JP2012024674A - 窒素酸化物浄化用触媒及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】窒素酸化物を浄化する触媒(SCR触媒)において、規制物質である銅を使用することなく、高温水蒸気下の耐久性が高いゼオライト触媒の提供、および前記ゼオライト触媒の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】骨格構造にアルミニウム原子とリン原子とケイ素原子を含むゼオライトに鉄を担持した窒素酸化物浄化用触媒であり、(1)鉄の担持量がゼオライトの総重量の1重量%以上、(2)該触媒をCuKαをX線源に用いたX線回折測定した際に、回折角(2θ)が21.2〜21.6度の範囲に観察される回折ピーク高さが0.01以上、(3)該触媒を800℃で5時間水蒸気処理後にCuKαをX線源に用いたX線回折測定した際に、回折角(2θ)が20.6〜21.0度の範囲に観察される回折ピーク高さに対する回折角(2θ)が21.2〜21.6度の回折ピーク高さの比が0.01以上1.0以下である、窒素酸化物浄化用触媒。
【選択図】なし

Description

本発明は窒素酸化物浄化用触媒、特にディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中に含まれる窒素酸化物を浄化することができる、ゼオライトを含む触媒、及び該ゼオライト触媒を効率よく製造する方法に関する。
内燃機関からの排ガスや工場排ガス等に含まれる窒素酸化物は、V-TiO
媒とアンモニアとを用いた選択的触媒還元(SCR:SelectiveCatalytic Reduction)により浄化されてきた。しかし、V-TiO触媒は
高温において昇華し、排ガスから触媒成分が排出される可能性があるため、特に自動車等の移動体の排ガス浄化には適していない。
そこで近年自動車、特に窒素酸化物の浄化が難しいディーゼル車において、前記選択的触媒還元を行う触媒(以下、「SCR触媒」と称することがある)として、金属を担持したゼオライト触媒が提案されている。担持する金属としては銅や鉄が一般的に用いられるが、日本など、銅の使用が制限された国や地域については鉄が一般的に用いられる。
また、近年排ガス規制の強化に従い、排ガス中に含まれる粒子状物質(Particulate Matter、以下PMという)を除去するために、DPF(Diesel particulate filter)というフィルターをSCR触媒と同時に用いる必要がある。DPFに捕捉されたPMは、通常600〜700℃の高温下において燃焼することにより除かれる。SCR触媒をDPF直後に装着する、またはDPF上にSCR触媒を担持するといった検討が行われている。しかしその場合PMの燃焼時にはSCR触媒も700℃近い温度まで上昇するため、従来SCR触媒に用いられているβ型、MFI型のアルミノシリケートゼオライト触媒は耐熱性が不十分であり、使用することが困難である。
近年ゼオライトとして、骨格構造に少なくともアルミニウム原子とリン原子とケイ素原子を含むゼオライト(以下、「シリコアルミノフォスフェート」または「SAPO」ということがある。)を用い、金属を担持した触媒を用いると高温での耐久性が高い触媒が得られることが知られている。例えば、非特許文献1では、SAPOに銅、鉄等金属を担持した炭化水素を還元剤とした窒素酸化物浄化触媒が提案されている。また、特許文献1では、700から900℃水蒸気下処理を行っても比表面積が低下しないSAPOに金属を担持した窒素酸化物浄化用触媒が提案されている。
また、鉄担持ゼオライト触媒の製造方法としては、アルミノシリケートゼオライトに関して特許文献2などにあるように、硝酸塩、硫酸塩等の無機酸塩を用いてイオン交換法で鉄を担持する方法が一般的に用いられる。
さらに浄化性能を向上させるために、鉄担持アルミノシリケートゼオライト触媒の製造方法として、特許文献3などにあるように塩化鉄とゼオライトにより固体イオン交換し、還元雰囲気又は不活性雰囲気下において熱処理する方法が開示されている。
米国特許第7645718号明細書 特開2008−81348号公報 特開2007−245050号公報
J.Catal.169(1997),93−102
しかし、非特許文献1に記載のSAPO触媒は700℃以上の水蒸気下での耐久試験で性能が低下してしまうという問題点があった。これは、SAPOの結晶性が悪いことに加えて、鉄の分散が不十分で、高温水蒸気下において、SAPOの構造が分解してしまうことが原因と考えられる。また特許文献1に記載のSAPO触媒では、銅を担持した場合は良好な性能と高温水蒸気下の耐久性を有するものの、鉄を担持した場合、一般的なイオン交換法を用いていることから、鉄の担持量が0.4重量%以下と非常に低く、実用的に使用するには窒素酸化物浄化性能が不十分であるという問題があった。
また、SAPOは一般的にアルミノシリケートに比べ酸性状態においておくと、不安定で、従来用いられている酸性の無機塩を鉄源として用いると十分な性能が得られないという問題があった。
さらに、鉄源として塩化鉄を使用する場合には、腐食性の塩素ガスが発生し、また水素等還元雰囲気下での焼成は爆発の危険性があり、工業化が非常に困難であるという問題があった。
本発明は、規制物質である銅を使用することなく、高温水蒸気下の耐久性が高い窒素酸化物浄化触媒の提供、および前記窒素酸化物浄化触媒の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討の結果、鉄を担持したシリコアルミノフォスフェートのうち、鉄の担持量がゼオライトの総重量の1重量%以上であり、X線回折測定において、特定のピークの高さ比が特定の範囲に入っているものが窒素酸化物の浄化性能が高く、また高水蒸気下の耐久性も良好であり、窒素酸化物浄化用SCR触媒として好適であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明の第一の要旨は、骨格構造に少なくともアルミニウム原子とリン原子とケイ素原子を含むゼオライトに鉄を担持した窒素酸化物浄化用触媒であって、
(1)鉄の担持量がゼオライトの総重量の1重量%以上であり、
(2)該触媒をCuKαをX線源に用いたX線回折測定したときに、回折角(2θ)が21.2〜21.6度の範囲に観察される回折ピーク高さが0.01以上であり、
(3)該触媒を800℃で5時間水蒸気処理した後にCuKαをX線源に用いたX線回折測定したときに、回折角(2θ)が20.6〜21.0度の範囲に観察される回折ピーク高さに対する、回折角(2θ)が21.2〜21.6度の範囲に観察される回折ピーク高さの比が0.01以上1.0以下である、窒素酸化物浄化用触媒(以下、これを「本発明の窒素酸化物浄化用触媒」と称することがある)に存する。
本発明により、規制物質である銅を使用することなく、窒素酸化物の浄化性能が高く、高温水蒸気下の耐久性が高い窒素酸化物浄化触媒が提供される。また前記窒素酸化物浄化触媒の簡便な方法での製造が可能となる。
実施例1に記載の触媒1の水蒸気処理前のXRDチャートである。 実施例1に記載の触媒1の水蒸気処理後のXRDチャートである。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定はされない。
(1)窒素酸化物とその浄化
本発明の窒素酸化物浄化用触媒により浄化される窒素酸化物としては、一酸化窒素、二酸化窒素、亜酸化窒素等が挙げられる。なお以下これらをまとめてNOx類と呼ぶことがある。本明細書において窒素酸化物を浄化するとは、窒素酸化物を触媒上で反応させ、窒素と酸素等に転化することをいう。
この場合、窒素酸化物が直接反応してもよいが、浄化効率を上げる目的で触媒中に還元剤を共存させてもよい。還元剤としては、アンモニア、尿素、有機アミン類、一酸化炭素、炭化水素、アルコール、水素等が用いられ、好ましくはアンモニア、尿素が用いられる。
(2)窒素酸化物浄化用触媒
本発明の窒素酸化物浄化用触媒触媒とは、上記に記載した、窒素酸化物を浄化することができる触媒をいい、具体的には以下の性質を有するものである。
(I)鉄の担持量がゼオライトの総重量の1重量%以上であり、
(II)該触媒をCuKαをX線源に用いたX線回折測定したときに、回折角(2θ)が21.2〜21.6度の範囲に観察される回折ピーク高さが0.01以上であり、
(III)該触媒を800℃で5時間水蒸気処理した後にCuKαをX線源に用いたX線回
折測定したときに、回折角(2θ)が20.6〜21.0度の範囲に観察される回折ピーク高さに対する、回折角(2θ)が21.2〜21.6度の範囲に観察される回折ピーク高さの比が0.01以上1.0以下である。
