JP2012023824A - 自家発電システム、中央管理装置及び電気機器の動作を制御する方法 - Google Patents

自家発電システム、中央管理装置及び電気機器の動作を制御する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】初期費用の回収期間を効率よく短縮することができる中央管理装置を提供する。
【解決手段】中央管理装置101において、通信I/F402は、電気機器の各々から送信される内部状態情報を取得し、テーブル記憶部405は、受信した内部状態情報を情報の送信先の電気機器と関連付けて記憶する。内部状態情報は、定常状態時における通電のオン・オフ周期の長さ及び定常状態を維持するために必要なオン許可期間の長さを示す情報を含む。制御部401は、テーブル記憶部405に記憶される内部状態情報に基づいて、通電のオン・オフ周期の長さの等しい電気機器をグループ化し、当該グループの電気機器の合計消費電力が少ない期間を設けられるように、グループに属する電気機器の各々における通電の動作タイミングを決定する。通信I/F402は、電気機器の各々に対し、決定された動作タイミングを示す指令信号を送信する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、発電システムに含まれる中央管理装置に関し、特には、少なくとも1つの電気機器の通電のオン・オフを制御する技術に関する。
近年、太陽光発電システムを導入する個人及び事業主が増えている。太陽光発電は、自然エネルギーを利用できるという利点、及び、一般家庭用住宅の屋根等の空きスペースを利用できるという利点がある一方、初期費用が高額になるという問題がある。
日本政府は、太陽光発電システムをさらに普及させるために、補助金制度及び太陽光発電電力の買取制度を導入している。補助金制度とは、初期費用の一部を国及び地方自治体が負担するものである。太陽光発電電力の買取制度とは、太陽光発電電力から自家消費電力を除いた余剰電力を電力会社に買取らせるものである。
近年、この買取制度の改正が行なわれ、太陽光発電電力の売電価格が約2倍に引上げられている。非特許文献1には、一般家庭に太陽光発電システムを導入した場合のモデルケースの試算が開示されている。非特許文献1によれば、上記した買取制度の改正によって、従来では20年以上を要していた初期費用の回収期間が、10年程度にまで短縮される。初期費用の回収期間をさらに短縮することができれば、太陽光発電システムはより一層普及すると考えられる。
初期費用の回収期間を短縮するための技術として、例えば、後掲の特許文献1には、商用電力系統に対して電力を逆潮流可能に設けられる自家発電機と、商用電力系統側のエネルギー情報と自家発電機側のエネルギー情報とを取得し、取得した情報に基づいて経済的に最も有利な運転モードになるように自家発電機を運転制御する運転モード決定装置及びコントローラと、を備える自家発電システムが開示されている。
また後掲の特許文献2には、発電装置の発電量、並びに、各戸及び共有部の電力使用量を監視することで得られる発電量と総電力使用量とを比較し、この比較によって得られるマンション全体の電力需給状況を各戸に対して通知するとともに、状況に応じた節電を各戸に促すことで、発電装置を共有する複数戸の電力管理を総合的に実行する電力管理システムが開示されている。
また後掲の特許文献3には、幹線ブレーカに流れる電流を取得し、取得した電流値及び電流値の変化に基づいて幹線の電流値を予測し、予測電流値に応じた運転指令を各戸の電気機器へ送信することによって、集合住宅における各戸間の電力負荷を協調制御してピーク電力を抑制する技術が開示されている。
特開平10−42472号公報 特許第3980980号 特開2005−312210号公報
"今こそ太陽光発電"、経済産業ジャーナル 平成21年9・10月号、[online]、経済産業省、[平成22年 2月12日検索]、インターネット〈URL:http://www.meti.go.jp/publication/data/2009_09.html〉
特許文献1に記載の技術は、ガスまたは石油などの自家発電システムであって、発電量を自ら制御できるものである。太陽光発電システムはこれらと異なり、発電量を自ら制御することはできない。したがって、特許文献1に記載の技術を太陽光発電システムに適用することはできない。
特許文献2に記載の技術は、監視・制御部が各世帯に対して節電依頼を通知する。しかし、実際に節電するのは各世帯の住人である。住人が通知に気が付かなければ節電されることはない。住人が通知に気が付いたとしても、節電に協力するかどうかはそのときの住人の行動による。快適さを重視する必要がある場合、節電依頼の通知を受け取っても節電に協力できないことがあるしないかもしれない。したがって、特許文献2に記載の技術で太陽光発電システムの初期費用の回収を有効に短縮化することは難しい。
特許文献3に記載の技術では、幹線電流制御指示器が、各戸の電力制御機能付き電気機器に対して制御命令を送信する。各電気機器は、この制御命令にしたがって、省エネルギー運転に移行するなどの所定の動作を行なう。したがって、自動的に節電を実現可能な仕組みは提案されているといえる。しかし、設定された空調温度を住人の意思と無関係に変更したり、対象機器をオフしたりすると、住人の快適さを損ねることにつながる。
可能であれば、快適さを犠牲にすることなく、電気機器を使い続けられるようにしながら、太陽光発電システムの初期投資額をなるべく短期で回収できるようにすることが望ましい。
本発明の目的は、電力を消費する電気機器を含む太陽光発電システムにおいて、そうした電気機器によりもたらされる快適さをできるだけ損なわずに太陽光発電システムの初期費用の回収期間を効率よく短縮できる中央管理装置を提供することである。
本発明の第1の局面に係る自家発電システムは、各々、電力消費が周期的に変化する1以上の電気機器と、自家発電装置と、電気機器の動作タイミングを管理する中央管理装置とを含む自家発電システムである。中央管理装置は、1以上の電気機器のうち、電力消費の周期が同一の電気機器からなるグループを抽出するための抽出手段と、抽出手段により抽出されたグループに属する電気機器の合計消費電力が少ない期間を設けられるように、当該グループに属する電気機器の動作タイミングを決定することにより、自家発電装置による発電電力量のうち、1以上の電気機器に供給される自給電力量を調整し、余剰電力量を増大させるための積極的売電手段とを含む。
同一周期の電気機器の合計消費電力が少ない期間を設けられるよう、各電機機器の動作タイミングを決定することにより、電気機器の消費電力が小さくなる期間が長くなる。その間、自家発電装置の発電電力量のうちの余剰電力量が増大し、余剰電力量を積極的に売電できる。したがって、売電単価が買電単価より高いという条件のもとで、自家発電システムの電力収支を改善できる。
好ましくは、中央管理装置はさらに、抽出手段により抽出されたグループに属する電気機器の消費電力が平準化するように、当該グループに属する電気機器の動作タイミングを決定することにより、消費電力ピークを抑圧するためのピーク電力抑圧手段と、売電単価が買電単価より高いか否かにより、積極的売電手段とピーク電力抑圧手段とを切替えて動作させるための切替手段とを含む。
売電単価が買電単価より大きいときには自家発電装置の発電する電力を積極的に売電できる。売電単価が買電単価以下である場合には、ピーク電力抑圧手段によりピーク電力が平準化される。その結果、売電しても電力収支の改善が望めない場合には、自家発電システムのピーク電力を抑圧し、売電の効果があるときには積極的に売電を行なうことができ、自家発電システムの電力収支を改善できる。
本発明の第2の局面に係る中央管理装置は、1以上の電気機器と、自家発電装置とを含む自家発電システムで使用される中央管理装置である。この中央管理装置は、1以上の電気機器のうち、電力消費の周期が同一の電気機器からなるグループを抽出するための抽出手段と、抽出手段により抽出されたグループに属する電気機器の合計消費電力が少ない期間を設けられるように、当該グループに属する電気機器の動作タイミングを決定し、当該グループに属する電気機器に通知することにより、自家発電装置による発電電力量のうち、1以上の電気機器に供給される自給電力量を調整し、余剰電力量を増大させるための積極的売電手段とを含む。
好ましくは、積極的売電手段は、抽出手段により抽出された電気機器について、周期内において、余剰電力量を極大化させるように、各電器機器に対して電力供給を許可する期間を当該電気機器の動作の周期内に配置するための手段を含む。
中央管理装置はさらに、抽出手段により抽出されたグループに属する電気機器の消費電力が平準化するように、当該グループに属する電気機器の動作タイミングを決定し、当該グループに属する電気機器に通知することにより、消費電力のピークを抑圧するためのピーク電力抑圧手段と、売電単価が買電単価より高いか否かにより、積極的売電手段とピーク電力抑圧手段とを切替えて動作させるための切替手段とを含んでもよい。
好ましくは、ピーク電力抑圧手段は、抽出手段により抽出されたグループに属する電気機器について、当該グループに属する電気機器の周期内において、当該グループに属する電気機器の消費電力を平準化させるように、各電器機器に対して電力供給を許可する期間を当該電気機器の動作の周期内に配置するための手段を含む。
本発明の第3の局面に係る方法は、1以上の電気機器と、自家発電装置とを含む自家発電システムで使用される中央管理装置を用いて電気機器を制御する方法である。中央管理装置は、1以上の電気機器のうち、電力消費の周期が同一の電気機器からなるグループを抽出するための抽出手段と、抽出手段により抽出されたグループに属する電気機器の合計消費電力が少ない期間を設けられるように、当該グループに属する電気機器の動作タイミングを決定し、当該グループに属する電気機器に通知することにより、自家発電装置による発電電力量のうち、1以上の電気機器に供給される自給電力量を調整し、余剰電力量を増大させるための積極的売電手段とを含む。この方法は、抽出手段により、1以上の電気機器のうち、電力消費の周期が同一の電気機器からなるグループを抽出するステップと、積極的売電手段により、抽出するステップ手段において抽出されたグループに属する電気機器の合計消費電力が少ない期間を設けられるように、当該グループに属する前記電気機器の動作タイミングを決定し、当該グループに属する電気機器に通知することにより、自家発電装置による発電電力量のうち、1以上の電気機器に供給される自給電力量を調整し、余剰電力量を増大させるステップとを含む。
好ましくは、中央管理装置は、さらに、抽出手段により抽出されたグループに属する電気機器の消費電力が平準化するように、当該グループに属する電気機器の動作タイミングを決定し、当該グループに属する電気機器に通知することにより、消費電力のピークを抑圧するためのピーク電力抑圧手段と、売電単価が買電単価より高いか否かにより、積極的売電手段とピーク電力抑圧手段とを切替えて動作させるための切替手段とを含む。この方法はさらに、ピーク電力抑圧手段により、抽出手段により抽出されたグループに属する電気機器の消費電力が平準化するように、当該グループに属する電気機器の動作タイミングを決定し、当該グループに属する電気機器に通知するステップと、切替手段により、売電単価が買電単価より高いか否かにより、積極的売電手段とピーク電力抑圧手段とを切替えて動作させるステップとを含む。
本発明の第4の局面に係るコンピュータプログラムは、1以上の電気機器と自家発電装置とを含む自家発電システムにおいて、1以上の電気機器と通信可能な通信装置を有するコンピュータにより実行される。このコンピュータプログラムは、当該コンピュータを、1以上の電気機器のうち、電力消費の周期が同一の電気機器からなるグループを抽出するための抽出手段と、抽出手段により抽出されたグループに属する電気機器の合計消費電力が少ない期間を設けられるように、当該グループに属する電気機器の動作タイミングを決定し、当該グループに属する電気機器に通知することにより、自家発電装置による発電電力量のうち、1以上の電気機器に供給される自給電力量を調整し、余剰電力量を増大させるための積極的売電手段として機能させる。
本発明の第5の局面に係る記録媒体は、上記したコンピュータプログラムを記録した、コンピュータ読取可能な記録媒体である。
本発明によれば、電力消費の周期の長さの等しい電気機器をグループ化し、グループに属する電気機器がオンとなる動作タイミングが揃うように決定するので、電機機器の電力消費の小さな期間が長くなる。自家発電装置による発電量を売電可能な期間が長くなるので、売電量を大きくすることが可能になる。その結果、売電価格が買電単価より高いという条件のもとで、電力収支を効率的に改善できる。
