JP2012021732A - 建物の空調システム - Google Patents
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Abstract
【課題】家具のレイアウト性の向上を図ることができるとともに、室内空間をムラなく換気することが可能な建物の空調システムを提供する。
【解決手段】建物の空調システムは、基礎2の上に立設された複数の壁体3によって周囲を囲われた室内空間11,12と、各壁体3との間に隙間S1を空けた状態で、基礎2から上方に離間した位置に配置された床版41と、床版41によって室内空間11,12と仕切られた床下空間13,14と、室内空間11,12に空調された空気を供給する空調装置7と、室内空間11,12から床下空間13,14に、隙間S1を介して、空調された空気を移動させる排気装置9と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】建物の空調システムは、基礎2の上に立設された複数の壁体3によって周囲を囲われた室内空間11,12と、各壁体3との間に隙間S1を空けた状態で、基礎2から上方に離間した位置に配置された床版41と、床版41によって室内空間11,12と仕切られた床下空間13,14と、室内空間11,12に空調された空気を供給する空調装置7と、室内空間11,12から床下空間13,14に、隙間S1を介して、空調された空気を移動させる排気装置9と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、室内空間と床下空間とを有する建物の空調システムに関する。
従来、建物の床下は空気の流れが悪いため湿度が高くなりやすい。そのため、カビ等が繁殖して悪臭が発生することがあった。また、床下の木材が吸湿してしまうと、含水率が高くなり耐久性が低下するおそれがあった。そこで、建物の床下の環境を改善するために、床下空間に連通する通気口を居室の床に形成するとともに、床下の基礎に排気ブロアを設け、排気ブロアを駆動することにより、床下空間の空気を建物外部に排出しつつ、居室の空気を床下空間に導入することが行われている(例えば特許文献1参照)。
また、木造住宅は、熱容量が小さいため、RC造に比べて室温が外気温に左右されやすい。そこで、基礎コンクリートに蓄熱させることにより、室温の安定化と省エネルギー化を図るために、床下空間に室内空間の暖かい空気を導入することが行われている。
しかし、通気口を床の所定箇所に設けると、通気口を塞がないように家具を設置する必要があり、家具を思い通りにレイアウトすることができないという問題があった。
一方、空調装置の噴き出し口に近い位置に通気口を形成すると、空気の流れにショートサーキット(短絡)が生じてしまい、空調された空気が室内に均等に行き渡らず、空気溜りができてしまうことがある。つまり、通気口を設ける位置は、空気の流れと家具の配置の両面から制約を受けるので、両方を満足することは難しかった。
また、通気口を複数個所に設ける場合、通気口の周囲を補強したりガラリを個別に設置する必要が生じ、施工の手間や材料の増加を招くという問題があった。
一方、空調装置の噴き出し口に近い位置に通気口を形成すると、空気の流れにショートサーキット(短絡)が生じてしまい、空調された空気が室内に均等に行き渡らず、空気溜りができてしまうことがある。つまり、通気口を設ける位置は、空気の流れと家具の配置の両面から制約を受けるので、両方を満足することは難しかった。
また、通気口を複数個所に設ける場合、通気口の周囲を補強したりガラリを個別に設置する必要が生じ、施工の手間や材料の増加を招くという問題があった。
また、基礎の立ち上がり部によって複数の床下空間が互いに仕切られている場合、それぞれの床下空間の空気は、立ち上がり部に形成された人通口を通って排気ブロアに流れるが、排気ブロアから遠い場所では排気抵抗が大きくなってしまい、床下空間の換気にムラが生じることがあった。
本発明は、かかる問題を解決するために成されたものであり、家具のレイアウト性の向上を図ることができるとともに、室内空間をムラなく換気することが可能な建物の空調システムを提供することを課題とする。
また、本発明は、床下空間をムラなく換気することが可能な建物の空調システムを提供することを他の課題とする。
また、本発明は、床下空間をムラなく換気することが可能な建物の空調システムを提供することを他の課題とする。