上記ゼオライトとは、International Zeolite Association (以下IZA)の規定によるゼオライト類をいい、具体的なゼオライトとしては、骨格構造を構成する原子として、少なくとも酸素、アルミニウム(Al)、リン(P)、ケイ素(Si)を含むもの(以下、シリコアルミホスフェート類ということがある。)である。
シリコアルミノフォスフェート類の骨格構造を構成しているSi、Al及びPの構成割合(モル比)は、特に限定されるものではないが、ゼオライト中の骨格構造に含まれるケイ素原子、アルミニウム原子、リン原子の合計に対するケイ素原子の存在割合をx1、アルミニウム原子の存在割合をy1、リン原子の存在割合をz1としたとき、x1が通常0.06以上、0.15以下、かつy1が通常0.3以上、0.6以下であり、かつz1が通常0.3以上、0.6以下であるゼオライトであることが好ましい。さらにx1は好ましくは0.07以上、より好ましくは0.08以上であり、通常0.14以下、好ましくは0.13以下、より好ましくは0.12以下であるゼオライトであることが好ましい。
また、本発明におけるゼオライトのゼオライト骨格内にはケイ素、アルミニウム、リン以外の元素が含まれていても良い。他の元素としては、リチウム、マグネシウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、砒素、スズ、カルシウム、硼素などがあげられる。好ましくは、鉄、銅、ガリウムがあげられる。他の元素の含有量はゼオライト骨格中にケイ素とアルミニウムとリンの合計に対するモル比で、0.3以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.1以下である。
なお、上記の元素の割合は元素分析により決定するが、本発明における元素分析は試料を塩酸水溶液で加熱溶解させ、誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma、以下ICP)発光分光分析により求めることができる。
上記ゼオライトの構造は、X線回折法(例えばAtlas of Zeolite framework types, Ch.Baerlocher et.al 2007, Elsevier に記載されている測定方法)(X-ray diffraction、以下「XRD」と称することがある)により決定する。上記ゼオライトの構造は、特に限定されるものではないが、International Zeolite Association(IZA)が定めるコードで示すと、通常、AEI、AFR、AFS、AFT、AFX、AFY、AHT、CHA、DFO、ERI、FAU、GIS、LEV、LTA、VFIのいずれかであり、AEI、AFX、GIS、CHA、VFI、AFS、LTA、FAU、AFYのいずれかが好ましく、燃料由来の炭化水素を吸着しにくいことからCHA構造を有するゼオライトがより好ましい。
XRDで測定した場合、全てが上記のゼオライト構造であることが好ましいが、CHA構造が主成分であればアモルファス成分や少量の他の骨格構造が含まれてもよい。これらのゼオライト類含めて、本明細書では「ゼオライト」と称する。
上記ゼオライトは、基本単位として有する骨格構造を構成する成分とは別に、他のカチオンとイオン交換可能なカチオン種を持つものを含んでいてもよい。その場合のカチオンは特に限定されないが、プロトン、Li、Na、Kなどのアルカリ元素、Mg、Caなどのアルカリ土類元素、La、Ce等の希土類元素などが挙げられ、中でも、プロトン、アルカリ元素、アルカリ土類元素が好ましい。
上記ゼオライトのフレームワーク密度は(以下、FDと略すことがある。)、特に限定されるものではないが、通常13.0T/nm以上、好ましくは、13.5T/nm以上、より好ましくは14.0T/nm以上であり、通常20.0T/nm以下、好ましくは19.0T/nm以下、より好ましくは17.5T/nm以下である。なお、フレームワーク密度(T/nm)は、ゼオライトの単位体積nmあたり存在するT原子(ゼオライトの骨格を構成する酸素以外の元素の原子)の数を意味し、この値はゼオライトの構造により決まるものである。前記下限値未満では、構造が不安定となる場合があったり、耐久性が低下する傾向があり、一方、前記上限値を超過すると吸着量、触媒活性が小さくなる場合があったり、触媒としての使用に適さない場合がある。
上記ゼオライトは、水蒸気の吸着特性としてある特定の相対蒸気圧の範囲内で大きく水の吸着量が変化する特徴を持つものが好ましい。吸着等温線で評価すると、通常、25℃の水蒸気吸着等温線では、相対蒸気圧0.03以上、0.25以下の範囲で相対蒸気圧が0.05変化したときに水の吸着量変化が0.10g/g以上となるものであり、好ましくは0.15g/g以上となるものである。相対蒸気圧の好ましい範囲は、0.035以上、0.15以下であり、更に好ましくは0.04以上、0.09以下である。また水の吸着量変化は、大きいほど吸着量差が大きく好ましいが、通常1.0g/g以下である。
本発明の窒素酸化物浄化用触媒は、ゼオライトに鉄をゼオライトの総重量の1重量%以上担持させたものであることを特徴の1つとする。本発明において用いられる鉄の担持量は、ゼオライトに対しての重量比で通常1%以上、好ましくは1.5%以上、さらに好ましくは2%以上であり、上限は特に限定されるものではないが、通常10%以下、好ましくは8%以下、さらに好ましくは5%以下である。前記下限値未満では活性点が少なくなる傾向があり、充分な触媒性能を発現しない。前記上限値超過では金属の凝集が著しくなる傾向があり、触媒性能が低下する場合がある。
本発明の窒素酸化物浄化用触媒に担持される鉄の割合は、ゼオライト中の元素組成と同様、鉄を担持した触媒を溶解させ、ICP発光分光分析により、元素分析することにより求められる。
担持金属は鉄のみでもよいが、鉄以外の金属と組合せ使用してもよい。その場合金属は特に限定されるものではないが、好ましくはアルミニウム、ガリウム、インジウム等の周期表の13族金属、コバルト、パラジウム、イリジウム、白金、銅、銀、金、セリウム、ランタン、プラセオジウム、チタン、ジルコニア等の中の群から選ばれる。このうち好ましくは、周期表の13族金属、さらに好ましくはアルミニウムである。
なお本発明において「金属」とは、必ずしも元素状のゼロ価の状態にあることをいうものに限られない。「金属」という場合、触媒中に担持された存在状態、例えばイオン性のまたはその他の種としての存在状態を含む。
本発明の窒素酸化物浄化用触媒は、(II)該触媒をCuKαをX線源に用いたX線回折測定したときに、回折角(2θ)が21.2〜21.6度の範囲に観察される回折ピーク高さが0.01以上であり、(III)該触媒を800℃で5時間水蒸気処理した後にCu
KαをX線源に用いたX線回折測定したときに、回折角(2θ)が20.6〜21.0度の範囲に観察される回折ピーク高さに対する、回折角(2θ)が21.2〜21.6度の範囲に観察される回折ピーク高さの比が0.01以上1.0以下であることを特徴の1つとする。
上記800℃で5時間水蒸気処理(以下、「高温水蒸気処理」と称することがある)の、水蒸気濃度とは、ディーゼルエンジン排ガス中の水蒸気濃度である5体積%から20体積%であることが好ましく、最も好ましいのは10体積%である。上記高温水蒸気処理の方法は特に限定されず、一般的な焼成炉を用いることができるが、上記気体を流通させて水蒸気処理する方法が望ましい。気体の流通速度は特に限定されないが、通常粉体1gあたりの気体の流通量は、0.1ml/分以上、好ましくは5ml/分以上、通常100ml/分以下、好ましくは20ml/分以下の気体の流通速度である。
上記高温水蒸気処理は、以下の状況を想定したものである。窒素酸化物浄化用触媒はDPFでPMを燃焼した場合に出る排ガスの温度以上での耐久性が必要となる。PMの燃焼時には排ガスが600〜700℃になる。触媒をDPF上に塗布し、触媒上でPMが燃焼する場合、局所的には800℃にまで温度が上昇する可能性がある。それに加えて、排ガス中には水蒸気が含まれるが、ゼオライトは水蒸気下高温条件では分解が進みやすいので、この条件での耐熱性を有することが重要となる。
本発明の窒素酸化物浄化用触媒について、X線源としてCuKαを用いてXRD測定を行った際、ゼオライト由来のピークに加えて、回折角(2θ)21.2〜21.6度に回折ピークが観察される。ゼオライト由来の20.6〜21.0度の範囲に観察される回折ピークのピーク高さに対して、21.2〜21.6度の範囲に観察される回折ピーク高さの比が0.01以上、好ましくは0.02以上、更に好ましくは0.05、1.0以下、好ましくは0.6以下、更に好ましくは0.3以下である。ここで、「回折ピーク高さ」とは、回折ピークが存在しないベースラインより、ピークトップまでの高さを指す。
