JP2012025843A - 粘着剤用組成物並びに粘着剤。 - Google Patents

粘着剤用組成物並びに粘着剤。 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、粘着剤樹脂組成物を、粘着テープに加工した際に、高い粘着力有しながら、且つ粘着テープを一度基材に貼合した後に再度剥離した際に凝集破壊しない粘接着剤を提供することを目的とする。
【解決手段】重量平均分子量が10万〜200万であるアクリル系ポリマー(A)と、1分子中に平均1.9〜2.5個のイソシアネート基を含有するポリイソシアネート(B)とを含有することを特徴とする粘着剤用樹脂組成物である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、プラスチックフィルム、紙、ガラス、金属箔、液晶パネル、PDP、タッチパネル(TSP)等の光学用部材等に用いるアクリル系ポリマーからなる粘着剤用組成物並びに粘着剤に関する。
さらに詳しくは本発明は、粘着テープ等に加工した際にある程度以上の高い粘着力を有しながら、且つ粘着テープを一度基材に貼合した後に再度剥離した際に凝集破壊(基材への粘着剤の転着)していない物性を有する粘着剤組成物に関する。
近年、アクリル系ポリマーからなる粘着剤は、工業用粘着テープ、粘着シート、ラベル、各種光学用(例えば、タッチパネル用、液晶パネル用偏光板固定用等)等の種々の分野で使用されている。こうした粘着剤は、粘着テープに加工した際にある程度以上の高い粘着力有しながら、且つ粘着テープを一度基材に貼合した後に再度剥離した際に凝集破壊(基材への粘着剤の転着)していない物性を有することが求められる。
そこで、例えばポリイソシアネート化合物とアクリル系ポリマーの反応点(架橋点)を適度に少なくすることで、高い粘着(接着)力を有する粘着剤を得られることが一般に知られている。ポリイソシアネート化合物とアクリル系ポリマーの反応点を適度に少なくするには、アクリルポリマーに対するポリイソシアネートの配合量を少なくする、又は、アクリルポリマー中のポリイソシアネートとの反応点(水酸基等)の含有量を減らす等の方法が一般に知られている。
しかし、アクリルポリマーに対するポリイソシアネートの配合量を少なくすると、粘着剤を塗工時に配合するイソシアネート化合物の割合が作業環境に起因して増減したり、大気中や溶剤中の水分とイソシアネートが反応することでイソシアネート基の量が減少した際に、その粘着剤の接着力が大きく変化することしばしば起こり良くない。
又、アクリルポリマー中のポリイソシアネートとの反応点(水酸基等)の含有量を減らし過ぎると、粘着テープを一度基材に貼合した後に再度剥離した際に凝集破壊が生じ、又反応点の含有量をあまり減らさないと高い粘着力を得ることが出来ない。
一方、例えばポリイソシアネート化合物とアクリル系ポリマーの反応点(架橋点)を適度に多くすることで高い凝集力を有する、即ち粘着テープを一度基材に貼合した後に再度剥離した際に凝集破壊(基材への粘着剤の転着)していない物性を有する粘着剤を得られることが一般に知られている。
ポリイソシアネート化合物とアクリル系ポリマーの反応点を適度に多くするには、アクリルポリマーに対するポリイソシアネートの配合量を多くする、又は、アクリルポリマー中のポリイソシアネートとの反応点(水酸基等)の含有量を増やす等の方法が一般に知られている。
しかしながら、アクリルポリマーに対するポリイソシアネートの配合量を多くしたり、アクリルポリマー中のポリイソシアネートとの反応点(水酸基等)の含有量を増やす等の処置を実施すると粘剤樹脂組成物を粘着テープ等に加工した際に高い粘着力を得ることが出来ない。
また、特許文献1では、炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーを80〜99.9重量%、アクリル酸および/またはメタクリル酸を0.1〜4重量%および上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーと上記アクリル酸およびメタクリル酸とに共重合可能な他のモノマーを0〜19.9重量%の量で共重合させたアクリル酸エステル系共重合体と、軟化点95〜160℃の粘着付与樹脂とからなる組成物に、反応硬化剤として1分子に約3個のイソシアネート基を有するポリイソシアネート系硬化剤やエポキシ系硬化剤を配合することで、JIS−Z−0237.8に準拠した粘着力測定法により測定されたステンレス等に対する粘着力が良好な粘着力を有し、且つステンレス等に1度貼り付け、一定時間養生後再度剥離する際に糊残り(粘着剤の凝集破壊)が発生しない粘着剤層を有する養生テープが開示されている。