本発明に係る建物の空調システムは、支持体の上に立設された複数の壁体によって周囲を囲われた室内空間と、前記各壁体との間に第1の隙間を空けた状態で、前記支持体から上方に離間した位置に配置された床版と、前記床版によって前記室内空間と仕切られた床下空間と、前記室内空間及び前記床下空間の一方に空調された空気を供給する空調手段と、前記室内空間及び前記床下空間の一方から他方に、前記第1の隙間を介して、前記空調された空気を移動させる空気移動手段と、を備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、第1の隙間によって、床版の全周にわたって通気口が形成されているので、家具を配置しても通気口全体がふさがってしまうことがない。また、床版の周囲全体から空気が流出又は流入するので、ショートサーキットが生じ難い。そのため、家具を自由に配置することができ、かつ、室内空間をムラなく換気することができる。
また、床版の設置と巾木の設置に付随して、第1の隙間と第2の隙間とが形成されるので、通気口の設置に専用の手間や材料をほとんど必要とせず、施工の手間や材料の増加を抑制することができる。
また、床版の設置と巾木の設置に付随して、第1の隙間と第2の隙間とが形成されるので、通気口の設置に専用の手間や材料をほとんど必要とせず、施工の手間や材料の増加を抑制することができる。
また、本発明は、前記壁体と前記床版とで構成される隅部に沿って設置される巾木を更に備え、前記巾木は、水平方向に互いに間隔を隔てて前記壁体に取り付けられた複数のスペーサと、前記複数のスペーサに跨って取り付けられた巾木本体と、前記巾木本体に対して上方に離間して前記壁体に取り付けられた突条部材と、前記巾木本体と前記突条部材との間に形成された第3の隙間を覆うフィルタ部材と、を備える構成とするのが好ましい。
かかる構成によれば、水平方向に互いに間隔を隔てて前記壁体に取り付けられた複数のスペーサに跨るようにして巾木本体を取り付けることによって、第2の隙間を容易に形成することができる。また、巾木本体に対して上方に離間して壁体に突条部材を取り付けることによって、第2の隙間とフィルタ部材とを目立たなくして意匠性を向上させることができる。
また、前記空調手段は、前記室内空間に空調された空気を供給し、前記空気移動手段は、前記床下空間の空気を外部に排出することにより、前記室内空間から前記床下空間に、前記第1乃至第3の隙間を介して、前記空調された空気を移動させるように構成するのが好ましい。
かかる構成によれば、空調された空気を床下空間に導入することによって、床下空間の環境を室内空間と同等にすることができる。そのため、床下空間が高湿度になることを抑制することができ、悪臭の発生や木材の耐久性の低下を抑制することができる。
また、本発明に係る建物の空調システムは、複数の前記室内空間と複数の前記床下空間と複数の前記床版と、を有し、前記支持体は、前記各床下空間の底面を構成するスラブ部と、前記スラブ部から立ち上がって前記各壁体の下端部を支持する立ち上がり部と、を有し、前記各室内空間の周囲を囲う前記壁体は、建物の外壁となる外壁部と前記室内空間同士を区画する間仕切り壁部と、を有し、前記外壁部と前記立ち上がり部との間には、シール部材を備えた気密性基礎パッキンが介設されるとともに、前記間仕切り壁部と前記立ち上がり部との間には、隣り合う床下空間同士を連通する通気路を備えた通気性基礎パッキンが介設されている構成とするのが好ましい。
かかる構成によれば、外壁部と立ち上がり部との間には、シール部材を備える気密性基礎パッキンが配置されているので、床下空間全体の気密性を向上させることができる。さらに、間仕切り壁部と立ち上がり部との間には、連通路を有する通気性基礎パッキンが配置されているので、床下空間相互の排気抵抗を低減することができる。また、各立ち上がり部に沿って(換言すれば、各壁体に沿って)通気口となる第1の隙間が形成されているので、各床下空間に空調された空気をムラなく導入することができる。そのため、複数の床下空間をムラなく換気することができる。
本発明によれば家具のレイアウト性の向上を図ることができるとともに、室内空間をムラなく換気することが可能な建物の空調システムを提供することができる。
また、本発明によれば、床下空間をムラなく換気することが可能な建物の空調システムを提供することができる。
また、本発明によれば、床下空間をムラなく換気することが可能な建物の空調システムを提供することができる。