初期費用の回収期間について説明するための図である。 ある電気機器の消費電力例を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態に係る太陽光発電システムの構成を示す図である。 電気機器の1例である電気ヒータの構成及び機能を示すブロック図である。 中央管理装置の構成及び機能を示すブロック図である。 第1の実施の形態において、電気ヒータの周期及び目標温度によるその変化を説明するための図である。 第1の実施の形態において、電気ヒータの位相を説明するための図である。 第1の実施の形態において、電気ヒータの制御信号のデューティ比を説明するための図である。 (A)及び(B)はそれぞれ、第1及び第2の電気機器における、通電のオン・オフのタイミングと消費電力との関係を示すグラフであり、(C)は、第1及び第2の電気機器における、通電のオン・オフのタイミングと消費電力の合計との関係を示すグラフである。 (A)及び(B)はそれぞれ、第1及び第2の電気機器における、通電のオン・オフのタイミングと消費電力との関係を示すグラフであり、(C)は、第1及び第2の電気機器における、通電のオン・オフのタイミングと消費電力の合計との関係を示すグラフである。 (A)は、オン期間Ton1,Ton2がずれている場合の、第1及び第2の電気機器における、通電のオン・オフのタイミングと消費電力の合計との関係を示すグラフであり、(B)は、オン期間Ton1,Ton2が重なっている場合の、第1及び第2の電気機器における、通電のオン・オフのタイミングと消費電力の合計との関係を示すグラフである。 (A)は、オン期間Ton1,Ton2がずれている場合の、第1及び第2の電気機器における、通電のオン・オフのタイミングと消費電力の合計との関係を示すグラフであり、(B)は、オン期間Ton1,Ton2が重なっている場合の、第1及び第2の電気機器における、通電のオン・オフのタイミングと消費電力の合計との関係を示すグラフである。 異なる電気機器のオン期間を重ねた場合における、太陽光発電電力と売電量の増加量との関係を示すグラフである。 第1の実施の形態において、電気機器の周期の調整方法を説明するための模式的グラフである。 目標周期の候補を表形式で示す図である。 第1の実施の形態において、電気機器(電気ヒータ)と中央管理装置と間のプロトコルを示す図である。 (a)は電気機器(電気ヒータ)から中央管理装置へ通知される内容を示す図であり、(b)は中央管理装置から電気機器(電気ヒータ)へ送信される指令内容を示す図である。 第1の実施の形態における、現在時刻がオン許可期間中かどうかを判定する方法を説明するための図である。 従来技術における、電気機器(電気ヒータ)の内部状態の遷移を示す状態遷移図である。 第1の実施の形態における、電気機器(電気ヒータ)の内部状態の遷移を示す状態遷移図である。 オンすべきタイミングが来たか動かに関する判定方法を説明するための図である。 「指令に反してまでオン継続すべき」か否かに関する判定方法を説明するための図である。 第1の実施の形態に係るシステムを構成する電気機器において、スイッチが操作されたときに実行されるコンピュータプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 第1の実施の形態に係るシステムを構成する電気機器において、定期的に実行されるヒータ制御のためのコンピュータプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図24に示す電気機器において、STATE=1のときに実行されるコンピュータプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図24に示す電気機器において、STATE=2のときに実行されるコンピュータプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図24に示す電気機器において、STATE=3のときに実行されるコンピュータプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図24に示す電気機器において、STATE=4のときに実行されるコンピュータプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図24に示す電気機器において、STATE=5のときに実行されるコンピュータプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 電気機器からの通知を検出したときに中央管理装置が実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 第1の実施の形態における、中央管理装置のフローチャートである。 第1の実施の形態における、中央管理装置のテーブルである。 動作モード移行処理を実現するためのプログラム構造をフローチャート形式で示す図である。 中央管理装置における動作モードの遷移の様子を示す図である。 第2の実施の形態における、消費電力がそれぞれ異なる場合の例を示す図である。 第2の実施の形態における、中央管理装置の割り当て方法の一例を説明するための図である。 第2の実施の形態における、中央管理装置の割り当て方法の一例を説明するための図である。 一般家庭における、一日の太陽光発電電力量及び自家消費電力量の推移の一例を示す図である。
以下の説明及び図面においては、同一の部品には同一の参照符号及び名称を付してある。それらの機能も同様である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態に係る太陽光発電システム100について説明する。なお、本実施の形態では、売電価格が買電価格よりも高いことを前提とする。また、本発明の第1の実施の形態に係る太陽光発電システム100は自家発電システムの一実施であり、同様に、第1の実施の形態に係る太陽電池アレイ105、パワーコンディショナ109等は自家発電装置の一実施である。
[初期費用の回収期間]
図1(A),図1(B)を参照して、太陽光発電システムを導入した場合の電力量について説明する。自家消費電力量50は、電力会社から購入する電力量(購入電力量)52と、自家消費電力量のうち太陽光発電電力量56で賄える電力量(自給電力量)54と、電力会社へ売電する電力量(余剰電力量)58と、に分類できる。自家消費電力量50は、購入電力量52と自給電力量54とを足したものである。下式参照。
自家消費電力量=購入電力量+自給電力量
太陽光発電電力量56は、自給電力量54と余剰電力量58とを足したものである。下式参照
太陽光発電電力量=自給電力量+余剰電力量
図1(C)を参照して、グラフD1,D2は、それぞれ、太陽光発電システムを導入しない場合と、導入する場合とにおける電力使用に関する支出から収入を引いたもの(電力収支)を示す。ここで、自家消費電力量、太陽光発電電力量などは経過年数によって変わらないものとする。また、買電単価、売電単価なども変わらないものとする。横軸Xは現在からの経過年数を示す。グラフD1,D2が交わる点に対応する経過年数Xは、初期費用の回収期間を示す。太陽光発電システムを導入しない場合は、自家消費電力量をすべて電力会社から購入しなければいけない。太陽光発電システムを導入する場合は、自家消費電力量のうち購入電力量分を電力会社から購入する。また、太陽光発電電力量のうち余剰電力量分を電力会社へ売却できる。
したがって、グラフD1及びD2を表す式はそれぞれ以下のとおりである。
D1:自家消費電力量×買電単価×X
D2:初期費用+購入電力量×買電単価×X−余剰電力量×売電単価×X
グラフD1とグラフD2とが交わる経過年数Xが初期費用の回収期間なので、Xは以下の式で与えられる。
=初期費用/(自給電力量×買電単価+余剰電力量×売電単価)
初期費用及び太陽光発電電力量が変わらないものとする。初期費用の回収期間を短くするためには、売電価格及び買電価格に応じて、自給電力量54と余剰電力量58との配分を変える必要がある。すなわち、売電価格が買電価格よりも高い場合には、自給電力量54を減らして余剰電力量58を増やすことが好ましい(図1(B)参照)。一方、売電価格が買電価格よりも低い場合には、自給電力量54を増やして余剰電力量58を減らすことが好ましい(図1(A)参照)。本実施の形態では、売電価格が買電価格よりも高いことを前提としているので、電気機器を連携動作させて売電量を増加させることで初期費用の回収期間を短縮化することを目的とする。
[連携動作の基本的考え方]
図2に、ある電気機器の消費電力例を示す。ここでは、電気機器の例として、ヒータの温度制御を行なう機器を考える。ここでは、説明を分かりやすくするため、オン/オフの2値でヒータを制御するものとする。
図2から判断できるように、電気機器は目標温度が与えられると以下のように動作する。温度センサによって温度を観測する。以下、観測される温度を「センサ温度」と呼ぶ。センサ温度が目標温度を下回っていればヒータ通電をオンにする。ヒータ通電をオンにするとセンサ温度が上昇する。センサ温度が目標温度に到達すると、ヒータ通電をオフにする。ヒータ通電をオフにすると、センサ温度が低下する。センサ温度が、目標温度の下限に到達すると、再びヒータ通電をオンにする。以降、センサ温度が目標温度を中心とした所定の範囲(以下、この範囲を「目標温度の範囲」と呼ぶ。)内に留まるように、ヒータ通電のオンとオフを繰返す。以下の説明では、この繰返し状態のことを、定常状態152と呼ぶこととする。スイッチが入れられてから定常状態になるまでを過渡状態150と呼ぶ。
いったん定常状態152に入ると、センサ温度が目標温度の範囲内に収まっている限り、ヒータ通電のオンとオフのタイミングを多少前後させても、差し支えないはずである。つまり、そのような通電は電気機器の本来の使い方に沿ったものである。
このような電気機器が複数ある場合を想定する。それぞれの電気機器が個別に動作していると、有効に売電量を増加させることはできない。しかし、それぞれの電気機器のオンとオフとのタイミングをある考え方にしたがい協調動作させると、売電量を増加させることができる。その協調動作の方法については、図13を参照して後述する。そうした協調動作により、電力をなるべく消費しない期間を作り出したり、逆にピーク電力を抑えたりするような制御のいずれを行なうことができる。
なお、以下の実施の形態では、電気機器として比較的消費電力量の大きなヒータを想定する。しかし本発明が電気ヒータのみに適用可能なものでないことは明らかである。電気を消費する機器全てを本発明の制御対象とすることができる。
[太陽光発電システム100]
図3を参照して、太陽光発電システム100は、一般家庭用住宅の屋根等に設置される太陽電池アレイ105と、太陽電池アレイ105にて発電された電力を集電する接続箱108と、接続箱108から入力される直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナ109と、パワーコンディショナ109から入力される交流電力を、電灯線に接続されるエアコンディショナ(以下「エアコン」と呼ぶ。)110、電気ヒータ111及び冷蔵庫112に対して供給する、又は、商用電力系統113に対して逆潮流させる分電盤102と、を含む。本システムで利用可能な電気機器は、一般家庭内にて一般的に使用されるものであればよく、上記のものに限定されない。電気機器の個数も上記のものに限定されない。
一般家庭内で発生した余剰電力は、分電盤102、売電用電力量計106、及び買電用電力量計107を介して、商用電力系統113に対して逆潮流される。売電用電力量計106は、余剰電力量を計測する。商用電力系統113から供給される電力は、買電用電力量計107、売電用電力量計106、及び分電盤102を介して、エアコン110、電気ヒータ111、冷蔵庫112などの電気機器に供給される。買電用電力量計107は、商用電力系統113からの購入電力量を計測する。
太陽光発電システム100はさらに、パワーコンディショナ109内の発電電力計及び消費電力計(以上いずれも図示せず。)によって計測される太陽光発電電力(又は太陽光発電電力量)、自家消費電力(又は自家消費電力量)、売電量、及び買電量等の情報を表示する電力モニタ114を含む。太陽光発電システム100に含まれる上記した各部には、当該分野において一般的に使用されるものが用いられる。
太陽光発電システム100はさらに、中央管理装置101を含む。中央管理装置101は、パワーコンディショナ109から出力される、太陽光発電電力(又は太陽光発電電力量)、自家消費電力(又は自家消費電力量)、売電量、及び買電量等の情報を取得できる。
エアコン110、電気ヒータ111、冷蔵庫112及び中央管理装置101は、それぞれ、通信インターフェイス(以下「通信I/F」と記す。)122,124,126及び120を備え、互いに通信可能である。通信I/F122,124,126及び120としては、当該分野において一般的に使用されるものであれば特に限定されない。例えば、ZigBee(例えば、IEEE802.15.4)、Bluetooth(登録商標)、特定小電力無線、赤外線通信、及び無線LAN(Local Area Network)等を用いる無線通信用の通信モジュール、PLC(Power Line Communications)、RS−485、及びEthernet(登録商標)等を用いる有線通信用の通信モジュール、並びに、上記無線通信用の通信モジュール及び有線通信用の通信モジュールを組合せたハイブリッド型の通信モジュール等を使用できる。これらの中でも特に、新たに配線を準備する必要のない点から、PLC用の通信モジュールを使用することが好ましい。PLCには、通信速度が数10kbps程度の低速PLC、及び、通信速度が200Mbps程度までの高速PLCが含まれるが、本実施の形態では、低速PLCを使用することが好ましい。例えば、HomePlug Command and Control(HomePlug C&C)という規格のものを使用できる。中央管理装置101は、通信I/F402を介して、エアコン110、電気ヒータ111、及び冷蔵庫112から、後述する内部状態情報を取得する。また、エアコン110、電気ヒータ111、及び冷蔵庫112に対して、後述する指令信号を送信する。