しかし、特許文献1の実施例に於いて乾燥後粘着剤層の塗膜厚を25μmとした粘着テープの場合、ステンレスに1度貼り付け、一定時間養生後再度剥離する際に糊残り(粘着剤の凝集破壊)が発生しない組成では最も高いものでも、JIS−Z−0237.8に準拠した粘着力測定法では1100g/25mmの粘着力に留まっている。また、ステンレス基材に対する粘着力が1200g/25mm以上のものでは基材への糊残り(粘着剤の凝集破壊)が生じてしまっている。
特開平10−60400公報
本発明は、粘着剤樹脂組成物を、粘着テープに加工した際に高い粘着力有しながら、且つ粘着テープを一度基材に貼合した後に再度剥離した際に凝集破壊しない粘接着剤を提供することを目的としている。
本発明者らは前記の課題を解決するため、鋭意検討の結果、特定の組成の樹脂組成物並びに、それを用いた粘着剤、粘着テープが前記問題を解決するものであることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明において、第1の発明は、重量平均分子量が10万〜200万であるアクリル系ポリマー(A)と、1分子中に平均1.9〜2.5個のイソシアネート基を含有するポリイソシアネート(B)とを含有することを特徴とする粘着剤用樹脂組成物に関する。
また、第2の発明は、アクリル系ポリマー(A)100重量部に対し、1分子中に平均1.9〜2.5個のイソシアネート基を含有するポリイソシアネート(B)を0.1重量部〜10重量部用いることを特徴とする上記発明の粘着剤用樹脂組成物に関する。
また、第3の発明は、アクリル系ポリマー(A)100重量部中に水酸基を1〜12mmol含有することを特徴とする上記いずれかの発明の粘着剤用樹脂組成物関する。
また、第4の発明は、アクリル系ポリマー(A)が、重量平均分子量が10万〜80万であることを特徴とする上記いずれかの発明の粘着剤用樹脂組成物に関する。
また、第5の発明は、アクリル系ポリマー(A)が、水酸基含有(メタ)アクリルモノマーと、水酸基含有(メタ)アクリルモノマー以外のモノマーとを共重合してなる共重合体であることを特徴とする上記いずれかの発明の粘着剤用樹脂組成物に関する。
また、第6の発明は、水酸基含有(メタ)アクリルモノマーが、少なくとも(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル又は(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルである上記いずれかの発明の粘着剤用樹脂組成物に関する。
また、第7の発明は、ポリイソシアネート(B)が、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタンおよび水添化ジフェニルメタンジイソシアネートからなる群より選択される少なくとも1種のジイソシアネート、またはその誘導体であることを特徴とする上記いずれかの発明の粘着剤用樹脂組成物に関する。
また、第8の発明は、上記いずれか記載の粘着剤用樹脂組成物を用いてなる粘着剤に関する。
また、第9の発明は、上記いずれか記載の粘着剤用樹脂組成物を用いてなる光学用粘接着剤に関する。
本発明の粘着剤樹脂組成物は、粘着剤に用いることで、粘着テープに加工した際に高い粘着力有しながら、粘着テープを一度基材に貼合した後に再度剥離した際に凝集破壊しない特性を有する粘着テープが得られる粘着剤樹脂組成物を提供できた。
本発明の粘着剤用樹脂組成物について具体的に説明する。
水酸基を含有するアクリル系ポリマーにポリイソシアネートを添加し粘着剤とすることは既に知られており、ポリイソシアネートをアクリルポリマー中の水酸基と反応させることによってアクリル系粘着剤はある程度の粘着力を有し、様々な被着体に貼りつけても凝集破壊することなく剥離することが出来る。
ところが、粘着テープに加工した際にある程度以上の高い粘着力を有しながら、且つ粘着テープを一度基材に貼合した後に再度剥離した際に凝集破壊(基材への粘着剤の転着)していない物性を有する粘着剤を提供することは、上記した通り従来の技術では困難であった。
本発明者らは、粘着剤を粘着テープに加工した際にある程度以上の高い粘着力を有しながら、且つ粘着テープを一度基材に貼合した後に再度剥離した際に凝集破壊(基材への粘着剤の転着)していない物性を有するべく研究を重ねた結果、重量平均分子量が10万〜200万であるアクリル系ポリマー(A)、及び、1分子中に平均1.9〜2.5個のイソシアネート基を含有するポリイソシアネート(B)を含有することを特徴とする粘着剤用樹脂組成物を用いることで上記の性能を達成できることを見出した。
アクリル系ポリマー(A)は、粘着剤用樹脂組成物並びに粘着剤の主成分となるものであり、通常は、炭素原子数1〜18程度のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーやカルボキシル基を有する単量体等を共重合させることにより製造される。