本発明の実施形態に係る建物の空調システムについて図面を参照して詳細に説明する。説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1に示すように、建物1は、例えば木造で建築された住宅であり、支持体である基礎2と、基礎2の上に立設された複数の壁体3と、基礎2から上方に離間した位置に設置された二重床4の床版41と、壁体3と床版41とで構成される隅部に沿って設けられた巾木5と、複数の壁体3の上に設置された天井6と、建物1の空調を行う空調装置7と、を主に有している。また、建物1は、一階部分に室内空間11,12を有しているとともに、室内空間11,12、の下方に、床下空間13,14を有している。
建物1の建築方法は、特に限定されるものではなく、軸組工法、枠組壁工法など、公知の工法を採用することができる。また、建物1は、高気密住宅でもよいし、そうでなくてもよい。
建物1の建築方法は、特に限定されるものではなく、軸組工法、枠組壁工法など、公知の工法を採用することができる。また、建物1は、高気密住宅でもよいし、そうでなくてもよい。
基礎2は、建物1を支持するための鉄筋コンクリート製の部材である。基礎2は、床下空間13,14の底面を構成する盤状のスラブ部21と、壁体3の設置位置に沿ってスラブ部21から立ち上がる立ち上がり部22と、を有している。建物1の外周に位置する立ち上がり部22の内側面には、断熱材23が設置されている。断熱材23は、例えばガラス繊維マットや発泡ポリウレタンなどで構成されている。
壁体3は、室内空間11の周囲を囲う部材であり、基礎2の立ち上がり部22の上に設置されている。壁体3は、立ち上がり部22の天端に固定された土台31と、土台31の上に立設された壁下地32と、壁下地32の屋内側に取り付けられた内装材33と、壁下地32の屋外側に取り付けられた外装下地材(図示省略)及び外装材34と、を主に備えている。なお、立ち上がり部22と土台31との間には、基礎パッキン8が介設されている。
壁体3は、建物の外壁となる外壁部3Aと、室内空間11,12同士を区画する間仕切り壁部3Bと、を有している。
壁体3は、建物の外壁となる外壁部3Aと、室内空間11,12同士を区画する間仕切り壁部3Bと、を有している。
二重床4は、基礎2のスラブ部21から上方に離間した位置に設置された床版41と、床版41を支持する複数の床束42と、を備えている。床版41は、各室内空間11,12の床面を構成するとともに、各床下空間13,14の上面を構成している。床版41は、例えば、床下地43と、床下地43の上面に取り付けられたフローリングなどの仕上げ材44と、を有している。床版41は、各室内空間11,12の周囲を囲う複数の壁体3に対して一定の隙間S1を空けて設置されている。
床束42は、例えば伸縮自在に構成された鋼製の部材であり、床版41とスラブ部21との間に介在して、床版41の高さを調節できるようになっている。
なお、本実施形態では、床版41を二重床構造で支持する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば、床根太などを用いた在来工法的な床組みで、床版41を支持してもよい。
床束42は、例えば伸縮自在に構成された鋼製の部材であり、床版41とスラブ部21との間に介在して、床版41の高さを調節できるようになっている。
なお、本実施形態では、床版41を二重床構造で支持する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば、床根太などを用いた在来工法的な床組みで、床版41を支持してもよい。
巾木5は、壁体3の下部を保護する部材である。巾木5は、壁体3と床版41とによって形成された隅部に沿って、室内空間11,12の内側を囲うように、壁体3に対して隙間S2を空けて取り付けられている。巾木5については図2を参照して後に詳しく説明する。
天井6は、室内空間11,12の天井面を構成するとともに、2階の床を構成する部材である。天井6は、中空構造になっており、その内部には空調装置7からの空気を室内空間11,12に導くためのダクト71が設置されている。本実施形態では、ダクト71は途中で二股に分岐されており、一方のダクト71aは室内空間11に開口し、他方のダクト71bは室内空間12に開口している。
空調装置7は、取り込んだ空気の温度や湿度を調節し、その空調した空気を室内空間11,12に供給する装置である。空調装置7は、例えば、小屋裏空間や屋外などに設置されている。空調装置7から送り出された空気は、ダクト71を介して室内空間11,12にそれぞれ供給される。
