JP2012027442A - 光学シートの製造方法、この製造方法により製造された光学シートを備える表示装置用光学フィルタおよび表示装置 - Google Patents

光学シートの製造方法、この製造方法により製造された光学シートを備える表示装置用光学フィルタおよび表示装置 Download PDF

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光 礼 弘
Tatsuaki Inoue
上 達 明 井
Hiroki Nakagawa
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Abstract

【課題】溝に樹脂組成物をより充填させることができる光学シートの製造方法、ならびにコントラストの向上を図ることができるフィルタおよび表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の一の態様によれば、光を透過可能な複数の単位光透過部と、単位光透過部の間に並列して設けられた複数の単位光吸収部とを備える光学シートの製造方法であって、型に樹脂と離型剤を含む第1の樹脂組成物を供給して、光を透過可能な複数の単位光透過部2を形成するとともに、その単位光透過部2間に並列して設けられた略台形断面または略矩形断面を有する溝3を形成し、少なくとも溝3の側面3aおよび底面3bに表面改質処理を施して、溝3の側面3aおよび底面3bに存在する離型剤を分解し、離型剤を分解した後、溝3に硬化性樹脂と光吸収材とを含む第2の樹脂組成物4を充填し、充填された第2の樹脂組成物4を硬化させて、単位光吸収部5を形成することを含むことを特徴とする、光学シートの製造方法が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学シートの製造方法、この製造方法により製造された光学シートを備える表示装置用光学フィルタおよび表示装置に関する。
プラズマディスプレイパネル(PDP)等の表示装置のディスプレイには、コントラストの低下を抑制するために光学シートが配置されることがある。
このような光学シートは、シート面に沿って配列され、光を透過させる単位光透過部と、単位光透過部間に配置され、かつ光を吸収する単位光吸収部とを備えている。この光学シートによれば、映像光を単位光透過部から出射させることができるとともに、外光等を単位光吸収部により吸収することができるので、コントラストを向上させることができる。
この光学シートを作製する際には、例えば、まず、型に離型剤を含む硬化性樹脂組成物を供給し、この樹脂組成物を硬化させて単位光透過部を形成し、そして、型から単位光透過部を離型させる。その後、単位光透過部間に存在する溝に、硬化性樹脂と光吸収材とを含む樹脂組成物を充填し、余分な樹脂組成物を掻き取り、その後樹脂組成物を硬化させる。
一方、近年より高いコントラストが求められており、この要求に応えるために光学シートの溝の形状をより深い矩形状とすることが検討されている。しかしながら、溝の形状をより深い矩形状とすると、溝に樹脂組成物が充填されにくくなる。
ここで、樹脂組成物に、レべリング剤や消泡剤を添加することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。樹脂組成物にレべリング剤を添加した場合には、樹脂組成物の濡れ広がりを改善することが可能であり、樹脂組成物に消泡剤を添加した場合には、樹脂組成物の充填工程または掻き取り工程における気泡の発生を抑制することが可能であるので、溝に対する樹脂組成物の充填率を向上させることができる。
しかしながら、より深い矩形状の溝においては、このようなレべリング剤や消泡剤を含む樹脂組成物を用いた場合であっても、十分満足できる充填を行うことができないおそれがある。
なお、カラーフィルタの分野において、基材の表面および隔壁側面に親インク化処理を施し、その後隔壁に囲まれた領域にインクを付与して画素を形成する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
国際公開第2006/090784号 特開2002−22933号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、溝に樹脂組成物をより充填させることができる光学シートの製造方法、ならびにコントラストの向上を図ることができるフィルタおよび表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、溝の側面および底面に存在する離型剤を分解することで、樹脂組成物が充填されやすくなることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいてなされたものである。