ここで使用される(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの例としては、水酸基を含有しないものでは(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸sec−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ウンデシルおよび(メタ)アクリル酸ラウリル等を挙げることができる。
また水酸基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの例としては、(アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ジヒドロキシプロピル等を挙げることができる。
また、本発明のアクリル系ポリマーを形成するカルボキシル基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、マレイン酸モノブチルおよび、β−カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシル基を含有するモノマーを挙げることができる。
また、本発明で使用するアクリル系ポリマー(A)には、上記の他にこのアクリル系ポリマーの特性を損なわない範囲内で他の官能基を有するモノマーが共重合していても良い。
ここで他の官能基を有するモノマーの例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミドおよびN−エチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基を含有するモノマー;N-メチロール(メタ)アクリルアミドおよびジメチロール(メタ)アクリルアミド等のアミド基とメチロール基とを含有するモノマー、アミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびビニルピリジン等のアミノ基を含有するモノマーのような官能基を有するモノマー等を挙げることができる。
さらに、上記のようなアクリル系モノマーの他に、エチレン性二重結合を有するモノマーを使用することができる。ここでエチレン性二重結合を有するモノマーの例としては、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチルおよびフマル酸ジブチル等のα、β−不飽和二塩基酸のジエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;ビニルエーテル;スチレン、α−メチルスチレンおよびビニルトルエン等のビニル芳香族化合物;(メタ)アクリロニトリル等を挙げることができる。
また、上記のようなエチレン性二重結合を有するモノマーの他に、エチレン性二重結合を2個以上有する化合物を併用することもできる。このような化合物の例としては、ジビニルベンゼン、ジアリルマレート、ジアリルフタレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。
さらに、本発明では、例えば、エチレン、プロピレン等のオレフィン類を共重合させることも可能である。本発明のアクリル系ポリマー(A)は、有機溶媒中に上記の単量体を投入し、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で、反応温度50〜100℃、反応時間2〜20時間反応させることにより製造することができる。この反応に際しては、アゾビスイソブチロニトリルのような反応開始剤を使用する。こうして得られたアクリル系ポリマーの重量平均分子量は、通常は10万〜200万の範囲内にある。また、上記のようにして有機溶媒中で反応させることにより、アクリル系ポリマーは有機溶媒溶液として得られる。こうして得られたアクリル系ポリマーの有機溶媒溶液は、有機溶媒を分離せずそのまま使用することができる。
本発明のアクリルポリマーに水酸基を含有させる方法は、以下に限定されるものではないが、例えば上記水酸基含有(メタ)アクリルモノマーをアクリルポリマー重合時に共重合する方法、水酸基を含有する重合開始剤や連鎖移動剤を用いる方法等が挙げられる。
本発明のアクリル系ポリマーは重量平均分子量が10万〜200万であることが好ましく、10万〜150万であることがさらに好ましく、10万〜80万であることがさらに好ましい。重量平均分子量が10万未満だと粘着剤を基材から剥離した際に基材に粘着剤が転着してしまう恐れが生じる。また、重量平均分子量が200万を超えると、粘着剤の粘度が高くなりすぎ塗工に支障が生じる。