なお、空調装置7は、全館空調システムでもよいし、個別空調システム(いわゆるエアコン)でもよい。
なお、空調装置7は、全館空調システムでもよいし、個別空調システム(いわゆるエアコン)でもよい。
基礎パッキン8は、基礎2と土台31との間に介在して、土台31が基礎2の湿気を吸湿することを防止する部材である。基礎パッキン8は、基礎2の立ち上がり部22の上面に連続的に設置されている。
基礎パッキン8は、外壁部3Aの下方に設置された気密性基礎パッキン8Aと、間仕切り壁部3Bの下方に設置された通気性基礎パッキン8Bの2種類で構成されている。基礎パッキン8については図3乃至図5を参照して後に詳しく説明する。
基礎パッキン8は、外壁部3Aの下方に設置された気密性基礎パッキン8Aと、間仕切り壁部3Bの下方に設置された通気性基礎パッキン8Bの2種類で構成されている。基礎パッキン8については図3乃至図5を参照して後に詳しく説明する。
図1の右側の床下空間14には、床下空間14の空気を外部に排出するための空気移動手段である排気装置9が設置されている。排気装置9は、ファン91と、排気ダクト92とから構成されている。床下空間14の外壁を構成する立ち上がり部22には、排気ダクト92を設置するための貫通孔22aが形成されている。
なお、本実施形態では、排気ダクト92の屋外側の端部は、単に外気に開口しているが、図示しない循環パイプを介して空調装置7の空気取入口に連結されるように構成してもよい。このようにすれば、建物1内の空調された空気を有効利用することができ、熱効率を向上させることができる。
次に、本実施形態の巾木について図2を参照して詳細に説明する。
図2(a),(b)に示すように、巾木5は、水平方向に互いに間隔を隔てて壁体3に取り付けられた複数のスペーサ51と、複数のスペーサ51に跨って取り付けられた巾木本体52と、巾木本体52に対して上方に離間して壁体3に取り付けられた突条部材53と、巾木本体52と突条部材53との間に形成された隙間S3を覆うフィルタ部材54と、を備えている。
スペーサ51は、長方体形状を呈する薄板状の部材である。スペーサ51の厚さ寸法は、壁体3と床版41の隙間S1の厚さ寸法に略等しく設定されており、具体的には、例えば4mm程度に設定されている。
なお、床版41の仕上げ材44を設置する前にスペーサ51を壁体3に取り付けておき、仕上げ材44が壁体3の内装材33に当接させないための目印としてスペーサ51を利用すると、施工が容易である。
なお、床版41の仕上げ材44を設置する前にスペーサ51を壁体3に取り付けておき、仕上げ材44が壁体3の内装材33に当接させないための目印としてスペーサ51を利用すると、施工が容易である。
巾木本体52は、細長い薄板状の部材であり、複数のスペーサ51に跨って取り付けられている。これにより、隣り合うスペーサ51,51と巾木本体52と壁体3とに囲まれた空間に、隙間S2が形成されることとなる。隙間S2は、隙間S1と連通している。
突条部材53は、壁体3の表面から突出する長尺部材であり、巾木本体52の上端部から上方に離間した状態で、壁体3の内装材33に取り付けられている。これにより、スペーサ51及び巾木本体52と、突条部材53との間に隙間S3が形成されることとなる。隙間S3の巾は、例えば5mm程度に設定される。隙間S3は、隙間S2と室内空間11,12とを連通している。つまり、隙間S1、S2,S3は、室内空間11,12と床下空間13,14とを連通する通気路Sを構成している。
フィルタ部材54は、通気路Sからほこりや害虫が侵入するのを防止するための部材であり、例えば網目の細かいネットなどで構成されている。フィルタ部材54の下端縁54aは、スペーサ51と巾木本体52との間に挟持されている。また、フィルタ部材54の上端縁54bは、壁体3(内装材33)と突条部材53との間に挟持されている。
なお、図示は省略するが、巾木本体52の裏面の上端縁に両面テープを設置して、フィルタ部材54の下端縁54aを巾木本体52に先付けしておくと、施工が容易である。
なお、図示は省略するが、巾木本体52の裏面の上端縁に両面テープを設置して、フィルタ部材54の下端縁54aを巾木本体52に先付けしておくと、施工が容易である。
ちなみに、突条部材53は、壁体3から突出して隙間S2の上側開口部を覆っている。そのため、隙間S2やフィルタ部材54が目立たなくなり、意匠性を向上することができる。また、突条部材53の厚さ寸法は、スペーサ51の厚さ寸法と巾木本体52の厚さ寸法とを合計した値よりも小さい。つまり、巾木本体52は、突条部材53よりも室内側に突出している。そのため、巾木本体52に密着して家具を配置しても、隙間S3が塞がることがない。