本発明の一の態様によれば、光を透過可能な複数の単位光透過部と、前記単位光透過部の間に並列して設けられた複数の単位光吸収部とを備える光学シートの製造方法であって、型に樹脂と離型剤を含む第1の樹脂組成物を供給して、光を透過可能な複数の単位光透過部を形成するとともに、その単位光透過部間に並列して設けられた略台形断面または略矩形断面を有する溝を形成し、少なくとも前記溝の側面および底面に表面改質処理を施して、前記溝の側面および底面に存在する前記離型剤を分解し、前記離型剤を分解した後、前記溝に硬化性樹脂と光吸収材とを含む第2の樹脂組成物を充填し、前記充填された前記第2の樹脂組成物を硬化させて、単位光吸収部を形成することを含むことを特徴とする、光学シートの製造方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、上記の光学シートの製造方法により得られる光学シートを備えることを特徴とする、表示装置用光学フィルタが提供される。
本発明の他の態様によれば、上記の光学シートの製造方法により得られる光学シートを備えることを特徴とする、表示装置が提供される。
本発明の一の態様の光学シートの製造方法によれば、溝に第2の樹脂組成物を充填する前に少なくとも溝の側面および底面に存在する離型剤を分解するので、溝に対する第2の樹脂組成物の濡れ性を改善することができ、これにより第2の樹脂組成物を溝により充填させることができる。
本発明の他の態様の表示装置用光学フィルタおよび表示装置によれば、光吸収材がより充填された光学シートを備えているので、外光等の吸収効果がより高く、コントラストを向上させることができる。
実施の形態に係る光学シートの製造工程を示す模式図である。 実施の形態に係る光学シートの製造工程を示す模式図である。 実施の形態に係る溝の形状を示す縦断面図である。 実施の形態に係る光学シートを備えた表示装置の断面図である。 コロナ放電処理の際の出力と、単位光透過部の表面に対する水の接触角との関係を示すグラフである。 大気圧プラズマ処理の際の印加電圧と、単位光吸収部の凹み量との関係を示すグラフである。 大気圧プラズマ処理の際の印加電圧と、単位光透過部の表面の動摩擦係数との関係を示すグラフである。 コロナ放電処理の際の出力と、単位光透過部の表面の動摩擦係数との関係を示すグラフである。
<光学シートの製造方法>
先ず、本発明による光学シートの製造方法について、図面を参照しながら説明する。図1(a)〜図2(b)は、本実施の形態に係る光学シートの製造工程を示す模式図であり、図3は本実施の形態に係る溝の形状を示す縦断面図である。なお、図1(a)〜図1(c)、および図2(b)は、基材の長手方向を正面とした図である。
まず、基材1上に、層厚方向断面において略台形または略矩形の複数の単位光透過部2を形成する(図1(a))。この単位光透過部2は、一方のシート面側が上底、他方のシート面側が下底となるように配置された略台形または略矩形断面を有する要素である。
上記工程において使用される基材1は、上記した単位光透過部2や後述する単位光吸収部5を形成するためのベースとなる層である。基材1は、映像光の入射側に配置されてもよく、また出射側(観察者側)に配置されてもよい。基材1が映像光の入射側に配置される場合には、基材1は粘着層を備えていてもよい。また、基材1が映像光の出射側に配置される場合には、基材1に単位光透過部2および単位光吸収部5を形成した後に粘着層を基材1上に積層してもよい。基材としては、透明樹脂フィルム、透明樹脂板、透明樹脂シートや透明ガラスを用いることができる。透明樹脂フィルムとしては、トリアセテートセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系フィルム、ジアセチルセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルロニトリルフィルム等を好適に使用できるが、これらの中でも、ポリエステル系フィルムが好ましく用いられる。ポリエステル系フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートの他、ポリブチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等が挙げられる。
この単位光透過部2の形成は、型に樹脂と離型剤を含む第1の樹脂組成物を供給して行われる。例えば、樹脂として透明な熱可塑性樹脂を用いて単位光透過部2を形成する場合には、加熱した金型を第1の樹脂組成物に押圧する熱プレス法や、金型内に第1の樹脂組成物を注入して固化させるキャスティング法、射出成型法等によって、所望の形状の単位光透過部2を形成することができる。また、樹脂として電離放射線硬化性樹脂、特に紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、第1の樹脂組成物を成形型内に注入して紫外線を照射して硬化させる、いわゆるUV法によって、所望の形状の単位光透過部2を形成することができる。これらの方法の中でも、本発明においては、量産性に優れるUV法が好適に使用できる。UV法によれば、ロール状の成形型を用いて、配列した単位光透過部2を連続的に製造することができる。
