場合、樹脂自体のi線透過性が低いのは言うまでもなく、芳香族構造同士の相互作用もあり、アルカリ現像液に対するアルカリ溶解性が失われる。
また、上記ヒドロキシポリアミド樹脂(A)は、下記一般式(3):
Figure 2012027490
{式中、X1及び、Y1は少なくとも2個の炭素原子を有する2〜4価の有機基であり、R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、m2は、1〜1000の整数であり、n1は、1又は2の整数であり、n2〜n4は、それぞれ独立に0〜2の整数であり、そして式中のY1(OR1n2(COOR3n4で表される構造のうち少なくとも1つは、前記一般式(1)若しくは下記一般式(4):
Figure 2012027490
(式中、Y2は、少なくとも2個の炭素原子を有する2〜4価の有機基であり、Z1は、2価の有機基であり、Y2及びZ1のうち少なくとも1つは、脂環式構造又は脂肪族構造を有し、R4、及びR5は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、m3は、1〜100の整数であり、そしてn5及びn6は、それぞれ独立に0〜2の整数である。)又は前記一般式(2)若しくは下記一般式(5):
Figure 2012027490
(式中、Y2は、少なくとも2個の炭素原子を有する2〜4価の有機基であり、Z1は、2価の有機基であり、Y2及びZ1のうち少なくとも1つは、脂環式構造又は脂肪族構造を有し、R4、及びR5は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、m3は、1〜100の整数であり、そしてn5及びn6は、それぞれ独立に0〜2の整数である。)で表される構造である。}で表される構造を有することが好ましい。
(チオ)エステル基含有構造は、具体的には、(1)Z1の構造を有するヒドロキシル基含有化合物又はチオール化合物と(2)Z2及びZ3の構造を有する多価カルボン酸及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種のカルボン酸化合物とを反応させて得ることができる。
以下、(1)Z1構造を有するヒドロキシル基含有化合物又はチオール化合物について説明する。
ヒドロキシル基含有化合物としては、フェノール化合物及びアルコール化合物を挙げることができる。
フェノール化合物の具体例としては、ヒドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−メチレンビス(2−メチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、4,4’−エチリデンビスフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルプロパン、TM124(デグサジャパン:商品名)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、4,4’−(1,3−ジメチルブチリデン)ジフェノール、4,4’−(2−エチルヘキシリデン)ジフェノール、ヘキセストロール、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−(α−メチルベンジリデン)ビスフェノール、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、4,4’−ジヒドロキシテトラフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ジフェノール酸等が挙げられる。
また、フェノール化合物として、官能基を含有するフェノール化合物を用いることもできる。その官能基の例としては、アミド基、イミド基、ウレア基、ウレタン基等が挙げられる。
これらの官能基を含有するフェノール化合物を合成する方法としては、アミノ基を有するフェノール化合物を出発原料とし、そのアミノ基を反応させる方法が挙げられる。
具体的には、アミド基を含有するフェノール化合物は、原料のフェノール化合物のアミノ基とカルボン酸又はその酸クロリドとを反応させることで得られる。同様に、イミド基を含有するフェノール化合物は、アミノ基とカルボン酸無水物とを反応させることで得られ、ウレア基を含有するフェノール化合物は、アミノ基とイソシアネート化合物とを反応させることで得られ、ウレタン基を含有するフェノール化合物は、アミノ基と二炭酸ジ−t−ブチル等の炭酸化合物とを反応させることで得られる。
アルコール化合物の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、1,2−ドデカンジオール、2,5−ヘキサンジオール、cis−2ブテン−1,4−ジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサジエン−3,4−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、trans−p−メンタン−3,8−ジオール、2,4−ジメトキシベンジルアルコール、1,3−ビス(4−ヒドロキシブチル)テトラメチルジシロキサン、X−22−160AS(信越化学:商品名)、FM−4411(チッソ:商品名)、ブチロイン等が挙げられる。
上記フェノール化合物と同様に、官能基を含有するアルコール化合物を用いることもできる。その官能基の例としては、アミド基、イミド基、ウレア基、ウレタン基等が挙げられる。
これら官能基をアルコール化合物に導入する方法は、上記フェノール化合物に官能基を導入する方法と同様である。
チオール化合物の具体例としては、1,4−ベンゼンジチオール、4,4’−ビフェニルジチオール、4,4’−チオビスベンゼンチオール、3,7−ジチア−1,9−ノナンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,10−デカンジチオール、Karenz BD1(昭和電工:商品名)等が挙げられる。
上記フェノール化合物と同様に、官能基を含有するチオール化合物を用いることもできる。その官能基の例としては、アミド基、イミド基、ウレア基、ウレタン基等が挙げられる。
これら官能基をチオール化合物に導入する方法は、上記フェノール化合物に官能基を導入する方法と同様である。
以下、前記Z2及びZ3の構造を有する多価カルボン酸及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種のカルボン酸化合物について説明する。
2及びZ3構造を有する多価カルボン酸としては、それぞれ下記から選ばれるZ2又はZ3構造を有するジカルボン酸が挙げられる:
Figure 2012027490
{式中、A1は、−CH2−、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、−C(CF32−、及び単結合からなる群より選ばれる2価の基を表し、L1は、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アミド基、ウレア基、イミド基、及びウレタン基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基であり、そしてk=4であり、複数あるL1は同一でも異なっていてもよい。}、
Figure 2012027490
{式中、n10は、1〜12の整数である。}、又は
Figure 2012027490
{式中、L2、L3及びL4は、各々独立に、水素原子又はメチル基であり、そしてL5は、水素原子、メチル基又は水酸基である。}。
また、上記一般式(3)で表される構造中、Y1(COOH)2(OR1n2(COOR3n4構造を有する多価カルボン酸は、前記したZ2及びZ3構造を有する多価カルボン酸の群と同一であることができる。
更に、上記一般式(4)及び上記一般式(5)で表される構造中、Y2(OR4n5(COOR5n6構造を有する多価カルボン酸は、前記したZ2及びZ3に該当する多価カルボン酸の群と同一であることができる。
ヒドロキシポリアミド樹脂(A)のi線透過性の観点から、(チオ)エステル基含有構造を表す上記一般式(1)、上記一般式(2)、上記一般式(4)、又は上記一般式(5)で表される構造中のZ1は、芳香族であり、かつ、Z2及びZ3は、両者とも脂環式構造又は脂肪族構造であることが好ましく、溶剤への溶解性の観点から、Z1の炭素原子数は1〜30であり、そしてZ2及びZ3の炭素原子数は1〜15であることが好ましい。Z1、Z2及びZ3は、炭化水素基、エーテル基、アミド基、イミド基、ウレア基、ウレタン基、スルホニル基、含フッ素基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を含むことが好ましい。
更なるi線透過性及びリソグラフィー性能向上の観点からは、ヒドロキシポリアミド樹脂(A)は、一般式(9)又は一般式(10)で表される構造を有することがより好ましい。具体的には、Z1は、下記一般式(9):
Figure 2012027490
{式中、R10は炭素原子数1〜18の炭化水素基であり、R11は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1〜17の炭化水素基、エーテル基、アミド基、イミド基、ウレア基、及びウレタン基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基である。}で表される構造であり、かつ、Z2及びZ3は、下記一般式(10):
Figure 2012027490
{式中、A1は、−CH2−、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、−C(CF32−、及び単結合からなる群より選ばれる2価の基を表し、L1は、水素原子又は炭素原子数1〜6の炭化水素基を表し、k=4であり、複数あるL1は同一でも異なっていてもよく、そして、L2〜L4は、各々独立に、水素原子又はメチル基であり、L5は、水素原子、メチル基又は水酸基であり、n10は、1〜12の整数である。}で表される構造であることが好ましい。
一方、ヒドロキシポリアミド樹脂(A)の熱特性及び機械特性の観点、特に機械特性の観点からは、(チオ)エステル基含有構造を表す上記一般式(1)、上記一般式(2)、上記一般式(4)又は上記一般式(5)で表される構造中のZ1は、脂環式構造又は脂肪族構造であり、かつZ2及びZ3は、芳香族であることが好ましい。また、溶剤への溶解性の観点からは、Z1、Z2及びZ3の炭素原子数は1〜15の有機基であることが好ましい。Z1、Z2及びZ3は、炭化水素基、エーテル基、アミド基、イミド基、ウレア基、ウレタン基、スルホニル基、及び含フッ素基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を含むことが好ましい。
更なる機械特性の観点からは、ヒドロキシポリアミド樹脂(A)は、下記一般式(11)で表される構造を有することが好ましい。具体的には、Z1は、下記一般式(11):
Figure 2012027490
{式中、A1は、−CH2−、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、−C(CF32−、及び単結合からなる群より選ばれる2価の基を表し、L1は、水素原子又は炭素原子数1〜6の炭化水素基を表し、k=4であり、複数あるL1は同一でも異なっていてもよく、そして、L2〜L4は、各々独立に、水素原子又はメチル基であり、L5は、水素原子、メチル基又は水酸基であり、そしてn10は、1〜8の整数である。}で表される構造であり、かつ、Z2又はZ3は、下記一般式(12):
Figure 2012027490
{式中、L1は、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アミド基、ウレア基、イミド基、及びウレタン基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基であり、k=4であり、複数あるL1は同一でも異なっていてもよく、R12は、炭素原子数1〜10の炭化水素基である。}で表される構造であることが好ましい。
ヒドロキシポリアミド樹脂(A)の製造方法としては、上記のヒドロキシル基含有化合物又はチオール化合物と、多価カルボン酸とを、重縮合させ、次いで多価アミノ化合物を重縮合させる方法が挙げられる。
ヒドロキシポリアミド樹脂(A)は、ピリジン、トリエチルアミン、塩化ベンジルトリエチルアミン等の塩基触媒存在下、過剰量のジカルボン酸とヒドロキシル基含有化合物又はチオール化合物とを、−25℃〜40℃の範囲で反応させ、両末端がカルボン酸、又はその誘導体である(チオ)エステル基含有構造を合成し、次いで、得られた両末端がカルボン酸、又はその誘導体である(チオ)エステル基含有構造とビス(アミノフェノール)等の多価アミノ化合物とを、−25℃〜10℃の範囲で重縮合させることで、合成することができる。ここで、「その誘導体」とはカルボン酸クロリドをいう。
ジカルボン酸は、塩化チオニルを用いて、酸クロリドの状態で使用することもできる。酸クロリドの合成法としては、具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、塩化ベンジルトリエチルアミン等の触媒の存在下、ジカルボン酸と過剰量の塩化チオニルとを反応させ、過剰の塩化チオニルを加熱及び減圧により留去する方法が挙げられ、この反応液の残渣をヘキサン、トルエン等の溶媒で再結晶することにより得ることができ、また、精製せずに、樹脂の重合に用いることも可能である。また、ジカルボン酸とN−ヒドロキシベンゾトリアゾール(以下、「HOBT」ともいう。)を、ジシクロヘキシルカルボジイミドなどの脱水縮合剤を使用して、HOBT活性エステル体とした触媒を使用することもできる。
(チオ)エステル基含有構造は、アルカリ現像液への溶解性及び得られる樹脂膜の機械物性が良好である点で、上記一般式(4)又は一般式(5)中のm3は、1〜100の整数であることが好ましく、2〜50の整数であることがより好ましく、3〜30の整数であることがさらに好ましい。また、多価カルボン酸及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種のカルボン酸化合物と多価アミノ化合物から合成される上記一般式(3)で表される構造に対する、上記一般式(1)、上記一般式(2)、上記一般式(4)又は上記一般式(5)で表される(チオ)エステル基含有構造の割合は、アルカリ現像液への溶解性及び得られる樹脂膜の機械物性が良好である点で、0.05〜0.80であることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、ポジ型としてもネガ型としても用いることができる。
前記した(チオ)エステル基含有構造の割合は、ポジ型組成物とする場合には、0.10〜0.50であることがより好ましく、0.15〜0.40であることがより好ましく、ネガ型組成物とする場合には、0.20〜0.80であることが好ましく、0.30〜0.60であることがより好ましい。また、耐熱性の観点からは、エステル基を含有するヒドロキシポリアミド樹脂(A)は、チオエステル基を含有するヒドロキシポリアミド樹脂(A)よりも優れている。
次に、上記一般式(3)で表される構造中、(チオ)エステル基含有構造以外の構造である、ヒドロキシポリアミド構造について説明する。
該ヒドロキシポリアミド構造は、原料であるX1(NH22(OH)n1(COOR2n3から成るアミノ化合物とY1(COOH)2(OR1n2(COOR3n4から成る多価カルボン酸との縮合反応により形成される。
上記一般式(3)で表される多価カルボン酸、すなわち、Y1(COOH)2(OR1n2(COOR3n4は、上記一般式(4)及び上記一般式(5)で表される多価カルボン酸Y2(COOH)2(OR4n5(COOR5n6と同一であってもよく、一般式(4)又は一般式(5)中のY2は、一般式(3)におけるY1と、好ましい範囲も含めて、同義であり、好ましくは、後述する有機基からなる群より選ばれる少なくとも1つの有機基であり、一般式(3)中のn2で表される値と一般式(4)又は一般式(5)中n5で表される値は同一の範囲を示し、一般式(3)中のn4で表される値と一般式(4)又は一般式(5)中n6で表される値についても同様である。
まず、「PBO前駆体」について説明する。
本明細書中、(チオ)エステル構造ではない部分であって、上記一般式(3)で表される構造中のX1(NH22(OH)n1(COOR2n3、Y1(COOH)2(OR1n2(COOR3n4において、n1=2、n2=0、n3=0及びn4=0である場合の一般式(3)で表されるものを、「PBO前駆体」と定義する。
該PBO前駆体は、X1(NH22(OH)2の構造を有するビス(アミノフェノール)及びY1(COOH)2の構造を有するジカルボン酸を重縮合させた構造を有するヒドロキシポリアミド樹脂である場合に相当する。該ビス(アミノフェノール)の2組のアミノ基とヒドロキシ基は、それぞれ互いに、オルト位にある。ジヒドロキシジアミド(ヒドロキシポリアミド樹脂)は、約250〜400℃に加熱されることによって閉環して、耐熱性樹脂であるPBOに変化する。X1は、アルカリ現像液への溶解性及び得られる樹脂膜の耐熱性が良好である点で、2個以上30個以下の炭素原子を有する4価の有機基であることが好ましい。また、Y1は、アルカリ現像液への溶解性及び得られる樹脂膜の耐熱性が良好である点で、2個以上30個以下の炭素原子を有する2価の有機基であることが好ましい。m2は、アルカリ現像液への溶解性及び得られる樹脂膜の機械物性が良好である点で、1〜1000の整数であり、2〜200の整数であることがより好ましく、2〜100の整数であることがさらに好ましく、3〜60の整数であることが最も好ましい。
1(NH22(OH)2の構造を有する上記ビス(アミノフェノール)としては、例えば、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシテトラフェニルメタン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,4−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシベンゼン、及び1,3−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシベンゼン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド等が挙げられる。これらのビス(アミノフェノール)は、単独又は2種以上混合して使用できる。
これらのX1(NH22(OH)2の構造を有するビス(アミノフェノール)の内、特に好ましいものは、X1が下記:
Figure 2012027490
から選ばれる芳香族基であるビス(アミノフェノール)である。上記ビス(アミノフェノール)は、ベンゼン環同士を結合している結合に対して、メタ位がアミノ基、パラ位がヒドロキシル基、又はメタ位がヒドロキシル基、パラ位がアミノ基のいずれでも構わないが、溶剤への溶解性の観点からは、メタ位がアミノ基、パラ位がヒドロキシル基の方が好ましい。
1(COOH)2構造を有するジカルボン酸としては、Y1が、それぞれ下記から選ばれる芳香族基、脂肪族基、及び脂環式構造からなる群より選ばれるジカルボン酸が挙げられる:
Figure 2012027490
{式中、A1は、−CH2−、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、−C(CF32−、及び単結合からなる群より選ばれる2価の基を表し、L1は、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アミド基、ウレア基、イミド基、及びウレタン基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基であり、そしてk=4であり、複数あるL1は同一でも異なっていてもよい。}、
Figure 2012027490
{式中、n10は、1〜12の整数である。}、