次に、図3乃至図5を参照して、気密性基礎パッキン8A及び通気性基礎パッキン8Bの構造について詳細に説明する。
図3に示すように、気密性基礎パッキン8Aは、硬質ゴムなどで形成された樹脂製の部材であり、パッキン本体8Aaと、シール部8Abとを有している。
パッキン本体8Aaは、細長い長方体形状を呈しており、その中央には長手方向に沿って3つの肉抜き孔8Acが形成されている。
シール部8Abは、パッキン本体8Aaの長手方向に沿って、肉抜き孔8Acの両側に1条ずつ(合計2条)設置されている。シール部8Abは、例えば、ウレタンゴムやブチルゴムなどで構成されており、その上に土台31が載置されたときに潰れてパッキン本体8Aaと土台31との間を気密に封鎖するようになっている。
パッキン本体8Aaは、細長い長方体形状を呈しており、その中央には長手方向に沿って3つの肉抜き孔8Acが形成されている。
シール部8Abは、パッキン本体8Aaの長手方向に沿って、肉抜き孔8Acの両側に1条ずつ(合計2条)設置されている。シール部8Abは、例えば、ウレタンゴムやブチルゴムなどで構成されており、その上に土台31が載置されたときに潰れてパッキン本体8Aaと土台31との間を気密に封鎖するようになっている。
図4に示すように、通気性基礎パッキン8Bは、硬質ゴムなどで形成された樹脂製の部材であり、パッキン本体8Baと、複数の連通路8Bbとを有している。
パッキン本体8Baは、細長い長方体形状を呈しており、その中央には長手方向に沿って3つの肉抜き孔8Bcが形成されている。
連通路8Bbは、パッキン本体8Baの短手方向に貫通形成された貫通孔である。連通路8Bbは、肉抜き孔8Bcが形成されていない部分では、パッキン本体8Baの短手方向の側面同士を連通している。また、連通路8Bbは、肉抜き孔8Bcが形成されている部分では、パッキン本体8Baの短手方向の側面と肉抜き孔8Bcとを連通している。
パッキン本体8Baは、細長い長方体形状を呈しており、その中央には長手方向に沿って3つの肉抜き孔8Bcが形成されている。
連通路8Bbは、パッキン本体8Baの短手方向に貫通形成された貫通孔である。連通路8Bbは、肉抜き孔8Bcが形成されていない部分では、パッキン本体8Baの短手方向の側面同士を連通している。また、連通路8Bbは、肉抜き孔8Bcが形成されている部分では、パッキン本体8Baの短手方向の側面と肉抜き孔8Bcとを連通している。
図5は、建物1の基礎2の立ち上がり部22を模式的に描いた平面図である。なお、図5は、一般的な住宅の基礎の立ち上がり部を例示したものである。
図5に示すように、気密性基礎パッキン8Aは、建物1の外壁部3A(図1参照)に沿って設けられた立ち上がり部22の天端に設置されている。これにより、複数の床下空間13,14(図1参照)が、全体として気密状態となり、建物1の外部から空気が流入することを抑制できる。
図5に示すように、気密性基礎パッキン8Aは、建物1の外壁部3A(図1参照)に沿って設けられた立ち上がり部22の天端に設置されている。これにより、複数の床下空間13,14(図1参照)が、全体として気密状態となり、建物1の外部から空気が流入することを抑制できる。
一方、通気性基礎パッキン8Bは、間仕切り壁部3B(図1参照)の下方に設けられた立ち上がり部22の天端に設置されている。これにより、複数の床下空間13,14(図1参照)が、通気性基礎パッキン8Bの連通路8Bbを介して連通した状態となり、排気抵抗が低下するので、複数の床下空間13,14同士の空気の移動がスムーズになる。
次に、本実施形態に係る建物の空調システムの動作及び作用効果について、図1(適宜図2乃至図5)を参照して説明する。
まず、空調装置7の図示しない操作スイッチを操作して、室内空間11,12の温度及び湿度などを設定し、空調装置7の運転を開始する。そうすると、空調装置7は、取り込んだ空気を設定した温度及び湿度に空調し、室内空間11,12に、ダクト71を介して空調した空気を供給する。
空調装置7の運転を開始するのに連動して、排気装置9の運転を開始することにより、床下空間14の空気を、床下空間14の外部に排出する。
そうすると、床下空間14の気圧が低下するため、床下空間14の上方にある室内空間12の空気が、通気路Sを介して床下空間14に流入するとともに、床下空間14に隣接する床下空間13の空気が、通気性基礎パッキン8Bの連通路8Bbを介して床下空間14に流入する。