上記回折ピーク高さの比は、本発明の窒素酸化物浄化用触媒中の以下の状態を表している。ゼオライト中に鉄をゼオライトの総重量の1重量%以上担持させ鉄の分散をさせた場合、鉄がゼオライト中を分散するのに加えて一部の鉄がゼオライトと反応する。鉄が一部ゼオライトと反応した場合、反応した物質の量として21.2〜21.6度に回折ピークが現れる。一方、20.6〜21.0度に観察される回折ピークのピーク高さはゼオライト量を表すので、このピークの高さの、ゼオライト由来の20.6〜21.0度に観察される回折ピークのピーク高さに対する比が0.01以下であるとは、鉄の分散が不十分であるため、窒素酸化物浄化性能が不十分であることを意味する。また、前記ピーク高さの比が1.0以上の場合、ゼオライト構造が大きく破壊されていることを意味し、ゼオライトのアンモニア等の還元剤の吸着力が低下し、窒素酸化物浄化性能が低下する。
また、本発明の窒素酸化物浄化用触媒は、前記X線回折測定を行った際、800℃で5
時間水蒸気処理した後の回折角(2θ)21.2度以上、21.6度以下の範囲に観察される回折ピーク高さの水蒸気処理前の同ピーク高さに対する比が2以下であるものが好ましい。ピーク高さ比が前記上限超過の場合、高温水蒸気下で大きくゼオライト構造が壊れ、回折角(2θ)が21.2〜21.6度の範囲に観察される回折ピークが増加しているため、浄化性能が大きく低下する。回折角(2θ)が21.2〜21.6度の回折ピークは高温水蒸気下の処理では減少することはないので、通常1以上である。
本発明の窒素酸化物浄化用触媒の粒子径は、電子顕微鏡で触媒を観察した際の、任意の10〜30点のゼオライト粒子の一次粒子径の平均値をいい、通常1μm以上であり、さらに好ましくは2μm以上、より好ましくは2.5μm以上であり、通常15μm以下であり、好ましくは10μm以下である。粒子径が小さい場合は、結晶性が低くなり、高温水蒸気下での耐久性が低下する。粒径が大きすぎる場合は、金属の担持が困難となり、また触媒を使用するとき基材等への塗布等が難しくなるので好ましくない。必要に応じて、ジェットミル等の乾式粉砕またはボールミル等の湿式粉砕を行っても良い。
(2)本発明の窒素酸化物浄化用触媒の高水蒸気下の耐久性
本発明の窒素酸化物浄化用触媒は、高水蒸気下の耐久性に優れるという効果を有する。詳細には、以下に述べる90℃で測定した水蒸気繰り返し吸脱着試験において、吸着維持率が高い、つまり、吸着維持率は80%以上であり、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上であり、上限は特に制限されるものではないが、通常100%以下の維持率を示す。
本発明の窒素酸化物浄化用触媒は、90℃で測定した水蒸気繰り返し吸脱着試験後における水吸着量が、相対蒸気圧0.2の際の水吸着量に対して70%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上である。上限は特に制限されるものではないが、通常100%以下であり、好ましくは95%以下である。
水蒸気繰り返し吸脱着試験としては、試料をT℃に保たれた真空容器内に保持し、T1℃の飽和水蒸気雰囲気とT2℃ 飽和水蒸気雰囲気にそれぞれ90秒曝す操作を繰り返す(T1<T<T2)。このときT2℃の飽和水蒸気雰囲気に曝されたときに試料に吸着した水は、T1℃の飽和水蒸気雰囲気で一部が脱着し、T1℃に保った水だめに移動する。m 回目の吸着からn 回目の脱着で、5℃の水だめに移動した水の総量(Q n;m(g ))と試料の乾燥重量(W(g ))から一回あたりの平均吸着量(Cn;m( g / g ))を以下のようにして求める。
[Cn;m]=[Qn;m]/ (n−m+1)/W
通常吸収、脱着の繰り返しは1000回以上行い、好ましくは2000回以上であり、上限は特に限定されるものではない。
(以上の工程を「T−T2−T1の水蒸気繰り返し吸脱着試験」という。)
本発明において用いられるゼオライトの水蒸気繰り返し吸脱着試験としては、ゼオライト試料を90℃に保たれた真空容器内に保持し、5℃の飽和水蒸気雰囲気と80℃ 飽和
水蒸気雰囲気にそれぞれ90秒曝す操作を繰り返す。それによって得られた上記数値より、一回あたりの平均吸着量(Cn;m(g / g )を求める。(90−80−5の水蒸気繰り返し吸脱着試験)
(以上の工程を「90℃で測定した際の水蒸気繰り返し吸脱着試験」ということがある。)
脱着試験の維持率とは、前記の水蒸気繰り返し吸脱着試験の1回から1000回の平均吸着量に対する1001回から2000回の平均吸着量の比を求めたものである。平均吸着量の維持率が高いということは、水の吸脱着の繰り返しが行われてもゼオライトが劣化しないことを示す。維持率は80%以上、好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上が好ましい。上限は全く劣化が起こらない100%である。
水蒸気の繰り返し吸脱着によるゼオライトの変化は、試験前後においてのゼオライトの
水蒸気吸着等温線の変化により観察できる。
水の吸脱着の繰り返しにより、ゼオライトの構造に変化がなければ、水蒸気吸着等温線には変化がなく、ゼオライトの構造が壊れるなど変化した場合は吸着量の低下が観察される。90℃での2000回の水蒸気繰り返し吸脱着試験を行い、試験前に対して試験後での25℃の相対蒸気圧が0.2の時の水吸着量が通常70%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上である。
上記の構造を有するゼオライトは水蒸気繰り返し吸脱着試験の吸着維持率が高いことにより、窒素酸化物の浄化に優れる。本発明の触媒は、自動車等に搭載され使用されるときは、実際には水の吸脱着が繰り返し行われ、窒素酸化物の浄化が行われると考えられ、そのため水の繰り返し吸脱着時に劣化しないものが、排ガス浄化能力に優れた構造を有し、実用上優れた窒素酸化物の浄化能力を有するものと考えられる。
本発明に使用されるゼオライトも本発明の触媒と同様に、90℃で測定した水蒸気繰り返し吸脱着試験において、吸着維持率が高い方が好ましく、通常、吸着維持率は80%以上であり、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上であり、上限は特に制限されるものではないが、通常100%以下である。
また、本発明に使用されるゼオライトは、90℃で測定した水蒸気繰り返し吸脱着試験後における水吸着量が、相対蒸気圧0.2の際の水吸着量に対して70%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上である。上限は特に制限されるものではないが、通常100%以下であり、好ましくは95%以下である。
(3)本発明の窒素酸化物浄化用触媒の製造方法
本発明の窒素酸化物浄化用触媒は、上記ゼオライトと、含炭素鉄塩とを混合する混合工程、混合工程で得られた混合物を乾燥する乾燥工程、及び乾燥工程で得られる乾燥物を焼成する焼成工程を含むものである。
含炭素鉄塩としては、構造中に炭素と鉄を含む塩であれば、特に限定されないが、好ましくは酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩などの鉄の有機酸塩が好ましい。具体的には、塩基性酢酸鉄、シュウ酸鉄、シュウ酸鉄アンモニウム、クエン酸鉄、オクチル酸鉄、フマル酸鉄、乳酸鉄、マフテン酸鉄、ステアリン酸鉄、酒石酸鉄等が挙げられる。鉄原料は、後述する分散媒に可溶であっても不溶であってもよい。
上記含炭素鉄塩は、最終的に触媒の鉄担持量がゼオライトの総重量の1重量%以上、10重量%以下となるように添加する。具体的には、ゼオライト骨格中のケイ素に対する鉄のモル比で0.1以上2.0以下、好ましくは0.2以上1.0以下である。
通常アルミノシリケートのゼオライトに鉄を担持する場合、入手が容易なことから、硝酸鉄、硫酸鉄といった鉄原料を用いてイオン交換により担持する。しかし、SAPO類に鉄を担持する場合は、SAPO類が酸性に弱いため、酸強度の強い硝酸塩、硫酸塩等を用いると担持の際にゼオライト構造にダメージを与え、十分な触媒性能が出ない。このことから酸強度の弱い含炭素鉄原料を用いることが重要である。
また、通常の硝酸塩、硫酸塩を用いゼオライトの総重量の1重量%以上鉄を担持した場合、鉄が凝集物として担持され、分散が不十分となり、十分な浄化性能が発揮されない。これは鉄が熱処理時に酸化されてしまい、それ以上分散しないことが原因と考えられる。これに対し、含炭素鉄塩を鉄原料として用い熱処理を行った場合、含炭素部分が燃焼するときに鉄を還元することにより分散しやすい状態にすることができると考えられる。