離型剤は型からの単位光透過部2の剥離性を良好にするためのものであり、疎水性のものである。離型剤としては、特に限定されないが、例えばポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス、リン酸エステル、シリコーンオイル等が挙げられる。これらの中でも、金型を用いた成型を行う際、特に剥離性の観点からリン酸エステルが好ましい。
離型剤は、単位光透過部2を形成するための樹脂100質量部に対して、
0.1〜1.0質量部の割合で添加されることが好ましい。離型剤の添加量を上記範囲としたのは、0.1質量部未満であると、離型効果が不十分となり、また1.0質量部を超えると、第1の樹脂組成物中で長期保存した際に、離型剤が分離したり、得られた光学シートの湿熱試験や高温試験で離型剤成分が析出するおそれがあるからである。
また、上記のようにして基材1上に複数の単位光透過部2を形成することにより単位光透過部2の間には、並列して設けられた楔形または略矩形の溝3が形成される。
溝3の深さは、50〜200μmであることが好ましい。溝3の深さを上記範囲としたのは、50μm未満であると、光吸収材を充填しても外光吸収が十分でないために十分なコントラストが得られないおそれがあるからであり、また、200μmを超えると、単位光透過部2を形成する際に、単位光透過部2を金型から剥離する際に金型からの剥離力が大きくなり、基材1が破断したり、金型上に単位光透過部2が残存するおそれがあるからである。
溝3の側面3aは、図3に示されるように基材1(光学シート)の法線方向Nに対して0〜2°の角度θを有することが好ましい。溝3の側面3aの角度θを上記範囲としたのは、0°未満であると、バイトでの金型切削が困難であり、かつ単位光透過部2を金型から剥離する際に単位光透過部2が金型側に残存するおそれがあるからであり、また、2°を超えると、所望のコントラストと広い視野角を両立するために溝3の幅を広げる必要があり、必要以上に光吸収材を使用する必要があるからであり、また単位光透過部2と単位光吸収部5の比である開口率が小さくなり、光学シートの透過率が小さくなるおそれがあるからである。なお、角度θが0°に近い場合は、実質的に略矩形状の溝3となる。
基材1上に複数の単位光透過部2を形成した後、少なくとも溝3の側面3aおよび底面3bに表面改質処理を施して、溝3の側面3aおよび底面3bに存在する離型剤を分解して、除去する(図1(b))。図1(b)は、溝3内のみならず、単位光透過部2の表面にも表面改質処理が施されている例を図示したものである。
表面改質処理としては、例えば、コロナ放電処理、大気圧プラズマ処理、酸素プラズマ処理、紫外線照射処理、オゾン処理、エキシマランプ処理、加熱処理等のドライプロセスや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、エタノールアミン等によるアルカリ処理等のウエットプロセスが挙げられる。これらの中でも、製造効率の観点からコロナ放電処理が好ましく、また充填率を高める観点から大気圧プラズマ処理が好ましい。表面改質処理として加熱処理を行う場合には、離型剤の分解温度以上に加熱することが必要である。
コロナ放電処理の場合、単位光透過部2の上面が荒れないように処理することが望ましい。具体的には、対極として、ゴムやシリコーン材からなる誘電ロールを用い、電極として、石英電極やセラミック電極を用いることが好ましい。
表面改質処理が施された溝3の側面3aおよび底面3bの動摩擦係数(μK)および静摩擦係数(μS)は、0.1〜0.3であることが好ましい。溝3の側面3aおよび底面3bの動摩擦係数および静摩擦係数をこの範囲にすることにより、溝3の幅が狭く、後述する第2の樹脂組成物4を充填し難い場合であっても、効率良く第2の樹脂組成物4を充填することができる。
上記「動摩擦係数」および「静摩擦係数」の測定は、JIS K7125プラスチックフィルムおよびシートの摩擦係数試験方法に準じて行われる。なお、溝3内および単位光透過部2の表面に一様に表面改質処理を施した場合には、単位光透過部2の表面の動摩擦係数および静摩擦係数は、溝3の側面3aおよび底面3bの動摩擦係数および静摩擦係数とほぼ等しくなる。したがって、このような場合には、単位光透過部2の表面の動摩擦係数および静摩擦係数は、溝3の側面3aおよび底面3bの動摩擦係数および静摩擦係数とみなすことができる。
次いで、表面改質処理が施された溝3に、硬化性樹脂と光吸収材とを含む第2の樹脂組成物4を充填する(図1(c))。