中央管理装置101及び電力モニタ114はまた、ルータ103を介して、IP(Internet Protocol)網104等の外部ネットワークに接続される。電力モニタ114は、IP網104等に接続される電力会社の端末装置等と通信を行なうことで、ユーザに対し、発電診断レポートの交付等のモニタリングサービスを提供できる。中央管理装置101は、IP網104等に接続される電力会社の端末装置等から売電価格及び買電価格等の情報を取得できる。中央管理装置101は、エアコン110、電気ヒータ111、及び冷蔵庫112がIP網104等の外部ネットワークと通信可能である場合には、エアコン110、電気ヒータ111、及び冷蔵庫112に対して遠隔地に設置されている場合においても、エアコン110、電気ヒータ111、及び冷蔵庫112から内部状態情報を取得し、エアコン110、電気ヒータ111、及び冷蔵庫112に対して指令信号を送信できる。
〈ハードウェア構成〉
[エアコン110、電気ヒータ111、冷蔵庫112]
以下、エアコン110、電気ヒータ111、冷蔵庫112等の電気機器を代表して、電気ヒータ111の構成及び機能について説明する。冷蔵庫112及びエアコン110は、本実施の形態に係る電力制御に関して、電気ヒータ111と同一の構成を有する。
図4を参照して、電気ヒータ111は、制御部301を含む。制御部301は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)(以上いずれも図示せず。)等を内蔵する組込みシステム用の1チップマイクロコントローラ(以下「1チップマイコン」と記す。)である。CPU、RAM及びROMは、バスライン(図示せず。)を介して電気的に接続される。
制御部301のCPUは、ROMに格納される各種コンピュータプログラム及びデータにしたがって、電気ヒータ111全体の動作を制御する。RAMは、CPUによる演算及び処理の結果を一時的に記憶するワーキングメモリとしての機能を提供する。ROMは、電気ヒータ111の動作を制御するのに必要な上記各種コンピュータプログラム及びデータを格納する読出し専用の不揮発性記憶デバイスである。ROMには、電気ヒータ111の一般的な動作を制御するのに必要な各種コンピュータプログラムとともに、後述する、通電制御開始終了処理、通電制御処理、状態判定処理、過渡状態制御処理、及び、定常状態制御処理を実現するためのコンピュータプログラムが記憶される。ROMにはさらに、後述する目標周期一覧表が記憶される。
電気ヒータ111はさらに、通信I/F302と、入力部303と、センサ部304と、表示部305と、タイマ306と、コントローラ309と、を含む。これらの各部は、バスライン(図示せず)を介して、制御部301と電気的に接続される。
電気ヒータ111は、通信I/F302を介して、中央管理装置101との通信を行なう。
入力部303は、文字及び各種設定値等を入力するための各種ボタン、並びに、温度制御のオン・オフを指示するための通電制御スイッチ等を含む入力デバイスである。ユーザは、入力部303に対する入力操作によって、例えば、目標温度の範囲を設定できる。
センサ部304は、サーミスタ等からなる温度センサである。センサ部304は、電気ヒータ111が設置される部屋の室温(以下「センサ温度」と記す。)を計測し、計測結果を制御部301に対して出力する。
表示部305は、液晶ディスプレイ(LCD(Liquid Crystal Display))及びLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等からなる表示デバイスである。表示部305は、電源のオン・オフ状態、設定された目標温度の範囲、及び、センサ温度等の情報を表示する。
タイマ306は、水晶発振器等のクロックジェネレータを含む。タイマ306は、電気ヒータ111が保持する現在時刻の管理を行なう。タイマ306は、例えば、入力部303に対するユーザの入力操作によって現在時刻が設定された場合には、その設定時以降は、クロックジェネレータから出力されるクロックに基づいて時刻を随時インクリメントすることで現在時刻を保持する。タイマ306は、制御部301及び後述する時刻同期部307に対し、保持する現在時刻を出力する。
コントローラ309は、継電器(リレー)等からなり、制御対象物310に対する通電のオン・オフ等を制御する。制御対象物310は、例えば、金属抵抗発熱体等の発熱体である。
電気ヒータ111はさらに、時刻同期部307を含む。この時刻同期部307は、実際には、制御部301によって実行されるコンピュータプログラムによって実現される。時刻同期部307は、中央管理装置101に対する時刻同期のクライアント機能を実現する。すなわち、時刻同期部307は、通信I/F302を介して、中央管理装置101とパケットの送受信を行ない、中央管理装置101のパケット送信時刻及び電気ヒータ111のパケット受信時刻に基づいて時刻合わせ処理を行なう。これによって、タイマ306は、中央管理装置101の現在時刻と同期をとることができる。上記した時刻合わせ処理の方法としては、当該分野において一般的に使用される方法であれば特に限定されないが、例えば、NTP(Network Time Protocol)を利用する方法等がある。
電気ヒータ111はさらに、状態管理部308を含む。この状態管理部308は、実際には、制御部301を構成するRAMによって実現される。状態管理部308は、電気ヒータ111の内部状態情報、及び、中央管理装置101から送信される指令信号の内容を記憶し、管理する。内部状態情報及び指令信号の構成については、後述する。
[中央管理装置101]
図5を参照して、中央管理装置101は、制御部401を含む。制御部401は、CPU、RAM、及びROM(以上いずれも図示せず。)等を内蔵するモジュールである。CPU、RAM及びROMは、バスライン(図示せず)を介して電気的に接続される。
CPUは、ROMに格納される各種コンピュータプログラム及びデータにしたがって、中央管理装置101全体の動作を制御する。RAMは、CPUによる演算及び処理の結果を一時的に記憶するワーキングメモリとしての機能を提供する。ROMは、中央管理装置101の動作を制御するのに必要な上記各種コンピュータプログラム及びデータを格納する読出し専用の不揮発性記憶デバイスである。ROMには、中央管理装置101の一般的な動作を制御するのに必要な各種コンピュータプログラムとともに、後述する、管理テーブル更新処理、及び、内部状態情報削除処理を実現するためのコンピュータプログラムが記憶される。
中央管理装置101はさらに、通信I/F402と、高速通信I/F406と、タイマ403と、を含む。これらの各部は、バスライン(図示せず)を介して、制御部401と電気的に接続される。
中央管理装置101は、通信I/F402を介して、エアコン110、電気ヒータ111、冷蔵庫112との通信を行なう。
高速通信I/F406は、ルータ103を介して、IP網104等の外部ネットワークとのインターフェイスをとる。高速通信I/F406としては、当該分野において一般的に使用されるものであれば特に限定されないが、例えば、イーサネット(Ethernet(登録商標))インターフェイス等を使用できる。
タイマ403は、水晶発振器等のクロックジェネレータを含む。タイマ403は、中央管理装置101が保持する現在時刻の管理を行なう。タイマ403は、例えば、後述する時刻同期部404による時間同期のクライアント機能によって現在時刻が設定された場合には、その設定時以降は、クロックジェネレータから出力されるクロックに基づいて時刻を随時インクリメントすることによって現在時刻を保持する。タイマ403は、制御部401及び後述する時刻同期部404に対し、保持する現在時刻を出力する。
中央管理装置101はさらに、時刻同期部404を含む。この時刻同期部404は、実際には、制御部401によって実行されるコンピュータプログラムによって実現される。時刻同期部404は、IP網104等に接続される外部の時刻サーバ(例えば、NTPサーバ)に対する時刻同期のクライアント機能を実現する。すなわち、時刻同期部404は、高速通信I/F406及びルータ103を介して、外部の時刻サーバとパケットの送受信を行ない、外部の時刻サーバのパケット送信時刻及び中央管理装置101のパケット受信時刻に基づいて時刻合わせ処理を行なう。これによって、タイマ403は、外部の時刻サーバの現在時刻と同期をとることができる。
時刻同期部404はさらに、エアコン110、電気ヒータ111、冷蔵庫112に対する時刻同期のサーバ機能を実現する。すなわち、時刻同期部404は、通信I/F402を介して、エアコン110、電気ヒータ111、冷蔵庫112に対してパケットを送信することで、エアコン110、電気ヒータ111、冷蔵庫112に対し、自己が有する現在時刻を通知できる。
中央管理装置101はさらに、テーブル記憶部405を含む。このテーブル記憶部405は、実際には、制御部401を構成するRAMによって実現される。テーブル記憶部405は、エアコン110、電気ヒータ111、冷蔵庫112などの電気機器から受信する内部状態情報、及び、これら電気機器に対して送信するための指令信号の内容等を管理テーブルとして記憶し、管理する。管理テーブルについては後述する。
中央管理装置101はさらに、シリアル通信I/F407を含む。シリアル通信I/F407は、RS−485等に代表されるシリアル通信コントローラである。中央管理装置101は、シリアル通信I/F407を介して、パワーコンディショナ109との通信を行なうことで、パワーコンディショナ109から、太陽光発電電力(量)、自家消費電力(量)、並びに、現在の買電価格及び売電価格等の情報を得ることができる。
中央管理装置101はさらに、タッチパネルコントローラ408及び液晶コントローラ409を含む。タッチパネルコントローラ408は、タッチパネル(図示せず。)と電気的に接続され、タッチパネルに対するユーザの入力操作に基づく指示を受付けて、その指示に応じた制御信号を制御部401に対して出力する。液晶コントローラ409は、液晶ディスプレイ(図示せず。)と電気的に接続され、制御部401の指示に応じて、液晶ディスプレイに対し、中央管理装置101の状態及び各種処理の状態に関する情報等を表示させる。上記したタッチパネルと液晶ディスプレイとは重ねて構成される。
一般的なパソコンを中央管理装置101として使用してもよい。又は家庭内にHEMS(Home Energy Management System)コントローラが存在していれば、当該HEMSコントローラを中央管理装置101として機能させてもよい。
〈電気ヒータの制御方法〉
基本的な電気ヒータの制御方法については、図2に示した通りである。この制御方法においては、ヒータ通電のオンとオフとのタイミングを周期と位相という概念で捉えることができる。すなわち、ヒータ通電のオン期間とそのオン期間と隣り合うオフ期間とを合計した期間を電気ヒータ111のヒータ通電の1周期とする。位相については、様々な時点を基準にとることができる。例えば、ヒータ通電を開始した瞬間(ヒータ通電の開始時)を位相0と考えることができる。ヒータのオンとオフとのタイミングを変えるということは、ヒータ通電の周期と位相とを変えることに相当する。
図6を参照して、電気ヒータの周期と位相との関係について説明する。図6(A)は、目標温度を25℃±0.5℃に設定した時の、ヒータ通電時間と室温とに関するシミュレーション結果である。図6(B)は、目標温度を25℃±1.0℃に設定した時の同様のシミュレーション結果である。図6(C)は、目標温度を25℃±1.5℃に設定した時の同様のシミュレーション結果である。
図6(A)、(B)及び(C)を参照すると、いずれの場合もスイッチがオンとなった当初は室温は低い。しかしヒータ通電を続けてある程度の時間がたつと室温は目標温度近くになる。するとヒータ通電はオンとオフとを一定の周期で繰返すようになる。これが定常状態である。これに対し最初にスイッチオンされた時点から定常状態となるまでの状態は過渡的なものである。この状態を過渡状態と呼ぶ。図6(A)−(C)から、目標温度の範囲を調整することで、定常状態になったときのヒータ通電のオンとオフとの周期が変わることがわかる。周期を長くしたい場合は、目標温度の範囲を広げるのがよい。逆に、周期を短くしたい場合は、目標温度の範囲を狭めるのがよい。一般的に言えば、目標温度の範囲を調整することで、周期を変えることができる。しかし、周期をどこまで変更できるかについては、ハードウェアの特性及びユーザの要求によっても異なる。したがって可能な周期の範囲は実装依存となる。
図7を参照して、電気機器(電気ヒータ)の位相について説明する。先ほど述べたように、ヒータ通電オンを開始した瞬間を位相0と考えることができる。図7から容易に分かるように、室温が目標温度の範囲内に収まっている限り、ヒータ通電をオンするタイミング、オフするタイミングを早めることは可能である。
図7(B)を参照して、ヒータ通電がオンになっている期間をTon、オフになっている期間をToffとする。すると周期はTon+Toffと表わすことができる。ヒータ通電を制御する信号のデューティ比は、1周期におけるオン期間の割合なので、Ton/(Ton+Toff)で表せる。図7(B)に示すようにある電気機器のオン期間とオフ期間とを波形で表したときに算出されるこのデューティ比を、本明細書ではその電気機器のディーティ比と呼ぶ。
図8を参照して、目標温度の範囲を変化させたときの、電気機器のデューティ比について考察する。図8(A)に、目標温度の上限を2種類設定した場合の、センサ温度の時間経過の例を示す。実線が第1の目標温度上限で、点線が第2の目標温度上限である(ただし第1の目標温度上限<第2の目標温度上限である。)。図8(A)に示すとおり、目標温度上限が低い(目標温度幅が狭い)ときのセンサ温度420は、目標温度上限が高い(目標温度幅が広い)ときのセンサ温度422より早く上限に達する。そのため、ヒータ通電ははやい時期にオフし、センサ温度が低下し始める。