本発明の触媒の製造方法としては、上記含炭素鉄塩に加えて、アルミニウム、ガリウム、インジウム等の周期表の13族金属を添加することが好ましい。好ましくは、アルミニウム、ガリウム、より好ましくはアルミニウムである。本発明におけるゼオライトに担持させる第13族金属の原料としては、特に限定されないが、金属塩、金属錯体、金属単体、金属酸化物等が用いられ、好ましくは硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩などの無機酸塩または酢酸塩などの有機酸塩が用いられる。アルミニウムの場合、具体的には、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、酢酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、乳酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、オレイン酸アルミニウム、シュウ酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム、安息香酸アルミニウム等が挙げられる。金属源は、後述する分散媒に可溶であっても不溶であってもよい。
13族金属原料は、最終的に製造された触媒における13族金属触媒の担持量が、ゼオライトの総重量の1重量%以上、10重量%以下となるように添加する。好ましくは1.5重量%以上、8重量%以下で更に好ましくは2重量%以上、5重量%以下である。具体的な混合比率は、ゼオライト骨格中にケイ素対する添加した13族金属のモル比で0.3以上4以下、好ましくは0.5以上、3.5以下、更に好ましくは0.7以上、2以下である。
鉄を担持させる場合、13族金属を同時に担持させ、熱処理した場合、鉄元素がゼオライトと反応し拡散するときに鉄が13族元素とコンプレックスを作り、鉄の分散を促進するが、鉄の過剰なゼオライトへの攻撃を抑える効果があると考えられる。そのため、ゼオライト合成時の熱処理において、過度なゼオライトと鉄の反応を抑えるとともに、耐久試験で用いられる高温水蒸気下による熱処理においても、ゼオライトに損傷を与えることなく耐久性に優れた窒素酸化物浄化用触媒を製造することが可能となる。
本発明の触媒を製造する際のゼオライトへの金属種の担持方法としては、特に限定されないが、一般的に用いられるイオン交換法、含浸担持法、沈殿担持法、固相イオン交換法、CVD法等が用いられる。好ましくは、イオン交換法、含浸担持法である。鉄をゼオライト中に分散担持させることは困難であり、通常のイオン交換法では非常に少量しか担持されない場合があるため、含浸担持が好ましい。
含浸担持を行うとき、スラリー状態から、短時間で乾燥させることが好ましく、下記する噴霧乾燥法を用いて乾燥することがより好ましい。
まず、ゼオライト、金属源、分散媒の混合物(以下、単に混合物ということがある)を調製する。本発明における分散媒とは、ゼオライトを分散させるための液体、をいう。本発明において用いられる混合物は、通常スラリー状あるいはケーキ状であるが、操作上の適用性からスラリー状が好ましい。本製造方法において用いられる分散媒の種類は、特に限定されるものではないが、通常、水、アルコール、ケトンなどが使用され、加熱時の安全性の観点から、分散媒は水を使用することが望ましい。
本製造方法の混合工程の混合物の混合順序は、特に制限されるものではないが、通常、まず分散媒に金属源を溶解または分散し、これにゼオライトを混合する。上記の成分を混合して調製されるスラリー中の固形分の割合は、5質量%〜60質量%、好ましくは10質量%〜50質量%である。固形分の割合が前記下限値未満では、除去すべき分散媒の量が多くて、分散媒除去工程に支障をきたす場合がある。また、固形分の割合が前記上限値超過では、金属がゼオライト上に均一に分散しにくくなる傾向がある。
本発明において用いられる混合物の調合温度は通常0℃以上、好ましくは10℃以上、通常80℃以下、好ましくは60℃以下である。
ゼオライトは通常、分散媒と混合すると発熱することがあり、調合温度を前記上限値超過とするとゼオライト自身が酸またはアルカリにより分解する可能性がある。調合温度の下限は分散媒の融点である。
本発明において用いられる混合物の、調合時のpHは特に限定されないが、通常3以上、好ましくは4以上、さらに好ましくは5以上であり、通常10以下、好ましくは9以下、さらに好ましくは8以下である。pHを前記下限値未満あるいは上限値超過として調合するとゼオライトが破壊される可能性がある。
本発明において用いられる混合物には、混合物の粘度調整、あるいは分散媒の除去後の粒子形状、粒径制御のために各種の添加剤を加えてもよい。添加剤の種類は特に限定されないが、無機添加剤が好ましく、無機ゾル、粘土系添加剤等が挙げられる。無機ゾルではシリカゾル、アルミナゾル、チタニアゾルなどが用いられるが、シリカゾルが好ましい。無機ゾルの平均粒子径は4〜60nm、好ましくは10〜40nmである。粘土系添加剤としては、セピオライト、モンモリナイト、カオリンなどが用いられる。
添加剤の添加量は、特に限定されるものではないが、ゼオライトに対して重量比で50%以下、好ましくは20%以下、更に好ましくは10%以下である。重量比を前記上限値超過とすると、触媒性能が低下する場合がある。
本発明において用いられる混合物の混合の方法としては、十分にゼオライトと金属源が混合あるいは分散する方法であればよく、各種公知の方法が用いられるが、具体的には攪拌、超音波、ホモジナイザー等が用いられる。
次に、本発明において用いられる混合物から分散媒を除去する(乾燥工程)。分散媒の除去の方法としては、短時間で分散媒を除去できる方法であれば特に限定されないが、好ましくは均一に噴霧した状態を経て、短時間に除去できる方法であり、より好ましくは均一に噴霧した状態を経て、高温の熱媒体と接触させて除去する方法であり、更に好ましくは均一に噴霧した状態を経て、高温の熱媒体として、熱風と接触させ乾燥させて除去することにより、均一な粉体を得ることのできる方法、「噴霧乾燥」である。噴霧乾燥を適用する場合、噴霧の方法としては、回転円盤による遠心噴霧、圧力ノズルによる加圧噴霧、二流体ノズル、四流体ノズル等による噴霧などを用いることができる。
噴霧したスラリーは、加熱した金属板や、高温ガスなどの熱媒体と接触することにより分散媒が除去される。いずれの場合も、熱媒体の温度は特に限定されないが、通常80℃以上、350℃以下である。前記下限値未満ではスラリーから十分に分散媒が除去できない場合があり、また前記上限値超過では金属源が分解し金属酸化物が凝集する場合がある。
噴霧乾燥を用いる場合には、その乾燥条件については特に限定されないが、通常ガス入口温度を約200〜300℃、ガス出口温度を約60〜200℃として実施する。
本発明における混合物から分散媒を除去するために要する時間は、混合物中の分散媒の量が1質量%以下になるまでの時間をいい、水が分散媒の場合の乾燥時間は、混合物の温度が80℃以上になった時点から、混合物に含有する水の量が、得られた混合物中の1質量%以下になるまでの時間をいう。水以外の分散媒の場合の乾燥時間は、その分散媒の常圧における沸点より20℃低い温度になった時点から、混合物に含有する分散媒の量が、得られた混合物中の1質量%以下になるまでの時間をいう。分散媒の除去時間は60分以下であり、好ましくは10分以下、より好ましくは1分以下、更に好ましくは10秒以下であり、より短時間で乾燥することが望ましいので下限は特に限定されるものではないが、通常0.1秒以上である。
前記上限値超過の時間をかけて混合物より分散媒を除去すると、金属を担持させるゼオライトの表面に金属源が凝集し不均一に担持されるため、触媒活性低下の原因となる。また一般的に金属源は酸性、またはアルカリ性を呈するため、分散媒の存在下でそれらの金属を含んだ状態で高温条件に長時間曝されると、金属原子を担持させたゼオライトの構造の分解が促進されると考えられる。そのため乾燥時間が長くなるほど触媒活性が低下すると考えられる。
また、分散媒の除去後に得られる乾燥粉体の平均粒径は、特に限定されないが、乾燥を短時間で終了させることができるよう、通常1mm以下、好ましくは200μm以下、通常2μm以上となるように分散媒を除去するのが好ましい。
噴霧乾燥によって金属を担持させた場合、金属担持量を上げることが容易になるという利点がある。特に鉄のようにイオン交換法等の手法ではゼオライト中に分散させることが困難な金属の場合、イオン交換法のみでは金属担持量を上げることは困難である。噴霧乾燥法を用いると、乾燥時間が早いために、金属担持量をあげた場合でも金属源由来の酸によりゼオライト骨格が損傷を受けたり、金属が凝集したりすることがなく、より高結晶性で金属の分散のよい触媒が得られる。