ここで、本工程において使用する第2の樹脂組成物について説明する。第2の樹脂組成物に含まれる硬化性樹脂としては、従来公知の光学シート等に用いられる電離放射線硬化性樹脂組成物を用いることができる。例えば、アクリレート系の官能基を有するものを好適に使用することができ、具体的には、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジェン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アルリレート等のオリゴマー又はプレポリマーを挙げることができる。なお、光学シートの単位光透過部2を構成する材料にもよるが、これらの樹脂の中でも単位光透過部2を構成する材料よりも屈折率の小さい樹脂を選択することが、映像光を光吸収部領域の表面で全反射させて、輝度を向上させるという観点から望ましいが、単位光透過部2を構成する材料と同一またはこの材料よりも屈折率の大きい樹脂を選択してもよい。
また、上記第2の樹脂組成物4中には、反応性希釈剤を添加してもよく、このような反応性希釈剤としては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマーを使用してもよく、具体的は、リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂組成物を紫外線硬化性樹脂組成物とするには、組成物中に光重合開始剤としてアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホソフィン等を混合して用いることができる。特に本発明では、オリゴマーとしてウレタンアクリレート、モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を混合するのが好ましい。
第2の樹脂組成物に含まれる光吸収材としては、樹脂ビーズやガラスビーズに、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収できる着色微粒子を使用してもよく、カーボンブラック、グラファイト、繊維状炭素、黒色酸化鉄等の金属塩、染料、顔料等の着色剤を練り込んだものを使用することができる。着色剤の練り込み易さの観点からは、樹脂ビーズを用いることが好ましい。樹脂ビーズとしては、メラミンビーズ、アクリルビーズ、アクリル−スチレンビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ、ポリスチレンビーズ、塩ビビーズ等を好適に使用することができる。また、ウレタン架橋微粒子やシリコン系ビーズも好適に使用できる。これらの樹脂ビーズは、上記した電離放射線硬化性樹脂組成物の屈折率差が0.1程度以下のものを用いることが好ましい。また、着色剤を練り込む前の樹脂としては、透明な樹脂でも使用できるが、顔料または染料等で着色された樹脂を用いることが好ましく、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収するものであってよいが、好ましくは黒色に着色された樹脂ビーズが用いられる。
着色剤としては、上記したもののなかでもカーボンブラックが好適に使用できる。樹脂ビーズへのカーボンブラックの練り込み量は、樹脂ビーズ1質量部に対してカーボンブラックを0.1〜0.7質量部程度であり、好ましくは0.15〜0.5質量部、より好ましくは0.2〜0.35質量部である。カーボンブラックの練り込み量が0.7質量部よりも多いと樹脂ビーズが割れやすくなる場合があり、一方、0.1質量部よりも少ないと、所望の黒色性を有する着色微粒子を得られない場合がある。また、カーボンブラックは、平均粒子径が10〜500nmのものを好適に使用することができ、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、カーボンナノチューブ、カーボンファイバー等が使用できる。また、市販のものを使用することもでき、例えば、HCFシリーズ、MCFシリーズ、RCFシリーズ、LFFシリーズ(いずれも三菱化学株式会社製)、バルカンシリーズ(キャボット社製)、ケッチェンシリーズ(ライオン株式会社製)を好適に使用することができる。なお、ここでの平均粒子径とは、カーボンブラック粒子を電子顕微鏡で観察して求めた算術平均径を意味する。
硬化性樹脂への光吸収材の分散性を向上させるために、光吸収材を表面処理しておくこともできる。表面処理としては、従来公知のシリカコーティングによる親水処理や、プラズマ等による表面改質が挙げられる。
上記した各成分を含む第2の樹脂組成物4は、硬化性樹脂に、所定量の光吸収材を混合し、所望により重合開始剤等を添加することにより調製される。光吸収材の添加量は、第2の樹脂組成物4の全質量に対して15〜35%の範囲とすることが好ましく、この範囲とすることにより、よりコントラストに優れる光学シートを実現することができる。光吸収材の含有量が少なすぎると、楔形溝(単位光吸収部)の光遮光性が不十分となる場合があり、光吸収材の含有量が多すぎると、樹脂ビーズ同士が接触し割れや欠けの問題が発生し易くなる。