図8(B)と図8(C)とは、それぞれ、第1の目標温度上限と第2の目標温度上限とが設定されたときのヒータ制御430及び432を示す。これらから分かるように一般的には、センサ温度が目標温度上限に到達するまでヒータ通電オンを継続し、目標温度上限に到達するとそれ以降はヒータ通電オフにする。
温度上昇のスピード(傾斜)と温度下降のスピード(傾斜)とがほぼ変わらないとすると、図8(A)から明らかなように、2つの山は相似な三角形となる。つまり、目標温度の範囲を少しだけ変えても、デューティ比はほぼ変わらない、と考えてよい。
[異なる電気機器におけるオン期間と売電量との関係]
以下の説明において、第1の電気機器及び第2の電気機器のオン・オフ周期をいずれもTとする。第1及び第2の電気機器のオン期間をそれぞれTon1及びTon2、オン期間Ton1及びTon2における消費電力をそれぞれPon1及びPon2とする。
on1≧Ton2
on1+Ton2<T
on1<Pon2
具体的な数値の例として、以下を使用するものとする。
=19(単位時間)、
on1=11(単位時間)、
on2=7(単位時間)、
on1=6(単位電力)、及び
on2=10(単位電力)。
(Pon1<P<Pon2の場合)
図9及び図10において、Pon1<P<Pon2を仮定する。具体的な数値の例として、P=7(単位電力)を使用する。
図9(A)及び図9(B)を参照して、第1の電気機器及び第2の電気機器のオン期間Ton1,Ton2が、互いに重ならないようにずれているものとする。図9(C)を参照して、ハッチ部450は、太陽光発電電力(P)から消費電力を引いた余剰電力の時間累計、すなわち売電量を示す。
図9(C)を参照して、オン・オフ周期(T)のうち、オン期間Ton1には売電が行なわれる。オン期間Ton2には買電が行なわれる。期間T−Ton1−Ton2には消費電力が0であるため売電が行なわれる。この場合、1オン・オフ周期(T)における、家庭内で消費された電力を示す自家消費電力量(W)は式(1)で表わされる。売電量(W)は式(2)で表わされる。買電量(W)は式(3)で表わされる。
図10(A)及び図10(B)を参照して、第1の電気機器,第2の電気機器のオン期間Ton1,Ton2が重なっているものとする。図10(C)を参照して、オン・オフ周期(T)のうち、期間Ton1−Ton2には売電が行なわれる。オン期間Ton2には買電が行なわれる。期間T−Ton1には消費電力が0であるため売電が行なわれる。この場合、1オン・オフ周期(T)における、自家消費電力量(W)、売電量(W)及び買電量(W)はそれぞれ式(4)、(5)及び(6)で表わされる。
式(2)に前述した値を代入すると、売電量(W)は18(単位電力×単位時間)となる。同様に式(5)に値を代入すると、売電量(W)は60(単位電力×
単位時間)となる。このとき、オン期間Ton1,Ton2を重ねることで増加した売電量は以下の式で表され、その値は42(単位電力×単位時間)である。
(P<Pon1の場合)
図11において、太陽光発電電力(P)は、オン期間Ton1における消費電力よりも小さいものとする(P<Pon1)。具体的な数値の例として、P=4(単位電力)を使用する。
図11(A)を参照して、オン・オフ周期(T)のうち、期間Ton1+Ton2には買電が行なわれる。期間T−Ton1−Ton2には消費電力が0であるため売電が行なわれる。この場合、1オン・オフ周期(T)における、自家消費電力量W、売電量W及び買電量Wはそれぞれ、以下の式(7)、(8)及び(9)で表わされる。
図11(B)を参照して、オン・オフ周期(T)のうち、オン期間Ton1には買電が行なわれる。期間T−Ton1には消費電力が0であるため売電が行なわれる。この場合、1オン・オフ周期(T)における、自家消費電力量Wc、売電量W及び買電量Wは以下の式(10)、(11)及び(12)で表わされる。
式(8)に値を代入すると、売電量(W)は4(単位電力×単位時間)となる。式(11)に数値を代入すると、売電量(W)は32(単位電力×単位時間)となる。このとき、オン期間Ton1,Ton2を重ねることで増加した売電量は以下の式で表され、その値は、28(単位電力×単位時間)である。
(Pon2<P<Pon1+Pon2の場合)
図12において、太陽光発電電力(P)は、オン期間Ton2における消費電力よりも大きく、オン期間Ton1における消費電力とオン期間Ton2における消費電力との和よりも小さいものとする(Pon2<P<Pon1+Pon2)。具体的な数値の例として、P=12(単位電力)を使用する。
図12(A)を参照して、オン・オフ周期(T)のうち、全期間において売電が行なわれる。この場合、自家消費電力量(W)、売電量(W)、及び買電量(W)はそれぞれ、次の式(13)、(14)及び(15)で表わされる。
図12(B)を参照して、オン・オフ周期(T)のうち、期間Ton1−Ton2には売電が行なわれ、オン期間Ton2には買電が行なわれる。期間T−Ton1には消費電力が0であるため売電が行なわれる。この場合、1オン・オフ周期(T)における、自家消費電力量(W)、売電量(W)、及び買電量(W)はそれぞれ以下の式(16)、(17)及び(18)で表わされる。
式(14)に値を代入すると、売電量(W)は92(単位電力×単位時間)となる。式(17)に値を代入すると、売電量(W)は120(単位電力×単位時間)となる。このとき、オン期間Ton1,Ton2を重ねることで増加した売電量は以下の式で表され、その値は、28(単位電力×単位時間)である。
なお、図9〜図12に示した全ての場合において、1オン・オフ周期(T)における、合計消費電力量W(=W+W)は次の式(19)で表わされ、太陽光発電電力量Wpv(=W+W)は式(20)で表わされる。これら式(19)及び式(20)は、それぞれの意味を考えれば明らかである。
上記したように、オン期間Ton1,Ton2を重ねることによって、売電量を増加させることができる。図13(A)及び(B)に、太陽光発電電力と、売電量の増加量との関係を示す。
図13(A)及び(B)、特に(B)を参照して、売電量の増加量は、太陽光発電電力(P)の値に応じて変化する。すなわち、売電量は、太陽光発電電力(P)が0のときには0、0から自家消費電力と同程度の大きさに向けて増大するときに増加し、太陽光発電電力(P)と自家消費電力とが同程度の大きさのときに最も大きくなる。太陽光発電電力(P)が自家消費電力を上回るようになると減少を始め、太陽光発電電力(P)が自家消費電力をはるかに上回る場合には、0になる。
上の考察は、電気機器の周期が一致していることを前提としている。周期が異なる電気機器を組合わせて協調動作させることはできないからである。この仮定のもとで、上記したように、太陽光発電電力(P)が自家消費電力と同程度である場合において、異なる電気機器のオン期間が互いに重なっている場合には、売電量と買電量とが増加する。一方、異なる電気機器のオン期間が互いにずれている場合には、売電量と買電量とが減少する。本実施の形態では、売電価格が買電価格よりも高いので、中央管理装置101は、定常状態で動作する複数の電気機器における通電のオン・オフ動作を制御して、複数の電気機器のオン期間が重なるようにする。このように複数の電気機器を協調動作させることによって、効率よく売電収入を増やすことができる。その結果、初期費用の回収期間を短くできる。なお、本実施の形態において電気機器の周期を調整する方法については、図8を参照して説明したものと用いる。
〈ソフトウェア構成〉
さて、上記の考察は、電気機器の周期が一致していることを前提としている。周期が異なる電気機器を組合せて協調動作させることはできないからである。したがって、本実施の形態において制御される電気機器は、定常状態における周期を調整できる能力を持つものとする。
図14に、電気機器の周期の調整方法を示す。周期は、先程述べたように、目標温度の範囲を狭めたり、または、広げたりすることで調整できる。図14を参照して、ヒータ通電のオフ→オン→オフするタイミングをそれぞれt1→t2→t3とする。目標温度をtarget_temp、目標温度に対する許容誤差をdiff_temp(>0)で表す。すると、次の式(21)が目標温度の範囲である。
図14を参照して、時刻t3(センサ温度のグラフで 点500)で、それまでの周期(=t3−t1)が分かる。したがって、目標周期(Tpとする)が与えられたとき、このタイミングで周期を調整すべきかどうかを判断する。具体例としては、周期が目標周期Tpと比べて例えば3%以上ずれていれば、周期を調整すべきであると判断する。このとき、目標温度の範囲diff_tempを次の式により新たな範囲new_diff_temp(>0)とすることで周期を調整する。
式(22)からわかるように、周期を長くする場合は、新しい許容誤差(new_diff_temp)を従来の許容誤差(diff_temp)より大きくする。周期を短くする場合は、新しい許容誤差(new_diff_temp)を従来の許容誤差(diff_temp)より小さくする。
図14に示す時刻t3で、許容誤差を変更して、従来通りの制御を行なう。この操作により周期が変化する。その後のヒータ通電のオフ→オン→オフするタイミングをそれぞれt1’→t2’→t3’とする。ここで時刻t2’及びt3’はそれぞれ、センサ温度が許容範囲の下限及び上限に達した時点(センサ温度のグラフの点502及び504で表される)である。これに対し時刻t1’は、時刻t3から次の式(23)又は(24)により求められるものであり、図14では、点502から点500への線分を延長し、新たな上限温度と交わる点506に対応する時刻である。時刻t1’を時刻t3と同じにしてはいけない。
このようにして時刻t1′を算出することは、新しい許容誤差に基づいて新たな周期を正しく測定するために必要である。
図14を参照して、時刻t3’で、再度、周期(=t3’−t1’)と目標周期を比べる。周期が目標周期に十分近づいたと判断されるまで上記処理を繰返す。
目標周期をどのような値に設定するかは、電気機器によっても異なる。しかし、いくつかの候補の中から選べるようにしておくのが良い。図15に目標周期の候補を示す。各電気機器は図15のような候補の中から最適な目標周期を選択するものとする。具体的には、各電気機器が自然に動作したときの周期に近い値を目標周期に選ぶ。又は、電気機器によっては、目標周期をあらかじめ定義していても良い。
図16に、電気機器と中央管理装置101との間の通信のプロトコルを示す。ここでは、中央管理装置101により制御される電気機器として電気機器540及び542を考える。
本実施の形態では、電気機器540及び542は、定常状態における周期が目標周期に十分近づいた場合、その周期と定常状態の維持に必要なオン期間と消費電力とを中央管理装置101へ通知する(通知560、580及び600)。
中央管理装置101は、電気機器540及び542から通知を受けると、テーブルを更新する(ボックス562、582及び602)。テーブルには、各電気機器の識別番号と、周期、必要なオン期間及び消費電力とが格納される。
中央管理装置101は、周期が一致している電気機器を対象に、それらの電気機器の動作するタイミングを決定する。ここでは、電気機器540と542との周期が一致しているものとする。中央管理装置101は、各電気機器540及び542に対して、動作タイミングの指令を送信する(通知564、584、604及び606)。動作タイミングの指令は、周期と、オン動作を許可する期間の開始時刻及び終了時刻とを含む。テーブルには、さらに、中央管理装置101が過去に送信した動作タイミングの指令も含めておく。過去に送信したのと同じ内容の動作タイミングの指令であれば、再度同じ電気機器に送信する必要はないためである。
電気機器540及び542は、動作タイミングの指令を受信すると、その指令を参考にして動作を決定する。各電器機器は、指令により定められるオン動作許可期間内にオン動作し、オン許可期間外にはオフ動作することが望ましい。ただし、センサ温度を目標温度の範囲内に維持することを優先するため、指令に従わないこともある。なお、オン動作許可期間とは、すなわちヒータに対する通電が許可された期間のことである。
図17(A)を参照して、電気機器(電気ヒータ)から中央管理装置への通知は、状態(status)、周期(period_msec)、及びオンを要求する時間(on_required_msec)を含む。この通知はさらに、各電器機器の(1)オン時の消費電力(on_power)、及び(2)オフ時の消費電力(off_power)を含む。オフ時の消費電力は必須ではないが、本実施の形態では、システムの汎用性を高めるために追加してある。実際、機器によってはオフ時の消費電力が0でない場合もある。したがってオフ時の消費電力を考慮することで、より正確にシステム全体のピーク電力を抑えるような制御を行なうことができる。
図17(B)を参照して、中央管理装置から電気機器(電気ヒータ)へ送信される指令は、周期(period_msec)、オンを許可する開始時間(on_start_msec)、及びオンを許可する終了時間(on_end_msec)、を含む。
オンを許可する開始時間(on_start_msec)とオンを許可する終了時間(on_end_msec)は、周期の中の相対時間で表される。例えば、周期(period_msec)を1分、オン許可開始時間(on_start_msec)が10秒、オン許可終了時間(on_end_msec)が35秒、という設定は、毎分10秒から35秒までの間はオン許可されることを意味する。
on_start_msec>on_end_msecである場合もある。例えば、オン許可開始時間(on_start_msec)が45秒、オン許可終了時間(on_end_msec)が10秒、のように設定されている場合を想定する。この場合、毎分45秒から次の分の10秒までの間は、オン許可されることを意味する。