Figure 2012027490
{式中、L2、L3及びL4は、各々独立に水素原子又はメチル基であり、そしてL5は、水素原子、メチル基又は水酸基である。}。
上記のトリシクロデカン骨格を有するジカルボン酸として代表的な化合物としては、ビス(カルボキシ)トリシクロ[5,2,1,02,6]デカンが挙げられる。該化合物の製造例は、国際公開公報WO2009/081950の合成例に従って得ることができる。
更に、上記のY1(COOH)2構造を有するジカルボン酸の一部又は全部として、5−アミノイソフタル酸の誘導体を用いることもできる。該誘導体を得るために5−アミノイソフタル酸に対して反応させる具体的な化合物としては、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、エキソ−3,6―エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、3−エチニル−1,2−フタル酸無水物、4−エチニル−1,2−フタル酸無水物、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、マレイン酸無水物、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、アリルスクシン酸無水物、イソシアナートエチルメタクリレート、3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、3−シクロヘキセン−1−カルボン酸クロライド、2−フランカルボン酸クロリド、クロトン酸クロリド、ケイ皮酸クロリド、メタクリル酸クロリド、アクリル酸クロリド、プロピオン酸クロリド、テトロール酸クロリド、チオフェン2−アセチルクロリド、p−スチレンスルフォニルクロリド、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、クロロぎ酸メチルエステル、クロロぎ酸エチルエステル、クロロぎ酸n−プロピルエステル、クロロぎ酸イソプロピルエステル、クロロぎ酸イソブチルエステル、クロロぎ酸2−エトキシエステル、クロロぎ酸−sec−ブチルエステル、クロロぎ酸ベンジルエステル、クロロぎ酸2−エチルヘキシルエステル、クロロぎ酸アリルエステル、クロロぎ酸フェニルエステル、クロロぎ酸2,2,2−トリクロロエチルエステル、クロロぎ酸−2−ブトキシエチルエステル、クロロぎ酸−p−ニトロベンジルエステル、クロロぎ酸−p−メトキシベンジルエステル、クロロぎ酸イソボルニルベンジルエステル、クロロぎ酸−p−ビフェニルイソプロピルベンジルエステル、2−t−ブチルオキシカルボニル−オキシイミノ−2−フェニルアセトニトリル、S−t−ブチルオキシカルボニル−4,6−ジメチル−チオピリミジン、ジ−t−ブチル−ジカルボナート、N−エトキシカルボニルフタルイミド、エチルジチオカルボニルクロリド、ぎ酸クロリド、ベンゾイルクロリド、p−トルエンスルホン酸クロリド、メタンスルホン酸クロリド、アセチルクロリド、塩化トリチル、トリメチルクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、(N,N−ジメチルアミノ)トリメチルシラン、(ジメチルアミノ)トリメチルシラン、トリメチルシリルジフェニル尿素、ビス(トリメチルシリル)尿素、イソシアン酸フェニル、イソシアン酸n−ブチル、イソシアン酸n−オクタデシル、イソシアン酸o−トリル、1,2−フタル酸無水物、シス−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、グルタル酸無水物が挙げられる。
次に、「PBO前駆体を有する構造」について説明する。上記一般式(3)で表される樹脂は、原料のジアミンに由来する部分を有するが、原料のジアミンとしては、ジヒドロキシジアミン(X1(NH22(OH)2)以外に、必要に応じてX2(NH22の構造を有するジアミンを用いてもよい。ここで、X2は、上記一般式(3)におけるX1と、好ましい範囲も含めて、同義である。
上記一般式(3)で表される構造中、上記のジヒドロキシジアミド単位の割合が高いほど現像液として使用するアルカリ性水溶液への溶解性が向上するので、[X1(NH22(OH)2]/[X1(NH22(OH)2+X2(NH22]の値は0.5以上であることが好ましく、0.7以上であることがより好ましく、0.8以上であることが最も好ましい。
また、X2(NH22の構造の化合物としては、分子内に2組の互いにオルト位にあるアミド結合とフェノール性水酸基とを有するジアミン(以下、「分子内にPBO前駆体構造を有するジアミン」という。)を使用することもできる。例えば、上記のX1(NH22(OH)2の構造を有するビス(アミノフェノール)に2分子のニトロ安息香酸を反応させて還元することにより得られる下記一般式(13):
Figure 2012027490
{式中、X3は、少なくとも2個の炭素原子を有する4価の有機基を表す。}で表されるジアミンが挙げられる。
3は、上記一般式(3)におけるX1と、好ましい範囲も含めて、同義である。
分子内にPBO前駆体構造を有するジアミンを得るための別法としては、Y3(COCl)2の構造を有するジカルボン酸ジクロリドに2分子のニトロアミノフェノールを反応させて還元し、下記一般式(14):
Figure 2012027490
{式中、Y3は、少なくとも2個の炭素原子を有する2価の有機基である。}で表されるジアミンを得る方法もある。ここで、Y3は、上記一般式(3)におけるY1と、好ましい範囲も含めて、同義である。
2(NH22の構造を有するジアミンとしては、芳香族ジアミン、シリコンジアミンなどが挙げられる。
このうち芳香族ジアミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4−メチル−2,4−ビス(4−アミノフェニル)−1−ペンテン、4−メチル−2,4−ビス(4−アミノフェニル)−2−ペンテン、1,4−ビス(α,α−ジメチル−4−アミノベンジル)ベンゼン、イミノ−ジ−p−フェニレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、4−メチル−2,4−ビス(4−アミノフェニル)ペンタン、5(または6)−アミノ−1−(4−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、ビス(p−アミノフェニル)ホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニル尿素、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ベンゾフェノン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス[4−(α,α−ジメチル−4−アミノベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(α,α−ジメチル−4−アミノベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、フェニルインダンジアミン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、o−トルイジンスルホン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルフィド、1,4−(4−アミノフェノキシフェニル)ベンゼン、1,3−(4−アミノフェノキシフェニル)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−ジ−(3−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、及び4,4’−ジアミノベンズアニリド等、並びにこれら芳香族ジアミンの芳香核の水素原子が、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、メチル基、メトキシ基、シアノ基、及びフェニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基又は原子によって置換された化合物が挙げられる。
基材との接着性を高めるためにX2(NH22の構造を有するジアミンの一部又は全部として、シリコンジアミンを選択することもできる。シリコンジアミンの例としては、ビス(4−アミノフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−アミノフェニル)テトラメチルシロキサン、ビス(4−アミノフェニル)テトラメチルジシロキサン、ビス(γ−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,4−ビス(γ−アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、ビス(γ−アミノプロピル)テトラフェニルジシロキサン等が挙げられる。
1(COOH)2構造を有するジカルボン酸としては、上述したPBO前駆体で使用される芳香族基又は脂肪族基であるジカルボン酸が挙げられる。また、分子内に2組の互いにオルト位にあるアミド結合とフェノール性水酸基とを有するジカルボン酸を使用することもできる。例えば、上記のX1(NH22(OH)2の構造を有するビス(アミノフェノール)又はX1(NH22(OH)の構造を有するジアミノフェノールに2分子のトリメリット酸クロリドを反応させて、更に酸無水物とアルコールを反応させることにより得られる下記一般式(15):
Figure 2012027490
{式中、X5は、少なくとも2個の炭素原子を有する3価又は4価の有機基を表し、R13は、炭素原子数1〜10の炭化水素基を表し、そして、n11は、1又は2の整数を表す。}で表される分子内に2組の互いにオルト位にあるアミド結合とフェノール性水酸基とを有する構造が挙げられる。X5は、上記一般式(3)におけるX1と、好ましい範囲も含めて、同義である。
ヒドロキシポリアミド樹脂(A)は、リソグラフィー特性の観点から、下記一般式(16):
Figure 2012027490
{式中、X6は、少なくとも2個の炭素原子を有する4価の有機基を表し、Z1は、上記一般式(9)からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造であり、L6、L7、及びL8は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、L9は、水素原子、メチル基又は水酸基を表し、そしてm2とm3は、各々独立に、1〜1000の整数である。}で表される構造を含むことが好ましい。X6は、上記一般式(3)におけるX1と、好ましい範囲も含めて、同義である。
上記一般式(16)で表される構造中のトリシクロデカン部位は、下記一般式(17):
Figure 2012027490
で表される構造群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。
該トリシクロデカン部位は、とりわけ、得られる樹脂膜の機械物性が良好である点で、下記一般式(18):
Figure 2012027490
であることがより好ましい。
また、ヒドロキシポリアミド樹脂(A)は、熱機械特性の観点から、下記一般式(19):
Figure 2012027490
{式中、X6は、少なくとも2個の炭素原子を有する4価の有機基を表し、Y4は、下記一般式(20):
Figure 2012027490
(式中、L1は、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アミド基、ウレア基、イミド基、及びウレタン基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基であり、そしてk=4であり、複数あるL1は同一でも異なっていてもよい。)で表される構造のうちの少なくとも1種であり、Z1は、上記一般式(9)からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造であり、そしてm2とm3は、各々独立に、1〜1000の整数である。複数あるY4は同一でも異なっていてもよい。}で表される構造を含むことが好ましい。ここで、X6は、上記一般式(3)におけるX1と同義である。
ヒドロキシポリアミド樹脂であるジヒドロキシジアミドを合成するための、前述のジカルボン酸とビス(アミノフェノール)との重縮合の方法としては、ジカルボン酸と塩化チオニルとを使用してジ酸クロライドを得た後、これにビス(アミノフェノール)を作用させる方法、ジカルボン酸とビス(アミノフェノール)とをジシクロヘキシルカルボジイミドにより重縮合させる方法等が挙げられる。ジシクロヘキシルカルボジイミドを使用する方法においては同時にヒドロキシベンズトリアゾールを作用させることもできる。
また、前述の一般式(3)で表される繰り返し単位を有するヒドロキシポリアミドは、その末端基を有機基(以下、「封止基」ともいう)で封止して使用することも好ましい。例えば、ヒドロキシポリアミド樹脂の重縮合において、ジカルボン酸成分をビスアミノフェノール成分とジアミン成分との和に比べて過剰のモル数で使用する場合には、封止基としてアミノ基又は水酸基を有する化合物を用いるのが好ましい。該化合物の例としては、アニリン、エチニルアニリン、ノルボルネンアミン、ブチルアミン、プロパルギルアミン、2−アミノベンジルアルコール、3−アミノベンジルアルコール、4−アミノベンジルアルコール、エタノール、プロパルギルアルコール、ベンジルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、2−アミノベンゾトリアゾール、ベンゾチアジアゾール、テトラゾール等の窒素含有環状化合物が挙げられる。
逆にビスアミノフェノール成分とジアミン成分との和をジカルボン酸成分に比べて過剰のモル数として使用する場合には、封止基を有する化合物として、酸無水物、カルボン酸、酸クロリド、イソシアネート基等を有する化合物を用いるのが好ましい。該化合物の例としては、ベンゾイルクロリド、ノルボルネンジカルボン酸無水物、ノルボルネンカルボン酸、5−ベンズイミダゾールカルボン酸、エチニルフタル酸無水物、グルタル酸無水物、無水マレイン酸、無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキサンジカルボン酸無水物、シクロへキセンジカルボン酸無水物、メタクリロイルオキシエチルメタクリレート、フェニルイソシアネート、メシルクロリド、トシル酸クロリド等が挙げられる。また、トリメリット酸クロリドを用いて、アミノ基、ヒドロキシル基を含有した化合物と反応させることで、オキセタン末端とすることもできる。
好ましい末端基としては、ベンゾトリアゾール、テトラゾール、5−ベンズイミダゾールカルボン酸等の窒素含有環状化合物、メチロール基、アルコキシメチル基、オキセタン基及び下記一般式(21):
Figure 2012027490
{式中、L10は、−CH2−、−O−又は−S−を表し、そしてL11は、水素原子又は炭素原子数1〜6の炭化水素基を表す。}で表される末端基からなる群より選択される少なくとも1つの末端基が挙げられる。メチロール基、アルコキシメチル基、オキセタン基としては、下記一般式(22):
Figure 2012027490
{式中、R14及びR15は、水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、R16は、水素原子、又は炭素原子数1〜10の炭化水素基、アルコキシ基、エステル基、及びウレタン基からなる群より選ばれる少なくとも1つの1価の有機基であり、n12は、1〜5の整数であり、n13は、0〜4の整数であり、ここで、n12+n13=5であり、ここで、CH2OR15、及びR16が複数存在する場合、R15及びR16は、互いに同一でも異なっていてもよい。}で表される構造であることが好ましい。
上記一般式(3)で表される構造を有するヒドロキシポリアミド樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下「GPC」ともいう。)によるポリスチレン換算重量平均分子量は、3,000〜70,000であることが好ましく、6,000〜50,000であることがより好ましい。重量平均分子量は、硬化レリーフパターンの物性の観点から3,000以上が好ましく、一方、解像性の観点から、70,000以下が好ましい。GPCの展開溶媒としては、テトラヒドロフラン(以下「THF」ともいう。)、N−メチル−2−ピロリドン(以下「NMP」ともいう。)が推奨される。また分子量は、標準単分散ポリスチレンを用いて作成した検量線から求める。標準単分散ポリスチレンとしては昭和電工社製 有機溶媒系標準試料 STANDARD SM−105から選ぶことが推奨される。
光酸発生剤(B)
光酸発生剤(B)とは、活性光線照射により酸を発生する化合物であり、このような化合物としては例えば、ハロゲン含有化合物、オニウム塩、ナフトキノンジアジド構造を有する化合物(以下、「ナフトキノンジアジド化合物」ともいう。)等が挙げられる。
光酸発生剤(B)として、ナフトキノンジアジド化合物を用いることで、ポジ型の優れた感光性樹脂組成物とすることができる。一方、本発明のヒドロキシポリアミド樹脂は、光酸発生剤(B)と添加剤の適切な組み合わせにより、ネガ型にもすることもできる。
上記ハロゲン含有化合物としては、ハロアルキル基含有炭化水素化合物等が挙げられ、トリクロロメチルトリアジン類が好ましい。
トリクロロメチル−s−トリアジン類の具体例としては、トリス(2,4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メチルチオフェニル)ビス(4,6−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(2−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4,5−トリメトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオ−β―スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メチルチオ−β―スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メチルチオ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
上記オニウム塩としては、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、アンモニウム塩、ジアゾニウム塩等が挙げられ、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、及びトリアルキルスルホニウム塩からなる群より選ばれるオニウム塩が好ましい。
ジアリルヨードニウム類の具体例としては、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、ビス(4−ter−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(4−ter−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−ter−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(4−ter−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロアセテート、ビス(4−ter−ブチルフェニル)ヨードニウム−p−トルエンスルホナート等が挙げられる。