乾燥工程の除去後、得られた乾燥粉体(乾燥物)を、焼成することによって本発明の触媒を得る。焼成の雰囲気は、特に限定はないが、低酸素雰囲気下が好ましい。低酸素雰囲気下としては、酸素濃度10体積%以下が好ましく、更に好ましくは5体積%以下である。下限は特に限定されるものではなく、酸素濃度が0%である不活性雰囲気下でもよい。不活性雰囲気下としては、酸素が含まれていなければ特にガスは限定しないが、窒素下、アルゴン下が好ましい。雰囲気中に水蒸気が含まれてもよい。酸素濃度が高すぎると、前述の含炭素鉄塩が燃焼する場合に鉄を分散しにくい状態まで酸化してしまうため、鉄の分散が不十分となり浄化性能が低下してしまう。低酸素雰囲気下、または不活性雰囲気下で焼成を行うとより鉄の酸化が進まずに鉄が分散しやすい状態となり鉄の分散が進み、良好な浄化性能を示す。
低酸素雰囲気下、または不活性雰囲気下で焼成を行った後、一部の炭素成分が触媒中に残存していることがあるため、空気下において追加で熱処理を行ってもよい。
本発明における焼成を行う温度は特に限定されないが、金属の分散を高め、ゼオライト表面との相互作用を高めるため、通常500℃以上、好ましくは700℃以上、通常1000℃以下、好ましくは900℃以下で実施する。前記下限値未満では金属源が分解しないことがあり、前記上限値超過ではゼオライトの構造が破壊される可能性がある。
焼成の方法は特に限定されず、マッフル炉、キルン、流動焼成炉などを用いることができるが、上記気体を流通させて焼成する方法が望ましい。気体の流通速度は特に限定されないが、通常粉体1gあたりの気体の流通量は、0.1ml/分以上、好ましくは5ml
/分以上、通常100ml/分以下、好ましくは20ml/分以下の気体の流通下、熱処理して本発明によって得られる触媒を得る。
粉体1gあたりの気体の流通量が前記下限値未満の流通量では乾燥粉体中に残存する酸が加熱時に除去されずゼオライトが破壊される可能性があり、前記上限値超過以上の流通量では粉体が飛散することがある。
焼成時間は1秒〜24時間、好ましくは10秒〜8時間、さらに好ましくは30分〜4時間である。また焼成後、触媒を粉砕してもよい。
本発明において用いられるゼオライトはそれ自体既知の化合物であり、通常用いられる方法に準じて製造することができる。本発明におけるゼオライトの製造方法は、特に限定されないが、例えば日本国特公平4−37007号公報、日本国特公平5−21844号公報、日本国特公平5−51533号公報、米国特許第4440871号公報、日本国特開2003−183020号公報等に記載の方法に準じて製造することができる。
本発明において用いられるゼオライトは、通常、アルミニウム原子原料、リン原子原料、シリコン原子原料(他の原子Meを含む場合は、さらに他の原子(Me)原子原料)およびテンプレートを混合した後、水熱合成し、テンプレートを除去して得る。
以下ゼオライトの製造方法の具体例について説明する。
<アルミニウム原子原料>
本発明におけるゼオライトのアルミニウム原子原料は特に限定されず、通常、擬ベーマイト、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムトリエトキシド等のアルミニウムアルコキシド、水酸化アルミニウム、アルミナゾル、アルミン酸ナトリウムなどであって、擬ベーマイトが好ましい。
<リン原子原料>
本発明に用いられるゼオライトのリン原子原料は通常リン酸であるが、リン酸アルミニウムを用いてもよい。
<ケイ素原子原料>
本発明におけるゼオライトのケイ素原子原料は特に限定されず、通常、ヒュームドシリカ、シリカゾル、コロイダルシリカ、水ガラス、ケイ酸エチル、ケイ酸メチルなどであって、ヒュームドシリカが好ましい。
<テンプレート>
本発明のゼオライトの製造に用いられるテンプレート(構造規定剤)としては、公知の方法で使用される種々のテンプレートが使用でき、特に限定されるものではないが、以下に示すテンプレートを用いることが好ましい。
本発明に用いるテンプレートは(1)ヘテロ原子として窒素を含む脂環式複素環化合物、(2)アルキルアミン、の2つの群から各群につき1種以上の化合物を選択して用いる。
(1)ヘテロ原子として窒素を含む脂環式複素環化合物
ヘテロ原子として窒素を含む脂環式複素環化合物の複素環は通常5〜7員環であって、好ましくは6員環である。複素環に含まれるヘテロ原子の個数は通常3個以下、好ましくは2個以下である。窒素以外のヘテロ原子は任意であるが、窒素に加えて酸素を含むものが好ましい。ヘテロ原子の位置は特に限定されないが、ヘテロ原子が相互に隣り合わないものが好ましい。
また、ヘテロ原子として窒素を含む脂環式複素環化合物の分子量は、通常、250以下、好ましくは200以下、さらに好ましくは150以下であり、また通常30以上、好ましくは40以上、さらに好ましくは50以上である。
このようなヘテロ原子として窒素を含む脂環式複素環化合物として、モルホリン、N−メチルモルホリン、ピペリジン、ピペラジン、N,N‘−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン、N−メチルピペリジン、3−メチルピペリジン、キヌクリジン、ピロリジン、N−メチルピロリドン、ヘキサメチレンイミンなどが挙げられ、モルホリン、ヘキサメチレンイミン、ピペリジンが好ましく、モルホリンが特に好ましい。
(2)アルキルアミン
アルキルアミンのアルキル基は、通常、鎖状アルキル基であって、アミン1分子中に含まれるアルキル基の数は特に限定されるものではないが、3個が好ましい。また本発明のアルキルアミンのアルキル基は一部水酸基等の置換基を有していてもよい。本発明のアルキルアミンのアルキル基の炭素数は4以下が好ましく、1分子中の全アルキル基の炭素数
の合計が10以下がより好ましい。また、分子量で通常、250以下、好ましくは200以下、さらに好ましくは150以下である。
このようなアルキルアミンとしては、ジーn−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−イソプロピルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、ジ−n−ブチルアミン、ネオペンチルアミン、ジーn−ペンチルアミン、イソプロピルアミン、t−ブチルアミン、エチレンジアミン、ジ−イソプロピル−エチルアミン、N−メチル−n−ブチルアミン等があげられ、ジーn−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−イソプロピルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、イソプロピルアミン、t−ブチルアミン、エチレンジアミン、ジ−イソプロピル−エチルアミン、N−メチル−n−ブチルアミンが好ましく、トリエチルアミンが特に好ましい。
(1)〜(2)のテンプレートの好ましい組み合わせとしては、モルホリン、トリエチルアミンを含む組合せである。テンプレートの混合比率は、条件に応じて選択する必要がある。
2種のテンプレートを混合させるときは、通常、混合させる2種のテンプレートのモル比が1:20から20:1、好ましくは1:10から10:1、さらに好ましくは1:5から5:1である。
3種のテンプレートを混合させるときは、通常、3つ目のテンプレートのモル比は、上記で混合された(1)と(2)の2種のテンプレートの合計に対して1:20から20:1、好ましくは1:10から10:1、さらに好ましくは1:5から5:1である。
また、2種以上のテンプレートの混合比は特に限定されるものではなく、条件に応じて適宜選ぶことができるが、例えば、モルホリンとトリエチルアミンを用いる場合、モルホリン/トリエチルアミンのモル比は通常0.05以上、好ましくは0.1以上、さらに好ましくは0.2以上であり、通常20以下、好ましくは10以下、さらに好ましくは9以下である。
その他のテンプレートが入っていても良いが、その他のテンプレートはテンプレート全体に対してモル比で通常20%以下であり、10%以下が好ましい。
本発明におけるテンプレートを用いるとゼオライト中のSi含有量をコントロールすることが可能であり、窒素酸化物浄化用触媒として好ましいSi含有量、Si存在状態にすることができる。その理由は明らかではないが、以下のような事が推察される。