第2の樹脂組成物4の粘度は、500〜5,000mPa・sの範囲であることが好ましい。粘度が5,000mPa・s以上であると、第2の樹脂組成物4の粘度が高すぎて溝3の底まで第2の樹脂組成物4が充填されない場合がある。また、後述するように、第2の樹脂組成物4の掻き取り性が悪化する。一方、第2の樹脂組成物4の粘度が500mPa・s未満であると、第2の樹脂組成物4の掻き取り性は良好であるものの、楔形の溝3に第2の樹脂組成物4を充満させることが困難となる。なお、第2の樹脂組成物4の粘度は、B型粘度計を用いて25℃の環境下にて測定した値を意味するものとする。
複数の単位光透過部2の間の溝3に第2の樹脂組成物4を充填した後、例えばドクターブレード等の掻取部材10により余剰の第2の樹脂組成物4を掻き取る(図2(a))。
本発明においては、上記した表面改質処理と第2の樹脂組成物4の充填と余剰の第2の樹脂組成物4の掻き取りとを連続して行うことができる。例えば、上記のようにして得られた基材1上に複数の単位光透過部2が形成されたシートを連続して一方方向に送り、表面改質処理を施すためのコロナ放電処理装置、第2の樹脂組成物4を塗布するためのノズル、および余剰の第2の樹脂組成物4を掻き取るためのドクターブレードを、シートの進行方向とは反対の側に順に設置することによりこれらの処理を連続して行うことができる。
最後に、溝3に充填された第2の樹脂組成物4を硬化させて、略台形または略矩形の断面形状を有する単位光吸収部5を形成する(図2(b))。なお、単位光吸収部5の断面形状は、略台形または略矩形に限られず、例えば略三角形であってもよい。第2の樹脂組成物4の硬化方法としては、通常の硬化方法、即ち、電離放射線硬化性樹脂を用いた場合には、電子線又は紫外線の照射によって硬化することができる。例えば、電子線硬化の場合には、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速機から放出される50〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーを有する電子線等が使用され、紫外線硬化の場合には超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
本実施の形態の光学シートの製造方法によれば、溝3の側面3aおよび底面3bに表面改質処理を施すことにより、溝3の側面3aおよび底面3bに存在する離型剤を分解している。ここで、離型剤は、疎水性であるので、離型剤を分解することにより、溝3の側面3aおよび底面3bが親水化される。また、表面処理を施すことにより、溝の側面3aおよび底面3bが親水官能基を付与することができる。これにより、溝3に対する第2の樹脂組成物4の濡れ性を改善することができ、第2の樹脂組成物4を溝3により充填させることができる。
溝3の側面3aおよび底面3bに、表面改質処理として大気圧プラズマ処理を施した場合には、コロナ放電処理を施した場合よりも、側面3aおよび底面3bのダメージが少ないので、溝3の側面3aおよび底面3bにおける動摩擦係数および静摩擦係数の上昇を抑制することができる。これにより、溝3に対する第2の樹脂組成物4の充填率をさらに向上させることができる。
<光学シート>
上記のようにして得られた光学シートは、シート厚み方向断面において略台形または略矩形の単位光透過部と、その単位光透過部の間に並列して配置された、略台形または略矩形断面を有する単位光吸収部とを備えている。単位光透過部は、一方のシート面側が上底、他方のシート面側が下底となるように配置された略台形または略矩形断面を有する要素である。単位光吸収部は、単位光透過部の間に形成された略台形または略矩形断面を有する要素である。台形または矩形の底辺に相当する面が単位光透過部の上底側のシート面に面するように並列に配置される。これにより単位光吸収部の底辺および単位光透過部の上底により、光学シートの一方の面が構成されている。単位光吸収部における略台形の斜辺または略矩形の長辺は、光学シートのシート面の法線方向に対して、0〜2°の範囲の角度を有していることが好ましい。なお、斜辺の角度が0度に近い場合は、実質的に略矩形断面となる。
単位光吸収部は、単位光透過部の屈折率と同じかまたは小さい屈折率を有する。単位光透過部と単位光吸収部との屈折率が上記のような関係となることにより、所定条件で単位光透過部に入射した光源からの映像光を光吸収部と単位光透過部との境界面で適切に反射させ、観測者に明るい映像を提供することができる。また、観測者側からの外光の一部を吸収するため、コントラストも向上する。また、単位光吸収部と単位光透過部との境界面で反射せずに、単位光吸収部の内側に入射した迷光が、単位光吸収部中の光吸収材によって吸収される。また、所定角度で入射した観測者側からの外光を適切に吸収することができるため、コントラストを向上させることもできる。