トリアリールスルホニウム塩類の具体例としては、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、トリフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルテトラフルオロボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルヘキサフルオロホスホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルヘキサフルオロアルセネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロメタンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニルーp−トルエンスルホナート等が挙げられる。
これらの化合物の内、トリクロロメチル−S−トリアジン類としては、2−(3−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−S−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−S−トリアジン、2−(4−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−S−トリアジン、2−(4−メトキシーβ―スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−S−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−S−トリアジン等を、ジアリールヨードニウム塩類としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート等を、トリアリールスルホニウム塩類としては、トリフェニルスルホニウムメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロメタンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロアセテート等を好適なものとして挙げることができる。
この他にも、以下に示す化合物を用いることもできる。
(1)スルホン化合物
スルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン化合物、β−スルホニルスルホン化合物及びこれらの化合物のα−ジアゾ化合物を挙げることができ、具体例として、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェナシルスルホニル)メタン等を挙げることができる。
(2)スルホン酸化合物
スルホン酸化合物としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル類、ハロアルキルスルホン酸エステル類、アリールスルホン酸エステル類、イミノスルホネート類等を挙げることができ、好ましい具体例として、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリストリフルオロメタンスルホネート、o−ニトロベンジルトリフルオロメタンスルホネート、o−ニトロベンジルp−トルエンスルホネート等を挙げることができる。
(3)スルホンイミド化合物
スルホンイミド化合物の具体例として、例えば、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド等を挙げることができる。
(4)オキシムエステル化合物
2−[2−(4−メチルフェニルスルホニルオキシイミノ)]−2,3−ジヒドロチオフェン−3−イリデン]−2−(2−メチルフェニル)アセトニトリル(チバスペシャルティケミカルズ社商品名「イルガキュアPAG121」)、[2−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−2,3−ジヒドロチオフェン−3−イリデン]−2−(2−メチルフェニル)アセトニトリル(チバスペシャルティケミカルズ社商品名「イルガキュアPAG103」)等を挙げることができる。
(5)ジアゾメタン化合物
ジアゾメタン化合物の具体例としては、例えば、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン等を挙げることができる。
(6)ジアゾケトン化合物
ジアゾケトン化合物としては、例えば、1,3−ジケトン−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物等を挙げることができ、具体例として、フェノール類の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル化合物を挙げることができる。
ポジ型感光性樹脂組成物とする場合は、溶剤溶解性及び保存安定性の観点から、上記(6)ジアゾケトン化合物が好ましく、その中でも感度の観点から、ナフトキノンジアジド構造を有する化合物(以下、「ナフトキノンジアジド化合物」ともいう。)が好ましい。
また、ネガ型感光性樹脂組成物とする場合は、感度の観点から、特に上記(4)オキシムエステル化合物が好ましい。
上記ナフトキノンジアジド化合物は、典型的には、1,2−ベンゾキノンジアジド構造又は1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する化合物であり、米国特許第2,772,972号明細書、米国特許第2,797,213号明細書、米国特許第3,669,658号明細書等により公知の物質である。ナフトキノンジアジド化合物は、典型的には、以下の説明する特定構造を有するポリヒドロキシ化合物の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、及び該ポリヒドロキシ化合物の1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(以下、「NQD化合物」ともいう。)である。
該NQD化合物は、常法に従って、ナフトキノンジアジドスルホン酸化合物をクロルスルホン酸又は塩化チオニルでスルホニルクロライドとし、得られたナフトキノンジアジドスルホニルクロライドと、ポリヒドロキシ化合物とを縮合反応させることにより得られる。例えば、ポリヒドロキシ化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド又は1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロリドの所定量とをジオキサン、アセトン、テトラヒドロフラン等の溶媒中において、トリエチルアミン等の塩基性触媒の存在下で反応させて、エステル化を行い、得られた生成物を水洗及び乾燥することにより、NQD化合物を得ることができる。
該NQD化合物としては、以下に列挙するものが好ましく用いられる。
下記一般式(23)で表されるポリヒドロキシ化合物のNQD化物
Figure 2012027490
{式中、X7は、下記化学式:
Figure 2012027490
で表される有機基より選ばれる少なくとも1つの4価の基を表し、R17、R18、R19及びR20は、それぞれ独立に、1価の有機基を表し、lは、0又は1であり、m5、m6、m7及びm8は、0〜3の整数を示し、n14、n15、n16及びn17は、0〜2の整数である。}
具体的な化合物としては、特開2001−092138号公報の[化23]〜[化28]に記載される化合物が挙げられる。
その中でも以下のポリヒドロキシ化合物のNQD化物が、感度が高く、ポジ型感光性樹脂組成物中での析出性が低いことから好ましい:
Figure 2012027490
Figure 2012027490
Figure 2012027490
Figure 2012027490
下記一般式(24)で表されるポリヒドロキシ化合物のNQD化物
Figure 2012027490
{式中、M2は、脂肪族の3級又は4級の炭素を含む2価の有機基を表し、そしてA3は、下記の化学式:
Figure 2012027490
で表される基より選ばれる少なくとも1つの2価の基を表す。}。
具体的な化合物としては、特開2003−131368号公報の[化22]〜[化28]に記載される化合物が挙げられる。
その中でも、以下のポリヒドロキシ化合物のNQD化物が、感度が高く、ポジ型感光性樹脂組成物中での析出性が低いことから好ましい。
Figure 2012027490
Figure 2012027490
{式中、L12は、−CH2−、−O−又は−S−を表し、そしてL13は、水素原子又は炭素原子数1〜6の炭化水素基を表す。}。
下記一般式(25)で表されるポリヒドロキシ化合物のNQD化物
Figure 2012027490
{式中、R21、R22及びR23は、各々独立に、下記の一般式:
Figure 2012027490
(式中、R24は、それぞれ独立に、水素原子、又はアルキル基及びシクロアルキル基より選ばれる少なくとも1つの1価の有機基を表し、そしてm12は、0〜2の整数である。)で表される1価の有機基を表し、そしてm9、m10及びm11は、それぞれ独立に、0〜2の整数である。}。
具体的な化合物としては、特開2004−109849号公報の[化17]〜[化22]に記載されるポリヒドロキシ化合物のNQD化物が挙げられる。
その中でも、以下のポリヒドロキシ化合物のNQD化物が、感度が高く、ポジ型感光性樹脂組成物中での析出性が低いことから好ましい。
Figure 2012027490
Figure 2012027490
下記一般式(26)で表されるポリヒドロキシ化合物のNQD化物
Figure 2012027490
{式中、R25は、下記の一般式:
Figure 2012027490
(式中、R29は、それぞれ独立に、水素原子、又はアルキル基及びシクロアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1つの1価の有機基を表し、そしてm16は、0〜2の整数である。)で表される1価の有機基を表し、R26、R27及びR28は、水素原子、又はアルキル基及びシクロアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1つの1価の有機基を表し、そして、m13、m14及びm15は、0〜2の整数である。}。
具体的な化合物としては、特開2005−008626号公報の[化15]、及び[化16]に記載されるポリヒドロキシ化合物のNQD化物が挙げられる。
その中でも、以下のポリヒドロキシ化合物のNQD化物が、感度が高く、ポジ型感光性樹脂組成物中での析出性が低いことから好ましい。
Figure 2012027490
Figure 2012027490
その他の構造としては、下記:
Figure 2012027490
が好ましい。
NQD化合物におけるナフトキノンジアジドスルホニル基としては、5−ナフトキノンジアジドスルホニル基又は4−ナフトキノンジアジドスルホニル基のいずれも好ましい。
4−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物は、水銀灯のi線領域に吸収を持っており、i線露光に適している。5−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物は、水銀灯のg線領域まで吸収が伸びており、g線露光に適している。本発明においては、露光に用いる波長によって4−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物又は5−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物のいずれかを選択することが好ましい。また、同一分子中に4−ナフトキノンジアジドスルホニル基及び5−ナフトキノンジアジドスルホニル基の両者を有するナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物を使用することもできるし、4−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物と5−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物とを混合して使用することもできる。
本発明の感光性樹脂組成物において、光酸発生剤(B)の配合量は、ヒドロキシポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、1〜50質量部であることが好ましく、溶剤への溶解性の観点から、2〜40質量部がより好ましく、感度の観点から5〜25質量部がさらに好ましい。光酸発生剤(B)の配合量が1質量部以上であれば樹脂のパターニング性が良好であり、一方、50質量部以下であれば硬化後の膜の引張り伸び率が良好で、かつ露光部の現像残さ(スカム)が少ない。
アルカリ水溶液に対する溶解性を促進する化合物(C)
本発明に係る感光性樹脂組成物には、露光部のアルカリに対する溶解性を向上させ、高感度化するという観点から、アルカリ水溶液に対する溶解性を促進する化合物(C)を更に配合することが好ましい。
アルカリ水溶液に対する溶解性を促進する化合物(C)とは、アルカリ水溶液に可溶となる官能基、すなわちフェノール性水酸基、カルボキシル基、スルホニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を含有した化合物を示す。
フェノール性水酸基を含有する化合物(以下、「フェノール化合物」ともいう。)としては、フェノール基を少なくとも1つ有する化合物と該化合物を重合させた重合体が挙げられる。
フェノール基を少なくとも1つ有する化合物とは、炭素原子数6〜40の化合物であり、具体的には、前記感光性ジアゾキノン化合物に使用している上記規定炭素原子数以内のバラスト剤、パラクミルフェノール、ビスフェノール類、レゾルシノール類、MtrisPC、MtetraPC等の直鎖状フェノール化合物(本州化学工業社製:商品名)、TrisP−HAP、TrisP−PHBA、TrisP−PA等の非直鎖状フェノール化合物(本州化学工業社製:商品名)、ジフェニルメタンのフェニル基の水素原子2〜5個を水酸基に置換した化合物、2,2−ジフェニルプロパンのフェニル基の水素原子1〜5個を水酸基に置換した化合物等が挙げられる。なお、バラスト剤とは、フェノール性水素原子の一部がナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化されたフェノール化合物である前述の感光性ジアゾキノン化合物に原料として使用されているフェノール化合物をいう。
フェノール性基を少なくとも1つ有する化合物の中では、アルカリ溶解促進という観点から、2つ以上のフェノール基を有するフェノール化合物が好ましく、残渣の発生を抑制させるという観点から、レゾルシノール類がより好ましい。レゾルシノール類としては、レゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、2,5−ジメチルレゾルシノール、4−エチルレゾルシノール、4−ヘキシルレゾルシノール等が挙げられる。
該化合物を重合させた重合体としては、フェノール樹脂及びその誘導体、ポリヒドロキシスチレン及びその誘導体等が挙げられる。
フェノール樹脂及びその誘導体としては、具体的にはノボラック型樹脂が挙げられる。ノボラック型樹脂としては、レジストの技術分野で広く用いられているものを使用することができる。このノボラック型樹脂は、例えば、フェノール類と、アルデヒド類又はケトン類とを酸性触媒の存在下で反応させることにより得ることができる。
フェノール類としては、前記した化合物以外に、例えば、フェノール、オルトクレゾール、メタクレゾール、パラクレゾール、2,3−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2−t−ブチルフェノール、3−t−ブチルフェノール、4−t−ブチルフェノール、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、4−t−ブチルカテコール、2−メトキシフェノール、3−メトキシフェノール、2−プロピルフェノール、3−プロピルフェノール、4−プロピルフェノール、2−イソプロピルフェノール、2−メトキシ−5−メチルフェノール、2−t−ブチル−5−メチルフェノール、チモール、イソチモール等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、α−フェニルプロピオンアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、o−メチルベンズアルデヒド、m−メチルベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、p−エチルベンズアルデヒド、p−n−ブチルベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒドなどが挙げられる。ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジフェニルケトンなどが挙げられる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、メタクレゾールとパラクレゾールとを併用し、これらと、ホルムアルデヒド、ホルマリン又はパラホルムアルデヒドとを縮合反応させたノボラック型樹脂が、感度制御性の観点から特に好ましい。メタクレゾールとパラクレゾールとの仕込み重量比は、通常、20:80〜80:20、好ましくは50:50〜70:30である。
分子量は、重量平均分子量で、通常、1,000〜20,000、好ましくは1,000〜15,000、より好ましくは1,000〜10,000の範囲である。上記樹脂の重量平均分子量は、合成条件を調整することにより、所望の範囲に制御することができる。また、分子量分布が狭い方が、光感度が高くなるため、合成により得られた樹脂を適当な溶解度を持つ有機溶剤で固−液抽出したり、樹脂を良溶剤に溶解させて貧溶剤中に滴下したり、又は貧溶剤を滴下して固−液若しくは液−液抽出したりして分子量分布を制御してもよい。このフェノール樹脂の具体例としては、EP4000B(旭有機材工業:商品名)、EP4020G(旭有機材工業:商品名)、EP4050G(旭有機材工業:商品名)、EP4080G(旭有機材工業:商品名)等が挙げられる。
ポリヒドロキシスチレン又はその誘導体の具体例としては、例えば、ポリ−o−ヒドロキシスチレン、ポリ−m−ヒドロキシスチレン、ポリ−p−ヒドロキシスチレン、ポリ−α−メチル−o−ヒドロキシスチレン、ポリ−α−メチル−m−ヒドロキシスチレン、ポリ−α−メチル−p−ヒドロキシスチレン又はこれらの部分アセチル化物、シリル化物等が挙げられる。これらのポリヒドロキシスチレン又はその誘導体の重量平均分子量3,000〜100,000、特に好ましくは4,000〜20,000の範囲である。
フェノール化合物を配合する場合の配合量は、ヒドロキシポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、1〜100質量部が好ましく、キュア形状の観点から1〜70質量部が好ましい。上記配合量が70質量部以内であれば、熱硬化後の膜の耐熱性が良好である。これらはそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
カルボキシル基を含有する化合物(以下、「カルボン酸化合物」ともいう。)とは、その分子中にカルボキシル基を少なくとも1つ有し、炭素原子数が6〜30の化合物であり、モノカルボン酸化合物、ジカルボン酸化合物、トリカルボン酸化合物等が挙げられる。
また、密着性の観点から、カルボン酸化合物はモノカルボン酸化合物であることが好ましく、感度の観点からは、分岐構造、環構造又は不飽和二重結合を有する化合物であることが好ましい。具体的には、2−ノネン酸、イソノナン酸、2−デセン酸、10−ウンデセン酸、3−シクロヘキセン−1−カルボン酸化合物、4−(3−ブテニルオキシ)安息香酸、m−アニス酸、4−ビフェニル酢酸、2−フェニル酪酸、4−プロピル安息香酸、ジフェニル酢酸、m−トルイル酸、m−トリル酢酸、o−アニス酸、o−トルイル酸、o−トリル酢酸、p−アニス酸、p−トルイル酸、p−トリル酢酸、3−フェニル乳酸、4−ヒドロキシフェニル乳酸、4−ヒドロキシマンデル酸、3,4−ジヒドロキシマンデル酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシマンデル酸、2−メトキシ−2−(1−ナフチル)プロピオン酸、マンデル酸、アトロラクチン酸、アセチルマンデル酸、α−メトキシフェニル酢酸等が挙げられる。