さらに、床下空間13の気圧が低下するため、床下空間13の上方にある室内空間11の空気が、通気路Sを介して床下空間13に流入する
そうすると、床下空間14の気圧が低下するため、床下空間14の上方にある室内空間12の空気が、通気路Sを介して床下空間14に流入するとともに、床下空間14に隣接する床下空間13の空気が、通気性基礎パッキン8Bの連通路8Bbを介して床下空間14に流入する。
さらに、床下空間13の気圧が低下するため、床下空間13の上方にある室内空間11の空気が、通気路Sを介して床下空間13に流入する
このとき、通気路Sは、床版41の周囲に沿って環状に形成されているので、床版41の周囲全部が排気口となり、ショートサーキットや空気溜りが生じることがなく、室内空間11,12をムラなく換気(空調)することができる。これにより、室内空間11,12の冷暖房効率が向上し、快適性が向上する。
また、通気路Sは、床版41の周囲に沿って環状に形成されているので、どのように家具を配置したとしても、通気路Sが全部塞がれてしまうことがない。そのため、家具を自由に配置することができ、家具のレイアウト性が向上する。
また、通気路Sは、巾木5の上端部付近に開口しているので、床全体にカーペットなどを敷き詰めた場合でも塞がれることがない。また、巾木本体52は、突条部材53よりも室内側に突出しているので、巾木本体52に密着して家具を配置しても、隙間S3が塞がることがない。
また、1階のすべての室内空間11,12の床版41の周囲に通気路Sが形成されているので、室内空間11,12同士を必ずしも連通させる必要がない。そのため、室内ドアの下側にアンダーカット部やガラリを設けて通気路を確保しなくてもよいので、音漏れを容易に抑制することができる。
また、間仕切り壁部3Bの下方に設置された通気性基礎パッキン8Bは、複数の連通路8Bbを有しており、かつ、間仕切り壁部3Bの下方に設置された立ち上がり部22の天端全域に設置されているので、従来のように立ち上がり部22の人通口のみによって複数の床下空間同士が連通している場合に比較して、床下空間13,14をムラなく換気することができる。
また、室内空間11,12の空調された空気が、床下空間13,14に導入されるので、床下空間13,14の温度環境、湿度環境が、室内空間11,12と同等になる。また、外壁部3Aの下方に設置された気密性基礎パッキン8Aは、シール部8Abを備えているので、床下空間13,14の気密性、断熱性を高めることができる。そのため、床下空間13,14が室内空間11,12に悪影響を与えることがなく、建物1の空調効率を向上することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
例えば、本実施形態では、室内空間11,12に空調された空気を送り、床下空間14の空気を排気することで、室内空間11,12から床下空間13,14に空調された空気を移動させることとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、床下空間13,14に空調された空気を先に送り、室内空間11,12の空気を排気することで、床下空間13,14から室内空間11,12に空調された空気を移動させるようにしてもよい。このようにした場合でも、本実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、本実施形態では、壁体3と床版41との間に形成した隙間S1が、巾木5を介して室内空間11,12と連通するように構成したが、巾木5を介さないで連通する構成としてもよい。
また、本実施形態では、建物1の一例として戸建て住宅を用いたが、マンションなどの集合住宅に適用することも可能である。その場合には、マンションの構造躯体(例えばコンクリートスラブ等)が支持体となる。
1 建物
2 基礎
21 スラブ部
22 立ち上がり部
23 断熱材
3 壁体
31 土台
4 二重床
41 床版
42 床束
5 巾木
51 スペーサ
52 巾木本体
53 突条部材
54 フィルタ部材
6 天井
7 空調装置
71 ダクト
8 基礎パッキン
8A 気密性基礎パッキン
8B 通気性基礎パッキン
9 排気装置
91 ファン
92 排気ダクト
S 通気路
S1 隙間(第1の隙間)
S2 隙間(第2の隙間)
S3 隙間(第3の隙間)
2 基礎
21 スラブ部
22 立ち上がり部
23 断熱材
3 壁体
31 土台
4 二重床
41 床版
42 床束
5 巾木
51 スペーサ
52 巾木本体