本発明において、ポリイソシアネート(B)は、1分子中に平均1.9〜2.5個のイソシアネート基を含有することが好ましく、2〜2.3個を含有することがより好ましく、2〜2.2個を含有することがさらに好ましい。ポリイソシアネート(B)1分子中のイソシアネート基量が1.9個未満であると、粘着剤を基材に張り合わせた後、剥がす際に基材に糊残りが発生し易く好ましくない、又ポリイソシアネート(B)1分子中のイソシアネート基量が2.5個より多いと、粘着剤樹脂組成物を、粘着テープに加工した際にある程度以上の高い粘着力有しながら、且つ粘着テープを一度基材に貼合した後に再度剥離した際に凝集破壊(基材への粘着剤の転着)していない物性を有する粘着剤を得ることが困難となる。
又、本発明の粘着剤用樹脂組成物に含有されるアクリル系ポリマー(A)は、水酸基を100g重量部中に1〜12mmol含有することが好ましく、1〜6mmol含有することがより好ましく、1〜2.5mmol含有することがさらに好ましい。アクリル系ポリマー(A)100g重量部中の水酸基の含有量が1mmol未満であると、ポリイソシアネートと反応する部位が少なくなりすぎるため、粘着剤樹脂組成物を、粘着テープに加工した際再度剥離した際に凝集破壊(基材への粘着剤の転着)する恐れがある。
また、アクリル系ポリマー(A)100g重量部中の水酸基の含有量が12mmolより多いと、塗工時に配合するポリイソシアネートの割合が作業環境に起因して増減したり、大気中や溶剤中の水分とイソシアネートが反応することでイソシアネート基の量が減少した際に、接着剤の接着力が大きく変化する問題が生じ易くなるため良くない。
さらに、本発明の粘着剤用樹脂組成物に含有されるポリイソシアネート中のイソシアネート基のモル数は、アクリル系ポリマー中の水酸基のモル数と当量以上であることが好ましく、より詳細には水酸基に対して、1.0〜3.0倍であることが好ましく、1.0〜2.0倍であることがより好ましく、1.0〜1.5倍であることがさらに好ましい。
接着剤に含有されるポリイソシアネート中のイソシアネート基のモル数が、アクリル系ポリマー中の水酸基のモル数の当量未満であると、塗工時に配合するポリイソシアネートの割合が作業環境に起因して増減したり、大気中や溶剤中の水分とイソシアネートが反応することでイソシアネート基の量減少した際に、接着剤の接着力が大きく変化する問題が生じ易くなり良くない。
又、ポリイソシアネート中のイソシアネート基のモル数が、アクリル系ポリマー中の水酸基のモル数の3.0倍より多いと、粘着力が低くなりすぎ易く、一度貼り合わせた被着体と剥がれ易くなる問題が生じ易くなる。
本発明に用いるポリイソシアネート(B)のポリイソシアネートの具体例として、トリレンジイソシアネート、クロルフェニレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添されたジフェニルメタンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物、及びこれらのジイソシアネートの誘導体としてジイソシアネートをトリメチロールプロパンなどと付加したイソシアネート化合物やイソシアヌレート化物、ビュレット型化合物、さらにはポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールなど付加反応させたウレタンプレポリマー型のイソシアネートなどを挙げることができる。これらのうち、ヘキサメチレンジイソシアネートが高い粘着力を得るために好ましく用いられる。
本発明に用いるポリイソシアネート(B)は、1分子中に平均1.9〜2.5個のイソシアネート基を含有することが好ましく、1分子中に平均1.9〜2.3個のイソシアネート基を含有することがより好ましく、1分子中に平均1.9〜2.1個のイソシアネート基を含有することがさらに好ましい。
上記のイソシアネート基含有量のポリイソシアネートとしては、上記ジイソシアネート及び上記ジイソシアネートート化合物、及びこれらのジイソシアネートの誘導体としてジイソシアネートから生成されるアロハネート型2官能イソシアネート化合物(例えば、日本ポリウレタン工業株式会社製コロネート2770)、モノアミンを用いたビウレット型2官能イソシアネート化合物、及びビウレット型、イソシアヌレート型、トリメチロールプロパン付加型3官能(1分子に3個のイソシアネート基を有する)ポリイソシアネートの1部のイソシアネート基(ポリイソシアネート1分子つき0.5〜1個のイソシアネート基)をモノアルコール、モノアミン、モノカルボン酸等と反応させることで、1分子中に平均2〜2.5個のイソシアネート基を含有するように調整したポリイソシアネート等が挙げられる。これらの、ポリイソシアネートは単独で使用しても、2種類以上を併用して用いても良い。