例えば、CHA型構造のSAPOを合成する場合、ヘテロ原子として窒素を含む脂環式複素環化合物、例えばモルホリンはSi含有量の多いSAPOを比較的容易に合成しうる。しかしながら、Si含有量の少ないSAPOを合成しようとすると、デンス成分やアモルファス成分が多く、結晶化が困難である。また、アルキルアミン、例えばトリエチルアミンは、CHA構造のSAPOも限られた条件では合成可能であるが、通常、種々の構造のSAPOが混在しやすい。しかし逆に言えば、デンス成分やアモルファス成分では無く、結晶構造のものにはなりやすい。すなわち、それぞれのテンプレートはCHA構造を導くための特徴、SAPOの結晶化を促進させる特徴などを有している。これらの特徴を組み合わせる事により、相乗効果を発揮させ、単独では実現できなかった効果があらわれたと考えられる。
<水熱合成によるゼオライトの合成>
上述のケイ素原子原料、アルミニウム原子原料、リン原子原料、テンプレートおよび水を混合して水性ゲルを調合する。混合順序は制限がなく、用いる条件により適宜選択すれ
ばよいが、通常は、まず水にリン原子原料、アルミニウム原子原料を混合し、これにケイ素原子原料、テンプレートを混合する。
水性ゲルの組成は、ケイ素原子原料、アルミニウム原子原料およびリン原子原料を酸化物のモル比であらわすと、SiO2/Al2O3の値は通常、0より大きく、好ましくは0
.02以上であり、また通常0.7以下であり、好ましくは0.6以下、さらに好ましくは0.4以下である。また同様の基準でのP2O5/Al2O3の比は通常0.6以上、好ましくは0.7以上、さらに好ましくは0.8以上であり、通常1.3以下、好ましくは1.2以下、さらに好ましくは1.1以下である。
水熱合成によって得られるゼオライトの組成は水性ゲルの組成と相関があり、所望の組成のゼオライトを得るためには水性ゲルの組成を適宜設定すればよい。テンプレートの総量は、水性ゲル中のアルミニウム原子原料を酸化物で表したときAl2O3に対するテンプレートのモル比で、通常0.2以上、好ましくは0.5以上、さらに好ましくは1以上であって、通常4以下、好ましくは3以下、さらに好ましくは2.5以下である。
前記2つ以上の群から各群につき1種以上選択されたテンプレートを混合する順番は特に限定されず、テンプレートを調製した後その他の物質と混合してもよいし、各テンプレートをそれぞれ他の物質と混合してもよい。
また水の割合は、アルミニウム原子原料に対して、モル比で通常3以上、好ましくは5以上、さらに好ましくは10以上であって、通常200以下、好ましくは150以下、さらに好ましくは120以下である。
水性ゲルのpHは通常5以上、好ましくは6以上、さらに好ましくは6.5以上であって、通常10以下、好ましくは9以下、さらに好ましくは8.5以下である。
なお、水性ゲル中には、所望により、上記以外の成分を含有していても良い。このような成分としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物や塩、アルコール等の親水性有機溶媒があげられる。含有する量は、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物や塩は、アルミニウム原子原料に対してモル比で通常0.2以下、好ましくは0.1以下であり、アルコール等の親水性有機溶媒は、水に対してモル比で通常0.5以下、好ましくは0.3以下である。
得られた水性ゲルを耐圧容器に入れ、自己発生圧力下、または結晶化を阻害しない程度の気体加圧下で、攪拌または静置状態で所定温度を保持する事により水熱合成する。水熱合成の反応温度は、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、さらに好ましくは150℃以上であって、通常300℃以下、好ましくは250℃以下、さらに好ましくは220℃以下である。この温度範囲のうち、最も高い温度である最高到達温度まで昇温する過程において、80℃から120℃までの温度域に1時間以上置かれることが好ましく、2時間以上置かれることがより好ましい。この温度範囲での昇温時間が1時間未満であると、得られたテンプレート含有ゼオライトを焼成して得られるゼオライトの耐久性が不十分となる場合がある。また、80℃から120℃ までの温度範囲内に1時間以上おかれることが耐久性の面で好ましい。更に好ましくは2時間以上である。
一方、上記時間の上限は特に制限はないが、長すぎると生産効率の面で不都合な場合があり、通常50時間以下、生産効率の点で好ましくは24時間以下である。
前記温度領域の間の昇温方法は、特に制限はなく、例えば、単調に増加させる方法、階段状に変化させる方法、振動等上下に変化させる方法、およびこれらを組み合わせて行う方式など様々の方式を用いることができる。通常、制御の容易さから、昇温速度をある値以下に保持して、単調に昇温する方式が好適に用いられる。
又、本発明では、最高到達温度付近に所定時間保持するのが好ましく、最高到達温度付近とは、該温度より5℃ 低い温度乃至最高到達温度を意味し、最高到達温度に保持する
時間は、所望のものの合成しやすさに影響し、通常0.5時間以上、好ましくは3時間以上、さらに好ましくは5時間以上であって、通常30日以下、好ましくは10日以下、さらに好ましくは4日以下である。
最高到達温度に達した後の温度の変化の方法は、特に制限はなく、階段状に変化させる方法、最高到達温度以下で、振動等上下に変化させる方法、およびこれらを組み合わせて行う方式など様々の方式を用いることができる。通常、制御の容易さ、得られるゼオライトの耐久性の観点から、最高到達温度を保持した後、100℃から室温までの温度に降温するのが好適である。
<テンプレートを含有したゼオライト>
水熱合成後、生成物であるテンプレートを含有したゼオライトを水熱合成反応液より分離するが、テンプレートを含有したゼオライトの分離方法は特に限定されない。通常、濾過またはデカンテーション等により分離し、水洗、室温から150℃以下の温度で乾燥して生成物を得ることができる。
次いで、通常テンプレートを含有したゼオライトからテンプレートを除去するが、その方法は特に限定されない。通常、空気または酸素含有の不活性ガス、あるいは不活性ガスの雰囲気下に400℃から700℃の温度で焼成したり、エタノール水溶液、HCl含有エーテル等の抽出溶剤による抽出等の方法により、含有する有機物を除去することができる。好ましくは製造性の面で焼成による除去が好ましい。
前述した本発明の触媒の製造においては、テンプレートを除去したゼオライトに金属を担持しても、テンプレートを含有したゼオライトに金属を担持した後にテンプレートを除去してもよいが、テンプレートを含有したゼオライトに金属を担持した後にテンプレートを除去することが、製造面で有利なため好ましい。
ゼオライトに金属を担持する場合、一般的に用いられるイオン交換法ではテンプレートを焼成除去したゼオライトを用いる。これは、テンプレートが除去された細孔に金属がイオン交換することにより、イオン交換ゼオライトを製造するためであり、テンプレートを含有したゼオライトはイオン交換ができないため、触媒の製造には不向きである。本発明の製造方法ではイオン交換法を行なわず、テンプレートを含有したゼオライトを用い、金属との混合分散液から分散媒を除去し、下記する焼成を、テンプレート除去と同時にすることで触媒を製造することができるため、製造面で有利である。
また、焼成時にテンプレートが燃焼するときに還元雰囲気になるが、これは鉄を還元し鉄がより分散しやすくなるため、浄化性能が向上する。
テンプレートを除去してから金属担持を行う場合は、通常、空気または酸素含有の不活性ガス、あるいは不活性ガスの雰囲気下において、通常400℃以上700℃以下の温度で焼成する方法、エタノール水溶液、HCl含有エーテル等の抽出剤により抽出する方法等の種々の方法により、含有するテンプレートを除去することができる。
本発明の窒素酸化物除去用触媒は、通常ゼオライトに、触媒活性能を有する金属を担持させることにより得られる。
上記の本発明の窒素酸化物浄化用触媒の製造方法は、一般に、鉄の担持量がゼオライトの全量に対して1〜10重量%の高担持量を実現するのにも有効である。
(4)本発明の窒素酸化物浄化用触媒の使用方法
本発明の窒素酸化物浄化用触媒は、そのまま粉末状で用いても、シリカ、アルミナ、粘
土鉱物等のバインダーと混合し、造粒や成形をして使用することもできる。また、自動車用等の排ガス触媒として用いられる場合、塗布法や、成形法を用い成形して用いることができ、好ましくはハニカム状に成形して用いることができる。
本発明の窒素酸化物浄化用触媒の成形体(以下、単に素子ということがある。)を塗布法によって得る場合、通常ゼオライト触媒とシリカ、アルミナ等の無機バインダーとを混合し、スラリーを作製し、コージェライト等の無機物で作製された成形体の表面に塗布し、焼成することとにより作成され、好ましくはこのときハニカム形状の成形体に塗布することによりハニカム状の触媒を得る。