53 突条部材
54 フィルタ部材
6 天井
7 空調装置
71 ダクト
8 基礎パッキン
8A 気密性基礎パッキン
8B 通気性基礎パッキン
9 排気装置
91 ファン
92 排気ダクト
S 通気路
S1 隙間(第1の隙間)
S2 隙間(第2の隙間)
S3 隙間(第3の隙間)
Claims (4)
- 支持体の上に立設された複数の壁体によって周囲を囲われた室内空間と、
前記壁体との間に第1の隙間を空けた状態で、前記支持体から上方に離間した位置に配置された床版と、
前記床版によって前記室内空間と仕切られた床下空間と、
前記室内空間及び前記床下空間の一方に空調された空気を供給する空調手段と、
前記室内空間及び前記床下空間の一方から他方に、前記第1の隙間を介して、前記空調された空気を移動させる空気移動手段と、
を備えることを特徴とする建物の空調システム。 - 前記壁体と前記床版とで構成される隅部に沿って設置される巾木を更に備え、
前記巾木は、
水平方向に互いに間隔を隔てて前記壁体に取り付けられた複数のスペーサと、
前記複数のスペーサに跨って取り付けられ、前記壁体に対して第2の隙間を空けて設置された巾木本体と、
前記巾木本体に対して上方に離間して前記壁体に取り付けられた突条部材と、
前記巾木本体と前記突条部材との間に形成された第3の隙間を覆うフィルタ部材と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の建物の空調システム。 - 前記空調手段は、前記室内空間に空調された空気を供給し、
前記空気移動手段は、前記床下空間の空気を外部に排出することにより、前記室内空間から前記床下空間に、前記第1乃至第3の隙間を介して、前記空調された空気を移動させることを特徴とする請求項2に記載の建物の空調システム。 - 複数の前記室内空間と複数の前記床下空間と複数の前記床版と、を有し、
前記支持体は、前記各床下空間の底面を構成するスラブ部と、前記スラブ部から立ち上がって前記各壁体の下端部を支持する立ち上がり部と、を有し、
前記各室内空間の周囲を囲う前記壁体は、建物の外壁となる外壁部と前記室内空間同士を区画する間仕切り壁部と、を有し、
前記外壁部と前記立ち上がり部との間には、シール部材を備えた気密性基礎パッキンが介設されるとともに、前記間仕切り壁部と前記立ち上がり部との間には、隣り合う床下空間同士を連通する通気路を備えた通気性基礎パッキンが介設されていることを特徴とする請求項3に記載の建物の空調システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010161160A JP2012021732A (ja) | 2010-07-16 | 2010-07-16 | 建物の空調システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010161160A JP2012021732A (ja) | 2010-07-16 | 2010-07-16 | 建物の空調システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012021732A true JP2012021732A (ja) | 2012-02-02 |
Family
ID=45776147
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010161160A Pending JP2012021732A (ja) | 2010-07-16 | 2010-07-16 | 建物の空調システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012021732A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018035514A (ja) * | 2016-08-29 | 2018-03-08 | トヨタホーム株式会社 | 建物 |
-
2010
- 2010-07-16 JP JP2010161160A patent/JP2012021732A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018035514A (ja) * | 2016-08-29 | 2018-03-08 | トヨタホーム株式会社 | 建物 |
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