アクリル系ポリマー(A)100重量部に対し、ポリイソシアネート(B)は、0.1重量部〜30重量部用いることが好ましく、0.1〜15重量部用いることがより好ましく、0.2〜7重量部用いることがさらに好ましい。
アクリル系ポリマー(A)100重量部に対し、ポリイソシアネート(B)は、0.1重未満であると粘着剤樹脂組成物を、粘着テープに加工した際にある程度以上の高い粘着力有しながら、且つ粘着テープを一度基材に貼合した後に再度剥離した際に凝集破壊していない物性を有する粘着剤を得ることが困難となる。
アクリル系ポリマー(A)100重量部に対し、ポリイソシアネート(B)は、30重部より多いと、粘着テープに加工した際にある程度以上の高い粘着力を得ることが出来ない。
本発明のアクリル系粘着剤組成物に配合できる他の成分としては、シランカップリング剤、タッキファイヤー、エポキシ硬化剤等の硬化剤、可塑剤および染料等を挙げることができる。上記の他の成分としては、既に公知の成分を単独あるいは組み合わせて配合することができる。
本発明に用いるシランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン,ビニルトリエトキシシラン,メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の重合性不飽和基含有ケイ素化合物、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン,3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン,2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ構造を有するケイ素化合物、3−アミノプロピルトリメトキシシラン,N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン,N−(2−アミノエチル)−3アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基含有ケイ素化合物、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、通常の2液型粘着剤と同様に使用することができる。例えば、有機溶媒中に溶解若しくは分散しているアクリル系ポリマー中に所定量のポリイソシアネートを加えて充分に混合する。この際にタッキファイヤー、シランカップリング剤等の他の成分も必要により配合して混合する。
次いでこの混合物を剥離紙上に塗布し、溶剤を除去後支持体上に転写し接着剤として使用することができる。特に本発明のアクリル系粘着剤組成物は、上記のように支持体上に転写した後、常温で5日以上程度熟成させた後に使用することが好ましい。
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、通常の2液型粘着剤と同様に使用することができる。例えば、有機溶媒中に溶解若しくは分散しているアクリル系ポリマー中に所定量のポリイソシアネートを加えて充分に混合する。この際にタッキファイヤー、シランカップリング剤等の他の成分も必要により配合して混合する。
本発明の光学用粘着剤は、具体的には、液晶パネル、液晶パネル用偏光板、液晶素子、PDP、タッチパネル(TSP)等の光学用部材等に用いる光学用フィルムや液晶素子用の偏光板等に用いることが出来る。
さらに詳しくは、例えば、液晶素子に用いられる場合、液晶素子は、所定の方向に配向した液晶成分が二枚の基板間に挟持された構造を有しており、この基板の表面には偏光板や偏光板と位相差板の積層体が貼着されている。このような液晶素子は、装置の軽量化、薄型化に適しているため、近年、この液晶素子を車載用、屋外計器用、さらにはパソコンのディスプレイや壁掛けテレビなどの表示装置として使用されるようになってきており、これに伴い使用環境も非常に過酷になってきている。このような過酷な条件下では、偏光板の寸法変化が生じ、この寸法変化に伴い、発泡、ハガレが生じやすくなったり、偏光板の寸法変化によって生ずる内部応力が偏光板周縁部に集中し、液晶素子の周縁部が中央部より明るかったり、あるいは暗くなったりするなどの液晶素子表面に色むらが発生する。
本発明の光学用粘着剤を用いると、上記のような過酷な条件下で使用しても、発泡、ハガレが生じることなく、液晶素子の周縁部が中央部より明るかったり、あるいは暗くなったりするなどの液晶素子表面に色むらが発生することがない。
次に製造例および実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定的に解釈されない。なお、以下に示す実施例等において「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を表す。