本発明の窒素酸化物浄化用触媒触媒の成形体を成形法により得る場合、通常ゼオライトをシリカ、アルミナ等の無機バインダーやアルミナ繊維、ガラス繊維等の無機繊維と混練し、押出法や圧縮法等の成形を行い、引き続き焼成を行うことにより作成され、好ましくはこのときハニカム形状に成形することによりハニカム状の素子を得る。
本発明の窒素酸化物浄化用触媒は、窒素酸化物を含む排ガスを接触させて窒素酸化物を浄化する。該排ガスには窒素酸化物以外の成分が含まれていてもよく、例えば炭化水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、窒素、酸素、硫黄酸化物、水が含まれていてもよい。具体的には、本発明の方法ではディーゼル自動車、ガソリン自動車、定置発電・船舶・農業機械・建設機械・二輪車・航空機用の各種ディーゼルエンジン、ボイラー、ガスタービン等から排出される多種多様の排ガスに含まれる窒素酸化物を浄化することができる。
本発明の窒素酸化物浄化用触媒を使用する際の、触媒と排ガスの接触条件としては特に限定されるものではないが、空間速度は通常100/h以上、好ましくは1000/h以上であり、通常500000/h以下、好ましくは100000/h以下であり、温度は通常100℃以上、好ましくは150℃以上、通常700℃以下、好ましくは500℃以下で用いられる。
本発明の窒素酸化物浄化用触媒を使用して、窒素酸化物の浄化を行った後段の工程に、窒素酸化物浄化で消費されなかった余剰の還元剤を酸化する触媒を搭載し、排ガス中の還元剤を減少させることができる。その場合、酸化触媒として還元剤を吸着させるためのゼオライト等の担体に白金族等の金属を担持した触媒を用いることができるが、そのゼオライト、及び酸化触媒として本発明のゼオライト、及び触媒を用いることができる。
以下に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
(水蒸気処理)
触媒を800℃、10体積%の水蒸気に、空間速度SV=3000/hの雰囲気下、5時間通じ、水熱処理を行った。
(XRDの測定方法)
X線源:Cu−Kα線
出力設定:40kV・30mA
測定時光学条件:
発散スリット=1°
散乱スリット=1°
受光スリット=0.2mm
回折ピークの位置:2θ(回折角)
測定範囲:2θ=3〜50度
スキャン速度:3.0°(2θ/sec)、連続スキャン
試料の調製:めのう乳鉢を用いて人力で粉砕した試料約100mgを、同一形状のサン
プルホルダーを用いて試料量が一定となるようにした。
ピーク高さは、回折ピークが存在しないベースラインよりピークの高さとした。
回折角(2θ)が20.6度以上21.0度以下の範囲の回折ピーク高さに対しての、21.2度以上、21.6度以下の範囲に観察される回折ピークのピーク高さの比を求めた。また、800℃で5時間水蒸気処理した後の回折角(2θ)21.2度以上、21.6度以下の範囲に観察される回折ピーク高さの水蒸気処理前の同ピーク高さに対する比を求めた。
(組成分析、および鉄の担持量の測定方法)
試料をアルカリ融解後、酸溶解し、得られた溶液を誘導結合プラズマ発光分析法(ICP−AES法)により分析した。
<水蒸気繰り返し吸脱着試験(「90−80−5の繰り返し耐久性試験」)>
水蒸気繰り返し吸脱着試験は、試料を90℃に保たれた真空容器内に保持し、5℃ の
飽和水蒸気雰囲気と80℃ 飽和水蒸気雰囲気にそれぞれ90秒曝す操作を繰り返す。こ
のとき80℃の飽和水蒸気雰囲気に曝されたときに試料に吸着した水は、5℃ の飽和水
蒸気雰囲気で一部が脱着し、5℃ に保った水だめに移動する。m 回目の吸着からn 回
目の脱着で、5℃の水だめに移動した水の総量(Q n;m(g ))と試料の乾燥重量(W(g ))から一回あたりの平均吸着量(Cn;m( g / g ))を以下のようにして求める。
[Cn;m]=[Qn;m]/ (n−m+1)/W
通常吸収、脱着の繰り返しは1000回以上行い、好ましくは2000回以上であり、上限は特に限定されるものではない。
(以上の工程を「90℃で測定した際の水蒸気繰り返し吸脱着試験」という。)
(水蒸気吸着等温線)
試料を120℃で5時間、真空排気した後、25℃における水蒸気吸着等温線を水蒸気吸着量測定装置(ベルソーブ18:日本ベル(株)社製)により以下の条件で測定した。
空気恒温槽温度 :50℃
吸着温度 :25 ℃
初期導入圧力 :3.0torr
導入圧力設定点数 :0
飽和蒸気圧 :23.755torr
平衡時間 :500秒
(耐久試験後の触媒活性の評価方法)
調製した触媒は以下の方法に基づき触媒活性を評価した。
調製した触媒をプレス成型後、破砕して篩を通し、0.6〜1mmに整粒した。整流した触媒を上記の800℃水蒸気処理の条件で、耐久試験を行った。
耐久試験後の各触媒1mlを常圧固定床流通式反応管に充填した。触媒層に表1の組成のガスを空間速度SV=100000/hで流通させながら、触媒層を加熱した。250℃において、出口NO濃度が一定となったとき、
(NO浄化率)={(入口NO濃度)―(出口NO濃度)}/(入口NO濃度)
の値によって触媒の窒素酸化物除去活性を評価した。
Figure 2012024674
(実施例1)
水253gに85%リン酸101gおよび擬ベーマイト(25%水含有、サソール社製)68gをゆっくりと加え、攪拌した。これをA液とした。A液とは別にヒュームドシリカ(アエロジル200:日本アエロジル社製)7.5g、モルホリン43.5g、トリエチルアミン55.7g、水253gを混合した液を調製した。これをA液にゆっくりと加えて、3時間攪拌し、水性ゲルを得た。該水性ゲルをフッ素樹脂内筒の入った1Lのステンレス製オートクレーブに仕込み、攪拌させながら30℃から190℃まで、16℃/時の昇温速度で直線的に昇温し、最高到達温度190℃で50時間反応させた。最高到達温度に昇温する過程で、80℃から120℃の範囲におかれた時間は2.5時間であった。反応後冷却して、デカンテーションにより上澄みを除いて沈殿物を回収した。沈殿物を水で3回洗浄した後濾別し、120℃で乾燥した。得られたゼオライトはジェットミルによりメジアン径3μmとなるよう粉砕し、テンプレートを含有したゼオライトを得た。
このテンプレートを含有したゼオライトを、560℃で空気気流下焼成を行い、テンプレートを除去した。
こうして得られたゼオライトのXRDを、前記測定方法に基づき測定したところ、CHA構造(フレームワーク密度=14.6T/1,000Å)であった。また、塩酸水溶液で加熱溶解させ、ICP分析により元素分析を行ったところ、骨格構造のケイ素とアルミニウムとリンの合計に対する各成分の構成割合(モル比)は、ケイ素が0.088、アルミニウムが0.500、リンが0.412であった。
このゼオライトの25℃における水蒸気吸着等温線を測定したところ、相対蒸気圧0.04から0.09においての吸着量変化量は0.17g/gであった。
また、25℃における水蒸気吸着等温線を測定したところ、相対蒸気圧が0.2の時の水吸着量は0.28g/gであった。
このゼオライトについて、90℃において2000回の水蒸気繰り返し吸脱着試験(90−80−5の水蒸気繰り返し吸脱着試験)を行ったところ、維持率が100%となった。また2000回終了後のサンプルの25℃における水蒸気吸着等温線を測定したところ、相対蒸気圧が0.2の時の水吸着量は0.27g/gであり、繰り返し吸脱着試験前の96%となった。
次に、4.6gのシュウ酸鉄アンモニウム三水和物(キシダ化学社製)に40gの純水を加え溶解し、20gの上記ゼオライトを加えてさらに攪拌し、水スラリーとした。この水スラリーを170℃金属板上に噴霧し乾燥させ、触媒前駆体とした。乾燥に要した時間は10秒以下であった。触媒前駆体を触媒1gあたり12ml/分の窒素流通中で、700℃で4時間焼成し、触媒1を得た。ICP分析で鉄の担持量を求めたところ2.8重量%であった。またゼオライト骨格中のケイ素に対する鉄のモル比は0.52であった。
触媒1について、800℃の水蒸気処理を行い、XRDの測定を行い、上記の方法で各ピーク高さに対する比を求めた。水蒸気処理前後のXRDチャートを図1,2に示す。また、上記の触媒評価の条件に基づきNO浄化率を評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例2)
実施例1と同様の方法により、テンプレート含有のゼオライトを合成した。テンプレート含有のゼオライトは、テンプレートを計20重量%含んでいた。
次に、4.6gのシュウ酸鉄アンモニウム三水和物(キシダ化学社製)に40gの純水を加え溶解し、上記テンプレート含有のシリコアルミノフォスフェートゼオライト25gを加えてさらに攪拌し、水スラリーとした。この水スラリーを170℃金属板上に噴霧し乾燥させ、触媒前駆体とした。触媒前駆体を触媒1gあたり6.7ml/分の5%酸素を含有酸素と窒素との混合ガス流通中で、700℃で4時間焼成し、触媒の焼成とともにテンプレートの除去を行い触媒2を得た。評価結果を表2に示す。