また、光学シートを2層重ね合わせてもよく、その場合、各光学シートで異なった構造となるようにしてもよい。例えば、1層目の光学シートと2層目の光学シートとで、単位光吸収部の幅やピッチ、深さ(楔形部の深さ)、形状を変えたり、単位光吸収部の厚み方向の向きを変えたり、映像光に対する単位光吸収部のバイアス角度(水平方向に対する光吸収部の傾斜角度)を変えたりすることができる。また、単位光吸収部を形成する材料(樹脂の種類や着色微粒子の濃度)を変えることもできる。例えば、1層目は効率良く外光をカットし、コントラストの向上を重視した設計とし、2層目は反射を利用した正面輝度向上効果を重視した設計とするような、各層で作用効果を変えることが好ましい。
本発明による光学シートは、従来の光学シートや視野角拡大部材に採用されている他の機能層を含んでいてもよい。具体的には、反射防止層、粘着層、電磁波遮蔽層、波長フィルタ層、防眩層、ハードコート層などを適宜組み合わせてもよい。これらの各機能層の積層順や積層数は、使用する光学シートの用途に応じて適宜決定することができる。
本発明による光学シートは、例えば、表示装置のディスプレイに使用することができる。具体的には、光学シートは、例えば、表示装置用光学フィルタとして使用することができる。表示装置のディスプレイとしては、例えばプラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶表示パネル、有機ELディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED)、表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(SED)、プロジェクションテレビ等が挙げられる。
以下、本発明による光学シートを表示装置用光学フィルタとしてプラズマディスプレイパネル(PDP)に取り付けた例について説明する。図4は本実施の形態に係る光学シートを備えた表示装置の断面図である。図4に示される表示装置10は、上記した製造方法により製造された光学シート11を備えている。すなわち、光学シート11は、基材1、単位光透過部2および単位光吸収部5を備えている。光学シート11は、映像源であるPDP12の映像光出射側に配置されている。光学シート11とPDP12は粘着層13を介して接着されている。なお、光学シート11とPDP12は必ずしも接着されている必要はない。光学シート11の前面側には、帯電防止層14、反射防止層15、防眩層16等が配置されている。なお、本実施の形態においては、光学シート11の前面に帯電防止層14等が配置されているが、これらに限られず、電磁波、赤外線、またはネオン線を遮断する層を配置してもよい。
(外観目視検査)
実施例1
厚みが100μmのPET基材(A4300、東洋紡製)上に、硬化後の屈折率が1.55のウレタン系紫外線硬化性樹脂100質量部と、離型剤としてのリン酸エステル0.3質量部とを含む第1の樹脂組成物を用いて、成形金型で連続賦型加工を行い、複数の単位光透過部と、その単位光透過部間に並列して設けられた楔形の溝を形成した。
次いで、溝の側面および底面に対して、0.2kW、7m/minの条件でコロナ放電処理を施し、少なくとも溝の側面および底面に存在するリン酸エステルを分解した。コロナ放電処理の前後において、水の接触角を測定したところ、コロナ放電処理前における水の接触角は90°であったのに対し、コロナ放電処理後における水の接触角は70°であった。接触角は、協和界面化学社製のDM−501を用いて、θ/2法に基づいて測定された。この結果から、コロナ放電処理を施した場合には、溝の側面および底面が親水化されることが確認された。
次いで、楔形の溝に、光吸収材としてのスチレンアクリル樹脂、アクリル樹脂およびウレタン樹脂中にカーボンを含有させた平均粒径が4μmのフィラー16.7質量部と、電離放射線硬化性樹脂としての多官能アクリレート27.6質量部と、モノマー55.0質量部とを含む粘度4,000mPa・sの第2の樹脂組成物を充填した。
その後、金属製のドクターブレードで余剰の第2の樹脂組成物を掻き取った後、紫外線を照射して第2の樹脂組成物を硬化させることにより、単位光吸収部を形成した。得られた光学シートの断面を光学顕微鏡で観察したところ、単位光吸収部(溝)の開口幅が12μmであり、溝の底の幅が10μmであり、深さが105mmであり、光学シートの法線方向に対する溝の側面の角度が0.5°であった。また、得られた光学シートに対して光を照射して、透過光による外観の目視検査を行ったところ、ピンホール状の光抜けは観察されず、良好な外観を有していた。
実施例2
実施例2においては、単位光吸収部(溝)の開口幅を12μm、溝の底の幅を5.4μmであり、深さが105mmであり、光学シートの法線方向に対する溝の側面の角度を1.8°となるように、実施例1と同様の方法で光学シートを作製した。得られた光学シートに対して光を照射して、透過光による外観の目視検査を行ったところ、実施例1と同様にピンホール状の光抜けは観察されず、良好な外観を有していた。
実施例3