(製造例1)
[アクリル系ポリマー1の製造]
セパラブル4口フラスコに温度制御用レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付けて酢酸エチル100部を仕込み、約78℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりアクリル酸ブチル99.71部、アクリル酸4−ヒドロキシブチル0.19部(モノマー100gにつき水酸基1.35mmol)、アゾビスイソブチロニトリル0.1部を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し重量平均分子量(Mw)が52万のアクリル系ポリマー溶液1を得た。
(製造例2)
[アクリル系ポリマー2の製造]
セパラブル4口フラスコに温度制御用レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付けて酢酸エチル100部を仕込み、約78℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりアクリル酸ブチル99.5部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル0.4部(モノマー100gにつき水酸基2.9mmol)、アゾビスイソブチロニトリル0.1部を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し重量平均分子量(Mw)が50万のアクリル系ポリマー溶液2を得た。
(製造例3)
[アクリル系ポリマー3の製造]
セパラブル4口フラスコに温度制御用レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付けて酢酸エチル100部を仕込み、約78℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりアクリル酸ブチル99.0部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル0.8部(モノマー100gにつき水酸基6.9mmol)、アゾビスイソブチロニトリル0.1部を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し重量平均分子量(Mw)が48万のアクリル系ポリマー溶液3を得た。
(製造例4)
[アクリル系ポリマー4の製造]
セパラブル4口フラスコに温度制御用レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付けて酢酸エチル100部を仕込み、約78℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりアクリル酸ブチル99.9部、アクリル酸4−ヒドロキシブチル0.1部(モノマー100gにつき水酸基0.7mmol)、アゾビスイソブチロニトリル0.1部を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し重量平均分子量(Mw)が53万のアクリル系重合体溶液4を得た。
(製造例5)
[アクリル系ポリマー5の製造]
セパラブル4口フラスコに温度制御用レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付けて酢酸エチル100部を仕込み、約78℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よアクリル酸ブチル99.9部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル1.5部(モノマー100gにつき水酸基12.8mmol)、アゾビスイソブチロニトリル0.1部を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し重量平均分子量(Mw)が53万のアクリル系ポリマー溶液5を得た。
(製造例6)
[ポリイソシアネート溶液1の製造]
ポリイソシアネート系化合物であるアロハネート型2官能イソシアネート化合物であるコロネート2770(日本ポリウレタン工業株式会社製)を酢酸エチルで50%溶液になるように調整しポリイソシアネート溶液1とした。
(製造例7)
[ポリイソシアネート溶液2の調整]
1分子に3個のイソシアネート基を含有するトリメチロールプロパントリレンジイソシアネートを、平均1分子当たり0.8個のイソシアネート基相当のブチルアルコールで反応させた。その溶液を酢酸エチルで50%溶液になるように調整しポリイソシアネート溶液2とした。
(製造例8)