なお、本実施の形態では、中央管理装置101から電気機器(電気ヒータ)へ送信される指令のうち、周期(period_msec)と、オンを許可する終了時間(on_end_msec)は省略してもよい。なぜなら、電気機器(電気ヒータ)は、周期(period_msec)を既に知っているし、また、オンを許可する終了時間(on_end_msec)を計算できるからである。
オンを許可する終了時間(on_end_msec)は、次式で計算できる。
なお本明細書では、式中の記号「%」は剰余を求める演算子である。例えば「a%b」はaをbで割った余りを意味する。
中央管理装置101と、各電気機器との間では、共通の時刻があることが前提である。この共通時刻の管理は、時刻同期部307によって行なわれる。例えば電気ヒータ111の電気機器の制御部301は、時刻同期部307から現在時刻を取得する。
電気機器は、現在時刻が与えられたとき、その時刻が周期のどこに位置するかをつぎのように判定する。
現在時刻をh時m分s秒milliミリ秒とする。1日周期のミリ秒単位時間(nt)は次の式(25)により表され、この時間ntを周期で割った余り(nt_msec)が、周期中の相対的な現在時刻となる。
現在時刻がオン許可期間中かどうかを判定する方法を説明する。ここでは、オン許可開始時間と、オン許可終了時間の位置関係によって、2通りあることに注意する。
図18(A)を参照して、on_start_msec<on_end_msecの場合、次の式が成立すればオン許可期間中であると判定され、それで無ければオン許可期間外と判定される。
ただし、演算子「&&」は論理積を意味する。オン許可期間中ならば、オン期間の残り時間(on_remain)も次の式(27)により求める。オン期間外ならば、次にオンになるまでの時間(on_expect)を次の式(28)により求める。
図18(B)を参照して、on_start_msec>on_end_msecの場合、次の条件が成立すればオン許可期間中、さもなければオン期間外と判定される。
ただし、演算子「||」は論理和を意味する。オン許可期間中ならば、オン期間の残り時間(on_remain)次の式(29)により求める。オン許可期間外ならば、次にオンになるまでの時間(on_expect)を次の式(30)により求める。
図19を参照して、本実施の形態と比較するために、従来技術における電気機器(電気ヒータ)の内部状態の遷移図を示す。従来の電気機器の内部状態には、停止状態620、ヒータ通電オン状態622、及びヒータ通電オフ状態624の3つがある。初期値は停止状態である。本明細書及び図面中で電気機器の内部状態を表わすために状態変数STATEを用いる。状態変数STATEの値は内部状態により変化する。
図19を参照して、停止状態620(STATE=0)の時に、スイッチオンされれば、ヒータ通電をオンにして、ヒータ通電オン状態622(STATE=1)に移行する。ヒータ通電オン状態622で、センサ温度が目標温度上限を上回ったことを検出すると、ヒータ通電をオフにして、ヒータ通電オフ状態624(STATE=2)に移行する。ヒータ通電オフ状態624でセンサ温度が目標温度下限を下回ったことを検出すると、ヒータ通電をオンにして、ヒータ通電オン状態622に移行する。ヒータ通電オン状態622またはヒータ通電オフ状態624の時に、スイッチオフされれば、ヒータ通電をオフにして、停止状態620(STATE=0)に移行する。
図20に、本実施の形態に係る電気機器(電気ヒータ)の内部状態の状態遷移図を示す。ここでも、図19の場合と同様の状態変数STATEを用いると、電気機器の内部状態としては、停止状態650(STATE=0)、ヒータ通電オン状態A652(STATE=1)、ヒータ通電オフ状態A654(STATE=2)、ヒータ通電オン状態B656(STATE=3)、ヒータ通電オフ状態B658(STATE=4)、及びヒータ通電オン状態C660(STATE=5)の6つがある。
これら状態のうち、ヒータ通電オン状態A652、ヒータ通電オフ状態A654、及びヒータ通電オン状態B656は過渡状態とみなすことができる。ヒータ通電オフ状態B658、及びヒータ通電オン状態C660は定常状態とみなすことができる。
本実施の形態に係る電気機器の基本動作は、従来技術と同じである。さらに、本実施の形態に係る電気機器では、以下のような動作を行なう。
ヒータ通電オン状態B656のときに、センサ温度が目標温度上限を上回ったことを検出すると、直前の周期が目標周期に十分近いかどうかを判定する。十分近ければヒータ通電オフ状態B658へ移行する。(パス2)そうでなければ、ヒータ通電オフ状態A654へ戻る。(パス1)
ヒータ通電オフ状態B658の時に、センサ温度が目標温度下限を下回ったことを検出すると、ヒータ通電をオンにして、ヒータ通電オン状態C660に移行する。(パス3)
ヒータ通電オン状態C660の時に、センサ温度が目標温度上限を上回ったことを検出すると、ヒータ通電をオフにして、ヒータ通電オフ状態B658に移行する。(パス4)直前の周期が目標周期と十分近くなくなれば、ヒータ通電オフ状態A654へ戻る。(パス5)
実際には、パス3、パス4、及びパス5を経由するときの条件は、もう少し複雑である。中央管理装置101から動作タイミング指令が来るからである。詳細については、図23から図29までのフローチャートで説明する。
図21を参照して、ヒータ通電オフ状態B658からヒータ通電オン状態C660への移行が起こる条件の一つである「オンすべきタイミングが来た」について説明する。説明を分かりやすくするために、現在は、ヒータ通電オフ状態であって、オン許可期間中であるとする。現在がオン許可期間中であるからと言って、必ずしもオンにしなければならないわけではない。本実施の形態えは、温度が目標温度の上限を上回っていれば、常にヒータ通電をオフにする。センサ温度を目標温度の範囲内に収めることが、指令よりも優先されるからである。しかし、オン許可期間外にオンすることがないように、オン許可期間が終了するタイミングで、なるべく温度を高く維持しておくべきである。そこで、オン許可終了時間に、センサ温度が目標温度の上限近くなるように制御する。
図21(A)を参照して、現在の状態を現在地点700で示す。現在時刻は、図21(A)の下部に示すようにnt_msec(オン許可期間中)であり、このオン許可期間は時刻on_end_msec(オン期間終了時間)で終了するものとする。現在地点700からヒータ通電オンを始めたと仮定したときに予測される、オン期間終了時間on_end_msecでの温度を温度予測702で示す。
一般的に、将来(オン期間終了時間)における温度future_room_tempは以下の式(31)で予測される。
future_room_temp=room_temp+on_remain*up_rate (31)
ただし、room_tempは現在のセンサ温度を示し、on_remainはオン期間の残り時間を示し、up_rateは温度上昇速度を示す。温度上昇速度up_rateは、過去の実績を基に算出しておく。
予測温度future_room_tempが目標温度の上限以下であれば、現在地点700はオンすべきタイミングであると判定する。こうすることで、オン許可期間の終了時刻の温度が目標温度の上限とほぼ一致するようにできる。この結果、オフ期間において温度が低下しても目標温度の下限を下回る可能性を低くできる。
例えば、図21(B)に示す例で、時刻720が図21(A)に示すオン許可期間内であるものとする。時刻720で予測される、オン期間の終了時点での将来温度は、目標温度上限TT(H)より高くなる。したがって時刻720ではオンすべきタイミングではなく、ヒータ通電オン状態C660への遷移は生じない。一方、図21(B)の時刻722でオン終了時刻での温度を予測すると、時刻724で示されるように目標上限温度TT(H)以下となっている。したがって時刻722でヒータ通電オフ状態B658からヒータ通電オン状態C660への遷移が起こる。その結果、オン期間の終了時刻(on_end_msec)での温度は目標温度上限TT(H)以下となっているであろう。
以上から、ヒータ通電のオン期間728は時刻722から時刻724までとなる。
一方、ヒータ通電オン状態C660からヒータ通電オフ状態B658への遷移が生ずる条件の一つとして、「指令に反してまでオン継続すべき」という条件がある。以下、この条件の意味について図22を参照しながら説明する。説明を分かりやすくするために、図22(A)に示す現在時点750では、ヒータ通電オン状態であって、かつオン許可期間外であるとする。現在がオン許可期間外であるからと言って、オンしてはいけないわけではない。本実施の形態では、温度が目標温度の下限を下回っていれば、常にヒータ通電をオンにする。センサ温度を目標温度の範囲内におさめることが、指令よりも優先されるからである。しかし、オン許可期間外にオンを継続するのは最小限にとどめておくべきである。そこで、次のオン許可開始時間まで、センサ温度が目標温度の下限を下回らないように、以下のような制御を行なう。
図22(A)を参照して、現在地点Aでヒータ通電オフしたと仮定したときの、次のオン許可期間756のオン許可開始時間における温度予測752(future_room_temp)を以下の式(32)で予測する。
future_room_temp=room_temp+on_expect*down_rate (32)
ただし、room_tempは現在のセンサ温度を示し、on_expectは次にオンになるまでの時間を示し、down_rateは温度下降速度を示す。温度下降速度down_rateは、過去の実績を基に算出しておく。
電気ヒータ111の制御部301は、図22(A)に示される温度予測752future_room_tempが目標温度の下限以下であれば、指令に反してまでオン継続すべき、と判定する。そうでなければ制御部301はオンを継続すべきではないと判定する。
具体的には、図22(B)に示すように、時刻770で通電オフすることを想定して、次のオン許可開始時間における温度予測772を予測し、その温度が目標温度下限を下回れば、オン許可期間外であってもオンを継続する。こうした予測を繰返し、例えば時刻774で通電オフすることを想定したときの温度予測776が目標温度下限TT(L)を上回ったときにヒータ通電をオフする。その結果、この場合、ヒータ通電オン期間780は、時刻774で終了する。次のオン許可期間756の開始時間(on_start_msec)でのセンサ温度は、目標下限温度TT(L)を上回っているであろう。
<制御部301の制御>
以上説明したように電気ヒータ111を制御するため、制御部301は次のような制御構造を持つプログラムを実行する。なお、以下の説明は、電気ヒータ111の制御に関するものであるが、同様の制御構造を持つプログラムにより、種々の装置を制御できることはいうまでもない。
電気ヒータ111を制御するプログラムは、大きく分けて3つある。第1は、スイッチが操作されたときに発生する割込信号により起動されるスイッチ割込プログラムである。第2は、タイマにより定期的に実行されるヒータ制御プログラムである。状態変数STATEは、以下に述べるようにこれらプログラムで共通に参照される。第3は、電気ヒータ111で何らかのイベントが発生したときに実行されるプログラムである。
《スイッチ割込プログラム》
図23を参照して、スイッチ割込プログラムは、スイッチが操作されるたびに生ずる割込により起動され、状態変数STATEの値が0であるかどうかを判定するステップ800と、ステップ800の判定が肯定のときに実行され、スイッチ操作がスイッチオン操作か否かを判定するステップ802と、ステップ802の判定が肯定のときに実行され、ヒータ通電をオンするステップ804と、ステップ804に続き、状態変数STATEに1を代入して処理を終了するステップ806とを含む。ステップ802の判定が否定なら処理は終了する。
このプログラムはさらに、ステップ800の判定が否定のときに実行され、操作がスイッチオフか否かを判定するステップ808と、ステップ808の判定が肯定のときに実行され、ヒータ通電をオフするステップ810と、状態変数STATEに0を代入して処理を終了するステップ812とを含む。ステップ808の判定が否定なら処理は終了する。
《ヒータ制御プログラム》
図24を参照して、タイマにより定期的に実行されるヒータ制御プログラムは、センサ温度Tを測定するステップ830と、ステップ830に続き、状態変数STATEの値により処理を分岐させるステップ832と、状態変数STATEの値が1,2,3,4,5のときにそれぞれ実行されるステップ834,836,838,840及び842とを含む。状態変数STATEの値が0のとき、及びステップ834,836,838,840及び842の処理の終了後、このヒータ制御プログラムの実行は完了する。ヒータ制御プログラムは、例えば、1秒おきに実行される。
(1)状態変数STATE=0のとき
このときは、何も処理は行なわれない。
(2)状態変数STATE=1のとき
図24のステップ834の処理が実行される。具体的には、図25を参照して、センサ温度TSが目標温度上限TT(H)を上回るか否かを判定する(ステップ870)。判定が肯定なら、ステップ872でヒータ通電をオフし、ステップ874で状態変数STATEに2を代入して処理を終了する。ステップ870の判定が否定なら処理を終了する。
(3)状態変数STATE=2のとき
このときは、図26を参照して、ステップ900で状態変数STATEが目標温度下限TT(L)を下回るか否かを判定する。判定が肯定ならステップ902でヒータ通電をオンし、ステップ904で状態変数STATEに3を代入して処理を終了する。ステップ900での判定が否定なら何もせず処理を終了する。