実施例3においては、コロナ放電処理の代わりに大気圧プラズマ処理を溝に施した以外、実施例1と同様の方法で光学シートを作製した。得られた光学シートに対して光を照射して、透過光による外観の目視検査を行ったところ、実施例1と同様にピンホール状の光抜けは観察されず、良好な外観を有していた。
比較例1
比較例1においては、溝にコロナ放電処理を施さなかった以外、実施例1と同様の方法で光学シートを作製した。得られた光学シートに対して光を照射して、透過光による外観の目視検査を行ったところ、ピンホール状の欠陥が多数観察された。また、単位光吸収部の断面を観察したところ、単位光吸収部内に多数の気泡が観察された。
比較例2
比較例2においては、溝にコロナ放電処理を施さなかった以外、実施例2と同様の方法で光学シートを作製した。得られた光学シートに対して光を照射して、透過光による外観の目視検査を行ったところ、ピンホール状の欠陥が比較例1で確認された数量の1/3程度観察された。
(接触角測定試験)
実施例4および比較例3
実施例4においては、厚みが100μmのPET基材(A4300、東洋紡製)上に、硬化後の屈折率が1.55のウレタン系紫外線硬化性樹脂100質量部と、離型剤としてのリン酸エステル0.3質量部とを含む第1の樹脂組成物を用いて、成形金型で連続賦型加工を行い、複数の単位光透過部と、その単位光透過部間に並列して設けられた矩形状の溝を形成した。この溝は、幅5μm、深さ69μmの矩形状のものであり、かつ溝間の距離は51μmであった。このような単位光透過部付きPET基材を3枚用意した。
次いで、3枚の単位光透過部付きPET基材において、それぞれ、単位光透過部間の溝の側面および底面、ならびに単位光透過部の表面に対して、コロナ放電処理を施し、溝の側面および底面ならびに単位光透過部の表面に存在するリン酸エステルを分解した。ここで、3枚ある単位光透過部付きPET基材のうち、1枚目は0.5kW、2枚目は1.0kW、3枚目は2.0kwの出力でコロナ放電処理を施した。また、比較例3用の単位光透過部付きPET基材においては、単位光透過部間の溝の側面および底面ならびに単位光透過部の表面に対して、コロナ放電処理を施さなかった。
次いで、溝に、光吸収材としてのスチレンアクリル樹脂、アクリル樹脂およびウレタン樹脂中にカーボンを含有させた平均粒径が4μmのフィラー16.7質量部と、電離放射線硬化性樹脂としての多官能アクリレート27.6質量部と、モノマー55.0質量部とを含む粘度4,000mPa・sの第2の樹脂組成物を充填した。
その後、金属製のドクターブレードで余剰の第2の樹脂組成物を掻き取った後、紫外線を照射して第2の樹脂組成物を硬化させることにより、単位光吸収部を形成し、これにより、実施例4の光学シートを作製した。
比較例3の光学シートは、コロナ放電処理を溝の側面および底面ならびに単位光透過部の表面に施さなかった以外、実施例4と同様の方法により作製された。
そして、このように得られた実施例4および比較例3の光学シートにおいて、単位光透過部の表面に対する水の接触角を測定した。接触角は、協和界面化学社製のDM−501を用いて、θ/2法に基づいて測定された。
結果を図5に示す。図5はコロナ放電処理の際の出力と、単位光透過部の表面に対する水の接触角との関係を示すグラフである。図5に示されるように、実施例4に係る光学シートの単位光透過部は、比較例3(出力0kWの場合)に係る光学シートの単位光透過部に比べて、水との接触角が低かった。この結果から、コロナ放電処理により、単位光透過部の表面が親水化されたことが理解できる。
(単位光吸収部の凹み量測定試験)
実施例5および比較例4
実施例5においては、実施例4と同様に光学シートを作製したが、実施例5においては、溝の側面および底面ならびに単位光透過部の表面に対して、コロナ放電処理の代わりに大気圧プラズマ処理を施した。ここで、実施例5においては、4枚の単位光透過部付きPET基材を用意し、4枚ある単位光透過部付きPET基材のうち、1枚目は90V、2枚目は120V、3枚目は150V、4枚目は180Vの印加電圧で大気圧プラズマ処理を施した。
比較例4の光学シートは、大気圧プラズマ処理を溝の側面および底面ならびに単位光透過部の表面に施さなかった以外、実施例5と同様の方法により作製された。
そして、実施例5および比較例4の光学シートにおいて、単位光吸収部の凹み量を測定した。ここで、「凹み量」とは、光透過部の表面と同じ高さの位置から単位光吸収部の表面のうち最も凹んだ位置までの距離を意味するものとする。
結果を図6に示す。図6は大気圧プラズマ処理の際の印加電圧と、単位光吸収部の凹み量との関係を示すグラフである。図6に示されるように、実施例5に係る光学シートは、比較例4(印加電圧0Vの場合)の光学シートに比べて、単位光吸収部の凹み量が少なかった。この結果により、大気圧プラズマ処理を施した場合には、大気圧プラズマ処理を施していない場合に比べて、単位光吸収部の充填率が向上することが確認された。
(単位光透過の表面の動摩擦係数測定試験)
実施例4〜6および比較例4