カルボン酸化合物は、プリベーク時の膜中に残存することで、その効果が発現するため、プリベーク膜への残存の観点から、炭素原子数8以上のカルボン酸化合物が好ましく、溶剤への溶解性の観点から、炭素原子数30以下が好ましく、経時後の析出という観点から、炭素原子数20以下がより好ましく、15以下がさらに好ましい。更に、カルボン酸化合物を膜中に効率よく残存させる手段として、カルボキシル基のα位にヒドロキシル基、エーテル基、及びエステル基から選ばれる官能基があることが好ましく、その中でも特に、エーテル基、エステル基が基板との密着性の観点から好ましく、また、感度の観点からは、硬化樹脂膜となる際に、プリベーク後に残存したカルボン酸化合物が樹脂組成物を揮発しないよう、その部位がメチロール基やアルコキシメチル基等の架橋基となることが特に好ましい。
上記カルボン酸化合物は、単独で使用しても2種以上混合して使用してもよい。
上記カルボン酸化合物を配合する場合の配合量は、ヒドロキシポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、1〜100質量部が好ましく、密着性の観点から、1〜40質量部がより好ましく、感度の観点から、5〜20質量部がさらに好ましい。
カルボン酸化合物化合物の配合量が1質量部以上であれば露光部の現像残渣が少なくなり、感光性樹脂組成物を用いて形成される膜とシリコン基板との密着性が良好であり、一方、上記配合量が40質量部以下であれば、硬化後の膜の引っ張り伸び率が良好である。
スルホニル基を含有する化合物(以下、「スルホン酸化合物」ともいう。)とは、その分子中にスルホニル基を少なくとも1つ有する炭素原子数が1〜20の化合物である。具体的には、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−キシレン−2−スルホン酸、メシチレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ピリジン−2−スルホン酸、ピリジン−3−スルホン酸、(±)−10−カンファースルホン酸等が挙げられる。
上記スルホン酸化合物は、単独で使用しても2種以上混合して使用してもよい。
上記スルホン酸化合物を配合する場合の配合量は、ヒドロキシポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、0.1〜15質量部が好ましく、密着性の観点から、0.5〜10質量部がより好ましく、感度の観点から、1〜5質量部がさらに好ましい。
スルホン酸化合物の配合量が1質量部以上であれば露光部の現像残渣が少なくなり、感光性樹脂組成物を用いて形成される膜とシリコン基板との密着性が良好であり、一方、上記配合量が15質量部以下であれば、硬化後の膜の引っ張り伸び率が良好である。
これらの官能基を有する化合物の中で、良好なリソグラフィー性能と2.38質量%TMAHに対して、適度なアルカリ溶解性を両立する好ましい化合物としては、フェノール化合物、カルボン酸化合物が挙げられる。
熱により架橋反応を起こす化合物(D)
本発明に係る感光性樹脂組成物には、現像して得られたレリーフパターンを加熱処理(以下、この工程を「キュア」という。)を行った後の硬化時残膜率が向上するため、初期膜厚を薄くすることが可能となり、より良好なリソグラフィー性能を発現させるという観点から、熱により架橋反応を起こす化合物(D)を更に配合することが好ましい。
熱により架橋反応を起こす化合物(D)とは、熱によりヒドロキシポリアミド樹脂(A)と架橋反応を起こす化合物が用いられる。ここで、架橋反応を起こす温度としては、150〜350℃が好ましい。架橋反応は、現像によりパターン形成をした後の加熱処理の際に生じる。
熱により架橋反応を起こす化合物(D)の具体例としては、エポキシ化合物、オキセタン化合物、メラミン化合物及びアルケニル化合物、並びに下記一般式(6)で表される構造を有する化合物、下記一般式(7)で表される構造を有する化合物、及び下記一般式(8)で表される構造を有する化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
ここでアルケニル化合物というのは、(メタ)アクリレート基、アリル基、ビニル基等の不飽和二重結合基を含有した化合物を表す。
エポキシ化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ポリスルフィド型エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定されない。
オキセタン化合物は4員環状エーテル構造を持つ化合物であり、カチオン開環重合反応、あるいはカルボン酸、チオール、フェノールとの付加反応が可能なものである。オキセタン化合物の具体例としては、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ビス[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、4,4′−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ビフェニル、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)ジフェノエート、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリ[[3−[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]プロピル]シラセスキオキサン]誘導体、オキセタニルシリケート、フェノールノボラック型オキセタン、1,3−ビス[(3−エチルオキセタンー3−イル)メトキシ]ベンゼン、OXT121(東亞合成:商品名)、OXT221(東亞合成:商品名)等が挙げられるが、これらに限定されない。
耐熱性の観点から、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、4,4′−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ビフェニル、OXT121(東亞合成:商品名)が好ましい。
メラミン化合物の具体例としては、トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン、トリメトキシメチルメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン等が挙げられ、保存安定性の観点から、トリメトキシメチルメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミンが好ましい。
アリル化合物の具体例としては、アリルアルコール、アリルアニソール、安息香酸アリルエステル、桂皮酸アリルエステル、N−アリロキシフタルイミド、アリルフェノール、アリルフェニルスルフォン、アリルウレア、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、イソシアヌル酸ジアリル、トリアリルアミン、イソシアヌル酸トリアリル、シアヌル酸トリアリル、トリアリルアミン、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリアリル、トリメリット酸トリアリル(和光純薬工業社製 TRIAM705)、ピロメリット酸トリアリル(和光純薬工業社製 TRIAM805)、オキシジフタル酸トリアリル、トリアリルホスフェート、トリアリルホスファイト、クエン酸トリアリルが挙げられるが、これらに限定されない。感度の観点から、トリメリット酸トリアリル(和光純薬工業社製 TRIAM705)、ピロメリット酸トリアリル(和光純薬工業社製 TRIAM805)が好ましい。
(メタ)アクリレート化合物とは、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、及びメタクリルアミドからなる群から選択される化合物をいう。
好ましいものの具体例としては、新中村化学工業社製NK−エステルシリーズ M−20G、M−40G、M−90G、M−230G、CB−1、SA、S、AMP−10G、AMP−20G、AMP−60G、AM−90G、A−SA、LA、1G、2G、3G、4G、9G、14G、23G、BG、HD、NPG、9PG、701、BPE−100、BPE−200、BPE−500、BPE―1300、A−200、A−400、A−600、A−HD、A−NPG、APG−200、APG−400、APG−700、A−BPE−4、701A、TMPT、A−TMPT、A−TMM−3、A−TMM−3L、A−TMMT及び1−(アクリロイルオキシ)−3−(メタクリロイルオキシ)−2−プロパノール、1,3−ビス(アクリロイルオキシ)−2−プロパノール等が挙げられるが、これらに限定されない。(メタ)アクリレート化合物とは、炭素原子数9以上であることが好ましく、溶剤への溶解性の観点から、30以下が好ましい。
またアルカリ溶解性の観点から、(メタ)アクリレート化合物は、ヒドロキシル基、カルボニル基、アミノ基、チオール基等の極性基を含有することが好ましく、更に密着性の観点から、極性基はヒドロキシル基であることが好ましい。その具体的な化合物としては、NK−701、1−(アクリロイルオキシ)−3−(メタクリロイルオキシ)−2−プロパノール、1,3−ビス(アクリロイルオキシ)−2−プロパノール等が挙げられる。なお、本明細書中、(メタ)アクリレートとは、アクリレートとメタクリレートの両者を指す。
下記一般式(6):
Figure 2012027490
{式中、R6は、水素原子、又はメチル基、エチル基、n−プロピル基、及びイソプロピル基からなる群より選ばれる1価の基であり、R7は、水素原子、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜10のアルキル基、アルコキシ基、エステル基、及びウレタン基からなる群より選ばれる少なくとも1つの1価の有機基であり、n7は、1〜5の整数であり、n8は、0〜4の整数であり、ここで、n7+n8=5であり、m4は、1〜4の整数であり、Z4は、m4=1のとき、CH2OR6又はR7であり、m4=2〜4のとき、単結合又は2〜4価の有機基であり、ここで、CH2OR6、及びR7が複数存在する場合、R6及びR7は、互いに同一でも異なっていてもよい。}で表される構造を有する化合物としては、メチロール化合物やアルコキシメチル化合物が挙げられる。
一般式(6)で表される化合物の具体例としては、感度の観点から、下記一般式(27):
Figure 2012027490
及び下記一般式(28):
Figure 2012027490
からなる群より選ばれる化合物がより好ましい。
下記一般式(7):
Figure 2012027490
{式中、R8及びR9は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素原子数1〜10の炭化水素基及びR10CO−(ここで、R10は、炭素原子数1〜10の炭化水素基である。)からなる群から選ばれる基であり。}で表される構造を有する化合物としては、N−メチロール化合物やN−アルコキシメチル化合物が挙げられる。
一般式(7)で表される化合物は、具体的には、感度の観点から、下記一般式(29):
Figure 2012027490
からなる群より選ばれる化合物がより好ましい。
下記一般式(8):
Figure 2012027490
{式中、D1は、炭素原子数1〜6のアルキル基、アルケニル基、及び架橋し得る有機基からなる群より選ばれる官能基であり、M1は、−CH2−、−O−、及び−S−からなる群から選ばれる基であり、Z5は2価の有機基であり、n9は、0〜4の整数であり、D1が複数ある場合、複数のD1は同じでも異なっていてもよい。}で表される構造を有する化合物としては、ビスアリルナジイミド化合物やビスノルボルネンイミド化合物などが挙げられる。
一般式(8)で表される化合物は、具体的には、感度の観点から、下記一般式(30):
Figure 2012027490
からなる群より選ばれる化合物がより好ましい。
上記熱により架橋反応を起こす化合物(D)は単独で使用しても2つ以上混合して使用してもよい。
上記熱により架橋反応を起こす化合物(D)を配合する場合の配合量は、ヒドロキシポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、1〜50質量部が好ましく、2〜30質量部がより好ましく、4〜20質量部がさらに好ましい。該化合物の配合量が1質量部以上だと硬化時によるキュア形状が良くなり、50質量部以下だと硬化後の膜の引っ張り伸び率と良好であり、良好な密着性とリソグラフィー性能を示す。
熱により酸を発生する化合物(E)
本発明に係る感光性樹脂組成物には、キュアした後に基板とのより良好な密着性を発現させるという観点から、熱により酸を発生する化合物(E)を更に配合することが好ましい。
熱により酸を発生する化合物(E)は、上記熱により架橋反応を起こす化合物(D)の反応を促進させる化合物であり、酸が発生する温度としては、150〜350℃が好ましい。
具体的な化合物としては、酢酸エチル,酢酸メチル,酢酸t−ブチル、アセト酢酸t−ブチル、アクリル酸t−ブチル、クロロ酢酸アリル、クロロ酢酸n−ブチル、クロロ酢酸t−ブチル、クロロ酢酸エチル、クロロ酢酸メチル、クロロ酢酸ベンジル、クロロ酢酸イソプロピル、クロロ酢酸2−メトキシエチル、ジクロロ酢酸メチル、トリクロロ酢酸メチル、トリクロロ酢酸エチル、トリクロロ酢酸2−エトキシエチル、シアノ酢酸t−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、トリフルオロ酢酸エチル、トリフルオロ酢酸メチル、トリフルオロ酢酸フェニル、トリフルオロ酢酸ビニル、トリフルオロ酢酸イソプロピル、トリフルオロ酢酸アリル、安息香酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸t−ブチル、2−クロロ安息香酸メチル、2−クロロ安息香酸エチル、4−クロロ安息香酸エチル、2,5−ジクロロ安息香酸エチル、2,4−ジクロロ安息香酸メチル、p−フルオロ安息香酸エチル、p−フルオロ安息香酸メチル、ペンタクロロフェニルカルボン酸t−ブチル、ペンタフルオロプロピオン酸メチル、ペンタフルオロプロピオン酸エチル、クロトン酸t−ブチルなどのカルボン酸エステル類、フェノールフタレイン、チモールフタレインなどの環状カルボン酸エステル類、メタンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸2−メトキシエチル、メタンスルホン酸2−イソプロポキシエチル、p−トルエンスルホン酸フェニル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸2−フェニルエチル、p−トルエンスルホン酸n−プロピル、p−トルエンスルホン酸n−ブチル、p−トルエンスルホン酸t−ブチル、p−トルエンスルホン酸n−ヘキシル、p−トルエンスルホン酸n−ヘプチル、p−トルエンスルホン酸n−オクチル、p−トルエンスルホン酸2−メトキシエチル、p−トルエンスルホン酸プロパルギル、p−トルエンスルホン酸3−ブチニル、トリフルオロメタンスルホン酸エチル、トリフルオロメタンスルホン酸n−ブチル、パーフルオロブタンスルホン酸エチル、パーフルオロブタンスルホン酸メチル、パーフルオロオクタンスルホン酸エチル等のスルホン酸エステル類、1,4−ブタンスルトン、2,4−ブタンスルトン、1,3−プロパンスルトン、フェノールレッド、ブロモクレゾールグリーン、ブロモクレゾールパープルなどの環状スルホン酸エステル類、2−スルホ安息香酸無水物、p−トルエンスルホン酸無水物、フタル酸無水物などが挙げられる。
これらの酸誘導体化合物のうち好ましいものとしては、メタンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸2−メトキシエチル、メタンスルホン酸2−イソプロポキシエチル、p−トルエンスルホン酸フェニル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸2−メトキシエチル、トリフルオロメタンスルホン酸エチル、トリフルオロメタンスルホン酸n−ブチル、パーフルオロブタンスルホン酸エチル、パーフルオロブタンスルホン酸メチル、パーフルオロオクタンスルホン酸エチル、1,4−ブタンスルトン、2,4−ブタンスルトンなどのスルホン酸エステル類、2−スルホ安息香酸無水物、p−トルエンスルホン酸無水物が挙げられる。
更に基板との密着性の観点から、より好ましい化合物としては、メタンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸2−メトキシエチル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸2−メトキシエチル、トリフルオロメタンスルホン酸エチル、トリフルオロメタンスルホン酸n−ブチル、1,4−ブタンスルトン、2,4−ブタンスルトン、2−スルホ安息香酸無水物、p−トルエンスルホン酸無水物などが挙げられる。また、これらの化合物は単独で使用しても2つ以上混合して使用してもよい。
上記熱により酸を発生する化合物(E)を配合する場合の配合量は、ヒドロキシポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましく、1〜5質量部であることがさらに好ましい。添加量が0.1質量部以上だと熱硬化後のパターンを保持する効果があり、一方、添加量が30質量部以下であればリソ性能に悪影響がなく、かつ組成物の安定性が良好である。
有機溶媒(F)
本発明においては、前記した各種成分を有機溶媒(F)に溶解してワニス状にし、感光性樹脂組成物の溶液として使用することが好ましい。このような有機溶媒(F)としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン(以下、「GBL」ともいう。)、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン、N,N−ジメチルアセトアミド(以下、「DMAc」ともいう。)、ジメチルイミダゾリノン、テトラメチルウレア、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル(以下、「DMDG」ともいう。)、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等を単独または混合して使用できる。
これらの溶媒のうち、非アミド系溶媒がフォトレジストなどへの影響が少ない点から好ましい。具体的なより好ましい例としてはγ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラヒドロフルフリルアルコールなどを挙げることができる。これらの有機溶剤は単独で使用しても2つ以上混合して使用してもよい。
有機溶媒(F)を配合する場合の配合量は、ヒドロキシポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、好ましくは100〜2,000質量部であり、有機溶媒の添加量を変化させることで、粘度をコントロールでき、より好ましくは100〜1,000質量部である。有機溶媒の添加量を調整することにより、塗布装置、及び塗布厚みに適した粘度となり、硬化レリーフパターンの製造を容易にすることができる。
その他の添加剤(G)
本発明に係る感光性樹脂組成物には、必要に応じて、アルコール、染料、香料、塗布膜の面内均一性を向上させるための界面活性剤、またシリコン基板や銅基板との接着性を高めるための接着助剤、保存時の組成物溶液の粘度や光感度の安定性を向上させるために重合禁止剤等を添加することも可能である。