(4)状態変数STATE=3のとき
図27を参照して、ステップ920で、センサ温度TSが目標温度上限TT(H)を上回るか否かを判定する。判定が否定なら処理を終了する。判定が肯定ならステップ922でヒータ通電をオフし、ステップ924でその直前の周期Pを算出する。目標周期をPとする。続いてステップ926で周期Pと目標周期Pとの差の絶対値が所定のしきい値PTHより小さいか否かを判定する。判定が肯定なら、ステップ928でこの周期Pと、この周期を維持するために必要なオン期間とを中央管理装置101に通知する。続いてステップ930で状態変数STATEに4を代入して処理を終了する。ステップ926の判定が否定なら、ステップ932で電気ヒータ111の周期を目標に合わせる(目標範囲を変更する)。具体的な手段は、図14で説明したとおりである。続くステップ934で状態変数STATEに2を代入して処理を終了する。
(5)状態変数STATE=4のとき
図28を参照して、ステップ950でセンサ温度TSが目標温度下限TT(L)を下回るか否かを判定する。判定が肯定ならステップ952でヒータへの通電をオンし、ステップ954で状態変数STATEに5を代入して処理を終了する。
ステップ950の判定が否定の場合、さらにステップ966で現在時刻がオン期間中か否かを判定する。判定が肯定であればステップ968でセンサ温度TSが目標温度TTを下回っているか否かを判定する。判定が肯定であれば制御はステップ952に進み、先に述べた処理を行なう。判定が否定であればステップ970でさらに現在がオンすべきタイミングか否かを判定する。この判定の実質的内容については既に述べたとおりである。判定が肯定なら制御はステップ952に進む。否定であれば何もせず処理を終了する。
ステップ966での判定が否定であれば、ステップ972でオン許可期間外か否かを判定する。本実施の形態では、ステップ972の判定結果にかかわらず、何もせずに処理を終了する。
(6)状態変数STATE=5のとき
図29を参照して、このときには、ステップ1000でセンサ温度TSが目標温度上限TT(H)を上回るか否かを判定する。判定が肯定であればステップ1002でヒータへの通電をオフする。続くステップ1020‐ステップ1030の処理は、図27に示すステップ924‐ステップ934の処理と同じである。
一方、ステップ1000の判定が否定の場合、ステップ1008で現在時刻がオン許可期間中か否かを判定する。判定が肯定であれば何もせず処理を終了する。判定が否定なら、ステップ1010でさらに現在がオン許可期間外か否かを判定する。判定が否定なら何もせず処理を終了する。判定が肯定ならステップ1012でセンサ温度TSが目標温度TTを下回ったか否かを判定する。判定が否定なら制御はステップ1002に進み、前述した処理を行なう。判定が肯定ならステップ1014でさらに指令に反してもオンすべきか否かを判定する。判定が肯定なら何もせず(オンを継続したまま)処理を終了する。判定が否定ならステップ1002以下の処理を実行して処理を終了する。
<中央管理装置101の制御>
中央管理装置101の処理には2つある。第1は電気機器から通知を受けた場合に開始する処理である。このときの処理を図30に示す。第2はタイマ駆動によって定期的に実行される処理である。このときの処理を図31に示す。中央管理装置101では、複数の電気機器のオン終了時間(又はオン開始時間)が同じタイミングとなるように、それら複数の動作機器の動作タイミングを割当てる。そうすることで、できるだけ消費電力が少なくなる期間を作り出し、売電量を増加させることができる。
《通知を受けた場合の処理》
図30を参照して、電気ヒータ111などの電気機器からの通知を処理するプログラムは、中央管理装置101が電気機器の管理のために維持するテーブルを更新するステップ1052と、ステップ1052の更新の結果、テーブルを参照して、周期が同じになる電気機器をグループ化し、各電器機器の動作タイミングを決定するステップ1054と、ステップ1054で決定された動作タイミングを含む指令を各電機機器に送信して処理を終了するステップ1056とを含む。
ステップ1052のテーブル更新では、受信した内容により特定される電気機器に関するエントリを保存する。電気機器には、予め識別番号が割当てられている。この識別番号で各電気機器に対応するエントリを特定する。既に同一の識別番号のエントリがあればそのエントリを更新する。まだその識別番号のエントリがなければエントリを追加する。
ステップ1054での動作タイミングの決定方法については後述する。
ステップ1056では、各電気機器に動作タイミングを含む指令を送信するが、前回の送信内容と同じ指令であれば送信する必要はない。そのため、中央管理装置101は、ステップ1056で送信した内容については記憶装置に記憶しておく。
《タイマ駆動による処理》
図31を参照して、タイマにより定期的に起動されるプログラムは、以下のような制御構造を持つ。タイマ駆動の間隔は設計事項に属するが、1秒程度で十分である。ステップ1082において、電気機器の管理のために中央管理装置101に記憶されているテーブルからエントリを取出す。当該エントリについて、ステップ1084においてタイムアウトすべきかどうかを判断する。ここでいうタイムアウトとは、当該エントリに対応する電気機器から最後に通知を受けてから所定時間を経過したエントリをテーブルから削除する処理のことをいう。このため、このテーブルの各エントリには、電気機器から最後に通知を受信した時刻を記録しておく。通常、電気機器からは定期的に最新の情報が送られてくる。しかし、突然、電気機器がアンプラグされてしまうこともある。そのような場合に、テーブルにずっと古い情報が残っているのは良くない。したがって電気機器から通知がなく所定時間を経過したらタイムアウトすべきである。ステップ1084では、エントリに記録されている最新応答時刻が、現在時刻よりも所定時間以上古ければ、タイムアウトすべきであると判定する。
ステップ1084での判定が肯定であれば、ステップ1086でそのエントリをテーブルから削除する。
ステップ1084での判定が否定のとき、及びステップ1084での判定が肯定でステップ1086の処理が完了したときには、ステップ1088でテーブルに次のエントリがあるか否かを判定する。判定が肯定であれば制御はステップ1082に戻る。判定が否定であればこの処理を終了する。
《テーブル構成》
図32に、中央管理装置101により維持されるテーブルの例を示す。図32を参照して、このテーブルには、各電気機器の状態が記録されている。中央管理装置101は、このテーブルを常に最新の状態に維持しなければならない。テーブルの各エントリには、各電気機器の識別番号、最新応答時刻、機器状態、周期、及び要求されたオン時間が含まれる。これら項目は、各電器機器から中央管理装置101が受信した情報(通知)に基づいて更新される。このテーブルの各エントリは、さらに、中央管理装置101が各電気機器に割当てたオン期間の開始時刻と終了時刻を含む。
中央管理装置101は、このテーブルを参照して、周期が同じ電気機器を抽出しグループ化する。中央管理装置101はさらに、グループ化の結果に基づき、同じグループに属する電気機器間の動作タイミングを既に述べた方針にしたがって決定する。すなわち、同じグループに属する電気機器のオン終了時間(又はオン開始時間)が同じタイミングとなるように、各電器機器の動作タイミングを決定する。
例えば、図32において、機器識別番号2、5、及び9に対応するエントリの周期はいずれも60000[ms]である。各機器が要求しているオン時間は、それぞれ25000[ms]、30000[ms]、及び25000[ms]である。
中央管理装置101により決定される、これらの機器の動作タイミングの例は以下のようなものである。
以上のように、各電気機器を協調して動作させることで、定常状態において消費電力が少ない期間を作り出すことができ、売電量を増加させることができる。その結果、初期投資の回収期間を短くできるという効果がある。
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態に係る太陽光発電システム100について説明する。なお、本実施の形態では、売電価格が買電価格よりも高いことを前提としない。太陽光発電システム100は、中央管理装置101のROMが、動作モード移行処理を実現するためのプログラムを記憶する点、制御部401による動作タイミングの決定方法が動作モードによって異なる点を除き、上記第1の実施の形態に係る太陽光発電システム100と同一の構成である。
第1の実施の形態で述べたシステムのメリットを享受できるのは、以下の2つの条件が満たされることが必要である。
(1)太陽光発電電力と自家消費電力とが同程度であること。
図13を参照して述べたとおり、太陽光発電電力が全くない状態、又は太陽光発電電力が自家消費電力をはるかに上回るような場合、第1の実施の形態のように電気機器を連係動作してもメリットはない。
(2)売電価格が買電価格を上回っていること。
これら2つの条件がそろっていないと、第1の実施の形態のメリットはない。逆に、複数の電気機器の動作タイミングを揃えることで、自家消費電力のピークが急峻となるため、ブレーカが落ちやすくなるなどのデメリットが生じる恐れもある。自家消費電力がブレーカ限界(電気会社との契約容量)を超えるようでは意味がないので、以下の第3の制限も必要である。
(3)自家消費電力のピーク電力がブレーカ限界を超えない程度にとどめること。
この第2の実施の形態において、中央管理装置101の制御部401は、動作モードとして、積極的売電モード及びピーク電力抑圧モードのうちのいずれかの動作モードを設定する。本実施の形態では、初期モードはピーク電力抑圧モードである。以下、動作モードの設定方法について述べる。
〈ソフトウェア構成〉
[中央管理装置101]
(動作モード移行処理)
図33を参照して、動作モード移行処理を実現するためのプログラムは、中央管理装置101の電源が投入されることによって起動され、電源が切られることによって終了する。このプログラムでは、太陽光発電電力と、自家消費電力と、現在の売電価格及び買電価格と、現在の時間帯とに基づき、ある条件が満たされれば状態を変更する。状態の変更に伴い動作モードも変化する。
ピーク電力抑圧モードから積極的売電モードに移行する条件は以下の通りである。なお、以下の説明においてPvaは所定の電力(固定値)である。例えばPva=0.2kWなどとする。Puも同様に所定の電力(固定値)であり、ブレーカ限界を基に決定される。例えば、契約容量が40AであればPu=3.6kWなどとする。
(A)太陽光発電電力≧Pva
(B)売電価格≧買電価格
(C)直近の平均自家消費電力<Pu
条件Aは、太陽光発電電力が0に近ければ、積極的売電モードの効果が出ないためである。条件Cは、自家消費電力がブレーカ限界を超えないようにするためである。これら条件が全て成立すれば、ピーク電力抑圧モードから積極的売電モードに移行する。
積極的売電モードからピーク電力抑圧モードに移行する条件は以下のとおりである。
(D)上記条件A,B及びCのいずれかが成立しないこと。
なお以下の実施の形態では、太陽光発電電力、自家消費電力、及び現在の売電価格及び買電価格はいずれもシリアル通信I/F407(図5参照)を通じ、パワーコンディショナ109から得られるものとする。
再び図33を参照して、このプログラムは、太陽光発電電力(これを「P」とする。)が、予め定める所定値Pva以上か否かを判定するステップ1100を含む。本実施の形態では、所定値Pvaは0.2kWに設定されているものとする。
このプログラムはさらに、ステップ1100の判定が肯定である場合に実行され、売電価格が買電価格よりも高いか否かを判定するステップ1102と、ステップ1102の判定が肯定であるときに実行され、直近の平均自家消費電力(P)が、所定値Pよりも小さいか否かを判定するステップ1104とを含む。本実施の形態では、所定値Pは、電気契約容量が40アンペア(A)とすると、3.6kWに設定されているものとする。
このプログラムはさらに、ステップ1104の判定が肯定である場合に実行され、動作モードを積極的売電モードに移行するステップ1106と、ステップ1100の判定が否定であるとき、ステップ1102の判定が否定であるとき、又は、ステップ1104の判定が否定であるときに実行され、動作モードをピーク電力抑圧モードに移行するステップ1108とを含む。
〈動作〉
図33〜図34を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る太陽光発電システム100は、以下のように動作する。なお、以下の動作を除く、太陽光発電システム100の動作は、上記した第1の実施の形態における動作と同じである。また、中央管理装置101の動作モードは、中央管理装置101の電源投入時、すなわち初期状態時には、ピーク電力抑圧モード1130(図34参照)に設定されているものとする。
(動作モード移行処理)
制御部401は、シリアル通信I/F407を介して、パワーコンディショナ109から、太陽光発電電力、直近の平均自家消費電力、並びに、現在の買電価格及び売電価格等の情報を取得し、太陽光発電電力(P)が、予め定める所定値(Pva)以上であるか否か(ステップ1100)、売電価格が買電価格よりも高いか否か(ステップ1102)、及び、直近の平均自家消費電力(P)が、予め定める所定値(P)よりも小さいか否か(ステップ1104)、を判定する。