実施例5および比較例4で作製された光学シートにおいて、単位光透過部の表面の動摩擦係数を測定した。動摩擦係数の測定は、協和界面化学社製のDM−501を用いて、JIS K7125プラスチックフィルムおよびシートの摩擦係数試験方法に準じて行われた。
また、実施例4で作製された3枚の光学シートのうち2.0kWの出力でコロナ放電処理が施された光学シートにおいても、単位光透過部の表面の動摩擦係数を測定した。さらに、実施例6として、実施例4と同様の方法により光学シートを作製し、この光学シートにおいても、単位光透過部の表面の動摩擦係数を測定した。ただし、実施例6の光学シートは、溝の側面および底面ならびに単位光透過部の表面に0.2kWの出力でコロナ放電処理が施されたものであった。
結果を図7および図8に示す。図7は大気圧プラズマ処理の際の印加電圧と単位光透過部の表面の動摩擦係数との関係を示すグラフである。図8はコロナ放電処理の際の出力と単位光透過部の表面の動摩擦係数との関係を示すグラフである。図7に示されるように、実施例5に係る光学シートは、比較例4(印加電圧0Vの場合)の光学シートに比べて、単位光透過部の表面の動摩擦係数が低かった。また、実施例5に係る光学シートは、実施例4および実施例6の光学シートに比べて、単位光透過部の表面の動摩擦係数が低かった。
これらの結果から、溝に対しコロナ放電処理や大気圧プラズマ処理等の表面改質処理を施した場合には、樹脂組成物が溝に対しより充填されることが確認できた。また、溝の側面および底面ならびに単位光透過部の表面に大気圧プラズマ処理を施した場合、コロナ放電処理を施した場合に比べて、溝および単位光透過部の表面の動摩擦係数が低くなることが確認できた。
1…基材、2…単位光透過部、3…溝、3a…側面、3b…底面、4…第2の樹脂組成物、5…単位光吸収部。

Claims (11)

  1. 光を透過可能な複数の単位光透過部と、前記単位光透過部の間に並列して設けられた複数の単位光吸収部とを備える光学シートの製造方法であって、
    型に樹脂と離型剤を含む第1の樹脂組成物を供給して、光を透過可能な複数の単位光透過部を形成するとともに、その単位光透過部間に並列して設けられた略台形断面または略矩形断面を有する溝を形成し、
    少なくとも前記溝の側面および底面に表面改質処理を施して、前記溝の側面および底面に存在する前記離型剤を分解し、
    前記離型剤を分解した後、前記溝に硬化性樹脂と光吸収材とを含む第2の樹脂組成物を充填し、
    前記充填された前記第2の樹脂組成物を硬化させて、単位光吸収部を形成すること、
    を含むことを特徴とする、光学シートの製造方法。
  2. 前記表面改質処理が、コロナ放電処理、大気圧プラズマ処理、酸素プラズマ処理、紫外線洗浄処理、オゾン処理、およびアルカリ処理のいずれかである、請求項1に記載の光学シートの製造方法。
  3. 前記表面改質処理が、大気圧プラズマ処理である、請求項2に記載の光学シートの製造方法。
  4. 前記表面改質処理が施された前記溝の側面および底面の動摩擦係数および静摩擦係数が0.1〜0.3である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光学シートの製造方法。
  5. 前記離型剤がリン酸エステルである、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光学シートの製造方法。
  6. 前記溝の深さが、50〜200μmである、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光学シートの製造方法。
  7. 前記溝の側面が、光学シートの法線方向に対して0〜2°の角度を有する、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光学シートの製造方法。
  8. 前記第2の樹脂組成物を充填した後であって前記第2の樹脂組成物を硬化させる前に、余剰の前記第2の樹脂組成物を掻き取ることをさらに備える、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光学シートの製造方法。
  9. 前記硬化性樹脂が透明な電離放射線硬化性樹脂であり、前記光吸収材が着色微粒子である、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の光学シートの製造方法。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の光学シートの製造方法により得られる光学シートを備えることを特徴とする、表示装置用光学フィルタ。
  11. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の光学シートの製造方法により得られる光学シートを備えることを特徴とする、表示装置。
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