上記添加剤について更に具体的に述べると、アルコールは、炭素原子数が4〜14であることが好ましく、具体的には、シクロプロピルカルビノール、2−シクロヘキセン−1−オール、シクロヘキサンメタノール、4−メチル−1−シクロヘキサンメタノール、3,4−ジメチルシクロヘキサノール、4−エチルシクロヘキサノール、4−t−ブチロシクロヘキサノール、シクロヘキサンエタノール、3−シクロヘキシル−1−プロパノール、1−シクロヘキシル−1−ペンタノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ノルボルナン−2−メタノール、シクロオクタノール、2,3,4−トリメチル−3−ペンタノール、2,4−ヘキサジエン−1−オール、cis−2−ヘキセン−1−オール、trans−2−ヘプテン−1−オール、cis−4−ヘプテン−1−オール、cis−3−オクテン−1−オール、4−エチル−1−オクチン−3−オール、2,7−オクタジエノール、3,6−ジメチル−1−ヘプチン−3−オール、3−エチル−2−メチル−3−ペンタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2,3−ジメチル−2−ヘキサノール、2,5−ジメチル−2−ヘキサノール、trans,cis−2,6−ノナジエン−1−オール、1−ノネン−3−オール、cis−2−ブテン−1,4−ジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサジエン−3,4−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、trans−p−メンタン−3,8−ジオール、2,4−ジメトキシベンジルアルコール、ブチロイン等が挙げられる。
これらの中でも、2,3,4−トリメチル−3−ペンタノール、2,4−ヘキサジエン−1−オール、cis−2−ヘキセン−1−オール、trans−2−ヘプテン−1−オール、cis−4−ヘプテン−1−オール、cis−3−オクテン−1−オール、trans,cis−2,6−ノナジエン−1−オール、cis−2−ブテン−1,4−ジオール、1,5−ヘキサジエン−3,4−ジオール等の不飽和結合や枝分かれ構造を有するヒドロキシル基含有化合物が好ましく、基板との密着性の観点から、ジオールよりモノアルコールが好ましく、その中でも2,3,4−トリメチル−3−ペンタノール、3−エチル−2−メチル−3−ペンタノール、グリセロール−α,α’−ジアリルエーテルが特に好ましい。
これらのヒドロキシル基含有化合物は単独で使用しても2つ以上混合して使用してもよい。
上記のアルコールを配合する場合の配合量は、ヒドロキシポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、0.01〜70質量部が好ましく、0.1〜50質量部がより好ましく、1〜40質量部がさらに好ましく、5〜25が特に好ましい。ヒドロキシル基含有化合物の配合量が0.01質量部以上だと露光部の現像残渣が少なくなり、70質量部以下だと硬化後の膜の引っ張り伸び率が良好である。
染料としては、例えば、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン等が挙げられる。染料を配合する場合の配合量は、ヒドロキシポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましい。添加量が10質量部以下であれば、熱硬化後の膜の耐熱性が良好である。
香料としては、テルペン類化合物が挙げられ、溶剤への溶解性の観点からモノテルペン化合物、セスキテルペン化合物が好ましい。
具体的には、リナロール、イソフィトール、ジヒドロリナロール、酢酸リナリール、リナロールオキシド、ゲラニルリナロール、ラバンジュロール、テトラヒドロラバンジュロール、酢酸ラバンジュロール、ネロール、酢酸ネロール、ゲラニオール、シトラール、酢酸ゲラニル、ゲラニルアセトン、ゲラニウム酸、シトラルジメチルアセタル、シトロネロール、シトロネラール、ヒドロキシシトロネラール、ジメチルオクタナール、シトロネリル酸、酢酸シトロネリル、タゲトン、アルテミシアケトン、プレゴール、イソプレゴール、メントール、酢酸メントール、イソメントール、ネオメントール、メンタノール、メンタントリオール、メンタンテトラオール、カルボメントール、メントキシ酢酸、ペリリルアルコール、ペリラアルデヒド、カルベオール、ピペリトール、テルペン−4−オール、テルピネオール、テルピネノール、ジヒドロテルピネオール、ソブレオール、チモール、ボルネオール、酢酸ボルニル、イソボルネオール、酢酸イソボルニル、シネオール、ピノール、ピノカルベオール、ミルテノール、ミルテナール、ベルベノール、ピノカンフェオール、カンファースルホン酸、ネロリドール、テルピネン、イオノン、ピネン、カンフェン、カンホレンアルデヒド、カンホロン酸、イソカンホロン酸、ショウノウ酸、アビチエン酸、グリシルレチン酸等が挙げられる。これらのテルペン化合物は単独で使用しても2つ以上混合して使用してもよい。
香料を配合する場合の配合量は、ヒドロキシポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、0.1〜70質量部が好ましく、1〜50質量部がより好ましい。添加量が70質量部以下であれば、熱硬化後の膜の耐熱性が良好である。
界面活性剤としては、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリグリコール類、それらの誘導体からなる非イオン系界面活性剤があげられる。また、フロラード(住友3M社製:商品名)、メガファック(大日本インキ化学工業社製:商品名)、ルミフロン(旭硝子社製:商品名)等のフッ素系界面活性剤が挙げられる。さらに、KP341(信越化学工業社製:商品名)、DBE(チッソ社製:商品名)、グラノール(共栄社化学社製:商品名)等の有機シロキサン界面活性剤が挙げられる。該界面活性剤の添加により、塗布時のウエハーエッジでの塗膜のハジキをより発生し難くすることができる。
界面活性剤を配合する場合の配合量は、ヒドロキシポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、0〜10質量部が好ましく、0.01〜1質量部がより好ましい。添加量が10質量部以内であれば、熱硬化後の膜の耐熱性が良好である。
シリコン基板や銅基板との密着性を向上させる接着助剤としては、アルキルイミダゾリン、ポリヒドロキシスチレン、ポリビニルメチルエーテル、t−ブチルノボラック、エポキシポリマー、有機ケイ素化合物、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール等の複素環構造化合物が挙げられる。
有機ケイ素化合物とは、1官能以上のアルコキシル基、及びシラノール基を含有した化合物であり、シリコンウエハーとの接着性を高めるための接着助剤となる。該有機ケイ素化合物の炭素原子数は、溶剤への溶解性の観点から、4〜30であることが好ましく、4〜18であることがより好ましい。
具体的な化合物としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製:商品名 KBM803、チッソ株式会社製:商品名 サイラエースS810)、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(アズマックス株式会社製:商品名 SIM6475.0)、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学工業株式会社製:商品名 LS1375、アズマックス株式会社製:商品名 SIM6474.0)、メルカプトメチルトリメトキシシラン(アズマックス株式会社製:商品名 SIM6473.5C)、メルカプトメチルメチルジメトキシシラン(アズマックス株式会社製:商品名 SIM6473.0)、3−メルカプトプロピルジエトキシメトキシシラン、3−メルカプトプロピルエトキシジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルジエトキシプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルエトキシジプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルメトキシジプロポキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルジエトキシメトキシシラン、2−メルカプトエチルエトキシジメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリプロポキシシラン、2−メルカプトエチルトリプロポキシシラン、2−メルカプトエチルエトキシジプロポキシシラン、2−メルカプトエチルジメトキシプロポキシシラン、2−メルカプトエチルメトキシジプロポキシシラン、4−メルカプトブチルトリメトキシシラン、4−メルカプトブチルトリエトキシシラン、4−メルカプトブチルトリプロポキシシラン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)ウレア(信越化学工業株式会社製:商品名 LS3610、アズマックス株式会社製:商品名 SIU9055.0)、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)ウレア(アズマックス株式会社製:商品名 SIU9058.0)、N−(3−ジエトキシメトキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−エトキシジメトキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−トリプロポキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−ジエトキシプロポキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−エトキシジプロポキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−ジメトキシプロポキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−メトキシジプロポキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−トリメトキシシリルエチル)ウレア、N−(3−エトキシジメトキシシリルエチル)ウレア、N−(3−トリプロポキシシリルエチル)ウレア、N−(3−トリプロポキシシリルエチル)ウレア、N−(3−エトキシジプロポキシシリルエチル)ウレア、N−(3−ジメトキシプロポキシシリルエチル)ウレア、N−(3−メトキシジプロポキシシリルエチル)ウレア、N−(3−トリメトキシシリルブチル)ウレア、N−(3−トリエトキシシリルブチル)ウレア、N−(3−トリプロポキシシリルブチル)ウレア、3−(m−アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン(アズマックス株式会社製:商品名 SLA0598.0)、m−アミノフェニルトリメトキシシラン(アズマックス株式会社製:商品名 SLA0599.0)、p−アミノフェニルトリメトキシシラン(アズマックス株式会社製:商品名 SLA0599.1)アミノフェニルトリメトキシシラン(アズマックス株式会社製:商品名 SLA0599.2)、2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン(アズマックス株式会社製:商品名 SIT8396.0)、2−(トリエトキシシリルエチル)ピリジン、2−(ジメトキシシリルメチルエチル)ピリジン、2−(ジエトキシシリルメチルエチル)ピリジン、(3−トリエトキシシリルプロピル)−t−ブチルカルバメート、(3−グリシドキシプロピル)トリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−i−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン、テトラキス(メトキシエトキシシラン)、テトラキス(メトキシ−n−プロポキシシラン)、テトラキス(エトキシエトキシシラン)、テトラキス(メトキシエトキシエトキシシラン)、ビス(トリメトキシシリル)エタン、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)エチレン、ビス(トリエトキシシリル)オクタン、ビス(トリエトキシシリル)オクタジエン、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィド、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド、ジ−t−ブトキシジアセトキシシラン、ジ−i−ブトキシアルミノキシトリエトキシシラン、ビス(ペンタジオネート)チタン−O,O’−ビス(オキシエチル)−アミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルシラントリオール、メチルフェニルシランジオール、エチルフェニルシランジオール、n−プロピルフェニルシランジオール、イソプロピルフェニルシランジオール、n−ブチルジフェニルシランジオール、イソブチルフェニルシランジオール、tert−ブチルフェニルシランジオール、ジフェニルシランジオール、ジメトキシジフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジメトキシジ-p-トリルシラン、エチルメチルフェニルシラノール、n−プロピルメチルフェニルシラノール、イソプロピルメチルフェニルシラノール、n−ブチルメチルフェニルシラノール、イソブチルメチルフェニルシラノール、tert−ブチルメチルフェニルシラノール、エチルn−プロピルフェニルシラノール、エチルイソプロピルフェニルシラノール、n−ブチルエチルフェニルシラノール、イソブチルエチルフェニルシラノール、tert−ブチルエチルフェニルシラノール、メチルジフェニルシラノール、エチルジフェニルシラノール、n−プロピルジフェニルシラノール、イソプロピルジフェニルシラノール、n−ブチルジフェニルシラノール、イソブチルジフェニルシラノール、tert−ブチルジフェニルシラノール、トリフェニルシラノール等が挙げられるが、これらに限定されない。これらは単独でも複数組み合わせて用いてもよい。
有機ケイ素化合物としては、前記した有機ケイ素化合物の中でも、保存安定性の観点から、下記一般式(31):
Figure 2012027490
{式中、Z6は、炭素原子数1〜14の置換されていてもよい芳香族環又は複素環構造をであり、R30は、炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、R31は、水素原子又は炭素原子数1〜5の炭化水素基であり、n18は、1〜3の整数であり、n19は、0〜2の整数であり、n20は、1〜3の整数であり、ここで、n22+n23+n24=4である。}、又は下記一般式(32):
Figure 2012027490
で表される有機ケイ素化合物であることが好ましい。
上記一般式(31)で表される有機ケイ素化合物は、耐熱性の観点から、下記一般式(33):
Figure 2012027490
{式中、R32及びR33は、水素原子又は炭素原子数1〜5の炭化水素基であり、そして、m17=5であり、n21及びn22は、1〜3の整数であり、ここで、n21+n22=4である。}で表される化合物であることがより好ましい。
これら化合物の具体例としては、フェニルシラントリオール、トリメトキシフェニルシラン、トリメトキシ(p-トリル)シラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジメトキシジ-p-トリルシラン、トリフェニルシラノール等が挙げられる。
有機ケイ素化合物は、単独で使用しても2つ以上混合して使用してもよい。有機ケイ素化合物を配合する場合の配合量は、ヒドロキシポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、1〜40質量部であり、2〜30質量部が好ましく、4〜20質量部がより好ましい。該化合物の配合量が1質量部以上であれば露光部の現像残渣がなく、シリコン基板との密着性が良好であり、一方、40質量部以下であれば硬化後の膜の引っ張り伸び率と良好であり、良好な密着性とリソグラフィー性能を示す。
複素環構造化合物の具体的な化合物としては、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、1,3−ジメチル−5−ピラゾロン、3,5−ジメチルピラゾール、5,5−ジメチルヒダントイン、3−メチル−5−ピラゾロン、3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン、2−メチルイミダゾール、1,10−フェナントロリン、フェノチアジン、フェノキサジン、フェノキサチン、メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトベンズオキサゾール、メチルチオベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、メチルチオベンズイミダゾール、ベンズイミダゾール、フェニルメルカプトチアゾリン、メルカプトフェニルテトラゾール、及びメルカプトメチルテトラゾール等が挙げられる。また、ベンゾトリアゾール類の例としては、下記一般式(34):
Figure 2012027490
{式中、Z7は、水素原子、又は炭素原子数1〜5の炭化水素基、及びカルボキシル基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基であり、Z8は、水素原子、又はヒドロキシル基、炭素原子数1〜5の炭化水素基、及びアミノアルキル基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基である。}が挙げられる。
該複素環含有化合物の中でも、銅基板上における感度の観点から、5−メルカプト−1−フェニルテトラゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンズイミダゾール、及び2−メルカプトベンゾオキサゾールからなる群から選ばれる化合物がより好ましい。
これらの複素環含有化合物は単独で使用しても2つ以上混合して使用してもよい。
複素環含有化合物を配合する場合の配合量は、ヒドロキシポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。複素環含有化合物の配合量が0.1質量部以上だと熱硬化後の膜の銅基板に対する接着性が良好になり、30質量部以下だと組成物の安定性が良好である。
重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、N−ニトロソジフェニルアミン、p−tert−ブチルカテコール、フェノチアジン、N−フェニルナフチルアミン、エチレンジアミン四酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、2,6−ジ−tert−ブチル−p−メチルフェノール、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン、1−ニトロソ−2−ナフトール、2−ニトロソ−1−ナフトール、2−ニトロソ−5−(N−エチル−N−スルフォプロピルアミノ)フェノール、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシアミンアンモニウム塩、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソ−N−(1−ナフチル)ヒドロキシルアミンアンモニウム塩、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジtert−ブチル)フェニルメタン等を用いることができる。