(実施例3)
4.6gのシュウ酸鉄アンモニウム三水和物(キシダ化学社製)に40gの純水を加え溶解し、さらに8.3gの硝酸アルミニウム九水和物(キシダ化学社製)を添加して、鉄塩とアルミニウム塩の混合溶液を得た。実施例2に記載のテンプレート含有ゼオライト25gを前記の鉄塩とアルミニウム塩の混合溶液(以下、鉄アルミ塩混合液という)を加えてさらに攪拌し、水スラリーとした。この水スラリーを実施例2と同様に噴霧乾燥、焼成して触媒3を得た。評価結果を表2に示す。
(実施例4)
7.7gのシュウ酸鉄アンモニウム三水和物(キシダ化学社製)に40gの純水を加え溶解し、さらに8.3gの硝酸アルミニウム九水和物(キシダ化学社製)を添加して、鉄アルミ塩混合液を得る。実施例2に記載のテンプレート含有ゼオライト25gを鉄アルミニウム塩の混合溶液を加えてさらに攪拌し、水スラリーとした。この水スラリーを実施例2と同様に噴霧乾燥、焼成して触媒4を得た。評価結果を表2に示す。
(実施例5)
7.7gのシュウ酸鉄アンモニウム三水和物(キシダ化学社製)に40gの純水を加え溶解し、さらに10.7gのポリ塩化アルミニウム(Al2O3:10.5%、大明化学社製)を添加して、鉄アルミ塩の混合溶液を得る。実施例2に記載のゼオライト25gを鉄アルミニウム塩の混合溶液を加えてさらに攪拌し、水スラリーとした。この水スラリーを実施例2と同様に噴霧乾燥、焼成して触媒5を得た。評価結果を表2に示す。
(実施例6)
2.0gの塩基性酢酸鉄(キシダ化学社製)および20gの実施例1に記載のゼオライトを40gの純水に加え、さらに攪拌し、水スラリーとした。この水スラリーを実施例1と同様に噴霧乾燥、焼成して触媒6を得た。評価結果を表2に示す。
(実施例7)
3.5gのクエン酸鉄(昭和化工社製、Fe含有量17.2wt%)および25gの実施例2に記載のゼオライトを40gの純水に加え、さらに攪拌し、水スラリーとした。
この水スラリーを実施例2と同様に噴霧乾燥、焼成して触媒7を得た。評価結果を表2に示す。
(比較例1)
Microporous and Mesoporous Materials 116(1-3), 2008, 188-195に記載された合成方
法でBEA型アルミノシリケートゼオライトを合成した。シリカ/アルミナ比は40であった。
上記のBEAゼオライトに25.7質量%硝酸鉄九水和物(キシダ化学社製)水溶液を加え含浸担持を行った。その後乾燥粉体を実施例1と同様に焼成して触媒8を得た。評価結果を表2に示す。
(比較例2)
4.3gの硝酸鉄九水和物(キシダ化学社製)に40gの純水を加え溶解し、20gの実施例1のゼオライトを加えてさらに攪拌し、水スラリーとした。実施例1と同様に噴霧乾燥、焼成して触媒9を得た。評価結果を表2に示す。
(比較例3)
7.2gの硫酸鉄七水和物(キシダ化学社製)に40gの純水を加え溶解し、15gの実施例1のゼオライトを加えてさらに攪拌し、水スラリーとした。実施例1と同様に噴霧乾燥、焼成して触媒10を得た。触媒10について、実施例1と同様の条件でNO浄化率を評価した。結果を表2に示す。
(比較例4)
米国特許第7645718号明細書のexample2に記載の方法に基づき、テンプレートにTEAOHを使用し、焼成を行いテンプレートを除去したSAPOを合成した。このゼオライトについて、90℃において2000回の水蒸気繰り返し吸脱着試験(90−80−5の水蒸気繰り返し吸脱着試験)を行ったところ、維持率が63%となった。
得られたゼオライトに4.3gの硝酸鉄九水和物(キシダ化学社製)に40gの純水を加え溶解した溶液に6gのSAPOを加えてイオン交換を行った。その後実施例1同様に焼成し触媒11を得た。鉄担持量は0.1重量%であった。評価結果を表2に示す。
(比較例5)
18.4gのシュウ酸鉄アンモニウム三水和物(キシダ化学社製)に40gの純水を加え溶解し、25gの実施例2のゼオライトを加えてさらに攪拌し、水スラリーとした。この水スラリーを実施例2と同様に噴霧乾燥、焼成して触媒13を得た。評価結果を表2に示す。
Figure 2012024674
本発明の窒素酸化物浄化触媒を用いれば、ディーゼルエンジン等から排出される排ガス中に含まれる窒素酸化物を効率よく浄化することができ、また高温排ガス中でも劣化することがないため触媒量を軽減することができる。
また、本発明の窒素酸化物浄化用触媒の製造方法は、活性の高い窒素酸化物浄化用触媒を簡便な方法で提供することができる。

Claims (9)

  1. 骨格構造に少なくともアルミニウム原子とリン原子とケイ素原子を含むゼオライトに鉄を担持した窒素酸化物浄化用触媒であって、
    (1)鉄の担持量がゼオライトの総重量の1重量%以上であり、
    (2)該触媒をCuKαをX線源に用いたX線回折測定したときに、回折角(2θ)が21.2〜21.6度の範囲に観察される回折ピーク高さが0.01以上であり、
    (3)該触媒を800℃で5時間水蒸気処理した後にCuKαをX線源に用いたX線回折測定したときに、回折角(2θ)が20.6〜21.0度の範囲に観察される回折ピーク高さに対する、回折角(2θ)が21.2〜21.6度の範囲に観察される回折ピーク高さの比が0.01以上1.0以下である、
    窒素酸化物浄化用触媒。
  2. 骨格構造に少なくともアルミニウム原子とリン原子とケイ素原子を含むゼオライトに鉄を担持した窒素酸化物浄化用触媒であって、
    (1)鉄の担持量がゼオライトの総重量の1重量%以上であり、
    (2)該触媒をCuKαをX線源に用いたX線回折測定したときに、回折角(2θ)が21.2〜21.6度の範囲に観察される回折ピーク高さが0.01以上であり、
    (3)該触媒を800℃で5時間水蒸気処理した後にCuKαをX線源に用いたX線回折測定したときに、回折角(2θ)が20.6〜21.0度の範囲に観察される回折ピーク高さに対する、回折角(2θ)が21.2〜21.6度の範囲に観察される回折ピーク高さの比が0.01以上1.0以下であり、
    (4)該触媒を800℃で5時間水蒸気処理した前後で、CuKαをX線源に用いたX線回折測定したときに、回折角(2θ)が21.2〜21.6度の範囲に観察される回折ピーク高さが、前記水蒸気処理前の測定で観察される回折ピーク高さに対する、前記水蒸気処理後の測定で観察される回折ピーク高さの比が2以下である、
    窒素酸化物浄化用触媒。
  3. 前記骨格構造に少なくともアルミニウム原子とリン原子とケイ素原子を含むゼオライトの構造が、IZAで表されるコードでCHAである請求項1又は2に記載の窒素酸化物浄化触媒。
  4. 骨格構造に少なくともアルミニウム原子とリン原子とシリコン原子を含むゼオライトと、含炭素鉄塩とを混合する混合工程、混合工程で得られた混合物を乾燥する乾燥工程、及び乾燥工程で得られる乾燥物を焼成する焼成工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の窒素酸化物浄化用触媒の製造方法。
  5. 前記含炭素鉄塩が、鉄有機酸塩であることを特徴とする請求項4に記載の窒素酸化物浄化用触媒の製造方法。
  6. 前記混合工程で混合する物質が、骨格構造に少なくともアルミニウム原子とリン原子とシリコン原子を含むゼオライト、含炭素鉄塩と、さらに周期表の第13族金属であることを特徴とする請求項4または5に記載の窒素酸化物浄化触媒の製造方法。
  7. 前記周期表の第13族金属が、アルミニウムであることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の窒素酸化物浄化触媒の製造方法。
  8. 前記焼成工程が、酸素10体積%以下の低酸素雰囲気下において、500℃以上で焼成を行うことを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の窒素酸化物浄化触媒の製造方法。
  9. 前記骨格構造に少なくともアルミニウム原子とリン原子とシリコン原子を含むゼオライトが、ケイ素原子原料、アルミニウム原子原料、リン原子原料およびテンプレートを混合した後水熱合成して製造するものであり、かつ前記テンプレートとして、ヘテロ原子として窒素を含む脂環式複素環化合物、及びアルキルアミンの2つの群から各群につき1種以上の化合物を選択したテンプレートを用いることを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の窒素酸化物浄化触媒の製造方法。
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