そして、太陽光発電電力(P)が予め定める所定値(Pva)以上であり(ステップ1100にてYES)、売電価格が買電価格よりも高く(ステップ1102にてYES)、かつ、直近の平均自家消費電力(P)が予め定める所定値(P)よりも小さい場合(ステップ1104にてYES)には、動作モードを積極的売電モード1132(図34参照)に移行する(ステップ1106)。一方、それ以外の場合(ステップ1100、ステップ1102、又は、ステップ1104にてNO)には、動作モードをピーク電力抑圧モード1130(図34参照)に移行する(ステップ1108)。
(管理テーブル更新処理)
中央管理装置101の制御部401は、管理テーブルの更新後、更新後の管理テーブルに基づいて、オン・オフ周期の長さの等しい電気機器をグループ化するとともに、以下のようにして、各電気機器の動作タイミングを決定する。
[積極的売電モードの場合]
制御部401は、現在の動作モードが積極的売電モードの場合には、上記第1の実施の形態と同様にして、複数の電気機器のオン許可期間が重なるように、複数の電気機器の動作タイミングを決定する。ただしこの場合、協調動作させた結果、自家消費電力のピーク電力がブレーカ限界に近づくようであれば、ピーク電力抑圧モードに変更することが好ましいことに注意すべきである。
[電力抑圧モードの場合]
制御部401は、以下のようにして、現在の動作モードが電力抑圧モードである場合には、複数の電気機器のオン許可期間が重ならないように、電気機器の動作タイミングを決定する。
電力抑圧モードにおいて、制御部401は、後述するトップ・ピーク電力を抑えるように、オン・オフ周期の等しい複数の電気機器を協調動作させる。このためには、同グループに属する各電気機器の消費電力を考慮して、複数の電気機器の動作タイミングの組合せを決定する必要がある。
この実施の形態では、各電気機器から消費電力が申告されるので、中央管理装置は、各電器機器の消費電力を考慮して、各電気機器の動作タイミングを決定する。
例えば、以下の3つの機器(1)‐機器(3)を制御する場合を考える。
図35(A)を参照して、電気機器(1)と電気機器(2)とを同時にオンさせると、合計1300Wのピーク電力となる。ところが、図35(B)に示すように、電気機器(2)と電気機器(3)とを同時にオンさせ、電気機器(1)については常に単独でオンするようにこれらのオンタイミングを調整すると、ピーク電力を800Wに抑えることができる。すなわち、電気機器の組合せによってピーク電力が変わる。電力抑圧モードでは、各電気機器の消費電力を考慮して、ピーク電力がなるべく低く抑えられるように動作タイミングを決定する。
こうした動作タイミングが容易に求められれば都合がよい。電気機器の台数が十分少なければ(例えば10台程度まで)、最適解を求めることが可能かもしれない。しかし、動作タイミングの決定アルゴリズムは組合せ問題であり、一般的には短時間で最適解を求めるのは難しい。電気機器の台数が多くなると、組合せの数が爆発してしまうので、短時間で最適解を求めることは非常に困難になる。本実施の形態では、必ずしも最適解ではないかもしれないが、短時間のうちに求めることができ、ピーク電力をなるべく低くできるような解法を採用する。電力抑圧モード時における動作タイミングの組合せの決定方法としては、実時間内に効率よく近似解を算出可能な方法であれば、上記の方法に特に限定されない。
本実施の形態では、各電気機器の動作タイミングを決定するために、まず、時間の解像度を決める。ここでいう時間の解像度とは、時間という連続した量を離散した値で考えたときの、その離散値の最小単位のことである。時間の解像度を大きく(粗く)すれば、組合せの数を減らせるので計算時間が少なくなる。例えば、1msオーダーではなく、5秒(=5000ms)という解像度で考えることにする。
電気機器の周期を60秒と仮定すると、電気機器が起動するタイミングとしては12(60秒÷5秒)通りある。電気機器の台数を10台あるとする。1台目は必ず0秒から電源オンするということにしても一般性を失わない。
この場合、2台目から10台目までの動作タイミングの組合せは、12=5159780352通り存在する。これだけのオーダーになると、組込機器用のCPUで実時間で計算するのは不可能であろう。
一般的に、機器の台数をNとすると、計算量はO(c)となる。ただし、c=周期/時間解像度である。この計算量はNが増大すると共に指数関数的に増加する。枝刈りにより組合せの数を多少減らすことは可能だが、本質的な困難さは変わらない。そこで、本実施の形態では、最適解ではなく、実時間で(最適解に近い)近似解を得ることを考える。
本実施の形では、以下のようなアルゴリズムで各電気機器の動作タイミングを決定する。機器の数はNとする。これら機器を機器(1)‐機器(N)として表す。
機器(1)については、0秒から動作するということにしても一般性を失わない。機器(2)以降の動作タイミングを以下のように決定する。
すなわち、電気機器(2)‐電気機器(N)をこの順番で1周期内に配置して行く。電気機器(k)を配置するまでには、電気機器(k−1)までの配置が決定している。電機機器(k)の動作タイミングを配置する際には、1周期のうちで、トップ・ピーク電力(電力の合計が最高となる値)と、ボトム・ピーク電力(電力の合計が最低となる値)との差がもっとも小さくなるように、電気機器(k)の配置位置を決定する。典型的には、ある機器が配置された期間と、別のある機器が配置された期間とに重複がないようにすれば、少なくともこれら2つの機器が配置された期間に重複がある場合よりも消費電力のピークを下げることができる。もちろん、全ての電気機器の配置を見る必要もある。機器が3つ以上になる場合には、重複が生ずる場合もある。その場合でも、重複が生じないように配置された1組(2つ)の電気機器が存在しているはずである。
機器(1)〜機器(k−1)まで動作タイミングが決定されていたとする。この状況で、機器(k)を配置することを考える。すなわち、1周期内で、上記した解像度により決定される各タイミングに、機器kを仮に配置する。その結果、1周期の内でのトップ・ピーク電力とボトム・ピーク電力とがともに算出できる。それらの差を求める。こうした操作を上記した各タイミングの全てについて行なう。それらの中で、トップ・ピーク電力とボトム・ピーク電力との差が最も小さくなるような動作タイミング位置を選択する。そのような動作タイミング位置が複数個あるときには、例えば周期の先頭に近いほうのタイミングを選択する。
周期と解像度とを考慮すると、機器(k)を配置できるタイミングは周期/時間解像度の数だけある。これを仮にMとする。上に述べたトップ・ピーク電力とボトム・ピーク電力との差の計算は、一つの機器についてM回だけ繰返される。動作タイミングを決めるべき電気機器の数は機器(2)‐機器(N)までのN−1個ある。Mは定数なので、計算量のオーダーはO(N)である。したがって電気機器の数が多くなっても計算時間が指数関数的に多くなることはない。
この方法では、機器を配置する順番が比較的重要になる。一つの方法として、消費電力が大きい順に機器の動作タイミングの決定を行なうのが良い。他の方法として、消費電力とオン要求期間の積が大きい順にすることも考えられる。こうした方法により最適解が得られるわけではないが、より最適解に近い解が得られることは、コンピュータ・シミュレーションによっても確認された。
したがって、本実施の形態では、消費電力(又は消費電力とオン要求期間との積の値)の降順に機器をソートして、機器(1)‐機器(N)のリストを作り、その先頭から各機器の動作タイミングを順番に決定していく。
図36及び図37を参照して、本実施の形態による動作タイミングの決定の具体例を示す。この例では、周期は60秒、解像度を5秒とする。各機器を配置できる位置は12通りである。識別番号1−5の機器があり、各機器の消費電力及びオン要求時間を以下のとおりとする。
テーブル3に示すように、機器(1)、機器(2)、…、機器(5)は、消費電力の降順にソートしてある。以下、これら機器を順番に配置していく。
(1)機器(1)
機器(1)については、周期内のどこから始めてもよい。この例では、機器(1)のオンタイミングを周期の先頭(0秒)とする。よって、機器(1)が動作する期間は毎分0秒から毎分20秒までである。
(2)機器(2)
機器(2)については、機器(1)が既に配置された状態で、上記した12箇所に仮に配置してトップ・ピーク電力とボトム・ピーク電力との差を算出する。これら12箇所のうちでが算出された差が最小となる位置に機器(2)を配置する。この計算をした結果選択されるのは、機器(2)が周期の先頭から20秒でオンするような位置である。すなわち機器(2)は、毎分20秒から毎分0秒までオンとなる位置に配置される。
機器(3)についても、同様の処理をする。その結果、毎分20秒から毎分35秒までに配置すると良いことが分かる。
以上までの処理により機器(1)−機器(3)を60秒の周期内に配置した状態を、図36(A)に示す。
機器(4)についても同様にして位置を決めると、毎分35秒から毎分10秒までとなる。機器(4)まで配置した状態を図36(B)に示す。
機器(5)についても同様にして、毎分10秒から毎分55秒まで配置するのが良いことが分かる。機器(5)まで配置した状態を、図37(A)に示す。
以上の例では、図37(A)に示すように機器(1)‐機器(5)を配置すればピーク電力が2000Wに抑えられることがわかる。
ただし、これは最適解ではない。最適解としては、図37(B)に示すように、ピーク電力が1900Wで抑えられるような配置方法がある。この最適解は、機器を配置するタイミングを総当りで計算すれば求められる。しかし、既に述べたように、このように総当り方式で最適解を求める場合、計算量のオーダーはO(c)(Nは機器の台数)であり、機器の数が増えてくると非常に困難である。これに対し、上記した例で採用したアルゴリズムの計算量のオーダーはO(N)であり、実時間で最適解に近い解を得ることができる。したがってこのアルゴリズムは有用である。
また、上記アルゴリズムでは、オフ時の消費電力(Off_power)を考慮した配置を行なうことも容易である。すなわち、新しく機器が追加された場合は、基本的には、上で述べた方法と同様に、トップ・ピーク電力とボトム・ピーク電力との差がもっとも少なくなるようにその機器を配置すればよい。電力計算にオフ時の消費電力も算入する必要があるだけである。
上記アルゴリズムで求めた機器の動作タイミングの配置で各機器が動作しているときに、その中のいずれかの機器が削除される場合もある。そうした場合は、単純に当該機器だけを削除すればよい。その他の機器の動作タイミングには影響がない。
もっとも、機器の追加と削除とを繰返すと、最適解から遠く離れてしまうこともありえる。そうした問題を回避するため、ある時点で、動作タイミングの配置をやり直してもよい。この結果、既存機器の動作タイミングが更新され、新たな動作タイミングで平準化された消費電力での動作が可能になる。
以上のように、本実施の形態によれば、第1の実施の形態による作用に加え、各電気機器がオン時の消費電力とオフ時の消費電力とを中央管理装置に申告する。中央管理装置101では、積極的に売電する効果が見込めない場合及び自家消費電力がブレーカの限界に近づく場合等には、トップ・ピーク電力を抑えるように動作するピーク電力抑制モードが設定されるので、自家消費電力がブレーカの限界を超えることによってブレーカが落ちてしまうことを防ぐことができる。また、積極的に売電する効果が見込める場合には、積極的売電モードが設定されるので、売電収入を効率よく増やすことができる。
〈作用・効果〉
上記第1及び第2の実施の形態によれば、中央管理装置101は、太陽光発電電力を少なくとも1つの電気機器に対して供給するとともに、余剰電力を商用電力系統113に対して逆潮流可能な太陽電池アレイ105と、太陽電池アレイ105又は商用電力系統113から供給される電力を利用する少なくとも1つの電気機器とを含む太陽光発電システム100に含まれ、定常状態又は過渡状態で動作する少なくとも1つの電気機器と通信を行なう。中央管理装置101において、通信I/F402は、少なくとも1つの電気機器の各々から送信される内部状態情報を取得し、テーブル記憶部405は、受信した内部状態情報を情報の送信先の電気機器と関連付けて記憶する。内部状態情報は、定常状態時における通電のオン・オフ周期の長さを示す周期情報と、定常状態を維持するために必要なオン許可期間の長さを示す時間情報と、を含む。中央管理装置101において、制御部401は、テーブル記憶部405に記憶される内部状態情報に基づいて、通電のオン・オフ周期の長さの等しい電気機器をグループ化し、グループに属する電気機器の各々における通電のオン・オフ動作のタイミングを決定し、通信I/F402は、グループに属する電気機器の各々に対し、決定された通電のオン・オフ動作のタイミングを示す指令信号を送信する。
このように、通電のオン・オフ周期の長さの等しい電気機器をグループ化し、グループに属する電気機器の各々における通電のオン・オフ動作のタイミングを決定するので、電気機器のオン・オフ動作を効率よく協調動作させることができる。したがって、商用電力系統から購入する買電量及び商用電力系統に対して逆潮流させる売電量を効率よく制御することが可能になる。その結果、初期費用の回収期間を短くできる。
また上記第1及び第2の実施の形態によれば、制御部401は、グループに属する電気機器の各々におけるオン許可期間が重なるように、通電のオン・オフ動作のタイミングを決定する。これによって、例えば、自家発電電力が自家消費電力と同程度の場合には、売電収入を効率よく増やすことができる。その結果、初期費用の回収期間をより一層短くできる。