重合禁止剤を配合する場合の配合量は、ヒドロキシポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、0.01〜5質量部であることが好ましく、0.05〜1質量部であることがより好ましい。添加量が5質量部以内であれば、熱硬化後の膜の耐熱性が良好である。
主鎖に(チオ)エステル構造を有するポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリイミド前駆体、及びフェノール基含有ポリイミドからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルカリ可溶性重合体とナフトキノンジアジド化合物とを含む感光性樹脂組成物であって、
(i)下記工程(a)、(b)、及び(c):
(a)前記アルカリ可溶性重合体を樹脂固形分35質量%の濃度でγ-ブチロラクトンに溶解させて、アルカリ可溶性重合体の溶液を作製する;
(b)前記(a)で作製したアルカリ可溶性重合体の溶液を6インチシリコンウェハー上に塗布し、125℃180秒間のプリベークを行い、接触式膜厚測定器を使用して測定する時の膜厚が10μm±0.2μmである膜を形成し;及び
(c)非接触式膜厚測定器を用いて、プリベーク後の膜を任意の屈折率nf1で測定して得られた膜厚をTf1とし、前記(b)における接触式膜厚測定器で測定して得られた膜厚をTr1とする時に求められる、真の屈折率nr1を以下の式:
r1=nf1×Tf1/Tr1
により求める;
を順に行って得られた前記アルカリ可溶性重合体の屈折率(nr1)は1.570〜1.650の範囲にあり、
(ii)下記(a’)、(b’)、及び(c’):
(a’)前記アルカリ可溶性重合体100質量部を樹脂固形分35質量%の濃度でγ-ブチロラクトンに溶解させ、さらに前記ナフトキノンジアジド化合物15質量部を溶解させて、感光性樹脂組成物の溶液を作製する;
(b’)前記(a’)で作製した感光性樹脂組成物の溶液を6インチシリコンウェハー上に塗布し、125℃180秒間のプリベークを行い、接触式膜厚測定器を使用して測定する時の膜厚が10μm±0.2μmである膜を形成し;及び
(c’)非接触式膜厚測定器を用いて、プリベーク後の膜を任意の屈折率nf2で測定して得られた膜厚をTf2とし、前記(b’)における接触式膜厚測定器で測定して得られた膜厚をTr2とする時に求められる、真の屈折率nr2を以下の式:
r2=nf2×Tf2/Tr2
により求める;
を順に行って得られた前記感光性樹脂組成物の屈折率(nr2)と、前記アルカリ可溶性重合体の屈折率(nr1)とが、以下の条件:
{1−アルカリ可溶性重合体の屈折率(nr1)/感光性樹脂組成物の屈折率(nr2)}×100=1.0〜3.0(%)
を満たす前記感光性樹脂組成物も本発明の範囲内にある。
前記屈折率に関する条件を満たすことによって、現像残膜率が高くかつ高感度であり、また高い伸度及び高い保存安定性を有する感光性樹脂組成物となる。
その機構は定かではないが、発明者は以下のように推測している。主鎖に(チオ)エステル構造を有するアルカリ可溶性重合体を用いることで、(チオ)エステル基含有構造の疎水性が発揮されてアルカリ現像液自体が組成物へ浸透し難くなる環境となる。エステル構造であることがより好ましい。そして、アルカリ可溶性重合体の屈折率(nr)が1.570−1.650であることは、アルカリ可溶性重合体同士の分子間距離としてナフトキノンジアジド化合物が層間挿入されやすい距離であることを示していると推察しており、より好ましい範囲としては1.570−1.630である(数値が低いほど、分子間距離が広い)。
感光性樹脂組成物の屈折率は、感光性樹脂組成物中のナフトキノンジアジド化合物の存在割合に左右されるが、ある程度以上で飽和状態となる。感光性樹脂組成物の屈折率の測定条件を、アルカリ可溶性重合体100質量部に対してナフトキノンジアジド化合物15質量部とすることで、飽和状態の屈折率を測定することができる。感光性樹脂組成物の屈折率(nr2)がアルカリ可溶性重合体の屈折率(nr1)より高いということは、アルカリ可溶性重合体の分子間の自由体積にナフトキノンジアジド化合物が適度に層間挿入されていることを示していると推察している。{1−アルカリ可溶性重合体の屈折率(nr1)/感光性樹脂組成物の屈折率(nr2)}×100=1.0〜3.0(%)を満たすことにより、上記層間挿入のメカニズムが有効に作用し、上記効果を奏する感光性樹脂組成物となる。この範囲は、1.5%〜3.0%がより好ましい。
アルカリ可溶性重合体又は感光性樹脂組成物の屈折率を測定するに際しては、γ-ブチロラクトンを用いて溶解させるが、γ-ブチロラクトンに溶解しない場合は、アルカリ可溶性重合体が溶解する任意の溶媒を用いて、希釈してもよい。
接触式膜厚測定装置としては、例えば、KLA TENCOR社製P−15が挙げられ、非接触式膜厚測定装置としては、大日本スクリーン製造社製ラムダエースが挙げられる。
<硬化レリーフパターン、及び半導体装置の製造方法>
以下、本発明の硬化レリーフパターンの製造方法について説明する。
本発明に係る感光性樹脂組成物を用いて、以下の方法により、硬化レリーフパターンを製造することができる。
以下の工程:
(1)前記した感光性樹脂組成物又感光性樹脂組成物の溶液を塗布して得られた感光性樹脂層を基板上に形成する工程、
(2)露光する工程、
(3)現像する工程、
(4)得られたレリーフパターンを加熱処理する工程、
を含む、硬化レリーフパターンの製造方法。
(1)感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を基板上に形成する工程(第一の工程)
感光性樹脂組成物又はその溶液を、例えばシリコンウエハー、セラミック基板、アルミ基板等の基板に、スピナーを用いた回転塗布、又はダイコーター、ロールコーター等のコータ−により塗布する。これをオーブンやホットプレートを用いて50〜140℃、好ましくは100〜140℃の熱をかけて乾燥して有機溶媒を除去する(以下、「ソフトベーク」又は「プリベーク」ともいう。)。
(2)マスクを介して化学線で露光するか又は光線、電子線若しくはイオン線を直接照射して露光する工程(第二の工程)
次いで、感光性樹脂層を、マスクを介して、コンタクトアライナーやステッパーを用いて化学線による露光を行うか又は光線、電子線若しくはイオン線を直接照射して露光する。活性光線としては、g線、h線、i線、KrFレーザーを用いることができる。
(3)ポジ型感光性組成物の場合は該露光部を現像液で溶出又は除去して現像する工程(第三の工程)
次に、ポジ型感光性組成物の場合は該露光部を、ネガ型感光性組成物の場合は該未露光部を現像液で溶解除去し、引き続きリンス液によるリンスを行うことで所望のレリーフパターンを得る。現像方法としてはスプレー、パドル、ディップ、超音波等の方式が可能である。リンス液として蒸留水、脱イオン水等が使用できる。
感光性樹脂組成物により形成された膜を現像するために用いられる現像液は、ヒドロキシポリアミド樹脂(A)を溶解除去するものであり、アルカリ化合物を溶解したアルカリ性水溶液であることが必要である。現像液中に溶解されるアルカリ化合物は、無機アルカリ化合物又は有機アルカリ化合物のいずれであってもよい。
無機アルカリ化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、アンモニア等が挙げられる。
また、有機アルカリ化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、エタノールアミン、及びトリエタノールアミン等が挙げられる。
さらに、必要に応じて、上記アルカリ性水溶液に、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール等の水溶性有機溶媒、界面活性剤、保存安定剤、樹脂の溶解抑止剤等を適量添加することができる。
(4)得られたレリーフパターンを加熱処理する工程(第四の工程)
最後に、得られたレリーフパターンをキュアして、ポリベンズオキサゾール構造を有する樹脂からなる耐熱性硬化レリーフパターンを形成する。加熱装置としては、オーブン炉、ホットプレート、縦型炉、ベルトコンベアー炉、圧力オーブン等を使用することができ、加熱方法としては、熱風、赤外線、電磁誘導による加熱等が推奨される。温度は200〜450℃が好ましく、250〜400℃がより好ましい。加熱時間は15分〜8時間が好ましく、1時間〜4時間がより好ましい。雰囲気としては、窒素、アルゴン等不活性ガス中が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物を用いて作製した半導体装置は、公知の半導体装置の製造方法と組み合わせることで、表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、バンプ構造を有する装置の保護膜として、感光性樹脂組成物からなる硬化レリーフパターンを有するものとして、製造することができる。
半導体装置用途の例としては、半導体素子の上部に設けられた硬化膜を備えるものであって、その硬化膜が上述の感光性樹脂組成物の硬化膜からなる硬化レリーフパターンであるものが挙げられる。該硬化膜としては、半導体素子上のパッシベーション膜、パッシベーション膜上に上述の感光性樹脂組成物の硬化膜を形成してなるバッファーコート膜等の保護膜、半導体素子上に形成された回路上に上述のポジ型感光性樹脂組成物の硬化膜を形成してなる層間絶縁膜等の絶縁膜、α線遮断膜、平坦化膜、突起(樹脂ポスト)、隔壁等を挙げることができる。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、多層回路の層間絶縁、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、表示体装置の液晶配向膜等の用途、発光素子の用途にも有用である。
表示体装置用途の例としては、表示体素子と、該表示体素子の上部に設けられた硬化膜とを備えるものであって、その硬化膜が上述の感光性樹脂組成物の硬化膜からなる硬化レリーフパターンであるものが挙げられる。表示体素子上に上述の感光性樹脂組成物の硬化膜を形成してなる保護膜、TFT素子やカラーフィルター用等の絶縁膜または平坦化膜、MVA型液晶表示装置用等の突起、有機EL素子陰極用等の隔壁等を挙げることができる。その使用方法は、半導体装置用途に準じ、表示体素子やカラーフィルターを形成した基板上にパターン化された感光性樹脂組成物層を、上記の方法で形成することによるものである。表示体装置用途の、特に絶縁膜や平坦化膜用途では、高い透明性が要求されるが、この感光性樹脂組成物層の硬化前に、後露光工程を導入することにより、透明性に優れた樹脂層が得られることもでき、実用上更に好ましい。
以下、本発明を参考例、実施例、及び比較例に基づいて説明する。
[参考例1:ビス(カルボキシ)トリシクロ[5,2,1,02,6]デカンの製造]
テフロン(登録商標)製の碇型攪拌器を取り付けた、ガラス製のセパラブル3つ口フラスコに、トリシクロ[5,2,1,02,6]デカンジメタノール(東京化成工業社製)71.9g(0.366mol)をアセトニトリル1Lに溶解したもの、イオン交換水1.4Lにりん酸水素二ナトリウム256.7g(1.808mol)、りん酸二水素ナトリウム217.1g(1.809mol)を溶解したものを入れた。これに、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(東京化成工業社製以下、「TEMPO」ともいう。)2.8g(0.0179モル)を添加し、攪拌して溶解させた。
80%亜塩素酸ナトリウム143.2g(1.267mol)をイオン交換水850mLで希釈し、これを反応液に滴下した。次いで、5質量%ジ亜塩素酸ナトリウム水溶液3.7mLをイオン交換水7mLで希釈したものを、反応液に滴下した。この反応液を、恒温層により35〜38℃に保ち、20時間攪拌して反応させた。
反応後、反応液を12℃に冷却し、イオン交換水300mLに亜硫酸ナトリウム75gを溶解させた水溶液を反応液に滴下し、過剰の亜塩素酸ナトリウムを失活させた後、500mLの酢酸エチルで洗浄した。その後、10%塩酸115mLを滴下して反応液のpHを3〜4に調整し、デカンテーションにより沈殿物を回収した。この沈殿物をテトラヒドロフラン200mLに溶解した。また、水層を500mLの酢酸エチルで2回抽出した後、食塩水で洗浄し、析出物を同じくテトラヒドロフランの溶液に溶解した。これらのテトラヒドロフラン溶液を混ぜて、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。この溶液をエバポレーターで濃縮、乾燥させることで、ビス(カルボキシ)トリシクロ[5,2,1,02,6]デカン58.4g(収率71.1%)の白い結晶物を得た。
[参考例2:ビス(クロロカルボニル)トリシクロ[5,2,1,02,6]デカンの製造]
参考例1で得たビス(カルボキシ)トリシクロ[5,2,1,02,6]デカン62.5g(278mmol)、塩化チオニル97mL(1.33mol)、ピリジン0.4mL(5.0mmol)を反応容器に仕込み、25〜50℃で18時間攪拌し、反応させた。反応終了後、トルエンを加え、減圧下で、過剰の塩化チオニルをトルエンと共沸させることで濃縮し、オイル状のビス(クロロカルボニル)トリシクロ[5,2,1,02,6]デカンを73.3g(収率100%)得た。
[参考例3:光酸発生剤(B)(Q−1)の合成]
容量1Lのセパラブルフラスコに2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン109.9g(0.3mol)、テトラヒドロフラン(THF)330g、ピリジン47.5g(0.6mol)を入れ、これに室温下で5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物98.5g(0.6mol)を粉体のまま加えた。そのまま室温で3日間撹拌反応を行った後にHPLCで反応を確認したところ、原料は全く検出されず、生成物が単一ピークとして純度99%で検出された。この反応液をそのまま1Lのイオン交換水中に撹拌下で滴下し、析出物を濾別し、その後これにTHF500mlを加え撹拌溶解し、この均一溶液を陽イオン交換樹脂:アンバーリスト15(オルガノ社製)100gが充填されたガラスカラムを通し残存するピリジンを除去した。次いで、この溶液を3Lのイオン交換水中に高速撹拌下で滴下することにより生成物を析出させ、これを濾別した後、真空乾燥した。
生成物がイミド化していることは、IRスペクトルで1394cm-1及び1774cm-1のイミド基の特性吸収が現れ1540cm-1及び1650cm-1付近のアミド基の特性吸収が存在しないこと、かつ、NMRスペクトルでアミド及びカルボン酸のプロトンのピークが存在しないことにより確認した。
次に、該生成物65.9g(0.1mol)、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロライド53.7g(0.2mol)を、アセトン560gに加え、20℃で撹拌溶解した。これに、トリエチルアミン21.2g(0.21mol)をアセトン106.2gで希釈したものを、30分かけて一定速度で滴下した。この際、反応液は氷水浴などを用いて20〜30℃の範囲で温度制御した。
滴下終了後、更に30分間、20℃で撹拌放置した後、36重量%濃度の塩酸水溶液5.6gを一気に投入し、次いで、反応液を氷水浴で冷却し、析出した固形分を吸引濾別した。得られた濾液を、0.5重量%濃度の塩酸水溶液5Lに、撹拌下1時間かけて滴下し、目的物を析出させ、吸引濾別して回収した。得られたケーク状回収物を、再度イオン交換水5Lに分散させ、撹拌、洗浄、濾別回収し、この水洗操作を3回繰り返した。最後に得られたケーク状物を、40℃で24時間真空乾燥し、感光性ジアゾキノン化合物(Q−1)を得た。
[参考例4:光酸発生剤(B)(Q−2)の合成]
容量1Lのセパラブルフラスコに、ポリヒドロキシ化合物として4,4’−(1−(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)フェニル)エチリデン)ビスフェノール(本州化学工業社製、商品名:Tris−PA)化合物30g(0.0707mol)を入れ、これに、該化合物のOH基の83.3モル%に相当する量の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロライド47.49g(0.177mol)をアセトン300gに撹拌溶解したものを添加した後、フラスコを恒温槽にて30℃に調整した。次にアセトン18gにトリエチルアミン17.9gを溶解したものを滴下ロートに仕込んだ後、これを30分かけてフラスコ中へ滴下した。滴下終了後更に30分間撹拌を続け、その後塩酸を滴下し、更に30分間撹拌を行い反応を終了させた。その後濾過し、トリエチルアミン塩酸塩を除去した。得られた濾液を、純水1640gと塩酸30gを混合撹拌した3Lビーカーに撹拌しながら滴下し、析出物を得た。この析出物を水洗、濾過した後、40℃減圧下で48時間乾燥し、光酸発生剤(Q−2)を得た。
[参考例5:有機ケイ素化合物(S−1)の調製]
撹拌機、滴下ロート及び温度計を付した500mL3つ口フラスコに、二炭酸ジ−t−ブチル131.0g(0.6mol)、GBL780gを入れ、室温下で3−アミノプロピルトリエトキシシラン132.8g(0.6mol)をゆっくり室温下で滴下した。滴下するに従い、反応液は約40℃まで発熱した。また、反応の進行に伴い、炭酸ガスの発生が確認された。滴下終了後、室温で2時間攪拌した後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で反応液を確認したところ、原料は全く検出されず、生成物生成物(S−1)が単一ピークとして純度98%で検出された。この様にして、有機ケイ素化合物S−1溶液を得た。得られた反応溶液はGBLに対して、S−1が20重量%となるよう調整した。S−1の構造を以下に示す:
Figure 2012027490
[参考例6:有機ケイ素化合物(S−2)の調製]
撹拌機、滴下ロート及び温度計を付した500mL3つ口フラスコにγ−アミノプロピルトリエトキシシラン132.8g(0.6mol)、GBL780gを加えて攪拌し、フラスコを恒温槽にて30℃に調整した。フェニルイソシアネート71.4g(0.6mol)を滴下ロートに仕込んだ後、これを30分かけてフラスコ中へ滴下し、液温が50℃まで上昇した。有機ケイ素化合物S−2溶液を得た。得られた反応溶液はGBLに対して、S−2が20重量%となるよう調整した。S−2の構造を以下に示す:
Figure 2012027490
[参考例7:ヒドロキシポリアミド樹脂(A)(P−1)の合成]
テフロン(登録商標)製の碇型攪拌器を取り付けた、容量500mLの三口フラスコに4,4−ビフェノール(東京化成工業社製)3.72g(0.02mol)、参考例2で製造したビス(クロロカルボニル)トリシクロ[5,2,1,02,6]デカンを49.5g(0.18mol)及びGBL22.3gを室温(20−25℃前後)で混合攪拌した溶液に、別途GBL94.9g中にピリジン3.16g(0.04mol)を混合させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は20分、反応液温は最大で40℃であった。
滴下後、1時間攪拌した反応溶液を、別途テフロン(登録商標)製の碇型攪拌器を取り付けた容量2Lのセパラブルフラスコ中で、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン(以下、「6FAP」ともいう。)65.9g(0.18mol)、ピリジン19.0g(0.24mol)、GBL395g及びDMAc132gを室温で混合攪拌し溶解させ、その反応容器をメタノールにドライアイスを加えた容器(以下、「アイスバス」ともいう。)に浸して−15℃に冷却した反応溶液に、滴下ロートを用いて滴下した。反応系中は−15〜0℃に保って1時間を要して反応容器に滴下した。滴下終了後、アイスバスを外し、室温状態で1時間攪拌した。さらにピリジン6.33g(0.08mol)を加えた。その後、反応液を室温に戻し、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(東京化成工業社製)19.7g(0.12mol)とピリジン9.49g(0.12mol)を加え、50℃の湯浴に浸して、反応液を24時間攪拌した。