[ポリイソシアネート3溶液の調整]
1分子に3個のイソシアネート基を含有するトリメチロールプロパンヘキサメチレンジイソシアネートを、平均1分子当たり0.6個のイソシアネート基相当のラウリルアルコールで反応させた。その溶液を酢酸エチルで50%溶液になるように調整しポリイソシアネート溶液3とした。
(製造例9)
[ポリイソシアネート溶液4の調整]
1分子に3個のイソシアネート基を含有するトリメチロールプロパントリレンジイソシアネートを、平均1分子当たり1.5個のイソシアネート基相当のブチルアルコールで変性(反応)した硬化剤を酢酸エチルで50%溶液になるように調整しポリイソシアネート溶液4とした。
(製造例10)
[ポリイソシアネート5溶液の調整]
1分子に3個のイソシアネート基を含有するトリメチロールプロパンヘキサメチレンジイソシアネートを、酢酸エチルで50%溶液になるように調整しポリイソシアネート溶液5とした。
上記製造例1〜5のアクリル系ポリマーと製造例6〜10のポリイソシアネート溶液を表1に示した組み合わせにより、NCO基とOH基がmol比でNCO基/OH基=1.2となるように混合し、さらにタッキファーヤーとして荒川化学工業株式会社製パインクリスタルKE−359をアクリル系ポリマーとポリイソシアネートの合計量100重量部に対し17.5重量部を添加した後に、酢酸エチルにて混合溶液の不揮発分濃度を25重量%の粘着剤用組成物溶液とし剥離紙上に乾燥後の厚さが25μmとなるように塗布し、乾燥後ポリエステルフィルムへ粘着剤用組成物を転写した。
Figure 2012025843
粘着剤用組成物を転写したポリエステルフィルムを常温で7日間熟成して粘着テープを得た。
[試験方法]
上記のように調製した、実施例1〜9のテープおよび比較例1〜11の比較テープについて、JIS−Z−0237.8に準拠した試験方法で評価した。
粘着力試験テープをステンレス板に2Kgのハンドローラーで1往復して圧着させた。試料を23℃、50%RH雰囲気で約24時間放置後、この試験テープを剥離角度180度、引張り速度5mm/秒の条件で剥離したときの強度の測定および剥離時に粘着剤が凝集破壊の有無を観察した。(剥離温度23℃(常温))。
上記の粘着力、および剥離時の粘着剤の凝集破壊の有無を観察した試験の結果を表2に示す。
Figure 2012025843
表2の結果より、本発明の粘着剤用樹脂組成物を用いた粘着剤のみが優れた粘着性能すなわち、高い粘着力を有しながら、剥離時に凝集破壊を起こさないことが明らかである。

Claims (9)

  1. 重量平均分子量が10万〜200万であるアクリル系ポリマー(A)と、1分子中に平均1.9〜2.5個のイソシアネート基を含有するポリイソシアネート(B)とを含有することを特徴とする粘着剤用樹脂組成物。
  2. アクリル系ポリマー(A)100重量部に対し、1分子中に平均1.9〜2.5個のイソシアネート基を含有するポリイソシアネート(B)を0.1重量部〜10重量部用いることを特徴とする請求項1記載の粘着剤用樹脂組成物。
  3. アクリル系ポリマー(A)100重量部中に水酸基を1〜12mmol含有することを特徴とする請求項1又は2記載の粘着剤用樹脂組成物。
  4. アクリル系ポリマー(A)が、重量平均分子量10万〜80万であることを特徴とする請求項1から3いずれか記載の粘着剤用樹脂組成物。
  5. アクリル系ポリマー(A)が、水酸基含有(メタ)アクリルモノマーと、水酸基含有(メタ)アクリルモノマー以外のモノマーとを共重合してなる共重合体であることを特徴とする請求項1から4いずれか記載の粘着剤用樹脂組成物。
  6. 水酸基含有(メタ)アクリルモノマーが、少なくとも(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル又は(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルである請求項1から5いずれか記載の粘着剤用樹脂組成物。
  7. ポリイソシアネート(B)が、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタンおよび水添化ジフェニルメタンジイソシアネートからなる群より選択される少なくとも1種のジイソシアネート、またはその誘導体であることを特徴とする請求項1から6いずれか記載の粘着剤用樹脂組成物。
  8. 請求項1から7いずれか記載の粘着剤用樹脂組成物を用いてなる粘着剤。
  9. 請求項1から7いずれか記載の粘着剤用樹脂組成物を用いてなる光学用粘着剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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