また上記第2の実施の形態によれば、中央管理装置101において、制御部401は、現在の動作モードをピーク電力抑圧モード及び積極的売電モードのうちのいずれかに設定し、積極的売電モードが設定されている場合には、グループに属する電気機器の各々におけるオン許可期間が重なるように、通電のオン・オフ動作のタイミングを決定し、ピーク電力抑圧モードが設定されている場合には、グループに属する電気機器の各々におけるオン許可期間が重ならないように、通電のオン・オフ動作のタイミングを決定する。これによって、積極的売電モード時には売電収入を効率よく増やすことができる。また、ピーク電力抑圧モード時には、買電量を減らすことができるとともに、自家消費電力がブレーカ限界を超えないようにできる。
また上記第2の実施の形態によれば、中央管理装置101において、制御部401は、商用電力系統113を有する電力会社の定める売電価格情報及び買電価格情報を取得し、取得した売電価格情報及び買電価格情報に基づいて、売電価格が買電価格よりも高いか否かを判定する。そして、売電価格が買電価格よりも高いと判定した場合には、現在の動作モードを積極的売電モードに設定し、売電価格が買電価格よりも高くないと判定した場合には、現在の動作モードをピーク電力抑圧モードに設定する。これによって、積極的売電モード時には売電収入をより一層効率よく増やすことができる。また、ピーク電力抑圧モード時には、買電量を効率よく減らすことができる。
また上記第2の実施の形態によれば、中央管理装置101において、制御部401は、自家発電電力情報及び自家消費電力情報を取得し、取得した自家発電電力情報及び自家消費電力情報に基づいて、自家発電電力が予め定める所定値以上であるか否か、及び、直近の自家消費電力が予め定める所定値よりも小さいか否か、を判定する。そして、自家発電電力が予め定める所定値以上であり、かつ直近の自家消費電力が予め定める所定値よりも小さいと判定した場合には、現在の動作モードを積極的売電モードに設定し、自家発電電力が予め定める所定値以上ではないと判定した場合、及び、直近の自家消費電力が予め定める所定値よりも小さくないと判定した場合の少なくともいずれかである場合には、現在の動作モードをピーク電力抑圧モードに設定する。これによって、積極的売電モード時には売電収入をより一層効率よく増やすことができる。また、ピーク電力抑圧モード時には、買電量を効率よく減らすことができるととこに、より一層確実に、自家消費電力がブレーカ限界を超えないようにできる。
〈変形例〉
なお、上記第1及び第2の実施の形態では、電力モニタ114、中央管理装置101、及び、電気機器はそれぞれ別の装置であったが、本発明はそのような実施の形態に限定されない。例えば、中央管理装置101は、電力モニタ114と一体に構成されていてもよい。また、家庭内にHEMS(Home Energy Management System)コントローラが設置されている場合には、中央管理装置101は、HEMSコントローラと一体に構成されていてもよい。又は、中央管理装置101は、電気機器と一体に構成されていてもよい。この場合、中央管理装置101として機能するのは、エアコン110、電気ヒータ111、冷蔵庫112などの電気機器のうちのいずれか1つである。
また上記第1及び第2の実施の形態では、目標周期はユーザによって設定されたが、本発明はそのような実施の形態に限定されない。例えば、最適な目標周期が、電気機器毎に予め設定されていてもよい。
また上記第2の実施の形態において、電気機器の動作タイミングは、オン状態時の消費電力が大きいものから順に決定されたが、本発明はそのような実施の形態に限定されない。例えば、オン状態時の消費電力とオン許可期間の長さとの積が大きいものから順に決定されてもよい。
またピーク電力抑圧モード又は積極的売電モードに移行する条件は、上記第2の実施の形態に記載の条件に限定されない。例えば、以下に示すように時間帯が条件であってもよい。図38を参照して、グラフC1は太陽光発電電力量を示し、グラフC2は自家消費電力量を示す。図38に示されるように、6時から9時頃までの朝の時間帯、及び、16時から18時までの夕方の時間帯には、太陽光発電電力量が自家消費電力量と同程度になる。したがって、朝及び夕方の時間帯には、異なる電気機器のオン許可期間を重ねることによって売電量を効率よく増加させることができる。一方、0時から6時まで及び18時から24時までの夜の時間帯には、太陽光発電電力量がほぼ0になる。また、9時から16時までの昼の時間帯には太陽光発電電力量が自家消費電力量を大きく上回る。したがって、夜及び昼の時間帯には、異なる電気機器のオン許可期間を重ねても、売電量を増加させることはできない。したがって、制御部401は、動作モードを、朝及び夕方の時間帯には積極的売電モードに設定し、夜及び昼の時間帯にはピーク電力抑圧モードに設定するようにしてもよい。
また、上記第2の実施の形態では、直近の平均自家消費電力(P)が、ブレーカの限界を超えないように予め定められる所定値(P)以上である場合には、ピーク電力抑圧モードが設定されたが、本発明はそのような実施の形態に限定されない。例えば、複数の電気機器を協調動作させた場合に予想されるトップ・ピーク電力の値が、予め定められる所定値(P)以上である場合に、ピーク電力抑圧モードが設定されてもよい。テーブル4に示す管理テーブルを参照して、例えば、第1の電気機器〜第2の電気機器を協調動作させた場合に予想されるトップ・ピーク電力の値は、2100Wである。この値は、所定値(P)である3.6kWよりも小さいので、動作モードは積極的売電モードに設定される。一方、予想されるトップ・ピーク電力の値が3.6kW以上である場合には、動作モードはピーク電力抑圧モードに設定される。
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
50 自家消費電力量
52 購入電力量
54 自給電力量
56 太陽光発電電力量
58 余剰電力量
100 太陽光発電システム
101 中央管理装置
102 分電盤
103 ルータ
104 IP網
105 太陽電池アレイ
106 売電用電力量計
107 買電用電力量計
108 接続箱
109 パワーコンディショナ
110 エアコン
111 電気ヒータ
112 冷蔵庫
113 商用電力系統
114 電力モニタ
301,401 制御部
302,402 通信I/F
303 入力部
304 センサ部
305 表示部
306,403 タイマ
307,404 時刻同期部
308 状態管理部
309 コントローラ
310 制御対象物
405 テーブル記憶部

Claims (11)

  1. 各々、電力消費が周期的に変化する1以上の電気機器と、自家発電装置と、前記電気機器の動作タイミングを管理する中央管理装置とを含む自家発電システムであって、
    前記中央管理装置は、
    前記1以上の電気機器のうち、電力消費の周期が同一の電気機器からなるグループを抽出するための抽出手段と、
    前記抽出手段により抽出されたグループに属する電気機器の合計消費電力が少ない期間を設けられるように、当該グループに属する各電気機器の動作タイミングを決定することにより、前記自家発電装置による発電電力量のうち、前記1以上の電気機器に供給される自給電力量を調整し、余剰電力量を増大させるための積極的売電手段とを含む、自家発電システム。
  2. 請求項1に記載の自家発電システムであって、
    前記中央管理装置はさらに、
    前記抽出手段により抽出されたグループに属する電気機器の消費電力が平準化するように、当該グループに属する電気機器の動作タイミングを決定することにより、消費電力ピークを抑圧するためのピーク電力抑圧手段と、
    売電単価が買電単価より高いか否かにより、前記積極的売電手段と前記ピーク電力抑圧手段とを切替えて動作させるための切替手段とを含む、自家発電システム。
  3. 1以上の電気機器と、自家発電装置とを含む自家発電システムで使用される中央管理装置であって、
    前記1以上の電気機器のうち、電力消費の周期が同一の電気機器からなるグループを抽出するための抽出手段と、
    前記抽出手段により抽出されたグループに属する電気機器の合計消費電力が少ない期間を設けられるように、当該グループに属する前記電気機器の動作タイミングを決定し、当該グループに属する電気機器に通知することにより、前記自家発電装置による発電電力量のうち、前記1以上の電気機器に供給される自給電力量を調整し、余剰電力量を増大させるための積極的売電手段とを含む、中央管理装置。
  4. 請求項3に記載の中央管理装置であって、
    前記積極的売電手段は、前記抽出手段により抽出された電気機器について、前記周期内において、余剰電力量を極大化させるように、各電器機器に対して電力供給を許可する期間を当該電気機器の動作の周期内に配置するための手段を含む、中央管理装置。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の中央管理装置であって、さらに、
    前記抽出手段により抽出されたグループに属する電気機器の消費電力が平準化するように、当該グループに属する電気機器の動作タイミングを決定し、当該グループに属する電気機器に通知することにより、消費電力のピークを抑圧するためのピーク電力抑圧手段と、
    売電単価が買電単価より高いか否かにより、前記積極的売電手段と前記ピーク電力抑圧手段とを切替えて動作させるための切替手段とを含む、中央管理装置。
  6. 請求項5に記載の中央管理装置であって、前記ピーク電力抑圧手段は、前記抽出手段により抽出されたグループに属する電気機器について、当該グループに属する電気機器の周期内において、当該グループに属する電気機器の消費電力を平準化させるように、各電器機器に対して電力供給を許可する期間を当該電気機器の動作の周期内に配置するための手段を含む、中央管理装置。
  7. 1以上の電気機器と、自家発電装置とを含む自家発電システムで使用される中央管理装置によって、1以上の電気機器の動作を制御する方法であって、
    前記中央管理装置は、
    前記1以上の電気機器のうち、電力消費の周期が同一の電気機器からなるグループを抽出するための抽出手段と、
    前記抽出手段により抽出されたグループに属する電気機器の合計消費電力が少ない期間を設けられるように、当該グループに属する前記電気機器の動作タイミングを決定し、当該グループに属する電気機器に通知することにより、前記自家発電装置による発電電力量のうち、前記1以上の電気機器に供給される自給電力量を調整し、余剰電力量を増大させるための積極的売電手段とを含み、
    前記方法は、
    前記抽出手段により、前記1以上の電気機器のうち、電力消費の周期が同一の電気機器からなるグループを抽出するステップと、
    前記積極的売電手段により、前記抽出するステップ手段において抽出されたグループに属する電気機器の合計消費電力が少ない期間を設けられるように、当該グループに属する電気機器の動作タイミングを決定し、当該グループに属する電気機器に通知することにより、前記自家発電装置による発電電力量のうち、前記1以上の電気機器に供給される自給電力量を調整し、余剰電力量を増大させるステップとを含む、方法。
  8. 請求項7に記載の方法であって、
    前記中央管理装置は、さらに、
    前記抽出手段により抽出されたグループに属する電気機器の消費電力が平準化するように、当該グループに属する電気機器がオンとなる期間を決定し、当該グループに属する電気機器に通知することにより、消費電力のピークを抑圧するためのピーク電力抑圧手段と、
    売電単価が買電単価より高いか否かにより、前記積極的売電手段と前記ピーク電力抑圧手段とを切替えて動作させるための切替手段とを含み、
    前記方法はさらに、
    前記ピーク電力抑圧手段により、前記抽出手段により抽出されたグループに属する電気機器の消費電力が平準化するように、当該グループに属する電気機器がオンとなる期間を決定し、当該グループに属する電気機器に通知するステップと、
    前記切替手段により、売電単価が買電単価より高いか否かにより、前記積極的売電手段と前記ピーク電力抑圧手段とを切替えて動作させるステップとを含む、方法。
  9. 1以上の電気機器及び自家発電装置を含む自家発電システムにおいて、前記1以上の電気機器と通信可能な通信装置を有するコンピュータにより実行されると、当該コンピュータを、
    前記1以上の電気機器のうち、電力消費の周期が同一の電気機器からなるグループを抽出するための抽出手段と、
    前記抽出手段により抽出されたグループに属する電気機器の合計消費電力が少ない期間を設けられるように、当該グループに属する前記電気機器の動作タイミングを決定し、当該グループに属する電気機器に通知することにより、前記自家発電装置による発電電力量のうち、前記1以上の電気機器に供給される自給電力量を調整し、余剰電力量を増大させるための積極的売電手段として機能させる、コンピュータプログラム。
  10. 前記コンピュータプログラムはさらに、前記コンピュータを、
    前記抽出手段により抽出されたグループに属する電気機器の消費電力が平準化するように、当該グループに属する電気機器の動作タイミングを決定し、当該グループに属する電気機器に通知することにより、消費電力のピークを抑圧するためのピーク電力抑圧手段と、
    売電単価が買電単価より高いか否かにより、前記積極的売電手段と前記ピーク電力抑圧手段とを切替えて動作させるための切替手段として機能させる、請求項9に記載のコンピュータプログラム。
  11. 請求項9又は請求項10に記載のコンピュータプログラムを記録した、コンピュータ読取可能な記録媒体。
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