上記反応液にエタノールを加えていき、重合体を析出させた後、回収し、GBL697gに溶解させた。次いで、陽イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーリストA21)62.1g、陰イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーリスト15)59.6gでイオン交換した。この溶液をイオン交換水12Lに高速攪拌下で滴下し、重合体を分散析出させ、回収し、適宜水洗、脱水の後に真空乾燥を施し、ヒドロキシポリアミド樹脂(P−1)の紛体を得た。
このようにして合成されたヒドロキシポリアミド樹脂のGPC(高速液体クロマトグラフィー)による重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で26,600の単一のシャープな曲線であり、単一組成物であることを確認した。GPCの分析条件を以下に記す。
カラム:昭和電工社製 商標名 Shodex 805M/806M直列
容離液:N−メチルピロリドン 40℃
流速 :1.0mL/分
検出器:日本分光社製 商標名 RI−930
図1に、得られたヒドロキシポリアミド樹脂P−1の13C−NMR結果を示す。138ppm及び150ppm付近にビフェニル骨格に由来するカーボンピークが観測され、更に174−176ppm付近にエステル基由来のピークが観測された。
[参考例8:ヒドロキシポリアミド樹脂(A)(P−2)の合成]
テフロン(登録商標)製の碇型攪拌器を取り付けた、容量500mLの三口フラスコに2,2−ビフェノール(東京化成工業社製)11.2g(0.06mol)、参考例2で製造したビス(クロロカルボニル)トリシクロ[5,2,1,02,6]デカンを49.3g(0.18mol)及びGBL66.9gを室温(20〜25℃前後)で混合攪拌した溶液に、別途GBL142.3g中にピリジン9.49g(0.12mol)を混合させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は25分、反応液温は最大で40℃であった。
滴下後、1時間攪拌した反応溶液を、別途テフロン(登録商標)製の碇型攪拌器を取り付けた容量2Lのセパラブルフラスコ中で、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(クラリアントジャパン社製)(以下、「BAP」ともいう。)36.2g(0.14mol)、ピリジン14.8g(0.19mol)、GBL217g及びDMAc72.5gを入れ室温で混合攪拌し溶解させ、その反応容器をアイスバスに浸して−15℃に冷却した溶液に、滴下ロートを用いて滴下した。反応系中は−15〜0℃に保って1時間を要して反応容器に滴下した。滴下終了後、アイスバスを外し、0〜10℃に保って1時間攪拌し、さらにピリジン4.74g(0.06mol)を添加した。その後、反応液を室温に戻し、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(東京化成工業社製)16.4g(0.10mol)とピリジン7.91g(0.10mol)を加え、50℃の湯浴に浸して、反応液を24時間攪拌した。
上記反応液にエタノールを加えていき、重合体を析出させた後、回収し、GBL646gに溶解させた。次いで、陽イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーリストA21)62.1g、陰イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーリスト15)59.6gでイオン交換した。この溶液をイオン交換水12Lに高速攪拌下で滴下し、重合体を分散析出させ、回収し、適宜水洗、脱水の後に真空乾燥し、ヒドロキシポリアミド樹脂(P−2)の紛体を得た。
このようにして合成されたヒドロキシポリアミド樹脂のGPCによる重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で12,700の単一のシャープな曲線であり、単一組成物であることを確認した。GPCの分析条件を以下に記す。
カラム:昭和電工社製 商標名 Shodex 805M/806M直列
容離液:N−メチルピロリドン 40℃
流速 :1.0mL/分
検出器:日本分光社製 商標名 RI−930
図2に、得られたヒドロキシポリアミド樹脂P−2の13C−NMR結果を示す。136ppm及び146ppm付近にビフェニル骨格に由来するカーボンピークが観測され、174−176ppm付近にエステル基由来のピークが観測された。
[参考例9:ヒドロキシポリアミド樹脂(A)(P−3)の合成]
テフロン(登録商標)製の碇型攪拌器を取り付けた容量500mLの三口フラスコに1,4−シクロヘキサンジメタノール(東京化成工業社製)5.77g(0.04mol)、参考例2で製造したビス(クロロカルボニル)トリシクロ[5,2,1,02,6]デカン49.5g(0.18mol)及びGBL44.6gを入れ、室温(20−25℃前後)で混合攪拌した溶液に、別途GBL94.9g中にピリジン6.33g(0.08mol)を混合させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は20分、反応液温は最大で40℃であった。
滴下後、1時間攪拌した反応溶液を、別途テフロン(登録商標)製の碇型攪拌器を取り付けた容量2Lのセパラブルフラスコ中で、6FAP58.6g(0.16mol)、ピリジン16.9g(0.21mol)、GBL350g及びDMAc117gを入れ室温で混合攪拌し溶解させ、その反応容器を、メタノールにドライアイスを加えた容器(以下、「アイスバス」ともいう。)内に浸して−15℃に冷却した反応溶液に、滴下ロートを用いて滴下した。反応系中は−15〜0℃に保って1時間を要して反応容器に滴下した。滴下終了後、アイスバスを外し、室温状態で1時間攪拌し、さらにピリジン6.33g(0.08mol)を添加した。
上記反応液にエタノールを加えていき、重合体を析出させた後、回収し、GBL697gに溶解させた。次いで、陽イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーリストA21)62.1g、陰イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーリスト15)59.6gでイオン交換した。この溶液をイオン交換水12Lに高速攪拌下で滴下し、重合体を分散析出させ、回収し、適宜水洗、脱水の後に真空乾燥し、ヒドロキシポリアミド樹脂(P−3)の紛体を得た。
このようにして合成されたヒドロキシポリアミド樹脂のGPC(高速液体クロマトグラフィー)による重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で27,000の単一のシャープな曲線であり、単一組成物でることを確認した。GPCの分析条件を以下に記す。
カラム:昭和電工社製 商標名 Shodex 805M/806M直列
容離液:N−メチルピロリドン 40℃
流速 :1.0mL/分
検出器:日本分光社製 商標名 RI−930
図3に、得られたヒドロキシポリアミド樹脂P−3の13C−NMRの結果を示す。66ppm及び69ppm付近にエステル基の酸素原子のα位にあるメチレン基に由来するピークが観察され、174−176ppm付近にエステル基由来のピークが観測された。
[参考例10:ヒドロキシポリアミド樹脂(A)(P−4)の合成]
テフロン(登録商標)製の碇型攪拌器を取り付けた容量500mLの三口フラスコ内に以下の構造:
Figure 2012027490
を有するKarenz MT BD1(昭和電工:商品名)11.8g(0.04mol)、参考例2で製造したビス(クロロカルボニル)トリシクロ[5,2,1,02,6]デカンを47.6g(0.18mol)及びGBL35.4gを室温(20−25℃前後)を入れ、混合攪拌した溶液に、別途GBL94.9g中にピリジン6.33g(0.08mol)を混合させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は20分、反応液温は最大で36℃であった。
滴下後、1時間攪拌した反応溶液を、別途テフロン(登録商標)製の碇型攪拌器を取り付けた容量2Lのセパラブルフラスコ中で、6FAP58.6g(0.16mol)、ピリジン16.9g(0.21mol)、GBL350g及びDMAc117gを入れ室温で混合攪拌し溶解させ、その反応容器をアイスバスに浸して−15℃に冷却した反応溶液に、滴下ロートを用いて滴下した。反応系中は−15〜0℃に保って1時間を要して反応容器に滴下した。滴下終了後、アイスバスを外し、0〜10℃に保って1時間攪拌し、さらにピリジン5.27g(0.07mol)を加えた。その後、反応液を室温に戻し、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(東京化成工業社製)19.7g(0.12mol)とピリジン9.49g(0.12mol)を加え、50℃の湯浴に浸して、反応液を24時間攪拌した。
上記反応液にエタノールを加えていき、重合体を析出させた後、回収し、GBL697gに溶解させた。次いで、陽イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーリストA21)62.1g、陰イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーリスト15)59.6gでイオン交換した。この溶液をイオン交換水12Lに高速攪拌下で滴下し、重合体を分散析出させ、回収し、適宜水洗、脱水の後に真空乾燥を施し、ヒドロキシポリアミド樹脂(P−4)の紛体を得た。
このようにして合成されたヒドロキシポリアミド樹脂のGPCによる重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で27,400の単一のシャープな曲線であり、単一組成物であることを確認した。GPCの分析条件を以下に記す。
カラム:昭和電工社製 商標名 Shodex 805M/806M直列
容離液:N−メチルピロリドン 40℃
流速 :1.0mL/分
検出器:日本分光社製 商標名 RI−930
図4に、得られたヒドロキシポリアミド樹脂P−4の13C−NMR結果を示す。170ppm及び付近にエステル基由来のピークが観測され、更に200ppm付近にチオエステル基由来のピークが観測される。
[参考例11:ヒドロキシポリアミド樹脂(A)(P−5)の合成]
テフロン(登録商標)製の碇型攪拌器を取り付けた容量300mLの三口フラスコ内に1,4−シクロヘキサンジメタノール(東京化成工業社製)5.77g(0.04mol)、イソフタル酸クロリド(東京化成工業社製)18.1g(0.09mol)及びGBL72.4gを入れ、室温(20−25℃前後)で混合攪拌した溶液に、別途GBL32.1g中にピリジン6.33g(0.08mol)を混合させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は25分、反応液温は最大で48℃であった。
滴下後、1時間攪拌した反応溶液を、別途GBL124.6g中に4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロライド26.2g(0.09mol)を溶解させたものとともに、別途テフロン(登録商標)製の碇型攪拌器を取り付けた容量2Lのセパラブルフラスコ中で、6FAP58.6g(0.16mol)、ピリジン16.9g(0.21mol)、GBL350g及びDMAc117gを入れ室温で混合攪拌し溶解させ、その反応容器をアイスバスに浸して−15℃に冷却した反応溶液に、滴下ロートを用いて滴下した。反応系中は−15〜0℃に保って1時間を要して反応容器に滴下した。滴下終了後、アイスバスを外し、0〜10℃に保って1時間攪拌し、さらにピリジン5.27g(0.07mol)を添加した。その後、反応液を室温に戻し、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(東京化成工業社製)21.9g(0.13mol)とピリジン10.5g(0.13mol)を加え、50℃の湯浴に浸して、反応液を24時間攪拌した。
上記反応液にエタノールを加えていき、重合体を析出させた後、回収し、GBL626gに溶解させた。次いで、陽イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーリストA21)62.1g、陰イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーリスト15)59.6gでイオン交換した。この溶液をイオン交換水12Lに高速攪拌下で滴下し、重合体を分散析出させ、回収し、適宜水洗、脱水の後に真空乾燥を施し、ヒドロキシポリアミド樹脂(P−5)の紛体を得た。
このようにして合成されたヒドロキシポリアミド樹脂による重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で13,200の単一のシャープな曲線であり、単一組成物であることを確認した。GPCの分析条件を以下に記す。
カラム:昭和電工社製 商標名 Shodex 805M/806M直列
容離液:N−メチルピロリドン 40℃
流速 :1.0mL/分
検出器:日本分光社製 商標名 RI−930
図5に、得られたヒドロキシポリアミド樹脂P−5の13C−NMR結果を示す。65−70ppm付近にエステル基の酸素原子のα位にあるメチレン基に由来するピークが観察され、165ppm付近にエステル基由来のピークが観測される。
[参考例12:ヒドロキシポリアミド樹脂(A)(P−6)の合成]
テフロン(登録商標)製の碇型攪拌器を取り付けた容量2Lのセパラブルフラスコ中に、6FAP73.2g(0.20mol)、ピリジン21.1g(0.27mol)、GBL439g、及びDMAc146gを入れ、室温(25℃)で混合攪拌し溶解させた。これに、別途GBL88g中に5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(東京化成工業社製)6.6g(0.04mol)を溶解させたものを滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は25分、反応液温は最大で28℃であった。
滴下終了後、湯浴により反応液を50℃に加温し18時間撹拌した後、反応液のIRスペクトルの測定を行い1385cm-1及び1772cm-1のイミド基の特性吸収が現れたことを確認した。
次いで、これを水浴により8℃に冷却し、これに、別途GBL212g中に4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロライド53.1g(0.18mol)を溶解させたものを滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は60分、反応液温は最大で12℃であった。
上記反応液にエタノールを加えていき、重合体を析出させた後これを回収し、GBL671gに溶解させた。次いで、陽イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーリストA21)62.1g、陰イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーリスト15)59.6gでイオン交換した。この溶液を12Lの水に高速攪拌下で滴下し重合体を分散析出させ、これを回収し、適宜水洗及び脱水の後に真空乾燥し、ヒドロキシポリアミド樹脂(P−6)としてPBO前駆体を得た。このようにして合成されたヒドロキシポリアミド樹脂のGPCによる重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で14,000の単一のシャープな曲線であり、単一組成物が得られたことを確認した。GPCの分析条件を以下に記す。
カラム:昭和電工社製 商標名 Shodex 805M/806M直列
容離液:N−メチルピロリドン 40℃
流速 :1.0mL/分
検出器:日本分光社製 商標名 RI−930
[参考例13:ヒドロキシポリアミド樹脂(A)(P−7)の合成]
テフロン(登録商標)製の碇型攪拌器を取り付けた容量2Lのセパラブルフラスコ中に、6FAP73.3g(0.20mol)、ピリジン21.1g(0.27mol)、GBL440g、及びDMAc147g入れ、溶解させた。6FAPが溶解した後、反応容器を、メタノールにドライアイスを加えた容器に浸して冷却した。参考例2で製造したビス(クロロカルボニル)トリシクロ[5,2,1,02,6]デカン47.5g(0.18mol)をGBL142gに溶解させ、−10〜−19℃に保って30分を要して反応容器に滴下した。滴下終了後、反応容器を氷浴に浸し、0〜10℃に保って2時間攪拌し、さらにピリジン9.49g(0.12mol)を反応容器に添加した。
上記反応液にエタノールを加えていき、重合体を析出させた後これを回収し、GBL696gに溶解させた。次いで、陽イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーリストA21)62.1g、陰イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーリスト15)59.6gでイオン交換した。この溶液をイオン交換水12Lに高速攪拌下で滴下し、重合体を分散析出させて回収し、適宜水洗及び脱水の後に真空乾燥し、ヒドロキシポリアミド樹脂(P−7)としてPBO前駆体を得た。このようにして合成されたヒドロキシポリアミド樹脂のGPCによる重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で36,800の単一のシャープな曲線であり、単一組成物が得られたことを確認した。GPCの分析条件を以下に記す。
カラム:昭和電工社製 商標名 Shodex 805M/806M直列
容離液:N−メチルピロリドン 40℃
流速 :1.0ml/分
検出器:日本分光社製 商標名 RI−930
[参考例14:ヒドロキシポリアミド樹脂(A)(P−8)の合成]
テフロン(登録商標)製の碇型攪拌器を取り付けた容量2Lのセパラブルフラスコ中に、BAP51.7g(0.20mol)、ピリジン21.1g(0.27mol)、GBL310g、及びDMAc103gを入れ、溶解させた。BAPが溶解した後、反応容器を、メタノールにドライアイスを加えた容器に浸して冷却した。参考例2で製造したビス(クロロカルボニル)トリシクロ[5,2,1,02,6]デカン47.5g(0.18mol)をGBL142gに溶解させ、−10〜−19℃に保って30分を要して反応容器に滴下した。滴下終了後、反応容器を氷浴に浸し、0〜10℃に保って2時間攪拌し、さらにピリジン9.49g(0.12mol)を反応容器に添加した。
上記反応液にエタノールを加えて重合体を析出させた後これを回収し、GBL671gに溶解させた。次いで、陽イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーリストA21)62.1g、陰イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーリスト15)59.6gでイオン交換した。この溶液をイオン交換水12Lに高速攪拌下で滴下し、重合体を分散析出させて回収し、適宜水洗及び脱水の後に真空乾燥し、ヒドロキシポリアミド樹脂P−8としてPBO前駆体を得た。このようにして合成されたヒドロキシポリアミド樹脂のGPCによる重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で36,800の単一のシャープな曲線であり、単一組成物が得られたことを確認した。GPCの分析条件を以下に記す。
カラム:昭和電工社製 商標名 Shodex 805M/806M直列
容離液:N−メチルピロリドン 40℃
流速 :1.0ml/分
検出器:日本分光社製 商標名 RI−930
<ポジ型感光性樹脂組成物の調製>
[実施例1〜6、比較例1〜4]
実施例1〜6、及び比較例1〜4のポジ型感光性樹脂組成物として、上記参考例7〜14で得られたヒドロキシポリアミド樹脂(A)(P−1〜P−8)100質量部に対して、以下の表1に示す量の上記参考例3又は4で得られた光酸発生剤(B)であるナフトキノンジアジド化合物(Q−1又はQ−2)、更に上記参考例5及び6で得られた有機ケイ素化合物S−1及びS−2を各々15質量部、GBLに溶解させて、樹脂濃度が35質量%のアルカリ可溶性重合体溶液を作製し、その後1μmのフィルターで濾過して、調製した。
Figure 2012027490
<感光性樹脂組成物の評価>
(1)パターニング特性評価(感度、現像残膜率)
・プリベーク膜の作製、及び膜厚測定
上記実施例1〜6、及び比較例1〜4のポジ感光性樹脂組成物をスピンコーター(東京エレクトロン社製 クリーントラックMark8)で6インチ・シリコンウエハーにスピン塗布し、ホットプレート上125℃で180秒間プリベークして評価用膜を得た。各組成物の初期膜厚は、320℃で1時間キュアした時の硬化後樹脂膜厚で、7μmとなるように調整した。膜厚は膜厚測定装置(大日本スクリーン製造社製ラムダエース)にて測定した。
・露光
この塗膜に、テストパターン付きレチクルを通してi線(365nm)の露光波長を有するステッパー(ニコン社製NSR2005i8A)を用いて露光量を250mJ/cm2〜800mJ/cm2へと段階的に変化させて露光した。
・現像
これをアルカリ現像液(AZエレクトロニックマテリアルズ社製AZ300MIFデベロッパー、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を用い、23℃の条件下で現像後膜厚が初期膜厚の85%(従来の現像残膜率)又は97%となるように現像時間を調整して現像し、純水にてリンスを行い、ポジ型のレリーフパターンを形成した。
[感度(mJ/cm2)]
上記条件で作製した塗膜において、露光部の3.5μm正方形レリーフパターンが完全に溶解除去しうる最小露光量を感度として評価した。結果を以下の表2に示す。
[現像残膜率(%)]
(現像後の膜厚)/(初期の膜厚)×100により求めた。結果を以下の表2に示す。
(2)硬化膜のガラス転移温度(Tg)の測定
上記実施例1〜6、及び比較例1〜4のポジ感光性樹脂組成物を6インチ・シリコンウエハー上に、スピンコーター(東京エレクトロン社製 クリーントラックMark8)により塗布し、125℃で180秒間乾燥した後、昇温式オーブン(光洋サーモシステム社製 VF200B)を用いて窒素雰囲気下、320℃で1時間加熱し、膜厚10.0μmの硬化膜を得た。
この硬化膜を、3mm幅にカットし、希フッ酸水溶液に一晩浸してフィルム片を剥離し、乾燥させたものを、TMA装置(島津製作所製 TMA−50)を用いて、窒素流量50ml/min、昇温速度10℃/minの条件によりガラス転移温度(Tg)を測定した。結果を以下の表2に示す。
(3)硬化膜の弾性率及び伸度の測定
上記実施例1〜6、及び比較例1〜4のポジ感光性樹脂組成物を、6インチ・シリコンウエハー上に、スピンコーター(東京エレクトロン社製 クリーントラックMark8)により塗布し、125℃で180秒間乾燥した後、昇温式オーブン(光洋サーモシステム社製 VF200B)を用いて窒素雰囲気下、320℃で1時間加熱し、膜厚10.0μmの耐熱性硬化膜を得た。
この硬化膜を、3mm幅にカットし、希フッ酸水溶液に一晩浸してフィルム片を剥離し、乾燥させたものを、長さ50mmになるようにカットし、TENSILON(オリエンテック社製 UTM−II−20)を用いて、試験速度40mm/min、初期加重0.5fsで、硬化膜の弾性率及び伸度を測定した。結果を以下の表2に示す。
(4)室温4週間粘度変化率
上記実施例1〜6、及び比較例1〜4のポジ感光性樹脂組成物を室温で3日間放置したサンプルを調製後のサンプルとし、その後更に室温で4週間放置したサンプルを4週間後のサンプルとし、温調機付粘度計(東機産業械社製TV−22を用いて、23℃における粘度測定を行った。
室温4週間粘度変化率は、[(4週間後のサンプルの粘度)−(調整直後のサンプルの粘度)]/(調整直後のサンプルの粘度)×100により求めた。結果を以下の表2に示す。
Figure 2012027490
類似骨格を有するヒドロキシポリアミド樹脂(A)の相違に依存して、上記実施例1〜6で得られたポジ感光性樹脂組成物は、比較例1〜4で得られたポジ感光性樹脂組成物と比較して、いずれも高い現像残膜率にもかかわらず高感度を達成しており、更に4週間後の粘度変化率も低くなっており、保存安定性が向上していることが分かる。
ここで、類似骨格を有するヒドロキシポリアミド樹脂(A)とは、比較例におけるアミド構造を形成するためのカルボン酸ユニットを構成する酸クロライドが芳香族基からなるものであるのであれば、実施例における酸クロライドも芳香族基からなるものであり、この点で類似しているとうことを意味する。この場合、実施例1〜4のヒドロキシポリアミド樹脂(A)の骨格は、比較例3及び比較例4におけるもの類似し、実施例5及び実施例6のヒドロキシポリアミド樹脂(A)の骨格は、比較例1及び比較例2のものに類似する。
[実施例1〜6、実施例7〜20]
実施例1〜6、及び実施例7〜20のポジ型感光性樹脂組成物として、ポジ型感光性樹脂組成物として、上記参考例7〜11で得られたヒドロキシポリアミド樹脂(A)(P−1〜P−5)100質量部に対して、以下の表3に示す量の上記参考例4で得られた光酸発生剤(B)であるナフトキノンジアジド化合物(Q−2)、更に上記参考例5及び上記参考例6にて得られた有機ケイ素化合物S−1及びS−2各々15質量部、及び下記のアルカリ水溶液に対する溶解性を促進する化合物(C−1〜C−6){実施例7〜20の場合に限る}をGBLに溶解させて、樹脂濃度が35質量%のアルカリ可溶性重合体溶液を作製し、1μmのフィルターで濾過して調製した。
(C−1)4−ヘキシルレゾルシノール
(C−2)2,2’−ジヒドロキシジフェニルメタン
(C−3)EP4000B(旭有機材工業:商品名)
(C−4)EP4080G(旭有機材工業:商品名)
(C−5)m−トルイル酸
(C−6)m−トリル酢酸
(C−7)α−メトキシフェニル酢酸
(C−8)ベンゼンスルホン酸
Figure 2012027490
<感光性樹脂組成物の評価>
(1)パターニング特性評価(感度、現像時間)
・プリベーク膜の作製、及び膜厚測定
上記実施例1〜6、及び実施例7〜20のポジ感光性樹脂組成物をスピンコーター(東京エレクトロン社製 クリーントラックMark8)で6インチ・シリコンウエハーにスピン塗布し、ホットプレート上125℃で180秒間プリベークして評価用膜を得た。各組成物の初期膜厚は、320℃で1時間キュアした時の硬化後樹脂膜厚で、7μmとなるように調整した。膜厚は膜厚測定装置(大日本スクリーン製造社製ラムダエース)にて測定した。
・露光
この塗膜に、テストパターン付きレチクルを通してi線(365nm)の露光波長を有するステッパー(ニコン社製NSR2005i8A)を用いて露光量を250mJ/cm2〜800mJ/cm2へと段階的に変化させて露光した。
・現像
これをアルカリ現像液(AZエレクトロニックマテリアルズ社製AZ300MIFデベロッパー、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を用い、23℃の条件下で現像後膜厚が97%となるように現像時間を調整して現像し、純水にてリンスを行い、ポジ型のレリーフパターンを形成した。
[感度(mJ/cm2)]
上記条件で作製した塗膜において、露光部の3.5μm正方形レリーフパターンが完全に溶解除去しうる最小露光量を感度として評価した。結果を以下の表4に示す。
[現像時間(秒)]
上記条件で作製した塗膜を、現像した場合の時間を現像時間(秒)とした。結果を以下の表4に示す。
Figure 2012027490
同一のヒドロキシポリアミド樹脂(A)において、上記実施例7〜20で得られたポジ感光性樹脂組成物は、アルカリ水溶液に対する溶解性を促進する化合物(C)の添加により、実施例1〜6で得られたポジ感光性樹脂組成物と比較して、いずれも同一の現像残膜率の条件下において、現像時間が短くかつ高感度を達成した。
[実施例8、14、17〜19、及び21〜34]
実施例8、14、17〜19、及び21〜34のポジ型感光性樹脂組成物として、上記参考例7〜11で得られたヒドロキシポリアミド樹脂(A)(P−1〜P−5)100質量部に対して、以下の表5に示す量の、上記参考例4で得られた光酸発生剤(B)であるナフトキノンジアジド化合物(Q−2)、更に上記参考例5及び上記参考例6にて得られた有機ケイ素化合物S−1及びS−2各々15質量部、アルカリ水溶液に対する溶解性が促進する化合物(C)(上記C−5)10質量部、及び下記の熱により架橋反応を起こす化合物(D−1〜D−10){実施例21〜34に限る}をGBLに溶解させて、樹脂濃度が35質量%のアルカリ可溶性重合体溶液を作製し、1μmのフィルターで濾過して調製した。
(D−1)BANI−X(丸善石油化学:商品名)
(D−2)以下の式:
Figure 2012027490
で表されるTMOM−BP(本州化学工業:商品名)
(D−3)4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル
(D−4)以下の式:
Figure 2012027490
で表されるTML−BPAF−MF(本州化学工業:商品名)
(D−5)1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル
(D−6)ヘキサメトキシメチルメラミン
(D−7)TRIAM705(和光純薬:商品名)
(D−8)トリメチロールプロパントリメタクリレート
(D−9)以下の式:
Figure 2012027490
で表されるOXT121(東亞合成:商品名)
(D−10)9,10−エポキシ−1,5−シクロドデカジエン
Figure 2012027490
<感光性樹脂組成物の評価>
(1)パターニング特性評価(感度)
・プリベーク膜の作製、及び膜厚測定
上記実施例8、14、17〜19、及び21〜34のポジ感光性樹脂組成物をスピンコーター(東京エレクトロン社製 クリーントラックMark8)にて、6インチ・シリコンウエハーにスピン塗布し、ホットプレート上125℃で180秒間プリベークして評価用膜を得た(実施例25のみ、ホットプレート上105℃で180秒間プリベークして評価用膜を得た。)。各組成物の初期膜厚は、320℃で1時間キュアした時の硬化後樹脂膜厚で、7μmとなるように調整した。膜厚は膜厚測定装置(大日本スクリーン製造社製ラムダエース)にて測定した。
・露光
この塗膜に、テストパターン付きレチクルを通してi線(365nm)の露光波長を有するステッパー(ニコン社製NSR2005i8A)を用いて露光量を250mJ/cm2〜800mJ/cm2へと段階的に変化させて露光した。
・現像
これをアルカリ現像液(AZエレクトロニックマテリアルズ社製AZ300MIFデベロッパー、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を用い、23℃の条件下で現像後膜厚が97%となるように現像時間を調整して現像し、純水にてリンスを行い、ポジ型のレリーフパターンを形成した。
[感度(mJ/cm2)]
上記条件で作製した塗膜において、露光部の3.5μm正方形レリーフパターンが完全に溶解除去しうる最小露光量を感度として評価した。結果を以下の表6に示す。
(2)硬化時残膜率の測定
上記(1)パターニング特性評価で得られたポジ型のレリーフパターンを形成したサンプルを昇温式オーブン(光洋サーモシステム社製 VF200B)を用いて窒素雰囲気下、320℃で1時間加熱した。
硬化時残膜率(%)は、(キュア後の硬化の膜厚)/(現像後のレリーフパターンの膜厚)×100と定義した。結果を以下の表6に示す。
Figure 2012027490
同一のヒドロキシポリアミド樹脂(A)において、上記実施例21〜34で得られたポジ感光性樹脂組成物は、実施例8、14、及び17〜19で得られたポジ感光性樹脂組成物と比較して、熱により架橋反応を起こす化合物(D)成分を添加することにより、硬化時残膜率が向上し、感度は更に向上した。
[実施例22、28、31及び33〜42]
実施例22、28、31、及び33〜42のポジ型感光性樹脂組成物として、上記参考例7〜11で得られたヒドロキシポリアミド樹脂(A)(P−1〜P−5)100質量部に対して、以下の表7に示す量の、上記参考例4で得られた光酸発生剤(B)であるナフトキノンジアジド化合物(Q−2)、更に上記参考例5及び上記参考例6にて得られた有機ケイ素化合物S−1及びS−2各々15質量部、アルカリ水溶液に対する溶解性を促進する化合物(C)(上記C−5)を10質量部、熱により架橋反応を起こす化合物(D)(上記D−2)を20質量部、熱により酸を発生する化合物(E−1〜E−4){実施例35〜42に限る}をGBLに溶解させて、樹脂濃度が35質量%のアルカリ可溶性重合体溶液を作製し、1μmのフィルターで濾過して調製した。
(E−1)メタンスルホン酸2−メトキシエチル
(E−2)p−トルエンスルホン酸メチル
(E−3)p−トルエンスルホン酸2−メトキシエチル
(E−4)2,4−ブタンスルトン
Figure 2012027490
<感光性樹脂組成物の評価>
(1)パターニング特性評価
・プリベーク膜の作製、及び膜厚測定
上記実施例22、28、31、及び33〜42のポジ感光性樹脂組成物をスピンコーター(東京エレクトロン社製 クリーントラックMark8)にて、6インチ・シリコンウエハーにスピン塗布し、ホットプレート上125℃で180秒間プリベークして評価用膜を得た。各組成物の初期膜厚は、320℃で1時間キュアした時の硬化後樹脂膜厚で、7μmとなるように調整した。膜厚は膜厚測定装置(大日本スクリーン製造社製ラムダエース)にて測定した。
・露光
この塗膜に、テストパターン付きレチクルを通してi線(365nm)の露光波長を有するステッパー(ニコン社製NSR2005i8A)を用いて露光量を250mJ/cm2〜800mJ/cm2へと段階的に変化させて露光した。
・現像
これをアルカリ現像液(AZエレクトロニックマテリアルズ社製AZ300MIFデベロッパー、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を用い、23℃の条件下で現像後膜厚が97%となるように現像時間を調整して現像し、純水にてリンスを行い、ポジ型のレリーフパターンを形成した。
(2)硬化時残膜率の測定
上記(1)パターニング特性評価で得られたポジ型のレリーフパターンを形成したサンプルを昇温式オーブン(光洋サーモシステム社製 VF200B)を用いて窒素雰囲気下、320℃で1時間加熱した。
硬化時残膜率(%)は、(キュア後の硬化の膜厚)/(現像後のレリーフパターンの膜厚)×100と定義した。結果を以下の表8に示す。
(3)キュア後の密着性評価
上記(1)パターニング特性評価で得られたポジ型のレリーフパターンを形成したサンプルを昇温式オーブン(光洋サーモシステム社製 VF200B)を用いて窒素雰囲気下、250℃で1時間加熱して得られた硬化フィルムをプレッシャークッカー(131℃、2.0気圧)で100時間処理を行った後、碁盤目試験(JIS K5400)にて、1mm角の正方形100個ができるようにカッターナイフで傷をつけ、上からセロハン(登録商標)テープを貼り付けた後剥離し、セロハン(登録商標)テープに付着せず基板上に残った正方形の数を数えることにより、キュア後の密着性を評価した。以下の表8にテープ剥離試験後にシリコンウエハー上に残っている正方形の個数を示す。個数が多いほど、接着性が良い。
Figure 2012027490
同一のヒドロキシポリアミド樹脂(A)において、上記実施例35〜42で得られたポジ感光性樹脂組成物は、実施例22、28、31、33及び34で得られたポジ感光性樹脂組成物と比較して、熱により酸を発生する化合物(E)成分を添加することにより、上記条件におけるキュア後の密着性は更に向上した。
[実施例43〜47、比較例5〜7]
上記参考例7〜14で得られたヒドロキシポリアミド樹脂(A)(P−1〜P−8)について、得られたそれぞれのヒドロキシポリアミド樹脂の紛体を樹脂固形分35質量%の濃度となるようにしγ-ブチロラクトンに溶解させ、以下の膜厚測定装置を用いて、アルカリ可溶性重合体の屈折率(nr1)及び前記アルカリ可溶性重合体100質量部に対して、ナフトキノンジアジド化合物(Q−2)を15質量部添加したときの感光性樹脂組成物の屈折率(nr2)を測定した。結果を表9と表10に示す。
接触式膜厚測定装置:KLA TENCOR社製P−15
非接触式膜厚測定装置:大日本スクリーン製造社製ラムダエース
Figure 2012027490
Figure 2012027490
本発明の感光性樹脂組成物は、半導体装置及び発光装置の表面保護膜、層間絶縁膜、及び再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、バンプ構造を有する装置の保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等として好適に利用できる。

Claims (1)

  1. 主鎖に(チオ)エステル構造を有するポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリイミド前駆体、及びフェノール基含有ポリイミドからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルカリ可溶性重合体とナフトキノンジアジド化合物とを含む感光性樹脂組成物であって、
    (i)下記工程(a)、(b)、及び(c):
    (a)前記アルカリ可溶性重合体を樹脂固形分35質量%の濃度でγ-ブチロラクトンに溶解させて、樹脂溶液を作製する;
    (b)前記(a)で作製した樹脂溶液を6インチシリコンウェハー上に塗布し、125℃180秒間のプリベークを行い、接触式膜厚測定器を使用して測定する時の膜厚が10μm±0.2μmである膜を形成し;及び
    (c)非接触式膜厚測定器を用いて、プリベーク後の膜を任意の屈折率nf1で測定して得られた膜厚をTf1とし、前記(b)における接触式膜厚測定器で測定して得られた膜厚をTr1とする時に求められる、真の屈折率nr1を以下の式:
    r1=nf1×Tf1/Tr1
    により求める;
    を順に行って得られた前記アルカリ可溶性重合体の屈折率(nr1)は1.570〜1.650の範囲にあり、
    (ii)下記(a’)、(b’)、及び(c’):
    (a’)前記アルカリ可溶性重合体100質量部を樹脂固形分35質量%の濃度でγ-ブチロラクトンに溶解させ、さらに前記ナフトキノンジアジド化合物15質量部を溶解させて、感光性樹脂組成物の溶液を作製する;
    (b’)前記(a’)で作製した感光性樹脂組成物の溶液を6インチシリコンウェハー上に塗布し、125℃180秒間のプリベークを行い、接触式膜厚測定器を使用して測定する時の膜厚が10μm±0.2μmである膜を形成し;及び
    (c’)非接触式膜厚測定器を用いて、プリベーク後の膜を任意の屈折率nf2で測定して得られた膜厚をTf2とし、前記(b’)における接触式膜厚測定器で測定して得られた膜厚をTr2とする時に求められる、真の屈折率nr2を以下の式:
    r2=nf2×Tf2/Tr2
    により求める;
    を順に行って得られた前記感光性樹脂組成物の屈折率(nr2)と、前記アルカリ可溶性重合体の屈折率(nr1)とが、以下の条件:
    {1−アルカリ可溶性重合体の屈折率(nr1)/感光性樹脂組成物の屈折率(nr2)}×100=1.0〜3.0(%)
    を満たす前記感光性樹脂組成物。
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